(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態にかかる給水装置10について、
図1乃至
図10を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる給水装置10の外観を示す正面図であり、
図2は吸込管を通る断面を正面側から見た説明図、
図3は給水装置10の吐出管を通る断面を正面側、すなわち前方から見た説明図である。
図4は給水装置10の断面を側方から見た説明図である。
図5及び
図6は給水装置10の内部構成を上から見た図である。
図7乃至9は給水装置10の配管30の一部の構成を拡大して示す説明図である。
【0010】
図1乃至
図6に示すように、給水装置10は、架台11と、ポンプカバー12と、複数のポンプ装置20と、配管30と、逆流防止装置13と、アキュムレータ14と、制御盤15と、を備える。給水装置10は、架台11とポンプカバー12により区画された収容部である収容空間内に、ポンプ装置20や配管30、制御盤15などの構成部品を収納した、パッケージ型の給水装置である。
【0011】
架台11は、互いに直交する3方向にそれぞれ沿う、底フレーム11aと、後部フレーム11bと、サイドフレーム11cと、仕切りフレーム11dと、を備える。仕切りフレーム11dの上側にポンプ装置20が配される上部収容室A1が形成され、仕切りフレーム11dの下側に、アキュムレータ14等が配される下部収容室A2が形成される。
【0012】
底フレーム11aは、矩形の枠状に構成され、サイドフレーム11cの両側面を連結している。サイドフレーム11cの両側面の外側には脚フレーム11kが取付けられている。脚フレーム11kは互いに対向する一対のフレーム部材で構成され、サイドフレーム11cの両側面外側に取り付けられ、締結部材用の孔部を有する脚フレーム11kは給水装置10を設置する地上設置面上に配される。
【0013】
後部フレーム11bは矩形の板状に構成されている。後部フレーム11bは、底フレームの後方のフレーム部材上に立設され、上方に延びている。
【0014】
サイドフレーム11cは、後部フレーム11bの幅方向両端縁から屈曲して前方に延びる。サイドフレーム11cの下部の領域は、仕切りフレーム11dの幅方向両端縁に接続され、一対の脚片を形成する。サイドフレーム11cの内側壁面には、操作方法の説明図や内部ブロック図が貼り付けられ、表示されている。
【0015】
仕切りフレーム11dは、矩形の板状に構成され、後部フレーム11bの前面の所定位置から前方に延びる。仕切りフレーム11dは、後部フレーム11bと直交する姿勢に配され、収容空間を上下に仕切る。仕切りフレーム11dは、例えば水平に配される。仕切りフレーム11dは、収容部を上部収容室A1と下部収容室A2とに分離する。
【0016】
仕切りフレーム11dには、孔部として、吸込口31aに接続される吸込用配管30aが貫通する吸込連結管孔11eと、吐出口35aに接続される吐出用配管30bが貫通する吐出配管孔11fと、逃がし弁部38の開口である排水口38aの直下に位置する排水配管孔11gと、排水配管孔11gの外周に配されるホッパ11g1と、アキュムレータ14を接続する接続配管用の接続配管孔11hと、が形成されている。仕切りフレーム11dは下方に位置する底フレーム11aとの間に、所定の高さを有する配管スペースとなる下部収容室A2を形成する。仕切りフレーム11dは、上方に位置する逆流防止装置13やポンプ装置20、連結管32などに結露した水が落下した場合に受ける、結露水用のトレイとしての機能を有している。
【0017】
仕切りフレーム11d上には、複数のポンプ装置20の下方において配管30を支持するサポートフレーム11iが設けられている。サポートフレーム11iは、例えば断面がコ字状に構成されたフレーム部材であり、仕切りフレーム11dの上方の所定位置に水平な支持面を有している。サポートフレーム11iの支持面上に、吸込連結管32と吐出し連結管34bから下方に延びる脚部33が固定されている。
【0018】
