【文献】
高橋 秀也,1 ウエアラブルコンピュータ用布タッチパッド,ウエアラブル・エレクトロニクス,日本,株式会社エヌ・ティー・エス,2014年 6月27日,第1版,pp. 47-53
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記感知回路は、前記集合電荷の変化に基づいて、タッチ感知式テキスタイルへのタッチ又は殆どタッチを検出するように構成された、請求項1に記載のタッチ感知式テキスタイルデバイス。
前記感知回路は、抵抗の変化に基づいて、前記第1の1組の導電糸又は前記第2の1組の導電糸へのタッチを感知するように構成された、請求項6に記載のタッチ感知式テキスタイルデバイス。
前記感知回路は、抵抗の変化に基づいて、前記第1のテキスタイル層又は前記第2のテキスタイル層へのタッチを感知するように構成された、請求項9に記載のタッチ感知式テキスタイルデバイス。
前記第1のテキスタイル層は、前記第1の1組の導電糸と織り交ぜられた第1の1組の非導電糸から形成され、前記第2のテキスタイル層は、前記第2の1組の導電糸と織り交ぜられた第2の1組の非導電糸から形成される、請求項9に記載のタッチ感知式テキスタイルデバイス。
前記第1のテキスタイル層は、前記第1の1組の導電糸と織り交ぜられた第1の1組の非導電糸から形成され、前記第2のテキスタイル層は、前記第2の1組の導電糸と織り交ぜられた第2の1組の非導電糸から形成される、請求項13に記載のタッチ感知式テキスタイルデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で説明する各実施形態は、全般的に、様々な民生用機器へのタッチ入力を受けるために使用できるタッチ感知式テキスタイルを対象としている。特に、本明細書で説明するデバイス及び技法は、民生用電子機器、衣類、服飾小物、ハンドバッグ、布張り製品、家庭用テキスタイル及びテキスタイル構成要素又は要素を含み得る他の物品に組み込まれ得る様々なテキスタイル材料に適用できる。以下の開示は、様々なユーザタッチ入力を受けるためのタッチ感知式テキスタイルを作成するための技法を対象としている。
【0019】
一般的に、柔軟性及び汎用性に富む多数のフォームファクタと組み合わせることができる、多様な材料を使用してタッチ感知式機能を実装すると有利であり得る。一部の実装では、タッチ感知式テキスタイルは、例えば装着型電子デバイスを含む、民生用電子機器に組み込んでもよい。例えば、タッチ感知式テキスタイルは、ユーザの身体にデバイスを固定するために使用されるバンド又は首紐の一部分に組み込むことができる。タッチ感知式テキスタイルはまた、シャツ、ジャケット、手袋又は他のテキスタイルベースの衣料品などの衣類に組み込んでもよい。例えば、タッチ感知式テキスタイルは、袖、ポケット又は使用が容易にアクセス可能な衣料品の他の部分に組み込むことができる。一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルは、例えば、小銭入れ、財布、ハンドバッグ、バックパック及び又はテキスタイル要素を含む他の小物を含む小物に組み込んでもよい。タッチ感知式テキスタイルはまた、例えば、クロス、ラグ、タペストリー、室内装飾材料又は他のファブリックベースの生地若しくは構成要素を含む、身体装着用ではない物品に組み込んでもよい。
【0020】
タッチ感知式テキスタイルを他の電子コンポーネント又は電子回路と組み合わせたり一体化させたりして、タッチ感知式テキスタイルデバイスを形成してもよい。一部の実装では、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、テキスタイルの表面へのタッチジェスチャ(単数又は複数)を認識するように構成され得る。タッチジェスチャ(単数又は複数)としては、スイープ、すなわち、コマンド又は他のユーザ入力として解釈され得る、テキスタイルの表面を横断するユーザの手指の動きが挙げられる。一部の実装では、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、テキスタイルへのタッチの力を検出及び測定するように構成され得る。検出及び測定した力を使用して、追加的なユーザ入力及び/又はコマンドを解釈し得る。タッチ感知式テキスタイルデバイスはまた、電子デバイスに組み込んだり、電子デバイスと連動するように構成させたりして、電子デバイスで実行されるプログラム又は命令にユーザ入力を供給してもよい。
【0021】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルは、テキスタイルの表面へのタッチ又は殆どタッチの場所を検出及び推定するように構成された静電容量式タッチセンサを含み得る。一部の実装では、タッチ感知式テキスタイルは、テキスタイル材料内で互いに横断するように向けられた2組の導電糸を含む。導電糸は、タッチ感知式テキスタイルの導電糸のそれぞれにおいて電荷を生成及び監視するように構成された感知回路へ動作可能に結合され得る。ユーザの手指などの物体が導電糸に接近すると、電荷が散逸又は放電する場合がある。このことを感知回路で検出できる。どの導電糸が放電したかを判定することによって、感知回路(又は他の処理ユニット)を使用して、テキスタイル材料へのタッチの場所を推定できる。
【0022】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルは、テキスタイルの表面へのタッチの場所を文字通信及び推定するように構成された抵抗方式タッチセンサを含み得る。一部の実装では、タッチ感知式テキスタイルは、テキスタイルに織り交ぜられた2組の導電糸を含み、一方の組は、他方の組に対してほぼ横断するように向けられる。手指などのタッチは、各1組の導電糸に属する糸の表面に接触し得る。その結果、2本の糸の間の抵抗又はインピーダンスが低下又は変化し得る。タッチによって低下した抵抗又はインピーダンスは、導電糸対間の抵抗及び/又はインピーダンスを監視及び検出するように構成された感知回路で検出できる。加えて、どの導電糸が抵抗又はインピーダンスの変化に関連するかを判定することによって、感知回路(又は他の処理ユニット)を使用して、テキスタイル材料の表面へのタッチの場所を推定できる。
【0023】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルは、モノフィラメント糸などのスペーサで隔てられた2層タッチセンサを含み得る。テキスタイルの各層は、1組の導電糸を含み得る。スペーサ層は、テキスタイルへのタッチに応じて圧縮又は変形し、その結果、一部の場合には、層のそれぞれに属する導電糸が互いに接触し得る。導電糸どうしが接触することにより、層の間の電気抵抗又はインピーダンスが変化し得る。このことを感知回路で検出できる。先の例でのように、どの導電糸が抵抗又はインピーダンスの変化に関連するかを判定することによって、感知回路(又は他の処理ユニット)を使用して、テキスタイル材料へのタッチの場所を推定できる。
【0024】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルは、各層が1組の導電糸を含む2層容量方式力センサを含み得る。2つの層は、モノフィラメント糸などの圧縮可能なスペーサによって隔てられている。テキスタイルの表面に力が加わると、2つの層は、共に接近させられ、その結果、2つの層の導電糸対間の容量が変化し得る。一部の実装では、感知回路によって2つの層の導電糸対間の容量を監視してもよく、これは容量の変化に基づいて、テキスタイルにかかる力を推定できるように、適合されている。
【0025】
