(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えば、アクセスゲートウェイ装置(以下、「AGW」と呼ぶ。)は、アナログ回線やISDN回線に接続している加入者電話端末(以下、「電話端末」と呼ぶ。)を収容し、IP網上のコールエージェント(以下、「CA」と呼ぶ。)との間で、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従った呼制御信号の授受により、収容している電話端末にVoIPサービスを提供している。
【0003】
図2は、SIPに従った電話端末への着信時の呼接続処理を示すフローチャートである。
【0004】
図2において、アナログ回線やISDN回線に接続している電話端末に対して着信がある場合、CA2はInitial INVITEをAGW9に送信する(S91)。ここで、Initial INVITEには、着信先の着番号、発信元の発番号等が設定されている。
【0005】
AGW9は、CA2から受信したInitial INVITEに設定されている着番号に基づいて、着信先の電話端末5の回線に関する情報(例えば、加入者回線番号(電話番号))を特定して、着信先の電話端末5に着信させる(S92)。
【0006】
このとき、AGW9は、着信先の回線情報を特定するが、その回線情報をCA2に通知することはできない。また、例えばアナログ回線、ISDN回線の回線障害により着信ができなかったり又は呼切断が生じたりした場合、AGW9は、SIPステータスコードを含むメッセージをCA2に通知したり(
図2、S93、S95参照)、ITU−T勧告Q.850における理由表示値をCA2に通知したりできるが、着信できなかった要因や切断した要因をAGW9はCA2に通知できない。
【0007】
また、CA2は、収集した呼詳細情報を呼詳細情報記録部(CDR;Call Detail Recorder)に記録しており、例えば、AGW9が収容しているアナログ回線、ISDN回線の障害発生時には、障害発生要因を解析するために、保守者等の操作により、CA2はCDRを参照して呼詳細情報を検索している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明の通信装置、通信プログラム、通信方法及び通信システムの実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
この実施形態は、SIPを採用した音声通信システムに本発明を適用する場合を例示する。
【0020】
(A−1)実施形態の構成
図3は、実施形態に係る音声通信システムの全体的な構成を示す全体構成図である。
【0021】
図3において、実施形態に係る音声通信システム10は、通信装置としてのアクセスゲートウェイ装置(AGW)1、呼制御サーバとしてのコールエージェント(CA)2、呼詳細情報記録部3、電話端末5(5−1〜5−n;nは正の整数)を有する。
【0022】
AGW1は、アナログ回線やISDN回線等の加入者電話回線6と接続しており、1又は複数の電話端末5を収容すると共に、IPネットワーク4と接続する。AGW1は、収容している電話端末5にVoIPサービスを提供するために、IPネットワーク4上のCA2との間でSIPに従った呼制御信号(制御メッセージ)を授受して電話端末5の呼を確立する。
【0023】
AGW1は、加入者電話回線6を介して電話端末5を直接収容するようにしても良いし、電話端末5との間にPBX(例えば、構内交換機等)を介在させて、PBXを通じて電話端末5を収容するようにしても良いし、電話端末5の直接収容とPBXを介した収容との混合であっても良い。つまり、AGW1は、アナログ回線の直接収容、ISDN回線の収容、アナログ回線及びISDN回線の混在収容のいずれであっても良い。
【0024】
CA2は、SIPサーバであり、発信元の電話端末と着信先の電話端末との間の呼を確立するために、呼制御を行なうものである。CA2は、呼詳細情報記録部3と接続しており、CA2が実行した呼処理に関する詳細な情報(呼詳細情報)を呼詳細情報記録部3に記録する。
【0025】
呼詳細情報記録部3は、CA2と接続しており、CA2からの呼に関する詳細情報に基づいて、各セッションの呼詳細情報を記録する。
【0026】
電話端末5は、加入者電話回線6に接続される加入者電話機であり、例えばアナログ電話機やデジタル電話機等である。
【0027】
図1は、実施形態に係るAGW1の内部構成を示す内部構成図である。
図1において、AGW1は、制御部11、加入者側インタフェース部12、ネットワーク側インタフェース部13、通信処理部14、記憶部15を有する。
【0028】
