(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、小型化や多ピン化傾向により、半導体素子自体が小さく、かつ、多ピン化になるに従い、電極間のピッチが狭くなっている。これに伴い、リード部の先端形状も、隣接するリード部に接触しないように、また、リード部の内部端子部が半導体素子自体に接触しないように、バンプの大きさと、内部端子部を含むリード部の先端形状の大きさがほぼ同等となるような要求がなされてきている。
【0008】
また、内部端子部の接続のためのめっき層は、特許文献1に記載されているように、従来はリード部全体を覆う形態であったが、バンプの濡れ広がりを最小限にとどめるため、内部端子部のみをめっき領域とした部分めっきになってきている。これは、貴金属めっきの範囲を減少させることで、コストダウンにも繋がっている。
【0009】
しかしながら、リードフレームの加工上、めっき工程とリード加工工程は別工程であり、同じ大きさで設定したとしても、加工ズレが生じ得る。かかる加工ズレに起因し、めっき層の下側にリードフレームの金属材が存在しない現象が発生した場合、金属材がない部分のめっき層が脱落する不具合が発生する。このため、リード部の先端形状は、少なくともバンプの大きさより、加工ズレ量である0.02mm〜0.05mm程度大きく形成し、めっき層の脱落を防止していたが、コストアップに繋がるとともに、小型化、多ピン化に十分対応できないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記状況を鑑みなされたもので、フリップチップ実装に適し、チップサイズの小型化、多ピン化が可能で、かつ、低コスト化が可能なリードフレーム及び半導体装置、並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るリードフレームは、表面側に半導体素子を実装可能な半導体素子実装領域を有する半導体素子実装用のリードフレームであって、
外側から前記半導体素子実装領域に向かって延び、表面側の所定の先端領域に半導体素子をフリップチップ接続可能な内部端子部を有するリード部と、
該リード部の前記内部端子部
の先端に形成された凹部と、
該凹部の内面に形成され、一部が前記
先端の前記
凹部の断面よりも水平方向に突出して
裏面が露出しためっき層と、を有する。
【0012】
本発明の他の態様に係る半導体装置は、前記リードフレームと、
該リードフレームの前記半導体素子実装領域に搭載された半導体素子と、
該半導体素子の電極と前記内部端子部とを接続するバンプと、
該半導体素子、該接続手段及び前記リード部の上面及び側面を封止する樹脂と、を有する。
【0013】
本発明の他の態様に係るリードフレームの製造方法は、金属板の表面に凹部を形成する工程と、
該凹部の表面上にめっき層を形成する工程と、
該めっき層の
裏面の一部が露出するように前記金属板の所定領域を貫通除去し、前記めっき層
の露出部分が
先端に配置されるようにリード部を形成する工程と、を有する。
【0014】
本発明の他の態様に係る半導体装置の製造方法は、前記リードフレームの製造方法により製造されたリードフレームの前記めっき層上にバンプを形成する工程と、
該バンプを介して半導体素子を前記リード部の表面上にフリップチップ実装する工程と、
該半導体素子、該バンプ及び前記リード部の上面及び側面を樹脂で封止する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、チップサイズの小型化、多ピン化、及び低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示す図である。
図1(a)は本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示す断面図である。
図1(b)は本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の一例の断面図である。
【
図3】リード部の内部端子部の先端領域の凹部及びめっき層の形状の一例を示した図である。
図3(a)は、リード部の内部端子部の先端領域の凹部及びめっき層の形状の一例を示した斜視図である。
図3(b)は、実際に作製したリードフレームのめっき層の構成を示した図である。
【
図4】
図3とは異なる形状を有する凹部及びめっき層の形状の一例を示した図である。
図4(a)は、リード部の内部端子部の先端領域の凹部及びめっき層の形状の一例を示した斜視図である。
図4(b)は、実際に作製したリードフレームのめっき層の構成を示した図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る半導体素子実装用のリードフレームの製造方法の一例の前半の一連の工程を示した図である。
図5(a)は、金属板用意工程の一例を示した図である。
