(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
側面に配置した気流吸込部および天面に配置した気流吹出部とを有する本体ケースと、前記本体ケース内には、前面側から背面側に向けて順番に配置した、前記気流吸込部から吸込んだ気流中に含まれる塵埃を分離する塵埃旋回分離手段と、分離した塵埃を回収して下部に配置した引出トレーへ堆積させる塵埃回収箱と、前記気流吸込部から前記本体ケース内に吸い込んだ気流を前記気流吹出部からこの本体ケース外に排出するファンとを備え、前記塵埃旋回分離手段には、複数の旋回ユニットを備えたものであり、
前記複数の旋回ユニットは、いずれも、一端を流入口、他端を流出口とし、側面である外周壁に塵埃排出口を設けてあり、
前記複数の旋回ユニットは、
それぞれ、気流旋回の中心軸を水平方向に配置し、
前記気流吸込部で前記流入口を鉛直方向に並べて配置し、前記流出口を前記本体ケース内へ配置し、
前記塵埃回収箱内で前記塵埃排出口を鉛直方向に並べて配置し、かつ、前記塵埃排出口からの排出気流が前記塵埃回収箱内の下方へ向けて吹き出すように配置して、前記塵埃回収箱に連結し、
前記塵埃回収箱は、仕切り板を挟んで一方の側に形成した第1の空間部と、他方の側で該第1の空間部よりも水平断面積を大きくして形成した第2の空間部と、前記仕切り板の下部において該仕切り板が途切れた位置に前記引出トレーとを備え、
前記第1の空間部は、前記塵埃排出口が連通する空間部であり、
前記第2の空間部は、前記仕切り板の下部で前記第1の空間部と連通し、上方へ伸びた空間部であって、
前記第2の空間部の上部には、前記塵埃回収箱内を前記塵埃旋回分離手段の下流へ連通させる抜き穴を配置し、
前記抜き穴の作用によって、前記塵埃排出口から吹き出した気流を前記引出トレー付近で上方へ折り返させることを特徴とする集塵装置。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の集塵装置は、掃除機に広く活用され、気流吸込部、および気流吹出部を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられ、前記気流吸込部から本体ケース内に吸い込んだ気流を、前記気流吹出部から本体ケース外に排出するファンと、このファンによって前記気流吸込部を介して本体ケース内に吸い込まれた気流を旋回させ、この吸い込み気流中に含まれる塵埃を分離する塵埃旋回分離手段とを備えている。
【0003】
また、前記集塵装置は、例えば特許文献1のものが知られており、
図14に示すように、旋回ユニット107と、その上流側の側面に接線方向に伸びた流入口108、その下流側には旋回ユニット107の軸方向に排出させる流出口109とからなり、その流出口109側の旋回ユニット107外周面には、含塵空気から分離した塵を旋回ユニット107から排出する塵埃排出口110とから構成されている。
【0004】
また、前記旋回ユニット107の塵埃排出口110と接続した形で、塵を溜めておく塵埃回収箱111があり、ここに分離回収したゴミが溜まる構造となっている。流出口109の下流にはファンを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来例においては、ファンを駆動すると、先ず、気流吸込部から本体ケース内に気流が吸い込まれ、次に、この気流が旋回ユニットによって旋回され、これによって、この吸い込み気流中に含まれている塵埃が分離、集塵される構成となっている。
【0007】
例えば掃除機であれば、前記本体ケースの気流吸込部に、可動操作する吸い込みノズルが接続され、この吸い込みノズルを、掃除をしたい部分に動かすことで、広いエリアの集塵を行うことができる。
【0008】
