特許第6623223号(P6623223)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623223
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/44 20060101AFI20191209BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   A61N1/44
   H05H1/24
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-537134(P2017-537134)
(86)(22)【出願日】2015年9月2日
(86)【国際出願番号】JP2015074920
(87)【国際公開番号】WO2017037886
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2018年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】神藤 高広
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−263266(JP,A)
【文献】 特開2013−131487(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/030528(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/116722(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00 ― 18/28
A61L 2/14
A61N 1/00 ― 1/44
H05H 1/00 ― 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧プラズマ発生装置から被処理体にプラズマが照射された際の被処理体の撮像データに基づいて、被処理体へのプラズマの照射位置を演算する照射位置演算部を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
前記照射位置演算部により演算されたプラズマの照射位置に応じた画像を、表示装置に表示させる表示制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
前記大気圧プラズマ発生装置から被処理体にプラズマが照射された際の被処理体の撮像データに基づいて、被処理体へのプラズマの照射時間を演算する照射時間演算部を備え、
前記表示制御部が、
プラズマの照射位置に応じた画像を、前記照射時間演算部により演算されたプラズマの照射時間に応じて表示態様を変更させた状態で表示させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置が、
前記大気圧プラズマ発生装置から被処理体にプラズマが照射された際の被処理体の撮像データに基づいて、被処理体へのプラズマの照射時間を演算する照射時間演算部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置が、
前記照射時間演算部により演算されたプラズマの照射時間が、設定時間を超えているか否かを判定する判定部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記大気圧プラズマ発生装置が、
プラズマを噴出する噴出口と、
前記噴出口からプラズマの噴出方向に光を照射する照射装置と
を備え、
前記照射位置演算部が、
前記照射装置から照射された照射光の撮像データに基づいて、被処理体へのプラズマの照射位置を演算することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気圧プラズマ発生装置とともに用いられる情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大気圧プラズマ発生装置では、噴出口からプラズマが、被処理体に向かって噴出されることで、被処理体にプラズマが照射され、プラズマ処理が行われる。下記特許文献には、プラズマ発生装置の一例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2012−059548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の大気圧プラズマ発生装置によれば、被処理体に対してプラズマ処理を行うことが可能となる。しかしながら、プラズマは目視にて確認することができないため、被処理体に適切にプラズマを照射できない虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、プラズマを適切に被処理体に照射することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願に記載の情報処理装置は、大気圧プラズマ発生装置から被処理体にプラズマが照射された際の被処理体の撮像データに基づいて、被処理体へのプラズマの照射位置を演算する照射位置演算部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本願に記載の情報処理装置では、大気圧プラズマ発生装置から被処理体にプラズマが照射された際に、被処理体が撮像装置によって撮像されている。そして、その撮像データに基づいて、被処理体へのプラズマの照射位置が、情報処理装置によって演算される。これにより、プラズマの照射位置を作業者は認識することが可能となり、プラズマを適切に被処理体に照射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】プラズマ照射システムを示す模式図である。
