(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電流採取制御部は、同期信号を受信し、更に前記同期信号に基づいて前記サンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断し、そのうち前記同期信号の周期が前記第1脈動波形の周期の1/Nであり、Nは1以上の整数であることを特徴とする、請求項1に記載のアダプター。
前記電流採取制御部は、更に前記第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後、前記サンプル保持部が保持状態からサンプル状態に切り換えるよう制御することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアダプター。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を詳述する。以下の実施形態は本発明を例示したに過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者からすれば、創造性の作業が無くてもこれらの実施形態について適宜変更、変形を加えることができ、こういった変更、変形も本発明の範囲に含まれているとよく理解できる。
【0010】
関連技術においては、定電圧モードで被充電装置(例えば、端末)を充電する第1アダプターについて説明が行われ、定電圧モードで該第1アダプターから出力される電圧は、例えば、5V、9V、12V又は20V等といったほぼ一定の大きさを維持する。
該第1アダプターから出力された電圧は、そのまま電池両端に印加されることなく、被充電装置(例えば、端末)内の変換回路によって被充電装置(例えば、端末)内の電池が要求の充電電圧及び/又は充電電流に変換される。
【0011】
変換回路は第1アダプターからの電圧を変換し、電池の所定充電電圧及び/又は充電電流の要求を満足できるようにする。
【0012】
一例として、該変換回路は、例えば、充電用集積回路(integrated circuit,IC)のような充電管理モジュールであってもよく、電池充電時に電池の充電電圧及び/又は充電電流を管理する。該変換回路は、電圧フィードバックモジュールの機能及び/又は電流フィードバックモジュールの機能を備えることで、電池の充電電圧及び/又は充電電流を管理する機能を果たすものである。
【0013】
例えば、電池への充電プロセスをトリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階のうち1つ又は複数の段階に分けて行うことができる。トリクル充電段階において、変換回路は電流フィードバックループを利用して、トリクル充電時に電池に流れる電流を所定の充電電流の大きさに変換することができる(例えば、第1充電電流)。定電流充電段階において、変換回路は電流フィードバックループを利用して、定電流充電時に電池に流れる電流を所定の充電電流の大きさに変換することができる(例えば、第2充電電流、該第2充電電流は第1充電電流を超えてもよい)。定電圧充電段階において、変換回路は電圧フィードバックループを利用して、定電圧充電時に電池の両端に印加される電圧を電池の所定充電電圧の大きさに変換することができる。
【0014】
一例として、第1アダプターからの電圧が電池の所定充電電圧を超えるとき、変換回路は第1アダプターからの電圧に対して降圧処理を行い、降圧変換後の充電電圧が電池の所定充電電圧の要求を満足できるようにする。更に、一例として、第1アダプターからの電圧が電池の所定充電電圧より低いとき、変換回路は第1アダプターからの電圧に対して昇圧処理を行い、昇圧後の充電電圧が電池の所定充電電圧の要求を満足できるようにする。
【0015】
更に、第1アダプターから5Vの定電圧を出力する場合を一例として挙げると、電池が単セル(リチウム電池のセルの例として、単セルの充電終止電圧が4.2Vである)で構成されるとき、変換回路(例えば、Buck降圧回路)は第1アダプターからの電圧に対して降圧処理を行い、降圧後の充電電圧が電池の所定充電電圧の要求を満足できるようにする。
【0016】
更に、第1アダプターから5Vの定電圧を出力する場合を一例として挙げると、第1アダプターを用いて2個以上の単セルが直列接続されている電池(リチウム電池のセルの例としては、単セルの充電終止電圧が4.2Vである)を充電するとき、変換回路(例えば、Boost昇圧回路)は第1アダプターからの電圧に対して昇圧処理を行い、昇圧後の充電電圧が電池の所定充電電圧の要求を満足できるようにする。
【0017】
変換回路は、回路の変換効率の低下に起因する未変換の電気エネルギーを熱エネルギーの形で放出し、この部分の熱エネルギーは被充電装置(例えば、端末)の内部に蓄積される。被充電装置(例えば、端末)の設計スペース及び放熱スペースが小さいため(例えば、ユーザが使用する移動端末の物理的寸法が薄く、且つ移動端末の性能を高める目的で移動端末の内部に大量の電子部品を密集して配置する場合)、変換回路の設計が困難であると同時に、被充電装置(例えば、端末)内に蓄積されている熱エネルギーを適時に放出できず、被充電装置(例えば、端末)の異常を誘発する恐れがある。
【0018】
例えば、変換回路に蓄積されている熱エネルギーは変換回路近傍の電子部品に影響を与え、電子部品の異常動作を誘発し、一方、変換回路に蓄積されている熱エネルギーの影響を受けて変換回路及びその近傍の電子部品の使用寿命が低下する恐れがある。更に、変換回路に蓄積されている熱エネルギーの影響を受けて電池充放電時に異常が発生したり、被充電装置(例えば、端末)の温度が異常上昇したり、充電時のユーザ体験に影響を与える。また、変換回路に蓄積されている熱エネルギーは、変換回路自体の短絡を引き起こし、第1アダプターからの電圧がそのまま電池両端に印加されて充電異常となることがあり、更に、電池が長期間に渡って過電圧充電の状態になると、電池が爆発する可能性があり、安全上の問題に繋ぐ恐れがある。
【0019】
本発明の一実施形態において、出力電圧を調整可能な第2アダプターを提供し、該第2アダプターによって電池の状態情報を取得することができ、電池の状態情報には電池現在の電量情報及び/又は電圧情報を含む。該第2アダプターは、取得した電池の状態情報に基づいて第2アダプター自体の出力電圧を調整し、電池の所定充電電圧及び/又は充電電流の要求を満足できるようにする。更に、電池充電時における定電流充電の段階において、第2アダプターによって調整された出力電圧をそのまま電池の両端に印加して電池を充電する。
【0020】
該第2アダプターは、電圧フィードバックモジュールの機能と電流フィードバックモジュールの機能を兼ね備え、電池の充電電圧及び/又は充電電流を管理する役割を果たすことができる。
【0021】
該第2アダプターが取得した電池の状態情報に基づいて第2アダプター自体の出力電圧を調整することは、該第2アダプターは電池の状態情報をリアルタイムに取得し、且つ取得した電池のリアル状態情報に基づいて第2アダプター自体の電圧を調整することができ、よって、電池の所定充電電圧及び/又は所定充電電流の要求を満足できるようにすることを指し得る。
【0022】
該第2アダプターがリアルタイムに取得した電池の状態情報に基づいて第2アダプター自体の出力電圧を調整することは、充電時に電池の電圧が持続的に上昇するにつれて、第2アダプターは充電時における異なる時点で電池現在の状態情報を取得し、且つ電池現在の状態情報に基づいて第2アダプター自体の出力電圧をリアルタイムに調整することができ、よって、電池の所定充電電圧及び/又は所定充電電流の要求を満足できるようにすることを指し得る。
【0023】
例えば、電池への充電をトリクル充電段階、定電流充電段階及び定電圧充電段階のうち1つ又は複数の段階に分けて行うことができる。トリクル充電段階において、第2アダプターは電流フィードバックループを利用して、トリクル充電時に第2アダプターから出力され且つ電池に流れる電流を電池の所定充電電流の要求を満たすように調整することができる(例えば、第1充電電流)。定電流充電段階において、第2アダプターは電流フィードバックループを利用して、定電流充電時に第2アダプターから出力され且つ電池に流れる電流を電池の所定充電電流の要求を満たすように調整することができ(例えば第2充電電流、該第2充電電流は第1充電電流を超えてもよい)、また、定電流充電段階において、第2アダプターは出力された充電電圧をそのまま電池両端に印加して電池への充電を実現することができる。定電圧充電段階において、第2アダプターは電圧フィードバックループを利用して、定電圧充電時に第2アダプターからの電圧を電池の所定充電電圧の要求を満たすように調整することができる。
【0024】
トリクル充電段階及び定電圧充電段階において、第2アダプターからの出力電圧に対して第1アダプターと同様に処理を施してもよく、すなわち被充電装置(例えば、端末)内の変換回路を利用して変換することにより、被充電装置(例えば、端末)内の電池が要求の充電電圧及び/又は充電電流を得ることができる。
【0025】
電池充電時の信頼性と安全性を確保する観点から、本発明の一実施形態において第2アダプターは脈動波形の電圧・電流を出力する。以下、
図1を参照しつつ本発明の実施形態に係る第2アダプターを更に詳しく説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る第2アダプターを示す概略図である。
図1における第2アダプター10は、電力変換部11、サンプル保持部12及び電流採取制御部13を備える。
【0027】
電力変換部11は、入力された交流を第2アダプター10の出力電圧及び出力電流に変換する。第2アダプター10の出力電流は、第1脈動波形の電流である。
【0028】
サンプル保持部12は、電力変換部11に接続される。サンプル保持部12は、サンプル状態において第1脈動波形の電流をサンプルする。また、サンプル保持部12は、保持状態において第1脈動波形の電流のピーク値を保持(又は、ホールドオン)する。
【0029】
電流採取制御部13は、サンプル保持部12に接続される。電流採取制御部13は、サンプル保持部12が保持状態になっているか否かを判断し、且つサンプル保持部12が保持状態になっていると判断できると、サンプル保持部12によって保持されている第1脈動波形の電流のピーク値を採取する。
【0030】
本発明の実施形態に係る第2アダプターの出力電流は、脈動波形の電流(又は、「脈動直流」とも称される)であり、脈動波形の電流によって電池のリチウム析出を抑制することができる。なお、脈動波形の電流によって充電インタフェースにおける接点のアーク発生率と強度を低減させ、充電インタフェースの寿命を高めることができる。
【0031】
第2アダプターは、通常、実際状況に合わせて第2アダプターの出力電流を調整する。定電流モードで動作可能な第2アダプターを例として挙げると、第2アダプターは、通常、被充電装置(例えば、端末)の電池電圧に基づいて第2アダプターの出力電流を調整し続け、多段階に分け且つ定電流で電池を充電するため、充電時には第2アダプターの出力電流をリアルタイムに測定、制御する必要がある。第2アダプターの出力電流の電流値が一定であると、第2アダプターの出力電流を容易に測定、制御できるが、本発明の実施形態において、第2アダプターの出力電流が第1脈動波形の電流であり、且つ第1脈動波形の電流の大きさが不安定であるため、第2アダプターの出力電流の測定、制御方法を特に設ける必要がある。
【0032】
このため、本発明の一実施形態においてサンプル保持部12及び電流採取制御部13を導入し、サンプル保持部12及び電流採取制御部13に基づき、第2アダプターの出力電流のピーク値を採取することにより、第2アダプターが出力電流を効果的に制御できるようにする。
【0033】
以上において、第2アダプターの出力電流が第1脈動波形の電流である場合を例として説明を行ったが、本発明に係る脈動波形は、完全な脈動波形であってもよく、完全な脈動波形をクリッピング処理して得られた脈動波形であってもよい。ここで、クリッピング処理とは、脈動波形から一定の閾値を越えた部分をフィルタ処理にて排除し、脈動波形のピーク値を制御することを指すものである。
図2Aに示されるように、本発明の一実施形態において脈動波形は完全な脈動波形であり、また、
図2Bに示されるように、本発明のもう1つの実施形態において脈動波形はクリッピング処理を経て得られた脈動波形である。
【0034】
本発明において、電力変換部11によって交流を第1脈動波形の電流に変換する方法については特に限定がないことが理解されるべきである。例えば、電力変換部11から一次フィルタ部及び二次フィルタ部を省き、第1脈動波形の電流を生成することにより、第2アダプター10から第1脈動波形の電流を出力できるようにし、しかも第2アダプター10の寸法を大きく減らし、第2アダプター10の小型化を図ることができる。
【0035】
本発明の実施形態に係る被充電装置としては、「通信端末」(「端末」と略称することもある)であってもよく、有線回線接続(例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network,PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line,DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は別のデータ接続/ネットワーク)、及び/又は無線インタフェース(例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、携帯型デジタルビデオ放送(digital video broadcasting handheld,DVB−H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調・周波数変調(amplitude modulation−frequency modulation,AM−FM)放送送信機、及び/又は別の通信端末に対する無線インタフェース)を介して通信信号の受送信を遂行する装置であってもよく、特に限定がない。無線インタフェースを介して通信を行う通信端末を「無線通信端末」、「無線端末」及び/又は「モバイル端末」と称することができ、そのうち、モバイル端末としては、衛星又は携帯電話以外でも、セルラー無線通信、データ処理、ファクス及びデータ通信の機能を兼ね備えたパーソナル通信システム(personal communication system,PCS)用の端末、無線通信、ページャ、インターネット/イントラネットのアクセス、ウェブブラウザ、オーガナイザ、カレンダ及び/又は全地球測位システム(global positioning system,GPS)受信機を一体化した携帯情報端末(Personal Digital Assistant,PDA)、及び普通のラップトップ及び/又はパームトップ受信機又は無線電話通信装置を備える他の電子デバイス等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0036】
本発明の一実施形態において、第2アダプター10は充電インタフェース(例えば、
