【文献】
Review of Fructosyl Amino Acid Oxidase Engineering Research: A Glimpse into the Future of Hemoglobin A1c Biosensing,Journal of Diabetes Science and Technology,2009年,Vol. 3, No. 3,p. 585-592
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.本発明の糖化ヘモグロビンの測定方法
本発明の測定方法は、糖化ヘモグロビンを直接酸化して、生成された物質又は消費された物質を測定することにより、糖化ヘモグロビンを測定する。本発明における糖化ヘモグロビンとしては、HbA1cが好ましい。糖化ヘモグロビンを直接酸化する方法としては、糖化ヘモグロビンを直接酸化することができる方法であればいずれでもよいが、酵素を用いて酸化する方法が好ましい。
以下、本発明の測定方法について説明する。
【0013】
(試料及び測定対象物)
本発明の測定方法に用いられる試料としては、糖化ヘモグロビンを含む試料であれば特に制限はなく、例えば全血液、血漿、血清、血球、細胞試料、尿、髄液、汗、涙液、唾液、皮膚、粘膜、毛髪等の生体試料等が挙げられる。試料としては、全血液、血漿、血清、血球等が好ましく、全血液、血球等が特に好ましい。なお、全血液には、全血液由来の血球画分に血漿が混合している試料も含まれる。これらの試料は、溶血、分離、希釈、濃縮、精製等の前処理を施したものを用いてもよい。
【0014】
ヘモグロビンは、α鎖及びβ鎖の2種類のサブユニットを各々2つ持つ、分子量64,000のヘム蛋白質である。ヘモグロビンのα鎖のN末端の3アミノ酸配列はバリン−ロイシン−セリンであり、β鎖のN末端の3アミノ酸配列はバリン−ヒスチジン−ロイシンである。HbA1cは、特にβ鎖のN末端バリン残基が糖化されたものと定義されているが、ヘモグロビンはα鎖のN末端を含め、分子内に複数の糖化部位を有することが知られている(The Journal of Biological Chemistry (1980), 256, 3120-3127)。
【0015】
(測定方法)
本発明の、試料中の測定すべき糖化ヘモグロビンの測定は、例えば、下記(i)〜(ii)の工程を順次行うことによって行うことができる。
(i)試料中の糖化ヘモグロビンに酵素を作用させて糖化ヘモグロビンを酸化する工程、
(ii)上記工程(i)で生成された物質、又は、消費された物質を測定する工程。
【0016】
工程(i)において用いられる酵素としては、糖化ヘモグロビンを直接酸化できるものであればいずれでもよいが、例えば、下記の酵素を用いることができる。
[1]配列番号3〜34のいずれかで表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質(それぞれ、FPOX-18A、FPOX-18B、FPOX-18C、FPOX-18D、FPOX-19、FPOX-20、FPOX-21、FPOX-22、FPOX-23、FPOX-24、FPOX-25、FPOX-26、FPOX-27、FPOX-28、FPOX-29、FPOX-30、FPOX-31、FPOX-32、FPOX-33、FPOX-34、FPOX-35、FPOX-36、FPOX-37、FPOX-38、FPOX-39、FPOX-40、FPOX-41、FPOX-42、FPOX-43、FPOX-44、FPOX-45、FPOX-46と称する)、
[2]配列番号3〜34のいずれかで表わされるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ糖化ヘモグロビンを直接酸化する活性(以下、糖化ヘモグロビンオキシダーゼ活性という)を有する蛋白質等が挙げられる。以下、糖化ヘモグロビンオキシダーゼ活性を有する蛋白質を糖化ヘモグロビンオキシダーゼという。これらの糖化ヘモグロビンオキシダーゼは1種類で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
本発明の方法に用いられる蛋白質が糖化ヘモグロビンオキシダーゼ活性を有するためには、配列番号3〜34のいずれかで表されるアミノ酸配列との相同性が90%以上、好ましくは94%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の相同性を有していることが望ましい。
【0018】
アミノ酸配列や塩基配列の相同性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro. Natl. Acad. Sci. USA,
90, 5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol.,
183, 63 (1990)]を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTNやBLASTXとよばれるプログラムが開発されている[J. Mol. Biol.,
215, 403(1990)]。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメータは例えばScore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメータは例えばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。
