(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態による広告提供システムについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における広告提供システムの全体的な構成例を示している。同図に示されるように、本実施形態における広告提供システムは、ユーザ端末装置100と、広告サーバ200(サーバ装置の一例)と、ショッピングモールSM(配信対象エリアの一例)において配置されるビーコン端末装置BTM−A、BTM−B、BTM−C、BTM−D、BTM−ST1、BTM−ST2とを含む。なお、ビーコン端末装置BTM−A、BTM−B、BTM−C、BTM−D、BTM−ST1、BTM−ST2について特に区別しない場合には、ビーコン端末装置BTMと記載する。
【0012】
ユーザ端末装置100は、ユーザが所持する端末装置であり例えばスマートフォンやタブレット端末などである。
ユーザ端末装置100は、広告サーバ200が配信(送信)する広告を受信し、受信した広告を出力する。本実施形態における広告の出力は、ユーザ端末装置100における表示部に対する表示である。
また、本実施形態の広告サーバ200は、広告プッシュ通知(広告に関する通知の一例)を行う。広告プッシュ通知とは、ユーザ端末装置100のユーザに広告を提供するためのプッシュ通知である。
プッシュ通知は、サーバ側からユーザ端末装置にインストールされている特定のアプリケーションに対応する通知を送信する技術である。プッシュ通知では、ユーザ端末装置のOS(Operating System)に通知が転送されるようになっている。これにより、プッシュ通知では、ユーザ端末装置においてアプリケーションが起動されていない状態であっても通知を受信し、ユーザ端末装置にてプッシュ通知が受信されたことのユーザへの通知(プッシュ受信通知)を行うことができる。
ユーザ端末装置100は、広告サーバ200から広告プッシュ通知を受信すると、広告プッシュ通知が受信されたことをユーザに通知するためのプッシュ着信通知を行う。
【0013】
ユーザ端末装置100には、広告サーバ200から送信された広告を閲覧するためのアプリケーションソフトウェアである、広告閲覧アプリケーションがインストールされている。ユーザは、広告閲覧アプリケーションが動作するユーザ端末装置100を操作することにより、広告サーバ200から送信された広告を広告閲覧アプリケーション上で表示させ、表示された広告を閲覧することができる。
また、上記の広告サーバ200から送信された広告プッシュ通知の受信に応じたプッシュ着信通知も広告閲覧アプリケーションによって行われる。
また、本実施形態のユーザ端末装置100は、例えばGPS(Global Positioning System)に対応する測位機能を備えることで自己の位置を示す位置情報を取得することができる。本実施形態の広告閲覧アプリケーションは、取得された位置情報を広告サーバ200に通知(送信)する。
また、本実施形態の広告閲覧アプリケーションは、ビーコン端末装置BTMが送信するビーコン信号を受信すると、ビーコン端末装置BTMからビーコン信号を受信した旨を通知するビーコン受信通知を広告サーバ200に送信する。
【0014】
広告サーバ200は、広告主から提供される広告を、ネットワーク(図示せず)経由の通信を介してユーザ端末装置100に配信する。広告の配信の態様の1つとして、本実施形態の広告サーバ200は、プッシュ通知による広告の配信、即ち、広告プッシュ通知を行う。
また、本実施形態における広告サーバ200は、ユーザ端末装置100から受信した位置情報とビーコン受信通知とに基づいて、しかるべきタイミングでユーザ端末装置100に広告プッシュ通知を行う。
【0015】
ビーコン端末装置BTMは、ショッピングモールSMにおいてそれぞれ異なるエリアごとに配置される。本実施形態におけるビーコン端末装置BTMは、Bluetooth(登録商標)の規格に従った近距離無線通信により、通信距離内に位置して通信可能となったユーザ端末装置100に対してビーコン信号を送信する。
本実施形態においてビーコン端末装置BTMが送信するビーコン信号は、送信元のビーコン端末装置BTMを示すビーコン端末装置IDを含む。
また、ビーコン端末装置BTMの通信距離は、配置されたテナントエリアまたは店舗の出入口に存在するユーザ端末装置100と通信が行われるように、数メートル〜十数メートル程度に設定される。
従って、ビーコン端末装置BTMが送信するビーコン信号は、広告閲覧アプリケーションがインストールされたユーザ端末装置100が、対応のテナントエリアまたは店舗の出入口に存在しているときに受信することができる。
【0016】
なお、ビーコン端末装置BTMとユーザ端末装置100との間で使用する近距離無線通信方式は、上記のBluetooth(登録商標)に限定されるものではなく、例えばZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などをはじめとして他の方式が採用されてよい。
【0017】
同図では、ショッピングモールSMにおいて、テナントエリアA、テナントエリアB、テナントエリアC、テナントエリアD及び広告主店舗STが位置している例が示されている。本実施形態において、テナントエリアA、テナントエリアB、テナントエリアC、テナントエリアDは、それぞれが所定の業態に対応した1以上の店舗が割り当てられた、ショッピングモールSM内の一部エリアである。あくまで一例であるが、テナントエリアAには女性用衣料品の店舗、テナントエリアBには紳士用衣料品の店舗、テナントエリアCにはおもちゃや子供用品を販売する店舗、テナントエリアDは雑貨用品の店舗というように割り当てが行われる。
また、広告主店舗STは、ショッピングモールSMにおいて行われる広告プッシュ通知の広告元の店舗であり、広告プッシュ通知によりユーザの誘導を図る誘導先の場所である。本実施形態における広告主店舗STの業態は、例えばスーパーマーケットである。
【0018】
同図の例では、ビーコン端末装置BTM−AがテナントエリアAに配置されている。即ち、ビーコン端末装置BTM−Aは、ユーザがテナントエリアA内に入ったことに伴い、ユーザ端末装置100がビーコン端末装置BTM−Aの通信距離内に入ったことに応じてビーコン信号を送信する。
【0019】
なお、ビーコン端末装置BTMによるビーコン信号の送信は、ユーザ端末装置100が通信距離内に入って通信可能となったことに応じてその都度行われる。
【0020】
また、ビーコン端末装置BTM−BはテナントエリアBに配置されている。即ち、ビーコン端末装置BTM−Bは、テナントエリアBに入ったユーザのユーザ端末装置100にビーコン信号を送信する。
