特許第6623385号(P6623385)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アタゴの特許一覧

<>
  • 特許6623385-粘度計 図000002
  • 特許6623385-粘度計 図000003
  • 特許6623385-粘度計 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623385
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】粘度計
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/14 20060101AFI20191216BHJP
【FI】
   G01N11/14 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-115727(P2015-115727)
(22)【出願日】2015年6月8日
(65)【公開番号】特開2017-3350(P2017-3350A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】390013239
【氏名又は名称】株式会社アタゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 秀行
(72)【発明者】
【氏名】中島 吉則
【審査官】 福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−311594(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101606050(CN,A)
【文献】 特開平02−251741(JP,A)
【文献】 実開昭59−113746(JP,U)
【文献】 特開2005−049214(JP,A)
【文献】 特公昭46−002239(JP,B1)
【文献】 独国特許出願公開第102004029211(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空駆動軸を有しシャーシに固定された中空軸モータと、
記中空駆動軸を貫通して配設され、下端側を前記中空駆動軸の下端側により回転可能に支持されたニードル軸と、
前記中空軸モータよりも上方側に設けられ前記中空軸モータの駆動力を前記ニードル軸に伝達するスプリングと、
前記中空軸モータよりも下方側に設けられ前記中空駆動軸及び前記ニードル軸の回転位相差を検出する位相差検出手段と、
前記ニードル軸の下端部に装着されたスピンドルと、
を備え、
前記スピンドルを試料液体中に浸漬させ、前記中空軸モータを駆動させたとき、前記スピンドルに対する前記試料液体の粘性による抵抗に起因する反作用トルクにより前記スプリングが変位し、変位したスプリングの復元力に起因するトルクと前記反作用トルクとが平衡した状態における前記中空駆動軸及び前記ニードル軸の回転位相差を検出し、検出された回転位相差に基づいて前記試料液体の粘度を求める
ことを特徴とする粘度計。
【請求項2】
前記中空駆動軸における前記中空軸モータよりも上方側に取り付けられた回転板を備え、
前記スプリングは、第1の端部が前記ニードル軸に固定され、第2の端部が前記回転板に固定されていることを特徴とする請求項1記載の粘度計。
【請求項3】
前記ニードル軸の上端側は、軸受けを介して前記シャーシにより回転可能に支持されており、
前記ニードル軸の下端側は、前記中空駆動軸の下端側に取付けられたコ字状の第1ピボットクランクにより回転可能に支持されており、
前記スピンドルは、前記ニードル軸の下端部に取付けられたコ字状の第2ピボットクランクに対し着脱可能に取付けられており、
前記中空駆動軸及び前記ニードル軸の回転位相差の検出は、前記第1ピボットクランク及び前記第2ピボットクランクの回転位相差の検出によって行う
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の粘度計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中でスピンドルを回転させ、反作用トルクを測定することにより、試料の粘性を測定する粘度計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料液体の粘度を測定する粘度計として、種々の方式のものが提案されている。例えば、特許文献1に記載された粘度計と同様の方式の粘度計としては、図3に示すように、試料液体101中において円柱状のスピンドル102を回転させ、この回転に対する反作用トルクを測定して、試料液体の粘度を算出するものが提案されている。
【0003】
この粘度計は、パルスモータ103を備えており、このパルスモータ103の駆動力により、試料液体101中に浸漬されたスピンドル102を回転させる。パルスモータ103の駆動軸104には、シャフトカプラ105を介して、第1メタルシャフト106が接続されている。この第1メタルシャフト106は、第1貫通ベアリング107を介して、第1台座108により、回転可能に支持されている。この第1台座108は、図示しないシャーシに固定されている。第1メタルシャフト106は、下端側が中空となっている。
【0004】