【0019】
上記工程(i)〜(ii)は、水性媒体中で行うこともできる。水性媒体としては、本発明の測定方法を可能とする水性媒体であれば特に制限はなく、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等が挙げられるが、緩衝液が好ましい。緩衝液に用いる緩衝剤としては、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤(トリス緩衝剤)、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、グッドの緩衝剤等が挙げられる。
【0020】
グッドの緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)、ピペラジン−N,N'−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、3−〔N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−ヒドロキシ−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、ピペラジン−N,N'−ビス(2−ヒドロキシ−3−プロパンスルホン酸)(POPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(HEPPSO)、3−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕プロパンスルホン酸〔(H)EPPS〕、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕グリシン(Tricine)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)、N−シクロヘキシル−3−アミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)等が挙げられる。
緩衝液の濃度は測定に適した濃度であれば特に制限はされないが、0.001〜2.0 mol/Lが好ましく、0.005〜1.0 mol/Lがより好ましい。
【0021】
上記工程(i)において糖化ヘモグロビンの変性剤、又は、酸化剤を共存させてもよい。また、糖化ヘモグロビンを含む試料を予め、当該変性剤、又は、当該酸化剤で処理してもよい。変性剤としては、本発明の測定方法を可能とする変性剤であれば特に制限はなく、例えば非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。また、酸化剤としては、本発明の測定方法を可能とする酸化剤であれば特に制限はなく、例えばヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム、臭素酸カリウム等が挙げられる。
【0022】
各工程の反応の反応温度としては、例えば10〜50℃、好ましくは20〜40℃であり、反応時間としては、1秒間〜120分間、好ましくは1〜90分間、特に好ましくは1〜60分間である。
【0023】
工程(i)において、糖化ヘモグロビンと酵素との反応により反応液中に生じる生成物としては、過酸化水素、糖オソン(α−ケトアルデヒド体)、ヘモグロビン等が挙げられる。また、工程(i)において、糖化ヘモグロビンと酵素との反応により消費される物質としては、例えば酸素分子等が挙げられる。工程(i)において消費される酸素分子は、例えば酸素電極を用いた電気化学的測定法により測定される。
【0024】
本発明の糖化ヘモグロビンの測定方法においては、試料中の糖化ヘモグロビンに糖化ヘモグロビンオキシダーゼを作用させて、糖化ヘモグロビンを直接酸化し、生成された過酸化水素を測定することにより試料中の糖化ヘモグロビンを測定する方法が好ましい。本発明の工程(i)において生成される過酸化水素は、例えば光学的手法又は電気化学的手法を用いて測定することができる。光学的手法としては、例えば吸光度法、発光法等が挙げられる。具体的には、過酸化水素測定試薬を用いた光学的測定法、過酸化水素電極を用いた電気化学的測定法等が挙げられる。
【0025】
過酸化水素測定試薬は、生成された過酸化水素を検出可能な物質へ変換するための試薬である。検出可能な物質としては、例えば色素、光等が挙げられるが、色素が好ましい。
検出可能な物質が色素の場合には、過酸化水素測定試薬は、酸化発色型色原体及びパーオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含む。酸化発色型色原体としては、例えば後述の酸化カップリング型色原体や後述のロイコ型色原体が挙げられる。
【0026】
検出可能な物質が光の場合には、過酸化水素測定試薬は、化学発光物質を含む。化学発光物質としては、生物発光物質も含まれ、例えばルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、アクリジニウムエステル、シュウ酸エステル等が挙げられる。
過酸化水素測定試薬として、酸化発色型色原体及びパーオキシダーゼ等の過酸化活性物質を含む試薬を用いる場合には、過酸化水素を、過酸化活性物質の存在下にて酸化発色型色原体と反応させて色素を生成させ、生成された色素を測定することにより、過酸化水素を測定することができる。また、化学発光物質を含む過酸化水素測定試薬を用いる場合には、過酸化水素を、化学発光物質と反応させフォトンを生じ、生じたフォトンを測定することにより、過酸化水素を測定することができる。