図5(b)は、凹部用レジストマスク形成工程の一例を示した図である。
図5(c)は、凹部エッチング工程の一例を示した図である。
図5(d)は、凹部めっき工程の一例を示した図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る半導体素子実装用のリードフレームの製造方法の一例の後半の一連の工程を示した図である。
図6(a)は、凹部用レジスト剥離工程の一例を示した図である。
図6(b)は、リード部用レジスト形成工程の一例を示した図である。
図6(c)は、リード部エッチング工程の一例を示した図である。
図6(d)は、リード部用レジスト剥離工程の一例を示した図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例の一連の工程を示した図である。
図7(a)は、バンプ形成工程の一例を示した図である。
図7(b)は、半導体素子実装工程の一例を示した図である。
図7(c)は、樹脂封止工程の一例を示した図である。
図7(d)は、個片化工程の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0018】
[リードフレーム及び半導体装置]
図1は、本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示す図である。
図1(a)は本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示す断面図である。
図1(b)は本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示す平面図である。
【0019】
図1(b)に示されるように、本実施形態に係るリードフレーム50は、半導体素子を実装可能な半導体素子実装領域11を有する。半導体素子実装領域11の周縁部付近には、リード部20を配置している。リード部20は、外側から半導体素子実装領域11に向かって延び、半導体素子実装領域11に重なる領域まで延びている。リード部20は、半導体素子を実装可能な先端部が細くなった内部端子部21を有し、更に半導体実装領域11と重なった先端領域24とを表面側に有する。
【0020】
また、
図1(a)に示されるように、リード部20は、裏面側には外部機器と接続するための外部端子部22を有し、表面側には半導体素子の電極を接続するための内部端子部21を有している。内部端子部21の先端領域24には凹部30が形成され、かつ凹部30の内面にはめっき層40が設けられている。また、リード部20は、中央の半導体素子実装領域11を囲むように複数設けられる。
【0021】
次に、
図2を用いて、本実施形態に係るリードフレームを使用した半導体装置について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る半導体装置の一例の断面図である。
【0022】
図2に示すように、本発明の実施形態に係る半導体装置100は、半導体素子60が、半導体素子60の電極61とリード部30の内部端子部21の凹部30とをフリップチップ方式にて、バンプ70等を介して接続されている。また、半導体素子60及びバンプ70等の接続手段、リード部30の内部端子部21を含めて全体が樹脂80により封止されている。なお、リード部20の底面は、封止樹脂80より露出しており、外部機器とはんだ合金等で接続される外部端子部22として構成されている。なお、外部端子部22にはめっき層を形成してもよい。
【0023】
次に、本発明の実施形態に係るリードフレームの特徴について説明する。本発明の実施形態に係るリードフレームの特徴は、内部端子部21のめっき層40が凹部形状を有し、リード部20の断面23よりはみ出して外側に突出していることである。
【0024】
以下、この点について詳細に説明する。本リードフレーム50のリード部20の先端には凹部30を形成し、凹部30の内面にめっき層40を形成した。また、そのめっき層40の一部はリード部20の断面23からはみ出して突出している。これは、めっきの種類やめっきの厚さ、及びめっきの形状等を検討することで、めっき層40の一部が、リード部20の断面23より突出してもめっき層40が脱落しなく、かつ、フリップチップボンディングを行うことも可能である。
【0025】
内部端子部21には、凹部30を形成する。凹部30の加工方法は特に限定はないが、エッチング加工にて形成されることが好ましい。エッチング加工で形成した場合、凹部30の縦断面形状は中央部が深い緩やかな曲線状となる。従来、めっき層40は、平面上にめっき加工していたため、めっき部の下面にリード部の金属が無いと、その部分からめっき層40が折れて脱落しやすい状態になり易かった。めっき層40を凹部形状にすることで、形状効果より強度が増加する。また、めっきの種類、めっきの厚さと組み合わせることにより、めっき層40の折れや脱落を防止できる。
