【文献】
GOTO Shinichi, etc.,3D Environment Measurement Using Binocular Stereo and Motion Stereo by Mobile Robot with Omnidirectional Stereo Camera,2011 IEEE international Conference on Computer Vision Workshops(ICCV Workshops),2011年11月 6日,pp.296−303
【文献】
GOTO Shinich, etc.,3D Environment Measurement Using Binocular Stereo and Motion Stereo by Mobile Robot with Omnidirectional Stereo Camera,2011 IEEE international Conference on Computer Vision Workshops(ICCV Workshops),2011年11月 6日,pp.296−303
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は第1の実施の形態に係る測距システムの一例を示す図である。
図1には、第1の実施の形態に係る測距システムの一例の要部斜視模式図を示している。
【0011】
図1に示す測距システム1は、一対のカメラ10を含む。一対のカメラ10は、移動体20の上面21の、互いに異なる部位21a及び部位21bに設けられる。例えば、車両の屋根の上面や、屋根に取り付けられる部品の上面に、
図1のように一対のカメラ10が設けられる。ここで上方Vは、上面21に対して垂直上方の方向であってもよいし、上面21とは無関係に鉛直上方の方向であってもよい。
【0012】
尚、
図1に示す移動体20の上面21は、移動体20の上面の全体、或いは、移動体20の上面の一部である。また、一対のカメラ10には、例えば、同種のカメラが用いられる。
【0013】
カメラ10は、撮像素子11及びレンズ12を備える。撮像素子11は、例えばプラスチック等のケース11A内に収容され、レンズ12を通して入射される光を電気信号に変化する。撮像素子11には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。レンズ12には、視野角が180度(°)又はそれ以上といった広視野角の光学レンズ、例えば、魚眼レンズが用いられる。このような撮像素子11及びレンズ12を備えるカメラ10は、その光軸13が、上方Vに向くように、移動体20の上面21に設けられる。カメラ10は、その光軸13周りの全方位に視野を有する、いわゆる全方位カメラの1つである。
【0014】
カメラ10は更に、
図1に示すような、撮像素子11及びレンズ12を覆うカバー14を含んでよい。カバー14は、高い透明性を有していることが望ましい。例えば、カバー14には、アクリル等の材料が用いられる。
図1には一例として、ドーム型のカバー14を図示している。
【0015】
尚、一対のカメラ10は同種のカメラだけでなく、例えば赤外線カメラと可視光カメラのような、異種のカメラの組み合わせであってもよい。
測距システム1が設けられる移動体20の前進方向は、
図1に示すX方向でもよいし、Y方向でもよい。即ち、測距システム1の一対のカメラ10は、移動体20の前進方向(Y方向の時)の前方側と後方側とに配置されてもよいし、移動体20の前進方向(X方向の時)に対して右方側と左方側とに配置されてもよい。
【0016】
このような測距システム1における一対のカメラ10による画像の取得、画像からの視差の取得、及び視差に基づく距離の取得等、測距システム1での測距に係る各種処理は、例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサによって制御されるコンピュータを用いて実現される。その場合、測距に係る各種処理を実行するコンピュータは、測距システム1に含まれるものであってもよいし、測距システム1に有線又は無線の通信手段で接続されるものであってもよい。
【0017】
上記のように、測距システム1では、移動体20の上面21に、上方Vに向けた光軸13周りの全方位に視野を有する一対のカメラ10、即ち一対の全方位カメラが設けられる。この一対のカメラ10により、移動体20の周囲(前後左右の全方位)の画像が取得される。一対のカメラ10で取得される、移動体20の全方位の画像から、移動体20の周囲に存在する特定の物体までの距離を求めることができる。そのため、移動体20の全方位を測距対象とする場合でも、移動体20の前後左右にそれぞれ一対ずつ、前後左右の各方位に光軸を向けたカメラを設けるような構成とすることを要しない。
【0018】
上記の測距システム1によれば、少ないカメラ数(この例では2つのカメラ10)で、移動体20の全方位を測距対象とし、移動体20の周囲に存在する特定の物体までの距離を求めることができる。部品点数の増大を抑え、製造、設置、運用に要するコストやエネルギーを抑えて、移動体20の全方位を測距対象とする測距システム1を実現することができる。
【0019】
図1には、魚眼レンズ等の広視野角のレンズ12を備えるカメラ10を用いた測距システム1を例示したが、次の
図2に示すようなカメラを用いた測距システムとすることもできる。
【0020】
図2は第1の実施の形態に係るカメラの別例を示す図である。
図2(A)には、第1の実施の形態に係るカメラの、第1の例の要部斜視模式図を示している。
図2(B)には、第1の実施の形態に係るカメラの、第2の例の要部斜視模式図を示している。
【0021】
図2(A)に示すカメラ10aは、撮像素子11a、レンズ12a及びミラー15aを備える。撮像素子11aは、例えばケース11A内に収容される。撮像素子11aには、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等が用いられる。レンズ12aには、魚眼レンズのような広視野角ではない通常のレンズが用いられる。このような撮像素子11a及びレンズ12aと対向する位置に、放物面状、半球状又は円錐状のミラー15aが、その凸側をレンズ12側に向け、支持棒16aで支持されて、配置される。
【0022】
例えば、この
図2(A)に示すようなカメラ10aを、上記
図1に示した測距システム1の一対のカメラ10に替えて、採用してもよい。その場合、各カメラ10aは、その光軸13aが、上方V(
図1)に向くように、移動体20の上面21に設けられる。
図2(A)に示すカメラ10aでは、放物面状、半球状又は円錐状のミラー15aに入射し反射され、レンズ12aを通して撮像素子11aに入射される光が、電気信号に変換されて、カメラ10aの周囲(全方位)の画像が取得される。カメラ10aも、上記カメラ10と同様、その光軸13a周りの全方位に視野を有する、全方位カメラの1つである。
【0023】
図2(A)に示すようなカメラ10aを一対用いた測距システムでも、その一対のカメラ10aで取得される、移動体20の全方位の画像から、移動体20の周囲に存在する特定の物体までの距離を求めることができる。部品点数の増大を抑え、製造、設置、運用に要するコストやエネルギーを抑えて、移動体20の全方位を測距対象とする測距システムを実現することができる。
【0024】
また、
図2(B)に示すカメラ10bは、撮像素子11a及びレンズ12aと、ミラー15aとの間を、ドーム型のカバー14bで覆った構造を有している。カバー14bは、高い透明性を有していることが望ましい。カメラ10bにおいて、上記
図2(A)のカメラ10aに設けたような支持棒16aは、同様に設けることもできるが、
図2(B)に示すように省略することもできる。
【0025】
例えば、この
図2(B)に示すようなカメラ10bを、上記