【0027】
酸化カップリング型色原体は、パーオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、過酸化水素と反応し、酸化カップリング反応により色素を生成する色原体である。酸化カップリング型色原体の具体例は、4−アミノアンチピリン等のカプラー、及びフェノール系又はアニリン系水素供与体等が挙げられる。カプラーと、フェノール系又はアニリン系水素供与体化合物とは、過酸化水素及び過酸化活性物質の存在下、酸化カップリングし、色素を生成する。
【0028】
カプラーとしては、例えば4−アミノアンチピリン(4−AA)、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン等が挙げられる。
フェノール系水素供与体としては、フェノール、4−クロロフェノール、3−メチルフェノール、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。
アニリン系水素供与体としては、N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOPS)、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N−ジメチル−3−メチルアニリン、N,N−ジ(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N'−サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N'−アセチルエチレンジアミン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−4−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン(F−DAOS)、N−[2−(サクシニルアミノ)エチル]−2−メトキシ−5−メチルアニリン(MASE)、N−エチル−N−[2−(サクシニルアミノ)エチル]−2−メトキシ−5−メチルアニリン(Et−MASE)等が挙げられる。
【0029】
ロイコ型色原体は、パーオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、過酸化水素と反応し、単独で色素を生成する色原体である。具体的には、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(CCAP)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCDP)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(DA−64)、10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン ナトリウム塩(DA−67)、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)、N,N,N',N',N'',N''−ヘキサ−3−スルホプロピル−4,4',4''−トリアミノトリフェニルメタン(TPM−PS)、ジアミノベンチジン、ヒドロキシフェニルプロピオン酸、テトラメチルベンチジン、オルトフェニレンジアミン等が挙げられる。
【0030】
過酸化水素の測定において、過酸化活性物質の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、過酸化活性物質としてパーオキシダーゼを用いる場合は、1〜100 U/mLが好ましく、2〜50 U/mLがより好ましい。また、酸化発色型色原体の濃度は、測定に適した濃度であれば特に制限はないが、0.01〜10 g/Lが好ましく、0.02〜5 g/Lがより好ましい。
【0031】
過酸化水素を過酸化水素電極を用いて測定する場合、使用する電極は、過酸化水素との間で電子を授受する材料である限り特に制限されないが、例えば白金、金若しくは銀等が挙げられる。測定方法としてはアンペロメトリー、ポテンショメトリー、クーロメトリー等の公知の方法を用いることができる。オキシダーゼ又は基質と電極との間の反応に電子伝達体を介在させ、得られる酸化、還元電流或いはその電気量を測定することもできる。
【0032】
電子伝達体としては、電子伝達機能を有する任意の物質が使用可能であり、例えばフェロセン誘導体、キノン誘導体等の物質が挙げられる。また、オキシダーゼ反応により生成される過酸化水素と電極の間に電子伝達体を介在させることによって得られる酸化、還元電流又はその電気量を測定することができる。
【0033】
工程(i)においては、過酸化水素と共に糖オソン(α−ケトアルデヒド体)が生成されるので、生成された糖オソン(α−ケトアルデヒド体)を測定することによっても、試料中のHbA1cを測定することができる。α−ケトアルデヒド体にグルコースオキシダーゼを作用させて生成される過酸化水素を併せて測定することにより、高感度に測定することができる(特開2000-333696)。
【0034】
糖化ヘモグロビンオキシダーゼの製造方法
本発明の方法に用いられる蛋白質である糖化ヘモグロビンオキシダーゼの製造方法の一例を以下に示す。
【0035】
(プラスミド抽出)