ポンプカバー12は、前壁部12aと、側壁部12bと、上壁部12cと、傾斜壁部12dと、を一体に備える。ポンプカバー12は、端縁部が架台11のサイドフレーム11cのねじ部に締結され、支持され、架台11上に組付けられる。架台11とポンプカバー12とは、収容空間を覆い、内部の機器を保護する、防滴機能を有する。
【0019】
前壁部12aはプレート状に構成され、架台11の上部収容室A1の前方を覆うとともに、下部収容室A2の上部の領域を覆う。前壁部12aは、下端縁12gが、架台11の地上設置面よりも上方であり、底フレーム11aの上方に離間した位置に配され、アキュムレータ14の大部分の前方を覆う。すなわち、前壁部12aにより給水制御に必要な内部機器であるアキュムレータ14を風雨・煤塵より防護しつつ、下部収容室A2の下側の領域は前方が開口している。前壁部12aの内面には防音性を高める吸音材12eが貼り付けられている。
【0020】
また、前壁部12aの、逆流防止装置13の前方に対向する箇所には、透明な材料で構成された窓部12iが形成されている。窓部12iを通して外部から逆流防止装置13の漏水を視認により確認することが可能になっている。
【0021】
ポンプ装置20は、モータ21と、モータ21に接続されたインペラを有する1段または複数段のポンプ23と、を備え、流体を増圧して二次側に圧送する。本実施形態においては一対のポンプ装置20が縦置きの状態で設置されている。
【0022】
ポンプ23は、下端部にポンプ吸込口23aを有し、正面部にポンプ吐出口23bを有している。ポンプ吸込口23aには配管30の吸込連結管32が接続される。ポンプ吐出口23bには各ポンプ23の吐出側の流路を形成する個別吐出管34aが接続される。
【0023】
各モータ21はケーブルを介して制御盤15に接続されている。制御盤15に設けられる制御部の制御によりモータ21が駆動され、ポンプ装置20が運転制御される。
【0024】
配管30は、逆流防止装置13の一次側に配される吸込連結曲管31と、逆流防止装置13の二次側に配される吸込連結管32と、吸込連結管32から分岐して各ポンプ23のポンプ吸込口23aに至る一対の第1のボール弁41,42と、ポンプ23のポンプ吐出口23bに接続される複数の個別吐出管34aと、複数の個別吐出管34aに接続される一対の第2のボール弁43,44と、第2のボール弁43,44の二次側に接続される吐出し連結管34bと、吐出し連結管34bと吸込連結管32を接続するバイパス連結部36と、を備える。吸込連結管32と吐出し連結管34bは防振体を介して架台11の後部フレーム11bに固定された支え11jに固定されている。
【0025】
吸込連結曲管31は、一端側に吸込口31aを有している。吸込連結曲管31の吸込口31a近傍には第3のボール弁48とストレーナ37が内蔵されている。吸込連結曲管31には第1の圧力検出部としての第1圧力センサ16aが設けられている。第1圧力センサ16aは、吸込連結曲管31内の圧力、すなわち逆流防止装置13の一次側の圧力を検出する。吸込連結曲管31の他端は逆流防止装置13に接続される。
【0026】
逆流防止装置13は、吸込連結曲管31と吸込連結管32との間に設けられている。逆流防止装置13は、第1の逆止弁と、第2の逆止弁と、リテーナと、を備え、流路における液体の流れの方向を一方向に規制する。逆流防止装置13の下部に逃がし弁部38が設けられている。
【0027】
逃がし弁部38は逆流防止装置13から下方に延びている。逃がし弁部38の下方の先端部の排水口38aには漏水検知電極39が設けられている。漏水検知電極39は、逆流防止装置13からの漏水を検出する。検出された漏水信号は漏水検知基板61へ送られる。
【0028】
吸込連結管32は、逆流防止装置13の二次側に接続される。吸込連結管32は例えば2台のポンプ装置20の下方において水平に延びている。吸込連結管32は、各ポンプ装置20に、第1のボール弁41、42を介して接続されている。具体的には、水平に延びる吸込連結管32の上側の管壁が所定箇所に開口が形成され、上方に接続される一方の第1のボール弁41の管部41aに一体に連続する。また、吸込連結管32の一端は上方に向けて湾曲し、他方の第1のボール弁42の管部42aに一体に連続する。管部41aと吸込連結管32の連続部分の内壁は、湾曲面を形成し、流体を上方に案内する流路が形成されている。吸込連結管32から上部の各ボール弁41、42の管部41a,42aに続く連続部分の内壁にエッジを有さないことから、流体はカーブ状の流路に沿って滑らかに案内される。
