(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
接続された複数の機器の制御に関するデータを記憶する第1記憶部と、当該第1記憶部を、各々が少なくとも1つの機器のデータを含む複数のブロックとして認識する認識部とを含む第1制御部と、
前記複数の機器を制御する処理を行う処理部と、前記第1制御部に対しブロックを指定してデータの読み取りを要求する要求部と、当該第1制御部から受け取ったブロックのデータを記憶する第2記憶部とを含む第2制御部と
を有し、
前記第2記憶部は、前記認識部が認識する複数のブロックよりも少ない数のブロックを記憶するように設定されており、
前記要求部は、前記第2記憶部が記憶可能なブロック数以下となるように、前記第1制御部に対するブロックの指定を行うこと
を特徴とする制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置10の全体構成を示す図である。ここで、本実施の形態では、電子写真方式を採用した画像形成装置10を例として説明を行うが、これに限られるものではなく、インクジェット方式等を採用したものであってもかまわない。
【0009】
この画像形成装置10は、制御装置11と、電子写真方式を用いた画像形成動作で用いられるとともに、制御装置11による制御対象となる機器群12とを有する。この例において、機器群12は、8つの機器(それぞれを第1機器12A〜第8機器12Hと称する)を含むものとする。そして、これら第1機器12A〜第8機器12Hは、画像形成装置10で用いられる各種モータ(感光体ドラム、中間転写ベルト、搬送ベルト、定着ロールなどを回転駆動する)やセンサ(温度、湿度、光、用紙の存在、回転体の回転などを検知する)等で構成される。なお、機器群12を構成する機器の数は、8つに限定されるものではなく、画像形成装置10の種別により変動する。
【0010】
画像形成装置10を構成する制御装置11は、画像形成装置10全体の動作を制御する主制御部20と、主制御部20による制御下において、画像形成装置10を構成する機器群12のそれぞれを個別に制御する従制御部30と、主制御部20と従制御部30とを接続し、両者の間でデータの送受信を行う送受信バス40とを有する。ここで、本実施の形態における主制御部20と従制御部30とは、所謂「マスタスレーブ」の関係を有している。
【0011】
(主制御部の構成)
まず、第2制御部の一例としての主制御部20は、CPU21と、主側送受信部22と、複写レジスタ管理部23と、複写レジスタ群24と、CPUバス25とを備えている。ここで、本実施の形態の主制御部20は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアにより構成される。
【0012】
処理部および要求部の一例としてのCPU21は、図示しない不揮発性の記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置10の全体を制御する。なお、CPU21が実行するプログラムを記憶する記憶部は、HDD(ハードディスクドライブ)、フレキシブルディスク、DVDディスクおよび光磁気ディスク等の回転型記憶媒体や、メモリカードおよびUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の固定型記憶媒体であってもよいし、図示しない通信インタフェースを介して接続された、他の装置の記憶媒体であってもよい。
【0013】
主側送受信部22は、パラレル信号をシリアル信号に変換するシリアライザおよびシリアル信号をパラレル信号に変換するデシリアライザとして機能する所謂SERDES(SERializer/DESerializer)で構成される。主側送受信部22は、CPU21からCPUバス25を介して従制御部30に送信するデータ(パラレル信号)を受け取ると、このパラレル信号をパケット化し、各パケットをシリアル信号に変換し、変換されたシリアル形式のパケットを、送受信バス40を介して従制御部30に送信する。また、主側送受信部22は、従制御部30から送受信バス40を介してシリアル形式のパケットを受信すると、受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットをデコードして、パケットに含まれるデータを取り出す。
【0014】
複写レジスタ管理部23は、主側送受信部22との間でデータの授受を行う。また、複写レジスタ管理部23は、複写レジスタ群24に対するデータの読み書きを制御するとともに、複写レジスタ群24に記憶させたデータの管理を行う。
【0015】
第2記憶部の一例としての複写レジスタ群24は、複数のレジスタ(記憶領域)を含むメモリで構成されている。本実施の形態の複写レジスタ群24は、4つの複写レジスタ(それぞれを第1複写レジスタ241〜第4複写レジスタ244と称する)を含んでいるものとする。ここで、第1複写レジスタ241〜第4複写レジスタ244のそれぞれのメモリサイズは、同じ大きさに設定されている。なお、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタの数は、4つに限定されない。
【0016】
本実施の形態では、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34(詳細は後述する)を構成する制御レジスタの記憶内容が、この複写レジスタ群24に複写される。ここで、「複写」とは、制御レジスタ群34から制御レジスタに記憶されたデータを読み出し、読み出したデータを、従制御部30から送受信バス40を介して主制御部20へと送信し、主制御部20が受け取ったデータを、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタに書き込む処理をいう。
【0017】
CPUバス25は、複数の信号線が並列に接続されたパラレルバスで構成される。これにより、CPU21と主側送受信部22とは、CPUバス25を介してパラレル通信を行う。
【0018】
(従制御部の構成)
また、第1制御部の一例としての従制御部30は、従側送受信部32と、制御レジスタ管理部33と、制御レジスタ群34と、機器駆動部36とを備えている。ここで、本実施の形態の従制御部30は、上記主制御部20と同じく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアにより構成される。
【0019】
従側送受信部32は、上記主側送受信部22と同じく、パラレル信号をシリアル信号に変換するシリアライザおよびシリアル信号をパラレル信号に変換するデシリアライザとして機能する所謂SERDES(SERializer/DESerializer)で構成される。従側送受信部32は、主制御部20から送受信バス40を介してシリアル形式のパケットを受信すると、受信したパケットをパラレル形式のパケットに変換し、パラレル形式のパケットをデコードして、パケットに含まれるデータを取り出す。また、従側送受信部32は、制御レジスタ管理部33から主制御部20に送信するデータ(パラレル信号)を受け取ると、このパラレル信号をパケット化し、各パケットをシリアル形式に変換し、送受信バス40を介して主制御部20に送信する。
【0020】
認識部の一例としての制御レジスタ管理部33は、従側送受信部32との間でデータの授受を行う。また、制御レジスタ管理部33は、制御レジスタ群34からのデータの読み出しを制御するとともに、制御レジスタ群34を、制御レジスタ群34に対して予め設定された、複数のブロックを単位として管理する。ここで、本実施の形態では、制御レジスタ管理部33が、制御レジスタ群34を、分割された8つのブロック(それぞれを第1ブロックB1〜第8ブロックB8と称する)として認識しているものとする。そして、本実施の形態の制御レジスタ管理部33は、8つのブロック(第1ブロックB1〜第8ブロックB8)のそれぞれに対応して設けられた8つの管理部(それぞれを第1管理部33A〜第8管理部33Hと称する)を備えている。