寄託番号FERM BP-11026として寄託されている、糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-9発現大腸菌株XL1-Blue MRF'株より、市販のプラスミド抽出キットを使用して、配列番号2のアミノ酸配列で表わされる糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-9の発現プラスミドpTrc-FPOX-9を抽出する。
【0036】
(糖化ペプチドオキシダーゼ FPOX-15発現プラスミドの作製)
pTrc-FPOX-9発現プラスミドをテンプレートDNAとして、標的アミノ酸位置に相当するコドンを、置換するアミノ酸に対応するコドンに入れ替えたプライマー対を用いたPCRにより、部位特異的にアミノ酸置換を導入し、配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-15の発現プラスミドpTrc-FPOX-15を造成する。
【0037】
(部位特異的アミノ酸置換による糖化ヘモグロビンオキシダーゼの造成)
上記と同様の方法により、pTrc-FPOX-15に部位特異的なアミノ酸置換を導入することにより、配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18A、配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18B、配列番号5で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18C、配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18D、配列番号7で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-19、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-20の各糖化ヘモグロビンオキシダーゼの発現プラスミドを造成する。
上記と同様の方法により、FPOX-19の発現プラスミドpTrc-FPOX-19に部位特異的なアミノ酸置換を導入することにより、配列番号9〜34で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-21〜46の各糖化ヘモグロビンオキシダーゼの発現プラスミドを造成する。
【0038】
造成した糖化ヘモグロビンオキシダーゼ発現プラスミドを大腸菌株に形質転換し、組換え糖化ヘモグロビンオキシダーゼ発現大腸菌株を作製する。組換え糖化ヘモグロビンオキシダーゼ発現大腸菌株を50〜100mg/L アンピシリンを含有するLuria-Bertani(以下LBと記す)培地に植菌し、37℃で振盪培養する。OD
600=0.4〜0.8まで生育させた後、イソプロピル-β-チオガラクトシド(以下IPTGと記す)を終濃度0.1〜1 mmol/Lとなるように添加し、引き続き37℃、5〜24時間振盪培養する。培養後、8000 rpm、10〜30分間遠心分離することで菌体を回収する。
【0039】
上記で得られた菌体を緩衝液に懸濁し、1〜10分間超音波破砕し、遠心分離後に上清を分取することで酵素の粗抽出液を調製する。該粗抽出液より、酵素活性及び該酵素の持つ補酵素フラビンアデニンジヌクレオチド(以下、FADと記す)の呈する色調を指標に、硫安沈殿、陰イオン交換カラムクロマトグラフィー等の手法により精製酵素を調製する。
精製酵素の濃度は、該蛋白質の補酵素であるFADに由来する波長452nmの吸光度を測定し、得られた吸光度を、活性が既知の糖化ペプチドオキシダーゼを用いて予め作成した糖化ヘモグロビンオキシダーゼ濃度と吸光度との関係を示す検量線に照らし合わせて決定する。
【0040】
(糖化ヘモグロビンオキシダーゼ活性測定方法)
本発明の測定方法において、糖化ヘモグロビンオキシダーゼ活性は、例えば以下の方法で測定することができる。
【0041】
(活性測定用試薬)
A液: 0.1 mol/L MOPS緩衝液(pH6.8)
B液:発色剤
24 mmol/L DA-67のジメチルホルムアミド(DMF)溶液
C液:パーオキシダーゼ溶液
1 kU/L パーオキシダーゼの10 mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)溶液
D液:基質溶液
10 g/Lヘモグロビン水溶液
E液: 変性液
5 g/Lヨウ素酸カリウム及び、50%(v/v)界面活性剤(アンヒトール20N)の水溶液
F液: 酵素液
0.5〜1.0 U/mL 糖化ヘモグロビンオキシダーゼの10 mmol/L リン酸緩衝液(pH7.0)溶液
【0042】
(測定手順)
(i)D液40μLにE液4μLを混合し、37℃にて10分間インキュベートする。
(ii)A液 10mLにB液12.6μL、C液 35μLを添加し、得られた溶液を1試料当たり190μLずつ96穴プレートの各ウェルに分注した後、D液とE液の混合液 40μL、F液20μLを加えて混合し、全自動マイクロプレートEIA分析装置により、混合直後の溶液の吸光度を660 nm(主波長)/750 nm(副波長)で測定し、次いで、37℃、60〜120分間加温して酵素反応を行い、得られた溶液の吸光度を660 nm(主波長)/750 nm(副波長)で測定し、酵素反応前後の吸光度変化を測定する。また、D液の代わりに蒸留水を用いて同様の測定を行い、酵素反応前後の吸光度変化をブランクとし、D液を用いる測定における、酵素反応前後の吸光度変化からブランクを差し引くことにより、酵素反応における吸光度を測定し、糖化ヘモグロビンオキシダーゼの活性の指標とすることができる。