しかしながら、可動操作する吸い込みノズルを用いない集塵装置、つまり、本体ケースを置いた状態で、その近傍の塵埃を集める集塵装置であると、旋回ユニットが一つしかないので、狭い範囲の塵埃しか集塵することができず、集塵効果の低いものとなってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、集塵する範囲を広くすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、この目的を達成するために本発明は、側面に配置した気流吸込部および天面に配置した気流吹出部とを有する本体ケースと、前記本体ケース内には、前面側から背面側に向けて順番に配置した、前記気流吸込部から吸込んだ気流中に含まれる塵埃を分離する塵埃旋回分離手段と、分離した塵埃を回収して下部に配置した引出トレーへ堆積させる塵埃回収箱と、前記気流吸込部から前記本体ケース内に吸い込んだ気流を前記気流吹出部からこの本体ケース外に排出するファンとを備え、前記塵埃旋回分離手段には、複数の旋回ユニットを備えたものであり、前記複数の旋回ユニットは、いずれも、一端を流入口、他端を流出口とし、側面である外周壁に塵埃排出口を設けてあり、前記複数の旋回ユニットは、それぞれ、気流旋回の中心軸を水平方向に配置し、前記気流吸込
部で前記流入口を鉛直方向に並べて配置し、前記流出口を前記本体ケース内へ配置し、前記塵埃回収箱内で前記塵埃排出口を鉛直方向に並べて配置し、かつ、前記塵埃排出口からの排出気流が前記塵埃回収箱内の下方へ向けて吹き出すように配置して、前記塵埃回収箱に連結し、前記塵埃回収箱は、仕切り板を挟んで
一方の側に形成した第1の空間部と、
他方の側で該第1の空間部よりも水平断面積を大きくして形成した第2の空間部と、前記仕切り板の下部において該仕切り板が途切れた位置に前記引出トレーとを備え、前記第1の空間部は、前記塵埃排出口が連通する空間部であり、前記第2の空間部は、前記仕切り板の下部で前記第1の空間部と連通し、上方へ伸びた空間部であって、前記第2の空間部の上部には、前記塵埃回収箱内を前記塵埃旋回分離手段の下流へ連通させる抜き穴を配置し、前記抜き穴の作用によって、前記塵埃排出口から吹き出した気流を前記引出トレー付近で上方へ折り返させることにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明は、側面に配置した気流吸込部および天面に配置した気流吹出部とを有する本体ケースと、前記本体ケース内には、前面側から背面側に向けて順番に配置した、前記気流吸込部から吸込んだ気流中に含まれる塵埃を分離する塵埃旋回分離手段と、分離した塵埃を回収して下部に配置した引出トレーへ堆積させる塵埃回収箱と、前記気流吸込部から前記本体ケース内に吸い込んだ気流を前記気流吹出部からこの本体ケース外に排出するファンとを備え、前記塵埃旋回分離手段には、複数の旋回ユニットを備えたものであり、前記複数の旋回ユニットは、いずれも、一端を流入口、他端を流出口とし、側面である外周壁に塵埃排出口を設けてあり、前記複数の旋回ユニットは、それぞれ、気流旋回の中心軸を水平方向に配置し、前記気流吸込
部で前記流入口を鉛直方向に並べて配置し、前記流出口を前記本体ケース内へ配置し、前記塵埃回収箱内で前記塵埃排出口を鉛直方向に並べて配置し、かつ、前記塵埃排出口からの排出気流が前記塵埃回収箱内の下方へ向けて吹き出すように配置して、前記塵埃回収箱に連結し、前記塵埃回収箱は、仕切り板を挟んで
一方の側に形成した第1の空間部と、