また、ビーコン端末装置BTM−CはテナントエリアCに配置されている。即ち、ビーコン端末装置BTM−Cは、テナントエリアCに入ったユーザのユーザ端末装置100にビーコン信号を送信する。
また、ビーコン端末装置BTM−DはテナントエリアDに配置されている。即ち、ビーコン端末装置BTM−Dは、テナントエリアDに入ったユーザのユーザ端末装置100にビーコン信号を送信する。
【0021】
また、ビーコン端末装置BTM−ST1は、広告主店舗STにおける出入口GT1の近傍に設けられている。即ち、ビーコン端末装置BTM−ST1は、広告主店舗STにおける出入口GT1をユーザが通過したことに応じて通信可能となったユーザ端末装置100にビーコン信号を送信する。
また、ビーコン端末装置BTM−ST2は、広告主店舗STにおける出入口GT2の近傍に設けられている。即ち、ビーコン端末装置BTM−ST2は、広告主店舗STにおける出入口GT2をユーザが通過したことに応じて通信可能となったユーザ端末装置100にビーコン信号を送信する。
【0022】
続いて、
図2を参照して、本実施形態の広告提供システムにおける広告プッシュ通知の動作概要について説明する。
図2には、ショッピングモールSMに入場したユーザの行動(移動)に応じたユーザ端末装置100とビーコン端末装置BTMとの通信と、広告プッシュ通知の受信のタイミングについての一例が示されている。
【0023】
同図においては、まず、時刻t0においてユーザがショッピングモールSMに入場している。ユーザがショッピングモールSMに入場したか否かについては、例えばユーザ端末装置100がGPSによる測位機能を利用して検出した位置を示す位置情報を広告サーバ200に送信し、広告サーバ200が受信された位置情報により示される位置について、ショッピングモールSMの場所の範囲に含まれるか否かを判定することにより行うことができる。
ユーザがショッピングモールSMに入場した時刻t0から1時間の通知待機時間が経過する時刻t3までにおいて、ユーザは、まず、テナントエリアAに入っている。
このようにユーザがテナントエリアAに入ったことに応じて、ユーザ端末装置100は、時刻t1のタイミングでテナントエリアAに配置されたビーコン端末装置BTM−Aからビーコン信号を受信する。
受信されたビーコン信号には、ビーコン信号の送信元のビーコン端末装置BTMを示すビーコン端末装置IDが含まれている。
ユーザ端末装置100は、ビーコン信号の受信に応じたビーコン受信通知を広告サーバ200に送信する。ビーコン受信通知には、受信されたビーコン信号に含まれていたビーコン端末装置IDと広告閲覧アプリケーションのユーザを示すユーザIDとが含まれる。この場合のビーコン受信通知に含まれるビーコン端末装置IDは、ビーコン端末装置BTM−Aを示す。
【0024】
また、時刻t0から1時間が経過する時刻t3より前において、ユーザはテナントエリアAからテナントエリアBに移動している。このようにユーザがテナントエリアBに移動したことに応じて、ユーザ端末装置100は、時刻t2において、テナントエリアBに配置されたビーコン端末装置BTM−Bからビーコン信号を受信し、ビーコン受信通知を広告サーバ200に送信する。
なお、以降において、ユーザ端末装置100がビーコン端末装置BTMからビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号に応じたビーコン受信通知を広告サーバ200に送信する処理をビーコン対応処理という。
またユーザ端末装置によってはGPS機能が無効に設定されている場合がある。この場合には、例えば一日の最初にビーコン対応処理を行ったタイミングを時刻t1としても良い。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末装置100から広告サーバ200へのビーコン受信通知の送信は、広告サーバ200が広告プッシュ通知を送信するためのトリガとなる。しかしながら、本実施形態における広告サーバ200は、ショッピングモールSMの入場から通知待機時間を経過するまでの間は、受信されたビーコン受信通知については無効として扱い、広告プッシュ通知を行わない。
【0026】
このように、ユーザがショッピングモールSMに入場してから通知待機時間が経過するまでの間において広告プッシュ通知を行わないのは以下のような理由による。
ショッピングモールは多様な業態の店舗が入居していることから余暇の過ごし方の1つとして使用されることが多い。このような客は、購入予定の商品が定まっているとしても、そのついでに当初は予定していなかった商品を購入する可能性がある。しかしながら、ショッピングモールでの滞在時間が短い客(ユーザ)は、購入する商品が明確に定まっており、かつ、その商品のみを購入する目的でショッピングモールに来場している確率の高いことが推定される。
【0027】
本実施形態おける広告プッシュ通知は、ショッピングモールSMに来場しているユーザのうちで、特に広告主店舗STでの購入を明確な目的としてはいなかったようなユーザに対して、広告主店舗STでの商品の購入を促すことを目的としている。
従って、ショッピングモールSMに入場してから例えば1時間以内に広告プッシュ通知を行うことによっては、購入することが定まっている商品のみの購入を目的として来場しているユーザまでが広告プッシュ通知を受けてしまうことになる。上記のような本実施形態の広告プッシュ通知の目的からすると、このようなユーザにまで広告プッシュ通知を行ったとしても広告効果は低く、また、ユーザとしては広告プッシュ通知が煩わしいと感じる可能性も高くなる。
そこで、本実施形態においては、ショッピングモールSMに入場してから通知待機時間が経過していないユーザのユーザ端末装置100に対しては広告プッシュ通知を行わないようにしている。
なお、本実施形態では通知待機時間が1時間である場合を例に挙げているが、通知待機時間の長さについては適宜変更されてよい。この場合、通知待機時間は、例えば広告サーバ200に対する設定により変更可能に構成することができる。
【0028】
次に、ユーザは、ショッピングモールSMに入場した時刻t0から通知待機時間(1時間)を経過した時刻t3に到達した後においてテナントエリアCにまで移動している。これにより、時刻t3からさらに或る時間を経過した時刻t4において、ユーザ端末装置100はテナントエリアCに配置されたビーコン端末装置BTM−Cに応じたビーコン対応処理を実行する。
【0029】
時刻t4は、ショッピングモールSMに入場してから通知待機時間(1時間)を経過した時刻t3より後に最初にビーコン対応処理を実行したタイミングとなる。しかし、広告サーバ200は、時刻t4のタイミングでビーコン端末装置BTM−Cに対応するビーコン受信通知を受信しても、即座には広告プッシュ通知を行わない。広告サーバ200は、通知待機時間の経過後においてビーコン受信通知を受信すると、このビーコン受信通知が受信された時点から、次のビーコン受信通知が受信されることなく滞留確認時間が経過するのを待機する。滞留確認時間は、ショッピングモールSM内の一部エリアにユーザが滞留しているか否か(即ち、単なる通過ではない)を確認するための時間である。滞留確認時間の長さについては特に限定されないが、ここでは滞留確認時間が5分である場合を例に挙げる。