図1に示した測距システム1の一対のカメラ10に替えて、採用してもよい。その場合、各カメラ10bは、その光軸13aが、上方V(
図1)に向くように、移動体20の上面21に設けられる。
図2(B)に示すカメラ10bも全方位カメラの1つであって、カバー14bを通してミラー15aに入射し反射され、レンズ12aを通して撮像素子11aに入射される光が、電気信号に変換されて、カメラ10bの周囲(全方位)の画像が取得される。
【0026】
図2(B)に示すカメラ10bでは、ミラー15aが、少なくともその外縁部をカバー14bで支持されることで、ミラー15aの変位が抑えられ、撮像素子11a、レンズ12a及びミラー15aの間における光軸13aのずれが抑えられる。
【0027】
図2(B)に示すようなカメラ10bを一対用いた測距システムでも、その一対のカメラ10bで取得される、移動体20の全方位の画像から、移動体20の周囲に存在する特定の物体までの距離を求めることができる。部品点数の増大を抑え、製造、設置、運用に要するコストやエネルギーを抑えて、移動体20の全方位を測距対象とする測距システムを実現することができる。
【0028】
尚、
図2(A)のカメラ10aでは、直接ミラー15aに入射される光から画像を取得するため、カバー14bを通してミラー15aに入射される光から画像を取得する
図2(B)のカメラ10bに比べて、良好な画質の画像が取得され得る。
【0029】
また、
図3は第1の実施の形態に係る測距システムで取得される画像の一例を示す図である。
図3(A)には、
図1に示すカメラ10を用いて取得される画像の一例を示している。
図3(B)には、
図2(A)に示すカメラ10aを用いて取得される画像の一例を示している。
【0030】
例えば、
図1に示すような、広視野角のレンズ12を備え、光軸13が上方Vに向けられたカメラ10を用い、屋外を撮像すると、左右それぞれのレンズ12により、
図3(A)に示すような第1画像30L及び第2画像30Rが取得される。取得される第1画像30L及び第2画像30Rのそれぞれには、中央部に空31L及び31Rが写し出され、その周りの外周部に地上付近32L及び32Rが写し出される。また、第1画像30L及び第2画像30Rのそれぞれには、車両33L及び33R、建造物34L及び34R、歩行者37L及び37R、樹木38L及び38R、レンズ12に写り込んだ移動体20の一部35L及び35Rが写し出される。また、移動体20の一部35L及び35Rは、レンズ12が設置された筐体の一部であってもよい。また、レンズ12の設置位置や周辺の環境によって、空31L及び31R、地上付近32L及び32R、車両33L及び33R、建造物34L及び34R、歩行者37L及び37R、樹木38L及び38R、又は移動体20の一部35L及び35Rが第1画像30L及び第2画像30Rに写し出されないことがあってもよい。また、カメラ10を用いて取得される第1画像30L及び第2画像30Rでは、空31L及び31Rが比較的大きく写し出される。尚、第1画像30L及び第2画像30Rは、カメラ10が移動体20の前進方向に対して左右両側のそれぞれに設けられた場合であるが、後述するようにカメラ10の設置位置はこれに限られず、その設置位置に応じた第1画像30L及び第2画像30Rが取得される。
【0031】
図3(B)は、
図2(A)に示すカメラ10aを用いた場合に得られる画像30aを示すものである。画像30aには、空31や地上付近32、車両33、建造物34、移動体20の一部35が写し出されている。ここで、車両33は、歩行者や樹木等であってもよい。また、移動体20の一部35は、カメラ10aが設置された筐体の一部であってもよい。
図3(B)では画像30aを一つしか示していないが、例えば2台のカメラ10aを用いた場合、
図3(A)と同様に、第1画像、第2画像を取得することができる。
【0032】
図4は、
図3(A)の第1画像30L及び第2画像30Rを正像化したものであり、測距に用いられる。第1画像36Lは第1画像30Lを正像化したものであり、第2画像36Rは第2画像30Rを正像化したものである。また、上述のように
図3(B)のような画像30aを第1画像、第2画像として取得した場合も同様に、
図4のような複数の正像化した画像が得られる。
【0033】
図5(A)及び
図5(B)は、測距の原理を示す図である。測距対象物39は、カメラ10の撮像素子11に取り込まれる全ての映像であり、例えば、
図4の車両33L及び33Rや、建造物34R及び34L、歩行者37L及び37R、樹木38L及び38R、地上付近32R及び32Lや、その他、動物や道路上構造物等である。
図4の正面方向又は後方向の測距対象物39については、第1画像に写し出された撮像39Lの位置と、撮像39Rの位置との視差(
図4の視差36)に基づき、例えば水平方向の座標の違いを用いて測距を行う(
図5(A))。
図4の真横方向の測距対象物39については、第1画像に写し出された測距対象物39の撮像39Lと、第2画像に写し出された測距対象物39の撮像39Rとの大きさの違いを用いて測距を行う(
図5(B))。尚、各真横方向と後方向との間や、各真横方向と正面方向との間については、
図5(A)及び
図5(B)に示した原理の両方を用いて測距を行ってもよい。また、求められる距離から、その距離に基づく各種情報、例えば、視野内に存在する各種物体までの距離を示す画像や、ある物体までの距離が一定値以下の時に発するアラーム等の情報の生成、出力が行われてもよい。
【0034】
ここで、カメラ10は、ミラー15aを用いるカメラ10a等に比べて、光軸13の調整に優れ、光軸13がずれ難い。そのため、カメラ10では、良好な画質の第1画像30L及び第2画像30Rを安定的に取得することができる。それにより、測定誤差やばらつき等、精度良く視差を求め、測距を行うことができる。
【0035】
また、カメラ10aを用いて取得される画像30aでは、地上付近32が比較的大きく写し出される。尚、
図2(B)に示すカメラ10bを用いた場合も、この
図3(B)と同様の画像が取得される。
【0036】
一対のカメラ10aを用いて取得される、このような画像30a群が用いられ、測距が行われる。例えば、屋外の地上付近に存在する物体が測距の対象とされる場合は、画像30aの中央部の地上付近32について視差が求められ、その視差に基づいて測距が行われる。このように屋外の地上付近に存在する物体が測距の対象とされる場合、画像30aのように地上付近32が比較的大きく写し出されていると、視差を求めるのに利用される画素数が多くなり、撮像素子11aの有効利用が図られる。
【0037】
図6は、第1の実施の形態に係る測距システムで測距を行った結果の一例を示す図であり、移動体20の上空から見下ろした様式で、移動体20の前方を上に表現している。第1の実施の形態では、全方位において、移動体20の周辺にある測距対象物39の、移動体20からの距離を取得することができる。
【0038】
次に、第2の実施の形態について説明する。
ここでは、測距システムを、移動体の1種である車両、一例として自動車に搭載する形態について説明する。
【0039】
図7は第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第1構成例を示す図である。
図7(A)〜
図7(C)にはそれぞれ、第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第1構成例の要部斜視模式図を示している。
【0040】