他方の側で該第1の空間部よりも水平断面積を大きくして形成した第2の空間部と、前記仕切り板の下部において該仕切り板が途切れた位置に前記引出トレーとを備え、前記第1の空間部は、前記塵埃排出口が連通する空間部であり、前記第2の空間部は、前記仕切り板の下部で前記第1の空間部と連通し、上方へ伸びた空間部であって、前記第2の空間部の上部には、前記塵埃回収箱内を前記塵埃旋回分離手段の下流へ連通させる抜き穴を配置し、前記抜き穴の作用によって、前記塵埃排出口から吹き出した気流を前記引出トレー付近で上方へ折り返させるので、集塵効果の高いものとすることができる。
【0012】
すなわち、本発明の塵埃旋回分離手段は、複数の旋回ユニットと、各旋回ユニットの外周壁に設けた塵埃排出口外とを備え、塵埃回収箱に連結した構成としたので、複数の旋回ユニットによって広いエリアの塵埃を、各旋回ユニットの外周壁に設けた塵埃排出口に連結した塵埃回収箱へと集塵することができ、集塵効果の高いものとすることができる。
【0013】
特に、旋回ユニットの流出口からの流出気流と塵埃回収箱内からの流出気流を合流させる抜き穴を塵埃回収箱に設けたことで、塵埃排出口から塵埃回収箱に、塵埃とともに入り込んだ空気が塵埃回収箱内を通り、抜き穴から流出して旋回ユニットの流出口からの流出気流と合流するので、塵埃排出口において、塵埃回収箱から旋回ユニットへ向かう気流の発生がなくなる。つまり、旋回ユニットから塵埃が確実に塵埃回収箱へ向かうことになり、さらに塵埃回収箱内の塵埃が再び旋回ユニットへ戻ることがなくなるため、各旋回ユニット毎の集塵効果を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の請求項1記載の集塵装置は、側面に配置した気流吸込部および天面に配置した気流吹出部とを有する本体ケースと、前記本体ケース内には、前面側から背面側に向けて順番に配置した、前記気流吸込部から吸込んだ気流中に含まれる塵埃を分離する塵埃旋回分離手段と、分離した塵埃を回収して下部に配置した引出トレーへ堆積させる塵埃回収箱と、前記気流吸込部から前記本体ケース内に吸い込んだ気流を前記気流吹出部からこの本体ケース外に排出するファンとを備え、前記塵埃旋回分離手段には、複数の旋回ユニットを備えたものであり、前記複数の旋回ユニットは、いずれも、一端を流入口、他端を流出口とし、側面である外周壁に塵埃排出口を設けてあり、前記複数の旋回ユニットは、それぞれ、気流旋回の中心軸を水平方向に配置し、前記気流吸込
部で前記流入口を鉛直方向に並べて配置し、前記流出口を前記本体ケース内へ配置し、前記塵埃回収箱内で前記塵埃排出口を鉛直方向に並べて配置し、かつ、前記塵埃排出口からの排出気流が前記塵埃回収箱内の下方へ向けて吹き出すように配置して、前記塵埃回収箱に連結し、前記塵埃回収箱は、仕切り板を挟んで
一方の側に形成した第1の空間部と、
他方の側で該第1の空間部よりも水平断面積を大きくして形成した第2の空間部と、前記仕切り板の下部において該仕切り板が途切れた位置に前記引出トレーとを備え、前記第1の空間部は、前記塵埃排出口が連通する空間部であり、前記第2の空間部は、前記仕切り板の下部で前記第1の空間部と連通し、上方へ伸びた空間部であって、前記第2の空間部の上部には、前記塵埃回収箱内を前記塵埃旋回分離手段の下流へ連通させる抜き穴を配置し、前記抜き穴の作用によって、前記塵埃排出口から吹き出した気流を前記引出トレー付近で上方へ折り返させるものである。
【0016】
これにより、集塵効果の高いものとすることができる。すなわち、本発明の塵埃旋回分離手段は、複数の旋回ユニットと、各旋回ユニットの外周壁に設けた塵埃排出口外とを備え、塵埃回収箱に連結した構成としたので、複数の旋回ユニットによって広いエリアの塵埃を、各旋回ユニットの外周壁に設けた塵埃排出口外に連結した塵埃回収箱へと集塵することができ、集塵効果の高いものとすることができる。
【0017】