【0026】
内部端子部21の凹部30の大きさは、特に限定はないが、はんだボール等バンプを搭載する大きさである。凹部30の直径は、一般的にはφ0.1mm〜φ0.3mmである。凹部30の深さは、0.005mm以上0.05mm以内である。凹部30の深さが0.005mm未満では、凹部30の内側に形成するめっき層40の厚みにもよるが、凹部30の形状効果が少なく、めっき層40が折れて脱落し易くなる。凹部30の深さが0.05mmを超えると、はんだバンプ等が隠れてしまい、リード部20と半導体素子が接触するリスクが高くなる。凹部30の深さは、好ましくは、0.01mm〜0.03mmである。
【0027】
凹部30の内側にはめっき層40を形成する。このめっき層40は、半導体素子の電極とリード部20とをはんだバンプ等で接続するために形成されるめっき層40である。このため、はんだあるいはAuと接合性の良い貴金属が良い。また、めっき層40は、リード部20の断面23の形状より外側に突出して露出した形状でも良い。このため、めっき層40自体はある程度の強度が必要である。そこで、薄膜でも強度があるNiめっきを用いることが好ましい。上述の条件を満足するようにめっきの種類を選定する。例えば、凹部30の表面から順に、高強度のNiめっき層、Pdめっき層、表面層ははんだ合金と接合性の良いAuめっき層を積層形成した3層の積層めっき層でも良い。また、例えば、Niめっき層、Pdめっき層、Auめっき層、Agめっき層の4層の積層めっき層でも良い。当然、Niめっき層、Auめっき層、Agめっき層、Pdめっき層等の単層めっきでも良い。但し、この場合は、前述したようにある程度の強度と接合性が必要であり、各めっきの種類に応じてめっきの厚さを調整することが好ましい。
【0028】
強度を確保するためにNiめっきを選定した場合には、めっき層40の厚さは、5μm〜20μmとすることが好ましい。めっき層40の厚さが5μm未満の場合、強度が不足して、めっき層40が折れて脱落しやすくなる。めっき層40の厚さが20μmを超える場合、めっき工程の生産性が悪化する。また、この上層に接続用の貴金属めっきを行うことが好ましい。例えば、Pdめっき層のめっき厚さを0.01μm〜0.1μm、Auめっき層のめっき厚さを0.01μm〜0.1μmとしも良い。接続を目的とするめっき層40の厚さについては特に限定はない。
【0029】
上述のめっき層40は、
図1(b)に示すように、リード部20の断面23よりも外側(先端側)に突出している。この突出の量は、凹部30の平面形状の大きさの1/3以内である。これは、種々のバンプの接合方法に対応可能とするためである。即ち、バンプの接合方法には、いくつかの種類がある。例えば、加熱してバンプを溶解して接合する方法や、あるいは、特許文献1に記載されているように、熱圧着または超音波併用熱圧着等の方法がある。溶解接続方法は、内部端子部21に加わる力は小さく問題ないが、後者は、圧着するため、圧力がある程度加わる。この場合には、下側にめっき層40を支持する金属部がなく、めっき層40が存在するだけでは、めっき層40が折れて脱落するため、めっき層40の突出量を、凹部30を上面視した平面形状の大きさの1/3以内に抑えることで、加圧する力は金属部を有する凹部30の中央付近で行われ、突出するめっき層40は溶解したバンプの受けとなる。
【0030】
図3は、リード部20の内部端子部21の先端領域24の凹部30及びめっき層40の形状の一例を示した図である。
図3(a)は、リード部20の内部端子部21の先端領域24の凹部30及びめっき層40の形状の一例を示した斜視図であり、
図3(b)は、実際に作製した
図3(a)の構成のリード部を有するリードフレームのめっき層を示した写真である。
【0031】
図3(a)に示されるように、めっき層40は、皿状型の窪み形状で、円形の平面形状を有するように構成されてもよい。
【0032】
また、バンプの種類をはんだバンプに限定し、半導体素子を搭載した時、加熱のみで熱圧着や超音波併用圧着等加圧しない場合には、リード部20の断面23からの突出は、凹部30の平面形状の大きさの1/3を超えてもよい。Niめっき層の厚さは、10μm〜20μmが好ましい。形状は、円形よりも楕円形等細長くし、めっき層40がリード部20の先端等の端部から突出する形状にしてもよい。このような場合、凹部30は、めっき層40のみではんだバンプを保持できるため、リード部20の先端領域24の形状をより狭くすることができ、より多ピン化、小型化が可能となる。
【0033】
図3(b)には、実際に作製したリードフレーム50のめっき層40の構成が写真で示されており、リード部20の先端からめっき層40が突出してはみ出した形状を作製可能なことが示されている。
【0034】
図4は、