図19Aの充電インタフェース191)を備えてもよく、本発明においてこれらの充電インタフェースについては特に限定がない。例えば、汎用シリアルバス(Universal Serial Bus,USB)インタフェースを用いることができ、前記USBインタフェースとしては、通常のUSBインタフェース、micro USBインタフェース、Type−Cインタフェースが挙げられる。
【0037】
本発明の実施形態において、サンプル保持部12の実施態様について特に制限がなく、サンプル保持部12はコンデンサを利用して信号のサンプルと保持を実現することができる。以下、
図3を参照しつつサンプル保持部12の具体的な態様について更に詳しく説明する。
【0038】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図3に示されるように、サンプル保持部12は電流サンプル部14及び電流保持部15を備える。電流サンプル部14は電力変換部11に接続され、第1脈動波形の電流を検出してサンプル電流を取得すると同時に、サンプル電流をサンプル電圧に変換する。サンプル電圧は、第1脈動波形の電流の大きさを表示するものである。電流保持部15は、電流サンプル部14及び電流採取制御部13に接続される。電流保持部15は、電流サンプル部14からのサンプル電圧を引き受け、サンプル電圧に基づいて電流保持部15内のコンデンサ(
図3に図示せず)を充電する。電流採取制御部13は、電流採取制御部13内のコンデンサ両端の電圧を採取することにより、第1脈動波形の電流のピーク値を取得する。
【0039】
第1脈動波形が立ち上がりエッジにあるとき、電流保持部15内のコンデンサは第1脈動波形の電流の電流値が上昇するにつれて上昇し、サンプル保持部12はサンプル状態を維持する。第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジにあるとき、電流保持部15内のコンデンサ両端の電圧は変動せずに一定となり、サンプル保持部12は保持状態を維持する。
【0040】
本発明において、電流採取制御部13を利用してサンプル保持部12によって保持されている第1脈動波形の電流のピーク値を採取する。本発明の一実施形態において、電流採取制御部13はアナログ/デジタル変換器(Analog-to-Digital Converte,ADC)を備え、電流採取制御部13はADCを利用して第1脈動波形の電流のピーク値を採取することができる。本発明の一実施形態において、電流制御部13は、更に制御部を備え、該制御部としては、マイクロコントローラユニット(Microcontroller Unit,MCU)を使用することができる。該制御部は、ADCポートを備え、該ADCポートを介してサンプル保持部12内のコンデンサに接続され、コンデンサ両端の電圧を採取することで第1脈動波形の電流のピーク値を採取することができる。
【0041】
サンプル保持部12がサンプル状態を維持するとき、コンデンサ両端の電圧が第1脈動波形の電流の電流値の増加につれて増加し、これは充電プロセスに相当する。サンプル保持部12が保持状態を維持するとき、コンデンサ両端の電圧が最大値に達する。ここで、予めコンデンサ両端の電圧と第1脈動波形の電流値の対応関係を確定することができ、よって、電流採取制御部13はコンデンサ両端の電圧値を採取することにより、第1脈動波形の電流のピーク値を取得することができる。
【0042】
好ましくは、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13は、更に第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後に、サンプル保持部12を保持状態からサンプル状態に移行させる。
【0043】
具体的には、第1脈動波形の電流のピーク値がリアルタイムに変化することがあり、このとき第1脈動波形の電流のピーク値を測定し続けて電流情報のリアルタイム性及び正確性を確保し、全充電プロセスがスムーズに行われるようにする。そこで、本発明の実施形態に係る電流採取制御部13は、第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後に、サンプル保持部12をサンプル状態に移行させて第1脈動波形の電流に対して再びサンプルを行い、第1脈動波形の電流ピーク値を採取する際のリアルタイム性及び正確性を確保する。
【0044】
更に、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13は第1脈動波形の各周期内においてピーク値を一回採取し、該ピーク値を採取した後にサンプル保持部12を保持状態からサンプル状態に切り換える。このように、電流採取制御部13によって採取された第1脈動波形の電流のピーク値は、第1脈動波形の周期を1単位としてリアルタイムに更新され、第1脈動波形の電流ピーク値を採取する際のリアルタイム性及び正確性を確保する。
【0045】
上述のことから、第2アダプター10の出力電流、すなわち充電電流は第1脈動波形の電流になっていると理解できる。該充電電流は一定の間隔で電池を充電することができ、該充電電流の周期は電網の周波数に追従して変動する。本発明の一実施形態において、該充電電流の周期に対応する周波数は、電網の周波数の整数倍又は逆数倍になっており、つまり、該充電電流は一定の間隔をもって電池を充電する。本発明の一実施形態において、該充電電流は、電網に同期する1個又は1組のパルスで形成される。
【0046】
敢えて説明しておくが、電流採取制御部13は、サンプル保持部12を保持状態から採取状態に切り換えるときに幾つかの方法を利用することができ、例えば、電流採取制御部13は、サンプル保持部12内のコンデンサを放電処理することでコンデンサ両端の電荷を全部放出し、次のサンプル周期の再開を待ってサンプル保持部12内のコンデンサを再び充電させることが理解されるべきである。
【0047】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図4に示されるように、サンプル保持部12はサンプル保持部12内のコンデンサ(
図4に図示せず)を利用して第1脈動波形の電流のピーク値を保持することができる。電流採取制御部13は、更に放電部16及び制御部17を備え、放電部16は、それぞれ制御部17及びサンプル保持部12内のコンデンサに接続される。放電部16は、制御部17に制御されてサンプル保持部12内のコンデンサ両端の電荷を放出させ、サンプル保持部12が保持状態からサンプル状態に切り換えるようにする。更に、制御部17は、サンプル保持部12によって保持されている第1脈動波形の電流のピーク値を採取することもできる。
【0048】
放電部16は、幾つかの方法を利用してその機能を実現することができ、例えば、放電部16は、サンプル保持部12内のコンデンサに直列接続されるスイッチ及び抵抗を備えることができる。放電処理が必要であるとき、制御部17はスイッチをオンにし、コンデンサが該抵抗へ放電することでコンデンサ両端の電荷を放出する。
【0049】
本発明において、電流採取制御部13によってサンプル保持部12が保持状態になっているか否かを判断する方法については特に限定がない。以下、具体的な実施形態に基づいて更に詳しく説明する。
【0050】
好ましくは、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13はサンプル保持部12がサンプルした電流値をリアルタイムに測定することができ、2回の測定で得られた電流値が一定であると、サンプル保持部12が保持状態になっていることを意味する。
【0051】
好ましくは、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13は同期信号を受信し、同期信号に基づいてサンプル保持部12が保持状態になっているか否かを判断する。同期信号の周期は第1脈動波形の周期の1/Nであり、Nは1以上の整数である。
【0052】
第1脈動態様の電流が周期的に変化するため、サンプル保持部12がサンプル状態から保持状態に至るまでの時間間隔は、前記第1脈動波形の電流の周期と関連性を示す(該時間間隔としては、第1脈動波形の電流の周期の1/2であってもよい)。そこで、本発明の実施形態において、第1脈動波形の周期と特定の関係を示す同期信号(すなわち、同期信号の周期は、第1脈動波形の周期の1/Nである)を導入し、該同期信号に基づいてサンプル保持部12の動作状態を判断する。例えば、同期信号と第1脈動波形の周期及び/又は位相の関係を利用することで、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを確定することができる。第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジにあると、サンプル保持部12が保持状態になっていると判断できる。本発明において、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを確定するということは、第1脈動波形が第1脈動波形のピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを確定することを意味する。逆に、上記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを確定するということは、第2アダプターの現在の出力電流が第1脈動波形のピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否か、或いは第2アダプターの現在の出力電流が第1脈動波形のピーク値又は立ち下がりエッジに対応する電流である否かを確定することを意味する。
【0053】
好ましくは、1つの実施形態としては、第1脈動波形の周期を同期信号の周期に一致させることができる。更に、本発明の一実施形態において、第1脈動波形が同期信号と同じ位相を有してもよく、つまり、同期信号が立ち上がりエッジにあるとき、第1脈動波形も立ち上がりエッジにあり、同期信号がピーク値又は立ち下がりエッジにあるとき、第1脈動波形ピーク値又は立ち下がりエッジにあることを意味する。第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジにあるとき、サンプル保持部12が保持状態になっているため、同期信号がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを判断さえできれば、サンプル保持部12がどのタイミングで保持状態になっているかを判断できる。別の実施形態において、第1脈動波形の位相は同期信号の位相と一定の差を示してもよく、例えば90度、又は180度の差を示すことができる。このとき、両者の周期と位相の関係に基づいて第1脈動波形がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを上述と同様に判断することができ、更にサンプル保持部12がどのタイミングで保持状態になっているかを判断することができる。
【0054】
同期信号の周期が第1脈動波形の周期の1/2、1/3、1/4等である場合においても、同期信号と第1脈動波形の位相及び周期との関係に基づいてサンプル保持部12の動作状態を上述と同様に判断することができる。
図5において、同期信号の波形を実線で示し、第1脈動波形の波形を破線で示している。同期信号の周期が第1脈動波形周期の1/2であるため、同期信号が負の半サイクルにあるとき、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジにあり、サンプル保持部12が保持状態を維持する。したがって、同期信号の波形がどのタイミングで負の半サイクルにあるかを判断さえできれば、第1脈動波形がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを判断でき、他の場合でもこれに似ているため、重複説明を省略する。
【0055】
なお、同期信号としては、脈動波形の同期信号、三角波形の同期信号以外、他の種類の同期信号も可能だが、これらに限定されない。
【0056】
本発明において、同期信号の取得方法について特に限定がない。以下、具体的な実施形態を挙げて同期信号の好適な取得方法を説明する。
【0057】
好ましくは、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13は、電力変換部11に接続され、電力変換部11から同期信号を取得する。
【0058】
電力変換部11から取得した同期信号としては、電力変換部11が引き受けた交流信号、電力変換部11が一次整流後に得られた電流・電圧信号、電力変換部11の一次側から二次側にカップリングさせた電流・電圧信号、二次整流後の電流・電圧信号等が挙げられるが、これらに限定されないことが理解されるべきである。
【0059】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図6に示されるように、電力変換部11は一次部18及び二次部19を備える。電流採取制御部13は、二次部19に接続され、二次部19から同期信号を取得する。
【0060】
二次部19から同期信号を取得する際に幾つかの方法を利用することができ、例えば、二次部19の母線(VBUS)から同期信号を直接取得することができることが理解されるべきである。具体的には、第2アダプター10から第1脈動波形の電流が出力され、且つ第2アダプター10の出力端が二次部19の母線に接続されるため、二次部19の母線にも第1脈動波形の電流が流されるようになり、二次部19の母線から同期信号を直接取得することができる。また、
図7に示されるように、二次部19は第1整流部20を備え、第1整流部20は電流採取制御部13に接続される。第1整流部20は、一次部18から二次部19にカップリングされた電流を整流して第2脈動態様の電圧を取得し、第2脈動波形の電圧を同期信号として電流採取制御部13に送信する。
【0061】
二次部19自体に二次整流部を備えるため、該二次整流部と上記第1整流部20とを2つのそれぞれ独立した整流部として設けることができる。二次整流部は、一次側から二次側にカップリングされた電流を整流して第2アダプターの出力電流を取得する。第1整流部は、一次側から二次側にカップリングされた電流を整流して同期信号を取得する。
図21を参照されたく、
図21における符号39で表される部分が、いわゆる二次整流部に相当する。該二次整流部39及び第1整流部20は、何れも変圧器T1の二次巻き線側に近接して設けられ、第2アダプターによって一次側から二次側にカップリングさせた電流を整流する。
【0062】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図8に示されるように、電力変換部11は一次部18及び二次部19を備え、電流採取制御部13は、一次部18に接続され、一次部18から同期信号を取得する。
【0063】
一次部18から同期信号を取得する際に幾つかの方法を利用することができると理解されるべきである。例えば、一次部18から交流信号を直接取得し、該交流信号を同期信号として電流採取制御部13に送信することができ、或いは、一次部18内の整流回路によって整流された脈動直流信号を同期信号として電流採取制御部13に送信することができる。
【0064】
具体的には、