上述の感知構成のうちの1つ以上は、電子デバイス又はシステムに対するコマンド又は他のユーザ入力として解釈され得るタッチ出力を生成するように構成されたタッチ感知式テキスタイルデバイス又は構成要素と一体化してもよい。一部の実装では、タッチ感知式テキスタイルデバイス又は構成要素は、様々な異なる電子デバイスのうちの1つ以上のためのユーザ入力を受けるために使用する。例示であって、限定するものではないが、タッチ感知式テキスタイルデバイス又は構成要素を使用して、携帯電話、ポータブルメディアプレーヤ、装着型電子デバイス、タブレットコンピューティングデバイス、ノート型コンピューティングデバイス、デスクトップコンピューティングデバイス、テレビ、電子機器又は他の電子デバイス若しくはシステムに、ユーザ入力を供給できる。
【0026】
図1は、タッチ感知式テキスタイルデバイス100を含むデバイスのシステム例を示す。特に、
図1は、ユーザが装着できる衣類に組み込まれるタッチ感知式テキスタイルデバイスを示している。
図1に示す例では、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、衣料品の袖に組み込まれている。ただし、先に説明したように、他の例では、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、ブレスレット、リストバンド、アームバンド、スカーフ又は他の着用可能な物品に組み込まれてもよい。加えて、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、例えば、クロス、ラグ、タペストリー、室内装飾材料、小銭入れ、バックパック、首紐又は他のファブリックベースの生地若しくは構成要素を含む、ユーザ装着用ではない様々な他の生地に組み込んでもよい。
【0027】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルデバイス100は、様々な電子デバイスと連携するように構成され得る。
図1に示す例では、タッチ感知式テキスタイルデバイス100は、モバイル電子デバイス110及び/又はコンピューティングデバイス120に、ユーザ入力を供給するように構成され得る。本例では、モバイル電子デバイス110は、携帯電話である。一部の実施形態では、モバイル電子デバイス110は、ポータブルメディアプレーヤ、装着型電子デバイス又は他のモバイルデバイスを含み得る。
図1に示すように、コンピューティングデバイス120は、ノートブックコンピュータシステムである。一部の実施形態では、コンピューティングデバイス120は、デスクトップコンピュータシステム、サーバコンピューティングシステム、通信ネットワークで接続されたリモートコンピュータシステム又は他のコンピューティングデバイスを含み得る。
【0028】
図1に示すように、タッチ感知式テキスタイルデバイス100は、タッチ感知式テキスタイルデバイス100へのユーザのタッチを、タッチをコマンド又はユーザ入力として解釈し得るモバイル電子デバイス110及び/又はコンピューティングデバイス120に中継するように構成されてもよい。例えば、
図1に示すように、タッチジェスチャ又は他のタイプのタッチコマンドは、タッチ感知式テキスタイルデバイス100の表面にタッチすることによって行われてもよい。この例では、ユーザは、タッチ感知式の袖の一部分に手指又は検出可能な物体を用いて接触することによって、タッチ入力を行っている。タッチ感知式テキスタイルデバイス100上で行われたジェスチャ又はタッチコマンドは、モバイル電子デバイス110及び/又はコンピューティングデバイス120に伝達されるコマンド又は確認応答に変換され得る。
【0029】
一例では、モバイル電子デバイス110は、音声、触覚及び/又は視覚出力を含む、警報出力を生成し得る。モバイル電子デバイス110は、ユーザのズボンのポケットにあることから、ユーザは、モバイル電子デバイス110にはすぐにアクセスできない場合もある。警報出力の受信に対して確認応答を行うために、ユーザは、タッチ感知式テキスタイルデバイス100の表面へのタッチベースのジェスチャ又は他のタッチ入力を行うことができる。次いで、タッチ感知式テキスタイルデバイス100は、モバイル電子デバイス110に伝達され、ユーザが警報を受信して確認したことを示す出力を生成し得る。確認に応じて、モバイル電子デバイス110は、追加的なアクションを行い得る及び/又は警報出力を終了若しくは消音させ得る。
【0030】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルデバイス100を使用して、モバイルデバイス110及び/又はコンピューティングデバイス120にコマンドを供給してもよい。例えば、ユーザは、モバイルデバイス110及び/又はコンピューティングデバイス120を使用して通信を開始するコマンドに対応するジェスチャを行うこともできる。一部の場合には、ユーザコマンドは、タッチ感知式テキスタイルデバイス100の表面に入力されたジェスチャに対応する既定のメッセージを使用して、電子メール、SMS又は他の通信を開始する命令を含み得る。ユーザがタッチ感知式テキスタイルデバイス100にタッチジェスチャを入力すると、モバイルデバイス110及び/又はコンピューティングデバイス120に通信を開始する連絡が送信され得る。
【0031】
一部の実施形態では、ユーザコマンドは、着信拒否モードを入力する命令を含み得る。着信拒否モードは、モバイルデバイス110又はコンピューティングデバイス120のいずれかからの警報を消音にする。ユーザコマンドはまた、モバイルデバイス110又はコンピューティングデバイス120のいずれかにおいて特定の機能を実行するためにパスコード又は他の認証を要するセキュアモードを入力又は呼び出す命令を含み得る。より一般的には、タッチ感知式テキスタイルデバイス100へのタッチは、タッチ感知式テキスタイルデバイス100と通信するモバイルデバイス110、コンピューティングデバイス120又は任意の他の電子デバイスによって行われ得る及び/又は解釈され得る様々なユーザコマンドを呼び出すために使用され得る。
【0032】
一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルデバイス100を使用して、モバイル電子デバイス100又はコンピューティングデバイス120で実行されるプログラム又は動作を制御してもよい。例えば、タッチ感知式テキスタイルデバイス100を使用して、モバイル電子デバイス100又はコンピューティングデバイス120のいずれかの音声出力の音量を制御してもよい。またタッチ感知式テキスタイルデバイス100を使用して、メディア再生中に、次のトラックを選択したり、あるメディア項目を次の項目として指示したりしてもよい。本例では、モバイル電子デバイス100は、ユーザのズボンのポケットにあり、ユーザがすぐにアクセスできない場合もある。しかしながら、タッチ感知式テキスタイルデバイス100がユーザの衣料品の袖に組み込まれていることから、タッチベースのユーザ制御は、常に、ユーザがすぐに手の届く範囲内にあり得る。
【0033】
上で簡単に考察したように、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、テキスタイルの表面へのタッチ及び/又はタッチの力を検出するための様々な感知技法を含み得る。
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bは、テキスタイルの表面へのタッチ入力を検出及び解釈するために使用できる感知技法例を示している。以下の例は、織布タイプのテキスタイルに関して提供するものであるが、例えば、ニットテキスタイル、レーステキスタイル、メッシュテキスタイルなどを含む、異なる構造のテキスタイルに同様の原理を適用してもよい。
【0034】
図2A〜
図2Bは、一部の実施形態による、自己容量方式のタッチ感知式テキスタイル例を示している。
図2Aは、テキスタイル200の上面図を示し、
図2Bは、2B−2B断面での断面図例を示す。導電テキスタイル200の簡略詳細図は、明確化のために
図2A〜