【0043】
上記工程(i)及び(ii)は、水性媒体中で行われても良い。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体等が挙げられ、緩衝液が好ましい。緩衝液の濃度としては、例えば前述の緩衝液の濃度が挙げられる。
各工程の反応の反応温度としては、例えば10〜50℃、好ましくは20〜40℃であり、反応時間としては、1秒間〜120分間、好ましくは1〜90分間、特に好ましくは1〜60分間である。
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書内に組み入れられる。
【実施例】
【0044】
以下に、実施例を示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、本実施例においては、下記メーカーの試薬及び酵素を使用した。
リン酸二水素カリウム(和光純薬工業)、リン酸一水素カリウム(和光純薬工業)、DA-67(和光純薬工業社製)、パーオキシダーゼ(東洋紡社製)、MOPS(同仁化学研究所社製)、ジメチルホルムアミド(和光純薬工業社製)、ヨウ素酸カリウム(和光純薬工業社製)、Luria-Bertani miller培地(LB培地)(ベクトンディキンソン社製)、KOD-plus-(DNAポリメラーゼ;東洋紡社製)、Dpn I(制限酵素;ニューイングランドバイオラボ社製)、Competent high DH5α(大腸菌コンピテントセル;東洋紡社製)、ヘモグロビンB-テスト ワコー(ヘモグロビン濃度測定用キット;和光純薬工業社製)。
【0045】
〔実施例1〕 部位特異的アミノ酸置換導入による糖化ヘモグロビンオキシダーゼ活性を有する蛋白質の造成
寄託番号FERM BP-11026として寄託されている糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-9発現大腸菌株XL1-Blue MRF'株を、50mg/L アンピシリンを含有したLB培地 3mLに植菌し、37℃で終夜振盪培養した。培養液を8,000 rpm、2分間遠心分離することにより菌体を集めた。得られた菌体から、Promega社製「Wizard Plus SV Minipreps DNA Purification」を使用し、配列番号2で表わされるアミノ酸配列を有する糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-9を発現する、配列番号36で表わされる塩基配列からなるDNAを含む発現プラスミドpTrc-FPOX-9を抽出した。
【0046】
国際公開公報2010/041715号パンフレットに記載された方法を用いて、pTrc-FPOX-9から、配列番号35で表わされる塩基配列からなるDNAを含むpTrc-FPOX-15を作製し、これを大腸菌DH5α株に形質転換することにより、配列番号1で表わされるアミノ酸配列を有する糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-15発現大腸菌株を作製した。当該菌株を、50mg/L アンピシリンを含有したLB培地 3 mLに植菌し、37℃で終夜振盪培養した。培養液を8,000 rpmで2分間遠心分離することにより、菌体を集めた。得られた菌体から、Promega社製「Wizard Plus SV Minipreps DNA Purification」を使用してFPOX-15発現プラスミドpTrc-FPOX-15を抽出した。
【0047】
pTrc-FPOX-15をテンプレートDNAとし、変異の標的とするアミノ酸のコドンを、置換するアミノ酸に対応するコドンに入れ替えたプライマー、及び、東洋紡社製PCR用キットDNA polymerase「KOD-plus」を用いて、当該キットのプロトコルに基づき、以下の試薬組成及びPCR条件の下でPCRを行い、PCR産物(変異を含む発現プラスミド)を得た。なお、PCR反応においては、テンプレートDNA、フォワードプライマー及びリバースプライマーをそれぞれ、反応液中の濃度が1〜2 mg/L、0.3μmol/L及び0.3μmol/Lとなる濃度で用いた。
【0048】
(試薬組成)
・反応バッファー
・テンプレートDNA 1〜2 ng/μL
・フォワードプライマー 0.3 μmol/L
・リバースプライマー 0.3 μmol/L
・dNTP 混合液 各0.2 mmol/L
・MgSO
4 1 mmol/L
・DNA ポリメラーゼ 0.02 U/μL
・滅菌水添加により、50 μLとした。
(PCR条件)
1. 94℃ 2分
2. 98℃ 15秒
3. 60℃ 30秒
4. 68℃ 6分
5. 2〜4の繰り返し(全30サイクル)
6. 68℃ 10分
【0049】