図7(A)に示す車両(自動車)40Aは、その屋根41の前方側(自動車40Aのフロント側)の縁部41aに、測距システムのカメラ、例えば上記第1の実施の形態で述べたような測距システム1のカメラ10が、左右一対、設けられた構成を有する。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて、フロント側の縁部41aの2箇所に設けられる。これら一対のカメラ10により、自動車40Aの前後左右の全方位が測距対象とされる。このようにフロント側の縁部41aに一対のカメラ10を設けた測距システム1により、自動車40Aの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。尚、一対のカメラ10は自動車40Aの左右のドアの上縁部に設けられてもよい。
【0041】
図7(B)に示す車両(自動車)40Bは、その屋根41の後方側(自動車40Bのリア側)の縁部41bに、例えば上記第1の実施の形態で述べた測距システム1のカメラ10が、左右一対、設けられた構成を有する。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて、リア側の縁部41bの2箇所に設けられる。これら一対のカメラ10により、自動車40Bの前後左右の全方位が測距対象とされる。このようにリア側の縁部41bに一対のカメラ10を設けた測距システム1により、自動車40Bの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。尚、自動車40Bが後方にハッチバック式のドアを有する場合、一対のカメラ10はそのハッチバック式ドアの上縁部の上面に設けられてもよい。
【0042】
図7(C)に示す車両(自動車)40Cは、その屋根41の、自動車40Cの左右方向の中央線42上における左右の縁部41cに、例えば上記第1の実施の形態で述べた測距システム1の一対のカメラ10が設けられた構成を有する。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて、左右の縁部41cの2箇所に設けられる。これら一対のカメラ10により、自動車40Cの前後左右の全方位が測距対象とされる。このように左右の縁部41cに一対のカメラ10を設けた測距システム1により、自動車40Cの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。尚、一対のカメラ10は自動車40Cの左右のドアの上縁部に設けられてもよい。
【0043】
例えば、屋根41のフロント側に一対のカメラ10を搭載する、
図7(A)に示すような自動車40Aでは、屋根41の写り込みが抑えられるその前方についての情報(前方の画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。屋根41のリア側に一対のカメラ10を搭載する、
図7(B)に示すような自動車40Bでは、屋根41の写り込みが抑えられるその後方についての情報(後方の画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。屋根41の左右に一対のカメラ10を搭載する、
図7(C)に示すような自動車40Cでは、屋根41の写り込みが抑えられるその前方及び後方についての情報(前方及び後方の画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。
【0044】
図8は第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第2構成例を示す図である。
図8(A)〜
図8(C)にはそれぞれ、第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第2構成例の要部斜視模式図を示している。
【0045】
図8(A)に示す車両(自動車)40Dは、その屋根41の、自動車40Dの直進方向の中央線43上におけるフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとに、例えば上記第1の実施の形態で述べた測距システム1のカメラ10が設けられた構成を有する。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて、中央線43上のフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとの2箇所に設けられる。これら一対のカメラ10により、自動車40Dの前後左右の全方位が測距対象とされる。このように中央線43上のフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとに一対のカメラ10を設けた測距システム1によっても、自動車40Dの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0046】
図8(B)に示す車両(自動車)40Eは、その屋根41の、自動車40Eの直進方向の中央線43から左方にずれたフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとに、例えば上記第1の実施の形態で述べた測距システム1のカメラ10が設けられた構成を有する。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて、中央線43から左方にずれたフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとの2箇所に設けられる。これら一対のカメラ10により、自動車40Eの前後左右の全方位が測距対象とされる。このように中央線43から左方にずれたフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとに一対のカメラ10を設けた測距システム1により、自動車40Eの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0047】
図8(C)に示す車両(自動車)40Fは、その屋根41の、自動車40Fの直進方向の中央線43から右方にずれたフロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとに、例えば上記第1の実施の形態で述べた測距システム1のカメラ10が設けられた構成を有する。このようにカメラ10を設けた場合でも、自動車40Fの前後左右の全方位が測距対象とされ、その周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0048】
例えば、屋根41の中央線43上のフロント側とリア側とに一対のカメラ10を搭載する、
図8(A)に示すような自動車40Dでは、屋根41の写り込みが抑えられるその左方及び右方についての情報(左方及び右方の画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。屋根41の中央線43から左方にずれたフロント側とリア側とに一対のカメラ10を搭載する、
図8(B)に示すような自動車40Eでは、屋根41の写り込みが抑えられるその左方についての情報(左方の画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。屋根41の中央線43から右方にずれたフロント側とリア側とに一対のカメラ10を搭載する、
図8(C)に示すような自動車40Fでは、屋根41の写り込みが抑えられるその右方についての情報(右方の画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。
【0049】
運転席が右側又は左側に設けられる自動車では、運転席側とは反対の側の死角が大きくなり易い。中央線43に対して運転席側とは反対の側に一対のカメラ10を設けると、そちら側についての情報(画像や各種物体との距離等)が比較的多く取得され得る。
【0050】
尚、
図8(A)〜
図8(C)のそれぞれにおいて、自動車40D〜40Fが後方にハッチバック式のドアを有する場合、一対のカメラ10の一つはそのハッチバック式ドアの上縁部の上面に設けられてもよい。また、一対のカメラ10は自動車40E又は40Fの左右のいずれかのドアの上縁部に設けられてもよい。