【0030】
同図においては、時刻t4に対応してテナントエリアCに入ったユーザが、この後3分(即ち、滞留確認時間(5分)未満)でテナントエリアDに移動している。これにより、ユーザ端末装置100は、時刻t4から5分未満の3分を経過した時刻t5において、テナントエリアDに配置されたビーコン端末装置BTM−Dに対応するビーコン対応処理を実行する。
この場合、広告サーバ200においては、時刻t4から3分を経過したタイミングで、即ち、時刻t4から5分を経過していないタイミングで、新たにビーコン受信通知を受信することになる。
【0031】
そして、同図では、ビーコン端末装置BTM−Dに対応するビーコン対応処理を実行した時刻t5から滞留確認時間(5分)を経過した時刻t6に至るまで、次のビーコン信号が受信されなかった場合が示されている。このように、通知待機時間の経過後において、ビーコン対応処理を実行してから滞留確認時間を経過しても次のビーコン信号が受信されなかった場合には、広告サーバ200から広告プッシュ通知が行われる。これにより、同図に示されるように時刻t6において、ユーザ端末装置100は、広告プッシュ通知を受信することになる。
【0032】
本実施形態における広告プッシュ通知の内容は、広告プッシュ通知のトリガとなったビーコン受信通知に対応するビーコン端末装置BTMが配置されたテナントエリアの業態に関連させることができる。
一例として、広告プッシュ通知のトリガとなったビーコン受信通知に対応するビーコン端末装置BTMが配置されたテナントエリアの業態が紳士用衣料品の売り場であれば、ユーザは成人男性であることが推定される。そこで、スーパーマーケットとしての広告主店舗STでの商品の購入を促す広告プッシュ通知としては、例えば酒類などのように、成人男性に訴求する可能性の高い商品を紹介するような内容とすることができる。
このようにユーザが滞留しているテナントエリアの業態が広告プッシュ通知の広告内容に関連することを考慮すると、滞留時間の短いテナントエリアは単にユーザが通過しただけであり、ユーザにとっては関心の低い業態であると推定できる。ユーザにとって関心の低い業態に関連する内容の広告プッシュ通知を行った場合、広告プッシュ通知による広告内容についてもユーザの関心が低い可能性が高く、この場合には広告効果を得ることが難しい。
一方、ビーコン信号が受信されてから次のビーコン信号が受信されることなく滞留確認時間を経過したということは、ユーザが同じテナントエリアに滞留しており、そのテナントエリアの業態に関心を有している可能性が高い。そこで、ビーコン信号が受信されてから次のビーコン信号が受信されることなく滞留確認時間を経過したことを条件に広告プッシュ通知を行うようにすることで、ユーザにとって関心のある広告内容の広告プッシュ通知が行われる可能性が高くなり、高い広告効果を期待できる。
【0033】
なお、本実施形態における広告プッシュ通知については、上記ように滞留確認が行われたテナントエリアとの関連付けとともに、時間帯との対応付けも行われる。つまり、本実施形態の広告プッシュ通知は、滞留確認が行われたテナントエリアとそのときの時間帯との組み合わせに応じた広告内容を有する。例えば昼間に対応する時間帯では午後のおやつの時間などに食べることのできるデザートを広告主店舗STで購入することを促す広告内容とし、夕方に対応する時間帯では、夕食用の食材や総菜などを広告主店舗STで購入することを促す広告内容とすることが考えられる。
【0034】
ここで、広告プッシュ通知については、例えば、時刻t5〜t6の場合のようにビーコン対応処理が行われてから次のビーコン対応処理が行われることなく滞留確認時間(5分)を経過したとの条件を満たした都度、行われるようにすることができる。
しかし、上記の場合には、ユーザが、ショッピングモールSM内を移動して或るテナントエリアに滞留している時間が5分を経過するごとに広告プッシュ通知が行われることになる。この場合、ユーザが広告プッシュ通知について煩わしいと感じる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、ショッピングモールSMに入場してから退場するまでの間において行われる広告プッシュ通知の回数に制限を設ける。具体的に、本実施形態において、広告プッシュ通知は1日1回に制限される。
【0035】
このため、例えば
図2においては時刻t6から或る時間を経過した時刻t7において、ビーコン端末装置BTM−Bに対応するビーコン対応処理が行われている。しかし、時刻t7から次のビーコン対応処理が行われることなく滞留確認時間に対応する5分が経過したとしても、広告プッシュ通知は行われない。
なお、広告プッシュ通知の回数制限としては、上記の1日1回に限定されるものではなく、2回以上の所定の回数とされてもよい。また条件を満たした都度ではなく、例えば隔回や、特定の回数の際にのみ広告プッシュ通知を行うこととしても良い。
【0036】
また、ショッピングモールSMに入場した後において、広告プッシュ通知が行われていないうちに、ユーザが既に広告主店舗STに来店している場合もある。本実施形態の広告プッシュ通知は、前述のようにショッピングモールSMに入場してはいるが広告主店舗STで買い物をする予定が特になかったユーザに広告主店舗STで買い物してもらうように誘導することを目的としている。このことからすると、広告主店舗STに来店済みのユーザに広告プッシュ通知を行う必要性は低い。
そこで、本実施形態においては、広告プッシュ通知が行われていないうちにユーザが広告主店舗STに来店している場合には、例えば、
図2の時刻t5から時刻t6に示されるように滞留確認時間を経過したとしても、広告プッシュ通知は行わないようにされる。
なお、広告サーバ200は、ユーザが広告主店舗STに来店したか否かについては、以下のように判定できる。つまり、ユーザが広告主店舗STに入場する際には、広告主店舗STの出入口GT1、GT2のいずれかを通過するので、ユーザが所持するユーザ端末装置100は、ビーコン端末装置BTM−ST1、BTM−ST2のいずれかとの通信に応じたビーコン対応処理を実行する。そこで、広告サーバ200は、ビーコン端末装置BTM−ST1、BTM−ST2のいずれかに対応するビーコン受信通知を受信したか否かにより、ユーザが広告主店舗STに来店済みか否かを判定することができる。
【0037】
図2の時刻t6において広告プッシュ通知を受けた場合、ユーザ端末装置100の画面には、例えば