図2Bに示すものである。一部の実施形態では、テキスタイル200は、明示的に図示されていない他の要素又は構成要素(例えば、縫い目、ファスナー、刺繍)を含み得る。テキスタイル200はまた、
図8を参照して後に詳述するように、1つ以上の感知回路へ動作可能に接続され得る。
【0035】
図2Aに示すように、テキスタイル200は、ほぼ第1の(水平)方向に向けられた第1の1組の導電糸202を含む。テキスタイル200はまた、第1の方向に対して横断するほぼ第2の(垂直)方向に向けられた第2の1組の導電糸204を含む。本実施形態では、第1の1組の導電糸202と第2の1組の導電糸204とは、互いに実質的に直角である、すなわち直交する。ただし、他の実施形態では、2組の導電糸は、互いに別の非直交の角度に向けられてもよい。テキスタイル200はまた、同様にほぼ第1の(水平)方向に向けられた1組の非導電糸206と、ほぼ第2の(垂直)方向に向けられた別の1組の非導電糸208と、を含む。
【0036】
図2A〜
図2Bに示す例では、第1の1組の導電糸202は、第2の1組の導電糸204と織り交ぜられて、織物構造を形成し得る。
図2A〜
図2Bは、単純な織物構造を示しており、第1の1組の導電糸202が織物構造の経糸(又は緯糸)を形成し、第2の1組の導電糸204が織物構造の緯糸(又は経糸)を形成している。
図2A〜
図2Bに示す織物構成は、説明のための例であり、他の織物パターンを使用してもよい。
【0037】
導電糸(202、204)は、様々な導電材料を使用して形成され得る。一部の実施形態では、導電糸は、例えば、ステンレス鋼糸、鉄繊維糸、銅糸、銀糸などを含む、導電性金属材料から形成される。一部の実施形態では、導電糸は、導電材料で被覆又はめっきされた非導電材料から形成される。例えば、導電糸は、例えば、銀材料、ニッケル材料、金材料などを含む、金属導電材料で被覆された天然繊維又は合成繊維から形成され得る。導電糸の非導電部分すなわちコアとしては、ナイロン材料、アラミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維などを含む、合成材料を挙げることができる。天然材料は、例えば、綿、羊毛、亜麻、絹などを含む。本例では、導電糸202、204は、糸の外部面の少なくとも一部分に沿って、電気絶縁被覆を含んでもよいし、あるいは導電材料を含んでもよい。
【0038】
一部の実施形態では、導電糸202、204は、導電糸を電気信号で駆動し、かつ導電糸の電気的特性を感知して、テキスタイル200の表面へのタッチの発生及び/又は場所を判定するように構成された回路へ動作可能に接続される。感知回路例については、
図8を参照して後に詳述する。一部の実施形態では、駆動信号が、第1の1組の導電糸202と第2の1組の導電糸204との両方に印加される。一部の実装では、駆動信号は、第1の1組の導電糸202と第2の1組の導電糸204との両方に電荷を生成する。駆動信号は、導電糸202、204に送達される電気パルス、一連の電気パルス及び/又は交流電流を含み得る。
【0039】
図2Bに示すように、タッチは、感知回路によって、テキスタイル200の表面にタッチ又は殆どタッチする物体(例えば、ユーザの手指)の存在によって電荷が散逸又は放電したときに検出できる。一部の実施形態では、物体、例えばユーザの手指は、導電性を有し、接地又は実質的な電流シンクに接続される。物体の存在は、物体によるタッチ(又は殆どタッチ)に近接した場所にある1つ以上の導電糸に容量性結合させ、その結果、それぞれの糸に保持された電荷に純変化をもたらし得る。電荷の変化は、感知回路によって検出され、タッチの発生を識別するために使用され得る。一部の場合には、導電糸と物体との間の容量性結合は、自己容量方式感知構成と呼ばれることもある。
【0040】
一部の実施形態では、タッチの場所はまた、物体(例えば、ユーザの手指)とテキスタイルの導電糸との間の容量性結合を監視することによって判定できる。例えば、感知回路は、第1の1組の導電糸202の各導電糸の電気的特性を選択的に測定又は感知するように構成され得る。テキスタイル200にタッチする(又は殆どタッチする)物体に容量性結合していると判定された糸(単数又は複数)を使用して、タッチの場所の第1の座標を判定できる。
図2Aに示す例では、第1の1組の導電糸202を使用して、タッチの場所の垂直すなわちy座標を判定し得る。同様に、第2の1組の導電糸204の各導電糸の電気的特性を測定又は感知することによって、第2の座標を判定できる。この例では、第2の1組の導電糸204を使用して、テキスタイル200へのタッチの場所の水平すなわちx座標を判定し得る。
【0041】
導電糸のそれぞれは、糸のそれぞれを異なる時間で感知する時多重スキームを使用して選択的に測定又は感知され得る。例えば、波長多重、周波数多重などを含む、他の多重スキームもまた使用できる。また振幅変調などの変調スキームを使用して、異なる導電糸間の測定値を区別できる。追加的又は代替的に、各導電糸は、糸の1つ以上の電気的特性における変化を検出するように構成された感知回路の専用部分を有し得る。
【0042】
本例では、テキスタイル200の表面にタッチ又は殆どタッチする物体例として、手指が示されている。他の実施形態では、スタイラス、プローブ、ワンドなどの別の物体を使用して、テキスタイル200の導電糸と容量性結合させてもよい。加えて、テキスタイル200は、テキスタイル200の表面での複数のタッチの発生及び/又は複数のタイプの物体を検出するように構成され得る。
【0043】
図2A〜
図2Bに示すように、第1の1組の導電糸202及び第2の1組の導電糸204は、隣接糸群へと配置されて、テキスタイル200において複数の導電条片領域を形成する。同様に、隣接非導電糸群は、テキスタイル200において非導電条片領域を形成する。本例では、導電条片領域と非導電条片領域とは、互いに隣接し、交互に配置される。つまり、第1の1組の導電糸202の導電糸群は、第1の(水平)方向に向けられた導電条片領域を、同じ方向に向けられ、かつ導電条片と交互となる非導電条片を形成する非導電糸206群と交互となるように形成する。同様に、第2の1組の導電糸204は、群へと配置させて、第2の(垂直)方向に向けられた導電条片領域を、同じ方向に向けられ、かつ導電条片と交互となる非導電条片を形成する非導電糸208群と交互となるように形成する。
【0044】
一部の実施形態では、群へと配置される隣接導電糸は、テキスタイル400へのタッチの発生及び場所を検出する目的で、単一の導体として扱われる。例えば、一部の実装では、導電糸群の集合電荷を監視して、テキスタイル400のそれぞれの領域にタッチ又は殆どタッチする物体との容量性結合を検出する。群へと配置された複数の糸の影響を組み合わせることによって、センサの信号雑音比を改善できる。トレードオフとして、テキスタイル200の場所感知分解能が低下し得る。しかしながら、テキスタイル200の糸の密度によっては、多くの実際の感知動作で、分解能の低下が目立たなくなり得る。
【0045】
図3A〜
図3Bは、一部の実施形態による、抵抗方式のタッチ感知式テキスタイル例を示す。
図3Aは、テキスタイル300の上面図を示し、
図2Bは、3B−3B断面での断面図例を示す。導電テキスタイル300の簡略詳細図は、明確化のために
図3A〜
図3Bに示すものである。先の例に関して説明したように、テキスタイル300は、明示的に図示されていない他の要素又は構成要素(例えば、縫い目、ファスナー、刺繍)を含み得る。テキスタイル300はまた、
図8を参照して後に詳述するように、1つ以上の感知回路へ動作可能に接続され得る。
【0046】
図3Aに示すように、テキスタイル300は、ほぼ第1の(水平)方向に向けられた第1の1組の導電糸302を含む。テキスタイル300はまた、第1の方向に対して横断するほぼ第2の(垂直)方向に向けられた第2の1組の導電糸304を含む。本実施形態では、第1の1組の導電糸302と第2の1組の導電糸304とは、互いに実質的に直角である、すなわち直交する。ただし、他の実施形態では、2組の導電糸は、互いに別の非直交の角度に向けられてもよい。テキスタイル300はまた、同様にほぼ第1の(水平)方向に向けられた1組の非導電糸と、ほぼ第2の(垂直)方向に向けられた別の1組の非導電糸308と、を含む。
