特許第6623645号(P6623645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623645
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】画像読取装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20191216BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20191216BHJP
   G06F 9/06 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   H04N1/00 127Z
   G06F3/12 330
   G06F9/06
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-187420(P2015-187420)
(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公開番号】特開2017-63304(P2017-63304A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐亮
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−166500(JP,A)
【文献】 特開2009−135763(JP,A)
【文献】 特開2004−206601(JP,A)
【文献】 特開2010−258617(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/001030(WO,A1)
【文献】 特開2010−191691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J29/38
G06F 3/12
G06F 9/00− 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取部と、
前記読取部による読み取りにより得られた画像データを外部の第1記憶媒体に記憶する場合に実行されるプラグインプログラムのインストールの指示を受け付ける受付部と、
前記受付部によりインストールの指示が受け付けられた場合に、前記プラグインプログラムを第2記憶媒体にインストールし、前記第1記憶媒体への前記画像データの記憶が完了し、かつ、前記画像データの読み取りが完了したことを示す読取完了情報を自装置以外の装置に対して送信した後に、インストールした前記プラグインプログラムを前記第2記憶媒体からアンインストールするインストール部と、
を備えた画像読取装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記プラグインプログラムのアンインストールの指示をさらに受け付け、
前記インストール部は、さらに前記受付部により前記アンインストールの指示が受け付けられた場合に、インストールした前記プラグインプログラムを第2記憶媒体からアンインストールする
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記インストール部は、さらに前記プラグインプログラムがインストールされてから予め定められた期間が経過した場合に、前記プラグインプログラムを第2記憶媒体からアンインストールする
請求項記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記インストール部は、さらに前記プラグインプログラムがインストールされてから当該プラグインプログラムが予め定められた回数実行された場合に、前記プラグインプログラムを第2記憶媒体からアンインストールする
請求項項記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記第1記憶媒体は、クラウドストレージであり、かつ、前記自装置以外の装置は、前記読取完了情報を受信した場合にアンインストール指示を前記自装置に送信する端末であり、
前記インストール部は、前記端末から前記アンインストール指示を受信した場合に、前記アンインストールを行う
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記インストール部は、前記第2記憶媒体の空き容量が予め定められた容量以下である場合に、前記第2記憶媒体にインストールされているプラグインプログラムを第3記憶媒体に退避した後に、前記受付部によりインストールの指示が受け付けられたプラグインプログラムを一時的に前記第2記憶媒体にインストールし、前記第2記憶媒体にインストールしたプラグインプログラムをアンインストールした後に、前記第3記憶媒体に退避したプラグインプログラムを前記第2記憶媒体に戻す
請求項1から請求項の何れか1項記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記インストール部は、前記受付部によりインストールの指示が受け付けられたプラグインプログラムが未認可である場合は、前記プラグインプログラムをインストールせずにエラー通知を行う