図9に示されるように、一次部18は、交流ACを整流して第3脈動波形の電圧を取得する。第3脈動波形と第1脈動波形とは同じ周期を有する。一次部18は、フォトカプラ部21を介して第3脈動波形の電圧を第2アダプター10の一次側から二次側にカップリングさせて第4脈動波形の電圧を取得し、且つ第4脈動波形の電圧を同期信号として電流採取制御部13に送信することができる。フォトカプラ部21は、一次側と二次側との間の相互作用を遮断する機能を奏する。また、代替の手段として、一次部18は、フォトカプラ部21を介せずに第3脈動波形の電圧を電流採取制御部13に直接送信することもできるが、本発明はこれらに限定されない。
【0065】
以上は、具体的な実施形態を挙げて電力変換部11から同期信号を取得する方法を詳しく説明したが、同期信号の取得方法はこれらに限定されず、以下において同期信号の他の取得方法を詳述する。
【0066】
好ましくは、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13は、サンプル保持部12から同期信号を取得することができる。
【0067】
具体的には、サンプル保持部12は、第2アダプターの出力電流、すなわち第1脈動波形の電流をサンプルしてサンプル電流を取得するため、サンプル保持部12のサンプル電流又は該サンプル電流に対応するサンプル電圧等の信号は何れも第1脈動波形の電流と同じ周期及び位相を有することになる。該サンプル電流又はサンプル電圧を同期信号とすることで、サンプル保持部12の動作状態に対する判断ロジックを簡略化にすることができる。
【0068】
通常の場合、サンプル保持部12は、第1脈動波形の電流をサンプルしてサンプル電流を取得し、更にサンプル電流をサンプル電圧に変換し、該サンプル電圧によって第1脈動波形の電流の大きさを表示することができる。サンプル保持部12は、該サンプル電圧を同期信号として電流採取制御部13に送信することができる。例えば、
図21を参照されたく、
図21における検流計の出力ポート(OUTPUT)からの電圧信号を同期信号とすることができる。
【0069】
以上は、主に同期信号の取得方法について説明を行ったが、以下において、具体的な実施形態を挙げて同期信号に基づいて第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっている否かを判断する方法を詳述する。
【0070】
好ましくは、本発明の一実施形態において、電流採取制御部13は、同期信号に基づいて第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっている否かを判断し、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっていると判断できた場合、サンプル保持部12によって保持されている第1脈動波形の電流のピーク値を採取する。
【0071】
具体的には、サンプル保持部12は、コンデンサの充放電状態に基づいてサンプル状態と保持状態との間で切り替えることができる。第1脈動波形が立ち上がりエッジにあるとき、サンプル保持部12内のコンデンサは充電状態となり、該コンデンサ両端の電圧が第1脈動波形の電流の増加につれて増加し、このときサンプル保持部12はサンプル状態を維持する。第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジにあるとき、該コンデンサ両端の電圧は更に増加することなく、このときサンプル保持部12は保持状態を維持する。したがって、第1脈動波形がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを判断することにより、サンプル保持部12がどのタイミングで保持状態になっているかを判断できる。同期信号の周期及び位相が第1脈動波形の周期及び位相と一定の関係を示すため、同期信号の周期及び/又は位相に基づいて第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを確定することができる。例えば、同期信号と第1脈動波形とが同じ位相を有する場合、同期信号がピーク値又は立ち下がりエッジになっていると、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっていることを意味する。また、同期信号が第1脈動波形と同じ周期を有し、且つ位相において半サイクルの差を示す場合、同期信号が立ち上がりエッジになっていると、第1脈動波形もピーク値又は立ち下がりエッジになっていることを意味する。
【0072】
同期信号の位相の測定方法としては幾つかの方法が挙げられ、例えば、検流計又は電圧計を用いて同期信号の電流又は電圧をリアルタイムに測定することにより同期信号の位相を確定し、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断することができる。但し、このような方法では電流・電圧測定回路を別途設ける必要があるため、構成が複雑になってしまう。そこで、以下においてコンパレータに基づく2つの方法を挙げ、これらの方法を利用して同期信号の電圧と基準電圧を対比することで、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを容易に判断することができる。
【0073】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図10に示されるように、電流採取制御部13は、コンパレータ22及び制御部23を備える。コンパレータ22の第1入力端は同期信号を受信し、コンパレータ22の第2入力端は基準電圧を受信する。制御部23は、コンパレータ22の出力端に接続され、同期信号の電圧と基準電圧の対比結果に基づいて第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断する。本発明の一実施形態において、第1入力端がコンパレータの非反転入力端であり、第2入力端がコンパレータの反転入力端である。別の実施形態において、第1入力端がコンパレータの反転入力端であり、第2入力端がコンパレータの非反転入力端である。
【0074】
本発明において、基準電圧の電圧値の設定方法について特に制限がなく、同期信号がゼロクロス点の脈動波形の信号である場合を例とすると、基準電圧の電圧値を「0」より大きく且つ同期信号のピーク値未満の電圧値に設定することができる。また、同期信号が交流信号である場合には、基準電圧の電圧値を「0」に設定することができると理解されるべきである。
【0075】
なお、本発明において、上述した同期信号の電圧と基準電圧の対比結果に基づき第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断する方法については特に制限がなく、これは同期信号の周期及び位相と、第1脈動波形の周期及び位相とに関連するものである。以下、
図11及び
図12を参照しつつ、同期信号と第1脈動波形が同じ周期を有する場合を例として、第1脈動波形のピーク値又は立ち下がりエッジの判断方法を説明する。
図11及び
図12の実施形態において、電流採取制御部13は、第1脈動波形の各周期においてサンプル保持部によって保持されている第1脈動波形の電流のピーク値を採取する。採取が終わると、電流採取制御部13は、直ちに制御電圧を放電部内のMOSトランジスタに供給して放電部内のMOSトランジスタを開通させるように制御し、サンプル保持部12内のコンデンサ両端の電荷を放出する。但し、
図11及び
図12は例示に過ぎず、本発明はこれらに限定されず、電流採取制御部13は、例えば、複数の周期を隔てて第1脈動波形の電流のピーク値を一回採取することができる。なお、放電部は、MOSトランジスタ以外の手段、例えば、他のスイッチング素子を利用して放電部の開閉を実現することができる。
【0076】
図11の実施形態において、同期信号と第1脈動波形(第1脈動波形は、クリッピング処理を施した脈動波形である)は、同じ位相を有する。
図11から、同期信号と第1脈動波形が同じ位相を有するため、同期信号がピーク値又は立ち下がりエッジにあるとき、第1脈動波形もピーク値又は立ち下がりエッジにあることが分かる。したがって、同期信号がどのタイミングで同期信号の波形のピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを判断さえできれば、第1脈動波形がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを察知できる。
【0077】
更に、同期信号がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを判断するために、
図11の実施形態においてはコンパレータを導入し、該コンパレータは、同期信号と基準電圧の電圧値を対比することでコンパレータの出力レベルの変化グラフ、すなわち
図11に示される矩形波を取得する。該矩形波から、コンパレータの出力レベルがハイレベルからローレベルに遷移する時点(以下、「目標時点」と称する)で、第1脈動波形が立ち下がりエッジになっていることが分かる。このとき、サンプル保持部12内のコンデンサが保持状態を維持するため、本発明の実施形態において目標時点をピーク値のサンプル点とし、電流採取制御部13を制御することでサンプル保持部12内のコンデンサ両端の電圧を採取し、そして第1脈動波形の電流のピーク値を取得する。また、第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後、直ちに放電部内のMOSトランジスタを開通させてサンプル保持部12内のコンデンサ両端の電荷を放出し、次の周期での採取に構えるようにする。
【0078】
図12の実施形態において、同期信号と第1脈動波形の位相は180°の差を示し、且つ第1脈動波形はクリッピング処理が施された脈動波形である。
図12から、同期信号と第1脈動波形の位相が180°の差を示すため、同期信号がピーク値又は立ち上がりエッジになっているとき、第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっていることが分かる。したがって、同期信号がどのタイミングでピーク値又は立ち上がりエッジになっているかを判断さえできれば、第1脈動波形がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを察知できる。
【0079】
更に、同期信号がどのタイミングでピーク値又は立ち上がりエッジになっているかを判断するために、
図12の実施形態においてコンパレータを導入し、該コンパレータは、同期信号と基準電圧の電圧値を対比することでコンパレータの出力レベルの変化グラフ、すなわち
図12に示される矩形波を取得する。該矩形波から、コンパレータの出力レベルがローレベルからハイレベルに遷移する時点(以下、「目標時点」と称する)で、第1脈動波形が立ち下がりエッジになっていることが分かる。このとき、サンプル保持部12内のコンデンサが保持状態を維持するため、本発明の実施形態において目標時点をピーク値のサンプル点とし、電流採取制御部13を制御することでサンプル保持部12内のコンデンサ両端の電圧を採取し、そして第1脈動波形の電流のピーク値を取得する。また、第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後、直ちに放電部内のMOSトランジスタを開通させてサンプル保持部12内のコンデンサ両端の電荷を放出し、次の周期での採取に構えるようにする。
【0080】
好ましくは、別の実施形態において、
図13に示されるように、電流採取制御部13は、比較部24及び制御部25を備えてもよく、比較部24は、コンデンサ26及びコンパレータ27を備えてもよい。コンデンサ26は、同期信号を受信した後に同期信号内の直流信号をフィルタ処理し、ゼロクロス点の交流信号を取得する。コンパレータ27の第1入力端は、コンデンサ26に接続されて交流信号を受信する。コンパレータ27の第2入力端は、基準電圧を受信する。コンパレータ27は、交流信号の電圧と基準電圧を対比するためのものである。制御部25は、コンパレータ27の出力端に接続され、交流信号の電圧と基準電圧の対比結果に基づいて第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断する。更に、本発明の実施形態において、基準電圧の電圧値を「0」に設定することができる。本発明の一実施形態において、第1入力端がコンパレータの非反転入力端であり、第2入力端がコンパレータの反転入力端である。また、別の実施形態において、第1入力端がコンパレータの反転入力端であり、第2入力端がコンパレータの非反転入力端である。
【0081】
同期信号が脈動波形の信号である場合を例として、脈動波形の信号を、直流信号(又は直流成分)とゼロクロス点の交流信号(又は交流成分)とを混合して得られる信号と見なすことができ、コンデンサ26を利用して脈動波形信号内の直流信号をフィルタ処理し、ゼロクロス点の交流信号を残すことができる。このように、コンパレータ27の基準電圧を「0」(例えば、コンパレータの第2入力端を接地すること)に設定することで、同期信号の位相を容易に判断することができる。
【0082】
更に、本発明の実施形態において、交流信号及び基準電圧に基づき、同期信号及び第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断する際に幾つかの方法を利用することができ、これは交流信号の周期及び位相と第1脈動波形の周期及び位相とに関連するものである。具体的な判断方法としては、
図11及び
図12に示される判断方法に似ており、重複説明を省略する。
【0083】
以上は、第1脈動波形の電流のピーク値を取得するための方法を詳しく説明したが、以下において具体的な実施形態を挙げて、得られた第1脈動波形の電流ピーク値に基づいて充電プロセルを制御する方法を詳述する。
【0084】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図14に示されるように、第2アダプター10は電圧調整部28を更に備える。電圧調整部28は電力変換部11に接続され、第2アダプター10の出力電圧を測定、調整する。電流採取制御部13は、電圧調整部28に接続され、電圧調整部28を利用して第1脈動波形の電流のピーク値を調整する。
【0085】
電圧調整部28の基本機能は、第2アダプターの出力電圧を調整することであることが理解されるべきである。具体的には、電圧調整部28は、電力変換部11を利用して第2アダプター10の出力電圧を測定し、且つ電力変換部11を利用して第2アダプター10の出力電圧を調整する。つまり、電圧調整部28と電力変換部11が連携して第2アダプターの出力電圧のフィードバック制御システムを形成し、該フィードバック制御システムを電圧フィードバックループと称することもできる。第2アダプターの出力電力が一定である場合、電圧を調整すると電流も次第に変化することが理解されるべきである。したがって、本発明の実施形態に係る電流採取制御部13は、第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後、上記電圧フィードバックループを利用して電流の調整を実現することができる。例えば、電流採取制御部13が第1脈動波形の電流の現在のピーク値を採取し、該現在のピーク値を目標ピーク値に調整しようとする場合、ソフトウェアの演算によって第1脈動波形の電流のピーク値を目標ピーク値に調整し、同時に第2アダプター10の出力電圧を目標値に調整することができ、その後、上記電圧フィードバックループを利用して第2アダプター10の出力電圧を該目標値に調整することができる。