【0029】
個別吐出管34aは、その一端がポンプ23の側壁部に配されるポンプ吐出口23bに接続されている。個別吐出管34aは、ポンプ吐出口23bから前方に延び、屈曲して下方に延びる。個別吐出管34a内であってポンプ吐出口に近い所定箇所には、流れ方向を一方向に規制する逆止弁が設けられている。また、個別吐出管34aの中途部には、個別吐出管34a内の液体の流量を検出する流量検出部である流量センサ17がそれぞれ設けられている。個別吐出管34aの下端部はそれぞれ第2のボール弁43,44を介して、下方に設けられた吐出し連結管34bに接続されている。
【0030】
一対の第1のボール弁41、42及び、一対の第2のボール弁43,44は、それぞれ、管部41a,42a,43a,44aと、ボール状の弁体41b、42b、43b、44bと、ステム41c、42c、43c、44cと、を備える。ステム41c、42cは第1のステムであり、ステム43c、44cは第2のステムである。本実施形態において、吸込側の配管に設けられる第1のボール弁41と、吐出側の配管に設けられる第2のボール弁43とが共通の操作レバー45により連動して開閉動作させられ、吸込側の配管に設けられる第1のボール弁42と、吐出側の配管に設けられる第2のボール弁44とが共通の操作レバー46により連動して開閉動作させられる。
【0031】
管部41a,42a,は、一対のポンプ23のポンプ吸込口23aにそれぞれ一体に連続するとともに上下方向に延びる流路空間を構成するとともに内部に弁座部が形成されている。管部43a,44aは、一対のポンプ23の吐出し連結管34bにそれぞれ一体に連続するとともに上下方向に延びる流路空間を構成する内部に弁座部が形成されている。
【0032】
管部41a,42a,43a,44aは、弁体41b,42b、43b、44bを回転可能に支持する。また管部41a,42a,43a,44aの周壁にはステム41c,42c、43c、44cが通る挿入孔41d,42d、43d、44dがそれぞれ形成されている。
【0033】
管部41a,42aの外面には、後述するハンドル45b,46bの爪部45f、45g、46f,46gに干渉することで回動を規制するストッパとなる規制部材としての突起41f,42fがそれぞれ形成されている。
図8に示す様に、突起41f、42fは、管部41a,42aの外面であって、操作レバーに対応する面のステム41c、42c、の外周の一部が、ステム41c、42c、の回転の周方向に直交する一方向にむけて突出する壁状に構成されている。
【0034】
突起41f,42fは、弁体41b,42bの回動軸に関して、互いに回転方向に90度異なる位相に配置されている。例えば本実施形態において、一方のボール弁41の突起41fは回動軸の下側の位置に配され、他方のボール弁42の突起42fは回動軸の他方側の側方に配される位置に設けられる。これにより、ハンドル45b,46bの停止位置が規定され、2つのボール弁41,42の停止位置が異なる位置に設定される。
【0035】
弁体41b,42b、43b、44bは、球状に構成され、一方向に貫通するボール孔41e,42e,43em44eを備える。また、弁体41b,42b、43b、44bは回転により、ボール孔41e,42e,43e,44eの向きが変化することで、流路を開閉させる。
【0036】
ステム41c,42c、43c、44cは、管部41a,42a、43a、44aの径方向に延びる軸部材であり、挿入孔41d,42d、43d、44dを通って配されている。ステム41c,42c、43c、44cの一端は弁体41b,42b、43b、44bにそれぞれ接続され、他端は管部41a,42a、43a、44aの外に延出し、サポート部45a、46aに固定されている。
【0037】