【0047】
図3A〜
図3Bに示す例では、第1の1組の導電糸302は、第2の1組の導電糸304と織り交ぜられて、織物構造を形成し得る。
図3A〜
図3Bは、単純な織物構造を示しており、第1の1組の導電糸302が織物構造の経糸(又は緯糸)を形成し、第2の1組の導電糸304が織物構造の緯糸(又は経糸)を形成している。本実施形態では、導電糸302、304は、複数の糸をまたいで織られて、コースすなわち細長い目を生み出している。細長い目によって、手指などの物体が接触し得る導電糸302、304を長めの連続したセクションとして露出し得る。これにより、後に詳述するように、テキスタイル300の感知能力を改善又は強化できる。
図3A〜
図3Bに示す織物構成は、説明のための例であり、他の織物パターンを使用してもよい。
【0048】
導電糸(302、304)は、様々な導電材料を使用して形成され得る。
図2A〜
図2Bを参照して上述したように、導電糸は、導電材料から形成されてもよいし、導電材料で被覆又はめっきされた天然又は合成の非導電材料から形成されてもよい。例えば、導電糸は、例えば、銀材料、ニッケル材料、金材料などを含む、金属導電材料で被覆された天然繊維又は合成繊維から形成され得る。本例では、糸の外部面のうちの少なくとも一部分が導電性であり得る。このことにより、テキスタイルにタッチする物体との電気的接続を容易にすることができる。
【0049】
一部の実施形態では、導電糸302、304は、導電糸を電気信号で駆動し、かつ導電糸の電気的特性を感知して、テキスタイル300の表面へのタッチの発生及び/又は場所を判定するように構成された回路へ動作可能に接続される。感知回路例については、
図8を参照して後に詳述する。一部の実施形態では、駆動信号が、第1の1組の導電糸302又は第2の1組の導電糸304のいずれかに印加される。一部の実装では、駆動信号は、第1の(又は第2の)1組の導電糸のうちの1つ以上に電圧すなわち電位を生成する。駆動信号は、導電糸302、304に送達される直流電圧、電圧パルス、一連の電圧パルス及び/又は交流電圧を含み得る。
【0050】
図3Bに示すように、タッチは、感知回路によって、テキスタイル300の2つの導電糸302、304にタッチする物体(例えば、ユーザの手指)の存在によって2本の導電糸302、304の間の抵抗又はインピーダンスが変更されたときに検出できる。一部の実施形態では、物体、例えばユーザの手指は、導電性を有し、2本の導電糸302、304を電気的に結合する。一部の実施形態では、2本の導電糸302、304は、導電材料で形成された外部面の少なくとも一部分を有し、よって、糸がユーザの手指などの物体と接触すると、電流又は電気信号が糸の間を流れる。一部の場合では、テキスタイル300への単一のタッチにより、2対以上の導電糸が電気的に接続され得る。このようにして、一部の実施形態では、感知回路は、導電糸対間の抵抗又はインピーダンスの変化を監視することによって、テキスタイル300へのタッチの発生を検出するように構成され得る。
【0051】
一部の実施形態では、織りのパターンによって、テキスタイル300のタッチ感知能力を強化又は改善できる。例えば、
図3A〜
図3Bに示すように、各導電糸は、複数の非導電糸をまたいで織られて、細長い目又は糸が連続して露出するセクションを形成し得る。一部の場合には、このことにより、物体と導電糸との間の電気的接触が改善され、その結果、抵抗又はインピーダンスの測定値の信頼性又は一貫性がより高まり得る。加えて、
図3A〜
図3Bに示すように、導電糸302、304は、複数の非導電糸306、308によって隔てられているため、導電糸302、304の間の偶発的な電気的結合が減り、またこのことにより、テキスタイル300の感知特性の一貫性及び/又は信頼性が改善され得る。
【0052】
一部の実施形態では、タッチの場所はまた、テキスタイル300の1対以上の導電糸間の抵抗又はインピーダンスを監視することによって判定できる。例えば、感知回路は、第1の1組の導電糸302の各導電糸と第2の1組の導電糸304の1本以上の導電糸と間の電気的特性を選択的に測定又は感知するように構成され得る。(物体のタッチに起因して)電気的に結合した糸の対を使用して、タッチの場所の座標を判定し得る。
図3Bに示す例では、第1の1組の導電糸の導電糸302は、タッチする物体(例えば、ユーザの手指)によって、第2の1組の導電糸の導電糸304へ電気的に結合している。電気的に接続された第1の導電糸302及び第2の導電糸304の場所が分かれば、タッチの場所を推定できる。先述のように、単一のタッチによって、2対以上の導電糸が接続される場合もある。一部の場合には、タッチの場所は、電気的に接続された複数対の糸の重心又はほぼ中央に基づいて推定される。
【0053】
上記の例で考察したのと同様に、導電糸の各対の(抵抗又はインピーダンスを含む)電気的特性は、糸の各対間の抵抗又はインピーダンスを異なる時間で感知する時多重スキームを使用して、選択的に測定又は感知され得る。時間で変動する電圧信号を使用して糸を駆動する場合、例えば、波長多重、周波数多重などを含む、他の多重スキームもまた使用できる。また振幅変調などの変調スキームを使用して、異なる導電糸間の測定値を区別できる。追加的又は代替的に、各導電糸は、糸の1つ以上の電気的特性における変化を検出するように構成された感知回路の専用部分を有し得る。
【0054】
本例では、テキスタイル300の表面にタッチ又は殆どタッチする物体例として、手指が示されている。しかしながら、先述のように、導電スタイラス、プローブ、ワンドなどの別の物体を使用して、テキスタイル300の導電糸の対と電気的に結合又は接続させてもよい。加えて、テキスタイル300は、テキスタイル300の表面での複数のタッチの発生及び/又は複数のタイプの物体を検出するように構成され得る。
【0055】
図4A〜
図4Bは、一部の実施形態による、2層抵抗方式のタッチ感知式テキスタイル例を示す。
図4A〜
図4Bに示すように、テキスタイル400は、2層のテキスタイル、すなわち、上方テキスタイル層410と下方テキスタイル層420とから形成される。この例では、モノフィラメント糸402を含むスペーサ構造は、2層のテキスタイル層の間に隙間を維持している。本例では、モノフィラメント糸402が、上方テキスタイル層410と下方テキスタイル層420との両方と織り交ぜられている。
図4Bに示すように、モノフィラメント糸402(スペーサ構造例)は、上方テキスタイル層410へのタッチに応じて、撓みかつ圧縮するように構成されている。モノフィラメント糸402はまた、下方テキスタイル層420(図示せず)へのタッチに応じて、撓む又は圧縮し得る。
【0056】
図4Aに示すように、第1の1組の導電糸406は、第1の方向に向けられ、かつ第1のテキスタイル層410に組み込まれ得る。一部の実施形態では、第1の1組の導電糸406は、上方テキスタイル層410の他の糸と織り交ぜられる。一部の実施形態では、第1の1組の導電糸406は、上方テキスタイル層410の表面に取り付けられる。一部の実施形態では、第1の1組の導電糸406は、隙間の中において、下方テキスタイル層420から離して偏在させた場所に配置される。
【0057】
図4Aに示すように、第2の1組の導電糸404は、第1の1組の導電糸406の第1の方向を横断する第2の方向に向けられ得る。第2の1組の導電糸404は、下方テキスタイル層420の繊維の他の糸と織り交ぜられてもよい。一部の実施形態では、第2の1組の導電糸404は、下方テキスタイル層420の表面に取り付けられる。一部の実施形態では、第2の1組の導電糸404は、隙間の中において、上方テキスタイル層410から離して偏在させた場所に配置される。
【0058】
導電糸(406、404)は、様々な導電材料を使用して形成され得る。