【0086】
本発明の実施形態に係る電流採取制御部13と電圧フィードバックループが連携して、第2アダプターの出力電流のピーク値のフィードバック制御システムを形成し、該フィードバック制御システムを電流フィードバックループと称することもできる。つまり、本発明の実施形態は、電圧フィードバックループ(ハードウェアによって実現される)に加えて電流フィードバックループ(電圧フィードバックループに基づき、ソフトウェアの演算によって実現される)も兼ね備えることで、第2アダプターが第2アダプターの出力電圧の制御及び出力電流の制御を共に実現することができるようにし、第2アダプターの多機能化、高知能化が図られる。
【0087】
電流採取制御部13が電圧調整部28を利用して第1脈動波形の電流のピーク値を調整する際に幾つかの方法を利用することができ、以下、
図15及び
図17を参照しながらより詳しく説明する。
【0088】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図15に示されるように、電圧調整部28は電圧サンプル部29、電圧比較部30及び電圧制御部31を備える。電圧サンプル部29は、電力変換部11に接続され、第2アダプター10の出力電圧をサンプルして第1電圧を取得する。電圧比較部30の入力端は、電圧サンプル部29に接続され、第1電圧と第1基準電圧を対比するものである。電圧制御部31の入力端は電圧比較部30の出力端に接続され、電圧制御部31の出力端は電力変換部11に接続される。電圧制御部31は、第1電圧と第1基準電圧の対比結果に基づいて第2アダプター10の出力電圧を制御する。電流採取制御部13は、電圧比較部30に接続され、第1基準電圧の電圧値を調整することで第1脈動波形の電流のピーク値を調整する。
【0089】
具体的には、電圧サンプル部29の入力端を第2アダプターの母線(VBUS)に接続することで、第2アダプターの出力電圧を採取することができる。本発明の一実施形態において、電圧サンプル部29は1つのワイヤで構成されてもよく、このとき、電圧サンプル部29によってサンプルされる第1電圧が第2アダプターの出力電圧となる。別の実施形態において、電圧サンプル部29は、分圧効果を奏する2つの抵抗を備え、このとき、電圧サンプル部29によってサンプルされる第1電圧は2つの抵抗によって分圧された電圧である。電圧比較部30は、演算増幅器によって実現されてもよく、演算増幅器の片方の入力端に電圧サンプル部29からの第1電圧が流され、他方の入力端に第1基準電圧が流される。演算増幅器の出力端では、第1電圧と第1基準電圧が同じであるか否かを表示する電圧フィードバック信号を生成する。電圧制御部31は、フォトカプラ及びPWMコントローラ等の素子によって実現されてもよく、電圧比較部30によって提供される電圧フィードバック信号に基づいて第2アダプターの出力電圧を調整する。第2アダプターの出力電力が一定である場合、電流採取制御部13は、第1脈動波形の電流のピーク値の期待値に基づき、対応する第2アダプターの出力電圧の期待値を算出することができる。そして、第1基準電圧の電圧値を調整することにより、第2アダプターの出力電圧を該第2アダプターの出力電圧の期待値に調整し、更に第1脈動波形の電流のピーク値を第1脈動波形の電流のピーク値の期待値に調整する。
【0090】
電流採取制御部13が第1基準電圧の電圧値を調整する際に幾つかの方法を利用することができる。好ましくは、本発明の一実施形態において、
図16に示されるように、電流採取制御部13は、制御部32及びデジタル/アナログ変換器(Digital to Analog Converter,DAC)33を備える。DAC33の入力端は制御部32に接続され、DAC33の出力端は電圧比較部30に接続される。制御部32は、DAC33を利用して第1基準電圧の電圧値を調整することにより、第1脈動波形の電流のピーク値を調整する。好ましくは、別の実施形態において、制御部32は、更にRC部、デジタルポテンショメータ等の回路を利用して第1基準電圧の電圧値を調整することができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0091】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図17に示されるように、電圧調整部28は、分圧部34、電圧比較部30及び電圧制御部31を備える。分圧部34の入力端は、電力変換部11に接続され、指定の分圧比に従って第2アダプター10の出力電圧を分圧して第2電圧を生成する。電圧比較部30の入力端は、分圧部34の出力端に接続され、第2電圧と第2基準電圧を対比するためのものである。電圧制御部31の入力端は電圧比較部30の入力端に接続され、電圧制御部31の出力端は電力変換部11に接続される。電圧制御部31は、第2電圧と第2基準電圧の対比結果に基づいて第2アダプター10の出力電圧を制御する。電流採取制御部13は、電圧比較部30に接続され、分圧比を調整することで第1脈動波形の電流のピーク値を調整する。
【0092】
本発明の実施形態は、分圧部の導入を除き、
図15の実施形態に似たような構成になっており、該分圧部の分圧比は調整可能なものである。更に、本発明の実施形態に係る電流採取制御部13は、電圧比較部30の基準電圧を調整することで第1脈動波形の電流のピーク値を調整するものでなく、分圧部34の分圧比を調整することで第1脈動波形の電流のピーク値を調整するものである。本発明の実施形態によると、分圧部を利用することで第2アダプターの出力電圧のサンプルだけでなく、第1脈動波形の電流のピーク値の調整も実現でき、第2アダプターの回路構造の簡略化が図られる。
【0093】
本発明の実施形態においては、分圧部の分圧比を調整することで第1脈動波形の電流のピーク値を調整することが理解されるべきである。そのため、本発明の実施形態に係る電圧比較部の基準電圧(すなわち、上述の第2基準電圧)を一定値にすることができる。
【0094】
本発明の実施形態に係る分圧部34を、幾つかの態様で実現することができ、例えば、デジタルポテンショメータによって実現してもよく、或いは個別の抵抗、スイッチ等の素子によって上記分圧及び分圧比を調整してもよい。
【0095】
デジタルポテンショメータの場合を例とすると、
図18に示されるように、電流採取制御部13は制御部32を備え、分圧部34はデジタルポテンショメータ35備える。また、デジタルポテンショメータ35の高電位端は電力変換部11に接続され、デジタルポテンショメータ35の低電位端はグランドに接続され、デジタルポテンショメータ35の出力端は電圧比較部30に接続される。制御部32は、デジタルポテンショメータ35の制御端に接続され、デジタルポテンショメータ35の制御端を介してデジタルポテンショメータ35の分圧比を調整することにより、第1脈動波形の電流のピーク値を調整する。
【0096】
好ましくは、本発明の一実施形態において、第2アダプター10は、第1充電モード及び第2充電モードで動作可能であり、第2充電モードで第2アダプター10の被充電装置(例えば、端末)への充電速度が第1充電モードで第2アダプター10の被充電装置(例えば、端末)への充電速度(例えば、上記第1脈動波形の電流を、前記第2充電モードにおける第2アダプターの出力電流とする)を上回る。つまり、第1充電モードで動作する第2アダプター10に比べ、第2充電モードで動作する第2アダプター10は、より短い時間で被充電装置(例えば、端末)内の同じ容量の電池を満充電することができる。
【0097】
第2アダプター10に制御部を備え、第2アダプター10と被充電装置(例えば、端末)とが接続されると、制御部は、被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行うことにより、第2充電モードでの充電プロセスを制御する。該制御部としては、上記任意の1つの実施形態で取り上げた制御部を用いることができ、第1調整部内の制御部であってもよく、第2調整部内の制御部であってもよい。
【0098】
また、第1充電モードを普通充電モードとし、第2充電モードを急速充電モードとすることができ、該普通充電モードとは、第2アダプターから比較的低い電流値(通常、2.5A未満)又は比較的低い電力(通常、15W未満)を出力して被充電装置(例えば、端末)内の電池を充電することを指し、普通充電モードで比較的大きい容量の電池(例えば、容量が3000mAの電池)を満充電しようとすると、通常、数時間以上の時間がかかる。しかし、急速充電モードでは第2アダプターから比較的高い電流(2.5Aを超え、例えば4.5A、5A又はそれ以上)又は比較的高い電力(通常、15W以上)を出力して被充電装置(例えば、端末)内の電池を充電するため、普通充電モードに比べ、急速充電モードでは第2アダプターがより短い時間で同じ容量の電池を満充電することができ、充電速度がより速い。
【0099】
本発明において、第2アダプターの制御部と被充電装置(例えば、端末)との通信内容、及び第2充電モードにおける第2アダプターの出力に対する制御部の制御方式については特に限定がなく、例えば、制御部は、被充電装置(例えば、端末)と通信を行うことで被充電装置(例えば、端末)内の電池の現在電圧又は現在電量を交換し、更に電池の現在電圧又は現在電量に基づいて第2アダプターの出力電圧又は出力電流を調整することができる。以下、具体的な実施形態を挙げて制御部と被充電装置(例えば、端末)との間の通信内容、及び第2充電モードにおける第2アダプターの出力に対する制御部の制御方法について詳細に説明する。
【0100】
好ましくは、本発明の一実施形態において、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターが第2充電モードで出力するよう制御を行うことは、制御部は、被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターと被充電装置(例えば、端末)との間の充電モードを協議することを含む。
【0101】
本発明の実施形態において、第2アダプターが無理に第2充電モードで被充電装置(例えば、端末)を急速充電することなく、被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行うことにより、第2充電モードで第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への急速充電を実行するかどうかを協議し、充電プロセスの安全性を確保する。
【0102】
具体的には、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターと被充電装置(例えば、端末)との間の充電モードを協議することは、制御部は、第1インストラクションを被充電装置(例えば、端末)に送信し、第1インストラクションによって被充電装置(例えば、端末)に第2充電モードを起動するか否かを照会することと、制御部は、被充電装置(例えば、端末)から前記第1インストラクションの応答インストラクションを受信し、応答インストラクションは被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードの起動に同意なのか否かを表示するインストラクションであることと、被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードの起動を同意すると、制御部は、第2充電モードを利用して被充電装置(例えば、端末)を充電することと、を含む。
【0103】
本発明において、第2アダプター(又は第2アダプターの制御部)と被充電装置(例えば、端末)の従属関係については特に限定がなく、つまり、制御部及び被充電装置(例えば、端末)のうちどちらか一方がマスター側となって双方向通信による会話を発起し、他方がスレーブ側となってマスター側が発起した通信に対して第1返答又は第1応答を返信することができる。1つの実施可能な形態として、通信時に、グランドに対する第2アダプター側と被充電装置(例えば、端末)側の出力レベルを対比することでマスター側、スレーブ側をそれぞれ確定することができる。
【0104】
本発明において、第2アダプター(又は、第2アダプターの制御部)と被充電装置(例えば、端末)との間で双方向通信を行う際の具体的な実施形態については特に限定がなく、つまり、第2アダプター(又は、第2アダプターの制御部)及び被充電装置(例えば、端末)のうちどちらか一方がマスター側となって通信会話を発起し、他方がスレーブ側となってマスター側が発起した通信会話に対して第1返答又は第1応答を返信し、同時にマスター側が前記スレーブ側の第1返答又は第1応答に対して第2返答を発信することができれば、マスター側とスレーブ側との間で充電モードの協議を一回完成したと見なされる。1つの実施可能な形態として、マスター側とスレーブ側との間で数回に渡って充電モードの協議を行った後にマスター側とスレーブ側との間の充電操作を実行してもよく、よって、協議後の充電プロセスの安全性、信頼性を確保する。
【0105】
マスター側が前記スレーブ側の通信会話に対する第1返答又は第1応答に基づいて第2返答を発信するとき、マスター側は、前記スレーブ側の通信会話に対する第1返答又は第1応答を受信し、そして前記スレーブ側の第1返答又は第1応答に基づいて第2返答を発信することができる。例えば、マスター側が指定時間内に前記スレーブ側の通信会話に対する第1返答又は第1応答を受信すると、マスター側は、前記スレーブ側の第1返答又は第1応答に対して第2返答を発信することができる。具体的には、マスター側とスレーブ側との間で充電モードの協議を一回完成すると、協議結果に基づいてマスター側とスレーブ側との間で第1充電モード又は第2充電モードを利用して充電操作を実行し、すなわち第2アダプターが協議結果に基づいて第1充電モード又は第2充電モードを利用して被充電装置(例えば、端末)を充電する。
【0106】
更に、マスター側が前記スレーブ側の通信会話に対する第1返答又は第1応答に基づいて第2返答を発信するとき、マスター側が指定時間内に前記スレーブ側の通信会話に対する第1返答又は第1応答を受信できなかったにもかかわらず、マスター側は、前記スレーブ側の第1返答又は第1応答に対して第2返答を発信することができる。例えば、マスター側が指定時間内に前記スレーブ側の通信会話に対する第1返答又は第1応答を受信できなかった場合においても、マスター側は、前記スレーブ側の第1返答又は第1応答に対して第2返答を発信することができる。具体的には、マスター側とスレーブ側との間で充電モードの協議を一回完成すると、マスター側とスレーブ側との間で第1充電モードを利用して充電操作を実行し、すなわち第2アダプターが第1充電モードを利用して被充電装置(例えば、端末)を充電する。
【0107】
好ましくは、本発明の一実施形態において、被充電装置(例えば、端末)がマスター側となって通信会話を発起し、第2アダプター(又は第2アダプターの制御部)がスレーブ側となってマスター側が発起した通信会話に対して第1返答又は第1応答を返信すると、第2アダプターの第1返答又は第1応答に対する被充電装置(例えば、端末)の第2返答を必要とせず、第2アダプター(又は第2アダプターの制御部)と被充電装置(例えば、端末)との間で充電モードの協議を一回完成したと見なされる。そして、第2アダプターは、協議結果に基づいて第1充電モード又は第2充電モードで被充電装置(例えば、端末)を充電することを確定することができる。
