(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記閾値は、前記電源から入力される電圧の通常範囲の最小値(VNmin)よりも低く、かつ、前記制御部の最低動作電圧値(VCmin)よりも高いことを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による制御装置について、
図1〜
図4を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態による制御装置1は、モータ80を駆動制御するものである。モータ80は、例えば3相ブラシレスモータである。
制御装置1は、モータ80とともに、例えば車両のステアリング操作をアシストするための電動パワーステアリング(EPS)装置に採用される。すなわち、制御装置1は、電動パワーステアリング装置用の電子制御ユニット(EPS−ECU)である。
【0015】
(電動パワーステアリング装置)
まず、
図2を参照して電動パワーステアリング装置99について簡単に説明する。
図2は、電動パワーステアリング装置99を備えたステアリングシステム90の全体構成を示すものである。
【0016】
ステアリングシステム90では、ハンドル91にステアリングシャフト92が接続され、ステアリングシャフト92の先端にピニオンギア96が設けられている。ピニオンギア96はラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が回転可能に連結されている。よって、運転者がハンドル91を回転させると、ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92が回転し、ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によってラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の直線運動変位に応じた角度について一対の車輪98が操舵される。
【0017】
電動パワーステアリング装置99は、操舵アシストトルクを発生するモータ80、モータ80を駆動制御する制御装置1、モータ80の回転を減速してステアリングシャフト92に伝える減速ギア93を備える。また、電動パワーステアリング装置99は、モータ80を制御するための情報を取得するために、運転者からハンドル91を経由してステアリングシャフト92に入力される操舵トルクを検出するトルクセンサ94、車速を検出する車速センサ95、及び、モータ80の回転位置を検出する回転角センサ29を含む。
【0018】
このような構成により、電動パワーステアリング装置99は、ハンドル91の操舵を補助するための操舵アシストトルクをモータ80から発生し、ステアリングシャフト92に伝達する。
なお、本実施形態の電動パワーステアリング装置99は、コラムアシスト型であるが、ラックアシスト型であってもよい。
【0019】
(制御装置)
次に、
図1を参照し、本実施形態の制御装置1について説明する。
制御装置1は、電源端子11及びイグニッション端子12をそれぞれ介して、「電源」としてのバッテリ13に電気的に接続されている。電源端子11は、バッテリ13の高電位側(正側)に電気的に接続されており、バッテリ13から所定の電圧の電力が供給されている。イグニッション端子12は、イグニッションスイッチ14を介して、バッテリ13の高電位側(正側)に電気的に接続されている。イグニッションスイッチ14がオンすると、バッテリ13からイグニッション端子12に電力が供給される。
【0020】
図1に示すように、制御装置1は、電力変換器としてのインバータ20、ダイオード15、制御部30、レギュレータ41、42、及び、昇圧部50等を備えている。
【0021】
インバータ20は、バッテリ13から電源端子11を経由して延びるPIG電源ラインLpigに接続されている。
また、インバータ20は、例えば3相インバータであり、ブリッジ接続された6個のスイッチング素子(例えばMOSFET)21〜26を備えている。ハイサイドのスイッチング素子21、22、23とローサイドのスイッチング素子24、25、26との接続点は、それぞれ動力線を経由して、モータ80を構成する巻線の一端に接続されている。スイッチング素子21〜26がスイッチング動作することにより、バッテリ13から電源端子11を介して供給された電力を変換し、モータ80に供給することができる。
【0022】
