特許第6623498号(P6623498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623498
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】配管支持具
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/10 20060101AFI20191216BHJP
【FI】
   F16L3/10 Z
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-91873(P2018-91873)
(22)【出願日】2018年5月11日
(65)【公開番号】特開2019-196824(P2019-196824A)
(43)【公開日】2019年11月14日
【審査請求日】2018年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】591021958
【氏名又は名称】株式会社アカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 隆次郎
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−226479(JP,A)
【文献】 特開2007−215709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/00−3/26
A47B 97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面等の取付面に固定される台座の両端近傍から各1本の支持ボルトを起立させ、この2本の支持ボルト間に架け渡した支持バンドに配管を支持固定する構成の床置式配管支持具において、
前記台座の上面であって前記2本の支持ボルト間に、弾性を有すると共に縦長X字状に交差する線状材ないし棒状材から成る防振体が、X字状の交点部分を回転中心点として水平方向へ回動可能に回動軸部を介して取り付けられており、
前記防振体は、縦長X字状の4つの端部を下方に折り曲げられた折曲部を有し、前記台座には前記折曲部の各々が挿入可能な折曲部用透孔が設けられており、
前記折曲部の各々が台座の上面に位置する際は、各々の折曲部が前記折曲部用透孔に各々挿入され、
前記防振体の弾性に抗して該防振体の4つの端部側を上方に持ち上げて彎曲変形させることによって前記折曲部の各々を前記折曲部用透孔から抜き出し、該防振体を水平方向へ回動させて前記折曲部が台座の上面から外れた位置となった際に、該防振体が湾曲変形した状態から復帰することにより折曲部の下端が取付面に当接する構成であること、
を特徴とする床置式配管支持具。
【請求項2】
回動軸部が台座に螺合固定される構成であることを特徴とする請求項1に記載の床置式配管支持具。
【請求項3】
回動軸部が台座にカシメ固定される構成であることを特徴とする請求項1に記載の床置式配管支持具。
【請求項4】
防振体が、その縦長X字状の縦長方向が配管軸方向と一致した状態まで回動した際に、更なる回動を規制する突起部が台座上面に設けられた構成であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床置式配管支持具。
【請求項5】
近接して隣り合う2つの折曲部の下端同士が近接する水平方向に延伸して連結された状態に形成されることにより、この延伸して連結された部分が取付面に線接触する接地部と成る構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床置式配管支持具。
【請求項6】
接地部が、その少なくとも一部が丸曲げ加工され、この丸曲げ部分内に透孔が形成されており、該透孔を介して固定手段により取付面に防振体を固定することが可能な構成であることを特徴とする請求項5に記載の床置式配管支持具。
【請求項7】
接地部が、その一部が潰し加工され、この潰し部分に透孔が形成されており、該透孔を介して固定手段により取付面に防振体を固定することが可能な構成であることを特徴とする請求項5に記載の床置式配管支持具。
【請求項8】
折曲部用透孔が、取付面に台座を固定する際のボルト等の固定手段を挿通可能な構成であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の床置式配管支持具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床置式配管支持具に関し、詳しくは水道管等の配管類を床面や壁面等の取付面から一定の高さで且つ耐震ないし防振可能に支持する床置式配管支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