図3(a)に示すように広告プッシュ通知が受信されたことをユーザに通知するプッシュ受信通知としての表示が行われる。
そして、ユーザがプッシュ受信通知に気付き、例えば広告プッシュ通知の内容を表示させる操作を行うと、
図3(b)に示すように、広告閲覧アプリケーション上で、広告プッシュ通知に対応する広告主店舗STの広告(電子チラシ)の画像(広告画像)が表示される。また画面に表示するのは、
図3(b)に示したような電子チラシではなくても良く、例えばSNSのような写真画像や文字情報からなる投稿等であっても良い。以下これらの態様も含めて広告と表現する。
ユーザは、ユーザ端末装置100の画面に表示される広告を閲覧し、広告において案内されている商品を確認することができる。これまでの説明から理解されるように、このように表示される広告は、ユーザが関心を持っていると推定できる業態に対応する内容、もしくはそのときの時間帯に応じた内容、もしくは両者の組み合わせに応じた内容を有している。このため、本実施形態により配信される広告は、単に一律に同じ内容の広告を配信する場合と比較して、ユーザが関心を持ち、購入しようと考える可能性が高く、高い広告効果を有する。
【0038】
なお、
図3(b)において表示される広告画像のデータは、例えば、広告プッシュ通知とともに送信されたものであってもよい。あるいは、広告画像のデータは、広告プッシュ通知において示されていたURL(Uniform Resource Locator)に対してアクセスすることにより表示されるものであってもよい。
【0039】
図4を参照して、本実施形態のユーザ端末装置100の構成例について説明する。同図のユーザ端末装置100は、通信部101、制御部102、記憶部103、表示部104、操作部105及び位置測定部106を備える。
通信部101は、広告サーバ200と通信を行う。
【0040】
制御部102は、広告の配信に関する処理を実行する。制御部102としての機能は、ユーザ端末装置100が備えるCPU(Central Processing Unit)が、広告閲覧アプリケーションのプログラムを実行することにより実現される。
制御部102は、広告閲覧アプリケーションのプログラムの実行により実現される機能として、位置情報処理部121、ビーコン対応処理部122及び広告出力部123を備える。
【0041】
位置情報処理部121は、自己の位置を示す位置情報を広告サーバ200に送信する。本実施形態において、位置情報処理部121は、位置測定部106によりGPSを利用して測定された自己の位置を位置情報として取得する。また、位置情報処理部121は、取得した位置情報を広告サーバ200に送信する。
【0042】
ビーコン対応処理部122は、ビーコン端末装置BTMから受信したビーコン信号を通知するビーコン受信通知を広告サーバ200に送信する。
つまり、ビーコン対応処理部122は、例えばBluetooth(登録商標)によるビーコン機能を用いたビーコン端末装置BTMとの近距離無線通信により、ビーコン端末装置BTMが送信するビーコン信号を受信する。
そして、ビーコン対応処理部122は、受信されたビーコン信号から、ビーコン信号送信元のビーコン端末装置BTMを示すビーコン端末装置IDを取得する。ビーコン対応処理部122は、広告サーバ200に対して、ビーコン信号から取得したビーコン端末装置IDと、広告閲覧アプリケーションのユーザを示すユーザIDとを含むビーコン受信通知を送信する。
【0043】
広告出力部123は、広告サーバ200から送信される広告プッシュ通知(広告通知メッセージの一例)を出力する。本実施形態における広告プッシュ通知の出力は、例えば
図3に例示したように、ユーザ端末装置100が備える表示部による表示によって行われる。
【0044】
記憶部103は、制御部102が利用する各種の情報を記憶する。記憶部103は、例えばユーザ端末装置100におけるCPUが実行する広告閲覧アプリケーションを記憶する。
【0045】
表示部104は、広告出力部123の制御に応じて画像を表示する。
操作部105は、ユーザ端末装置100における操作子や操作デバイスを一括して示している。操作部105に含まれる操作子や操作デバイスに対して操作が行われるのに応じて、操作部105は操作信号を制御部102に出力する。制御部102は入力された操作信号に応じて所定の制御を実行する。
また、本実施形態の表示部104はタッチパッドが組み合わされることで、タッチパネルとして構成されてもよい。この場合、操作部105には、タッチパネルを構成するタッチパッドを含む。
【0046】
図5を参照して、本実施形態における広告サーバ200の構成例について説明する。同図の広告サーバ200は、通信部201、制御部202及び記憶部203を備える。
通信部101は、ネットワーク経由でユーザ端末装置100と通信を行う。
【0047】
制御部202は、広告の配信に関する制御を実行する。制御部202としての機能は、広告サーバ200が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部202は、広告プッシュ通知に対応する機能部として、端末存在判定部221と広告送信制御部222とを備える。
【0048】
端末存在判定部221は、ユーザ端末装置100から受信した、GPSやビーコン信号による位置情報に基づいて、ユーザ端末装置100がショッピングモールSM(通知対象エリアの一例)内に存在しているか否かについて判定する。ユーザ端末装置100から受信した位置情報は、前述のように、ユーザ端末装置100の位置を示す。
また、広告送信制御部222は、端末存在判定部221によりユーザ端末装置100がショッピングモールSM内に存在していることが判定されている場合において、時間に関連する条件要素を含む通知許可条件を満たした場合に、ユーザ端末装置100に対して広告プッシュ通知(広告通知メッセージの一例)を送信する。
【0049】
本実施形態における通知許可条件には、以下の条件要素1、2、3、4が含まれる。
条件要素1:ショッピングモールSMに入場してから通知待機時間を経過していること(時間に関連する条件要素の一例)。
条件要素2:ビーコン対応処理に応じたビーコン受信通知が受信された時刻から次のビーコン受信通知が受信されることなく滞留確認時間を経過すること。
条件要素3:ショッピングモールSMに入場してから未だ一度も広告プッシュ通知を行っていない(広告プッシュ通知の送信回数が制限回数に至っていない)こと。
条件要素4:ショッピングモールSMに入場してから、未だ広告主店舗STに入場(来店)した履歴がないこと。
【0050】