第1メタルシャフト106には、第1回転板109が取付けられている。第1回転板109には、連結ピン110を介して、連結板111が取付けられている。この連結板111は、第2メタルシャフト112に接続されている。この第2メタルシャフト112は、第2貫通ベアリング113を介して、第2台座114により、回転可能に支持されている。この第2台座114は、図示しないシャーシに固定されている。第2メタルシャフト112は、中空の円筒状シャフトであり、第1メタルシャフト106と同軸となっている。
【0005】
第2メタルシャフト112の下端部近傍には、第1ピボットクランク115が取付けられている。この第1ピボットクランク115は、コ字状の部材であって、上端側が第2メタルシャフト112の下端部近傍に取付けられている。第1ピボットクランク115の下端側は、第2メタルシャフト112の軸上に位置している。第1ピボットクランク115の下端側の上面には、宝石軸受け116が取付けられている。
【0006】
そして、第1メタルシャフト106の下端側の中空部と、宝石軸受け116との間には、第2メタルシャフト112の中空部を貫通して、ニードル軸117が配置されている。このニードル軸117の上端部は、ベアリング122を介して、第1メタルシャフト106の下端側(中空部の底部)に回転可能に支持されている。ニードル軸117の下端部は、円錐状の突起部となっており、この突起部において宝石軸受け116により回転可能に支持されている。このニードル軸117は、第1メタルシャフト106及び第2メタルシャフト112と同軸となっている。
【0007】
ニードル軸117の下端部近傍には、第2ピボットクランク118が取付けられている。この第2ピボットクランク118は、コ字状の部材であって、上端側がニードル軸117の下端部近傍に取付けられている。第2ピボットクランク118の下端側は、ニードル軸117の軸上に位置している。第2ピボットクランク118の下端側の下面には、スピンドルホルダ119が取付けられている。このスピンドルホルダ119には、スピンドル102が、同軸に着脱可能に取付けられる。
【0008】
第1回転板109とニードル軸117との間は、渦巻状のスパイラルスプリング120によって連結されている。スパイラルスプリング120の中心側の端部は、ニードル軸117の上端側部分に固定されている。スパイラルスプリング120の外周側の端部は、第1回転板109に固定されている。また、ニードル軸117の上端側部分には、第1回転板109に平行な第2回転板121が取付けられている。
【0009】
この粘度計において、パルスモータ103が駆動して駆動軸104が回転操作されると、この駆動力により、第1メタルシャフト106、第1回転板109、連結板111、第2メタルシャフト112及び第1ピボットクランク115が、駆動軸104と同一速度で回転操作される。このとき、第1回転板109の回転力は、スパイラルスプリング120を介してニードル軸117に伝達され、ニードル軸117を回転操作する。ニードル軸117が回転操作されると、第2回転板121、第2ピボットクランク118、スピンドルホルダ119及びスピンドル102が、ニードル軸117と同一速度で回転操作される。
【0010】
このとき、試料液体101の粘度が0であると、スピンドル102が回転することに抵抗を受けないので、スパイラルスプリング120は変位せず、ニードル軸117及び第2回転板121は、第1メタルシャフト106及び第1回転板109と同一速度かつ同位相で回転される。
【0011】
試料液体101の粘度が0ではないときには、スピンドル102が回転することに抵抗を受け、この反作用トルクによってスパイラルスプリング120が変位し、ニードル軸117及び第2回転板121は、第1メタルシャフト106及び第1回転板109に対して位相が遅れて回転される。試料液体101の抵抗による反作用トルクと、変位したスパイラルスプリング120の復元力によるトルクとが平衡した状態で、ニードル軸117及び第2回転板121の回転速度が、第1メタルシャフト106及び第1回転板109の回転速度と同一速度になり、スパイラルスプリング120の変位量に相当する位相遅れが一定に維持される。この状態において、第1回転板109及び第2回転板121の位相差を検出すれば、この位相差から、試料液体101の粘度を算出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3475019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上記のような従来の粘度計においては、駆動軸104に第1メタルシャフト106から第2メタルシャフト112及び第1ピボットクランク115までが連結されており、これらの慣性質量が大きいため、大きな駆動力が必要であり、パルスモータ103を小型化することが困難である。また、パルスモータ103の大型化を避けるため、パルスモータ103として速度が可変調整可能であるものを用いることが困難である。
【0014】
また、駆動軸104に連結されたこれらの部材に対して、パルスモータ103は、片持ち支持の状態となっているため、装置構成の小型化が困難である。さらに、パルスモータ103が各部材を片持ち支持していることにより、軸の傾斜が生じ易く、傾斜を防止するためには、軸受け等の部材の大型化をせざるを得ない。また、回転トルクの伝達ロスが生じ易く、高精度の粘度測定が困難である。
【0015】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、構造が簡素化され、小型化が容易であって、また、回転トルクの伝達効率が高く、高精度の粘度測定が可能である粘度計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る粘度計は、以下の構成を有するものである。