図2A〜
図2Bを参照して上述したように、導電糸は、導電材料から形成されてもよいし、導電材料で被覆又はめっきされた天然又は合成の非導電材料から形成されてもよい。例えば、導電糸は、例えば、銀材料、ニッケル材料、金材料などを含む、金属導電材料で被覆された天然繊維又は合成繊維から形成され得る。本例では、糸の外部面のうちの少なくとも一部分が導電性であり得る。このことにより、物体のタッチによってテキスタイルが圧縮されたときの導電糸間の電気的接続を容易にすることができる。
【0059】
一部の実施形態では、第1の1組の導電糸406及び第2の1組の導電糸404は、導電糸を電気信号で駆動し、かつ導電糸の電気的特性を感知して、テキスタイル400の表面へのタッチの発生及び/又は場所を判定するように構成された回路へ動作可能に接続される。感知回路例については、
図8を参照して後に詳述する。一部の実施形態では、駆動信号が、第1の1組の導電糸406又は第2の1組の導電糸404のいずれかに印加される。一部の実装では、駆動信号は、第1の(又は第2の)1組の導電糸のうちの1つ以上に電圧すなわち電位を生成する。駆動信号は、導電糸406、404に送達される直流電圧、電圧パルス、一連の電圧パルス及び/又は交流電圧を含み得る。
【0060】
図4Bに示すように、テキスタイル層410、420のうちの一方(又は両方)へのタッチによって、モノフィラメント糸402がつぶれて、第1の導電糸406と第2の導電糸404とが互いに接触し得る。一部の実施形態では、タッチは、感知回路によって、2本の導電糸406、404の間の接触に起因して変更される2本の導電糸406、404の間の抵抗又はインピーダンスが変更されたときに検出できる。一部の実施形態では、2本の導電糸406、404は、導電材料で形成された外部面の少なくとも一部分を有し、よって、糸が互いに接触すると、電流又は電気信号が糸の間を流れる。一部の場合では、テキスタイル400への単一のタッチにより、2対以上の導電糸が電気的に接続され得る。このようにして、一部の実施形態では、感知回路は、導電糸対間の抵抗又はインピーダンスの変化を監視することによって、テキスタイル400へのタッチの発生を検出するように構成され得る。
【0061】
一部の実施形態では、タッチの場所はまた、テキスタイル400の1対以上の導電糸間の抵抗又はインピーダンスを監視することによって判定できる。例えば、感知回路は、第1の1組の導電糸406の各導電糸と第2の1組の導電糸404の1本以上の導電糸と間の電気的特性を選択的に測定又は感知するように構成され得る。(物体のタッチに起因して)電気的に結合した糸の対を使用して、タッチの場所の座標を判定し得る。
図4Bに示す例では、第1の1組の導電糸の導電糸406は、第2の1組の導電糸の導電糸404へ電気的に結合している。テキスタイルにおける第1の導電糸406及び第2の導電糸404の場所が分かれば、タッチの場所を推定できる。先述のように、単一のタッチによって、2対以上の導電糸が接続される場合もある。一部の場合には、タッチの場所は、電気的に接続された複数対の糸の重心又はほぼ中央に基づいて推定される。
【0062】
上記の例で考察したのと同様に、導電糸の各対の(抵抗又はインピーダンスを含む)電気的特性は、糸の各対間の抵抗又はインピーダンスを異なる時間で感知する時多重スキームを使用して、選択的に測定又は感知され得る。時間で変動する電圧信号を使用して糸を駆動する場合、例えば、波長多重、周波数多重などを含む、他の多重スキームもまた使用できる。また振幅変調などの変調スキームを使用して、異なる導電糸間の測定値を区別できる。追加的又は代替的に、各導電糸は、糸の1つ以上の電気的特性における変化を検出するように構成された感知回路の専用部分を有し得る。
【0063】
本例では、テキスタイル400の表面にタッチ又は殆どタッチする物体例として、手指が示されている。ただし、テキスタイル400を用いてタッチを検出するために、スタイラス、プローブ、ワンドなどの任意の他の物体を使用して、上方(又は下方)テキスタイル層を撓ませてもよい。
【0064】
図5A〜
図5Bは、一部の実施形態による、2層容量方式のタッチ感知式テキスタイル例を示す。
図5A〜
図5Bに示すように、テキスタイル500は、2つのテキスタイル層、すなわち、上方テキスタイル層510と下方テキスタイル層530とから形成される。この例では、モノフィラメント糸530を含むスペーサ構造は、2つのテキスタイル層の間に隙間を維持している。本例では、モノフィラメント糸530が、上方テキスタイル層510と下方テキスタイル層520との両方と織り交ぜられている。
図5Bに示すように、モノフィラメント糸502(スペーサ構造例)は、上方テキスタイル層510へのタッチに応じて、撓む及び/又は圧縮するように構成されている。モノフィラメント糸520はまた、下方テキスタイル層520(図示せず)へのタッチに応じて、撓む又は圧縮し得る。
【0065】
図5Aに示すように、第1の1組の導電糸502は、第1の方向に向けられ、かつ第1のテキスタイル層510に組み込まれ得る。一部の実施形態では、第1の1組の導電糸502は、上方テキスタイル層510の他の糸と織り交ぜられる。一部の実施形態では、第1の1組の導電糸502は、上方テキスタイル層510の表面に取り付けられる。一部の実施形態では、第1の1組の導電糸502は、隙間の中において、下方テキスタイル層520から離して偏在させた場所に配置される。
【0066】
図5Aに示すように、第2の1組の導電糸504は、第1の1組の導電糸502の第1の方向を横断する第2の方向に向けられ得る。第2の1組の導電糸504は、下方テキスタイル層530の繊維の他の糸と織り交ぜられてもよい。一部の実施形態では、第2の1組の導電糸504は、下方テキスタイル層530の表面に取り付けられる。一部の実施形態では、第2の1組の導電糸504は、隙間の中において、上方テキスタイル層510から離して偏在させた場所に配置される。
【0067】
導電糸(302、304)は、様々な導電材料を使用して形成され得る。
図2A〜
図2Bを参照して上述したように、導電糸は、導電材料から形成されてもよいし、導電材料で被覆又はめっきされた天然又は合成の非導電材料から形成されてもよい。例えば、導電糸は、例えば、銀材料、ニッケル材料、金材料などを含む、金属導電材料で被覆された天然繊維又は合成繊維から形成され得る。本例では、導電糸202、204は、糸の外部面の少なくとも一部分に沿って、電気絶縁被覆を含んでもよいし、あるいは導電材料を含んでもよい。
【0068】
一部の実施形態では、第1の1組の導電糸506及び第2の1組の導電糸504は、導電糸を電気信号で駆動し、かつ導電糸の電気的特性を感知して、テキスタイル500の表面にかかる力の大きさ及び/又は場所を判定するように構成された回路へ動作可能に接続される。感知回路例については、
図8を参照して後に詳述する。一部の実施形態では、駆動信号が、第1の1組の導電糸502及び/又は第2の1組の導電糸504に印加される。一部の実装では、駆動信号は、第1の(又は第2の)1組の導電糸のうちの1つ以上に電荷を生成する。駆動信号は、導電糸502、504に送達される電気パルス、一連の電気パルス及び/又は交流電流/電圧を含み得る。
【0069】
図5Bに示すように、テキスタイル層510、530の一方(又は両方)へのタッチの力によって、モノフィラメント糸520がつぶれ得る。タッチの結果、上方テキスタイル層510と下方テキスタイル層530との間の距離は、
図5Aに示すような距離「A」から
図5Bに示す距離「B」まで縮まる。上方テキスタイル層510と下方テキスタイル層530との間の距離の変化は、(上方テキスタイル層510に関連する)第1の1組の導電糸502のうちの1本以上の糸と、(下方テキスタイル層530に関連する)第2の1組の導電糸504のうちの1本以上の糸と、の間の容量を監視するように構成された感知回路によって検出できる。
【0070】