配管を床面や壁面等の取付面から一定の高さで配管を支持する床置式配管支持具において、耐震ないし防振対策を施す技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術等が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の技術によれば、支持ボルトに止着固定される止着固定部と台座の幅方向に延伸して取付面に接地する延伸支持部とを有する構成の転倒防止具によって、床置式配管支持具の耐震ないし防振を図ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−226479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献1に記載の技術では、転倒防止具の構成が複雑であるだけでなく床置式配管支持具とは別体構成であるため、長尺物の配管の支持に必要な個数を考慮すると、製造コストが高くなるだけでなく、部品管理・現場搬入が煩雑となり、更には現場での各床置式配管支持具への取付作業に手間がかかり作業性が低くなり易いという問題点を有している。
【0006】
そこで本発明の課題は、簡易な構成によって低コストで製造することができ、部品管理・現場搬入が容易であり、現場での取付作業が省略された耐震ないし防振可能な構成の床置式配管支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0008】
1.床面等の取付面に固定される台座の両端近傍から各1本の支持ボルトを起立させ、この2本の支持ボルト間に架け渡した支持バンドに配管を支持固定する構成の床置式配管支持具において、
前記台座の上面であって前記2本の支持ボルト間に、弾性を有すると共に縦長X字状に交差する線状材ないし棒状材から成る防振体が、X字状の交点部分を回転中心点として水平方向へ回動可能に回動軸部を介して取り付けられており、
前記防振体は、縦長X字状の4つの端部を下方に折り曲げられた折曲部を有し、前記台座には前記折曲部の各々が挿入可能な折曲部用透孔が設けられており、
前記折曲部の各々が台座の上面に位置する際は、各々の折曲部が前記折曲部用透孔に各々挿入され、
前記防振体の弾性に抗して該防振体の4つの端部側を上方に持ち上げて彎曲変形させることによって前記折曲部の各々を前記折曲部用透孔から抜き出し、該防振体を水平方向へ回動させて前記折曲部が台座の上面から外れた位置となった際に、該防振体が湾曲変形した状態から復帰することにより折曲部の下端が取付面に当接する構成であること、
を特徴とする床置式配管支持具。
【0009】
2.回動軸部が台座に螺合固定される構成であることを特徴とする上記1に記載の床置式配管支持具。
【0010】
3.回動軸部が台座にカシメ固定される構成であることを特徴とする上記1に記載の床置式配管支持具。
【0011】
4.防振体が、その縦長X字状の縦長方向が配管軸方向と一致した状態まで回動した際に、更なる回動を規制する突起部が台座上面に設けられた構成であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の床置式配管支持具。
【0012】
5.近接して隣り合う2つの折曲部の下端同士が近接する水平方向に延伸して連結された状態に形成されることにより、この延伸して連結された部分が取付面に線接触する接地部と成る構成であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の床置式配管支持具。
【0013】
6.接地部が、その少なくとも一部が丸曲げ加工され、この丸曲げ部分内に透孔が形成されており、該透孔を介して固定手段により取付面に防振体を固定することが可能な構成であることを特徴とする上記5に記載の床置式配管支持具。
【0014】
7.接地部が、その一部が潰し加工され、この潰し部分に透孔が形成されており、該透孔を介して固定手段により取付面に防振体を固定することが可能な構成であることを特徴とする上記5に記載の床置式配管支持具。
【0015】