ダイオード15は、バッテリ13からイグニッション端子12を経由して延びるIG電源ラインLigに接続されており、イグニッション端子12から制御装置1の各部に向かう電力を整流する。
【0023】
制御部30は、レギュレータ31、マイコン32、及び、「電力変換器駆動部」としてのインバータ駆動部33を有している。
レギュレータ31は、IG電源ラインLigに接続されており、バッテリ13からイグニッション端子12を介して電力を供給される。レギュレータ31は、供給された電力を所定範囲内の電圧になるよう安定化してマイコン32に供給する。これにより、マイコン32は作動可能である。
【0024】
マイコン32は、CPU、ROM、RAM、I/O等を有する半導体パッケージであり、回転角センサ29、トルクセンサ94及び車速センサ95等のセンサ類からの情報等に基づき、ROMに格納されたプログラムに従って演算を行い、制御装置1内の各部を制御する制御信号を出力する。
【0025】
インバータ駆動部33は、IG電源ラインLigに接続されており、バッテリ13からイグニッション端子12を介して電力を供給される。インバータ駆動部33は、マイコン32からの制御信号に基づき、インバータ20のスイッチング素子21〜26にゲート信号を印加し、各スイッチング素子を作動させる。また、インバータ駆動部33は、ハイサイドのスイッチング素子21〜23をスイッチング動作させるために、例えばチャージポンプ等の昇圧回路330を内蔵している。
【0026】
以上のように、制御部30は、バッテリ13からの電力により作動し、インバータ20の作動を制御することによりモータ80を駆動制御することができる。
【0027】
レギュレータ41、42は、IG電源ラインLigに接続されており、バッテリ13からイグニッション端子12を介して電力を供給される。
レギュレータ41は、供給された電力を所定範囲内の電圧になるよう安定化してトルクセンサ94に供給する。レギュレータ42は、供給された電力を所定範囲内の電圧になるよう安定化して回転角センサ29に供給する。
【0028】
昇圧部50は、必要に応じて、バッテリ13からイグニッション端子12を介して供給される電力の電圧を昇圧し、制御部30及びレギュレータ41、42に供給可能であるように構成されている。本実施形態の昇圧部50は、いわゆるスイッチングコンバータであり、昇圧部50は、コイル51、スイッチング素子52、ダイオード53、コンデンサ54、昇圧制御部55、及び、コンパレータ56等を有している。
【0029】
コイル51は、一端が入力端501に接続されるよう設けられている。入力端501はIG電源ラインLigに接続されている。
スイッチング素子52は、例えばMOSFETであり、ドレインがコイル51の他端に接続され、ソースがグランドに接続されるように設けられている。
【0030】
ダイオード53は、コイル51の他端と出力端502との間に設けられており、そのカソードは出力端502側に配置されている。出力端502は、IG電源ラインLigにおいて入力端501の接続点よりも下流側に接続されている。
【0031】
コンデンサ54は、一端がダイオード53と出力端502との間に接続され、他端がグランドに接続されるよう設けられている。
昇圧制御部55は、スイッチング素子52のゲートに電気的に接続されている。
【0032】
コンパレータ56は、出力端が昇圧制御部55に電気的に接続されている。
コンパレータ56の入力端のうちの一方には、バッテリ13からイグニッション端子12を介して供給される電力の電圧値V1が入力される。また、コンパレータ56の入力端のうちの他方には、例えばマイコン32から閾値Vthが入力される。
コンパレータ56は、2つの入力端から入力される電圧値V1と閾値Vthとを比較し、その結果を昇圧制御部55に出力する。
【0033】
昇圧制御部55は、例えば、コンパレータ56から入力された値が正の場合、スイッチング素子52に対しゲート信号を出力しない。そのため、スイッチング素子52はオフ状態であり、入力端501側の電圧と出力端502側の電圧とは同じである。
一方、昇圧制御部55は、コンパレータ56から入力された値が負の場合、スイッチング素子52がオン状態及びオフ状態を繰り返すようスイッチング作動させる。これにより、入力端501側の電圧が昇圧されて出力端502側から出力される。
【0034】
すなわち、昇圧部50は、バッテリ13から入力される電圧値V1が閾値Vthより低くなったとき、入力端501側の電圧を昇圧し出力端502側から出力する。これにより、制御部30及びレギュレータ41、42に供給される電力の電圧を、常に閾値Vth以上に保つことができる。