特に、旋回ユニットの流出口からの流出気流と塵埃回収箱内からの流出気流を合流させる抜き穴を塵埃回収箱に設けたことで、塵埃排出口から塵埃回収箱に、塵埃とともに入り込んだ空気が塵埃回収箱内を通り、抜き穴から流出して旋回ユニットの流出口からの流出気流と合流するので、塵埃排出口において、塵埃回収箱から旋回ユニットへ向かう気流の発生がなくなる。つまり、旋回ユニットから塵埃が確実に塵埃回収箱へ向かうことになり、さらに塵埃回収箱内の塵埃が再び旋回ユニットへ戻ることがなくなるため、各旋回ユニット毎の集塵効果を向上することができる。
【0018】
また、第1の空間の下端で連通する第2の空間を備え、抜き穴を第2の空間部の上部に配置したことにより、第1の空間部では、塵埃排出口から塵埃回収箱の下方へ向かう気流により上から下向きの気流が発生し、第1の空間部の下端から第2の空間部内へ向かって、下から上向きの気流が発生する。このとき第1の空間部と第2の空間部が連通する部分では、Uターンする気流が発生して、塵埃には遠心力が加わり、塵埃回収箱の下方へ向かって分離することで、塵埃回収箱内での集塵効果を高めることができる。
【0019】
また
、前記第2の空間部の水平断面積は、前記第1の空間部の水平断面積より大きく形成する構成とした。
ことにより、第1の空間部で発生する上から下向きの気流の速さと、第2の空間部で発生する下から上へ向かう気流の速さを比べると、第1の空間部での気流の方が早くなる。すなわち、気流に含まれる塵埃は塵埃回収箱の底部に向かう勢いが強くなり、第1の空間部と第2の空間部が連通する部分で、塵埃の慣性力により塵埃回収箱底部に向かい、気流はUターンするので、この部分の気流と塵埃の分離がより多くされることとなり、結果として集塵効果を向上させることができる。つまり、第1の空間部の気流の速さはできるだけ早く、第2の空間部の気流の早さはできるだけ遅くなるようにした方が良い。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(
参考例1)
図1、
図2に示すように、本体ケース1は、両側方に気流吸込部2、上方に気流吹出部3を有する箱状のケースである。また、気流吸込部2は、本体ケース1における前面側に開口している。
【0022】
本体ケース1内には、
図3に示すように、ファン4が設けられ、このファン4を駆動すると、本体ケース1外の空気は、気流吸込部2から吸い込まれ、次に、塵埃旋回分離手段5を通過し、その後、フィルター6を通過する。
【0023】
フィルター6を通過した気流は、ファン4を通過し、その後、気流吹出部3から本体ケース1外へと吹き出される。
【0024】
ここで、気流吸込部2から塵埃旋回分離手段5内に吸い込まれた気流に含まれる塵埃のうち、大きなものは後で詳細に説明するが、塵埃旋回分離手段5で旋回されることで分離され、その塵埃回収箱7へと回収され、塵埃回収箱7の下部にある引出トレー7aに堆積する。この引出トレー7aは本体ケース1から脱着可能であり、塵埃を簡単に捨てることができる。
【0025】
また、気流吸込部2から本体ケース1内に吸い込まれた気流に含まれる塵埃のうち、小さなものは塵埃旋回分離手段5を通過し、その後、フィルター6で集塵される。
【0026】
そして、塵埃が除去された気流は、ファン4を通過し、その後、気流吹出部3から本体ケース1外へと吹き出される。
【0027】
塵埃旋回分離手段5について詳細に説明する。
図4は、
図2において左側の塵埃旋回分離手段5の斜視図であり、流出口10を備える板10aを取って内部を見えるようにしたものが
図5である。
図4、
図5に示すように、上下方向に、複数の旋回ユニット8を並べた構成としている。
【0028】
つまり、塵埃旋回分離手段5は、この
図4、
図5に示すように、上下方向に、各旋回ユニット8の側面である外周壁9を並べたものである。
【0029】