請求項1から請求項の何れか1項記載の画像読取装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から請求項の何れか1項記載の画像読取装置の受付部及びインストール部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インタフェースと、ホストコンピュータによって実行することができる1つ又は複数の実行可能ファイルを格納する1つ又は複数のストレージ要素とを備えたポータブルストレージデバイスが開示されている。このポータブルストレージデバイスでは、前記1つ又は複数の実行可能ファイルが環境設定にアクセスするための命令を含む場合においても、前記ホストコンピュータ上の環境設定を変更することなく、前記ホストコンピュータに結合される。また、このポータブルストレージデバイスでは、複数の命令の実行を終了する前に、前記複数の命令により前記ホストコンピュータ上に格納された一時ファイルを削除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−172449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像読取装置では、装置が予め有する機能では記憶不可能な外部の記憶媒体に原稿を読み取って得られた画像データを記憶する場合に、プラグインプログラムをインストールして、該プラグインプログラムを実行することにより、該外部の記憶媒体に画像データを記憶することが行われている。
【0005】
また、画像読取装置にプラグインプログラムを恒常的にインストールする場合、画像読取装置の管理者権限が必要である場合が多い。そして、この場合、画像読取装置を一時的に使用するユーザ等の、管理者権限を有さないユーザは、画像読取装置を使用して外部の記憶媒体に画像データを記憶することができないことが発生していた。
【0006】
本発明は、管理者権限を有さないユーザでも外部の記憶媒体に画像データを記憶することができる画像読取装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像読取装置は、原稿を読み取る読取部と、前記読取部による読み取りにより得られた画像データを外部の第1記憶媒体に記憶する場合に実行されるプラグインプログラムのインストールの指示を受け付ける受付部と、前記受付部によりインストールの指示が受け付けられた場合に、前記プラグインプログラムを第2記憶媒体にインストールし、前記第1記憶媒体への前記画像データの記憶が完了し、かつ、前記画像データの読み取りが完了したことを示す読取完了情報を自装置以外の装置に対して送信した後に、インストールした前記プラグインプログラムを前記第2記憶媒体からアンインストールするインストール部と、を備えている。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記受付部が、前記プラグインプログラムのアンインストールの指示をさらに受け付け、前記インストール部が、さらに前記受付部により前記アンインストールの指示が受け付けられた場合に、インストールした前記プラグインプログラムを第2記憶媒体からアンインストールするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記インストール部が、さらに前記プラグインプログラムがインストールされてから予め定められた期間が経過した場合に、前記プラグインプログラムを第2記憶媒体からアンインストールするものである。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記インストール部が、さらに前記プラグインプログラムがインストールされてから予め定められた回数実行された場合に、前記プラグインプログラムを第2記憶媒体から
アンインストールするものである。
【0011】
また、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項の何れか1項に記載の発明において、前記インストール部が、前記第2記憶媒体の空き容量が予め定められた容量以下である場合に、前記第2記憶媒体にインストールされているプラグインプログラムを第3記憶媒体に退避した後に、前記受付部によりインストールの指示が受け付けられたプラグインプログラムを一時的に前記第2記憶媒体にインストールし、前記第2記憶媒体にインストールしたプラグインプログラムをアンインストールした後に、前記第3記憶媒体に退避したプラグインプログラムを前記第2記憶媒体に戻すものである。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、請求項1から請求項の何れか1項に記載の発明において、前記インストール部が、前記受付部によりインストールの指示が受け付けられたプラグインプログラムが未認可である場合は、前記プラグインプログラムをインストールせずにエラー通知を行うものである。
【0013】