【0051】
また、本実施例の変形例として、例えば自動車の屋根の前方右側及び後方左側、又は前方左側及び後方右側のように、対角線上に一対のカメラ10を設けてもよい。
図9は第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第3構成例を示す図である。
図9(A)及び
図9(B)にはそれぞれ、第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第3構成例の要部斜視模式図を示している。
【0052】
図9(A)に示す車両(自動車)40Gは、その屋根41に取り付けられるリアスポイラ44の左右の縁部44aに、測距システムのカメラ、例えば上記第1の実施の形態で述べたような測距システム1の一対のカメラ10が設けられた構成を有する。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)をリアスポイラ44の上方に向けて、左右の縁部44aの2箇所に設けられる。これら一対のカメラ10により、自動車40Gの前後左右の全方位が測距対象とされる。このようにリアスポイラ44に一対のカメラ10を設けた測距システム1によっても、自動車40Gの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0053】
一対のカメラ10を設けるリアスポイラ44の形状は、
図9(A)のようなものに限定されず、例えば、
図9(B)に示すようなものであってもよい。
図9(B)に示す車両(自動車)40Hは、中央部45aよりも左右の端部45bが高くなった形状のリアスポイラ45を備える。このようなリアスポイラ45の、高くなった左右の端部45bに、一対のカメラ10が設けられる。この一対のカメラ10で自動車40Hの前後左右の全方位が測距対象とされ、その周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。リアスポイラ45をその中央部45aで屋根41に取り付けた場合、端部45bは屋根41よりも更に高い位置となり、そのような端部45bにカメラ10が設けられることで、自動車40H自体の写り込みが減り、自動車40Hの周囲の情報をより取得し易くなる。
【0054】
なお、
図9(A)又は
図9(B)のそれぞれにおいて、自動車40G又は40Hが後方にハッチバック式のドアを有する場合、リアスポイラ44又は45はそのハッチバック式ドアの上縁部の上面に設けられてもよい。
【0055】
このようなリアスポイラ44又はリアウィング等、自動車40G、自動車40Hの屋根41に取り付けられる部品に、測距システム1の一対のカメラ10が設けられてもよい。
測距システム1を設けた部品は、オプション部品として、自動車40G、自動車40Hに取り付けられるようにしてよい。また、その取り付け位置は、自動車40G及び自動車40Hの屋根の後方に限定されず、例えば屋根の前方や中央付近であってもよい。
【0056】
図10は第2の実施の形態に係る部品の説明図である。
図10(A)には、取り付け前の部品の要部斜視模式図を示し、
図10(B)には、部品が取り付けられる又は取り外された自動車の要部斜視模式図を示している。
【0057】
例えば、
図10(A)に示すような、一対のカメラ10を左右の縁部44aに設けたリアスポイラ44が、自動車40Gの屋根41に取り付け可能なオプション部品として、予め準備される。このようなリアスポイラ44が、
図10(B)に示すように、自動車40Gの屋根41の、後方側の縁部41bに、所定の方法で取り付けられる(実線太矢印)。リアスポイラ44は、取り付け後、自動車40Gから取り外せるようにしてもよい(点線太矢印)。
【0058】
このように、測距システム1を設けたリアスポイラ44(
図9(A))を、取り付け、取り外し可能なオプション部品とすることもできる。リアスポイラ45(
図9(B))についても同様である。
【0059】
図11は第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第4構成例を示す図である。
図11(A)〜
図11(C)にはそれぞれ、第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第4構成例の要部斜視模式図を示している。
【0060】
図11(A)に示す車両(自動車)40Iは、その屋根41に設けられた、左右一対のルーフレール(ルーフラック)46を備える。この左右一対のルーフレール46の、前方側(自動車40Iのフロント側)の縁部46aに、上記第1の実施の形態で述べたような測距システム1の一対のカメラ10が設けられる。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて設けられ、これら一対のカメラ10により、自動車40Iの前後左右の全方位が測距対象とされる。このような測距システム1により、自動車40Iの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0061】
図11(B)に示す車両(自動車)40Jは、左右一対のルーフレール46の、後方側(自動車40Jのリア側)の縁部46bに、上記第1の実施の形態で述べたような測距システム1の一対のカメラ10が設けられたものである。このように一対のカメラ10が設けられた測距システム1により、自動車40Jの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0062】
図11(C)に示す車両(自動車)40Kは、左右一対のルーフレール46の、フロント側の縁部46aとリア側の縁部46bとの中間部46cに、上記第1の実施の形態で述べたような測距システム1の一対のカメラ10が設けられたものである。このように一対のカメラ10が設けられた測距システム1により、自動車40Kの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0063】
例えば、ルーフレール46上での一対のカメラ10の位置によって、前方、後方、或いは左方及び右方といった、屋根41の写り込みが抑えられる所定方位についての情報(画像や物体との距離等)が比較的多く取得され得る。
【0064】
図12は第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第5構成例を示す図である。
図12には、第2の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第5構成例の要部斜視模式図を示している。
【0065】
図12に示す車両(自動車)40Lは、ルーフレール46に取り付けられたルーフキャリア47を備える。このルーフキャリア47の左右の縁部47aに、上記第1の実施の形態で述べたような測距システム1の一対のカメラ10が設けられる。一対のカメラ10は、各々の光軸13(
図1)を屋根41の上方に向けて設けられ、これら一対のカメラ10により、自動車40Lの前後左右の全方位が測距対象とされる。このような測距システム1により、自動車40Lの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0066】
この自動車40Lのように、ルーフレール46に後から取り付けられ、また取り外しも可能なルーフキャリア47に、測距システム1の一対のカメラ10を設けることも可能である。また、ルーフレール46上のルーフキャリア47の位置を変更することで(便宜上、
図12では太矢印で表す)、測距システム1の一対のカメラ10を、自動車40Lの前方寄りに設けたり、後方寄りに設けたり、或いはそれらの中間に設けたりすることも可能である。