図3とは異なる形状を有する凹部30a及びめっき層40aの形状の一例を示した図である。上記バンプの種類をはんだバンプに限定し時の凹部30a及びめっき層40aの一例である。
図4(a)は、リード部20aの内部端子部21aの先端領域24aの凹部30a及びめっき層40aの形状の一例を示した斜視図であり、
図4(b)は、実際に作製した
図4(a)のリード部の構成を有するリードフレームのめっき層を示した写真である。
【0035】
図4(a)に示されるように、めっき層40aは、リード部20aの先端から大きく突出しており、突出量は、凹部30aの平面形状の1/3を超えており、1/2近くまで突出している。
【0036】
上述のように、半導体素子60の実装時に熱圧又は超音波併用熱圧着等を用いず、バンプ70が加圧されない場合には、めっき層40aは、凹部30aの平面形状の大きさの1/3を超えてリード部20aからはみ出していてもよい。
【0037】
このように、凹部30、30a及びめっき層40、40aの形状は、用途に応じて種々の形状とすることができる。
【0038】
なお、
図4(b)には、実際に作製したリードフレーム50のめっき層40の構成が写真で示されており、リード部20の先端からめっき層40が大幅に突出してはみ出した形状を作製可能なことが示されている。
【0039】
上述の構成により、めっき層40をリード部20の断面23の形状より突出させてはみ出させることが可能となり、従来、めっき加工とエッチング加工の加工ずれによるめっき層の折れや脱落を防止するため、内部端子部21上のバンプ形成部より0.02mm〜0.05mm程度先端形状を大きく設定していたが、これをほぼ、同一の大きさに設定することが可能となった。
【0040】
また、これに伴い、0.02mm〜0.05mm程度、半導体素子の電極間隔を小さくすることが可能となり、半導体素子の小型化にも効果がある。
【0041】
更に、バンプの形状とリード部20の先端領域24の形状をほぼ同一にすることで、リード部20の他の隣接するリード部20あるいは内部端子部21の先のリード部20の先端領域24が半導体素子と接触するリスクを最小限に抑えることもできる。
【0042】
本発明の半導体装置の特徴は、
図1に示したリードフレーム50で説明した様に、リード部20の内部端子部21の先端領域24の端部に凹部30が形成され、凹部30の内側の面にめっき層40が形成され、めっき層40の一部がリード部20の断面23より外側に突出していることである。
【0043】
内部端子部21のバンプ形成部に凹部30を形成していることで、バンプ70の形成時、はんだバンプ等が中央部に集まりやすく、バンプ70の位置出しが容易になった。また、凹部30に構成されていることで、余分なはんだが凹部30以外に濡れ広がるのを防止でき、隣接リード等とショートするリスクを減らすことが出来る。
[リードフレームの製造方法]
次に、
図5及び
図6を参照して本発明の実施形態に係る半導体素子実装用のリードフレームの製造方法について説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る半導体素子実装用のリードフレームの製造方法の一例の前半の一連の工程を示した図である。
【0044】
図5(a)は、金属板用意工程の一例を示した図である。
図5(a)に示されるように、本発明の実施形態に係る半導体素子実装用のリードフレームを製造するに当たり、まずは金属板10を用意する。使用する金属板10の材質は、リードフレーム材料であれば特に限定はないが、一般的にCu合金又はCuが使用される。
【0045】
図5(b)は、凹部用レジストマスク形成工程の一例を示した図である。凹部用レジストマスク形成工程では、詳細には、レジスト被覆、露光、現像を行い、凹部用のレジストマスク120を形成する。具体的には、まず、金属板10の表・裏面全体を、レジスト110で覆う。使用するレジスト110としては、ドライフィルムレジストのラミネート、又は液状レジストの塗布及び乾燥によるレジスト層の被覆等、従来からの公知の方法を用いて行うことができる。次に、露光では、前のレジスト被覆工程で金属板10の表・裏面にレジスト110を被覆した後、そのレジスト110上に、表面側には内部端子部21の凹部30となる位置に所望のパターンを形成する。裏面側には、全面を覆うパターンが形成されたマスク(紫外光遮蔽ガラスマスク)を被せ、露光を行う。
【0046】
現像では、マスクを除去してレジスト110を現像することにより、表面に凹部を形成する部分(未硬化部分)を除去して開口111を形成し、金属板10の表面を露出させる。これにより、硬化して残留したレジスト110と開口部111からなる凹部用のレジストマスク120が形成される。
【0047】
図5(c)は、凹部エッチング工程の一例を示した図である。
図5(c)に示されるように、形成したレジストマスク120を凹部エッチング用マスクとして、金属板10の表面上にエッチング加工を行い、凹部30を形成する。エッチング深さは0.005mm以上0.05mm以下で、好ましくは、0.01mm〜0.03mmである。