一方、上記目的を達成するために、請求項に記載のプログラムは、コンピュータを、請求項1から請求項の何れか1項記載の画像読取装置の受付部及びインストール部として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び請求項に記載の発明によれば、管理者権限を有さないユーザでも外部の記憶媒体に画像データを記憶することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザからの指示によってプラグインプログラムをアンインストールすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、経過期間に応じてプラグインプログラムを自動的にアンインストールすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、実行回数に応じてプラグインプログラムを自動的にアンインストールすることができる。
【0018】
請求項に記載の発明によれば、第2記憶媒体が容量不足であってもプラグインプログラムを一時的にインストールすることができる。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、プラグインプログラムが認可されているか否かを確認しない場合と比較して、セキュリティレベルを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】各実施の形態に係る画像読取装置、端末、及びクラウドストレージの接続構成の一例を示すブロック図である。
図2】各実施の形態に係る画像読取装置及び端末の機能的な構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】各実施の形態に係るプラグイン選択画面の一例を示す概略図である。
図4】各実施の形態に係るコンピュータの概略構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1の実施の形態に係る原稿の読み取りに関する処理の全体的な流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】第1の実施の形態に係る外部記憶読取処理の一例を示すフローチャートである。
図7】変形例に係る原稿の読み取りに関する処理の全体的な流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】第2の実施の形態に係る外部記憶読取処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本実施の形態に係る複数(本実施の形態では2台。)の画像読取装置10A、10Bは、イントラネット等のネットワーク16に接続されている。なお、以下では、画像読取装置10A、10Bを区別する必要が無い場合は、符号の末尾のアルファベットを省略する。また、画像読取装置10は、装置が予め有する機能では実現されない機能を実現するためのプラグインプログラムがインストール可能とされている。
【0023】
本実施の形態に係る端末12は、比較的遠距離に対応した無線通信により、ネットワーク16に接続された装置との間で通信可能とされている。また、端末12は、赤外線、Bluetooth(登録商標)、及びNFC(Near Field Communication)等の近距離通信により、近距離通信が可能な距離の範囲内にある画像読取装置10と通信可能とされている。なお、本実施の形態では、端末12として、スマートフォンを適用した場合について説明するがこれに限定されない。例えば、端末12として、タブレット端末やラップトップ型PC(Personal Computer)等の他のモバイル端末を適用してもよいし、デスクトップ型PC等の据え置き型の端末を適用してもよい。
【0024】
また、画像読取装置10の外部の第1記憶媒体の一例としてのクラウドストレージ14は、インターネット等のネットワーク18に接続されている。また、ネットワーク16とネットワーク18とは互いに接続されている。そして、画像読取装置10とクラウドストレージ14とは、ネットワーク16及びネットワーク18を介して互いに通信可能とされている。
【0025】
次に、図2を参照して、画像読取装置10及び端末12の構成について説明する。図2に示すように、端末12には、画像読取装置10に対して原稿の読み取りに関する指示を行うためのアプリケーション・プログラム(以下、「読取指示アプリ」という。)がインストールされている。また、端末12には、画像読取装置10に対するプラグインプログラムのインストールに用いられる電子ファイル(以下、「インストーラファイル」という。)が予め記憶されている。
【0026】
本実施の形態に係る読取指示アプリは、ユーザによって入力された、画像読取装置10による原稿の読み取りに用いられるパラメータ(以下、「読取パラメータ」という。)を保持する機能を有する。読取パラメータには、一例として、画像読取装置10により原稿を読み取る際の画像の解像度、モノクロ/カラーの種別、及び読み取りによって得られた画像データの記憶先等が含まれる。
【0027】
また、読取指示アプリは、ユーザにより入力された読取パラメータを用いて、画像読取装置10に対して原稿の読み取りを指示する読取指示情報を生成して画像読取装置10に送信する機能を有する。また、読取指示アプリは、ネットワーク16を介して通信が可能な画像読取装置10、及び近距離通信により通信が可能な画像読取装置10の一覧を取得する機能を有する。
【0028】