加入者側インタフェース部12は、加入者電話回線6と接続して、加入者端末5−1〜5−nとの間で信号の授受を行うものである。
【0029】
ネットワーク側インタフェース部13は、IPネットワーク4と接続して、CA2との間でSIPメッセージを含むパケットの送受信を行うものである。
【0030】
制御部11は、AGW1の機能を司る処理部又は装置である。制御部11は、例えば、ROM等の記憶部15に格納されている処理プログラムを実行することによりAGW1の機能を実現する。
【0031】
AGW1が収容する電話端末5が発信元となる場合、制御部11は、加入者電話回線6を介して電話端末5から取得したDTMF信号(Dial Tone Multi Frequency)をVoIP電話体系に従った着番号に変換し、SIPに従って、着番号を含む発信要求メッセージ(Initial INVITEメッセージ)を作成する。また、制御部11は、IPネットワーク4を介してCA2から受信した発信要求メッセージ(Initial INVITEメッセージ)に含まれる着番号に基づいて着信先の電話端末5の加入者電話回線6を特定し、その加入者電話回線6を通じて電話端末5に呼び出し信号(DTMF信号)を送出する。
【0032】
図1に示すように、制御部11は、回線情報特定部111、切断要因検出部112、メッセージ作成部113を有する。
【0033】
回線情報特定部111は、収容している電話端末5が発信元となる場合、加入者電話回線6を通じて電話端末5のオフフック状態等を検出して、発信元の電話端末5が接続している加入者電話回線6に関する情報(以下、「回線情報」ともいう。)を特定する。また、回線特定部111は、収容している電話端末5が着信先となる場合、受信した発信要求メッセージ(Initial INVITEメッセージ)に含まれる着番号に基づいて、着信先の電話端末5の回線情報を特定する。
【0034】
ここで、回線情報は、例えば、V5.2 ISDN回線の場合、EFアドレス、ユーザポートBチャネル、V5.2ベアラチャネル、Cチャネルタイムスロット等を含む。また例えば、V5.2 アナログ回線の場合、回線情報は、L3アドレス、V5.2ベアラチャネル、Cチャネルタイムスロット等を含む。さらに例えば、AGW1が電話端末を直接収容しているときには、回線情報は、回線収容位置等を含む。
【0035】
切断要因検出部112は、収容する電話端末5の呼の切断要因を検出するものである。
【0036】
切断要因検出部112は、例えば、着信先の電話端末5が着信に応答せずタイマのタイムアウトを検出したり、また例えば、ユーザ操作による電話端末5のオンフック状態を検出することにより呼の切断を検出したりする。
【0037】
また例えば、切断要因検出部112は、AGW1のリソース異常による呼の切断を検出したりする。このリソース異常による切断要因の方法としては、例えば、AGW1に割り当てられている使用回線数と閾値との比較により、AGW1の使用回線数が閾値を超えたことを要因とする切断と判断する。また例えば、AGW1のCPU使用率と閾値との比較によりCPU負荷増大を要因とする切断と判断する。さらに例えば、AGW1が接続する加入者回線6のうち、保守のため閉塞している回線に着信又はその回線から発信があったときには、保守閉塞中の回線からの発着信を要因とする切断と判断する。
【0038】
メッセージ作成部113は、CA2との間で授受するSIPメッセージを作成するものである。ここで、メッセージ作成部113は、CA2との間で呼接続のために授受するメッセージの作成の他に、メッセージ作成テーブル151を参照して、SIPメッセージに拡張ヘッダを用いて、回線情報や切断要因を含むSIPメッセージを作成する。なお、メッセージ作成テーブル151の詳細な説明は後述する。
【0039】
通信処理部14は、制御部11の制御により、ネットワーク側インタフェース部13を通じてSIPメッセージの送受信を行なったり、加入者側インタフェース部12を通じて信号の授受を行なったりする。
【0040】
記憶部15は、発信先電話番号を特定するための変換テーブルや、収容する加入者電話回線6の回線番号(電話番号)や回線種類や電話端末5の収容位置等の回線に関する情報や、呼に関する情報や、メッセージ作成テーブル151等を記憶する。
【0041】
図4は、実施形態に係るメッセージ作成テーブル151の構成を示す構成図である。
図4において、メッセージ作成テーブル151は、ヘッダ名、パラメータ文字列、パラメータ名、通知契機等を有する。
【0042】
「ヘッダ名」は、回線に関する情報や切断要因情報をCA2に通知するための拡張ヘッダの名前である。例えば、実施形態では、拡張ヘッダ名を「P−Call−Info」と定義しており、メッセージ作成部113は、作成するSIPメッセージに拡張ヘッダ「P−Call−Info」を設けて、回線に関する情報や切断要因のパラメータを含むSIPメッセージを作成する。