例えば本実施形態において、ステム41c、42cは対向配置される吐出側の第2のボール弁43,44に向けて延びる。ステム41c,42cは、第2のボール弁43,44のステム43c,44cと同軸で連続して配され、サポート部45a,46aによって第2のボール弁43,44のステム43c,44cと連結される。
【0038】
例えば本実施形態において、ステム43c、44cは対向配置される吸込側の第1のボール弁41,42に向けて延びる。ステム43c,44cは、サポート部45a,46aによって第1のボール弁41,42のステム41c,42cと連結され、共通のレバー45,46の操作によって連動して動作する。
【0039】
第1のボール弁41と、第2のボール弁43との間、及び第1のボール弁42と第2のボール弁44との間に、それぞれ操作レバー45、46が設けられている。
【0040】
操作レバー45,46は、サポート部45a,46aと、ハンドル45b,46bと、を一体に備える。操作レバー45,46は回動可能に構成され、ステム41c,42c,43c,44cを連動して回転させる。レバー45,46は、第1の位置と第2の位置を含む移動経路で回動可能に構成されている。
【0041】
サポート部45a,46aは、ステム41c,42c,43c,44cの軸方向に貫通するサポート孔45c,46cを有する環状に構成される。サポート孔45cにステム41c、43cの一端部が挿入され、サポート孔46cにステム42c,44cの一端部が挿入され、サポート部45aとステム41c,42c、サポート部46aとステム43c,44cとがねじ等の締結部材により固定されることで、ステム41c,42c,43c,44cがサポート部45a,46aと連動可能に構成されている。
【0042】
ハンドル45b,46bは、サポート部45a,46aと一体に構成されている。ハンドル45b,46bはサポート部45a,46aの径方向に延びる細長部材である。
【0043】
操作レバー45,46には対向する管部41a,42aに向けて突出する2つの爪部45f、45g、46f,46gがそれぞれ形成されている。爪部45f,45g、46f,46gは操作レバー45,46の回動の周方向に異なる2箇所に、それぞれ設けられている。
【0044】
図8に示すように、例えば本実施形態においては90度の回動により、ボール弁41,42,43,44が開閉する。例えば各操作レバー45,46が上方の第1の位置にあるときに各ボール弁41,42,43,44が開状態となり、側方の第2位置にあるときに、各ボール弁41,42,43,44が閉じる。
【0045】
一方の爪部45f,46fは、ボール弁41,42,43,44を開位置としたときに管部41a,42aの突起41f、42fに干渉することで操作レバー45,46の回動を規制する。
【0046】
他方の爪部45g,46gは、ボール弁41,42,43,44を閉位置としたときに管部41a,42aの突起41f、42fに干渉することで操作レバー45,46の回動を規制する。
なお、レバー45,46の回動位置を規制する突起は管部43a,44a側に形成してもよい。
【0047】
例えば左右一対のポンプ装置20にそれぞれ設けられたハンドル45b,46bは、互いに回動方向が反対方向であり、対称に構成される。左側のポンプ装置20のハンドル45bは左側の側方が第2位置、右側のポンプ装置20のレバーは右側の側方が第2位置に設定される。例えば2本の操作レバー45,46は、同じ構成とする。
【0048】
吐出し連結管34bは、複数の個別吐出管34aに接続されたボール弁43,44の二次側に連続して設けられている。吐出し連結管34bは例えば縦置きの2台のポンプ装置20の下方において水平に延び、吸込連結管32と並列に配置されている。吐出し連結管34bは、一対のボール弁43,44の管部43a,44aの下部に連続して一体に構成される。
【0049】