また、広告送信制御部222は、広告通知メッセージ記憶部233に記憶される広告通知メッセージのうちから、ビーコン受信通知に含まれるビーコン端末装置IDが示すビーコン端末装置BTMの配置されたエリア(ユーザ滞留エリア)と、ビーコン受信通知が受信された時刻を含む時間帯とに対応付けられた広告通知メッセージを選択する。そして、広告送信制御部222は、選択した広告通知メッセージを、ビーコン受信通知の送信元のユーザ端末装置100に送信する。
【0051】
記憶部203は、制御部202が利用する各種の情報を記憶する。同図に示すように、本実施形態の記憶部203は、広告プッシュ通知に対応して、通知対象エリア情報記憶部231、通知制御情報記憶部232及び広告通知メッセージ記憶部233を備える。
【0052】
通知対象エリア情報記憶部231は、通知対象エリア情報を記憶する。通知対象エリア情報は、通知対象エリアの位置を示す通知対象エリア位置情報を含む。
また、通知対象エリア情報は、通知対象エリアにおいて配置されるビーコン端末装置BTMのビーコン端末装置IDごとに対応して、対応のビーコン端末装置BTMが配置される通知対象エリア内のエリアを示す。
図1に示したショッピングモールSMを通知対象エリアとする通知対象エリア情報においては、ビーコン端末装置BTM−Aのビーコン端末装置IDに対応してテナントエリアAが示される。また、当該通知対象エリア情報においては、ビーコン端末装置BTM−Bのビーコン端末装置IDに対応してテナントエリアBが示され、ビーコン端末装置BTM−Cのビーコン端末装置IDに対応してテナントエリアCが示され、ビーコン端末装置BTM−Dのビーコン端末装置IDに対応してテナントエリアDが示される。さらに、当該通知対象エリア情報においては、ビーコン端末装置BTM−ST1に対応して広告主店舗STの出入口GT1が示され、ビーコン端末装置BTM−ST2に対応して広告主店舗STの出入口GT2が示される。
即ち、通知対象エリア情報によっては、通知対象エリアにおいて配置されるビーコン端末装置BTMのそれぞれが、通知対象エリア内におけるどの一部エリア(テナントエリアまたは店舗における出入口など)に配置されているのかが示される。
【0053】
なお、通知対象エリア情報記憶部231は、複数の異なる通知対象エリアごとに複数の通知対象エリア情報を記憶してもよい。この場合、複数の通知対象エリアには、それぞれ異なる通知対象エリアIDが割り当てられて管理される。
【0054】
通知制御情報記憶部232は、通知制御情報を記憶する。通知制御情報は、1つのユーザ端末装置100に対応する広告プッシュ通知の可否を決定するために広告送信制御部222が用いる情報である。1つのユーザ端末装置100に対応する通知制御情報は、通知対象エリアに入場した際の履歴と、対応のユーザ端末装置100から受信されたビーコン受信通知の履歴と、広告プッシュ通知の送信に関する履歴とを格納する。
【0055】
図6は、1つのユーザ端末装置100に対応する通知制御情報の内容例を示している。同図の通知制御情報は、
図2に示した動作に応じた情報内容を有している。
同図の通知制御情報は、ユーザID、通知対象エリアID、入場日時、送信回数、ビーコン受信通知履歴情報の各領域を含む。
【0056】
ユーザIDの領域には、ユーザ端末装置100から受信した位置情報及びビーコン受信通知に含まれているユーザIDが格納される。
【0057】
通知対象エリアIDの領域には、対応のユーザ端末装置100が入場している通知対象エリアを示す通知対象エリアIDが格納される。
入場日時の領域には、対応のユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場した日時が格納される。
【0058】
送信回数は、対応のユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場して以降において、対応のユーザ端末装置100に広告プッシュ通知を送信した回数が示される。
【0059】
ビーコン受信通知履歴情報の領域には、対応のユーザ端末装置100がビーコン対応処理を行ったことに応じて広告サーバ200にて受信されたビーコン受信通知についての履歴情報(ビーコン受信通知履歴情報)が格納される。
1つのビーコン受信通知履歴情報は、ビーコンエリアと受信日時との各領域を含む。
ビーコンエリアの領域には、対応のビーコン受信通知に含まれるビーコン端末装置IDによって示されるビーコン端末装置BTMが配置される通知対象エリア内のエリア(ビーコンエリア)を示す情報が格納される。つまり、ビーコンエリアの情報は、対応のビーコン受信通知に応じてビーコン信号を送信したビーコン端末装置BTMが配置されているエリアを示す。
受信日時の領域には、対応のビーコン受信通知が受信された日時(時刻)が格納される。
【0060】
広告送信制御部222は、1回のビーコン受信通知の受信に応じた1つのビーコン受信通知履歴情報を格納するにあたり、上記のビーコンエリアの情報を取得する。ビーコンエリアの情報については、受信されたビーコン受信通知に含まれるビーコン端末装置IDに対応付けられたビーコンエリアを、通知対象エリア情報記憶部231が記憶する通知対象エリア情報から取得すればよい。そして、広告送信制御部222は、取得したビーコンエリアとビーコン受信通知が受信された日時とを含むビーコン受信通知履歴情報を通知制御情報に格納する。
【0061】
ビーコン受信通知履歴情報は、受信順に従って「No.1」から昇順による番号が付与される。同図における「No.1」のビーコン受信通知履歴情報は、
図2の時刻t1におけるビーコン対応処理によって受信されたビーコン受信通知に対応する。「No.2」〜「No.5」のビーコン受信通知履歴情報は、
図2の時刻t2、時刻t4、時刻t5、時刻t7のそれぞれのタイミングにおけるビーコン対応処理によって受信されたビーコン受信通知に対応する。
【0062】
説明を
図5に戻す。広告通知メッセージ記憶部233は、広告通知メッセージを記憶する。広告通知メッセージとは、広告プッシュ通知により送信される広告に関するメッセージである。広告通知メッセージ記憶部233は、通知対象エリアごとに対応して用意される広告通知メッセージについて、それぞれ、時間帯とビーコンエリアとによる組み合わせに対応付けた広告通知メッセージテーブルとしての構造により記憶する。
【0063】
図7は、1つの通知対象エリアに対応する広告通知メッセージテーブルの構造例を示している。同図の広告通知メッセージは、
図1に例示したショッピングモールSMが通知対象エリアである場合の例である。
同図においては、6つの時間帯(11:00〜11:59、12:00〜12:59、13:00〜13:59、14:00〜14:59、15:00〜15:59、16:00〜17:00)と、テナントエリアA〜テナントエリアDの4つのビーコンエリアとによる24の組みあわせごとに1つの広告通知メッセージが対応付けられている。