図2】プラズマ照射装置を示す拡大図である。
図3】プラズマ照射装置を示す分解図である。
図4】制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0009】
<プラズマ照射システムの構成>
図1に、本発明の実施例のプラズマ照射システム10を示す。プラズマ照射システム10は、医療用に用いられるシステムであり、患者12にプラズマを照射するためのシステムである。プラズマ照射システム10は、プラズマ照射装置20と、制御装置22と、撮像装置24と、表示装置26とを備えている。
【0010】
プラズマ照射装置20は、図2に示すように、本体部32と、1対の電極34,36と、ガラス管38と、ガス供給装置(図4参照)40と、レーザ照射装置42とを備えている。
【0011】
本体部32は、サファイアガラスにより成形されており、円筒部50と屈曲部52とから構成されている。円筒部50は、概して円筒状をなしている。また、屈曲部52は、L字型に屈曲された管状をなし、それの一端部が、円筒部50の端部に近い外周面に立設された状態で連結されている。なお、円筒部50の内部と屈曲部52の内部とは連通している。
【0012】
また、本体部32の円筒部50の外周面には、1対の電極34,36の複数の放電部54,56が、円筒部50の軸方向に交互に並ぶようにして、蒸着されている。詳しくは、電極34は、図3に示すように、複数の放電部54と複数の連結部58とを有しており、電極36は、複数の放電部56と複数の連結部60とを有している。なお、図2は、電極34,36を円筒部50から取り外した状態を示す仮想図である。
【0013】
電極34の複数の放電部54は、円筒部50の外周面に、周方向に延びるように蒸着されており、所定の間隔をおいて、円筒部50の軸方向に並んで配設されている。また、電極34の連結部58は、円筒部50の外周面に、円筒部50の軸方向に延びるように線状に蒸着されており、複数の放電部54を連結している。なお、電極34の複数の放電部54のうちの一端に位置する放電部54は、円筒部50の周方向の全周に渡って蒸着されている。一方、他の放電部54は、連結部58と反対側の部分を除いて、円筒部50の周方向に延びるように蒸着されている。また、円筒部50の周方向の全周に渡って蒸着されている放電部54には、円筒部50の端部に向かって延び出すようにして、通電部62が形成されている。
【0014】
また、電極36の複数の放電部56は、円筒部50の外周面に、周方向に延びるように蒸着されており、電極34の複数の放電部54の間に位置するように、円筒部50の軸方向に並んで配設されている。なお、電極36の複数の放電部56のうちの電極34の2つの放電部54の間に位置する放電部56は、電極34の連結部58を除いて、円筒部50の周方向に延びるように蒸着されている。一方、残りの端に位置する放電部56は、円筒部50の周方向の全周に渡って蒸着されている。その円筒部50の周方向の全周に渡って蒸着されている放電部56には、円筒部50の端部に向かって延び出すようにして、通電部64が形成されている。また、電極36の連結部60は、円筒部50の外周面において、電極34の放電部54が蒸着されていない箇所に、円筒部50の軸方向に延びるように線状に蒸着されており、複数の放電部56を連結している。このように、1対の電極34,36は、電極34の放電部54と電極36の放電部56とが、所定の間隔をおいて交互に並ぶように、円筒部50の外周面に蒸着されている。
【0015】
ガラス管38は、図2に示すように、本体部32の円筒部50の外周面に配設されており、円筒部50の外周面に蒸着された1対の電極34,36全体を被覆している。これにより、高電圧が印加される電極34,36の露出を防止することが可能となり、安全が担保される。なお、電極34,36は、ガラス管38により封止されているため、電極34の放電部54と電極36の放電部56との間にまで、ガラス管38が入り込んでいる。
【0016】
ガス供給装置40は、処理ガスを供給する装置であり、屈曲部52の円筒部50に連結されている側の端部と反対側の端部に接続されている。これにより、屈曲部52を介して、円筒部50の内部に処理ガスが供給される。なお、処理ガスは、窒素等の不活性ガスと、空気中の酸素等の活性ガスとを任意の割合で混合させたガスであってもよく、不活性ガス若しくは空気のみであってもよい。
【0017】
レーザ照射装置42は、レーザ光を照射する装置であり、概して短円筒状をなしている。レーザ照射装置42は、端面において、円筒部50の屈曲部52が配設されている側の端面に、同軸的に連結されている。また、レーザ照射装置42の円筒部50に連結されている端面の中央部には、照射口(図3参照)68が形成されており、レーザ照射装置42は、照射口68からレーザ光を円筒部50の軸方向に照射する。なお、レーザ光は、可視領域の高周波の赤色レーザ光である。
【0018】