各旋回ユニット8は、いずれも、一端を流入口2a、他端を流出口10とし、側面である外周壁に塵埃排出口11を設けて塵埃回収箱7に連結している。塵埃排出口11からの排出気流が塵埃回収箱7内の下方へ向けて吹き出すように気流旋回の中心軸を水平方向に配置し、かつ旋回ユニット8は鉛直方向に並べて配置している。また、塵埃回収箱7内には、引出トレー7aのある下方に抜き穴12を備える。
【0030】
ここで、塵埃旋回分離手段5の気流の流れについて説明する。旋回ユニット8の一端に流入口2a、他端に流出口10を備えており、
図4(b)の矢印で示すように気流が流れる。旋回ユニット8は、筒形状の外周壁9と、外周壁9の一方を蓋をしたように螺旋形状で壁を形成し、螺旋の落差によって流入口2aを構成する螺旋壁9aによって構成されており、流入口2aから流入した気流は外周壁9と螺旋壁9aによって、旋回しながら外周壁9の軸方向へと進むこととなる。この際、
図5に示した矢印のように、塵埃排出口11から塵埃回収箱7内へ、旋回流の向きに沿って斜め下方向に気流が吹出す。
【0031】
また、
図5における旋回ユニット8は、
図2において左側の塵埃旋回分離手段5であり、旋回流は外周壁9の軸方向に一方向に進み、回転方向は、旋回流の進行方向を向いた時に反時計回りに発生する構造となっている。なお、
図2において右側の塵埃旋回分離手段5における各旋回ユニット8の旋回流の回転方向は、旋回流の進行方向を見た時に時計回りに発生する構造となっている。
【0032】
これにより、
図2において左側の塵埃旋回分離手段5は、
図5の旋回ユニット8内に記載した矢印のように旋回流が発生し、旋回ユニット8内の気流のほとんどは流出口10より流出するが、その一部は、塵埃排出口11から塵埃回収箱7へ向かって下方へ流出する。本体ケース1の前面から見て右側の塵埃旋回分離手段5においても、塵埃排出口11から塵埃回収箱7へ向かって下方へ流出する。
【0033】
このため、ファン4を駆動すると、気流吸込部2から塵埃旋回分離手段5に進入した気流は旋回ユニット8によって旋回し、この旋回によって、気流吸込部2から本体ケース1内に吸い込まれた気流に含まれる塵埃のうち、大きなものが外周壁9に設けた塵埃排出口11から塵埃回収箱7へと分離、回収される。塵埃回収箱7は、各旋回ユニット8の本体ケース1における背面側に設けられ、塵埃排出口11は、本体ケース1における背面側に開口している。
【0034】
また、塵埃回収箱7内下方に設けた抜き穴12により、塵埃回収箱7内には上から下へ向かう気流が発生し、抜き穴12から塵埃旋回分離手段5の下流へ流出する。流出した空気は、
図6に矢印で示すように、下流に備えるフィルター6へ向かう。なお、
図6は、
図2で示したB−B断面図である。抜き穴12から空気が流出するのは、ファン4で吸引しているためである。
【0035】
図7、
図8、
図9は、本
参考例における引出トレー7aの詳細図であり、側壁には抜き穴12となる開口を備える。また引出トレー7aには、塵埃遮蔽板13を2つ備えており、抜き穴12に近い側は、下部が連通した上部遮蔽板13a、その隣には上部が連通した下部遮蔽板13bから構成されている。
図9に矢印で示すように、抜き穴12へ向かう気流は、塵埃遮蔽板13に衝突を繰り返しながら進むため、気流に含まれる塵埃はここでも分離され、抜き穴12から流出する気流に含まれる塵埃を出来る限り少なくすることができる。なお、本実施の形態では抜き穴12は開口が1つであるが、複数の開口を設けてもよい。また、抜き穴12部に網状のネットやパンチングメタルなどを備えて、ゴミの飛散をさらに抑制することも可能である。
【0036】
すなわち、本
参考例の塵埃旋回分離手段5は、複数の旋回ユニット8と、各旋回ユニット8の外周壁9に設けた塵埃排出口11を塵埃回収箱7へ連結した構成としたので、複数の旋回ユニット8によって広いエリアの塵埃を塵埃回収箱7へと集塵することができ、集塵効果の高いものとすることができる。