8.折曲部用透孔が、取付面に台座を固定する際のボルト等の固定手段を挿通可能な構成であることを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載の床置式配管支持具。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に示す発明によれば、簡易な構成によって低コストで製造することができ、部品管理・現場搬入が容易であり、現場での取付作業が省略された耐震ないし防振可能な構成の床置式配管支持具を提供することができる。
【0017】
特に、台座に回動可能に取り付けられた防振体を取付面に取り付ける際に、簡単な治具・工具(ドライバー等)や手指によって防振体の両端側を持ち上げて該防振体を彎曲変形させることよって折曲部を折曲部用透孔から抜き出して防振体を回動させるだけで耐震・防振性を発揮させることができる。かかる構成によれば、回動前の防振体を略直線状態に保持しておくことができるので、該防振体の弾性強度を低下させることなく維持することができる。
更に、かかる構成は極めて簡易な構成であるため、低コストで製造することができ、しかも別体構成ではなく台座の上面に重層した状態で取り付けられた構成なので、床置式配管支持具と一緒に製品管理を行うことができるので、部品管理・現場搬入の際の手間等が増加することがない。更に、現場において床置式配管支持具に取り付ける作業が不要であるため作業性が低下することがない。
【0018】
また、防振体は弾性を有するX字状に交差する線状材ないし棒状材から形成されているため、極めて低コストで製造でき、しかも震動・振動を吸収して軽減する機能を有し、耐震ないし防振性を発揮することができる。
更に、防振体によって発揮される耐震ないし防振性は、台座を平板構成から成る板材から形成しても発揮されるため、コストアップを招くことなく提供することが可能である。
【0019】
請求項2に示す発明によれば、配管支持具の分野において極めて一般的な技術手段であるネジ・ボルト等による螺合によって回動可能に固定する構成のため、極めて低コストである。
【0020】
請求項3に示す発明によれば、配管支持具の分野において極めて一般的な技術手段であるカシメによって回動可能に固定する構成のため、極めて低コストである。
【0021】
請求項4に示す発明によれば、耐震ないし防振性が最も発揮される向きに防振体を固定することができる。
【0022】
請求項5に示す発明によれば、取付面に対する防振体の接地面積を増やすことができるので、耐震ないし防振性がより向上する。
【0023】
請求項6又は7に示す発明によれば、床置式配管支持具の取付面に対する固定をより強固にすることができるため、耐震ないし防振性を更に向上させることができる。
【0024】
請求項8に示す発明によれば、取付施工場所によっては台座の両端近傍に設けられている固定用透孔を用いてボルト固定することが困難な場合もあるが、その場合であっても折曲部を挿入していた折曲部用透孔を利用してボルト固定することが可能であるため、台座を固定する際の固定位置の融通性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る床置式配管支持具の一実施例を示す説明斜視図
図2図1の正面図(但し、防振体は台座上に重層した状態)
図3図2のIII−III線断面図
図4図3のIV−IV線端面図
図5図1の正面図(防振体を回動させた状態)
図6図5のVI−VI線断面図
図7図5のVII方向から見た右側面図
図8】防振体の他の実施例を示す斜視図
図9】防振体の他の実施例を示す部分斜視図
図10】防振体の他の実施例を示す部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
【0027】
本発明に係る床置式配管支持具は、1本又は2本以上のガス管・給水管・給湯管・回線保護管等の配管類を、天井面・壁面・床面等の取付面から一定の高さで耐震ないし防振性を発揮させた状態で支持固定するものである。
【0028】
本発明の床置式配管支持具1の具体的構成としては、図1図7に示す実施例によれば、
床面等の取付面7(図7に仮想線で示す。)に固定される台座2の両端近傍から各1本の支持ボルト3・3を起立させ、この2本の支持ボルト3・3間に架け渡した支持バンド4に配管を支持固定する構成において、
前記台座2の上面であって前記2本の支持ボルト3・3間に、弾性を有すると共に縦長X字状に交差する線状材ないし棒状材から成る防振体5がX字状の交点部分を回動中心点として水平方向に回動可能に回動軸部6を介して取り付けられており、