【0021】
第1記憶部の一例としての制御レジスタ群34は、複数のレジスタ(記憶領域)を含むメモリで構成されている。
本実施の形態の制御レジスタ群34は、8つの制御レジスタ(それぞれを第1制御レジスタ34A〜34Hと称する)を含んでいるものとする。ここで、第1制御レジスタ34A〜第8制御レジスタ34Hのそれぞれのメモリサイズは、同じ大きさに設定されている。また、第1制御レジスタ34A〜第8制御レジスタ34Hのそれぞれのメモリサイズは、上記複写レジスタ群24を構成する第1複写レジスタ241〜第4複写レジスタ244のそれぞれのメモリサイズと、同じ大きさに設定されている。なお、制御レジスタ群34を構成する制御レジスタの数は、8つに限定されない。ただし、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタの数は、制御レジスタ群34を構成する制御レジスタの数以下となるように設定される。本実施の形態の場合、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタの数は4であり、制御レジスタ群34を構成する制御レジスタの数である8よりも少ない。
【0022】
従制御部30において、制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタは、入力レジスタと出力レジスタとを含んでいる。ここで、入力レジスタには、機器群12を構成する各機器の状態を示すデータが書き込まれる。これに対し、出力レジスタには、主制御部20を構成するCPU21から送られてきた、機器群12を構成する各機器を制御するデータが書き込まれる。なお、以下の説明においては、制御レジスタ群34を構成する第1制御レジスタ34A〜第8制御レジスタ34Hのそれぞれに記憶されるデータを、第1データD1〜第8データD8と称する。
【0023】
制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタに記憶されたデータは、上述したように、送受信バス40を介して、主制御部20に設けられた複写レジスタ群24に複写される。これにより、主制御部20に設けられたCPU21は、同じく主制御部20に設けられた複写レジスタ群24に複写されたデータを読み出すことにより、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34に書き込まれたデータと同じデータを参照することができる。また、主制御部20に設けられたCPU21は、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34に書き込まれたデータを、送受信バス40を介して読み出して取得することもできる。
【0024】
なお、制御レジスタ群34には、割込の発生を示すデータが書き込まれるレジスタ(以下、割込レジスタと称する)、および、割込の発生要因を示すデータが書き込まれるレジスタ(以下、割込要因レジスタと称する)が含まれる(ともに図示せず)。
【0025】
機器駆動部36は、制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタの出力レジスタに書き込まれたデータに基づき、機器群12を構成する各機器を個別に駆動する。また、機器駆動部36は、制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタの入力レジスタに、機器群12を構成する各機器の状態を示すデータを書き込む。本実施の形態の機器駆動部36は、機器群12を構成する8つの機器(第1機器12A〜第8機器12H)のそれぞれに対応した、8つの駆動部(それぞれを第1駆動部36A〜第8駆動部36Hと称する)を備えている。
【0026】
これにより、本実施の形態の従制御部30では、制御レジスタ管理部33を構成する各管理部(第1管理部33A〜第8管理部33H)と、制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタ(第1制御レジスタ34A〜第8制御レジスタ34H)と、機器駆動部36を構成する各駆動部(第1駆動部36A〜第8駆動部36H)とが、1対1対1で対応付けられている。また、機器駆動部36を構成する各駆動部(第1駆動部36A〜第8駆動部36H)は、機器群12を構成する各機器(第1機器12A〜第8機器12H)と、1対1で対応付けられている。したがって、本実施の形態では、制御レジスタ管理部33が、1つの機器(例えば第1機器12A)に対応して設けられた1つの制御レジスタ(例えば第1制御レジスタ34A)を1つのブロック(例えば第1ブロックB1)として、管理を行っていることになる。ただし、これに限られるものではなく、制御レジスタ管理部33は、例えば複数(2以上)の制御レジスタを1つのブロックとして管理するようにしてもかまわない。
【0027】
(送受信バスの構成)
さらに、制御装置11を構成する送受信バス40は、送信用および受信用としてそれぞれ1対の信号線を有するシリアルバスで構成された、全2重通信(Full Duplex)方式の伝送路である。この送受信バス40は、主制御部20からみた場合に送信用となる第1信号線Txと、主制御部20からみた場合に受信用となる第2信号線Rxとを備える。これにより、主制御部20と従制御部30とは、送受信バス40を介してシリアル通信を行う。
【0028】
[主側送受信部の構成]
図2は、主制御部20に設けられた主側送受信部22の構成を示す図である。
本実施の形態の主側送受信部22は、CPUバスインタフェース50と、コントローラ51と、パケット生成回路52と、バッファ53と、パラレルシリアル変換回路54と、シリアルパラレル変換回路55と、バッファ56と、パケット復号回路57と、アドレスカウンタ58とを有する。
【0029】
CPUバスインタフェース50は、CPUバス25を介して、CPU21とパラレル通信を行う。
コントローラ51は、主側送受信部22を構成する各構成要素と接続され、プロトコル制御や各構成要素の動作タイミング等を制御することで、主側送受信部22の全体を制御する。
【0030】
パケット生成回路52は、CPU21から受けた指示に基づいてデータの変換を行い、パラレル形式のパケットを生成する。
バッファ53は、パケット生成回路52で生成されたパラレル形式のパケットを、一時的に記憶する。
パラレルシリアル変換回路(シリアライザ)54は、バッファ53に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットをシリアル形式のパケットに変換し、第1信号線Txを介して従制御部30(
図1参照)に送信する。
【0031】
シリアルパラレル変換回路(デシリアライザ)55は、従制御部30(
図1参照)から第2信号線Rxを介して受信したシリアル形式のパケットを、パラレル形式のパケットに変換する。
バッファ56は、シリアルパラレル変換回路55で変換されたパラレル形式のパケットを、一時的に記憶する。
パケット復号回路57は、バッファ56に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットを復号(デコード)して、このパケットに含まれるデータを取り出す。
【0032】