【0035】
閾値Vthは、バッテリ13から入力される電圧の通常範囲の最小値VNminよりも低く、かつ、制御部30の最低動作電圧値VCminよりも高くなるように設定されることが好ましい。バッテリ13から入力される電圧の通常範囲とは、クランキング等による電圧変動が生じていない通常時の範囲である。
【0036】
なお、本実施形態において、制御部30の最低動作電圧値VCminは、レギュレータ31の最低動作電圧値に相当する。また、制御部30の最低動作電圧値VCminは、レギュレータ41、42についても、その動作を保証する値である。
【0037】
本実施形態では、レギュレータ31、インバータ駆動部33、昇圧部50、及び、レギュレータ41、42を組み合わせて、1チップ化又は1パッケージ化してもよい。これにより、昇圧部50の追加によるコストやサイズを低下させることが可能である。
【0038】
なお、
図1では図示を省略しているが、制御装置1は、IG電源ラインLigに接続され、車速センサ95に電力を供給するレギュレータをさらに備えていてもよい。
【0039】
(インバータ駆動部の昇圧回路)
インバータ駆動部33が内蔵する昇圧回路330について、
図3を参照して簡単に説明する。
図3は、昇圧回路330が2段のチャージポンプである例を模式的に示すものである。
【0040】
昇圧回路330は、ダイオード331、332、コンデンサ333、334、及び、スイッチング素子(例えばMOSFET)335、336を備えている。
例えば、スイッチング素子335がオフ、スイッチング素子336がオンになると、入力電圧Vinによって、コンデンサ333にはVc1=Vin−Vfの電圧がチャージされる。なお、Vfは、ダイオード331、332の各順方向電圧である。
次に、スイッチング素子335がオン、スイッチング素子336がオフになると、出力電圧Voutは、Vout=Vin+Vc1−Vf、すなわちVout=2Vin−2Vfとなる。
【0041】
スイッチング素子335、336が高速でスイッチング動作することにより、入力電圧Vinを約2倍に昇圧した出力電圧Voutが出力される。
なお、チャージポンプの段数を増加し、出力電圧Voutがより高くなるように設定してもよい。
【0042】
昇圧回路330の出力電圧Voutは、一般的にインバータ20のハイサイドのスイッチング素子21〜23をスイッチング動作させるゲート信号として使用される。すなわち、昇圧回路330の出力電圧Voutは、スイッチング素子21〜23のゲートに電荷をチャージするために使用される。また、ローサイドのスイッチング素子24〜26をスイッチング動作させるゲート信号には入力電圧Vinを用いるのが一般的であるが、出力電圧Voutを使用してもよい。
【0043】
ここで、各スイッチング素子21〜26がオンするために必要なゲート電荷量をQgとする。すると、昇圧回路330を構成するコンデンサ333、334のうち、最も出力側に配置されるコンデンサ334の電荷量Qは、Qg×n<Qを満たすように設定される。なお、nは、インバータ20のハイサイドのスイッチング素子21〜23の数であり、本実施形態では3である。また、コンデンサ333は、コンデンサ334に電荷をチャージできるように設定される。
【0044】
(効果)
(1)上述したように、本実施形態の制御装置1は、バッテリ13からの電力により回転するモータ80を駆動制御するものであって、インバータ20と、制御部30と、昇圧部50とを備えている。
インバータ20は、複数のスイッチング素子を有し、バッテリ13から供給される電力をモータ80に供給する。制御部30は、バッテリ13から供給される電力により作動し、インバータ20の作動を制御する。昇圧部50は、バッテリ13から入力される電圧を昇圧し、昇圧した電圧を制御部30に出力可能である。
【0045】
上記構成によれば、バッテリ13から制御部30に供給される電力の電圧が低下した場合、昇圧部50によって昇圧された昇圧電圧を制御部30に入力することができる。よって、制御部30の再起動又は作動停止を回避することができ、モータ80の駆動制御を継続することができる。
【0046】
また、上記構成によれば、インバータ20よりも必要電圧の低い制御部30に合わせて昇圧部50を設計することができる。このため、単に制御装置への入力電圧の低下防止を目的としてインバータに合わせて昇圧部を設計する場合と比べて、昇圧部50を小型化することができる。よって、昇圧部50を含めた制御装置1の全体を小型化することができる。