【0048】
図5(d)は、凹部めっき工程の一例を示した図である。
図5(d)に示されるように、形成したレジストマスク120を凹部めっき用マスクとして、金属板10の凹部30が形成された面にめっき加工を行い、凹部30の内側の面にめっき層40を形成する。めっきの種類は、特に限定はないが、薄膜でも強度があるNiめっきを用いることが好ましい。めっき層40の表面層には、接合性の良いAu等を用いることが好ましい。Niめっきを選定した場合は、めっき層40の厚さは5μm〜20μmである。
【0049】
図6は、本発明の実施形態に係る半導体素子実装用のリードフレームの製造方法の一例の後半の一連の工程を示した図である。
【0050】
図6(a)は、凹部用レジスト剥離工程の一例を示した図である。凹部用レジスト剥離工程では、硬化しているレジスト110を剥離する。これにより、金属板10の表面に凹部30が形成され、その凹部30の内面にめっき層40が形成された状態となる。
【0051】
図6(b)は、リード部用レジスト形成工程の一例を示した図である。リード部用レジスト形成工程では、詳細には、レジスト被覆、露光、現像を行い、リード部用レジストマスク121、122を形成する。
図5(d)で凹部30が形成された金属板10の表面及び金属板10の裏面全体を、レジスト112で被う。使用するレジスト112としては、ドライフィルムレジストのラミネート、又は液状レジストの塗布及び乾燥によるレジスト層の被覆等、従来からの公知の方法を用いて行うことができる。次に露光では、前のレジスト被覆で金属板10の表・裏面にレジスト112を被覆した後、表裏面側に、リード部形状を形成可能なように所定のパターンを形成する。なお、凹部30及びめっき層40は少なくともレジスト112で覆う。次に、パターンが形成されたマスク(紫外光遮蔽ガラスマスク)を被せ、露光を行う。
【0052】
現像では、マスクを除去してレジスト112を現像することにより、未硬化部分を除去して開口113を形成し、金属板10の表面を露出させる。これにより、硬化して残留したレジスト112と開口部113とからなるリード部用マスク121、122が形成される。
【0053】
図6(c)は、リード部エッチング工程の一例を示した図である。リード部エッチング工程では、
図6(b)で形成したリード部用レジストマスク121、122を使用し、金属板10をエッチング加工してリード部20を形成する。なお、エッチング液の種類によっては、金属板と同時に
図5(d)で形成しためっき層40を溶解する場合がある。この場合には、めっき層40は溶解せず、金属板10のみエッチングする選択エッチング液を使用する。あるいは、最初に金属板とめっき層を溶解するエッチング液でエッチングし、その後、めっき層40が含まれる範囲をエッチングする際に上述の選択エッチング液を使用する、いわゆる2段エッチング方法でエッチングを行ってもよい。
【0054】
図6(d)は、リード部用レジスト剥離工程の一例を示した図である。リード部めっき用レジスト剥離工程では、硬化しているレジスト112を剥離する。
【0055】
これにより、リードフレーム50が完成する。なお、必要に応じ、所定の寸法に切断しシート状にしても良い。また、必要に応じてリード部20の裏面の外部端子部に既存の方法によりめっき層を形成しても良い。
【0056】
このように、上述の各工程を順に経ることにより、本発明の実施形態に係るリードフレーム50が作製される。
【0057】
[半導体装置の製造方法]
次に、
図7を用いて、上述の製造方法によって作製されたリードフレーム50を用いて半導体装置100を製造する製造方法の一例について説明する。
図7は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例の一連の工程を示した図である。なお、
図7では、半導体素子60とリード部20の接続方法がフリップチップ方式である例について説明する。
【0058】
図7(a)は、バンプ形成工程の一例を示した図である。バンプ形成工程においては、リードフレーム50のリード部20の内部端子部21のめっき層40の表面上に、半導体素子60と接続するためのバンプ70を形成する。
【0059】
図7(b)は、半導体素子実装工程の一例を示した図である。半導体素子60の電極61は、
図7(a)で形成されたバンプ70に接続され、リード部20の内部端子部21の上側に半導体素子60が実装される。
【0060】
図7(c)は、樹脂封止工程の一例を示した図である。樹脂封止工程では、リードフレーム50の半導体素子60を実装した面全体を樹脂80により封止する。これにより、樹脂80よりリード部20の底面の外部端子部22のみが露出した半導体装置100が得られる。
【0061】