該防振体5は、縦長X字状の4つの端部を下方に折り曲げられた折曲部51・51・51・51を有し、前記台座2には前記折曲部51・51・51・51の各々が挿入可能な折曲部用透孔22・22・22・22が本実施例においては4つ設けられており、
前記折曲部51・51・51・51の各々が台座2の上面に位置する際は、各々の折曲部51・51・51・51が前記折曲部用透孔22・22・22・22に各々挿入され、
前記防振体5の弾性に抗して該防振体5の4つの端部側を上方に持ち上げて彎曲変形させることによって前記折曲部51・51・51・51の各々を前記折曲部用透孔22・22・22・22から抜き出し、該防振体5を水平方向へ回動させて前記折曲部51・51・51・51が台座2の上面から外れた位置となった際に、該防振体5が湾曲変形した状態から復帰することにより折曲部51・51・51・51の下端が取付面7に当接する構成であること、
を主構成とするものである。尚、図1図3及び図6において示す符号21は、台座2の支持ボルト3・3の外側部分に設けられた固定用透孔であり、台座2を取付面7に固定する際は、ボルト等の固定手段を該固定用透孔21・21に挿通して固定する。
【0029】
以下、本発明の構成について更に詳説する。
【0030】
本発明の床置式配管支持具1の基本構成、即ち、台座2、2本の支持ボルト3・3、支持バンド4を有して成る部分については、この種の床置式配管支持具として公知公用の一般的構成のものを特別の制限なく用いることができる。尚、台座2は本実施例に示すような平板構成であることが好ましいが、プレスや折曲げによって周囲において立ち上げた構成であってもよい。
【0031】
台座2に取り付けられる防振体5は、上記したように弾性を有すると共に縦長X字状に交差する線状材ないし棒状材から形成されており、弾性を有する線状材ないし棒状材としては、例えば、ステンレス鋼やアルミ合金等からなる線材や細棒材を挙げることができる。かかる構成の防振体5は、2本の線状材ないし棒状材を交差させた状態で溶接等の固着手段により縦長X字状に形成してもよいし、4本の線状材ないし棒状材の4つの端部同士を固着させることにより縦長X字状に形成する等の手段によって形成される。
【0032】
防振体5の台座2への固定は、略中央に設けられた回動軸受孔52を、カシメリベット固定等に代表されるカシメ固定や、ネジやボルト等に代表される螺合固定等によって固定する構成を挙げることができる。尚、回動軸受孔52は、本実施例では丸曲げ加工によって形成しているが、この部分を潰し加工し、この潰された部分に透孔を穿つことにより形成してもよいし、或いはワッシャー形状のリング体や短い長さのパイプ体の周囲に線状材ないし棒状材を溶接等の固着手段により固着させて形成することもできる。
【0033】
防振体5の折曲部51・51・51・51の折曲長さとしては、回動後の状態、即ち、折曲部51・51・51・51が台座2の上面から外れて取付面7の上面側に移動した際に、該折曲部51・51・51・51の下端が取付面7に各々当接する長さで折り曲げられるものであり、台座2の厚みや、台座2に取り付けられた防振体5の取付面7からの高さに応じて適宜設定される。この回動後に取付面7の上面に折曲部51・51・51・51の下端が当接する長さに設定されるが故に、回動前の状態、即ち、その全体が台座2の上面に位置し、且つ、折曲部51・51・51・51が台座2に設けられた折曲部用透孔22・22・22・22に挿入されている状態の時には、該折曲部51・51・51・51の下端は、折曲部用透孔22・22・22・22内を貫通して該折曲部用透孔22・22・22・22内の下方の取付面7の上面に当接した状態にある。この状態では、折曲部51・51・51・51が折曲部用透孔22・22・22・22に挿入されているので、防振体5は床置式配管支持具1の移動時や取付時に様々な向きになったとしても勝手に回動することなく、その配設位置を自ずと維持することができる。
【0034】