【0108】
好ましくは、本発明の一実施形態において、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターが第2充電モードで出力するよう制御することは、制御部は、被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行うことにより、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)を充電する充電電圧を確定することと、制御部は、第2アダプターの出力電圧を調整することにより、第2アダプターの出力電圧を第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)を充電する充電電圧に合致させることと、を含む。
【0109】
具体的には、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電圧を確定することは、制御部は、第2インストラクションを被充電装置(例えば、端末)に送信し、第2インストラクションによって第2アダプターの出力電圧が被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に合致なのか否かを照会することと、制御部は、被充電装置(例えば、端末)から第2インストラクションの応答インストラクションを受信し、第2インストラクションの応答インストラクションは第2アダプターの出力電圧が電池の現在電圧に合致なのか、高め又は低めになっているかを表示するインストラクションであることと、を含む。言い換えれば、第2インストラクションによって第2アダプターの現在出力電圧が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電圧として適切なのか否かを照会することができ、第2インストラクションの応答インストラクションによって第2アダプターの現在の出力電圧が適切なのか、高め又は低めになっているかを表示することができる。第2アダプターの現在出力電圧と電池の現在電圧が合致し、或いは第2アダプターの現在の出力電圧が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)を充電する充電電圧として適切であるということは、第2アダプターの現在の出力電圧が電池の現在電圧を若干高い、且つ第2アダプターの出力電圧と電池の現在電圧との差が指定範囲内(通常、数百mVの範囲)にあることを意味する。
【0110】
好ましくは、本発明の一実施形態において、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターが第2充電モードで出力する充電プロセスを制御することは、制御部は、被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)を充電する充電電流を確定することと、制御部は、第1脈動波形の電流のピーク値を調整することにより、第1脈動波形の電流のピーク値を第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置への充電電流に合致させることと、を含む。
【0111】
具体的には、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電流を確定することは、制御部は、第3インストラクションを被充電装置(例えば、端末)に送信し、第3インストラクションによって被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流を照会することと、制御部は、被充電装置(例えば、端末)から第3インストラクションの応答インストラクションを受信し、第3インストラクションの応答インストラクションは被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流を表示するインストラクションであることと、制御部は、被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流に基づいて第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)を充電する充電電流を確定することと、を含む。制御部が被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流に基づいて第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電流を確定する際の方法については特に限定がなく、例えば、第2アダプターは、被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流を第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電流とすることができるが、被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流及び自身の電流出力特性等の要素を合わせて考慮に入れ、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電流を確定することもできると理解されるべきである。
【0112】
好ましくは、本発明の一実施形態において、制御部が被充電機器(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターが第2充電モードで出力するよう制御を行うことは、制御部は、第2アダプターが第2充電モードで被充電機器(例えば、端末)を充電する過程において、被充電機器(例えば、端末)と双方向通信を行うことにより、第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0113】
具体的には、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第1脈動波形の電流のピーク値を調整することは、制御部は、第4インストラクションを被充電装置(例えば、端末)に送信し、第4インストラクションによって被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧を照会することと、制御部は、第2アダプターから第4インストラクションの応答インストラクションを受信し、第4インストラクションの応答インストラクションは電池の現在電圧を表示するインストラクションであることと、制御部は、電池の現在電圧に基づいて第1脈動波形の電流のピーク値を調整することと、を含む。
【0114】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図19Aに示されるように、第2アダプター10は、充電インタフェース191を備える。更に、本発明の一実施形態において、第2アダプター10内の制御部(例えば、
図21におけるMCU)は、充電インタフェース191内のデータケーブル192を介して被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行う。
【0115】
好ましくは、本発明の一実施形態において、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2充電モードにおける第2アダプターの出力を制御することは、制御部は、被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行うことにより、充電インタフェースが接触不良であるか否かを確定することを含むことができる。
【0116】
具体的には、制御部が被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、充電インタフェースが接触不良であるか否かを確定することは、制御部は、第4インストラクションを被充電装置(例えば、端末)に送信し、第4インストラクションによって被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧を照会することと、制御部は、被充電装置(例えば、端末)から第4インストラクションの応答インストラクションを受信し、第4インストラクションの応答インストラクションは被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧を表示するインストラクションであることと、制御部は、第2アダプターの出力電圧及び被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に基づいて充電インタフェースが接触不良であるか否かを確定することと、を含む。例えば、制御部が第2アダプターの出力電圧と被充電装置(例えば、端末)の現在電圧との電圧差が指定の電圧閾値を越えたと確定できると、このときの電圧差を第2アダプターの現在電流値で割って得られたインピーダンスが指定のインピーダンス閾値を越えることを意味し、充電インタフェースが接触不良であると確定することができる。
【0117】
好ましくは、本発明の一実施形態において、被充電装置(例えば、端末)によって充電インタフェースの接触不良を確定することができ、このとき、被充電装置(例えば、端末)は、第6インストラクションを制御部に送信し、第6インストラクションによって第2アダプターの出力電圧を照会し、また、被充電装置(例えば、端末)は、制御部から第6インストラクションの応答インストラクションを受信し、第6インストラクションの応答インストラクションは第2アダプターの出力電圧を表示するインストラクションであり、被充電装置(例えば、端末)は、被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧及び第2アダプターの出力電圧に基づいて充電インタフェースが接触不良であるかどうかを確定する。被充電装置(例えば、端末)が充電インタフェースの接触不良を確定できると、被充電装置(例えば、端末)は、第5インストラクションを制御部に送信し、該第5インストラクションは充電インタフェースの接触不良を表示するインストラクションである。第5インストラクションを受信すると、制御部は、第2アダプターを制御して第2充電モードを中止させる。
【0118】
以下、
図19Bを参照しつつ、第2アダプター内の制御部と被充電装置(例えば、端末)との間の通信プロセスを更に詳しく説明する。
図19Bに示す例は、当業者が本発明の実施形態をより容易に理解できるようにするためのものであり、本発明の実施形態を具体的数値又は具体的状況に限定するものではないことに留意されたい。当業者であれば、
図19Bの例に基ついて種々の変更や変形を加えることができ、これらの変更や変形も本発明の範疇に含まれると理解できる。
【0119】
図19Bに示されるように、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電プロセス、つまり、充電プロセスは5つの段階に分けて行われる。
【0120】
段階1:被充電装置(例えば、端末)と電源供給装置が接続されると、被充電装置(例えば、端末)は、データケーブルD+、D−を用いて電源供給装置の種類を確定することができ、電源供給装置として第2アダプターが確定されると、被充電装置(例えば、端末)に流される電流が指定の電流閾値I2(例えば、1Aであってもよい)を超えても構わない。第2アダプター内の制御部が指定期間(例えば、連続するT1時間であってもよい)内における第2アダプターの出力電流がI2以上であると検出した場合、制御部は、被充電装置(例えば、端末)による電源供給装置の種類認定が完成されたと判断でき、制御部は、第2アダプターと被充電装置(例えば、端末)との間の協議プロセスを起動させ、更に、インストラクション1(上記第1インストラクションに対応する)を被充電装置(例えば、端末)に送信して、被充電装置(例えば、端末)に第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電に同意なのか否かを照会する。
【0121】
制御部が被充電装置(例えば、端末)からインストラクション1の応答インストラクションを受信し、且つ該インストラクション1の応答インストラクションによって被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を拒否したことが表示されると、制御部は、再び第2アダプターの出力電流を測定する。第2アダプターの出力電流が指定の持続時間内(例えば、連続するT1時間であってもよい)においてI2以上を維持するとき、制御部は、再びインストラクション1を被充電装置(例えば、端末)に送信して、被充電装置(例えば、端末)に第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電に同意なのか否かを照会する。制御部は、被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を同意し、或いは第2アダプターの出力電流がI2以上の条件を満たさないところまで段階1の上記ステップを繰り返す。
【0122】
被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を同意すると、通信プロセスは第2段階に移行する。
【0123】
段階2:第2アダプターの出力電圧は複数のランクに分けられ、制御部は、インストラクション2(上記第2インストラクションに対応する)を被充電装置(例えば、端末)に送信し、第2アダプターの出力電圧(現在の出力電圧)が被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に合致するかどうかを照会する。
【0124】
被充電装置(例えば、端末)は、第2アダプターの出力電圧が被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に合致なのか、高め又は低めになっているかを表示するインストラクション2の応答インストラクションを制御部に送信し、そして、インストラクション2に対する応答インストラクションによって第2アダプターの出力電圧が高め又は低めになっていると表示されると、制御部は、第2アダプターの出力電圧をワンランク調整して、再びインストラクション2を被充電装置(例えば、端末)に送信することができ、第2アダプターの出力電圧が被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に合致するかどうかを再び照会する。被充電装置(例えば、端末)によって第2アダプターの出力電圧が被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に合致することを確定されるまで段階2の上記ステップを繰り返し、第3段階に移行する。
【0125】
段階3:制御部は、インストラクション3(上記第3インストラクションに対応する)を被充電装置(例えば、端末)に送信し、被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流を照会する。また、被充電装置(例えば、端末)は、被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流を表示するインストラクション3の応答インストラクションを制御部に送信し、第4段階に移行する。