【0037】
また、塵埃回収箱7内には、複数の塵埃排出口11から同一方向に下方に向かって気流が粉塵とともに吹き出されるので、抜き穴12を備えることで各旋回ユニット8の旋回壁外周壁9に設けた塵埃排出口11から、塵埃とともに吹き出される気流によって、塵埃回収箱7内に上から下向きの気流が容易に発生する。もし抜き穴12がなければ、塵埃回収箱7内に流入した空気は行き場がないため、再び塵埃排出口11から旋回ユニット8へ戻ってしまう。このとき塵埃も同時に旋回ユニット8へ戻ってしまうと再飛散現象が発生するため、集塵効果の低いものとなってしまう。しかし、抜き穴12を設けて塵埃回収箱7内と塵埃旋回分離手段5の下流側と連通することにより、塵埃排出口11における再飛散現象を抑制することができ、その結果として、各旋回ユニット8毎の集塵効果を向上することができるものである。また、塵埃遮蔽板13によって、抜け穴12からの再飛散現象も抑制することができ、塵埃回収箱7における集塵効果を向上することができる。
【0038】
(実施の形態
1)
図10は、本実施の形態の集塵装置を示す斜視図であり、塵埃回収箱7の上部に複数の小さな開口からなる抜き穴12を備えている。
図11は流出口10側から見た図であり、このD−D断面図が
図12である。塵埃旋回分離手段5の構成は、
参考例1と同じである。
【0039】
本実施の形態では、塵埃回収箱7内に、塵埃排出口11と連通する第1の空間部15と、仕切板14を挟んで第2の空間部16を備えており、仕切板14の下端で、第1の空間部15と第2の空間部16が連通する構造となっている。
また、抜き穴12の位置は、第2の空間部16の上方で塵埃旋回分離手段5の下流であってフィルター6の上流の空間と連通する位置であればどこでもよいが、本実施の形態では第2の空間部16の天面部に備えている。
【0040】
すなわち、塵埃回収箱7は、塵埃排出口11が連通する第1の空間部15と、第1の空間部15の下端で連通し上方へ伸ばされた第2の空間部16により構成し、第2の空間部16の上部に抜き穴12を配置する構成としたものである。
【0041】
また、抜き穴12は、本実施の形態では6ヶの穴よりなるが、これに限らず、メッシュ状のネットやパンチングフィルタなどでもよい。
【0042】
ここで、塵埃旋回分離手段5と塵埃回収箱7付近の気流の流れについて説明する。
図10に示す旋回ユニット8内の旋回流については、実施の形態1と同じである。塵埃を含んだ空気は流入口2aから旋回ユニット8内へ流入し、
図13に矢印で示すように流出口10より流出し、フィルター6へ向かう。
【0043】
塵埃排出口11付近では、塵埃回収箱7の第1の空間部15内へ向かって斜め下方向に、旋回流によって旋回壁9側に引き寄せられた塵埃とともに吹出す。
図12の塵埃排出口11部に細矢印で示している。
【0044】
第1の空間部15では、各塵埃排出口11から吹出す気流によって、下方向へ向かう流れが発生する。この流れに乗って、塵埃は引出トレー7aへ向かう。引出トレー7a部では、仕切板14が切れており、第1の空間部15と第2の空間部16が連通する構造となっているので、引出トレー7a付近でUターンする流れとなる。そして気流は、第2の空間部16を上方向へ向かい、抜き穴12より流出し、流出口10から流出した気流と合流して、フィルター6へ向かう。塵埃回収箱7内の気流の流れを
図12に太矢印で示している。この流れが発生するのは、ファン4により、流出口10から吸引するとともに、抜き穴12からも吸引しているためである。
【0045】
以上のように、塵埃回収箱7内には