PCR産物50 μLにニューイングランドバイオラボ社製「制限酵素Dpn I」1μLを添加し、37℃、1時間インキュベートすることでテンプレートDNAを分解した。当該制限酵素処理したPCR産物をPromega社製「Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System」を用いて精製し、一部試料を用いて東洋紡社製の大腸菌コンピテントセル「Competent high DH5α」に形質転換した。50 mg/L アンピシリンを含有したLB寒天培地上に生育したコロニーを選択し、Promega社製「Wizard Plus SV Minipreps DNA Purification」を使用してプラスミドを抽出し、DNAシークエンサーで配列解析することにより、目的としたアミノ酸置換が導入されたクローンを選択した。配列解析には、pTrc99aベクター(4,176-bp、ジーイーヘルスケアバイオサイエンス社製)のマルチクローニングサイト直前、直後の塩基配列を反映した配列番号69、70でそれぞれ表わされる塩基配列からなるDNAを有するプライマー及び、配列番号35で表わされる塩基配列を有するFPOX-15の塩基配列のうち530〜548番目の塩基配列である、配列番号71で表わされる塩基配列からなるDNAを有するプライマーを使用した。
【0050】
上記の方法により、pTrc-FPOX-15発現プラスミドに、表1に示す各部位特異的アミノ酸置換を導入し、糖化ヘモグロビンオキシダーゼを造成した。No.1〜19のそれぞれの部位特異的アミノ酸置換は、併記した配列番号で表わされる塩基配列からなるDNAを有するプライマー対を使用して実施した。
【0051】
【表1】
【0052】
pTrc-FPOX-15に表1のNo.1〜4の部位特異的アミノ酸置換を段階的に導入することにより、配列番号3で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18Aを発現するプラスミドpTrc-FPOX-18Aを造成した。pTrc-FPOX-18Aには、配列番号37で表わされる、FPOX-18Aをコードする塩基配列からなるDNAが含まれている。pTrc-FPOX-15に表1のNo.1〜3及びNo.5の部位特異的アミノ酸置換を段階的に導入することにより、配列番号4で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18B発現プラスミドpTrc-FPOX-18Bを造成した。pTrc-FPOX-18Bには、配列番号38で表わされる、FPOX-18Bをコードする塩基配列からなるDNAが含まれている。pTrc-FPOX-18Bに表1のNo.6の部位特異的アミノ酸置換を導入することにより、配列番号5で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18C発現プラスミドpTrc-FPOX-18Cを造成した。pTrc-FPOX-18Cには、配列番号39で表わされる、FPOX-18Cをコードする塩基配列からなるDNAが含まれている。pTrc-FPOX-18Bに表1のNo.7の部位特異的アミノ酸置換を導入することにより、配列番号6で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-18D発現プラスミドpTrc-FPOX-18Dを造成した。pTrc-FPOX-18Dには、配列番号40で表わされる、FPOX-18Dをコードする塩基配列からなるDNAが含まれている。pTrc-FPOX-18Dに表1のNo.8の部位特異的アミノ酸置換を導入することにより、配列番号7で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-19発現プラスミドpTrc-FPOX-19を造成した。pTrc-FPOX-19には、配列番号41で表わされる、FPOX-19をコードする塩基配列からなるDNAが含まれている。pTrc-FPOX-19に表1のNo.9の部位特異的アミノ酸置換を導入することにより、配列番号8で表わされるアミノ酸配列を有するFPOX-20発現プラスミドpTrc-FPOX-20を造成した。pTrc-FPOX-20には、配列番号42で表わされる、FPOX-20をコードする塩基配列からなるDNAが含まれている。
【0053】
さらに、pTrc-FPOX-19をテンプレートとし、表2に記載されるように、表1のNo.10〜19の部位特異的変異を組み合わせで段階的に導入、蓄積することにより、配列番号9〜34で表されるアミノ酸配列をそれぞれ有する変異体FPOX-21〜FPOX-46をコードする塩基配列からなるDNAを含む発現プラスミドpTrc-FPOX-21〜pTrc-FPOX-46の各プラスミドを造成した。
【0054】
【表2】
【0055】
上記の32種類の糖化ヘモグロビンオキシダーゼ発現プラスミド、すなわち、pTrc-FPOX-18A、pTrc-FPOX-18B、pTrc-FPOX-18C、pTrc-FPOX-18D、及び、pTrc-FPOX-19〜pTrc-FPOX-46の各プラスミドを大腸菌DH5α株に導入して形質転換し、形質転換体である各糖化ヘモグロビンオキシダーゼ発現大腸菌株を作製した。
【0056】
上記で得られた糖化ヘモグロビンオキシダーゼ発現大腸菌株のうち、FPOX-19、FPOX-20、FPOX-32及びFPOX-42の各蛋白質発現大腸菌株を用い、国際公開第2010/041715号公報記載の糖化ペプチドオキシダーゼの発現、精製方法に従い、糖化ヘモグロビンオキシダーゼを精製し、本発明の糖化ヘモグロビンの測定方法に使用した。
なお、精製糖化ヘモグロビンオキシダーゼにおける蛋白質濃度を、糖化ヘモグロビンオキシダーゼが有するFADに基づき、以下の方法により決定した。
【0057】