アドレスカウンタ58は、制御レジスタ群34から読み出され且つ転送されてきたデータを、複写レジスタ群24に書き込むときの書き込み先のアドレスを生成し、複写レジスタ管理部23に出力する。複写レジスタ群24へのデータの複写は、制御レジスタ群34から読み出され且つ転送されてきた、予め定められたサイズのデータを、複写レジスタ管理部23が、複写レジスタ群24の先頭アドレスから順に書き込んでいくことにより行なわれる。このため、アドレスカウンタ58は、予め定められたサイズのデータが複写レジスタ群24に書き込まれる毎に、そのサイズ分だけインクリメントされたアドレスを出力する。アドレスカウンタ58は、1回のブロック転送(詳細は後述する)による複写レジスタ群24への全データの書き込みが終了した後、次回のブロック転送による複写レジスタ群24へのデータの書き込みを開始する前にリセットされる(先頭アドレスのカウント値となる)。
【0033】
ここで、複写レジスタ管理部23は、制御レジスタ群34のデータを複写レジスタ群24に複写する際に、主側送受信部22に設けられたコントローラ51からの指示にしたがい、制御レジスタ群34を構成する1以上の制御レジスタから読み出され且つ転送されてきたデータをパケット復号回路57から受け取るとともに、受け取ったデータを、アドレスカウンタ58から受け取ったアドレスにしたがって複写レジスタ群24に書き込むことで、複写レジスタ群24の記憶内容を更新する。
【0034】
また、複写レジスタ管理部23は、CPU21からCPUバスインタフェース50とコントローラ51とを介して、制御レジスタ群34に書き込まれているデータの読み出し要求を受けたときに、この読み出し要求に基づいて、複写レジスタ群24に複写されたデータを読み出すのか、あるいは、制御レジスタ群34に書き込まれたデータを直接読み出すのかを選択して読み出し処理を実行し、読み出したデータをCPU21に供給する。
【0035】
さらに、複写レジスタ管理部23は、CPU21からCPUバスインタフェース50とコントローラ51とを介して、制御レジスタ群34に対するデータの書き込み要求を受けたときに、この書き込み要求に基づいて、制御レジスタ群34のみに対してデータを書き込むのか、あるいは、制御レジスタ群34にデータを書き込むだけでなく複写レジスタ群24にも(複写による更新ではなく)直接データを書き込むのかを選択して、書き込み処理を実行する。
【0036】
[従側送受信部の構成]
図3は、従制御部30に設けられた従側送受信部32の構成を示す図である。
本実施の形態の従側送受信部32は、コントローラ61と、シリアルパラレル変換回路62と、バッファ63と、パケット復号回路64と、パケット生成回路65と、バッファ66と、パラレルシリアル変換回路67と、アドレスカウンタ68とを有する。
【0037】
コントローラ61は、従側送受信部32を構成する他の構成要素と接続され、プロトコル制御や各構成要素の動作タイミング等を制御することで、従側送受信部32の全体を制御する。
【0038】
シリアルパラレル変換回路62は、第1信号線Txを介して主制御部20(
図1参照)から受信したシリアル形式のパケットを、パラレル形式のパケットに変換する。
バッファ63は、シリアルパラレル変換回路62で変換されたパラレル形式のパケットを一時的に記憶する。
パケット復号回路64は、バッファ63に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットを復号(デコード)して、このパケットに含まれるデータを取り出す。
【0039】
パケット生成回路65は、制御レジスタ管理部33から受けた指示に基づいてデータの変換を行い、パラレル形式のパケットを生成する。
バッファ66は、パケット生成回路65で生成されたパケットを一時的に記憶する。
パラレルシリアル変換回路67は、バッファ66に一時的に記憶されたパラレル形式のパケットをシリアル形式のパケットに変換し、第2信号線Rxを介して主制御部20(
図1参照)に送信する。
【0040】
アドレスカウンタ68は、制御レジスタ群34からデータを読み出して複写レジスタ群24(
図1参照)に複写するときの、データの読み出し元のアドレスを生成し、制御レジスタ管理部33に出力する。複写レジスタ群24へのデータの複写は、予め定められたサイズのデータを制御レジスタ群34から読み出して、順次主制御部20(
図1参照)に転送することにより行なわれる。このため、アドレスカウンタ68は、予め定められたサイズのデータが制御レジスタ群34から読み出される毎に、そのサイズ分だけインクリメントされたアドレスを出力する。アドレスカウンタ68は、複写レジスタ群24への複写のための制御レジスタ群34からのデータの読み出し(1回のブロック転送)が終了したとき、あるいは、制御レジスタ群34からの次のデータの読み出し(次のブロック転送)を開始する際にリセットされる。
【0041】
ここで、制御レジスタ管理部33は、制御レジスタ群34の各レジスタに書き込まれているデータを複写レジスタ群24に複写する際に、制御レジスタ群34から、ブロックを単位としてデータを読み出してパケット生成回路65に出力し、複写レジスタ群24に書き込ませるためのパケット(以下、複写命令パケットという)を生成させる。この複写命令パケットは、パラレルシリアル変換回路67によりシリアル変換され、第2信号線Rxを介して主制御部20(
図1参照)に転送される。
【0042】
なお、従制御部30には、図示しない割込回路が設けられている。割込回路により割込(例えば、機器群12を構成する機器の動作異常など)が検出された場合、従側送受信部32に設けられたコントローラ61は、制御レジスタ群34の割込レジスタ(図示せず)に、割込発生を示すデータを書き込むとともに、割込要因レジスタ(図示せず)に割込要因のデータを書込む。また、コントローラ61は、パケット生成回路65に、割込発生を示すデータおよび割込要因のデータに基づく割込パケットを生成させ、パラレルシリアル変換回路67でシリアル変換し、第2信号線Rxを介して主制御部20(
図1参照)に送信する。
【0043】
[制御装置の動作]
本実施の形態において、主制御部20に設けられて画像形成装置10の全体を制御するCPU21は、システムタイマを基準として動作する。システムタイマは、予め定められた時間間隔(周期)でカウントするものであって、カウント毎にCPU21に対してタイマ割込みを発生させる。システムタイマの更新(時計のカウント)は、主制御部20の基板上に設けられた図示しないタイマIC(Integrated Circuit)から供給されるクロックを基準として行なわれる。システムタイマは、リアルタイムOS(オペレーティングシステム)においては、一般的に知られている技術であるため、ここではこれ以上の説明を省略する。
【0044】
また、従制御部30にもタイマIC(不図示)が設けられ、主制御部20に設けられたシステムタイマのカウント周期と同じ長さの周期でクロックを出力する。
【0045】
そして、主制御部20に設けられたCPU21は、基本的には、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタ(第1制御レジスタ34A〜第8制御レジスタ34H)の入力レジスタに、機器駆動部36(第1駆動部36A〜第8駆動部36H)によって書き込まれたデータから、対応する機器(第1機器12A〜第8機器12H)の状態を把握する。また、主制御部20に設けられたCPU21は、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34を構成する各制御レジスタの出力レジスタに、制御用のデータを書き込むことで、機器駆動部36を介して各機器の駆動を制御する。
【0046】