【0067】
以上説明した第2の実施の形態に係る自動車40A〜40Lによれば、自動車本来のデザイン性が損なわれるのを抑えて測距システム1を搭載することができる。更に、屋根41、リアスポイラ44,45、ルーフレール46又はルーフキャリア47から突出する部位をカメラ10とすることで、測距システム1を設けることによる自動車40A〜40Lの走行時の空気抵抗を抑えることができる。
【0068】
また、測距システム1をリアスポイラ44等のオプション部品に組み込むと、例えば、メーカーオプションで測距システム1を搭載する場合には、その搭載工程を、自動車本体の組み立て工程とは分離することができ、製造工程の煩雑化を抑えることができる。
【0069】
ディーラーオプションや購入後に測距システム1を搭載する場合であれば、測距システム1が組み込まれたリアスポイラ44等のオプション部品を自動車に取り付ける作業で足りる。リアスポイラ44等への個々のカメラ10の取り付け、それらの光軸13の調整、更に、一対のカメラ10間の位置調整等を省略することができ、作業工程の煩雑化を抑えることができる。
【0070】
尚、ここでは、上記第1の実施の形態で述べた、
図1に示したようなカメラ10を用いた測距システム1を搭載した自動車40A〜40Lを例示した。このほか、上記
図2(A)に示したようなカメラ10aを用いた測距システム、上記
図2(B)に示したようなカメラ10bを用いた測距システムを、
図7〜
図9及び
図11の各例に従って搭載した各種自動車も、同様に実現することが可能である。
【0071】
また、ここでは、車両として自動車を例示したが、測距システム1等が搭載可能な車両には、トラックやバス等の大型自動車や除雪車、ショベルカー、コンバイン等の特殊車両や農業向け車両も含まれ、また、1〜2人乗りの超小型モビリティ、自動二輪車や原動機付き自転車等の各種二輪車又は三輪車、自転車等の軽車両、車いす、電車やモノレール等の列車等も含まれる。例えば、各種車両の、元から備わっている高所の上面、或いは高所となる位置に別途設けた上面に、カメラ10等の一対のカメラを設け、測距システム1等を実現する。
【0072】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図13は第3の実施の形態に係る測距システムの一例を示す図である。
図13には、第3の実施の形態に係る測距システムの一例の要部斜視模式図を示している。
【0073】
上記測距システム1の一対のカメラ10は、例えば、
図13に示すように、共通の連結体(フレーム)50で互いに連結される。フレーム50には、例えば、
図13に示すような板状のものが用いられる。フレーム50には、板状のもののほか、棒状のものが用いられてもよい。フレーム50の、対向する両端部51にそれぞれ、例えば上記第1の実施の形態で述べた測距システム1(
図1)の一対のカメラ10が固定される。フレーム50で連結された一対のカメラ10は、互いの位置関係が精度良く合わせられ、更に、合わせた後も互いの位置関係のずれが効果的に抑えられる。
【0074】
測距システム1では、ステレオ測距は片方のカメラの写像と他方のカメラの写像を比較し、それぞれの写像の中で示される測定対象物の座標のズレ量(視差値)から距離を求める技術である。そのため、一対のカメラの取付けに関しては、高い精度で取付けられ、かつ、保たれることが望ましい。そのため、車両等の移動体20に測距システム1を搭載した当初は一対のカメラ10が適正な位置関係にあっても、測距システム1を搭載した後の移動体20の動きや揺れ等で位置関係にずれが生じると、測定誤差やばらつき等の精度が高く、信頼性の高い測距を行うことが困難になる。
【0075】
そこで、
図13に示すように、一対のカメラ10をフレーム50で連結すると、測距システム1が搭載される移動体20の動きや揺れ等で一対のカメラ10間に位置ずれが生じるのを効果的に抑えることができる。フレーム50には、一対のカメラ10間に位置ずれが生じるのを抑えることができるような、剛性の高いものを用いることが望ましい。
【0076】
例えば、このようにフレーム50で連結された一対のカメラ10が、自動車等の車両に搭載される。
図14は第3の実施の形態に係る測距システム搭載車両の一例を示す図である。
図14(A)には、第3の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第1構成例の要部斜視模式図を示している。
図14(B)には、第3の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第2構成例の要部斜視模式図を示している。ここでは、上記第1の実施の形態で述べた測距システム1(
図1)を搭載する場合を例にする。
【0077】
例えば、
図14(A)に示すように、一対のカメラ10を連結するフレーム50が、車両(自動車)40Mの屋根41の内側に収容され、固定される。この時、フレーム50で連結された一対のカメラ10は、屋根41の外側に設けられる。このように一対のカメラ10を設けた測距システム1により、自動車40Mの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。また、一対のカメラ10が、屋根41の内側のフレーム50で連結されていることで、互いの位置関係のずれが抑えられ、測定誤差やばらつき等の精度及び信頼性に優れる測距が実現される。
【0078】
ここではフレーム50を、屋根41の内側に、中央線42上の左右の縁部41cに一対のカメラ10が位置するように収容した例を示したが、フロント側の縁部41aやリア側の縁部41bに一対のカメラ10が位置するように収容することもできる。或いは、フレーム50を、屋根41の内側に、フロント側の縁部41aとリア側の縁部41bとに一対のカメラ10が位置するように収容することもできる。
【0079】
また、
図14(B)に示すように、一対のカメラ10を連結するフレーム50が、車両(自動車)40Nの屋根41に取り付けられるリアスポイラ44の内側に収容され、固定されてもよい。この時、フレーム50で連結された一対のカメラ10は、リアスポイラ44の外側に設けられる。このように一対のカメラ10を設けた測距システム1により、自動車40Nの周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。また、一対のカメラ10が、リアスポイラ44の内側のフレーム50で連結されていることで、互いの位置関係のずれが抑えられ、測定誤差やばらつき等の精度及び信頼性に優れる測距が実現される。
【0080】
尚、ここでは、上記
図1に示したような一対のカメラ10をフレーム50で連結したもの、及びフレーム50で連結された一対のカメラ10を含む測距システム1を搭載した自動車40M,40Nを例示した。このほか、上記
図2(A)に示したような一対のカメラ10aをフレーム50で連結したもの、及びそれを含む測距システムを
図14(A)又は
図14(B)の例に従って搭載した各種自動車も、同様に実現することが可能である。更に、上記
図2(B)に示したような一対のカメラ10bをフレーム50で連結したもの、及びそれを含む測距システムを
図14(A)又は
図14(B)の例に従って搭載した各種自動車も、同様に実現することが可能である。
【0081】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図15は第4の実施の形態に係る測距システムの一例を示す図である。
図15には、第4の実施の形態に係る測距システムの一例の要部斜視模式図を示している。
【0082】
図15に示す測距システム1Aは、移動体20の上面21から突出する、一対のシャークフィン状の支持体17を含む。この一対の支持体17の先端部17aにそれぞれ、例えば上記
図1に示したようなカメラ10が設けられる。