【0043】
「パラメータ文字列」は、CA2に通知する、回線に関する情報や切断要因情報のパラメータ種類を示す文字列である。「パラメータ名」は、それぞれのパラメータ種類の名前である。メッセージ作成部113は、回線情報検出部111により検出された発信元や着信先の回線に関する情報や、切断要因検出部112により検出された切断要因に基づいて、対応するパラメータ文字列をSIPメッセージに挿入する。
【0044】
「通知契機」は、拡張ヘッダ「P−Call−Info」に回線情報や切断要因のパラメータを設定してCA2に通知するタイミングを定義している。「通知契機」は、AGW1がCA2に送信するメッセージ種類を示している。例えば、ISDN回線に接続している電話端末5がBchを用いて発呼するときの回線情報である「パラメータ文字列:発呼側Bch情報」をCA2に通知するときには、当該AGW1のメッセージ作成部113は、対応する「通知契機:Initial INVITE(
図4では「ini−INV」と表記している。)」に、
図4の拡張ヘッダ「P−Call−Info」を設定したSIPメッセージを作成する。
【0045】
このように、メッセージ作成部113は、「通知契機」に定義されているSIPメッセージの作成タイミングで、回線情報や切断要因情報の各パラメータ文字列を含むSIPメッセージを作成して通信処理部14に与える。これにより、通信処理部14は、メッセージ作成部113により作成された回線情報や切断要因情報を含むSIPメッセージをCA2に送信できる。
【0046】
図5は、実施形態に係るCA2及び呼詳細情報記録部3の詳細な構成を示すブロック図である。
【0047】
図5において、CA2は、制御部21、IPネットワーク4との間で情報の授受を行なうネットワーク側インタフェース部22、通信処理を行なう通信処理部23を有する。
【0048】
制御部21は、SIPに従って呼制御を行なう呼制御部211と、呼制御部211が制御する呼に関する詳細な情報である呼詳細情報を作成して、呼詳細情報を呼詳細情報記録部3に記録する呼詳細情報作成部212を有する。
【0049】
ここで、呼詳細情報作成部212は、発番号及び着番号を呼詳細情報に設定すると共に、受信したSIPメッセージに含まれる情報に基づいて、呼接続状態をセッション毎に設定する。また、呼詳細情報作成部212は、受信したSIPメッセージに含まれている回線情報や切断要因の情報を呼詳細情報に設定する。
【0050】
図6は、実施形態に係る呼詳細情報記録部3に記録される回線情報及び切断要因情報の構成を示す構成図である。
【0051】
図6に示すように、呼詳細情報記録部3に記録される呼詳細情報は、回線情報と切断要因とに大別されており、階層構造の情報として記録できる。
【0052】
回線情報は、V5.2 ISDN回線の場合、EFアドレス(数値0〜8175)、ユーザポートBチャネル(数値1〜383)、V5.2ベアラチャネル、Cチャネルタイムスロットが例えば「aabbccdee」等のように記録される。なお、「aa」はユニット番号、「bb」はVoIP−E番号、「cc」はE1IF番号、「d」はE1回線番号、「ee」はタイムスロット番号を示している。
【0053】
また、V5.2 アナログ回線の場合、回線情報は、L3アドレス(数値0〜32767)、V5.2ベアラチャネル、Cチャネルタイムスロットが例えば「aabbccdee」のように記録される。
【0054】
さらに、AGW1が電話端末を直接収容しているときには、回線情報は、回線収容位置が「aabbccdee」等のように記録される。
【0055】
切断要因は、切断理由を示す切断区分が記録される。例えば、「切断区分;1」は、タイマタイムアウトによる切断、「切断区分;2」は、回線故障・装置故障による切断、「切断区分;3」は、ユーザ操作による切断、「切断区分;4」は、保守操作による切断などのように、切断理由を示す番号で記録する。なお、切断区分は、
図6に示すものに限定されるものではなく、切断理由の種類や数に応じて適宜設定できる。
【0056】
さらに、切断要因には、切断区分毎の切断理由の詳細情報を「切断理由詳細」に記録できる。「切断理由詳細」には、例えば、切断が生じた日時情報等を記録できる。
【0057】
なお、呼詳細情報記録部3に呼詳細情報として記録されている回線情報や切断要因は、従来の呼詳細情報の出力と同様に、保守者等の操作により、CA2が有するディスプレイ等に表示させることができる。表示態様は、特に限定されるものではなく、
図6に示すよう階層構造化させることで、保守者が希望する情報を表示することができる。