ただし、本実施の形態では、制御装置11に設定されたシステムタイマの周期以下となる周期で、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34のデータが、主制御部20に設けられた複写レジスタ群24へ複写される。このため、主制御部20に設けられたCPU21は、従制御部30に接続された各機器の状態等を把握する際に、送受信バス40を介して従制御部30に設けられた制御レジスタ群34からデータを取得しなくても、主制御部20に設けられた複写レジスタ群24に複写されたデータを読み出すことで、機器の状態等を把握することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34から、主制御部20に設けられた複写レジスタ群24にデータを複写するに際し、制御レジスタ群34を構成するすべての制御レジスタが記憶しているデータを、毎回同じ順番で複写レジスタ群24に複写するのではなく、複写を行う毎に、複写対象となるデータを記憶するブロック(制御レジスタ)の指定(選択)、および、複写対象となるデータを記憶するブロック(制御レジスタ)の転送順番の指定を行っている。
【0048】
以下に、本実施の形態の制御装置11の特徴的な動作(処理)について説明を行う。なお、ここでは、最初に、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34の更新処理(以下では、『制御レジスタ群の更新処理』と称する)について説明を行う。また、次に、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34から主制御部20に設けられた複写レジスタ群24への複写処理(以下では、『複写レジスタ群への複写処理』と称する)について説明を行う。そして、最後に、主制御部20に設けられたCPU21によるデータの読み出し処理(以下では、『CPUによるデータの読み出し処理』と称する)について説明を行う。
【0049】
(制御レジスタ群の更新処理)
制御装置11において、主制御部20に設けられたCPU21は、機器群12を制御するための制御用のデータを書き込むための書き込み要求を、CPUバス25を介して主側送受信部22に出力する。この書き込み要求には、書き込むデータだけでなく、書き込み先となる制御レジスタ群34のレジスタのアドレスが指定されている。主側送受信部22のコントローラ51は、CPUバスインタフェース50を介して書き込み要求を受け取ると、パケット生成回路52、バッファ53およびパラレルシリアル変換回路54を制御して、CPU21から受け取った書き込み要求をパケット化し、送受信バス40を介して従制御部30に送信する。
【0050】
一方、制御装置11における従制御部30に設けられた従側送受信部32では、上記パケットを受け取ると、コントローラ61が、シリアルパラレル変換回路62、バッファ63およびパケット復号回路64を制御して、書き込み要求のパケットをデコードし、書き込み要求を取り出す。
【0051】
次に、制御レジスタ管理部33は、制御レジスタ群34に含まれる複数の制御レジスタのうち、上記デコードして得られた書き込み要求で指定されたアドレスの制御レジスタの出力レジスタに、制御レジスタに対応する機器を制御するための制御用のデータを書き込む。そして、機器駆動部36は、この出力レジスタに書き込まれた制御用のデータに応じて、該当する機器を駆動する。
【0052】
また、機器駆動部36は、接続された機器からその機器の状態を示す信号が入力されると、その信号に応じたデータを、制御レジスタ群34に含まれる複数の制御レジスタのうち、その機器に対応する制御レジスタの入力レジスタに書き込む。
以上により、制御レジスタ群34の更新処理が完了する。
【0053】
(複写レジスタ群への複写処理)
本実施の形態の制御装置11では、システムタイマのカウント周期以下の周期で、制御レジスタ群34に記憶された全データのうち指定された複数のブロックのデータを指定された順番に読み出し、送受信バス40を介して送信し複写レジスタ群24に書き込む複写処理が行なわれる。例えば、システムタイマのカウント周期が1msであれば、複写周期は、1ms以下の周期とされる。本実施の形態では、制御レジスタ群34に記憶された各データのうち指定された複数のブロックのデータを、指定された順番に先頭アドレスから順に読み出し、読み出したデータから複写先のアドレスを指定せずに複数のパケットを生成して送信し、複写レジスタ群24の先頭アドレスから転送順に書き込む。
【0054】
以下、この複写処理を詳しく説明する。
図4は、複写レジスタ群24への複写処理の手順を説明するためのシーケンスチャートである。
【0055】
まず、主制御部20の主側送受信部22に設けられたコントローラ51は、主制御部20に設けられたタイマIC(図示せず)からクロックが出力されると、複写処理を開始する(ステップ1)。なお、ここでは、タイマICのクロックが出力されたときを複写処理の開始タイミングとしたが、これは一例であって、複写処理の開始タイミングはこれに限定されない。
【0056】
次に、コントローラ51は、この複写処理において、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34のうち、複写する(読み出す)ブロックの番号と順番とを作成する(ステップ2)。したがって、この例では、複写対象が複数のブロックを含むものとなっている。
【0057】
続いて、コントローラ51は、従制御部30に対するスタートネゴシエーションを実行する(ステップ3)。
【0058】
ここで、ステップ3では、まず、ステップ2で作成した、読み出すブロックの番号と順番とを含む複写要求のデータを、コントローラ51からパケット生成回路52に出力する。次いで、パケット生成回路52は、コントローラ51による制御の下、コントローラ51より受け取った複写要求のデータから複写要求のパケット(以下では、複写要求パケットと称する)を生成し、バッファ53に記憶させる。なお、複写要求パケットには、複写元(読み出し先)のブロックのデータ(複写対象となる複数のブロックの番号および読み出し順番)が含まれる。それから、パラレルシリアル変換回路54は、コントローラ51による制御の下、バッファ53に記憶される複写要求パケット(パラレル信号)をシリアル信号に変換して、第1信号線Txに送信する。以上により、ステップ3の処理が完了する。
【0059】
一方、従制御部30の従側送受信部に設けられたコントローラ61は、従制御部30に設けられたタイマIC(図示せず)から出力されたクロックに同期して、第1信号線Txからスタートネゴシエーションに含まれる複写要求パケットを受信する。なお、ここでは、タイマICのクロックが出力されたときを複写要求パケット受信の開始タイミングとしたが、これは一例であって、複写要求パケット受信の開始タイミングはこれに限定されない。
【0060】
次に、コントローラ61は、受信した複写要求パケットの内容を解析し、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34を構成する各ブロックのうち、複写する(読み出す)ブロックの番号と順番とを設定する(ステップ4)。
【0061】
ここで、ステップ4では、まず、コントローラ61による制御の下、シリアルパラレル変換回路62が、第1信号線Txから受信した複写要求パケット(シリアル信号)をパラレル信号に変換し、バッファ63に記憶させる。次いで、パケット復号回路64は、コントローラ61による制御の下、バッファ63に記憶される複写要求パケットを復号し、複写対象となるブロックのデータを取り出す。以上により、ステップ4の処理が完了する。ここで、取り出されたブロックのデータには、複写するブロックの番号と順番とが含まれている。