一部の実施形態では、モノフィラメント糸502(スペーサ構造例)が圧縮される距離は、タッチの力に対応する。よって、例えば、容量の測定を用いて、2つのテキスタイル層510、530の相対的な撓みを判定することによって、タッチの力を推定できる。一部の実施形態では、モノフィラメント糸502(スペーサ構造例)は、少なくともある程度の圧縮については、応答がほぼ線形である。よって、一部の場合には、1つ以上の導電糸502、504の間の容量の変化によって測定される撓みは、テキスタイル500へのタッチの力に直接比例する場合もある。一部の実施形態では、モノフィラメント糸502(スペーサ構造例)は、圧縮力に対して既知の非線形応答を呈する。非線形応答は、経験的データから得ることができる関数で近似されてもよい。よって、一部の場合には、1つ以上の導電糸502、504の間の容量の変化には、非線形関数によって、テキスタイル500へのタッチの力と関連付けできる。
【0071】
一部の実施形態では、上方テキスタイル層510へのタッチはまた、1つ以上の導電糸502、504の間の容量性結合に変化又は影響を与え得る。一部の場合には、テキスタイル500又はその近くにおけるユーザの手指などの物体の存在によって、物体の容量性特性に起因して、導電糸502、504の間の容量の変化がもたらされる。一部の場合には、導電糸502、504とテキスタイル500にタッチ(又は殆どタッチ)する物体との間の容量性結合を使用して、上記のように、2つのテキスタイル層510、530を撓ませたり圧縮させたりしなくても、タッチ(又は殆どタッチ)の発生を判定できる。一部の場合には、物体との容量性結合の影響は、テキスタイル層の間の撓み又は圧縮を使用して力測定を計算するときに推定又は補償される。一部の実施形態では、テキスタイル層の一方又は両方が、導電糸とテキスタイル500にタッチする物体との間の容量性結合を抑制する遮蔽体又は遮蔽層を含む。
【0072】
一部の実施形態では、タッチの場所はまた、テキスタイル500の1対以上の導電糸間の容量を監視することによって判定できる。例えば、感知回路は、第1の1組の導電糸502の各導電糸と第2の1組の導電糸504の1本以上の導電糸と間の電気的特性を選択的に測定又は感知するように構成され得る。(物体のタッチに起因して)容量性結合が変化した糸の対を使用して、タッチの場所の座標を判定し得る。
図5Bに示す例では、第1の1組の導電糸の導電糸502は、第2の1組の導電糸の導電糸504へ容量性結合し、容量性結合は、テキスタイル500へのタッチ又はテキスタイル500にかかる力の結果、変わり得る。テキスタイルにおける第1の導電糸502及び第2の導電糸504の場所が分かれば、タッチの場所を推定できる。一部の場合には、単一のタッチによって、2対以上の導電糸が影響される場合もある。よって、一部の場合には、タッチの場所は、タッチ又は力によって変更された容量を有する複数対の糸の重心又はほぼ中央に基づいて推定される。
【0073】
上記の例で考察したのと同様に、導電糸の各対の(容量を含む)電気的特性は、糸の各対間の容量を異なる時間で感知する時多重スキームを使用して、選択的に測定又は感知され得る。例えば、波長多重、周波数多重などを含む、他の多重スキームもまた使用できる。また振幅変調などの変調スキームを使用して、異なる導電糸間の測定値を区別できる。追加的又は代替的に、各導電糸は、糸の1つ以上の電気的特性における変化を検出するように構成された感知回路の専用部分を有し得る。
【0074】
本例では、テキスタイル500の表面にタッチ又は殆どタッチする物体例として、手指が示されている。ただし、テキスタイル500を用いてタッチを検出するために、スタイラス、プローブ、ワンドなどの任意の他の物体を使用して、上方(又は下方)テキスタイル層を撓ませてもよい。
【0075】
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bを参照して上で説明した各実施形態のそれぞれで、導電糸を使用して、テキスタイルへのタッチ又はタッチの力を検出できる。加えて、導電糸は、テキスタイルのタッチ感知式部分と電気信号をやりとりするためのコンジット又は導電体として使用されてもよい。一部の場合には、テキスタイルは、電気信号用のコンジットとして使用される導電糸間の雑音又はクロストークを低減するように構成され得る。
【0076】
図6A〜
図6Bは、一部の実施形態による、タッチ感知式テキスタイルデバイスのための導電糸構成例を示す。
図6Aは、テキスタイル600のフラットパターンを示し、
図6Bは、テキスタイル600の折り畳み又は折り曲げバージョンを示している。本例では、テキスタイル600は、導電糸によってタッチ感知式領域を他の回路又は構成要素に接続させた、リストバンド又はストラップの一部分を形成し得る。
図6A〜
図6Bに示す実施形態を使用して、2組の導電糸をテキスタイルに一体化したことによって生じるクロストーク又は雑音を最小化又は低減できる。後述するように、第1の1組の導電糸602は、第1の1組の導電糸602をテキスタイル600の一部分の下に折り畳むことによって、第2の1組の導電糸604から電気的に絶縁できる。
【0077】
図6Bは、2組の導電糸602、604を使用して、テキスタイル600の右側端部付近にタッチ感知式領域を形成したテキスタイル600のフラットパターン例を示す。タッチ感知式領域は、
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bを参照して上で説明したタッチ感知式テキスタイル実施形態のうちの1つ以上に対応し得る。この例では、導電糸603、604はまた、タッチ感知式領域との間で電気信号を運ぶために使用される。
図6Aに示すように、第2の1組の導電糸604は、テキスタイル600の中央部分に配置される。第1の1組の導電糸602は、平らなテキスタイル600の縁部部分に配置される。
【0078】
図6Aに示すように、フラットテキスタイル600は、
図6Bに示す折り畳みバージョンを形成するために、折り線610a及び610bに沿って折り曲げできる。
図6Bに示すように、第1の1組の導電線602は、テキスタイル600の一部分の下に折り畳まれ、その結果、第1の1組の導電糸602と第2の1組の導電糸604との間のクロストーク又は干渉を著しく増大させることなしに、テキスタイル600の外形又はサイズを縮小できる。一部の実施形態では、遮蔽構成要素620が、テキスタイル600の中央部分と中央部分の下に折り畳まれる縁部部分との間に配置される。遮蔽構成要素620によって、第1の1組の導電糸602と第2の1組の導電糸604との間の電気絶縁性を高めることができ、第1の1組の導電糸602と第2の1組の導電糸604との間のクロストーク及び/又は電気的干渉を更に低減できる。
【0079】
図6A〜
図6Bに示す実施形態では、第1の導電糸602及び第2の導電糸604は、テキスタイル600の材料に織り交ぜられた連続する導電糸から形成され得る。
図6Aに示すように、第1の1組の導電糸602の連続する導電糸は、テキスタイル600の右側端部付近で約90度の折り曲げ部を生成するように織られてもよい。一部の場合には、第1の1組の導電糸602の折り曲げ部は、テキスタイル600の織りとして形成される。
【0080】
図6A〜
図6Bは、一実施形態例を示すものである。ただし、代替的な実施形態では、テキスタイルを様々な異なる仕方で形成できる。例えば、第1の1組の導電線は、材料の折り込み部を単一として、第2の1組の導電線の下に折り畳んでもよい。更なる例として、第1の1組の導電線の一部分を第2の1組の導電線の上に折り畳み、第1の1組の導電線の別の部分を第2の1組の導電線の下に折り畳んでもよい。遮蔽層又は構成要素は、第2の1組の導電線の上及び下に折り畳まれた、テキスタイルの各折り込み部の間に配置できる。
【0081】
図7は、一部の実施形態による、タッチ感知式テキスタイルデバイスを動作させるための処理例700を示す。プロセス例700を使用して、