床置式配管支持具1の取付面7への取付けに際して、取付面7に台座2を取付けると共に、防振体5の両端側を上方に持ち上げて彎曲変形させることによって折曲部51・51・51・51を折曲部用透孔22・22・22・22から抜き出し、防振体5を回動させることにより、台座2が取付面7に固定されるだけでなく、該台座2の配管軸方向の両側において防振体5の折曲部51・51・51・51が取付面7の上面に当接することになるので、より安定した固定となる。従って、耐震ないし防振性を発揮した床置式配管支持具1の支持バンド4に抱持支持される配管は安定した状態で抱持支持されることになる。また、防振体5を回動させた後は、折曲部51・51・51・51の下端は防振体5が有する弾性により台座2の上面よりも下方に位置することになることによって台座2の上面に後戻りすることがないので、回動状態を固定するネジ留め等の保持手段が不要である。尚、防振体5の両端側を上方に持ち上げるには、簡単な治具・工具(ドライバー等)や手指によって行うことができる。尚また、防振体5を元の状態である台座5の上面位置に復帰させる際は、折曲部51・51・51・51の下端位置が台座5の上面より上方となるように防振体5をその弾性に抗して彎曲させた後に逆方向に回動させ、前記折曲部51・51・51・51の各々を折曲部用透孔22・22・22・22に各々挿入すればよい。
【0035】
以上、本発明に係る床置式配管支持具の実施例について説明したが、本発明は上記構成に限定されず、本発明の範囲内において種々の態様を採ることができる。
【0036】
例えば、図6に仮想線(点線)で示すように、突起部23を台座2の上面に任意の位置に設けることにより、防振体5が、その縦長X字状の縦長方向が配管軸方向と一致した状態まで回動した際に、それ以上に回動しないように規制する構成とすることもできる。かかる構成によれば、耐震ないし防振性が最も発揮される向きに防振体5を固定することができる。
【0037】
また、図8に示すように、近接して隣り合う2つの折曲部51・51の下端同士が近接する水平方向に延伸して連結された状態に形成されることにより、この延伸して連結された部分が取付面7に線接触する接地部53と成る構成とすることもできる。かかる構成によれば、取付面7に対する防振体5の接地面積を増やすことができるので、耐震ないし防振性がより向上する。図8に示す本実施例のように、隣り合う2つの折曲部51・51の下端同士を延伸して連結して接地部53と成る構成の場合、隣り合う2つの折曲部51・51と接地部53が1つの折曲部用透孔22に挿入可能な大きさや形状、例えば、長孔とする。
【0038】
更に、図9図10に示すように、接地部53・53に透孔54・54を形成し、この透孔54・54を介してボルトの如き固定手段により取付面7に防振体5を固定する構成とすることもできる。図9に示す透孔54は、接地部53を丸曲げ加工し、この丸曲げ部分内が透孔54となる構成である。図10に示す透孔54は、接地部53を潰し加工し、この潰し部分に透孔54を穿つことにより形成する構成である。これらの構成によれば、床置式配管支持具1の取付面7に対する固定をより強固にすることができるため、耐震ないし防振性を更に向上させることができる。図9図10に示す本実施例のように、隣り合う2つの折曲部51・51の下端同士を延伸して連結して接地部53とし、更に透孔54を形成した構成の場合、隣り合う2つの折曲部51・51と接地部53と透孔54とが、1つの折曲部用透孔22に挿入可能な大きさや形状、例えば、長孔とする。
【0039】
折曲部用透孔22は、折曲部51・51・51・51を抜き出して防振体5を回動させた後は、取付面7に台座2を固定する際のボルト等の固定手段を挿通するための固定用透孔21としても利用することができる。かかる構成によれば、床置式配管支持具1の取付施工場所によって台座2の両端近傍に設けられている固定用透孔21・21のいずれか一方又は両方を用いてボルト固定することが困難な場合であっても折曲部51・51・51・51を挿入していた折曲部用透孔22・22・22・22のいずれか1つ、2つ、3つ又は全部を利用してボルト固定することが可能であるため、台座2を固定する際の固定位置の融通性が向上する。
【0040】
また、折曲部用透孔22・22・22の位置は実施例に示す位置に限らず、回動軸部6を支点として回動する折曲部51・51・51・51の軌跡上の位置に形成されていてもよい。
【0041】
更に、折曲部用透孔22の形状は丸孔に限らず、折曲部51が挿入可能であれば特に形状・大きさは限定されず、矩形孔、長孔、楕円孔等であってもよい。
【0042】
更にまた、折曲部用透孔22の数は4つに限らず、折曲部51が挿入可能であれば2つであってもよいし、3つ又は5つ以上形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 床置式配管支持具
2 台座
21 固定用透孔
22 折曲部用透孔
23突起部
3 支持ボルト
4 支持バンド
5 防振体
51 折曲部
52 回動軸受孔
53 接地部
54 透孔
6 回動軸部
7 取付面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10