具体的には、水平に延びる吐出し連結管34bの上側の管壁が所定箇所に開口が形成され、上方に接続される一方の第2のボール弁43の管部43aに一体に連続する。また、吐出し連結管34bの一端は上方に向けて湾曲し、他方の第2のボール弁44の管部44aに一体に連続する。管部43aと吐出し連結管34bの連続部分の内壁は、湾曲面を形成し、流体を上方に案内する流路が形成されている。吐出し連結管34bから上部の各ボール弁43、44の管部43a,44aに続く連続部分の内壁にエッジを有さないことから、流体はカーブ状の流路に沿って滑らかに案内される。
【0050】
吐出し連結曲管35は、第3のボール弁48を介して吐出し連結管34bに接続され、一端側に吐出口35aを有する。吐出し連結曲管35は仕切りフレーム11dに形成された吐出配管孔11fを貫通して、蛇口などの給水先に接続される。吐出し連結曲管35には第2の圧力検出部としての第2圧力センサ16bが設けられている。第2圧力センサ16bは、吐出し連結曲管35内の圧力、すなわち各ポンプ23の吐出圧力を検出する。
【0051】
吐出し連結管34bの他端側には、圧力を蓄えるためのアキュムレータ14が接続される。
【0052】
アキュムレータ14は、吐出し連結管34bの下方であって、仕切りフレーム11dよりも下側の下部収容室に設けられる。アキュムレータ14と吐出し連結管34bを接続する接続配管14aは、仕切りフレーム11dに形成された接続配管孔11hを通って配されている。アキュムレータ14は、中心が水平に配設されている。アキュムレータ14の下側であって装置設置面との間には、配管が配設可能なスペースが形成されている。アキュムレータ14は接続配管14aを介して吐出し連結管34bに接続されている。
【0053】
バイパス連結部36は吐出し連結管34bと吸込連結管32とを連通するバイパス流路を形成している。バイパス連結部36内の所定箇所には、流れ方向を、吸込側から吐出し側の一方向に規制する逆止弁が設けられている。
【0054】
第1圧力センサ16a、及び第2圧力センサ16bは、例えばピエゾ効果を利用した半導体式の圧力センサである。
【0055】
圧力センサ16a,16bは、配管30内の圧力を検出し、アナログ電圧出力可能に構成されている。圧力センサ16a,16bは、信号線を介して制御盤15の制御部に接続され、検出した圧力信号を制御部に送る。
【0056】
流量センサ17は例えば磁石が設けられた羽根車を備え、磁石に接続されたホールICにて流量検出を行う回転式のセンサである。
【0057】
制御盤15は、ベースフレーム51と、ベースフレーム51の前面である搭載面に搭載された制御機器52と、を備える。
【0058】
制御機器52として、各ポンプに接続される一対のインバータ54と、主制御基板55、電源入力基板56、及び操作・表示基板57と、が、設けられている。
【0059】
以上のように構成された給水装置10において、吸込側の第1のボール弁41、42と、吐出側の第2のボール弁43,44は、レバー45,46により、連動して開閉動作される。このため、レバー操作作業の負担を低減できる。また、管部41a,42a,43a,44aを吸込連結管32、吐出し連結管34bとそれぞれ一体に構成したことにより、配管の接続作業及び締結部材を少なくすることができる。また、一対のボール弁41,42,43,44は90度回動により開閉する2方弁で構成したため、弁体41b,42b,43b,44bのボール孔41e,42e,43e,44eを直線状にすることができるため、制作が容易となる。
【0060】
さらに、一対のポンプ装置20の操作レバー45,46を対称に配置することで、バイパス連結部36との干渉を回避し、必要回転トルクを軽減する操作レバー45,46の長さを確保できる。
【0061】
また、操作レバー45,46の回動範囲を上方とすることで、下方に設けられた連結管や逆流防止装置13等の他の部材との干渉を避けることができる。
【0062】
さらに、バイパス連結部36の下方へ延びる脚部33を設け、操作レバー45,46の回転軸の高さを高く設定することにより操作レバー45,46の操作性を確保できる。また、操作レバー45,46の回転軸の高さを高くするとともにレバーの長さを長くすることで、例えば必要回転トルクが大きい場合にも開閉動作が容易となる。
【0063】