具体的に、例えば11:00〜11:59の時間帯とテナントエリアA、B、C、Dとによる4通りの組み合わせには、それぞれ、広告通知メッセージMSG−A1、MSG−B1、MSG−C1、MSG−D1が対応付けられている。
また、12:00〜12:59の時間帯とテナントエリアA、B、C、Dとによる4通りの組み合わせには、それぞれ、広告通知メッセージMSG−A2、MSG−B2、MSG−C2、MSG−D2が対応付けられている。
以下同様に、残りの各時間帯とテナントエリアA、B、C、Dとの16通りの組み合わせごとに、各1つの広告通知メッセージが対応付けられる。
【0064】
同図に示される24の広告通知メッセージは、対応の時間帯とビーコンエリアとの少なくともいずれか一方に応じた内容を有している。これにより、本実施形態においては、時間帯とビーコンエリアに基づいて推定されるユーザの属性とに応じた適切な内容の広告をユーザに提供することが可能になる。
【0065】
続いて、
図8のフローチャートを参照して、本実施形態におけるユーザ端末装置100が位置情報の送信とビーコン対応処理とに関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、ユーザ端末装置100における位置情報処理部121は、位置情報を広告サーバ200に送信すべきタイミングに至ったか否かについて判定する(ステップS101)。本実施形態における広告閲覧アプリケーションは、一定時間ごとにユーザ端末装置100の位置を示す位置情報を広告サーバ200に送信するようにされている。
位置情報を広告サーバ200に送信すべきタイミングに至ったことが判定された場合(ステップS101−YES)、位置情報処理部121は、そのときに位置測定部106により測定されている位置情報を取得し、取得した位置情報を広告サーバ200に対して送信する(ステップS102)。位置情報処理部121が送信する位置情報には、送信元を示す情報として、広告閲覧アプリケーションのユーザを示すユーザIDが付加される。
【0066】
一方、位置情報を広告サーバ200に送信すべきタイミングに至っていないことが判定された場合(ステップS101−NO)、ビーコン対応処理部122は、ビーコン端末装置BTMが送信するビーコン信号が受信されたか否かについて判定する(ステップS103)。
ビーコン信号を受信したことが判定された場合(ステップS103−YES)、ビーコン対応処理部122は、ビーコン受信通知を広告サーバ200に対して送信する(ステップS104)。ビーコン受信通知は、前述のように、受信されたビーコン信号の送信元のビーコン端末装置BTMを示すビーコン端末装置IDを含む。
【0067】
一方、ビーコン信号の受信されないことが判定された場合(ステップS103−NO)、広告出力部123は、広告サーバ200から送信された広告プッシュ通知が受信されたか否かについて判定する(ステップS105)。
広告プッシュ通知が受信されたことが判定された場合(ステップS105−YES)、広告出力部123は、例えば
図3に例示したように、受信された広告プッシュ通知に含まれる広告通知メッセージを出力させる制御を実行する。ステップS106の処理の後はステップS101に処理が戻される。
一方、広告プッシュ通知が受信されないことが判定された場合には(ステップS105−NO)、ステップS106の処理がスキップされたうえでステップS101に処理が戻される。
【0068】
続いて、
図9のフローチャートを参照して、広告サーバ200が通知制御情報の管理に関連して実行する処理手順例について説明する。
まず、広告サーバ200における端末存在判定部221は、通知対象エリアにユーザ端末装置100が入場したか否かについて判定する(ステップS201)。
ステップS201の判定にあたり、端末存在判定部221は、
図2のステップS102の処理によってユーザ端末装置100から送信される位置情報を受信する。端末存在判定部221は、位置情報を受信するごとに、受信された位置情報が示す位置について、通知対象エリア情報記憶部231が記憶する通知対象エリアの位置に含まれるか否かについて判定する。
ここで、ユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場していない状態では、受信された位置情報が示す位置は、通知対象エリアの位置に含まれることはない。そして、ユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場すると、受信された位置情報が示す位置は、通知対象エリアの位置に含まれる状態に変化する。端末存在判定部221は、このような状態の変化が得られることに応じて、ユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場したと判定する。またはGPS機能が無効に設定されているユーザ端末装置の場合にはビーコン受信通知を受信したことに応じて、通知対象エリアに入場したと判定しても良い。
【0069】
ユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場したことが判定された場合(ステップS201−YES)、広告送信制御部222は、通知制御情報を新規に登録する(ステップS202)。つまり、広告送信制御部222は、今回のユーザ端末装置100の通知対象エリアへの入場に応じた通知制御情報を通知制御情報記憶部232に記憶させる。
このときには、ユーザ端末装置100が入場した直後であることから、ユーザ端末装置100は未だビーコン端末装置BTMのいずれとも通信を行っていない。このため、新規登録される通知制御情報には、例えば通知対象エリアID及び入場日時については有意な情報が格納されているが、ビーコン受信通知履歴については未格納の状態である。
【0070】
次に、広告送信制御部222は、ステップS201にて通知対象エリアに入場したことが判定されたユーザ端末装置100が送信するビーコン受信通知が受信されたか否かについて判定する(ステップS203)。
ビーコン受信通知の受信されたことが判定された場合(ステップS203−YES)、広告送信制御部222は、今回のビーコン受信通知の受信に対応するビーコン受信通知履歴情報を、ステップS202にて登録した通知制御情報に格納する(ステップS204)。
図6にて説明したように、1回のビーコン受信通知の受信に対応するビーコン受信通知履歴情報には、対応のビーコン端末装置BTMの配置されたビーコンエリアと、ビーコン受信通知が受信された受信日時とを含む。
【0071】
ステップS204の処理を経た場合、あるいはステップS203にてビーコン受信通知が受信されなかったことが判定された場合(ステップS203−NO)、広告送信制御部222は、以下の判定を行う。
つまり、端末存在判定部221は、ステップS201にて通知対象エリアに入場したことが判定されたユーザ端末装置100について、通知対象エリアから退場したか否かについて判定する(ステップS205)。