【0062】
それから、主制御部20では、主側送受信部22に設けられたコントローラ51が、従制御部30に対して、複写対象となるブロックのデータの転送を要求する要求指示を送信する(ステップ5)。
【0063】
ステップ5の要求指示を受信した従制御部30では、制御レジスタ管理部33が、ステップ4で設定されたブロックの番号と順番とに基づき、順番が1番目に設定されたブロックに含まれる制御レジスタのデータを読み出して、1個目のブロック転送を実行する(ステップ6)。
【0064】
ここで、ステップ6では、まず、従側送受信部32に設けられたコントローラ61による制御の下、制御レジスタ管理部33が、1番目に設定されたブロックに含まれる制御レジスタのデータを読み出し、コントローラ61を介してパケット生成回路65に出力する。このとき、コントローラ61は、アドレスカウンタ68から出力されたアドレスにしたがって、制御レジスタ群34において複写対象となるブロック(制御レジスタ)から、予め定められた読み出しサイズ分の(例えば数ワードずつ)データを順次読み出し、読み出したデータをパケット生成回路65へと順次出力する。次いで、パケット生成回路65は、複写対象となるブロックのデータが入力される毎に、入力されたブロックのデータを複写レジスタ群24に書き込ませるための複写命令のパケット(以下、複写命令パケットという)を生成し、バッファ66に記憶させる。なお、複写命令パケットには、複写先(書き込み先)のアドレスの情報は含めない。これにより、従制御部30から送受信バス40を介して主制御部20に送信されるデータ量が削減される。それから、パラレルシリアル変換回路67は、コントローラ61による制御の下、バッファ66に記憶された複写命令パケットをシリアル信号に変換して、第2信号線Rxに出力する。以上により、ステップ6の処理が完了する。その結果、ステップ6では、制御レジスタ群34に記憶されている全データの中から1番目として指定されたブロックのデータを含む複写命令パケット(1個目のブロック転送データと称する)が、従制御部30において生成されるとともに、主制御部20へと転送されることになる。
【0065】
ステップ6の1個目のブロック転送に伴って1個目のブロック転送データ(複写命令パケット)を受信した主制御部20では、複写レジスタ管理部23が、受信した1個目のブロック転送データから取り出されたデータを、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタに格納する(ステップ7)。
【0066】
ここで、ステップ7では、まず、コントローラ51による制御の下、シリアルパラレル変換回路55が、第2信号線Rxから受信した1個目のブロック転送データにおける複写命令パケット(シリアル信号)をパラレル信号に変換し、バッファ56に記憶させる。次いで、パケット復号回路57は、コントローラ51による制御の下、バッファ56に記憶される複写命令パケットを復号し、複写すべきデータを取り出す。それから、主側送受信部22に設けられたコントローラ51による制御の下、複写レジスタ管理部23は、パケット復号回路57で復号して得られたデータを、複写レジスタ群24のうち、アドレスカウンタ58から出力されたアドレスが示すレジスタに書き込む。以上により、ステップ7の処理が完了する。
【0067】
ステップ7の処理が正常に完了すると、主制御部20では、主側送受信部22に設けられたコントローラ51が、従制御部30に対して、ステップ7の処理が正常に完了したことを示す正常格納完了を送信する(ステップ8)。
【0068】
ステップ8の正常格納完了を受信した従制御部30では、制御レジスタ管理部33が、ステップ4で設定されたブロックの番号と順番とに基づき、順番が2番目に設定されたブロックに含まれる制御レジスタのデータを読み出して、2個目のブロック転送を実行する(ステップ9)。なお、ステップ9では、最初に、制御レジスタ管理部33が、2番目に設定されたブロックに含まれる制御レジスタのデータを読み出すこと以外は、上記ステップ6と基本的に同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。その結果、ステップ9では、制御レジスタ群34に記憶されている全データの中から2番目に指定されたブロックのデータを含む複写命令パケット(2個目のブロック転送データと称する)が、従制御部30において生成されるとともに、主制御部20へと転送されることになる。
【0069】
ステップ9の2個目のブロック転送に伴って2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)を受信した主制御部20では、複写レジスタ管理部23が、受信した2個目のブロック転送データから取り出されたデータを、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタに格納する(ステップ10)。なお、ステップ10では、最初に、シリアルパラレル変換回路55が、第2信号線Rxから受信した2個目のブロック転送データにおける複写命令パケット(シリアル信号)をパラレル信号に変換すること以外は、上記ステップ7と基本的に同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0070】
ステップ10の処理が正常に完了すると、主制御部20では、主側送受信部22に設けられたコントローラ51が、従制御部30に対して、ステップ10の処理が正常に完了したことを示す正常格納完了を送信する(ステップ11)。
【0071】
以降、従制御部30から主制御部20へのブロック転送データの転送、主制御部20における複写レジスタ群24へのデータの格納、および、主制御部20から従制御部30への正常格納完了の送信が、ステップ3のスタートネゴシエーションにおいて設定されたブロックの数だけ、繰り返し実行される。
【0072】
最後(ここではn回目とする)の1つ前となるn−1回目の正常格納完了を受信した従制御部30では、制御レジスタ管理部33が、ステップ4で設定されたブロックの番号と順番とに基づき、順番がn番目に設定されたブロックに含まれる制御レジスタのデータを読み出して、n個目のブロック転送を実行する(ステップ12)。なお、ステップ12では、最初に、制御レジスタ管理部33が、n番目に設定されたブロックに含まれる制御レジスタのデータを読み出すこと以外は、上記ステップ6と基本的に同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。その結果、ステップ12では、制御レジスタ群34に記憶されている全データの中からn番目に指定されたブロックのデータを含む複写命令パケット(n個目のブロック転送データと称する)が、従制御部30において生成されるとともに、主制御部20へと転送されることになる。
【0073】
ステップ12のn個目のブロック転送に伴ってn個目のブロック転送データ(複写命令パケット)を受信した主制御部20では、複写レジスタ管理部23が、受信したn個目のブロック転送データから取り出されたデータを、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタに格納する(ステップ13)。なお、ステップ13では、最初に、シリアルパラレル変換回路55が、第2信号線Rxから受信したn個目のブロック転送データにおける複写命令パケット(シリアル信号)をパラレル信号に変換すること以外は、上記ステップ10と基本的に同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0074】