したがって、本実施形態によれば、電源電圧の低下時においてもモータ80の駆動制御を継続可能な小型の制御装置1が提供される。
【0047】
ここで、一般に、イグニッション端子の電源ラインにはダイオード(本実施形態のダイオード15)が接続されている。一方、モータからの回生電流をバッテリに回収する等の理由から、電源端子の電源ラインにはダイオードが接続されていない。
【0048】
本実施形態の昇圧部50は、バッテリ13からイグニッション端子12を介して入力される電圧を昇圧するようにIG電源ラインLigに接続されており、イグニッション端子12と昇圧部50との間にはダイオード15が接続されている。このため、フィールドディケイ(負サージ電圧)が発生しても、昇圧部50を構成するスイッチング素子52に電流は流れず、その破損は回避される。
【0049】
(2)本実施形態では、昇圧部50は、バッテリ13から入力される電圧が閾値Vthより低くなっているとき昇圧を行う。また、閾値Vthは、バッテリ13から入力される電圧の通常範囲の最小値VNminよりも低く、かつ、制御部30の最低動作電圧値VCminよりも高いことが好ましい。
【0050】
例えば、
図4は、バッテリ13から制御装置1に入力される電圧V1について、クランキング時の挙動例を示すグラフである。
図4に示す例では、電圧V1が閾値Vthより低くなったとき(時刻T1)から閾値Vth以上に回復したとき(時刻T2)までの間、昇圧部50が昇圧を行う。この間、制御部30には、昇圧部50によって昇圧された昇圧電圧が入力される。よって、制御部30に入力される電圧を閾値Vth以上に保つことができる。
【0051】
ここで、電圧V1の閾値Vthが通常範囲の最小値VNminよりも低く設定されているため、バッテリ13から制御部30に入力される電圧が通常範囲にあるとき、昇圧部50は動作を停止する。不要なときには昇圧部50が動作を停止することにより、ノイズの発生や消費電力等を抑えることができる。
【0052】
また、閾値Vthが制御部30の最低動作電圧値VCminよりも高く設定されることにより、制御部30に入力される電圧を常に最低動作電圧値VCminより高く保つことが可能である。これにより、制御部30の再起動又は作動停止を適切に回避することができる。
【0053】
(3)また、本実施形態において、制御部30は、マイコン32と、インバータ駆動部33とを備える。マイコン32は、インバータ20の作動を制御するための制御信号を出力する。インバータ駆動部33は、昇圧回路330を含んで構成され、制御信号に基づいてインバータ20を駆動する。昇圧部50は、マイコン32及びインバータ駆動部33の各々に昇圧電圧を出力可能である。
【0054】
上記構成によれば、マイコン32の再起動又は作動停止を回避することができると共に、インバータ駆動部33が内蔵する昇圧回路330への入力電圧Vinを一定以上に確保することができる。
【0055】
仮に昇圧部50が存在しない場合、昇圧回路330への入力電圧Vinが低下すると、昇圧回路330の出力電圧Voutも低下する。この場合、出力電圧Voutの低下時にもスイッチング素子21〜26をオンできるように、昇圧回路330を構成する必要がある。
【0056】
例えば、上述したように、昇圧回路330を構成するコンデンサ333、334のうち、最も出力側に配置されるコンデンサ334の電荷量Qは、Qg×n<Qであることが必要である(nはハイサイドのスイッチング素子21〜23の数)。
コンデンサ334の容量をCとし、電圧V(=Vout)によって電荷が充電されるとき、コンデンサ334の電荷量QはQ=CVにより表される。出力電圧Voutの低下時にもQg×n<Qという条件を満たすためには、出力電圧Voutの低下分を見込んでコンデンサ334の容量Cを大きくする必要がある。このため、コンデンサ334のサイズは大きくなる。また、他のコンデンサ333についても、コンデンサ334と同様の考えにより容量を大きくする必要があり、そのサイズは大きくなる。
【0057】
これに対し、本実施形態では、昇圧回路330への入力電圧Vinを一定以上に確保することができる。すなわち、昇圧回路330の出力電圧Voutを一定以上に確保することができる。よって、コンデンサ333、334の容量を小さく設定することができ、そのサイズを小さくすることができる。ひいては制御部30の小型化が可能である。
【0058】