【0126】
段階4:制御部は、被充電装置(例えば、端末)が現在支持する最大充電電流に基づいて、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電電流を確定し、段階5(すなわち、定電流充電段階)に移行する。
【0127】
段階5:定電流充電段階に移行した後、制御部は、インストラクション4(上記第4インストラクションに対応する)を一定時間の間隔で被充電装置(例えば、端末)に送信し、被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧を照会することができる。また、被充電装置(例えば、端末)は、インストラクション4の応答インストラクションを制御部に送信し、被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧を報告することができる。制御部は、被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧に基づいて充電インタフェースの接触が良好なのか否か、並びに第1脈動波形の電流のピーク値を下げる必要があるかどうかを判断することができる。第2アダプターによって充電インタフェースの接触が不良であると判断されると、インストラクション5(上記第5インストラクションに対応する)を被充電装置(例えば、端末)に送信することができ、第2アダプターは第2充電モードを中止させ、復帰状態となって段階1に再び移行する。
【0128】
好ましくは、本発明の一実施形態において、段階1において被充電装置(例えば、端末)がインストラクション1の応答インストラクションを送信するとき、インストラクション1の応答インストラクションに該被充電装置(例えば、端末)の経路インピーダンスに関わるデータ(又は情報)を含んでもよい。被充電装置(例えば、端末)の経路インピーダンスに関わるデータは、段階5で充電インタフェースの接触が良好なのか否かを判断する際に有用である。
【0129】
好ましくは、本発明の一実施形態において、段階2において被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を同意してから、制御部が第2アダプターの出力電圧を適切な充電電圧に調整するまでの時間を一定範囲内に抑えることができる。該時間が指定範囲を越えると、第2アダプター又は被充電装置(例えば、端末)は急速充電の通信プロセスが異常であると判断することができ、再び段階1に移行することに備えて復帰状態となる。
【0130】
好ましくは、本発明の一実施形態において、段階2において第2アダプターの出力電圧が被充電装置(例えば、端末)の電池の現在電圧よりΔV(ΔVを200〜500mVの範囲内に設定することができる)高くなると、被充電装置(例えば、端末)は、インストラクション2の応答インストラクションを制御部に送信することにより、第2アダプターの出力電圧が被充電装置(例えば、端末)の電池の電圧に合致すると表示することができる。
【0131】
好ましくは、本発明の一実施形態において、段階4において第2アダプターの出力電流の調整速度を一定範囲内に抑えることで、調整速度が速すぎて第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電プロセスの異常発生を回避することができる。
【0132】
好ましくは、本発明の一実施形態において、段階5において第2アダプターの出力電流の変化を5%以下に抑えることができる。
【0133】
好ましくは、本発明の一実施形態において、制御部は、段階5において充電回路の経路インピーダンスをリアルタイムに監視することができる。具体的には、制御部は、第2アダプターの出力電圧、出力電流及び被充電装置(例えば、端末)から返信された電池の現在電圧に基づいて、充電回路の経路インピーダンスを監視することができる。「充電回路の経路インピーダンス」が「被充電装置(例えば、端末)の経路インピーダンス+充電ケーブルのインピーダンス」を越えたとき、充電インタフェースの接触不良であると見なされ、第2アダプターは、第2充電モードにおける被充電装置(例えば、端末)への充電を中止する。
【0134】
好ましくは、本発明の一実施形態において、第2アダプターが第2充電モードで被充電装置(例えば、端末)への充電を始まると、制御部と被充電装置(例えば、端末)との間の通信時間の間隔を一定範囲内に抑えることで、通信間隔が短すぎて通信プロセスに異常が発生することを回避することができる。
【0135】
好ましくは、本発明の一実施形態において、充電プロセスの中止(又は、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電プロセスの中止)は、復旧可能な中止と復旧不能な中止の2種類に分けられる。
【0136】
例えば、被充電装置(例えば、端末)の電池の満充電又は充電インタフェースの接触不良が確定されると、充電プロセスを中止して充電通信プロセスを回復し、充電プロセスは再び段階1に移行する。そして、被充電装置(例えば、端末)が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を拒否すると、通信プロセスは段階2に移行せず、このような充電プロセスの中止を復旧不能な中止と見なすことができる。
【0137】
また、例えば、制御部と被充電装置(例えば、端末)との間に通信異常が発生すると、充電プロセスを中止して充電通信プロセスを回復し、充電プロセスは再び段階1に移行する。段階1の要求が満たされると、被充電装置(例えば、端末)は、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を同意して充電プロセスを再開し、このような充電プロセスの中止を復旧可能な中止と見なすことができる。
【0138】
また、例えば、被充電装置(例えば、端末)によって電池の異常が確定されたとき、充電プロセスを中止して充電通信プロセスを回復し、充電プロセスは再び段階1に移行する。そして、被充電装置(例えば、端末)は、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を拒否する。電池が正常状態に戻り且つ段階1の要求が満たされると、被充電装置(例えば、端末)は、第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を同意し、このような急速充電プロセスの中止を復旧可能な中止と見なすことができる。
【0139】
以上、
図19Bに示す通信ステップ又は操作を詳述したが、これらは例示に過ぎず、例えば、段階1において被充電装置(例えば、端末)と第2アダプターが接続されると、被充電装置(例えば、端末)と制御部との間のハンドシェイク通信を、被充電装置(例えば、端末)によって発起してもよく、すなわち、被充電装置(例えば、端末)は、インストラクション1を送信して制御部に第2充電モードを起動するかどうかを照会する。また、被充電装置(例えば、端末)が制御部の応答インストラクションを受信し、該応答インストラクションによって制御部が第2充電モードにおける第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電を同意することが表示されると、第2アダプターは、第2充電モードで被充電装置(例えば、端末)の電池を充電する。
【0140】
また、例えば、段階5の後に、更に定電圧の充電段階を含んでもよい。具体的には、段階5において、被充電装置(例えば、端末)は電池の現在電圧を制御部に返信することができ、電池の現在電圧が定電圧の充電電圧の閾値に達したとき、充電段階は、定電流の充電段階から定電圧の充電段階に移行する。定電圧の充電段階では充電電流が次第に低下し、電流が一定閾値に達したとき全充電プロセスを中止し、被充電装置(例えば、端末)の電池が満充電状態であることを意味する。
【0141】
更に、
図20に示されるように、上記任意の一実施形態において、第2アダプター10は、第1充電モード及び第2充電モードで動作可能であり、第2充電モードで第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電速度は、第1充電モードで第2アダプターから被充電装置(例えば、端末)への充電速度を上回る。電力変換部11は二次フィルタ部37を備え、第2アダプター10は制御部36を備え、制御部36は二次フィルタ部37に接続される。制御部36は、第1充電モードにおいて二次フィルタ部37を作動させ、第2アダプター10の出力電圧の電圧値が一定になるようにする。また、制御部36は、第2充電モードにおいて二次フィルタ部37を中止させ、第2アダプター10の出力電流が第1脈動波形の電流となるようにする。
【0142】
本発明において、制御部は、二次フィルタの作動を制御することにより、第2アダプターから電流値が一定の普通直流だけでなく、電流値が変化する脈動直流も出力させ、従来の充電モードを支持するようにする。
【0143】
好ましくは、本発明の一実施形態において、第2アダプターは、第1脈動波形の電流をそのまま被充電装置(例えば、端末)の電池の両端に印加し、電池を直接充電する。
【0144】
具体的には、直接充電とは、第2アダプターの出力電圧及び出力電流をそのまま被充電装置(例えば、端末)の電池の両端に印加して(又は、そのまま流されるようにする)、被充電装置(例えば、端末)の電池を充電することを指すものであり、変換回路を介して第2アダプターの出力電流又は出力電圧を変換することなく、変換によってエネルギーが損失することを回避することができる。第2充電モードを利用して充電する際の充電回路の充電電圧又は充電電流を調整するために、第2アダプターを設計するに当たって智能化要素を導入し、第2アダプター自らによって充電電圧又は充電電流の変換を成し遂げ、よって、被充電装置(例えば、端末)への負担を減らし、被充電装置の放熱エネルギーを低減することができる。
【0145】
本発明の実施形態に係る第2アダプター10は、定電流モードで動作可能である。本発明において、定電流モードとは、第2アダプターの出力電流を制御する充電モードを指し、第2アダプターの出力電流が必ずしも一定である必要はない。実際、定電流モードで第2アダプターは、通常、多段式定電流の方式にて電池への充電を遂行する。
【0146】
多段式定電流の充電(Multi−stage constant current charging)は、N個の充電段階(Nは、2以上の整数である)に分けて行われる。多段式定電流の充電では、指定の充電電流で第1段階の充電を開始することができ、前記多段式定電流の充電におけるN個の充電段階は、第1段階から始めて第(N〜1)段階の順で実行され、充電中に前の充電段階から次の充電段階に移行するにつれて充電の電流値が次第に低下し、電池の電圧が充電終了の電圧閾値に達した場合、前の充電段階から次の充電段階に移行する。
【0147】
更に、第2アダプターの出力電流が脈動直流である場合、定電流モードとは、脈動直流のピーク値又は平均値を調整する充電モードを指し、つまり、第2アダプターの出力電流のピーク値が定電流モードに対応する電流を越えないように制御することを意味する。
【0148】
以下、具体例を挙げて本発明の実施形態を更に詳しく説明する。
図21〜
図22に示す例は、当業者が本発明をより容易に理解できるようにするためのものであり、本発明を具体的な数値又は具体的な状況に限定するものでないことに留意されたい。言うまでもないが、当業者からすれば
図21〜
図22に示す例について種々の変更や変形を加えることができ、これらの変更や変形も本発明の範囲に含まれるとよく理解できる。
【0149】
第2アダプターは、電力変換部(上記電力変換部11に対応する)を備え、
図21に示されるように、該電力変換部は、交流ACの入力端、一次整流部38、変圧器T1、二次整流部39及び第1整流部20を備える。
【0150】
具体的には、交流ACの入力端は、主電源(通常、220Vの交流)に接続され、該主電源からの交流を一次整流部38に供給する。一次整流部38は、主電源からの交流を第2脈動波形の電流に変換した後、該第2脈動直流を変圧器T1に供給する。一次整流部38は、ブリッジ式の整流部であってもよく、例えば、
図21に示すフルブリッジ式の整流部、又はハーフブリッジ式の整流部であってもよいが、これらに限定されない。
【0151】
変圧器T1は、第1脈動直流を変圧器の一次側から二次側にカップリングさせる。変圧器T1は、普通の変圧器であってもよく、動作周波数が50KHz〜2MHzの高周波変圧器であってもよい。変圧器T1の一次巻き線の数量及び接続方法としては、第2アダプターで採用するスイッチング電源の種類と関連性を示すが、本発明において特に限定がない。
図21に示されるように、第2アダプターは、フライバック式のスイッチング電源を採用することができ、変圧器の一次巻き線の一端は一次整流部38に接続され、一次巻き線の他端はPWMコントローラによって制御されるスイッチに接続される。言うまでもなく、第2アダプターは、フォワード式のスイッチング電源を採用してもよいが、プッシュプル式のスイッチング電源の第2アダプターであっても構わない。スイッチング電源の種類が異なると、一次整流部及び変圧器がそれぞれ特有の接続態様を有することとなるが、ここで簡略化を図って更なる説明を省略する。
【0152】
二次整流部39は、一次側から二次側にカップリングされた電流を整流して第1脈動波形の電流を取得する。二次整流部39の態様としては、複数の種類に分けられ、
図21は1種の典型的な二次同期整流回路を示す図である。該同期整流回路は、同期整流(Synchronous Rectifier,SR)チップ、該SRチップによって制御される金属酸化物トランジスタ(Metal Oxide Semiconductor,MOS)、及びMOSトランジスタのソース電極とドレイン電極の両端に接続されるダイオードを備える。前記SRチップは、PWM制御信号をMOSトランジスタのグリッド電極に送信し、該MOSトランジスタの開閉を制御することで二次の同期整流を実現するものである。
【0153】
第1整流部20は、一次側から二次側にカップリングされた電流を整流し、同期信号を取得する。
図21に示されるように、該第1整流部20としてはフォワード式の整流回路であってもよい。該同期信号は、該フォワード式の整流回路から出力されるフォワード電圧(forward voltage)である。
【0154】
更に、第2アダプターは、サンプル保持部(上記サンプル保持部12に対応する)を備え、該サンプル保持部は、電流サンプル部(上記電流サンプル部14に対応する)及び電流保持部(上記電流保持部15に対応する)を備える。
【0155】
具体的には、
図21に示されるように、電流サンプル部として、具体的には、電流検流抵抗R3及び検流計を備える。検流計は、電流検流抵抗R3を利用して第1脈動波形の電流を検流してサンプル電流を取得し、該サンプル電流を対応するサンプル電圧(該サンプル電圧は、第1脈動波形の電流の大きさを表示する)に変換する。
【0156】