また、読取指示アプリは、画像読取装置10からインストール済みのプラグインプログラムの一覧を取得する機能を有する。また、読取指示アプリは、画像読取装置10に対してプラグインプログラムのインストールの指示情報(以下、「インストール指示」という。)及びインストーラファイルを送信する機能を有する。さらに、読取指示アプリは、画像読取装置10に対してプラグインプログラムのアンインストールの指示情報(以下、「アンインストール指示」という。)を送信する機能を有する。
【0029】
一方、本実施の形態に係る画像読取装置10は、制御部20及び画像読取部32を備えている。また、本実施の形態に係る制御部20は、受付部22、インストール部24、記憶部26、通知部28、及び読取制御部30を備えている。なお、画像読取部32は本発明の読取部の一例であり、受付部22は本発明の受付部の一例である。また、インストール部24は本発明のインストール部の一例である。また、本実施の形態に係る画像読取装置10は、プラグインプログラムのインストールを許可するか否かが予め設定可能とされている。
【0030】
画像読取装置10による原稿の読み取りを行うにあたり、ユーザは、端末12を使用して、読取指示アプリを起動し、読取パラメータを入力する。また、ユーザは、読み取り対象の原稿を画像読取装置10にセットする。また、ユーザは、読取指示アプリを用いて、端末12から通信が可能な画像読取装置10の一覧を取得し、該一覧の中から原稿をセットした画像読取装置10を選択する。なお、錯綜を回避するために、以下では、端末12とデータの送受信を行う画像読取装置10は、ここでユーザにより選択された画像読取装置10であるものとして説明する。
【0031】
また、ユーザは、読取指示アプリを用いて、選択した画像読取装置10に対して、インストール済みのプラグインプログラムの一覧を取得する指示を行う。
【0032】
本実施の形態に係る受付部22は、端末12から送信されたインストール済みのプラグインプログラムの一覧を取得する指示を受け付けて、インストール部24に出力する。
【0033】
本実施の形態に係るインストール部24は、受付部22からインストール済みのプラグインプログラムの一覧を取得する指示が入力されると、記憶部26を参照してインストール済みのプラグインプログラムの一覧を生成する。そして、インストール部24は、生成したインストール済みのプラグインプログラムの一覧を通知部28に出力する。
【0034】
本実施の形態に係る通知部28は、インストール部24からプラグインプログラムの一覧が入力されると、入力された一覧を端末12に送信する。端末12の読取指示アプリは、画像読取装置10から送信されたプラグインプログラムの一覧を受信する。そして、読取指示アプリは、受信したプラグインプログラムの一覧、及び端末12に予め記憶されたインストーラファイルを用いて、プラグイン選択画面を端末12のディスプレイに表示する。図3には、プラグイン選択画面の一例が示されている。
【0035】
図3に示すように、本実施の形態に係るプラグイン選択画面では、プラグインプログラムのプログラム名、及びプラグインプログラムがインストール済みであるか、又は未インストールであるかを示すインストール状態が表示される。本実施の形態では、読取指示アプリは、画像読取装置10から送信された一覧に含まれるプラグインプログラムについては、インストール状態を「インストール済」と表示する。一方、読取指示アプリは、端末12にインストーラファイルが記憶されていて、かつ画像読取装置10から送信されたプラグインプログラムの一覧に含まれていないプラグインプログラムについては、インストール状態を「未インストール」と表示する。
【0036】
ユーザは、端末12を使用して、プラグイン選択画面の未インストールと表示されているプラグインプログラムからインストール対象とするプラグインプログラムを選択して、プラグイン選択画面の下部に表示されている読取実行ボタンを指定する。ユーザにより読取実行ボタンが指定されると、端末12は読取指示情報、選択されたプラグインプログラムのインストール指示、及び該プラグインプログラムに対応するインストーラファイルを画像読取装置10に送信する。
【0037】
受付部22は、端末12から送信された読取指示情報を受け付けて、該読取指示情報を読取制御部30に出力する。さらに、受付部22は、端末12から送信されたインストール指示及びインストーラファイルを受け付けて、インストール部24に出力する。
【0038】
本実施の形態に係るインストール部24は、受付部22からインストール指示及びインストーラファイルが入力されると次に示す処理を行う。インストール部24は、画像読取装置10にプラグインプログラムのインストールを許可する設定がされている場合、受付部22から入力されたインストーラファイルが認可されているか否かを判定する。具体的には、一例として、インストール部24は、信頼する発行元から発行された署名がインストーラファイルに含まれているか否かによって、インストーラファイルが認可されているか否かを判定する。
【0039】
そして、インストール部24は、インストーラファイルが認可されていると判定した場合、インストーラファイルを用いて、プラグインプログラムを記憶部26にインストールする。一方、インストール部24は、インストーラファイルが未認可であると判定した場合、エラー通知の一例として、インストーラファイルが未認可であることを示す未認可情報を、通知部28を介して端末12に送信する。端末12の読取指示アプリは、画像読取装置10から送信された未認可情報を受信すると、プラグインプログラムが未認可であることを示す情報を端末12のディスプレイに表示する。