また、上記実施形態においては、弁体41b、42b側にストッパとなる突起41f、42fを設け、一対の弁体41b、42bの突起41f、42fの位置を異なる位相に設定したことにより、一対の操作レバー45,46を同じ構成として回転方向を逆に設定することが可能である。したがって、左右のボール弁41,43と、ボール弁42,44とが90度の回動角度で開閉動作可能である。
【0064】
なお上記のストッパとなる突起41f、42fは、対向配置される他方のボール弁43,44側に設けてもよい。
【0065】
また、一対のステム41c
、43cとステム
42c、44cは内径に適切なギャップ有する孔部を有する操作レバー45,46により連動して回転可能であり、ステム41cと
43c、ステム
42c、44cをそれぞれ一体に形成した場合と比べて、挿入孔41d,42d、43d,44dの正確な加工精度が不要となる。
【0066】
例えば上記実施形態においては、90度角の2方弁で構成したことにより、3方弁で180°回転により開閉される構成やL型の穴経路を持つボールを有する2方弁と比べ、弁体の製造が容易である。また、180度回転の三方弁の場合には閉止時に全体を閉止して断水してしまうが、上記実施形態によれば90度角度で開閉する2方弁としたことで、一方の弁体を閉止しても他方の弁体に連通する流路を塞ぐことはないため、全体を閉止して断水することを防止できる。
【0067】
また、ボール弁41,42,43,44は連結管32,34bから湾曲して一体に形成し、流路にエッジ部がない滑らかな内壁とすることで、大水量時の圧力損失を抑制できる。
【0068】
また、上記実施形態においては、弁体側の突起の位置を異ならせることで、異なる停止位置を設定できるため、例えば2本の操作レバー45,46は、同じものを採用でき、量産性が良い。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0070】
例えば、上記実施形態においては、ボール弁の開時には、ハンドル45b,46bが上方の垂直方向に位置する例を示したがこれに限られるものではなく、例えば下方に位置する構成であってもよい。
【0071】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1) ポンプ装置と、
前記ポンプ装置の一次側に接続される吸込側の配管に設けられ回転により流路を開閉する弁体を有する第1のボール弁と、
前記ポンプ装置の二次側に接続される吐出側の配管に設けられ回転により流路を開閉する弁体を有する第2のボール弁と、
前記第1のボール弁及び前記第2のボール弁の前記弁体に接続され、前記第1のボール弁及び前記第2のボール弁を連動して開閉動作させる操作レバーと、
を備える、給水装置。
(2) 前記第1のボール弁及び前記第2のボール弁は2方弁であり、
前記操作レバーは、前記第1のボール弁の前記弁体に接続される第1のステムと、前記第2のボール弁の前記弁体に接続される第2のステムと、を支持するサポート孔を有するサポート部と、
前記サポート部から前記第1のステム及び前記第2のステムの径方向に延出するとともに回動可能に構成されたハンドルと、を備える(1)に記載の給水装置。
(3) 収容部内に一対の前記ポンプ装置が縦置きされ、
一対の前記ポンプ装置に、前記第1のボール弁と、前記第2のボール弁と、前記操作レバーと、がそれぞれ設けられ、
前記ハンドルは、前記流路を開く第1の位置と、前記流路を閉じる第2の位置とで回動可能に構成され、一方の前記ポンプ装置の前記操作レバーと、他方の前記ポンプ装置の前記操作レバーの回動方向が反対方向である、(2)に記載の給水装置。
(4) 一対の操作レバーの前記第1の位置は上方であり、
一方の前記ポンプ装置の前記操作レバーの前記第2の位置は一方側の側方であり、
他方の前記ポンプ装置の前記操作レバーの前記第2の位置は他方側の側方である、(3)に記載の給水装置。
(5) 前記弁体は前記操作レバーの回動範囲を規制する規制部材を備え、一方の前記ポンプ装置に設けられる前記第1のボール弁及び前記第2のボール弁の前記弁体と、他方の前記ポンプ装置に設けられる前記第1のボール弁及び前記第2のボール弁の前記弁体は、規制部材の位置が異なる、(3)または(4)に記載の給水装置。