制御装置22は、図4に示すように、コントローラ70と、複数の駆動回路72と、画像処理装置76と、制御回路78とを備えている。複数の駆動回路72は、電極34,36、ガス供給装置40、レーザ照射装置42に接続されている。コントローラ70は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路72に接続されている。これにより、プラズマ照射装置20の作動が、コントローラ70によって制御される。また、コントローラ70は、画像処理装置76にも接続されている。画像処理装置76は、撮像装置24により撮像された撮像データを処理するための装置である。これにより、コントローラ70は、撮像データにより得られたデータを取得する。さらに、コントローラ70は、制御回路78を介して、表示装置26に接続されている。これにより、コントローラ70は、表示装置26に任意の画像を表示させることが可能である。
【0019】
<プラズマ照射システムによるプラズマ照射>
プラズマ照射システム10では、上述した構成により、プラズマ照射装置20において、円筒部50の端部からプラズマが噴出され、被処理体にプラズマが照射される。プラズマは、活性酸素ラジカルを含んでおり、活性酸素ラジカルによる患部の治療を目的として、医療分野においてプラズマが活用されている。具体的には、例えば、皮膚にプラズマを照射することで皮膚が活性化するため、皮膚の再生を目的として、プラズマ照射が行われる。また、癌化細胞へのプラズマ照射により癌化細胞が死滅するため、癌治療を目的として、プラズマ照射が行われる。
【0020】
具体的には、プラズマ照射装置20において、ガス供給装置40によって処理ガスが、屈曲部52を介して、円筒部50の内部に供給される。円筒部50の屈曲部52が配設されている側の端面はレーザ照射装置42によって塞がれているため、円筒部50に供給された処理ガスは、その端面と反対側の端面に向かって流れる。つまり、電極34,36が蒸着されている円筒部50の内部に向かって、処理ガスが流れる。
【0021】
そして、電極34,36の通電部62,64に電圧が印加され、電極34,36に電流が流れる。これにより、1対の電極34,36の放電部54,56の間に放電が生じる。この際、電極34,36は、絶縁体であるガラス管38によって封止されているため、円筒部50の内部において放電が生じ、円筒部50の内部を流れる処理ガスがプラズマ化される。そして、円筒部50のレーザ照射装置42が連結された側の端面と反対側の端面の開口(以下、「噴出口」と記載する場合がある)からプラズマが、円筒部50の軸方向に向かって噴出される。この際、医者等の治療者は、プラズマ照射装置20の噴出口を、患者12の患部に向けることで、患部にプラズマが照射され、患部が治療される。
【0022】
ただし、プラズマの波長は、真空紫外線領域の波長であるため、目視により確認することができない。このため、患部にプラズマを適切に照射できない虞がある。このようなことに鑑みて、プラズマ照射装置20には、レーザ照射装置42が設けられており、レーザ照射装置42によって照射されたレーザ光によって、プラズマの照射位置を確認することが可能となっている。
【0023】
詳しくは、レーザ照射装置42は、上述したように、円筒部50の端面に連結されており、円筒部50の軸方向にレーザ光を照射する。つまり、レーザ照射装置42は、プラズマの噴出方向と同軸的に、レーザ光を照射する。また、レーザ光は、直進性があり、平行光である。このため、レーザ照射装置42から照射されたレーザ光は、円筒部50内を通過して、円筒部50の噴出口から、プラズマの噴出方向と同軸的に照射される。これにより、図1に示すように、レーザ光80はプラズマが照射されている個所に照射される。レーザ光は、可視領域の高周波の赤色レーザであるため、治療者は、レーザ光を目視にて確認しながら、患部にプラズマを適切に照射することが可能となる。
【0024】
なお、プラズマ照射装置20によるプラズマ照射は、レーザ光によって照射位置を確認した後に行われる。詳しくは、まず、レーザ照射装置42によってレーザ光80が照射される。この際、ガス供給装置40による処理ガスの供給および、電極34,36への電圧の印加は行われていない。そして、作業者は、円筒部50の噴出口を患部に向けることで、レーザ光80をプラズマ照射予定位置に一致させる。レーザ光80がプラズマ照射予定位置に一致したら、ガス供給装置40により処理ガスが供給され、電極34,36に電圧が印加される。これにより、プラズマ照射予定位置に適切にプラズマを照射すること可能となる。
【0025】
さらに、プラズマ照射システム10では、患部にプラズマが照射される際に、患部が撮像装置24によって撮像されており、その撮像データに基づく画像が、プラズマの照射位置とともに、表示装置26に表示される。詳しくは、患部へのプラズマ照射時に、患部が撮像装置24によって撮像されており、撮像データが制御装置22のコントローラ70に送信される。そして、コントローラ70は、撮像データに基づいて、レーザ光の照射位置、つまり、プラズマの照射位置を演算する。なお、患部に照射されるレーザ光は赤色レーザ光であり、赤色は解析し易い色であるため、プラズマの照射位置を好適に演算することが可能である。
【0026】
プラズマの照射位置が演算されると、コントローラ70において、撮像装置24による撮像データに基づく画像、つまり、プラズマが照射されている患者の画像と、演算された照射位置に応じた画像とが重ねられた画像データが作成される。そして、作成された画像データが表示装置26に送信され、表示装置26において、その画像データに基づく画像が表示される。この画像には、図1に示すように、患者の患部に照射されたプラズマの照射位置82が表示される。これにより、治療者は、プラズマの照射済みの箇所を確認しながら、治療を行うことが可能となる。
【0027】