図15に示す測距システム1Aは、このような点で、上記第1の実施の形態に係る測距システム1と相違する。
【0083】
一対の支持体17の先端部17aにそれぞれカメラ10が設けられて、上面21の互いに異なる部位21a及び部位21bの上方に一対のカメラ10が設けられた測距システム1Aが実現される。カメラ10は、その光軸13を上方Vに向けて、支持体17で保持される。このように一対のカメラ10が保持された測距システム1Aにより、移動体20の周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0084】
尚、移動体20の前進方向は、移動時に支持体17が受ける空気抵抗を抑える観点から、
図15に示すX方向とされることが好ましいが、これに限定されない。
図15に示すように、測距システム1Aでは、移動体20の上面21から突出する支持体17を、その先端部17aと移動体20の上面21との間に空間17bができるような、湾曲させたシャークフィン状としている。カメラ10は、このようなシャークフィン状の支持体17の先端部17aに設けられる。
【0085】
カメラ10は、支持体17の先端部17aに設けられることで、移動体20の上面21から更に高い位置で保持される。これにより、各カメラ10で取得される画像に写り込む移動体20の割合を減らし、移動体20の周囲の情報をより取得し易くすることができる。
【0086】
更に、カメラ10の下に空間17bを設けることで、一方のカメラ10で取得される画像における、他方のカメラ10及び支持体17の側の、当該支持体17で隠れてしまう死角が減り、移動体20の周囲の情報を多く取得することができる。
【0087】
図16は第4の実施の形態に係る支持体による死角の説明図である。
図16(A)及び
図16(B)には、一方のカメラ10から他方のカメラ10及び支持体17の側を写した時の様子を模式的に示している。支持体17の先端部17aと移動体20の上面21との間に、空間17bが設けられていない場合を
図16(A)に、空間17bが設けられている場合を
図16(B)に、それぞれ示している。
【0088】
図16(A)に示すように、支持体17の先端部17aと移動体20の上面21との間に空間17bが無いと、一方のカメラ10から他方のカメラ10及び支持体17の側を写した時に、当該支持体17によって死角が生じる。そのため、一方のカメラ10には、他方のカメラ10及び支持体17の、更にそれらの向こう側に存在するはずの物体60が写らず、その物体60が他方のカメラ10には写るとしても、一対のカメラ10の画像から測距を行う手法では、物体60の情報が得られない。
【0089】
これに対し、
図16(B)に示すように、支持体17の先端部17aと移動体20の上面21との間に空間17bがあると、一方のカメラ10から他方のカメラ10及び支持体17の側を写した時に、その空間17bに物体60の少なくとも一部が写るようになる。そのため、物体60が写る一方のカメラ10と他方のカメラ10の画像から、その物体60の情報が得られる。
【0090】
このように測距システム1Aでは、支持体17の先端部17aと移動体20の上面21との間に空間17bを設けることで、支持体17による死角を減らし、移動体20の周囲の情報をより多く取得することが可能になっている。
【0091】
この第4の実施の形態に係る測距システム1Aは、各種車両に搭載することが可能である。測距システム1Aの支持体17及びカメラ10を、例えば、上記第2の実施の形態で述べた
図7(A)〜
図7(C)及び
図8(A)〜
図8(C)の例に従い、自動車の屋根41に設けることができる。また、上記第2の実施の形態で述べたように、支持体17及びカメラ10を自動車の屋根41に対角線上に設けてもよいし、自動車が後方にハッチバック式のようなドアを有する場合にそのドアの上縁部に設けてもよい。
【0092】
測距システム1Aの支持体17及びカメラ10を、上記第2の実施の形態で述べた
図9(A)及び
図9(B)の例に従い、リアスポイラ44,45等、屋根に取り付ける部品に設けることもできる。
【0093】
また、測距システム1Aの支持体17及びカメラ10が取付けられたリアスポイラ44,45を、上記第2の実施の形態で述べた
図10(A)及び
図10(B)の例に従い、自動車に取り付け可能なオプション部品として予め準備し、取り付け又は取り外しすることもできる。
【0094】
また、測距システム1Aの支持体17及びカメラ10を、上記第2の実施の形態で述べた
図11(A)〜
図11(C)の例に従い、ルーフレール46に設けたり、
図12の例に従い、ルーフレール46に取り付けられるルーフキャリア47に設けたりすることもできる。
【0095】
この第4の実施の形態に係る測距システム1Aの、カメラ10を保持する一対の支持体17を、上記第3の実施の形態で述べた
図13の例に従い、フレーム50で連結し、一対のカメラ10間に生じる位置ずれを抑えるようにしてもよい。
【0096】
カメラ10を保持する一対の支持体17を連結するフレーム50は、自動車等の各種車両の内部に収容することが可能である。
例えば、自動車の内部に収容する場合であれば、上記第3の実施の形態で述べた
図14(A)の例に従ってフレーム50を自動車の屋根41の内側に収容し、そのフレーム50で連結された一対の支持体17は、屋根41から突出させる。このように屋根41から突出させた支持体17の先端部17aに、カメラ10が設けられる。
【0097】
或いは、上記第3の実施の形態で述べた
図14(B)の例に従ってフレーム50を自動車の屋根41に取り付けられるリアスポイラ44の内側に収容し、そのフレーム50で連結された一対の支持体17は、リアスポイラ44から突出させる。このようにリアスポイラ44から突出させた支持体17の先端部17aに、カメラ10が設けられる。
【0098】
尚、支持体17の先端部17aには、上記
図2(A)に示したようなカメラ10a、或いは上記
図2(B)に示したようなカメラ10bが設けられてもよい。支持体17の先端部17aにカメラ10a或いはカメラ10bを設けた場合にも、上記カメラ10を設けた場合と同様の作用効果が得られる。
【0099】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図17は第5の実施の形態に係る測距システムの一例を示す図である。
図17には、第5の実施の形態に係る測距システムの一例の要部斜視模式図を示している。
【0100】
図17に示す測距システム1Bは、移動体20の上面21から突出する、一対の柱状の支持体18を含む。この一対の支持体18の先端部18aにそれぞれ、例えば上記
図1に示したようなカメラ10が設けられる。
図17に示す測距システム1Bは、このような点で、上記第1の実施の形態に係る測距システム1と相違する。
【0101】
一対の支持体18の先端部18aにそれぞれカメラ10が設けられて、上面21の互いに異なる部位21a及び部位21bの上方に一対のカメラ10が設けられた測距システム1Bが実現される。カメラ10は、その光軸13を上方Vに向けて、支持体18で保持される。このように一対のカメラ10が保持された測距システム1Bにより、移動体20の周囲に存在する各種物体について、測距が行われる。
【0102】
尚、移動体20の前進方向は、
図17に示すX方向でもよいし、Y方向でもよい。
図17に示す測距システム1Bにおいて、柱状の支持体18は、例えば、上面21に直立させることができる(θ=90°)。但し、このように直立させた場合、支持体18の太さ、上面21からのカメラ10(又は支持体18)と物体との位置関係によっては、死角ができ、移動体20の周囲に存在する物体の検知範囲が狭まる可能性がある点に留意する。
【0103】
図18は第5の実施の形態に係る支持体による死角の説明図である。
図18(A)及び