ステップ13の処理が正常に完了すると、主制御部20では、主側送受信部22に設けられたコントローラ51が、従制御部30に対して、ステップ13の処理が正常に完了したことを示す正常格納完了のデータを送信する(ステップ14)。そして、これに伴い、ステップ3のスタートネゴシエーションに基づく1回目の複写処理の動作が終了し(ステップ15)、その後、ステップ2へと戻って2回目の複写処理を開始する。そして、この複写処理は、制御装置11の動作が停止されるまで(例えば画像形成装置10の電源が落とされるまで)、繰り返し実行されることになる。
【0075】
なお、上記ステップ7、ステップ10およびステップ13において、複写レジスタ群24に書き込まれるデータのサイズは、制御レジスタ群34からデータを読み出したときの読み出しサイズに等しい。また、アドレスカウンタ58の初期値は、複写レジスタ群24の先頭アドレス(この例では、第1複写レジスタ241の先頭アドレス)とされる。そして、複写レジスタ管理部23が、複写レジスタ群24にデータを書き込む毎に、アドレスカウンタ58が上記読み出しサイズ分だけカウントアップする。複写レジスタ管理部23は、制御レジスタ群34から読み出され送信された全データを書き込むまで、アドレスカウンタ58のカウント値が示すアドレスにデータを書き込む処理を繰り返す。
【0076】
本実施の形態では、指定されたブロックの番号および順番にて、制御レジスタ群34から同じサイズのデータを読み出して順次複写レジスタ群24に書き込むことを繰り返すことで、必要とされる複数のデータを複写レジスタ群24に複写しているため、複写命令パケットで複写先(書き込み先)のアドレスを指定しなくても、問題なく複写処理が実行される。これにより、複写処理が簡易化される。
【0077】
また、本実施の形態では、上述したように、システムタイマのカウント周期以下の周期で、複写レジスタ群24へ必要とされる全データ(ここでは、指定された複数のブロックのデータ)が複写されるように、コントローラ51およびコントローラ61が構成されている。すなわち、上記全データの複写開始から複写終了までの時間は、システムタイマのカウント周期以下の周期となる。ここで、複写開始とは、制御レジスタ群34から複写のためのデータの読み出しを開始するタイミングをいい、複写終了とは、複写レジスタ群24への上記全データの書き込が終了するタイミングをいう。したがって、あるカウント周期の途中で、制御レジスタ群34のデータが更新された場合、遅くとも次のカウント周期で、当該更新されたデータが複写レジスタ群24に複写される。CPU21は、複写レジスタ群24に複写されたデータを参照することで、システムタイマのカウント周期以下の周期で更新されたデータを参照できる。なお、複写周期は予め設定しておく。
【0078】
さらに、制御レジスタ群34のデータから生成された複写パケットは、予め定められた時間以上の間隔をあけて(ただし、複写開始から複写終了までの時間がシステムタイマのカウント周期以下となるように)1つずつ送信される。従って、複写パケットの転送処理中に割込が発生した場合でも、当該複写パケットが送信された後、次の複写パケットが送信されるまでの間に、割込パケットを従制御部30から主制御部20に送信することができる。もちろん、複写パケットの送信間隔は、割込パケットの送信がなければ、間隔を詰めて(すなわち、割込パケットを発行する場合に比べて送信間隔を短くして)送信するようにしてもよい。
【0079】
(CPUによるデータ読み出し処理)
制御装置11において、主制御部20に設けられたCPU21が、従制御部30に設けられた制御レジスタ群34に書き込まれたデータを参照しようとする場合、本実施の形態では、制御レジスタ群34から直接データを取得するのではなく、複写レジスタ群24からデータを読み出すことで、制御レジスタ群34に書き込まれたデータを参照することができる。
【0080】
CPU21は、データ読み出しの際には、複写レジスタ群24のアドレスを指定した読み出し要求を主側送受信部22に出力する。主側送受信部22のコントローラ51は、CPU21から複写レジスタ群24のデータの読み出し要求を取得した場合には、複写レジスタ群24に対し、データ読み出し要求の対象となるデータが複写レジスタ群24に記憶されているか否かの問い合わせを行う。ここで、データ読み出し要求の対象となるデータが複写レジスタ群24に記憶されている場合、コントローラ51は、複写レジスタ管理部23を介して、複写レジスタ群24を構成する複写レジスタから、読み出し要求で指定されたアドレスのデータを読み出し、CPU21に供給する。このとき、制御レジスタ群34に対する読み出し要求のパケットの発行はなされない。一方、データ読み出し要求の対象となるデータが複写レジスタ群24に記憶されていない場合、コントローラ51は、制御レジスタ群34に対する読み出し要求のパケットを発行し、従制御部30へと送信する。そして、従制御部30では、従側送受信部32に設けられたコントローラ61が、制御レジスタ管理部33を介して、制御レジスタ群34を構成する制御レジスタから、読み出し要求で指定されたアドレスのデータを読み出し、主制御部20のCPU21に供給する。
【0081】
[複写レジスタ群への複写処理の具体例]
では、上記
図4に示した複写レジスタ群24への複写処理について、具体的な例を挙げながら説明を行う。
【0082】
図5(a)〜(f)は、複写レジスタ群24への複写処理における、主制御部20と従制御部30との間でのデータの授受の一例を示す図である。なお、ここでは、
図4に示す複写処理において、スタートネゴシエーションを3回繰り返す場合を例として説明を行う。また、ここでは、一度のスタートネゴシエーション(複写要求パケット)において、複写対象として、4つのブロックを指定する場合を例として説明を行う。
【0083】
まず、
図5(a)は、1回目のスタートネゴシエーションにおいて、主制御部20から従制御部30へと送信される複写要求パケットを例示している。この例では、1回目のスタートネゴシエーションにおける複写要求パケットにおいて、1番目(1)として第6ブロックB6が、2番目(2)として第3ブロックB3が、3番目(3)として第8ブロックB8が、4番目(4)として第1ブロックB1が、それぞれ指定されているものとする。
【0084】
次に、
図5(b)は、
図5(a)に示す複写要求パケットに基づいて、従制御部30から主制御部20へと転送される1個目のブロック転送データ(複写命令パケット)を例示している。この例では、
図5(a)に示す複写要求パケットに対応して、1番目に第6ブロックB6(この例では第6制御レジスタ34F)から読み出した第6データD6が、2番目に第3ブロックB3(この例では第3制御レジスタ34C)から読み出した第3データD3が、3番目に第8ブロックB8(この例では第8制御レジスタ34H)から読み出した第8データD8が、4番目に第1ブロックB1(この例では第1制御レジスタ34A)から読み出した第1データD1が、それぞれ配置される。その結果、時間tの経過に沿って、この順番(D6→D3→D8→D1)で複写命令パケットが出力されることになる。
【0085】
続いて、
図5(c)は、1回目に続く2回目のスタートネゴシエーションにおいて、主制御部20から従制御部30へと送信される複写要求パケットを例示している。この例では、2回目のスタートネゴシエーションにおける複写要求パケットにおいて、1番目(1)として第6ブロックB6が、2番目(2)として第4ブロックB4が、3番目(3)として第2ブロックB2が、4番目(4)として第5ブロックB5が、それぞれ指定されているものとする。
【0086】
また、
図5(d)は、
図5(c)に示す複写要求パケットに基づいて、従制御部30から主制御部20へと転送される2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)を例示している。この例では、