回路保持部は、分圧抵抗R4、分圧抵抗R5及びコンデンサC1を備える。回路保持部は、まず分圧抵抗R4及び分圧抵抗R5を利用して検流計の出力ポート(OUTPUT)から出力するサンプル電圧を分圧し、そして分圧後に得られた電圧を利用してコンデンサC1を充電して、コンデンサC1両端の電圧が第1脈動波形の電流の変化につれて変化するようにする。第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジに達すると、コンデンサC1両端の電圧が最大値(該最大値は、第1脈動波形の電流のピーク値に対応する)となり、サンプル保持部は保持状態に移行する。
【0157】
更に、第2アダプターは、電流採取制御部(上記電流採取制御部13に対応する)を備え、電流採取制御部は、MCU(上記制御部に対応する)、比較部24及び放電部16を備える。
【0158】
具体的には、比較部24は、コンパレータを備えることができ、コンパレータの第1入力端によって同期信号を受信し、コンパレータの第2入力端によって基準電圧を受信する。本発明の一実施形態において、第1入力端が非反転入力端であり、第2入力端が反転入力端である。別の実施形態において、第1入力端が反転入力端であり、第2入力端が非反転入力端である。コンパレータは、対比結果をMCUに送信する。
【0159】
MCUは、コンパレータの対比結果に基づいて第1脈動波形がどのタイミングでピーク値又は立ち下がりエッジになっているかを判断する。第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっていると、サンプル保持回路が保持状態になっていることを意味する。MCUは、ADCを利用してコンデンサC1両端の電圧を採取し、第1脈動波形の電流のピーク値を確定する。
【0160】
放電部16は、スイッチングチューブQ3及び抵抗R6を備えることができる。MCUが第1脈動波形の電流のピーク値を採取すると、MCUはスイッチングチューブQ3を開通させ、一方、コンデンサC1は抵抗R6に電気を供給することによりコンデンサC1両端の電荷を放出する。このようにして、コンデンサC1両端の電圧が再び第1脈動波形の電流の変化につれて変化し、サンプル保持部が保持状態からサンプル状態に切り換えたことを意味する。
【0161】
更に、第2アダプターは、電圧調整部(上記電圧調整部28に対応する)を備え、電圧調整部は、電圧サンプル部(上記電圧サンプル部29に対応する)、電圧比較部(上記電圧比較部30に対応する)及び電圧制御部(上記電圧制御部31に対応する)を備えることができる。
【0162】
具体的には、
図21に示されるように、電圧サンプル部は、抵抗R1及び抵抗R2を備え、第2アダプターの出力電圧を分圧して第1電圧を取得する。
【0163】
電圧比較部は、演算増幅器OPAを備え、該OPAの反転入力端によって第1電圧を受信する。該OPAの非反転入力端は、DACに接続され、DACからの第1基準電圧を受信する。該DACはMCUに接続され、MCUは、該DACを利用して第1基準電圧を調整し、更に第2アダプターの出力電圧及び/又は出力電流を調整する。
【0164】
電圧制御部は、フォトカプラ部40及びPWMコントローラを備え、フォトカプラ部40の入力端はOPAの出力端に接続される。OPAの出力電圧がフォトカプラ部40の動作電圧VDDを下回ると、フォトカプラ部40が作動してフィードバック電圧をPWMコントローラのFB端に供給する。PWMコントローラは、CS端とFB端の電圧を対比することでPWM端からのPWM信号のデューティ比を制御する。OPAの出力電圧が「0」であると、FB端の電圧が安定化し、PWMコントローラのPWM端からのPWM制御信号のデューティ比が一定となる。PWMコントローラのPWM端は、スイッチングチューブQ2を介して変圧器T1の一次巻き線に接続され、第2アダプターの出力電圧及び出力電流を制御する。PWM端からの制御信号のデューティ比が一定であると、第2アダプターの出力電圧及び出力電流も一定となる。
【0165】
なお、MCUは、更に通信インタフェースを備え、該通信インタフェースを介して被充電装置(例えば、端末)と双方向通信を行い、第2アダプターの充電プロセスを制御することができる。充電インタフェースがUSBインタフェースである場合を例として、該通信インタフェースは、該USBインタフェースであってもよい。具体的には、第2アダプターは、USBインタフェース内の電源ケーブルを介して被充電装置(例えば、端末)を充電し、USBインタフェース内のデータケーブル(D+及び/又はD−)を介して被充電装置(例えば、端末)と通信を行うことができる。
【0166】
なお、フォトカプラ部40は、更に定電圧部に接続され、フォトカプラの動作電圧が一定になるようにする。
図21に示されるように、本発明の実施形態に係る定電圧部を、低損失レギュレータ(Low Dropout Regulator,LDO)で実現することができる。
【0167】
図22に示す実施形態は、
図21に示す実施形態に似ているが、
図21における抵抗R1と抵抗R2とによって形成される電圧採取部をデジタルポテンショメータ(該デジタルポテンショメータは、上記分圧部34に対応する)に変え、OPAの反転入力端に1個の固定化した第2基準電圧を導入し、更に、MCUがデジタルポテンショメータの分圧比を調整することで第2アダプターの出力電圧及び出力電流を調整するといった点に相違がある。例えば、第2アダプターの出力電圧を5Vにしようとする場合、デジタルポテンショメータの分圧比を調整することで第2アダプターの出力電圧を5Vにし、このときデジタルポテンショメータの出力端の電圧は、第2基準電圧に合致するものである。同様に、第2アダプターの出力電圧を3Vにしようとすると、デジタルポテンショメータの分圧比を調整することで第2アダプターの出力電圧を3Vにし、このときデジタルポテンショメータの出力端の電圧は、第2基準電圧に合致するものである。
【0168】
図21〜
図22に示す実施形態では、第1整流部20を利用して整流することにより同期信号を取得する構成としたが、本発明はこれらに限定されず、第2アダプターの一次側からも同期信号を取得することができ、例えば、
図9に示す形態を利用して取得することができる。また、サンプル保持部から同期信号を取得することができ、例えば、
図21〜
図22に示す検流計の出力ポート(OUTPUT)から取得することができる。
【0169】
図21〜
図22に示す実施形態において、比較部24は、同期信号と基準電圧を直接対比してサンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断するが、本発明はこれらに限定されない。例えば、
図13に示す形態で実現することができ、つまり、コンデンサを用いて同期信号における直流信号をフィルタ処理し、ゼロクロス点の交流信号を取得した後、ゼロクロス点の交流信号と基準電圧を対比してサンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断することができる。
【0170】
本明細書において異なる符号で表される制御部は、相互に隔離された制御部であってもよく、同じ制御部であってもよい。好ましくは、本発明の一実施形態において、第2アダプターはMCUを備え、本明細書において、制御部とは何れも該MCUを指すものである。
【0171】
以上において、
図1〜
図22を参照しながら本発明に係る設備の実施形態を詳述したが、以下は、
図23を参照して本発明に係る方法の実施形態を詳述する。下記方法の実施形態が設備の実施形態に逐一対応するため、ここで簡略化を図って重複説明を適宜省略する。
【0172】
図23は、本発明の実施形態に係る充電制御方法を示す流れ図である。
図23に示す方法を第2アダプターに適用することができ、例えば、
図1〜
図22に示す第2アダプターに適用することができる。前記第2アダプターは、電力変換部及びサンプル保持部を備える。前記電力変換部は、入力された交流を変換して前記第2アダプターの出力電圧及び出力電流を取得する。前記第2アダプターの出力電流は、つまり、第1脈動波形の電流である。前記サンプル保持部は、前記電力変換部に接続され、前記サンプル保持部がサンプル状態になっているとき、前記サンプル保持部は、前記第1脈動波形の電流をサンプルする。前記サンプル保持部が保持状態になっているとき、前記サンプル保持部は、前記第1脈動波形の電流のピーク値を保持する。
【0173】
図23に示す方法は、以下のステップを含む。
【0174】
S2310:前記サンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断する。
【0175】
S2320:前記サンプル保持部が前記保持状態になっていると判断できた場合、前記サンプル保持部によって保持されている前記第1脈動波形の電流のピーク値を採取する。
【0176】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記サンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断することは、同期信号を受信し、そのうち前記同期信号の周期は前記第1脈動波形の周期の1/Nであり、Nは1以上の整数であることと、前記同期信号に基づいて前記サンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断することと、を含む。
【0177】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記同期信号を受信することは、前記電力変換部から前記同期信号を取得することを含む。
【0178】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記電力変換部は、一次部及び二次部を備え、前記前記電力変換部から前記同期信号を取得するとき、前記二次部から前記同期信号を取得する。
【0179】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記二次部は第1整流部を備え、前記第1整流部は、前記電流採取制御部に接続される。前記第1整流部は、前記一次部から前記二次部にカップリングされた電流を整流して第2脈動態様の電圧を取得し、そして前記第2脈動波形の電圧を前記同期信号として前記電流採取制御部に送信する。
【0180】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記電力変換部は、一次部及び二次部を備え、前記電力変換部が前記同期信号を取得することは、前記一次部から前記同期信号を取得することを含む。
【0181】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記一次部は、前記交流を整流して第3脈動波形の電圧を取得し、前記第3脈動波形は、前記第1脈動波形と同じ周期を有する。前記一次部は、フォトカプラ部を利用して前記第3脈動波形の電圧を前記第2アダプターの一次側から前記第2アダプターの二次側にカップリングさせて第4脈動波形の電圧を取得し、且つ前記第4脈動波形の電圧を前記同期信号として前記電流採取制御部に送信する。
【0182】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記同期信号を受信することは、前記サンプル保持部から前記同期信号を取得することを含む。
【0183】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記サンプル保持部は、第1脈動波形の電流をサンプルしてサンプル電流を取得し、且つ前記サンプル電流をサンプル電圧に変換し、該サンプル電圧を同期信号として電流採取制御部に送信する。前記サンプル電圧は、第1脈動波形の電流の大きさを表示するものである。
【0184】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記同期信号に基づいて前記サンプル保持部が保持状態になっているか否かを判断することは、前記同期信号に基づいて前記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断することと、前記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっていると判断できた場合、前記サンプル保持部が保持状態になっていると確定することと、を含む。
【0185】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記同期信号に基づいて前記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっている否かを判断することは、前記同期信号の電圧と基準電圧の対比結果に基づいて、前記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断することを含む。
【0186】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記同期信号に基づいて前記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっている否かを判断することは、前記同期信号における直流信号をフィルタ処理してゼロクロス点の交流信号を取得することと、前記交流信号の電圧と基準電圧を対比し、前記交流信号の電圧と前記基準電圧の対比結果に基づいて前記第1脈動波形がピーク値又は立ち下がりエッジになっているか否かを判断することと、を含む。前記基準電圧の電圧値は「0」である。
【0187】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第1脈動波形の周期と前記同期信号の周期は同じである。
【0188】
好ましくは、本発明の一実施形態において、
図23に示す方法は、更に、前記第1脈動波形の電流のピーク値を採取した後、前記サンプル保持部が保持状態からサンプル状態に切り換えるよう制御することを含む。
【0189】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記サンプル保持部は、更にコンデンサを備え、前記サンプル保持部内のコンデンサを利用して前記第1脈動波形の電流のピーク値を保持する。前記サンプル保持部が保持状態からサンプル状態に切り換えるよう制御することは、前記サンプル保持部内のコンデンサ両端の電荷を放出することにより、前記サンプル保持部が保持状態からサンプル状態に切り換えることを含む。
【0190】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、更に電圧調整部を備え、前記電圧調整部は、前記電力変換部に接続され、前記第2アダプターの出力電圧を測定、調整する。したがって、