(4)本実施形態の制御装置1は、バッテリ13から供給される電力を、モータ80の回転位置を検出する回転角センサ29に供給するレギュレータ42をさらに備えている。昇圧部50は、レギュレータ42に昇圧電圧を出力可能である。
【0059】
上記構成によれば、制御部30と同様、レギュレータ42に入力される電圧を、常に一定以上に保つことができる。よって、回転角センサ29は正しくセンサ出力を行うことができ、制御部30は当該センサ出力に基づいてモータ80の駆動制御を適切に行うことができる。
なお、本実施形態では、レギュレータ41及びトルクセンサ94についても、レギュレータ42及び回転角センサ29と同様に構成されており、同様の効果が得られる。
【0060】
(5)本実施形態において、電動パワーステアリング装置99は、上述の制御装置1と、制御装置1により制御され、運転者による操舵を補助するアシストトルクを出力可能なモータ80とを備えている。
【0061】
上記構成によれば、クランキング等によりバッテリ13の電圧が低下しても、モータ80の制御を継続できるため、運転者による操舵の補助を継続することができる。これにより運転者の違和感を軽減することができる。
また、制御装置1は小型化可能であるため、電動パワーステアリング装置99が搭載される車両内のスペースに容易に設置することができる。
【0062】
また、モータ80に供給される電流を制限しながらステアリングアシストを継続する方法(例えば特許第5257389号参照)等を併用することにより、外付けの大きなDC−DCコンバータを必要とすることなく、クランキングに対応することができる。
【0063】
[第2実施形態]
第2実施形態による制御装置2について、
図5を参照して説明する。
第2実施形態は、制御装置2がPIG電源ラインLpigとIG電源ラインLigとの間を電気的に接続する電力供給ラインLsを備える点において第1実施形態と異なる。
【0064】
電力供給ラインLsは、一端が電源端子11とインバータ20との間に接続し、他端が制御部30、昇圧部50、及び、レギュレータ41、42に接続するよう設けられている。これにより、バッテリ13からPIG電源ラインLpigを介して供給される電力を、電力供給ラインLsを経由して制御部30、昇圧部50、及び、レギュレータ41、42に供給することができる。
【0065】
また、電力供給ラインLsには、ダイオード17が接続されている。ダイオード17は、カソードが制御部30及び昇圧部50側になるように設けられており、電力供給ラインLsを流れる電力を整流する。
【0066】
第2実施形態において、制御部30、昇圧部50、及び、レギュレータ41、42には、バッテリ13からイグニッション端子12を経由した電力だけでなく、バッテリ13から電源端子11及び電力供給ラインLsを経由した電力が供給され得る。イグニッション端子12から供給される電力、及び、電源端子11から供給される電力の両方の電圧が閾値Vthより低くなっているとき、昇圧部50は、いずれか一方から供給される電力の昇圧を行う。
【0067】
第2実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を奏する。また、昇圧部50は、イグニッションスイッチ14のオフ時など、イグニッション端子12を経由する電力の供給が遮断されたときであっても、電源端子11及び電力供給ラインLsを経由して供給される電力を昇圧し、昇圧電圧を制御部30等に入力することができる。
【0068】
[他の実施形態]
本発明のモータは、3相ブラシレスモータに限られず、ブラシ付きモータ等であってもよい。また、本発明の電力変換器は、3相インバータに限られず、Hブリッジ回路等であってもよい。
【0069】
本発明の昇圧部は、スイッチングコンバータ方式に限られず、他の方式によって昇圧を行うものであってもよい。また、昇圧部が昇圧を行うタイミングは、任意に設定可能である。
【0070】
本発明の制御部の構成は上記実施形態に限られない。例えば、他の実施形態において、制御部は、レギュレータがマイコン及びインバータ駆動部の各々に電力を供給する構成であってもよい。また、インバータ駆動部が内蔵する昇圧回路は、チャージポンプ回路に限られず、ブートストラップ回路等であってもよい。
また、本発明の制御装置は、電動パワーステアリング装置に限らず、モータを含むあらゆる装置に適用可能である。
【0071】
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。