図5(c)に示す複写要求パケットに対応して、1番目に第6ブロックB6(この例では第6制御レジスタ34F)から読み出した第6データD6が、2番目に第4ブロックB4(この例では第4制御レジスタ34D)から読み出した第4データD4が、3番目に第2ブロックB2(この例では第2制御レジスタ34B)から読み出した第2データD2が、4番目に第5ブロックB5(この例では第5制御レジスタ34E)から読み出した第5データD5が、それぞれ配置される。その結果、時間tの経過に沿って、この順番(D6→D4→D2→D5)で複写命令パケットが出力されることになる。
【0087】
さらに、
図5(e)は、2回目に続く3回目のスタートネゴシエーションにおいて、主制御部20から従制御部30へと送信される複写要求パケットを例示している。この例では、3回目のスタートネゴシエーションにおける複写要求パケットにおいて、1番目(1)として第1ブロックB1が、2番目(2)として第2ブロックB2が、3番目(3)として第7ブロックB7が、4番目(4)として第6ブロックB6が、それぞれ指定されているものとする。
【0088】
さらにまた、
図5(f)は、
図5(e)に示す複写要求パケットに基づいて、従制御部30から主制御部20へと転送される3個目のブロック転送データ(複写命令パケット)を例示している。この例では、
図5(e)に示す複写要求パケットに対応して、1番目に第1ブロックB1(この例では第1制御レジスタ34A)から読み出した第1データD1が、2番目に第2ブロックB2(この例では第2制御レジスタ34B)から読み出した第2データD2が、3番目に第7ブロックB7(この例では第7制御レジスタ34G)から読み出した第7データD7が、4番目に第6ブロックB6(この例では第6制御レジスタ34F)から読み出した第6データD6が、それぞれ配置される。その結果、時間tの経過に沿って、この順番(D1→D2→D7→D6)で複写命令パケットが出力されることになる。
【0089】
図6(a)〜(c)は、
図5に示す複写処理の一例における、主制御部20に設けられた複写レジスタ群24の記憶内容の変遷を示す図である。
【0090】
まず、
図6(a)は、
図5(b)に示す1個目のブロック転送データ(複写命令パケット)に基づいて格納された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。この例では、
図5(b)に示す複写命令パケットに対応して、複写レジスタ群24で1番目の格納対象となる第1複写レジスタ241に、この複写命令パケットで1番目に配置された第6データD6が記憶され、複写レジスタ群24で2番目の格納対象となる第2複写レジスタ242に、この複写命令パケットで2番目に配置された第3データD3が記憶され、複写レジスタ群24で3番目の格納対象となる第3複写レジスタ243に、この複写命令パケットで3番目に配置された第8データD8が記憶され、複写レジスタ群24で4番目の格納対象となる第4複写レジスタ244に、この複写命令パケットで4番目に配置された第1データD1が記憶される。このとき、上記順番(D6→D3→D8→D1)にて、複写レジスタ群24にデータが記憶されていくことになる。
【0091】
また、
図6(b)は、
図5(d)に示す2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)に基づいて格納された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。この例では、
図5(d)に示す複写命令パケットに対応して、複写レジスタ群24で1番目の格納対象となる第1複写レジスタ241に、この複写命令パケットで1番目に配置された第6データD6が記憶され、複写レジスタ群24で2番目の格納対象となる第2複写レジスタ242に、この複写命令パケットで2番目に配置された第4データD4が記憶され、複写レジスタ群24で3番目の格納対象となる第3複写レジスタ243に、この複写命令パケットで3番目に配置された第2データD2が記憶され、複写レジスタ群24で4番目の格納対象となる第4複写レジスタ244に、この複写命令パケットで4番目に配置された第5データD5が記憶される。このとき、上記順番(D6→D4→D2→D5)にて、複写レジスタ群24にデータが記憶されていくことになる。
【0092】
さらに、
図6(c)は、
図5(f)に示す3個目のブロック転送データ(複写命令パケット)に基づいて格納された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。この例では、
図5(f)に示す複写命令パケットに対応して、複写レジスタ群24で1番目の格納対象となる第1複写レジスタ241に、この複写命令パケットで1番目に配置された第1データD1が記憶され、複写レジスタ群24で2番目の格納対象となる第2複写レジスタ242に、この複写命令パケットで2番目に配置された第2データD2が記憶され、複写レジスタ群24で3番目の格納対象となる第3複写レジスタ243に、この複写命令パケットで3番目に配置された第7データD7が記憶され、複写レジスタ群24で4番目の格納対象となる第4複写レジスタ244に、この複写命令パケットで4番目に配置された第6データD6が記憶される。このとき、上記順番(D1→D2→D7→D6)にて、複写レジスタ群24にデータが記憶されていくことになる。
【0093】
図7(a)〜(e)は、
図5に示す複写処理の一例における、1個目のブロック転送データに基づくデータの格納後(
図6(a)参照)から2個目のブロック転送データに基づくデータの格納後(
図6(b)参照)に至る、複写レジスタ群24の記憶内容の変遷を示す図である。
【0094】
まず、
図7(a)は、
図5(b)に示す1個目のブロック転送データ(複写命令パケット)に基づいて格納された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。なお、
図7(a)に示す内容は、上述した
図6(a)に示したものと同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0095】
また、
図7(b)は、
図7(a)に示す状態から、
図5(d)に示す2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における1つ目のパケットに基づいて、第1複写レジスタ241に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第1複写レジスタ241の記憶内容が、第6データD6から新たな第6データD6に更新される一方、第2複写レジスタ242〜第4複写レジスタ244の記憶内容は、
図7(a)に示す従前の状態に維持される。
【0096】
この例では、第1複写レジスタ241の記憶内容を、第6データD6から新たな第6データD6に更新している。ここで、本実施の形態における第1データD1〜第8データD8のそれぞれの内容は、順次更新されていくことから、同じ複写レジスタに同じ制御レジスタから読み出したデータを上書きすることにも、意味があるといえる。
【0097】
さらに、
図7(c)は、
図7(b)に示す状態から、
図5(d)に示す2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における2つ目のパケットに基づいて、第2複写レジスタ242に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第2複写レジスタ242の記憶内容が、第3データD3から第4データD4に更新される一方、第1複写レジスタ241の記憶内容は、