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bを参照して上で説明したタッチ感知式テキスタイル例のうちの1つ以上を動作させることができる。具体的な感知原理及び電気測定値は、タッチ感知式テキスタイルに応じて変わり得るが、以下に概説するプロセス700の動作は、普遍的に適用される。
【0082】
動作702において、タッチ感知式テキスタイルに駆動信号を印加する。
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bの実施形態を参照して上で説明したように、タッチ感知式テキスタイルは、回路に動作可能に接続された1組以上の導電糸を含み得る。一部の実施形態では、回路は、導電糸を電気信号で駆動するように構成されている。信号に対する応答を使用して、テキスタイルへのタッチの発生、場所及び又は力を感知できる。感知回路例については、
図8を参照して後に詳述する。動作702に関して、駆動信号は、テキスタイルの導電糸のうちの1つ以上に印加される直流信号又は信号の一部分を含み得る。一部の実施形態では、駆動信号は、テキスタイルの導電糸のうちの1つ以上に印加される電気パルス、一連の電気パルス及び/又は交流電気信号を含む。特に、抵抗方式のタッチ感知式テキスタイルの場合、駆動信号は、特性電圧又は電位を含み得る。抵抗方式のタッチ感知式テキスタイルの例については、
図3A〜
図3B及び
図4A〜
図4Bを参照して上で述べている。容量方式のタッチ感知式テキスタイルの場合、駆動信号は、時間で変動する電流及び/又は電圧成分を有する電気信号を含み得る。容量方式のタッチ感知式テキスタイルの例については、
図2A〜
図2B及び
図5A〜
図5Bを参照して上で述べている。
【0083】
動作704において、非タッチ状態を検出する。特に、タッチ感知式テキスタイルがタッチされていないときの電気測定値又は一連の電気測定値を取得し得る。非タッチ状態の間に行われるセンサ測定値は、タッチ感知式テキスタイルの静止又は定常状態条件を表し得る。一部の場合には、ある期間にわたって一連の測定値を取得することによって非タッチ状態を検出して、タッチ感知式テキスタイルがユーザ入力によってタッチされていないことを判定又は確認する。一部の場合には、特にテキスタイルが着用可能な衣料品に組み込まれている場合、テキスタイルがユーザの身体の近く又は身体上にあるという事実に起因して、ある程度の偶発的なユーザの接触があり得る。動作704の目的のために、偶発的なタッチは、タッチ入力とみなされない。
【0084】
一部の実施形態では、動作704は、一定の間隔で繰り返し行う。一部の場合には、非タッチ状態を検出しても、なんらアクションを起こさない。一部の場合には、非タッチ状態を検出した場合、センサ測定値を記録又は使用して、ベースライン条件(単数又は複数)を計算する。一部の場合では、非タッチ状態の間に取得したセンサ測定値を使用して、変化する温度又は他の環境条件に起因する影響に関してセンサを補償してもよい。
【0085】
動作706において、タッチ状態を検出する。一部の実施形態では、上述の動作704に関して取得されたベースライン測定値(単数又は複数)と比較した、センサ測定値の変化又は偏差に起因して、タッチ状態が検出される。タッチ感知の詳細は、使用されるタッチ感知式テキスタイルのタイプに依存し得る。例えば、
図3A〜
図3B及び
図4A〜
図4Bを参照して上で説明した各実施形態と同様、タッチ感知式テキスタイルが抵抗方式の感知構成である場合、1対以上の導電糸間の電気抵抗又はインピーダンスの変化が、タッチ状態を示し得る。同様に、
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bを参照して上で説明した各実施形態と同様、タッチ感知式テキスタイルが容量方式の感知構成である場合、1対以上の導電糸間の容量の変化が、タッチ状態を示し得る。
【0086】
タッチ状態の検出に応じて、タッチ入力は、システムの別の態様で使用するために解釈、中継及び/又は保管され得る。例えば、タッチ状態の検出に応じて、タッチの場所が判定され、システムの別の態様に中継され得る。一部の実施形態では、タッチ感知式テキスタイルに供給されるタッチ入力を使用して、グラフィカルユーザインターフェースのカーソル又は他の要素を制御できる。一部の実装では、(もしあれば)タッチの動きを判定し、ユーザが行ったジェスチャを解釈するために使用する。ジェスチャ及び/又はジェスチャに関連するコマンドは、タッチ入力に基づいて更なるアクションを起こし得るシステムの別の態様に中継され得る。
【0087】
図8は、一部の実施形態による、タッチ感知式テキスタイルシステム800の模式図例を示す。一般的に、
図8は、
図2A〜
図2Bから
図5A〜
図5Bを参照して上で説明したタッチ感知式テキスタイルのうちの1つ以上を動作させるために使用される感知システム800を簡略化したバージョンを示している。
【0088】
図8に示すように、タッチ感知式テキスタイル830は、2組の導電糸を含み得る。この例では、第1の1組の導電糸811は、第1の(垂直)方向に向けられ、第2の1組の導電糸812は、第2の(水平)方向に向けられている。1対の導電糸の交点は、感知ノード801として動作し得る。例えば、導電糸対間の抵抗を測定することによってタッチを検出する実施形態では、糸の交点(又は交点付近)は、感知ノード801として機能し得る。同様に、導電糸対間の容量又は1つ以上の導電糸の容量性結合の変化を測定することによってタッチを検出する実施形態では、糸の交点はまた、感知ノード801として機能し得る。物体が感知ノード801にタッチすると、タッチの発生とタッチの場所との両方が判定され得る。
【0089】
図8に示すように、第1の1組の導電糸811は、導電糸811のうちの1つ以上を感知回路850と選択的に結合するように構成された列選択器810へ動作可能に結合され得る。同様に、第2の1組の導電糸812は、導電糸812のうちの1つ以上を感知回路850と選択的に結合するように構成された行選択器820へ動作可能に結合され得る。一部の実施形態では、列選択器810及び行選択器820は、時多重シーケンスで導電糸を感知回路と結合するように構成されたスイッチバンクを含み得る。追加的又は代替的に、列選択器810及び行選択器820は、導電糸からの信号を多重化するために使用される波長又は周波数分割多重ユニットを含み得る。
【0090】
図8に示すように、システム800はまた、列選択器810及び行選択器820を介して導電糸に動作可能に結合された感知回路850を含む。感知回路850は、上述の実施形態による駆動信号を生成するための1つ以上のサブシステムを含む。一部の実施形態では、感知回路850は、直流電圧信号を生成するための電圧源を含む。一部の実施形態では、感知回路は、電気パルス、一連の電気パルス及び/又は交流電流/電圧を生成するための電圧源及び/又は電流源を含んで、テキスタイル830の導電糸811、812駆動する。
【0091】
感知回路850はまた、タッチ感知式テキスタイル830の電気的応答のうちの1つ以上の態様の変化を検出するための1つ以上のサブシステムを含み得る。先述のように、一部の実施形態では、感知回路850は、1対以上の導電糸間の抵抗及び/又はインピーダンスの変化を検出するように構成され得る。抵抗の変化は、接地電位又は別の基準電位に対して電位を測定するように構成された回路を使用して測定できる。また、先述のように、一部の実施形態では、感知回路850は、導電糸対間の容量の変化又は容量性結合の変化を検出するように構成され得る。容量又は容量性結合の変化は、例えば、電流積分器、電流増幅器、電荷増幅器又は他の同様のタイプの回路を使用して行ってよい。一部の場合には、感知回路850は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)コンポーネントを使用して形成される。
【0092】