【0040】
一方、インストール部24は、画像読取装置10にプラグインプログラムのインストールを許可する設定がされていない場合、プラグインプログラムがインストール不許可であることを示す不許可情報を、通知部28を介して端末12に送信する。端末12の読取指示アプリは、画像読取装置10から送信された不許可情報を受信すると、プラグインプログラムがインストール不許可であることを示す情報を端末12のディスプレイに表示する。
【0041】
本実施の形態に係る読取制御部30は、受付部22から読取指示情報が入力されると、入力された読取指示情報により示される読取パラメータを用いて、画像読取部32による原稿の読み取りを制御する。そして、画像読取部32は、原稿を読み取って得られた画像データを読取制御部30に出力する。読取制御部30は、インストールしたプラグインプログラムを実行して、画像読取部32から入力された画像データをクラウドストレージ14に記憶する。
【0042】
また、読取制御部30は、画像データをクラウドストレージ14に記憶した後、原稿の読み取りが完了したことを示す読取完了情報を、通知部28を介して端末12に送信する。端末12の読取指示アプリは、画像読取装置10から送信された読取完了情報を受信すると、プラグインプログラムのアンインストール指示を受け付ける指示受付画面を端末12のディスプレイに表示する。ユーザにより、プラグインプログラムをアンインストールすることが指示されると、読取指示アプリは、プラグインプログラムのアンインストール指示を画像読取装置10に送信する。
【0043】
受付部22は、端末12から送信されたアンインストール指示を受け付けて、該アンインストール指示をインストール部24に出力する。インストール部24は、受付部22からアンインストール指示が入力されると、対応するプラグインプログラムを記憶部26からアンインストールする。
【0044】
前述した画像読取装置10の制御部20は、図4に示すコンピュータ50によって実現される。
【0045】
本実施の形態に係るコンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)52、一時記憶領域としてのメモリ54、及び不揮発性の記憶部26を備えている。また、コンピュータ50は、表示装置及び入力装置等を含む入出力装置56が接続される入出力I/F(InterFace)58を備えている。また、入出力I/F58には、前述した画像読取部32が接続されている。また、コンピュータ50は、記録媒体60に対するデータの読み込みと書き込みとを制御するR/W(Read/Write)部62、及びネットワーク16に接続されるネットワークI/F64を備えている。CPU52、メモリ54、記憶部26、入出力I/F58、R/W部62、及びネットワークI/F64は、バス66を介して互いに接続されている。
【0046】
記憶部26は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。第2記憶媒体としての記憶部26には、コンピュータ50を制御部20として機能させるための各種プログラムが記憶される。各種プログラムには、後述する外部記憶読取処理プログラムが含まれる。
【0047】
CPU52は、外部記憶読取処理プログラムを記憶部26から読み出してメモリ54に展開し、外部記憶読取処理プログラムが有するプロセスを順次実行する。CPU52は、外部記憶読取処理プログラムを実行することで、図2に示す受付部22、インストール部24、通知部28、及び読取制御部30として動作する。これにより、外部記憶読取処理プログラムがインストールされたコンピュータ50が、画像読取装置10の制御部20として機能する。
【0048】
次に、図5及び図6を参照して、本実施の形態に係る画像読取装置10の作用を説明する。図5は、原稿の読み取りに関する処理の全体的な流れの一例を示すシーケンス図であり、図6は、外部記憶読取処理プログラムの処理の一例を示すフローチャートである。コンピュータ50により外部記憶読取処理プログラムを予め定められた間隔毎(例えば1秒毎)に実行させることで、図6に示す外部記憶読取処理が実行される。
【0049】
図5に示すように、ユーザは、前述したように端末12を使用して、読取指示アプリを起動し、読取パラメータを入力する。また、ユーザは、読み取り対象の原稿を画像読取装置10にセットする。また、ユーザは、読取指示アプリを用いて、端末12から通信が可能な画像読取装置10の一覧を取得し、該一覧の中から原稿をセットした画像読取装置10を選択する。
【0050】
また、ユーザは、前述したように読取指示アプリを用いて、選択した画像読取装置10からインストール済みのプラグインプログラムの一覧の取得し、プラグイン選択画面を介して、インストール対象とするプラグインプログラムを選択して、読取実行ボタンを指定する。ユーザにより読取実行ボタンが指定されると、端末12は読取指示情報、選択されたプラグインプログラムのインストール指示、及び該プラグインプログラムに対応するインストーラファイルを選択した画像読取装置10に送信する。