図18(B)には、一方のカメラ10から他方のカメラ10及び支持体18の側を写した時の様子を模式的に示している。支持体18を直立させている場合を
図18(A)に、支持体18を斜めに傾けている場合を
図18(B)に、それぞれ示している。
【0104】
柱状の支持体18を上面21に直立させていると、一方のカメラ10から他方のカメラ10及び支持体18の側を写した時に、
図18(A)に示すように、当該支持体18により、人や障害物等の物体61(一例として人を図示)が隠れてしまうことが起こり得る。人や障害物等の物体61は、地上に直立していることが多く、柱状の支持体18を上面21に直立させていると、この
図18(A)に示すような状況も生じかねない。
【0105】
これに対し、柱状の支持体18を傾けると、一方のカメラ10から他方のカメラ10及び支持体18の側を写した時に、
図18(B)に示すような状況を作り出すことができる。即ち、
図18(B)に示すように、直立した人や障害物等の物体61(一例として人を図示)であっても、その少なくとも一部は他方のカメラ10の支持体18で隠れないような状況を作り出すことができる。これにより、支持体18で隠れない物体61の少なくとも一部(物体61の鉛直方向の輪郭線の少なくとも一部)が写る一方のカメラ10の画像と、物体61側にあってそれが写る他方のカメラ10の画像とから、物体61の情報が得られるようになる。
【0106】
柱状の支持体18は、上面21に対する角度θ(
図17)を、0度超から90度未満の範囲とすることができる(0°<θ<90°)。更に、
図18(A)に示すような死角の観点からは、上面21に対する角度θ(
図17)を、20度〜70度(20°<θ<70°)の範囲とすることが好ましい。
【0107】
尚、柱状の支持体18の太さによっては、上面21に直立させていても、直立した人や障害物等の物体61の少なくとも一部は他方のカメラ10の支持体18で隠れないこともある。
【0108】
支持体18で保持するカメラ10の、上面21からの高さによっても、支持体18を直立させていても物体61の少なくとも一部は隠れない状況や、支持体18を傾ければ物体61の少なくとも一部は隠れない状況が作り出される。カメラ10の高さは、例えば、測距システム1Bで要求される検知範囲に基づいて設定される。
【0109】
図19は第5の実施の形態に係るカメラの高さの説明図である。
ここでは、カメラ10を保持する柱状の支持体18を、自動車40Pの屋根41に設ける場合を例にする。
【0110】
屋根41からのカメラ10の高さH1は、カメラ10から屋根41の端までの距離L1、検知範囲の距離L2及び高さH2から設定される。例えば、カメラ10から屋根41の端までの距離L1が160cm、検知範囲の距離L2が320cmで高さH2が30cmの場合、三角形T1と三角形T2の相似関係から、カメラ10の高さH1は15cmとなる。尚、自動車40Pの屋根41の高さH3は、例えば180cmである。この場合、
物体61
(一例として人を図示)はH3−H2=150cm以上の高さの部分がカメラ10に写る。
【0111】
カメラ10を保持する支持体18の長さは、このように設定されるカメラ10の高さH1と、鉛直上方Vに対する支持体18の角度θとから決定される。
この第5の実施の形態に係る測距システム1Bは、各種車両に搭載することが可能である。測距システム1Bの支持体18及びカメラ10を、例えば、上記第2の実施の形態で述べた
図7(A)〜
図7(C)及び
図8(A)〜
図8(C)の例に従い、自動車の屋根41に設けることができる。また、上記第2の実施の形態で述べたように、支持体18及びカメラ10を自動車の屋根41に対角線上に設けてもよいし、自動車が後方にハッチバック式のようなドアを有する場合にそのドアの上縁部に設けてもよい。
【0112】
測距システム1Bの支持体18及びカメラ10を、上記第2の実施の形態で述べた
図9(A)及び
図9(B)の例に従い、リアスポイラ44,45等、屋根に取り付ける部品に設けることもできる。
【0113】
また、測距システム1Bの支持体18及びカメラ10が取付けられたリアスポイラ44,45を、上記第2の実施の形態で述べた
図10(A)及び
図10(B)の例に従い、自動車に取り付け可能なオプション部品として予め準備し、取り付け又は取り外しすることもできる。
【0114】
また、測距システム1Bの支持体18及びカメラ10を、上記第2の実施の形態で述べた
図11(A)〜
図11(C)の例に従い、ルーフレール46に設けたり、
図12の例に従い、ルーフレール46に取り付けられるルーフキャリア47に設けたりすることもできる。
【0115】
この第5の実施の形態に係る測距システム1Bの、カメラ10を保持する一対の支持体18を、上記第3の実施の形態で述べた
図13の例に従い、フレーム50で連結し、一対のカメラ10間に生じる位置ずれを抑えるようにしてもよい。
【0116】
カメラ10を保持する一対の支持体18を連結するフレーム50は、自動車等の各種車両の内部に収容することが可能である。
例えば、自動車の内部に収容する場合であれば、上記第3の実施の形態で述べた
図14(A)の例に従ってフレーム50を自動車の屋根41の内側に収容し、そのフレーム50で連結された一対の支持体18は、屋根41から突出させる。このように屋根41から突出させた支持体18の先端部18aに、カメラ10が設けられる。
【0117】
或いは、上記第3の実施の形態で述べた
図14(B)の例に従ってフレーム50を自動車の屋根41に取り付けられるリアスポイラ44の内側に収容し、そのフレーム50で連結された一対の支持体18は、リアスポイラ44から突出させる。このようにリアスポイラ44から突出させた支持体18の先端部18aに、カメラ10が設けられる。
【0118】
尚、支持体18の先端部18aには、上記
図2(A)に示したようなカメラ10a、或いは上記
図2(B)に示したようなカメラ10bが設けられてもよい。支持体18の先端部18aにカメラ10a或いはカメラ10bを設けた場合にも、上記カメラ10を設けた場合と同様の作用効果が得られる。
【0119】
また、支持体18は、上面21に対する角度θを可変とすることもできる。
図20は第5の実施の形態に係る支持体の角度可変機構の第1構成例を示す図である。
図20(A)〜
図20(C)にはそれぞれ、第5の実施の形態に係る支持体の一例の要部側面模式図を示している。
【0120】
例えば、
図20(A)に示すように、支持体18は、基台18b及び支柱18cを備える。基台18bは、自動車の屋根等、移動体20の上面21に固定される。支柱18cは、例えば、基台18b内に設けられる軸18dに軸支され、軸18dを中心に回動可能になっている。支柱18cの先端部(支持体18の先端部18a)にカメラ10が設けられる。
【0121】
このような支持体18によれば、支柱18cを、
図20(A)に示すような直立させた位置から、90度未満の一定角度で傾けた
図20(B)のような位置、更には90度傾けた
図20(C)のような位置まで、軸18dを中心とする回動により調整可能となる。支柱18cの回動(角度調整)は、自動又は手動で行えるようにすることが可能である。
【0122】
回動により支柱18cの角度を可変とする場合には、例えば、支柱18cの回動に応じてカメラ10の光軸13の向きを上面21の上方に保つ機構を設ける。このような機構を設けると、支柱18cを、その回動可能範囲のいずれの角度としても、光軸13が上面21の上方に向いた一対のカメラ10により、移動体20の周囲に存在する各種物体について測距を行うことが可能になる。
【0123】
また、回動により支柱18cの角度を可変とする場合には、例えば、一定角度まで回動された支柱18cを当該角度で固定する機構を設ける。このような機構を設けると、支柱18cの先端部に設けられるカメラ10の位置が安定し、測定誤差やばらつき等について精度の良い測距を行うことができる。