【0017】
[構成1]
中空駆動軸を有しシャーシに固定された中空軸モータと、
記中空駆動軸を貫通して配設され、下端側を前記中空駆動軸の下端側により回転可能に支持されたニードル軸と、
前記中空軸モータよりも上方側に設けられ前記中空軸モータの駆動力を前記ニードル軸に伝達するスプリングと、
前記中空軸モータよりも下方側に設けられ前記中空駆動軸及び前記ニードル軸の回転位相差を検出する位相差検出手段と、
前記ニードル軸の下端部に装着されたスピンドルと、
を備え、
前記スピンドルを試料液体中に浸漬させ、前記中空軸モータを駆動させたとき、前記スピンドルに対する前記試料液体の粘性による抵抗に起因する反作用トルクにより前記スプリングが変位し、変位したスプリングの復元力に起因するトルクと前記反作用トルクとが平衡した状態における前記中空駆動軸及び前記ニードル軸の回転位相差を検出し、検出された回転位相差に基づいて前記試料液体の粘度を求めることを特徴とするものである。
【0018】
[構成2]
構成1を有する粘度計において、前記中空駆動軸における前記中空軸モータよりも上方側に取り付けられた回転板を備え、
前記スプリングは、第1の端部が前記ニードル軸に固定され、第2の端部が前記回転板に固定されていることを特徴とするものである。
[構成3]
構成1又は構成2を有する粘度計において、前記ニードル軸の上端側は、軸受けを介して前記シャーシにより回転可能に支持されており、
前記ニードル軸の下端側は、前記中空駆動軸の下端側に取付けられたコ字状の第1ピボットクランクにより回転可能に支持されており、
前記スピンドルは、前記ニードル軸の下端部に取付けられたコ字状の第2ピボットクランクに対し着脱可能に取付けられており、
前記中空駆動軸及び前記ニードル軸の回転位相差の検出は、前記第1ピボットクランク及び前記第2ピボットクランクの回転位相差の検出によって行う
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
構成1を有する本発明に係る粘度計においては、駆動源となる中空軸モータと、この中空軸モータの中空駆動軸を貫通して配設されたニードル軸とを備え、これら中空駆動軸及びニードル軸の回転位相差を検出して試料液体の粘度を求めるので、構造が簡素であり、小型化が容易であり、また、回転トルクの伝達効率が高く、高精度の粘度測定が可能である。
【0020】
構成2を有する本発明に係る粘度計においては、ニードル軸の上端側は、軸受けを介してシャーシにより回転可能に支持されており、ニードル軸の下端側は、中空駆動軸の下端側に取付けられたコ字状の第1ピボットクランクにより回転可能に支持されているので、ニードル軸の傾斜を良好に防止することができ、また、ニードル軸の回転抵抗を極めて低くすることができ、高精度の粘度測定が可能である。
【0021】
すなわち本発明は、構造が簡素化され、小型化が容易であって、また、回転トルクの伝達効率が高く、高精度の粘度測定が可能である粘度計を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る粘度計の構成を示す縦断面図である。
図2】本発明に係る粘度計の構成を示すブロック図である。
図3】従来の粘度計の構成を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る粘度計の構成を示す縦断面図である。
【0025】
本発明に係る粘度計は、図1に示すように、試料液体101中において円柱状のスピンドル102を回転させ、この回転に対する反作用トルクを測定して、試料液体の粘度を算出する装置である。
【0026】
この粘度計は、駆動源となる中空軸モータ3を備えており、この中空軸モータ3の駆動力により、試料液体101中に浸漬されたスピンドル102を回転させる。中空軸モータ3の中空駆動軸4は、中空の円筒状に形成されている。中空軸モータ3は、シャーシ5を構成する第1台座6及び第2台座7により、上端側及び下端側より固定されている。中空軸モータ3の中空駆動軸4の上端部には、回転板8が取付けられている。
【0027】
なお、中空軸モータ3は、パルスモータであり、駆動電源としては、乾電池も使用可能である。また、中空軸モータ3は、回転速度調整が可能である。
【0028】
中空軸モータ3の中空駆動軸4の下端部近傍には、第1ピボットクランク9が取付けられている。この第1ピボットクランク9は、コ字状の部材であって、上端側が中空駆動軸4の下端部近傍に取付けられている。第1ピボットクランク9の下端側は、中空駆動軸4の軸上に位置している。第1ピボットクランク9の下端側の上面には、宝石軸受け10が取付けられている。
【0029】
そして、中空軸モータ3の中空駆動軸4を貫通して、ニードル軸11が配設されている。このニードル軸11の上端部は、軸受け(ベアリング)12を介して、シャーシ5を構成する第3台座13により回転可能に支持されている。ニードル軸11の下端部は、円錐状の突起部となっており、この突起部において、中空駆動軸4の下端側の宝石軸受け10により、回転可能に支持されている。このニードル軸11は、中空駆動軸4と同軸となっている。
【0030】
ニードル軸11の下端部近傍には、第2ピボットクランク14が取付けられている。この第2ピボットクランク14は、コ字状の部材であって、上端側がニードル軸11の下端部近傍に取付けられている。第2ピボットクランク14の下端側は、ニードル軸11の軸上に位置している。第2ピボットクランク14の下端側の下面には、スピンドルホルダ15が取付けられている。このスピンドルホルダ15には、スピンドル102が、同軸に着脱可能に取付けられる。