図7(b)に示す上書きされた状態に維持され、第3複写レジスタ243および第4複写レジスタ244の記憶内容は、
図7(a)に示す従前の状態に維持される。
【0098】
さらにまた、
図7(d)は、
図7(c)に示す状態から、
図5(d)に示す2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における3つ目のパケットに基づいて、第3複写レジスタ243に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第3複写レジスタ243の記憶内容が、第8データD8から第2データD2に更新される一方、第1複写レジスタ241および第2複写レジスタ242の記憶内容は、
図7(c)に示す上書きされた状態に維持され、第4複写レジスタ244の記憶内容は、
図7(a)に示す従前の状態に維持される。
【0099】
そして、
図7(e)は、
図7(d)に示す状態から、
図5(d)に示す2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における4つ目のパケットに基づいて、第4複写レジスタ244に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第4複写レジスタ244の記憶内容が、第1データD1から第5データD5に更新される一方、第1複写レジスタ241〜第3複写レジスタ243の記憶内容は、
図7(d)に示す上書きされた状態に維持される。なお、
図7(e)に示す内容は、上述した
図6(b)に示したものと同じとなる。
【0100】
図8(a)〜(e)は、
図5に示す複写処理の一例における、2個目のブロック転送データに基づくデータの格納後(
図6(b)参照)から3個目のブロック転送データに基づくデータの格納後(
図6(c)参照)に至る、複写レジスタ群24の記憶内容の変遷を示す図である。
【0101】
まず、
図8(a)は、
図5(d)に示す2個目のブロック転送データ(複写命令パケット)に基づいて格納された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。なお、
図8(a)に示す内容は、上述した
図6(b)および
図7(e)に示したものと同じであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0102】
また、
図8(b)は、
図8(a)に示す状態から、
図5(f)に示す3個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における1つ目のパケットに基づいて、第1複写レジスタ241に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第1複写レジスタ241の記憶内容が、第6データD6から第1データD1に更新される一方、第2複写レジスタ242〜第4複写レジスタ244の記憶内容は、
図8(a)に示す従前の状態に維持される。
【0103】
さらに、
図8(c)は、
図8(b)に示す状態から、
図5(f)に示す3個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における2つ目のパケットに基づいて、第2複写レジスタ242に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第2複写レジスタ242の記憶内容が、第4データD4から第2データD2に更新される一方、第1複写レジスタ241の記憶内容は、
図8(b)に示す上書きされた状態に維持され、第3複写レジスタ243および第4複写レジスタ244の記憶内容は、
図8(a)に示す従前の状態に維持される。
【0104】
この例では、
図8(c)に示す状態において、第2複写レジスタ242および第3複写レジスタ243に、ともに第2データD2が記憶されている。ただし、本実施の形態における第1データD1〜第8データD8のそれぞれの内容は、上述したように順次更新されていくことから、異なる複写レジスタに同じ制御レジスタから読み出したデータを上書きすることにも、意味があるといえる。
【0105】
さらにまた、
図8(d)は、
図8(c)に示す状態から、
図5(f)に示す3個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における3つ目のパケットに基づいて、第3複写レジスタ243に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第3複写レジスタ243の記憶内容が、第2データD2から第7データD7に更新される一方、第1複写レジスタ241および第2複写レジスタ242の記憶内容は、
図8(c)に示す上書きされた状態に維持され、第4複写レジスタ244の記憶内容は、
図8(a)に示す従前の状態に維持される。
【0106】
そして、
図8(e)は、
図8(d)に示す状態から、
図5(f)に示す3個目のブロック転送データ(複写命令パケット)における4つ目のパケットに基づいて、第4複写レジスタ244に上書き処理が施された複写レジスタ群24の記憶内容を示している。このとき、複写レジスタ群24では、第4複写レジスタ244の記憶内容が、第5データD5から第6データD6に更新される一方、第1複写レジスタ241〜第3複写レジスタ243の記憶内容は、
図8(d)に示す上書きされた状態に維持される。なお、
図8(e)に示す内容は、上述した
図6(c)に示したものと同じとなる。
【0107】
なお、本実施の形態では、主制御部20にて複写要求パケットを作成するにあたり、従制御部30に設定された8つのブロックから、より少ない4つのブロックを選択するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、複写要求パケットを作成するにあたり、すべて(8つ)のブロックを指定するとともに、これら8つのブロックに順番付けを行うようにしてもよい。この場合には、複写要求パケットを受け取った従制御部30が、指定された順番に沿って8つのブロックを時系列的に並べたブロック転送データ(複写命令パケット)を作成し、主制御部20へと転送することになる。
【0108】
また、本実施の形態では、主制御部20にて複写要求パケットを作成するにあたり、指定した複数のブロックに順番付けを行うようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、複写要求パケットを作成するにあたり、従制御部30に設定されたすべて(8つ)のブロックから、複数(例えば4つ)のブロックを選択するとともに、これら複数のブロックに順番付けを行わないようにしてもよい。この場合には、複写要求パケットを受け取った従制御部30が、例えばブロックの番号が若い順にしたがって複数のブロックを時系列的に並べたブロック転送データ(複写命令パケット)を作成し、主制御部20へと転送することになる。
【0109】
さらに、本実施の形態では、主制御部20にて複写要求パケットを作成するにあたり、従制御部30に設定された8つのブロックから、常に同じ数(ここでは4つ)のブロックを選択するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、複写要求パケットを作成するにあたり、選択するブロックの数を変更(ここでは1〜8の間から選択)するようにしてもよい。この場合には、複写要求パケットを受け取った従制御部30が、指定された数のブロックを時系列的に並べたブロック転送データ(複写命令パケット)を作成し、主制御部20へと転送することになる。