【0058】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る音声通信システム10における回線情報や切断要因をCA2に通知する処理動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0059】
図7は、AGW1が収容する電話端末5への着信時の呼接続を示すシーケンス図である。
【0060】
CA2において、AGW1が収容している電話端末5に着信する場合、呼詳細情報作成部212は、発番号及び着番号を呼詳細情報記録部3に記録する(S101)。発番号及び着番号を呼詳細情報記録部3に記録した後、CA2の呼制御部211は、AGW1に対してInitiation INVITEメッセージを送信する(S102)。ここで、CA2が送信するinitial INVITEには、Request−URIに着番号を設定し、Fromに発番号を設定する。
【0061】
AGW1はCA2からinitial INVITEを受信すると、受信したRequest−URIに設定されている着番号に基づいて、AGW1が収容している回線を特定して電話端末5に呼び出し信号を送信して着信要求を行う(S103)。
【0062】
AGW1が呼び出し信号の送信に成功したことをCA2に通知するため、メッセージ作成部113は、180応答メッセージを作成する。このとき、メッセージ作成部113は、回線情報特定部111から着信先の回線情報を取得して、その回線情報をCA2に通知するため、メッセージ作成テーブル151を参照して、180応答メッセージ内の「P−Call−Info」の拡張ヘッダに着信先の回線情報を設定してCA2に通知する(S104)。
【0063】
CA2において、呼詳細情報作成部212は、AGW1から受信した180応答メッセージのP−Call−infoに設定されている回線情報を抽出して、その回線情報を呼詳細情報記録部3に設定する(S105)。このとき、対応するセッション毎の呼詳細情報に回線情報を設定する。
【0064】
電話端末5から呼び出し信号に対する応答がAGW1にあると(S106)、AGW1のメッセージ作成部113は200 OKメッセージを作成し、AGW1が200 OKメッセージをCA2に送信する(S107)。200 OKメッセージを受信したCA2は、AGW1にACK応答を返信する(S108)。これにより、着信先の電話端末5は通話中となる。
【0065】
その後、何かしらの要因により、電話端末5の呼が切断すると、AGW1では、切断要因検出部112が切断要因を検出し(S109)、切断要因をCA2に通知するために、メッセージ作成テーブル151を参照して、SIPメッセージを作成してCA2に送信する(S110)。CA2は、受信したSIPメッセージに対して200 OKメッセージをAGW1に返信する(S111)。
【0066】
ここで、切断要因検出部112による切断要因の検出方法を説明する。例えば、AGW1はCA2からinitial INVITEを受信すると、受信したRequest−URIに設定されている着番号に基づいて、AGW1が収容している回線を特定して電話端末5に呼び出し信号を送信して着信要求を行う(S103)が、タイマの計時により所定時間内に着信先の電話端末5が応答せず、タイムアウトを検出すると、タイマタイムアウトによる切断と判断する。また例えば、切断要因検出部112は、呼が確立している回線を監視しており、呼切断トーン信号やオンフック状態を検出すると、ユーザ操作による呼切断と判断する。
【0067】
また例えば、切断要因検出部112は、AGW1の使用回線数が予め設定されている閾値(回線数)を超えている場合や、AGW1のCPUの負荷量が予め設定されている閾値を超えている場合や、回線故障が生じている場合には、回線故障・装置故障による切断と判断する。
【0068】
また例えば、切断要因検出部112は、AGW1に記憶されている保守情報を参照して、着信先が使用する回線が保守対象であるか否かを判断し、着信先の回線が保守対象であり、閉塞中回線であるときには、保守操作による切断と判断する。
【0069】
切断要因検出部112が切断要因を検出すると、メッセージ作成部113は、切断要因検出部112により検出された切断要因パラメータを拡張ヘッダ(P−Call−Info)に設定したSIPメッセージを作成して、CA2にSIPメッセージを送信する。
【0070】
例えば、着信者から切断した場合、AGW1はCA2にBYEメッセージを送信する。このとき、AGWは、従来設定しているReasonのほかに、切断要因情報をP−Call−Infoに設定してCA2に切断要因情報を通知する。
【0071】