【0051】
そこで、外部記憶読取処理のステップ100で、受付部22は、読取指示情報、プラグインプログラムのインストール指示、及び該プラグインプログラムに対応するインストーラファイルが受信されるまで待機することで、これらの情報の受け付け待ちを行う。読取指示情報、プラグインプログラムのインストール指示、及び該プラグインプログラムに対応するインストーラファイルを受付部22が受け付けるとステップ100が肯定判定となり、ステップ102に移行する。
【0052】
ステップ102で、インストール部24は、画像読取装置10にプラグインプログラムのインストールを許可する設定がされているか否かを判定する。インストール部24は、この判定が否定判定となった場合は後述するステップ120に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ104に移行する。
【0053】
ステップ104で、インストール部24は、前述したように、ステップ100で受け付けられたインストーラファイルが認可されているか否かを判定する。インストール部24は、この判定が否定判定となった場合は後述するステップ122に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ106に移行する。
【0054】
ステップ106で、インストール部24は、ステップ100で受け付けられたインストーラファイルを用いて、プラグインプログラムを記憶部26にインストールする。次のステップ108で、読取制御部30は、ステップ100で受け付けられた読取指示情報により示される読取パラメータを用いて、画像読取部32による原稿の読み取りを開始する。
【0055】
次のステップ110で、読取制御部30は、画像読取部32による原稿の読み取りの完了待ちを行う。画像読取部32による原稿の読み取りによって得られた画像データが読取制御部30に入力されるとステップ110が肯定判定となり、ステップ112に移行する。
【0056】
ステップ112で、読取制御部30は、ステップ106でインストールされたプラグインプログラムを実行して、画像読取部32から入力された画像データをクラウドストレージ14に記憶する。次のステップ114で、通知部28は、読取完了情報を端末12に送信する。
【0057】
図5に示すように、端末12の読取指示アプリは、前述したように、ステップ114で送信された読取完了情報を受信すると、プラグインプログラムのアンインストール指示を受け付ける指示受付画面を端末12のディスプレイに表示する。そして、端末12は、ユーザからの指示に応じて、プラグインプログラムのアンインストール指示を画像読取装置10に送信する。
【0058】
そこで、外部記憶読取処理のステップ116で、受付部22は、アンインストール指示が受信されるまで待機することで、この指示の受け付け待ちを行う。アンインストール指示を受付部22が受け付けるとステップ116が肯定判定となり、ステップ118に移行する。
【0059】
ステップ118で、インストール部24は、ステップ106でインストールされたプラグインプログラムを記憶部26からアンインストールした後、本外部記憶読取処理を終了する。
【0060】
一方、ステップ120で、通知部28は、前述した不許可情報を端末12に送信した後、本外部記憶読取処理を終了する。一方、ステップ122で、通知部28は、前述した未認可情報を端末12に送信した後、本外部記憶読取処理を終了する。
【0061】
なお、本実施の形態では、インストールしたプラグインプログラムによる画像データのクラウドストレージ14への記憶が行われた後に、端末12から送信されたアンインストール指示を受け付けた場合に、インストールしたプラグインプログラムを記憶部26からアンインストールする場合について説明したが、これに限定されない。
【0062】
例えば、図7に示すように、インストール部24は、プラグインプログラムが記憶部26にインストールされてから、該プラグインプログラムが予め定められた回数(例えば、10回)実行された場合に、該プラグインプログラムを記憶部26からアンインストールする形態としてもよい。また、例えば、インストール部24は、プラグインプログラムが記憶部26にインストールされてから、予め定められた期間(例えば、4時間)を経過した場合に、該プラグインプログラムを記憶部26からアンインストールする形態としてもよい。
【0063】
また、例えば、インストール部24は、インストールしたプラグインプログラムによる画像データのクラウドストレージ14への記憶が行われて、クラウドストレージ14から該記憶が正常に完了したことを示す完了情報を受信した場合に、該プラグインプログラムを記憶部26からアンインストールしてもよい。この場合、上記外部記憶読取処理のステップ114及びステップ116の処理は不要となる。
【0064】
[第2の実施の形態]
本実施の形態に係る画像読取装置10は、インストール指示を受け付けたプラグインプログラムをインストールする前に、記憶部26の空き容量を確認して、記憶部26にインストール済みのプラグインプログラムを退避する機能を備えている点が上記第1の実施の形態とは異なっている。
【0065】