【0031】
スピンドル102は、粘度を測定する試料液体の種類や粘度に応じて、異なる素材、大きさ及び形状のものに交換可能である。このスピンドル102が浸漬される試料液体は、なるべく大きな容器に収容したものであることが望ましいが、少なくとも500ml程度を容器に収容したものであることが望ましい。
【0032】
回転板8とニードル軸11との間は、渦巻状のスパイラルスプリング16によって連結されている。このスパイラルスプリング16は、中空軸モータ3の駆動力をニードル軸11に伝達するスプリングである。スパイラルスプリング16の中心側の端部は、ニードル軸11の上端側部分に固定されている。スパイラルスプリング16の外周側の端部は、回転板8に固定されている。
【0033】
そして、この粘度計は、中空駆動軸4及びニードル軸11の回転位相差を検出する位相差検出手段を備えている。すなわち、第1ピボットクランク9の側面部には、第1被検出切片17が取付けられている。この第1被検出切片17は、シャーシ5に取付けられた第1インタラプタ18によって検出される。第1インタラプタ18は、第1ピボットクランク9が1回転する間に、第1被検出切片17の通過を1回検出する。
【0034】
また、第2ピボットクランク14の側面部には、第2被検出切片19が取付けられている。この第2被検出切片19は、シャーシ5に取付けられた第2インタラプタ20によって検出される。第2インタラプタ20は、第2ピボットクランク14が1回転する間に、第2被検出切片19の通過を1回検出する。
【0035】
なお、シャーシ5上には、液晶表示パネルや有機EL表示パネルからなる表示部21が設けられている。
【0036】
この粘度計においては、中空駆動軸4及びニードル軸11の回転位相差を検出することにより、検出された回転位相差に基づいて試料液体101の粘度(mPa・S)を求める。すなわち、この粘度計において、中空軸モータ3が駆動して中空駆動軸4が回転操作されると、この駆動力により、回転板8が中空駆動軸4と同一速度で回転操作される。このとき、回転板8の回転力は、スパイラルスプリング16を介してニードル軸11に伝達され、ニードル軸11を回転操作する。ニードル軸11が回転操作されると、第2ピボットクランク14、スピンドルホルダ15及びスピンドル102が、ニードル軸11と同一速度で回転操作される。
【0037】
このとき、試料液体101の粘度が0であると、スピンドル102が回転することに抵抗を受けないので、スパイラルスプリング16は変位せず、ニードル軸11は、回転板8と同一速度かつ同位相で回転される。
【0038】
試料液体101の粘度が0ではないときには、スピンドル102が回転することに抵抗を受け、この反作用トルクによってスパイラルスプリング16が変位し、ニードル軸11は、回転板8に対して位相が遅れて回転される。試料液体101の抵抗による反作用トルクと、変位したスパイラルスプリング16の復元力によるトルクとが平衡した状態で、ニードル軸11の回転速度が、回転板8の回転速度と同一速度になり、スパイラルスプリング16の変位量に相当する位相遅れが一定に維持される。この状態において、中空駆動軸4及びニードル軸11の回転位相差、すなわち、第1ピボットクランク9及び第2ピボットクランク14の回転位相差を検出すれば、この位相差から、試料液体101の粘度を算出することができる。
【0039】
図2は、本発明に係る粘度計の構成を示すブロック図である。
【0040】
この粘度計においては、図2に示すように、中空軸モータ3は、モータ制御回路22により、起動、停止及び回転速度を制御される。モータ制御回路22は、この装置全体の制御を行う制御回路23によって制御される。制御回路23には、電源部24により、電源供給されて動作する。また、電源部24は、中空軸モータ3及びその他各部の駆動電源を供給する。この電源部24は、商用交流電源の他、乾電池や蓄電池から電源を供給され、この装置の各部に駆動電源を供給する。
【0041】
また、制御回路23には、入力部25より、種々の制御信号を入力することができる。この制御信号は、この装置の動作の起動、停止、中空軸モータ3の回転速度の指示(回転速度調整)等のための信号である。
【0042】
第1及び第2インタラプタ18,20が第1及び第2被検出切片17,19を検出した検出信号は、制御回路23に送られる。制御回路23は、第1及び第2インタラプタ18,20より送られた検出信号に基づき、試料液体101の粘度を算出する。
【0043】
また、制御回路23は、表示部21に所定の表示を行う。表示部21に表示される内容は、測定(算出)された試料液体101の粘度(mPa・S)や、中空軸モータ3の回転速度、第1ピボットクランク9及び第2ピボットクランク14の回転位相差、電源の投入状態等である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、試料中でスピンドルを回転させ、反作用トルクを測定することにより、試料の粘性を測定する粘度計に適用される。
【符号の説明】
【0045】
3 中空軸モータ
4 中空駆動軸
5 シャーシ
6 第1台座
7 第2台座
8 回転板
9 第1ピボットクランク
11 ニードル軸
12 軸受け(ベアリング)
13 第3台座
14 第2ピボットクランク
15 スピンドルホルダ
16 スパイラルスプリング
17 第1被検出切片
18 第1インタラプタ
19 第2被検出切片
20 第2インタラプタ
101 試料液体
102 スピンドル
図1
図2
図3