ステップS205の判定にあたり、端末存在判定部221は、ステップS201の場合と同様に、
図2のステップS102の処理によってユーザ端末装置100から送信される位置情報を受信する。端末存在判定部221は、位置情報を受信するごとに、受信された位置情報が示す位置について、通知対象エリア情報記憶部231が記憶する通知対象エリアの位置に含まれるか否かについて判定する。
ユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場している状態では、受信された位置情報が示す位置は、通知対象エリアの位置に含まれている。そして、ユーザ端末装置100が通知対象エリアから退場すると、受信された位置情報が示す位置は、通知対象エリアの位置に含まれない状態に変化する。端末存在判定部221は、このように状態が変化した場合にユーザ端末装置100が通知対象エリアから退場したと判定することができる。
【0072】
ユーザ端末装置100が通知対象エリアから退場したことが判定された場合(ステップS205−YES)、以降において、ユーザ端末装置100に対して広告プッシュ通知を送信する必要性がなくなる。つまり、ステップS202により登録した通知制御情報は不要となる。そこで、この場合の広告送信制御部222は、ステップS202により登録した通知制御情報を、通知制御情報記憶部232から削除する(ステップS206)。
一方、ユーザ端末装置100が通知対象エリアから退場していないことが判定された場合には(ステップS205−NO)、ステップS203に処理が戻される。これにより、以降において、さらにビーコン受信通知が受信されることに応じてビーコン受信通知履歴情報が通知制御情報に格納されていく。
【0073】
続いて、
図10のフローチャートを参照して、広告サーバ200が広告プッシュ通知の送信に関連して実行する処理手順例について説明する。また、同図は、1つの通知制御情報、即ち通知対象エリアに入場した1つのユーザ端末装置100を対象に行われる処理である。また、同図の処理は、一定時間(例えば1分)ごとに行われるようにすればよい。
【0074】
まず、広告サーバ200における広告送信制御部222は、一定時間ごとに、広告プッシュ通知の送信可否判定の対象であるユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場した時刻から通知待機時間が経過するのを待機する(ステップS301−NO)。
ステップS301においては、通知制御情報に格納される入場日時が示す時刻から現在時刻までの時間が、通知待機時間として定められた時間(例えば1時間)よりも長いか否かを判定すればよい。
【0075】
そして、通知待機時間を経過したことが判定されると(ステップS301−YES)、広告送信制御部222は、対象の通知制御情報において有意なビーコン受信通知履歴情報が格納されているか否かについて判定する(ステップS302)。
有意なビーコン受信通知履歴情報が格納されていないことが判定された場合には(ステップS302−NO)、広告プッシュ通知が送信されることはない。そこで、この場合には、ステップS301に処理が戻される。
【0076】
一方、有意なビーコン受信通知履歴情報が格納されていることが判定された場合(ステップS302−YES)、広告送信制御部222は、ユーザが広告主店舗STに来店済みであるか否か(即ち、ユーザが所持するユーザ端末装置100が広告主店舗STに存在したとの履歴が有るか否か)について判定する(ステップS303)。ステップS303においては、対象の通知制御情報において広告主店舗STの出入口GT1、GT2のいずれかをビーコンエリアとして示すビーコン受信通知履歴情報が格納されているか否かを判定すればよい。
【0077】
ユーザが広告主店舗STに来店済みであることが判定された場合(ステップS303−YES)、前述のように広告プッシュ通知を送信しなくともよい。そこで、この場合にはステップS301に処理が戻される。
一方、広告主店舗STに来店済みではないことが判定された場合(ステップS303−NO)、広告送信制御部222は、予め定めた制限回数までの広告プッシュ通知の送信を済ませているか否かについて判定する(ステップS304)。なお、先の
図2の動作説明では、プッシュ通知の制限回数は1回である。ステップS304においては、例えば通知制御情報における送信回数が制限回数以上であるか否かを判定すればよい。
予め定めた制限回数までの広告プッシュ通知の送信が済んでいると判定された場合(ステップS304−YES)、広告プッシュ通知を送信するべきでない。そこで、この場合にはステップS301に処理が戻される。
【0078】
一方、予め定めた制限回数までの広告プッシュ通知の送信が済んでいないと判定された場合(ステップS304−NO)、広告送信制御部222は、さらに、最後にビーコン受信通知が受信された時刻から滞留確認時間(5分)を経過したか否かについては判定する(ステップS305)。ステップS305においては、広告送信制御部222は、通知制御情報において最後に格納されたビーコン受信通知履歴情報において示される受信時刻から現在時刻までの時間が、滞留確認時間よりも長いか否かを判定すればよい。
【0079】
滞留確認時間を経過していないことが判定された場合(ステップS305−NO)、未だ広告プッシュ通知を送信するタイミングには至っていない。そこで、この場合にはステップS301に処理が戻される。
一方、滞留確認時間を経過していることが判定された場合(ステップS305−YES)、広告送信制御部222は、送信対象の広告通知メッセージを、広告通知メッセージ記憶部233から取得する(ステップS306)。この際、広告送信制御部222は、現在時刻を含む時間帯と、最後のビーコン受信通知履歴情報において示されるのと同じビーコンエリアとに対応付けられている広告通知メッセージを広告通知メッセージ記憶部233から取得する。
【0080】
そして、広告送信制御部222は、ステップS306により取得した広告通知メッセージを含む広告プッシュ通知を、ユーザ端末装置100に送信する(ステップS307)。この際、広告送信制御部222は、対象の通知制御情報に格納されているユーザIDが対応付けられた広告閲覧アプリケーションがインストールされたユーザ端末装置100を宛先として送信を行えばよい。
また、広告送信制御部222は、ステップS307により広告プッシュ通知を送信したことに応じて、通知制御情報における送信回数の値をインクリメントし(ステップS308)、ステップS301の処理に戻る。
このような処理によって、これまでに説明した広告サーバ200とユーザ端末装置100との間での広告プッシュ通知の送受信が実現される。
【0081】