図7(d)は、個片化工程の一例を示した図である。最後に、個片化工程において、
図7(d)に示すように、所定の半導体装置100の寸法になるように切断し、半導体装置100を完成させる。
【実施例】
【0062】
以下、本発明の実施形態に係るリードフレーム及び半導体装置を作製した実施例について説明する。
【0063】
[実施例1]
金属板として板厚0.2mmのCu板(古河電気工業株式会社製:EFTEC64−T)を幅140mmの長尺板状に加工し、次に厚み0.05mmの感光性ドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ社製AQ−5038)をラミネートロールで、金属板の両面に貼り付けた。
【0064】
次に、半導体素子を実装する内部端子領域を凹部とする所望のパターンを形成したガラスマスクをドライフィルムレジストの上に被せ、紫外光で露光した。
【0065】
その後、炭酸ナトリウム溶液を用いて、紫外光の照射が遮られ、感光しなかった未硬化のドライフィルムレジストを溶かす現像処理を行った。
【0066】
次にレジスト層が除去された開口部の金属板の露出部表面をエッチングした。エッチング液としては、塩化第二鉄溶液を使用した。エッチング深さは、0.01mmとした。これにより、内部端子部に凹部が形成された。
【0067】
次に、エッチングにより形成された凹部に、Niめっきを10μm、Pdめっきを0.01μm、Auめっきを約0.003μmの順番にめっきを施した。その後、水酸化ナトリウム溶液でドライフィルムレジストを剥離した。これにより、金属板上にリード部の内部端子部に形成された凹部の内側の面上にめっき層を形成した。
【0068】
次に、再度、厚み0.05mmの感光性ドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ社製AQ−5038)をラミネートロールで、金属板の両面に貼り付けた。
【0069】
次に、リード部に該当する所望のパターンを形成したガラスマスクをドライフィルムレジストの上に被せ、紫外光で露光した。なお、内部端子部は、少なくとも一部がリード部形状と同一になるように設定した。
【0070】
その後、炭酸ナトリウム溶液を用いて、紫外光の照射が遮られ、感光しなかった未硬化のドライフィルムレジストを溶かす現像処理を行った。
【0071】
次にレジスト層が除去された開口部の金属板の露出部表面をエッチングした。エッチング液としては、塩化第二鉄溶液を使用した。この液により、めっき層が含まれず全体の75%をエッチング加工し、残り25%は、エッチング液を塩化アンモニウム溶液に変更して金属板のみをエッチングする選択エッチングを行った。
【0072】
これにより、リード部が形成された。また、内部端子接続部をリード部と形状と同一になるように設定した所は、リード部の断面よりめっき層の一部が突出してはみ出した形状となった。
【0073】
その後、所定寸法に切断することにより、本発明の実施例1に係るリードフレームを得た。
【0074】
次いで、作製したリードフレームの内部端子部の凹部30及びめっき層40上にフリップチップ用のバンプを形成した。次に、半導体素子の電極とバンプをフリップチップ方式にて実装し、半導体素子とリード部とを接続した。次に、半導体素子が実装されている面を樹脂で封止した。
【0075】
最後に、所定の半導体装置の寸法になるように切断し、半導体装置を完成させた。
【0076】
[実施例2]
実施例2は、実施例1において、内部端子接続部の深さを0.02mmとした設定で行った。その他は実施例1同様である。
【0077】
[比較例1]
比較例1は、実施例1において、凹部をエッチングする工程を削除し、次のめっき工程においては、Niめっきを2μm、Pdめっきを0.01μm、Auめっきを約0.003μmの順番にめっきを施した。その他は、実施例と同様である。
【0078】
各実施例のリードフレームにおいて、実体顕微鏡にて内部端子接続部のめっき層を確認した所、実施例1及び2については、めっき層がリード部の先端の断面より突出し、バンプ形成領域の形状を確保していた。これに対し、比較例では、一部のリード部において、めっき層の下側に金属板がない部分はめっき層が欠損しているリードが発見された。
【0079】
また、実施例1及び2について、半導体装置製作工程において、フリップチップ方式にて半導体素子を実装したが、その接合状況を顕微鏡にて確認を行った。特に不具合はなく良好であった。
【0080】
このように、本発明の実施形態及び実施例に係るリードフレーム及び半導体装置、並びにそれらの製造方法によれば、特にフリップチップ実装に適し、チップサイズの小型化、多ピン化が可能で、かつ、低コスト化が可能なリードフレーム、及び半導体装置並びにそれらの製造方法を提供することができる。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。