図8を参照して、本実施の形態に係る画像読取装置10の作用を説明する。なお、図8における図6と同一の処理を実行するステップについては図6と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。図8に示すように、本実施の形態に係る外部記憶読取処理は、ステップ114及びステップ116が削除されている点が上記第1の実施の形態に係る外部記憶読取処理とは異なっている。さらに、本実施の形態に係る外部記憶読取処理は、ステップ105A〜ステップ105Dがステップ104の直後に追加されている点、及びステップ124〜ステップ128がステップ118の直後に追加されている点も上記第1の実施の形態に係る外部記憶読取処理とは異なっている。
【0066】
すなわち、外部記憶読取処理のステップ105Aで、インストール部24は、ステップ100で受け付けられたインストーラファイルを用いたプラグインプログラムのインストールに必要な容量が、記憶部26の空き容量以下であるか否かを判定する。インストール部24は、この判定が肯定判定となった場合はステップ106に移行する一方、否定判定となった場合はステップ105Bに移行する。
【0067】
ステップ105Bで、インストール部24は、記憶部26からの退避対象とするプラグインプログラムを選択する。具体的には、インストール部24は、記憶部26にインストールされているプラグインプログラムのうち、最大サイズのプラグインプログラムを退避対象として選択する。
【0068】
なお、退避対象としてプラグインプログラムを選択する手法はこれに限定されない。例えば、インストール部24は、記憶部26にインストールされているプラグインプログラムのうち、使用頻度が最も低いプラグインプログラムを退避対象として選択してもよい。また、例えば、インストール部24は、記憶部26にインストールされているプラグインプログラムのうち、ステップ100で受け付けられたインストーラファイルを用いたプラグインプログラムのインストールに必要な容量以上で、かつ該容量に最も近い容量のプラグインプログラムを退避対象として選択してもよい。
【0069】
次のステップ105Cで、インストール部24は、ステップ105Bで選択されたプラグインプログラムのインストーラファイルを生成する。そして、通知部28は、生成されたインストーラファイルを端末12に送信する。端末12の読取指示アプリは、画像読取装置10から送信されたインストーラファイルを端末12内に記憶する。
【0070】
次のステップ105Dで、インストール部24は、ステップ105Bで選択されたプラグインプログラムを記憶部26からアンインストールした後、ステップ105Aに戻る。
【0071】
ステップ124で、通知部28は、ステップ105Cで送信されたインストーラファイルを取得する指示を端末12に送信する。端末12の読取指示アプリは、画像読取装置10から該インストーラファイルを取得する指示を受信すると、対応するインストーラファイルを画像読取装置10に送信する。
【0072】
そこで、ステップ126で、受付部22は、インストーラファイルが受信されるまで待機することで、このファイルの受け付け待ちを行う。インストーラファイルを受付部22が受け付けるとステップ126が肯定判定となり、ステップ128に移行する。ステップ128で、インストール部24は、ステップ126で受け付けられたインストーラファイルを用いて、ステップ105B〜ステップ105Dで退避されたプラグインプログラムを記憶部26にインストールした後、本外部記憶読取処理を終了する。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態では、退避対象のプラグインプログラムの退避先として、端末12を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、該退避先として、記録媒体60やクラウドストレージ14等の画像読取装置10の外部の他の記憶媒体を適用してもよい。
【0074】
なお、上記各実施の形態では、インストール対象とするプラグインプログラムのインストーラファイルを端末12から画像読取装置10に送信する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、画像読取装置10が、記録媒体60やクラウドストレージ14等の画像読取装置10の外部の記憶媒体からインストール対象とするプラグインプログラムのインストーラファイルを取得する形態としてもよい。
【0075】
さらに、上記各実施の形態では、外部記憶読取処理プログラムが記憶部26に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。外部記憶読取処理プログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、外部記憶読取処理プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0076】
10A、10B 画像読取装置
12 端末
14 クラウドストレージ
16 ネットワーク
18 ネットワーク
20 制御部
22 受付部
24 インストール部
26 記憶部
28 通知部
30 読取制御部
32 画像読取部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8