先ず、糖化ペプチドオキシダーゼFPOX-CE(キッコーマン社製)を、10 mmol/L リン酸緩衝液(pH7.0)を用いて希釈し、0.7、1.4、2.8、5.6及び11.2 mg/mLの各濃度のFPOX-CE溶液を調製した。調製した各濃度のFPOX-CE溶液について、GEヘルスケア社製分光光度計「Ultrospec 2100 pro」を用いて452 nm(主波長)/600 nm(副波長)での吸光度を測定し、FPOX-CE濃度と吸光度との間の関係を示す検量線を作成した。次いで、試料として、前述のFPOX-CEの代わりに、精製糖化ヘモグロビンオキシダーゼを用いる以外は同様の方法により、精製蛋白質の吸光度を測定した。測定により得られた吸光度を前記の検量線に照らし合わせることにより、精製糖化ヘモグロビンオキシダーゼにおける蛋白質濃度を決定した。
【0058】
〔実施例2〕本発明の糖化ヘモグロビン測定方法と、HPLC法(KO500法)及びヘモグロビン-SLS法とを用いる糖化ヘモグロビン測定方法との相関性
酵素として、実施例1で得られたFPOX-19、FPOX-20、FPOX-32及びFPOX-42を用いて、検体として、HPLC法(KO500法)及びヘモグロビン-SLS法によりHbA1c濃度が決定されているヒト血球由来溶血試料を用いて、以下の試薬及び測定手順により各試料に対する吸光度変化を測定した。なお、ヘモグロビン-SLS法によるヘモグロビン濃度の測定においては、ヘモグロビンB-テスト ワコー(和光純薬工業社製)を使用した。
【0059】
(活性測定用試薬)
A液: 0.1 mol/L MOPS緩衝液(pH6.8)
B液: 24 mmol/L DA-67のDMF溶液
C液: 1 kU/L パーオキシダーゼの10mmol/L リン酸緩衝液(pH7.0)溶液
D液: ヒト血球由来溶血試料[ヘモグロビン濃度が10 mg/mLで、HPLC法(KO500法)とヘモグロビン-SLS法からHbA1c濃度が9.8、11.1、12.3、13.3、14.5、15.4、17.9、23.3 μmol/Lと値付けされているもの。]
E液: 5 g/L ヨウ素酸カリウム及び50%(v/v)アンヒトール20Nの水溶液
F液: 40mg/mL 糖化ヘモグロビンオキシダーゼ(FPOX-19、FPOX-20、FPOX-32及びFPOX-42の各変異体)の10 mmol/L リン酸緩衝液(pH7.0) 溶液
【0060】
(測定手順)
(i)D液40 μLにE液4 μLを混合し、37℃にて10分間インキュベートした。
(ii)A液10 mLにB液12.6 μL、C液 35 μLを添加した溶液を、1試料当たり190 μLずつ96穴マイクロプレートの各ウェルに分注した後、D液とE液の混合液40μL、F液20μLを加えて混合し、37℃で60分間反応させた。
全自動マイクロプレートEIA分析装置(AP-96、協和メデックス社製)により、反応前の溶液の660 nm(主波長)/750 nm(副波長)における吸光度Abs
(反応前)及び反応後の660 nm(主波長)/750 nm(副波長)における吸光度Abs
(反応後)を測定した。吸光度Abs
(反応後)から吸光度Abs
(反応前)を差し引いて、反応吸光度変化Δ'Abs
(反応)とした。
【0061】
HbA1c濃度が既知である2つのヒト血球由来溶血試料(ヘモグロビン濃度が10 mg/mLで、HbA1c濃度がそれぞれ9.82μmol/L、24.2μmol/Lである試料)を用いて同様の測定を行い、HbA1c濃度と反応吸光度変化Δ'Abs
(反応)との間の関係を示す検量線を作成した。
各ヒト血球由来溶血試料に対する反応吸光度
変化Δ'Abs
(反応)を前記の検量線に照らし合わせることにより、各ヒト血球由来溶血試料におけるHbA1c濃度を決定した。このようにして決定したHbA1c濃度を、HPLC法(KO500法)及びヘモグロビン-SLS法を用いる対照法により決定されたHbA1c濃度と比較した。
【0062】
図1〜
図4に示すように、本発明の測定方法により決定されたHbA1c濃度と、HPLC法(KO500法)及びヘモグロビン-SLS法を用いる対照法により決定されたHbA1c濃度との間に良好な相関性が認められた。従って、本発明の測定方法により、試料中のHbA1cを測定できることが分かった。
【配列表フリーテキスト】
【0064】
配列番号1−人工配列の説明:FPOX-15のアミノ酸配列
配列番号2−人工配列の説明:FPOX-9のアミノ酸配列
配列番号3−人工配列の説明:FPOX-18Aのアミノ酸配列
配列番号4−人工配列の説明:FPOX-18Bのアミノ酸配列
配列番号5−人工配列の説明:FPOX-18Cのアミノ酸配列
配列番号6−人工配列の説明:FPOX-18Dのアミノ酸配列
配列番号7−人工配列の説明:FPOX-19のアミノ酸配列
配列番号8−人工配列の説明:FPOX-20のアミノ酸配列
配列番号9−人工配列の説明:FPOX-21のアミノ酸配列
配列番号10−人工配列の説明:FPOX-22のアミノ酸配列
配列番号11−人工配列の説明:FPOX-23のアミノ酸配列
配列番号12−人工配列の説明:FPOX-24のアミノ酸配列
配列番号13−人工配列の説明:FPOX-25のアミノ酸配列
配列番号14−人工配列の説明:FPOX-26のアミノ酸配列
配列番号15−人工配列の説明:FPOX-27のアミノ酸配列
配列番号16−人工配列の説明:FPOX-28のアミノ酸配列
配列番号17−人工配列の説明:FPOX-29のアミノ酸配列
配列番号18−人工配列の説明:FPOX-30のアミノ酸配列
配列番号19−人工配列の説明:FPOX-31のアミノ酸配列
配列番号20−人工配列の説明:FPOX-32のアミノ酸配列
配列番号21−人工配列の説明:FPOX-33のアミノ酸配列