図8に示すように、感知回路850は、システム800とデバイスの他の構成要素又は他のデバイスとの間で信号を伝えるように構成された入出力回路855へ動作可能に結合され得る。一部の実装では、入出力回路は、コマンド又はタッチ入力情報をデバイスの他の構成要素又は他のデバイスに送信するように構成されて、タッチ感知式テキスタイル830へのタッチに応じてアクションを行う。一部の実施形態では、入出力回路は、無線通信インターフェースを使用して信号を送信するように構成された無線通信回路を含む。一般的に、無線通信インターフェースには、限定するものではないが、無線周波数信号、光信号、音響信号及び/又は磁気信号を含むことができ、無線インターフェース又はプロトコルを介して動作するように構成され得る。無線インターフェース例としては、無線周波数セルラーインターフェース、光ファイバインターフェース、音響インターフェース、Bluetoothインターフェース、赤外線インターフェース、USBインターフェース、Wi−Fiインターフェース、TCP/IPインターフェース、ネットワーク通信インターフェース又は任意の従来型通信インターフェースが挙げられる。
【0093】
一実施形態によれば、タッチ感知式テキスタイルデバイスであって、第1の方向に向けられた第1の1組の導電糸と、第1の1組の導電糸と織り交ぜられ、第2の方向に向けられた第2の1組の導電糸と、第1の1組の導電糸と第2の1組の導電糸とに動作可能に結合された感知回路であって、感知回路は、第1の1組の導電糸と第2の1組の導電糸とに駆動信号を印加し、物体がタッチ感知式テキスタイルデバイスにタッチ又は殆どタッチすることに応じて、第1の1組の導電糸と第2の1組の導電糸とのうちの1つの容量性結合の変化を検出する、ように構成された、感知回路と、を含む、タッチ感知式テキスタイルデバイスが提供される。
【0094】
別の実施形態によれば、感知回路は、電荷の変化に基づいて、タッチ感知式テキスタイルへのタッチ又は殆どタッチを検出するように構成された。
【0095】
別の実施形態によれば、感知回路は、電荷の変化に基づいて、タッチの場所を判定するように更に構成されている。
【0096】
別の実施形態によれば、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、第1の1組の導電糸及び第2の1組の導電糸と、第1の1組の導電糸及び第2の1組の導電糸と織り交ぜられた1組の非導電糸と、を備える、織物テキスタイル構成要素を含む。
【0097】
別の実施形態によれば、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、第1の方向に向けられて、非導電条片領域を形成する非導電糸群を含み、第1の1組の導電糸は、非導電条片領域に隣接する導電条片領域を形成する導電糸群を含む。
【0098】
別の実施形態によれば、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、非導電糸から形成される非導電条片領域と、第1の1組の導電糸及び第2の1組の導電糸から形成される導電条片領域と、を含み、非導電条片領域と導電条片領域とは、第1の方向と第2の方向との両方において、交互に配置される。
【0099】
一実施形態によれば、第1の方向に向けられた第1の1組の導電糸と、第1の1組の導電糸と織り交ぜられ、第2の方向に向けられた第2の1組の導電糸と、第1の1組の導電糸と第2の1組の導電糸とに動作可能に結合された感知回路であって、感知回路は、第1の1組の導電糸に駆動信号を印加し、第1の1組の導電糸のうちのいずれか1つと第2の1組の導電糸のうちの1つとの間の抵抗の変化を検出する、ように構成された、感知回路と、を含む、タッチ感知式テキスタイルデバイスが提供される。
【0100】
別の実施形態によれば、感知回路は、抵抗の変化に基づいて、第1の1組の導電糸又は第2の1組の導電糸へのタッチを感知するように構成されている。
【0101】
別の実施形態によれば、感知回路は、抵抗の変化に基づいて、タッチの場所を判定するように更に構成されている。
【0102】
別の実施形態によれば、タッチ感知式テキスタイルデバイスは、第1の1組の導電糸及び第2の1組の導電糸と、第1の1組の導電糸及び第2の1組の導電糸と織り交ぜられた1組の非導電糸と、を備える、織物テキスタイル構成要素を含む。
【0103】
一実施形態によれば、第1のテキスタイル層に配置された第1の1組の導電糸と、第2のテキスタイル層に配置された第2の1組の導電糸と、第1のテキスタイル層と第2のテキスタイル層とを隔てるスペーサ構造であって、スペーサ構造は、第1のテキスタイル層又は第2のテキスタイル層へのタッチに応じて撓むように構成された、スペーサ構造と、第1の1組の導電糸と第2の1組の導電糸とに動作可能に結合された感知回路であって、感知回路は、第1の1組の導電糸に駆動信号を印加し、第1の1組の導電糸のうちのいずれか1つと第2の1組の導電糸のうちの1つとの間の抵抗の変化を検出する、ように構成された、感知回路と、を含む、タッチ感知式テキスタイルデバイスが提供される。
【0104】
別の実施形態によれば、感知回路は、抵抗の変化に基づいて、第1のテキスタイル層又は第2のテキスタイル層へのタッチを感知するように構成されている。
【0105】
別の実施形態によれば、感知回路は、抵抗の変化に基づいて、タッチの場所を判定するように更に構成されている。
【0106】
別の実施形態によれば、第1のテキスタイル層は、第1の1組の導電糸と織り交ぜられた第1の1組の非導電糸から形成され、第2のテキスタイル層は、第2の1組の導電糸と織り交ぜられた第2の1組の非導電糸から形成される。
【0107】
別の実施形態によれば、スペーサ構造は、第1のテキスタイル層と第2のテキスタイル層との間に織り交ぜられたモノフィラメント糸である。
【0108】
一実施形態によれば、第1のテキスタイル層に配置された第1の1組の導電糸と、第2のテキスタイル層に配置された第2の1組の導電糸と、第1のテキスタイル層と第2のテキスタイル層とを隔てるスペーサ構造であって、スペーサ構造は、第1のテキスタイル層又は第2のテキスタイル層へのタッチに応じて撓むように構成された、スペーサ構造と、第1の1組の導電糸と第2の1組の導電糸とに動作可能に結合された感知回路であって、感知回路は、第1の1組の導電糸に駆動信号を印加し、スペーサ構造の撓みに起因する、第1の1組の導電糸のうちのいずれか1つと第2の1組の導電糸のうちの1つとの間の容量の変化を検出する、ように構成された、感知回路と、を含む、タッチ感知式テキスタイルデバイスが提供される。
【0109】
別の実施形態によれば、感知回路は、容量の変化に基づいて、第1のテキスタイル層又は第2のテキスタイル層へのタッチを感知するように構成されている。
【0110】
別の実施形態によれば、感知回路は、容量の変化に基づいて、タッチの場所を判定するように更に構成されている。
【0111】
別の実施形態によれば、第1のテキスタイル層は、第1の1組の導電糸と織り交ぜられた第1の1組の非導電糸から形成され、第2のテキスタイル層は、第2の1組の導電糸と織り交ぜられた第2の1組の非導電糸から形成される。
【0112】
別の実施形態によれば、スペーサ構造は、第1のテキスタイル層と第2のテキスタイル層との間に織り交ぜられたモノフィラメント糸である。
【0113】
様々な実施形態を参照して本開示を説明してきたが、これらの実施形態は説明のためのものであり、これらの実施形態によって本開示の範囲が限定されるものではないことを理解されたい。多くの変形、修正、追加、及び改良が可能である。より全般的には、特定の実施形態のコンテキストで本開示による実施形態が記述されてきた。本開示の各種の実施形態において、手順内で機能を異なるように分離又は組み合わせてもよく、異なる専門用語で記述してもよい。これらの変形、修正、追加、及び改良、並びに他の変形、修正、追加、及び改良は、以下の請求項に定義されるような、本開示の範囲内に属し得る。