また、プラズマ照射システム10では、プラズマの照射時間に応じてプラズマの照射位置82の表示態様が異なっている。詳しくは、コントローラ70において、プラズマの照射位置が演算される際に、照射位置の単位面積当たりのレーザ光の照射時間、つまり、プラズマの照射時間も演算される。そして、患者の画像とプラズマの照射位置82の画像とが重ねられた画像データの作成時に、プラズマの照射位置82の画像が、単位面積当たりの照射時間が長いほど濃くされ、単位面積当たりの照射時間が短いほど薄くされる。このため、表示装置26に画像データに基づく画像が表示される際に、図1に示すように、プラズマの照射位置82が、薄い状態での表示態様82aと、濃い状態での表示態様82bとで表示される。これにより、治療者は、プラズマの照射量を認識しながら治療を行うことが可能となる。
【0028】
さらに、プラズマ照射システム10では、プラズマの過度の照射が防止される。詳しくは、上述したように、コントローラ70において、プラズマの照射位置が演算される際に、照射位置の単位面積当たりのプラズマの照射時間も演算される。この際、コントローラ70では、演算された単位面積当たりのプラズマの照射時間が、予め設定されている設定時間を超えているか否かが、判定される。そして、単位面積当たりのプラズマの照射時間が設定時間を超えていると判定された場合に、プラズマ照射装置20の電極34,36への電力供給が遮断される。これにより、特定の部位へのプラズマ照射量が所定量を超えた際に、プラズマの照射が停止し、特定の部位へのプラズマの過度の照射を防止することが可能となる。
【0029】
なお、演算されたプラズマの照射位置および、単位面積当たりの照射時間は、制御装置22において患者毎に記憶される。これにより、患者毎に、プラズマの照射部位、および、照射部位の単位面積当たりのプラズマの照射量を管理し、有効な治療を行うことが可能となる。
【0030】
なお、制御装置22のコントローラ70は、図4に示すように、照射位置演算部100と、照射時間演算部102と、表示制御部104と、判定部106とを有している。照射位置演算部100は、撮像データに基づいて、プラズマの照射位置82を演算するための機能部である。照射時間演算部102、撮像データに基づいて、プラズマの照射時間を演算するための機能部である。表示制御部104は、患者とプラズマの照射位置82とが重ねられた画像を表示装置26に表示させるための機能部である。判定部106は、プラズマの単位面積当たりの照射時間が設定時間を超えているか否かを判定するための機能部である。
【0031】
ちなみに、プラズマ照射装置20は、大気圧プラズマ発生装置の一例である。制御装置22は、情報処理装置の一例である。表示装置26は、表示装置の一例である。レーザ照射装置42は、照射装置の一例である。照射位置演算部100は、照射位置演算部の一例である。照射時間演算部102は、照射時間演算部の一例である。表示制御部104は、表示制御部の一例である。判定部106は、判定部の一例である。
【0032】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、治療者がプラズマ照射装置20を持って患部にプラズマが照射されているが、ロボットハンド等によりプラズマ照射装置20を操作し、患部にプラズマを照射することが可能である。なお、ロボットハンドなどによりプラズマ照射装置20を操作する際に、コントローラ70により演算されたプラズマの照射位置82を利用することで、患部にプラズマを適切に照射することが可能となる。
【0033】
また、上記実施例では、プラズマの照射時間に応じて、プラズマの照射位置の画像の濃淡が変更されているが、画像の色を変更することが可能である。具体的には、例えば、プラズマの照射時間が長いほど、赤色系の色でプラズマの照射位置の画像を表示し、プラズマの照射時間が短いほど、青色系の色でプラズマの照射位置の画像を表示することが可能である。
【0034】
また、上記実施例では、プラズマの照射時間が設定時間を超えた場合に、プラズマの照射が停止されるが、音,光等によって、プラズマの照射時間が設定時間を超えていることを、治療者に告知してもよい。
【0035】
また、上記実施例では、モニター等の表示装置26に、プラズマの照射位置の画像が表示されているが、眼鏡型表示装置、所謂、グーグルグラス(登録商標)にプラズマの照射位置を表示することが可能である。この際、眼鏡型表示装置には、プラズマの照射位置のみが表示され、実像、つまり、実際の患者を、眼鏡型表示装置に表示されたプラズマの照射位置が重なった状態で、治療者が視認する。
【0036】
また、上記実施例では、プラズマ照射装置20にレーザ照射装置42が設けられており、制御装置22によって、レーザ光の照射位置が、プラズマの照射位置として演算されるが、プラズマ照射装置20にレーザ照射装置42が設けることなく、制御装置22によって、プラズマの照射位置自体を演算することが可能である。詳しくは、例えば、撮像装置24として、真空紫外線領域の波長の光を識別可能な特殊な撮像装置を採用する。これにより、その特殊な撮像装置の撮像データに基づいて、プラズマの照射位置を演算することが可能となる。
【0037】
また、上記実施例では、プラズマ照射システム10が医療分野において利用されているが、工業分野等の種々の分野において、プラズマ照射システム10を利用することが可能である。なお、工業分野では、例えば、金属等の表面処理,表面改質等を目的として、プラズマ照射システム10を利用することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
20:プラズマ照射装置(大気圧プラズマ発生装置) 22:制御装置(情報処理装置) 26:表示装置 42:レーザ照射装置(照射装置) 100:照射位置演算部 102:照射時間演算部 104:表示制御部 106:判定部
図1
図2
図3
図4