CA2では、受信したSIPメッセージのP−Call−infoに設定されている切断要因情報を抽出して、切断理由、切断要因を呼詳細情報記録部3に設定する(S112)。このとき、対応するセッション毎の呼詳細情報に回線情報を設定する。
【0072】
例えば、CA2は、AGW1からBYEメッセージを受信すると、AGW1から通知された切断理由、切断要因を呼詳細情報記録部3に記録する。呼の切断後、切断要因情報を解析する場合、CA2は、呼詳細情報記録部3から呼詳細情報を出力する(S113)。
【0073】
次に、AGW1が収容する電話端末5の発信時の呼接続を示すシーケンスを説明する。
【0074】
図8は、AGW1が収容する電話端末5の発信時の呼接続を示すシーケンス図である。
【0075】
まず、発信元である電話端末5からの発信要求がAGW1に与えられると(S201)、AGW1は、Initial INVITEをCA2に送信する(S202)。
【0076】
このとき、AGW1は、発信元の回線情報をCA2に通知するために、回線情報特定部111が発信先の回線情報を特定すると、メッセージ作成部113は、Initial INVITEのRequest−URIに着番号を設定し、Fromに発番号(発信元の電話端末5の電話番号)を設定すると共に、P−Call−Infoに発信元の回線情報を設定して、CA2に送信する(S202)。
【0077】
CA2では、呼詳細情報作成部212は、AGW1からのInitial INVITEに設定されている発番号、着番号及び発信先の回線情報を、呼詳細情報記録部3に設定する(S203)。
【0078】
また、
図8には図示しないが、CA2は、着信先に向けてInitial INVITEを送信する。このとき、CA2は、着信先からSIPメッセージ(180応答メッセージ)を受信すると、その180応答メッセージに含まれている着信先の回線情報を呼詳細情報記録部3に設定する。
【0079】
CA2は、着信先から受信した180応答メッセージをAGW1に送信し(S204)、180応答メッセージを受信したAGW1は、発信先である電話端末5に呼出信号を送信する(S205)。
【0080】
また、
図8では図示しないが、着信先が応答すると、着信先から200 OKメッセージがCA2に送信され、CA2は200 OKメッセージをAGW1に送信する(S206)。そして、AGW1がACKメッセージをCA2に送信する(S207)。これにより、発信元である電話端末5と着信先との間で呼が確立して通話が開始する。
【0081】
その後、何かしらの要因により、電話端末5の呼が切断すると(S208)、AGW1では、切断要因検出部112が切断要因を検出し、切断要因をCA2に通知するために、メッセージ作成テーブル151を参照して、SIPメッセージを作成してCA2に送信する(S209)。CA2は、受信したSIPメッセージに対して200 OKメッセージをAGW1に返信する(S210)。
【0082】
切断要因検出部112による切断要因の検出方法は、
図7のS110で説明した方法と同様の方法を適用できるため、ここでの詳細な説明は省略する。例えば、
図8のS208のように、発信元の電話端末が呼を切断した場合、AGW1はCA2にBYEメッセージを送信する。このとき、AGW1は、切断要因情報をP−Call−Infoに設定してCA2に切断要因情報を通知する。
【0083】
CA2では、受信したSIPメッセージのP−Call−infoに設定されている切断要因情報を抽出して、切断理由、切断要因を呼詳細情報記録部3に設定する(S211)。このとき、対応するセッション毎の呼詳細情報に回線情報を設定する。
【0084】
そして、呼の切断後、切断要因情報を解析する場合、CA2は、呼詳細情報記録部3から呼詳細情報を出力する(S212)。
【0085】
(A−3)実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、AGWがCAに送信するSIP信号によりAGWでのみ判断可能なアナログ回線、ISDN回線の加入者回線情報、呼の切断要因を通知でき、CAは、呼詳細情報としてCDRに記録することができる。その結果、呼接続時に使用された回線情報や呼の切断要因を効率よく特定できる。
【0086】
(B)他の実施形態
本発明の要点はAGWがCAに加入者の回線情報や、呼の切断要因をSIP信号で通知し、その情報をCAがCDRに記録することである。
【0087】
上述した実施形態では、着信先又は発信元の電話端末が、通話中から呼を切断する場合を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、AGWが接続処理中に異常を検出して呼を切断する場合に、Initial INVITEに対するエラー応答(400〜699応答)に適用することも可能である。