図12の太矢印のように空気の流れがあるため、塵埃排出口11から吹出した塵埃は、第1の空間部15を下方向へ向かい、第1の空間部15下端の引出トレー7aに堆積する。第1の空間部15下端でUターンする気流に含まれる塵埃には、遠心力が加わり、気流と塵埃の分離が促進される。このように引出トレー7aには塵埃が堆積し、気流は、さらに第2の空間部16を空気が上方向へ向かうが、抜き穴12が第2の空間部16の上部にあるため、塵埃は抜き穴12から飛散しにくい。
【0046】
また、本実施の形態では、第1の空間部15の水平断面積より第2の空間部16の水平断面積を大きくしている。こうすることで、第1の空間部15の方が気流の速さが早くなり、塵埃の慣性力が増し、引出トレー7aに堆積しやすくなる。そして、第2の空間部16では第1の空間部15より気流の早さは遅いので、塵埃が気流に乗って上昇しにくくなり、抜き穴12から塵埃が飛散するのを抑制することができる。
【0047】
すなわち、本実施の形態の塵埃旋回分離手段5は、複数の旋回ユニット8と、各旋回ユニット8の外周壁9に設けた塵埃排出口11外に連結した塵埃回収箱7とを有する構成としたので、複数の旋回ユニット8によって広いエリアの塵埃を、各旋回ユニット8の外周壁9に設けた塵埃排出口11外に連結した塵埃回収箱7へと集塵することができ、集塵効果の高いものとすることができる。
【0048】
また、そのように広いエリアの塵埃の捕集を可能にする構造において、塵埃回収箱7内に、第1の空間部15と第2の空間部16と抜き穴12を備えることで、塵埃排出口11で塵埃が再飛散することを抑制することができ、各旋回ユニット8の集塵効果を高めることができ、塵埃回収箱7内でも集塵効果を高めることができるものとなっている。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように本発明は、気流吸込部および気流吹出部を有する本体ケースと、前記本体ケース内には、前記気流吸込部から前記本体ケース内に吸い込んだ気流を前記気流吹出部からこの本体ケース外に排出するファンと、前記ファンによって前記気流を旋回させ、この気流中に含まれる塵埃を分離する塵埃旋回分離手段と、分離した塵埃を回収する塵埃回収箱とを備え、前記塵埃旋回分離手段は、複数の旋回ユニットを備えたものであり、前記複数の旋回ユニットは、いずれも、一端を流入口、他端を流出口とし、側面である外周壁に塵埃排出口を設けて前記塵埃回収箱に連結し、前記塵埃排出口からの排出気流が前記塵埃回収箱内の下方へ向けて吹き出すように気流旋回の中心軸を水平方向配置し、かつ旋回ユニット8を鉛直方向に並べて配置し、前記塵埃回収箱内下方には、前記流出口からの流出気流とこの塵埃回収箱内からの流出気流を合流させる抜き穴を設けたので、集塵効果の高いものとすることができる。
すなわち、本発明の塵埃旋回分離手段は、複数の旋回ユニットと、各旋回ユニットの外周壁に設けた塵埃排出口外とを備え、塵埃回収箱に連結した構成としたので、複数の旋回ユニットによって広いエリアの塵埃を、各旋回ユニットの外周壁に設けた塵埃排出口に連結した塵埃回収箱へと集塵することができ、集塵効果の高いものとすることができる。
【0050】
特に、塵埃回収箱内には、旋回ユニットの流出口からの流出気流と塵埃回収箱内からの流出気流を合流させる抜き穴を塵埃回収箱に設けたことで、塵埃排出口から塵埃回収箱に、塵埃とともに入り込んだ空気が塵埃回収箱内を通り、抜き穴から流出して旋回ユニットの流出口からの流出気流と合流するので、塵埃排出口において、塵埃回収箱から旋回ユニットへ向かう気流の発生がなくなる。つまり、旋回ユニットから塵埃が確実に塵埃回収箱へ向かうことになり、さらに塵埃回収箱内の塵埃が再び旋回ユニットへ戻ることがなくなるため、各旋回ユニット毎の集塵効果を高めることが出来るものとなっている。
【0051】
したがって、家庭や事務所などで活用される集塵装置として活用することが期待される。