図23に示す方法は、更に、前記電圧調整部を利用して前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0191】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記電圧調整部は、電圧サンプル部、電圧比較部及び電圧制御部を備える。電圧サンプル部は、前記電力変換部に接続され、前記第2アダプターの出力電圧をサンプルして第1電圧を取得する。前記電圧比較部の入力端は、前記電圧サンプル部に接続されて前記第1電圧と第1基準電圧を対比する。前記電圧制御部の入力端は、前記電圧比較部の出力端に接続され、前記電圧制御部の出力端は、前記電力変換部に接続される。前記電圧制御部は、前記第1電圧と前記第1基準電圧の対比結果に基づいて前記第2アダプターの出力電圧を制御する。前記電圧調整部を利用して前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することは、前記第1基準電圧の電圧値を調整することで前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0192】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第1基準電圧の電圧値を調整することで前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することは、デジタルDACを利用して前記第1基準電圧の電圧値を調整することにより、前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0193】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記電圧調整部は、分圧部、電圧比較部及び電圧制御部を備える。前記分圧部の入力端は、前記電力変換部に接続され、指定の分圧比に従って前記第2アダプターの出力電圧を分圧して第2電圧を生成する。前記電圧比較部の入力端は、前記分圧部の出力端に接続され、前記第2電圧と第2基準電圧を対比するために用いられる。前記電圧制御部の入力端は、前記電圧比較部の入力端に接続され、前記電圧制御部の出力端は、前記電力変換部に接続される。前記電圧制御部は、前記第2電圧と前記第2基準電圧の対比結果に基づいて前記第2アダプターの出力電圧を制御する。前記電圧調整部を利用して前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することは、前記分圧比を調整することで前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0194】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記分圧部は、デジタルポテンショメータを備える。前記デジタルポテンショメータの高電位端は前記電力変換部に接続され、前記デジタルポテンショメータの低電位端はグランドに接続され、前記デジタルポテンショメータの出力端は前記電圧比較部に接続される。前記分圧比を調整することで前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することは、前記デジタルポテンショメータの分圧比を調整することにより前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0195】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記サンプル保持部は、電流サンプル部及び電流保持部を備える。電流サンプル部は、前記電力変換部に接続され、前記第1脈動波形の電流を検出してサンプル電流を取得し、且つ前記サンプル電流をサンプル電圧に変換する。前記サンプル電圧は、前記第1脈動波形の電流の大きさを表示するものである。電流保持部は、前記電流サンプル部及び前記電流採取制御部に接続される。前記電流保持部は、前記電流サンプル部から前記サンプル電圧を取得し、且つ前記サンプル電圧に基づいて前記電流保持部内のコンデンサを充電する。前記サンプル保持部によって保持されている前記第1脈動波形の電流のピーク値を採取することは、前記サンプル保持部内のコンデンサ両端の電圧を採取することにより、前記第1脈動波形の電流のピーク値を取得することを含む。
【0196】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記サンプル保持部によって保持されている前記第1脈動波形の電流のピーク値を採取することは、ADCを利用して前記第1脈動波形の電流のピーク値を採取することを含む。
【0197】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、第1充電モード及び第2充電モードで動作可能である。前記第2充電モードで前記第2アダプターから被充電装置への充電速度は、前記第1充電モードで前記第2アダプターから前記被充電装置への充電速度を上回る。前記第1脈動波形の電流は、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力電流である。
図23に示す方法は、更に、前記第2アダプターと被充電装置接続が接続されると、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力を制御することを含む。
【0198】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力を制御することは、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2アダプターと前記被充電装置との間の充電モードを協議することを含む。
【0199】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2アダプターと前記被充電装置との間の充電モードを協議することは、第1インストラクションを前記被充電装置に送信し、前記第1インストラクションによって前記被充電装置に前記第2充電モードを起動するか否かを照会することと、前記被充電装置からの前記第1インストラクションの応答インストラクションを受信し、前記第1インストラクションの応答インストラクションは、前記被充電装置が前記第2充電モードの起動に同意なのか否かを表示するインストラクションであることと、前記被充電装置が前記第2充電モードの起動を同意すると、前記第2充電モードで前記被充電装置を充電することと、を含む。
【0200】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力を制御することは、前記被充電装置と双方向通信を行うことにより、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電圧を確定することと、前記第2アダプターの出力電圧を調整することにより、前記第2アダプターの出力電圧を前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電圧に合致させることと、を含む。
【0201】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電圧はを確定することは、第2インストラクションを前記被充電装置に送信し、前記第2インストラクションによって前記第2アダプターの出力電圧が前記被充電装置の電池の現在電圧に合致するか否かを照会することと、前記被充電装置からの前記第2インストラクションの応答インストラクションを受信し、前記第2インストラクションの応答インストラクションは、前記第2アダプターの出力電圧が前記電池の現在電圧に合致なのか、高め又は低めになっているかを表示するインストラクションであることと、を含む。
【0202】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力を制御することは、前記被充電装置と双方向通信を行うことにより、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電流を確定することと、前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することにより、前記第1脈動波形の電流のピーク値を前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電流に合致させることと、を含む。
【0203】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電流を確定することは、第3インストラクションを前記被充電装置に送信し、前記第3インストラクションによって前記被充電装置が現在支持する最大充電電流を照会することと、前記被充電装置からの前記第3インストラクションの応答インストラクションを受信し、前記第3インストラクションの応答インストラクションは、前記被充電装置が現在支持する最大充電電流を表示するインストラクションであることと、前記被充電装置が現在支持する最大充電電流に基づいて前記第2充電モードにおける前記第2アダプターから前記被充電装置を充電する充電電流を確定することと、を含む。
【0204】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力を制御することは、前記第2充電モードで充電する際、前記被充電装置と双方向通信を行うことにより前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することを含む。
【0205】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記被充電装置と双方向通信を行い、前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することは、第4インストラクションを前記被充電装置に送信し、前記第4インストラクションによって前記被充電装置の電池の現在電圧を照会することと、前記第2アダプターからの前記第4インストラクションの応答インストラクションを受信し、前記第4インストラクションの応答インストラクションは、前記電池の現在電圧を表示するインストラクションであることと、前記電池の現在電圧に基づいて前記第1脈動波形の電流のピーク値を調整することと、を含む。
【0206】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、充電インタフェースを備え、前記第2アダプターは、前記充電インタフェース内のデータケーブルを介して前記被充電装置と双方向通信を行う。
【0207】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、第1充電モード及び第2充電モードで動作可能であり、前記第1充電モードが定電圧モードであり、前記第2充電モードが定電流モードである。前記第1脈動波形の電流は、前記第2充電モードにおける前記第2アダプターの出力電流である。前記第2アダプターは制御部を備え、前記電力変換部は二次フィルタ部を備え、前記制御部は前記二次フィルタ部に接続される。
図23に示す方法は、更に、前記第1充電モードにおいて前記二次フィルタ部の作動を制御することにより、前記第2アダプターの出力電圧の電圧値を一定に維持し、また、前記第2充電モードにおいて前記二次フィルタ部の作動を中止することにより、前記第2アダプターの出力電流が前記第1脈動波形の電流となるようにする処理を含む。
【0208】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、前記第1脈動波形の電流をそのまま前記被充電装置の電池の両端に印加して前記電池を直接充電する。
【0209】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、移動端末を充電するための第2アダプターである。
【0210】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、充電プロセスを制御する制御部を備え、前記制御部はMCUである。
【0211】
好ましくは、本発明の一実施形態において、前記第2アダプターは、充電インタフェースを備え、前記充電インタフェースはUSBインタフェースである。
【0212】
本明細書における「第1アダプター」と「第2アダプター」は、説明の便宜を図るための技術用語であり、本発明のアダプターを具体的な種類に限定するものでないことを理解されたい。
【0213】
当業者であれば、上述の各実施形態に係るユニット(例えば、本明細書において「部」とも称される)及び演算ステップは、電子ハードウェア、又はパソコンソフトと電子ハードウェアの組み合せにより実現することができると理解できる。ハードウェア方式とソフトウェア方式のうちどちらでこれらの機能を実行するかは、技術案の特定用途及び設計時の制限要素によって決められる。当業者は、本発明の範疇から逸脱しない前提で、特定用途ごとに異なる方法を利用して前記機能を実現することができる。
【0214】
当業者であれば、上記システム、装置及びユニットの具体的な動作については、特に説明がなくても上記方法に関わる実施形態を参照することができると理解できる。
【0215】
上述の実施形態に関わるシステム、装置及び方法は、他の形態で実現することもできる。例えば、前記装置に関わる実施形態は本発明の装置を例示したに過ぎず、例えば、前記各ユニットについては論理的機能に基づいて分けて説明したが、実際作業においては他の分け方も可能であり、例えば、複数のユニット又はモジュールを組み合せ、又は他のシステムに集積することができる。また、一部の要素を省略し、或いは実施を保留することも可能である。更に、上述の関連要素を互いにカップリング、直接にカップリング又は通信接続するとき、インタフェース、装置又はユニットを介して間接的にカップリング又は通信接続させてもよく、電気的、物理的又は他の形態のカップリング又は通信接続が全て可能である。
【0216】
上記分離部材として説明したユニットは、物理的に隔離状態になってもよく、隔離状態にならなくても構わない。また、所謂ユニットとは、物理的範疇内のものであってもよく、物理的範疇以外のものであってもよい。すなわち、1つ又は複数のネットワックに分散して存在することができ、実際需要に合わせてこれらのユニットから一部を選定し、或いはユニット全体によって本発明を実施して本発明の効果を得ることも可能である。
【0217】
なお、上述の各実施形態に係る各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットが単独で別々に存在してもよく、2個以上のユニットが1個のユニットに集積されてもよい。
【0218】
前記機能は、ソフト機能ユニットの形態で実現され且つ単独の製品で販売又は使用されるとき、コンピュータによって読取り可能な1つの保存用媒体に保存することができる。このような理解に基づき、本発明の技術案、又は従来の技術に対して貢献をもたらす部分、又は該技術案の一部をその本質からして
ソフトウェアの形態にすることができ、更に,該
ソフトウェア製品を1つの保存用媒体に保存し、幾つかのインストラクションによって1台のコンピュータ設備(例えば、パソコン、サーバ又はネットワーク設備等)で本発明の各実施形態に係る方法を全部又は部分的に実行することができる。また、上述の保存用媒体としては、USBフラッシュディスク、モバイルハードディスク、ROMメモリ(Read−Only Memory)、RAMメモリ(Random Access Memory)、磁気ディスク及び光ディスク等のプログラムコードを保存可能な各種の媒体を利用することができる。
【0219】
言うまでもないが、以上で述べた実施形態は本発明を例示したに過ぎず、本発明を限定するものではない。当分野の一般技術者からすれば、本発明の範囲を逸脱しない前提でこれらの実施形態について適宜変化、変形、置換えを施すことができると理解できる。