なお、同図に示す広告プッシュ通知の送信可否判定の処理は、通知対象エリアからユーザ端末装置100が退場するまでの間は、一定時間ごとに実行されるようになっている。しかし、広告主店舗に来店済みである場合あるいは制限回数までの広告プッシュ通知の送信を済ませている場合には、以降において広告プッシュ通知を送信する必要が無い。従って、広告送信制御部222がビーコン受信通知履歴情報を参照して広告プッシュ通知の送信可否を判定する必要もなくなる。そこで、広告主店舗に来店済みである場合あるいは制限回数までの広告プッシュ通知の送信を済ませている場合には、広告プッシュ通知の送信可否判定の処理を行わないようにしてもよい。
また、上記のように広告主店舗に来店済み、あるいは制限回数までの広告プッシュ通知の送信が済んでいることで、広告プッシュ通知の送信可否を判定する必要がなくなれば、以降のビーコン受信通知履歴情報を利用する必要もなくなる。そこで、広告主店舗に来店済みの状態、あるいは制限回数までの広告プッシュ通知の送信が済んでいる状態のもとでは、ビーコン受信通知が受信されたとしても、受信に応じてビーコン受信通知履歴情報を新規に格納しないようにしてもよい。
【0082】
ただし、通知制御情報は、通知対象エリアにおけるユーザの行動履歴を分析するのに利用できる。そこで、通知制御情報をユーザの行動履歴の分析に利用するような場合には、
図10の処理を終了してもビーコン受信通知の受信に応じてビーコン受信通知履歴情報を通知制御情報に格納していくようにすることが好ましい。
例えば、通知制御情報を利用することで、通知対象エリアに入場したユーザが、広告主店舗STに来店したか否かを特定することもできる。そこで、広告主店舗STに来店したユーザに対応するユーザ端末装置100に対して、例えば通知対象エリアから退場した後の所定のタイミングで、広告主店舗STに来店してもらったことについての感謝の意を含めた広告プッシュ通知を行うといったサービスを行ってもよい。
【0083】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。本実施形態は、ユーザ端末装置100が通知対象エリアに入場している間においては、予め定められた時刻に至ると、広告サーバ200からユーザ端末装置100に対して広告プッシュ通知が行われるというものである。
【0084】
図11は、本実施形態における広告通知メッセージ記憶部233が記憶する広告通知メッセージテーブルの構造例を示している。同図においては、11:00、12:00、13:00、14:00、15:00及び16:00の1時間間隔の時刻(広告通知メッセージ送信時刻)ごとに対応して、広告通知メッセージMSG−1、MSG−2、MSG−3、MSG−4、MSG−5、MSG−6が格納されている。
このように、本実施形態における広告通知メッセージは、予め定められた広告通知メッセージ送信時刻ごとに対応付けられている。そして、これらの広告通知メッセージは、対応の広告通知メッセージ送信時刻に応じた内容を有する。
【0085】
図12は、本実施形態の広告提供システムにおける広告プッシュ通知の動作概要について説明する。同図においては、まず、12:40(12時40分)においてユーザAが通知対象エリアに入場している。
そして、13:00となって広告通知メッセージ送信時刻に至ると、広告サーバ200は、現在において通知対象エリア内に存在しているユーザAのユーザ端末装置100−Aに対して、13:00に対応する広告通知メッセージを含む広告プッシュ通知を送信する。
これに応じて、通知対象エリアに存在しているユーザAのユーザ端末装置100−Aは、同じ13:00に対応する広告通知メッセージの広告プッシュ通知を受信する。
【0086】
次に、同図では13:30においてユーザBが通知対象エリアに入場している。そして、14:00に至ると、広告サーバ200は、現在において通知対象エリア内に存在しているユーザ端末装置に対して、14:00に対応する広告通知メッセージを含む広告プッシュ通知を送信する。
ただし、本実施形態においても、通知対象エリア内に存在しているユーザ端末装置への広告プッシュ通知の送信は、ユーザが煩わしさを感じてしまう可能性を考慮して、回数についての制限が行われる。ここでは、制限回数が1回である場合を例に挙げて説明する。
この場合、14:00のタイミングにおいて、広告サーバ200は、既に13:00のタイミングで広告プッシュ通知を送信したユーザ端末装置100−Aに対しては広告プッシュ通知を送信しない。一方、広告サーバ200は、14:00の時点で未だ広告プッシュ通知を送信していないユーザ端末装置100−Bに対しては広告プッシュ通知を送信する。
【0087】
このように本実施形態においては、通知対象エリアに存在するユーザ端末装置に対して、予め定められた所定時刻において広告プッシュ通知が行われる。この場合、広告プッシュ通知の内容について、対応の広告通知メッセージ送信時刻ごとに異なる内容のものとすることができる。これにより、例えば時間帯ごとに応じて適切な内容の広告を配信することが可能となり、高い広告効果を期待できる。
また、広告プッシュ通知の送信回数について制限が与えられることで、何度も広告プッシュ通知が送られてくることの煩わしさをユーザが感じることがないように配慮している。
【0088】
なお、本実施形態においては、予め定められた時刻において同じ内容の広告プッシュ通知を送信することから、通知対象エリアにおいてビーコン端末装置BTMを配置する必要はない。これに伴い、通知制御情報においてビーコン受信通知履歴情報は不要となる。
ただし、本実施形態において、既に広告主店舗STに入店しているユーザのユーザ端末装置100に対しては広告プッシュ通知を行わないようにすることもできる。この場合には、少なくとも、広告主店舗STの出入口にビーコン端末装置BTMを配置し、広告サーバ200がビーコン受信通知の受信に応じてビーコン受信通知履歴情報を格納していくように構成する。
【0089】
なお、
図5においては、広告サーバ200の記憶部203において通知対象エリア情報記憶部231、通知制御情報記憶部232及び広告通知メッセージ記憶部233が備えられている。しかし、通知対象エリア情報記憶部231、通知制御情報記憶部232及び広告通知メッセージ記憶部233の少なくともいずれか1つは、例えばストレージデバイスとして広告サーバ200とは個別に設けられ、例えばネットワーク経由で広告サーバ200と通信可能なように設けられてよい。
【0090】
なお、上述のユーザ端末装置100または広告サーバ200としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のユーザ端末装置100または広告サーバ200としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。