配列番号22−人工配列の説明:FPOX-34のアミノ酸配列
配列番号23−人工配列の説明:FPOX-35のアミノ酸配列
配列番号24−人工配列の説明:FPOX-36のアミノ酸配列
配列番号25−人工配列の説明:FPOX-37のアミノ酸配列
配列番号26−人工配列の説明:FPOX-38のアミノ酸配列
配列番号27−人工配列の説明:FPOX-39のアミノ酸配列
配列番号28−人工配列の説明:FPOX-40のアミノ酸配列
配列番号29−人工配列の説明:FPOX-41のアミノ酸配列
配列番号30−人工配列の説明:FPOX-42のアミノ酸配列
配列番号31−人工配列の説明:FPOX-43のアミノ酸配列
配列番号32−人工配列の説明:FPOX-44のアミノ酸配列
配列番号33−人工配列の説明:FPOX-45のアミノ酸配列
配列番号34−人工配列の説明:FPOX-46のアミノ酸配列
配列番号35−人工配列の説明:FPOX-15のDNA
配列番号36−人工配列の説明:FPOX-9のDNA
配列番号37−人工配列の説明:FPOX-18AのDNA
配列番号38−人工配列の説明:FPOX-18BのDNA
配列番号39−人工配列の説明:FPOX-18CのDNA
配列番号40−人工配列の説明:FPOX-18DのDNA
配列番号41−人工配列の説明:FPOX-19のDNA
配列番号42−人工配列の説明:FPOX-20のDNA
配列番号43−人工配列の説明:FPOX-21のDNA
配列番号44−人工配列の説明:FPOX-22のDNA
配列番号45−人工配列の説明:FPOX-23のDNA
配列番号46−人工配列の説明:FPOX-24のDNA
配列番号47−人工配列の説明:FPOX-25のDNA
配列番号48−人工配列の説明:FPOX-26のDNA
配列番号49−人工配列の説明:FPOX-27のDNA
配列番号50−人工配列の説明:FPOX-28のDNA
配列番号51−人工配列の説明:FPOX-29のDNA
配列番号52−人工配列の説明:FPOX-30のDNA
配列番号53−人工配列の説明:FPOX-31のDNA
配列番号54−人工配列の説明:FPOX-32のDNA
配列番号55−人工配列の説明:FPOX-33のDNA
配列番号56−人工配列の説明:FPOX-34のDNA
配列番号57−人工配列の説明:FPOX-35のDNA
配列番号58−人工配列の説明:FPOX-36のDNA
配列番号59−人工配列の説明:FPOX-37のDNA
配列番号60−人工配列の説明:FPOX-38のDNA
配列番号61−人工配列の説明:FPOX-39のDNA
配列番号62−人工配列の説明:FPOX-40のDNA
配列番号63−人工配列の説明:FPOX-41のDNA
配列番号64−人工配列の説明:FPOX-42のDNA
配列番号65−人工配列の説明:FPOX-43のDNA
配列番号66−人工配列の説明:FPOX-44のDNA
配列番号67−人工配列の説明:FPOX-45のDNA
配列番号68−人工配列の説明:FPOX-46のDNA
配列番号69−人工配列の説明:pTrc-F1プライマー
配列番号70−人工配列の説明:pTrc-Rプライマー
配列番号71−人工配列の説明:pTrc-F2プライマー
配列番号72−人工配列の説明:R61S-Fプライマー
配列番号73−人工配列の説明:R61S-Rプライマー
配列番号74−人工配列の説明:R63A-Fプライマー
配列番号75−人工配列の説明:R63A-Rプライマー
配列番号76−人工配列の説明:L62G-Fプライマー
配列番号77−人工配列の説明:L62G-Rプライマー
配列番号78−人工配列の説明:Y71C-Fプライマー
配列番号79−人工配列の説明:Y71C-Rプライマー
配列番号80−人工配列の説明:Y71S-Fプライマー
配列番号81−人工配列の説明:Y71S-Rプライマー
配列番号82−人工配列の説明:D115N-Fプライマー
配列番号83−人工配列の説明:D115N-Rプライマー
配列番号84−人工配列の説明:D115R-Fプライマー
配列番号85−人工配列の説明:D115R-Rプライマー
配列番号86−人工配列の説明:M108K-Fプライマー
配列番号87−人工配列の説明:M108K-Rプライマー
配列番号88−人工配列の説明:L75A-Fプライマー
配列番号89−人工配列の説明:L75A-Rプライマー
配列番号90−人工配列の説明:L75F-Fプライマー
配列番号91−人工配列の説明:L75F-Rプライマー
配列番号92−人工配列の説明:S34T-Fプライマー
配列番号93−人工配列の説明:S34T-Rプライマー
配列番号94−人工配列の説明:Y52H-Fプライマー
配列番号95−人工配列の説明:Y52H-Rプライマー
配列番号96−人工配列の説明:I57V-Fプライマー
配列番号97−人工配列の説明:I57V-Rプライマー
配列番号98−人工配列の説明:P66H-Fプライマー
配列番号99−人工配列の説明:P66H-Rプライマー
配列番号100−人工配列の説明:D95E-Fプライマー
配列番号101−人工配列の説明:D95E-Rプライマー
配列番号102−人工配列の説明:K105R-Fプライマー
配列番号103−人工配列の説明:K105R-R1プライマー
配列番号104−人工配列の説明:K105R-R2プライマー
配列番号105−人工配列の説明:K108R-Fプライマー
配列番号106−人工配列の説明:K108R-Rプライマー
配列番号107−人工配列の説明:A355S-Fプライマー
配列番号108−人工配列の説明:A355S-Rプライマー