【0124】
尚、支持体18を上記のような構成とする場合には、使用時(測距時)には支柱18cを
図20(A)又は
図20(B)のような位置にし、未使用時には
図20(C)の位置にする、といった運用も可能である。
【0125】
図21は第5の実施の形態に係る支持体の角度可変機構の第2構成例を示す図である。
図21(A)には、第5の実施の形態に係る支持体の一例の要部斜視模式図を示し、
図21(B)
及び図21(C)には、第5の実施の形態に係る支持体の一例の要部側面模式図を示している。
【0126】
例えば、
図21(A)
〜図21(C)に示すように、各々基台18b及び支柱18cを備える一対の支持体18の、互いの支柱18cを軸55で連結する。基台18bは、自動車の屋根等、移動体20の上面21に固定される。一対の支柱18cを連結する軸55は、自動車の屋根の内側等、移動体20の上面21の内側に、回動可能に収容される。支柱18cの先端部(支持体18の先端部18a)にカメラ10が設けられる。
【0127】
この支持体18では、軸55の回動により、支柱18cの角度が調整される。軸55の回動は、自動又は手動で行えるようにすることが可能である。また、この支持体18においても、軸55の回動に応じてカメラ10の光軸13の向きを上面21の上方に保つ機構や、支柱18cを一定角度で固定する機構を設けることができる。
【0128】
図21(A)
〜図21(C)に示すような支持体18によれば、一対の支柱18cを軸55で連結することで、一対の支柱18cを同角度へ同時に調整することが可能になる。また、軸55に、上記のフレーム50のような機能を持たせ、一対の支柱18c間の位置(角度)ずれ、即ちそれらの先端部に設けられる一対のカメラ10間の位置ずれを抑えることが可能になる。
【0129】
また、支持体18は、その高さを可変とすることもできる。
図22は第5の実施の形態に係る支持体の高さ可変機構の構成例を示す図である。
図22(A)及び
図22(B)にはそれぞれ、第5の実施の形態に係る支持体の一例の要部側面模式図を示している。
【0130】
例えば、
図22(A)に示すように、支持体18は、基台18b及び支柱18cを備える。基台18bは、自動車の屋根等、移動体20の上面21に固定される。支柱18cは、それ自身の伸縮によって長さを可変とした構成とされる。
図22(A)には、伸ばした状態の支柱18cを点線で、縮めた状態の支柱18cを実線で、それぞれ図示している。支柱18cの伸長は、自動又は手動で行えるようにすることが可能である。
【0131】
また、支柱18cは、
図22(B)に示すように、移動体20に収容されることによってその長さが縮められ、移動体20から突出されることによってその長さが伸ばされるような構成とすることもできる。
図22(B)には、移動体20から突出されて伸ばされた状態の支柱18cを点線で、移動体20に収容されて縮められた状態の支柱18cを実線で、それぞれ図示している。支柱18cの突出及び収容(伸長)は、自動又は手動で行えるようにすることが可能である。
【0132】
上記
図20及び
図21に示したような角度可変機構を設けた支持体18に、更にこの
図22に示すような
高さ可変機構を設けることもできる。
支持体18に、上記のような角度可変機構、
高さ可変機構を設けることで、その先端部18aに設けられるカメラ10等の配置自由度を高めることが可能になる。
【0133】
次に、第6の実施の形態について説明する。
図23は第6の実施の形態に係る支持体の構成例を示す図である。
図23(A)〜
図23(C)にはそれぞれ、第6の実施の形態に係る支持体の一例の要部側面模式図を示し、
図23(D)には、第6の実施の形態に係る支持体の一例の要部斜視模式図を示している。
【0134】
例えば、
図23(A)に示す支持体19Aは、自動車の屋根等、移動体20の上面21に設けられる。支持体19Aは、2本の支柱19Acを備える。これら2本の支柱19Acの先端部(支持体19Aの先端部19Aa)に、例えば上記
図1に示したようなカメラ10が設けられる。カメラ10は、2本の支柱19Acによって安定に保持される。また、2本の支柱19Acの間の空間により、図示しない他方の支持体19A側のカメラ10から写した時に、直立した人や障害物等の物体が隠れてしまうような状況が抑えられる。
【0135】
図23(B)に示す支持体19Bは、移動体20の上面21に設けられ、湾曲した2本の支柱19Bcを備える。これら2本の支柱19Bcの先端部(支持体19Bの先端部19Ba)に、例えば上記
図1に示したようなカメラ10が設けられる。カメラ10は、2本の支柱19Bcによって安定に保持される。更に、2本の支柱19Bcが湾曲していることで、図示しない他方の支持体19B側のカメラ10から写した時に、直立した人や障害物等の物体が隠れてしまうような状況が抑えられる。
【0136】
図23(C)に示す支持体19Cは、移動体20の上面21に設けられ、屈曲した2本の支柱19Ccを備える。これら2本の支柱19Ccの先端部(支持体19Cの先端部19Ca)に、例えば上記
図1に示したようなカメラ10が設けられる。カメラ10は、2本の支柱19Ccによって安定に保持される。更に、2本の支柱19Ccが屈曲し、側面視で菱形になっていることで、図示しない他方の支持体19C側のカメラ10から写した時に、直立した人や障害物等の物体が隠れてしまうような状況が抑えられる。
【0137】
図23(D)に示す支持体19Dは、移動体20の上面21に設けられ、3本の支柱19Acを備えている点で、
図23(A)の支持体19Aと相違する。これら3本の支柱19Acの先端部(支持体19Dの先端部19Da)に、例えば上記
図1に示したようなカメラ10が設けられる。カメラ10は、3本の支柱19Acによって安定に保持される。このようにカメラ10を保持する支柱19Acの本数は、2本に限らず、3本でもよく、また4本以上であってもよい。
【0138】
同様に、
図23(B)に示す支持体19Bについても、湾曲した支柱19Bcを2本以上設けることができ、
図23(C)に示す支持体19Cについても、屈曲した支柱19Ccを2本以上設けることができる。
【0139】
尚、支持体19A〜19Dには、上記
図2(A)に示したようなカメラ10a、或いは上記
図2(B)に示したようなカメラ10bが設けられてもよい。
上記第4の実施の形態で述べた支持体17、上記第5の実施の形態で述べた支持体18(支柱18c及び基台18b)、上記第6の実施の形態で述べた支持体19A〜19Dには、アクリル等の透明な材料を用いてもよい。このような材料を用いると、一方のカメラ10で撮像される他方側の支持体17,18,19A〜19Dの、その向こう側の領域の画像取得も可能になるため、測距できる範囲が広がる。また、支持体18の支柱18cや、支持体19A〜19Dの各支柱19Ac,19Bc,19Ccを細くする、例えば保持するカメラ10等よりも細くすると、支柱18c,19Ac,19Bc,19Ccで隠れてしまう部分が減るため、測距できる範囲が広がる。
【0140】
次に、第7の実施の形態について説明する。
図24は第7の実施の形態に係る測距システムの一例を示す図である。また、
図25は第7の実施の形態に係る測距システム搭載車両のイメージ図である。
【0141】
ここでは、上記
図9(A)に示したような、自動車40Gのリアスポイラ44に設けられた測距システム1を例にする。
図24(及び
図9(A))に示すように、測距システム1は、自動車40Gの屋根41に取り付けられるリアスポイラ44の左右の縁部44aに設けられた一対のカメラ10を有する。各々のカメラ10の光軸13(
図1)は、リアスポイラ44の上方に向けられる。
【0142】
測距システム1は更に、
図24に示すように、空間認識処理部70を有する。空間認識処理部70は、画像入力部71、画像出力部72、ステレオ測距部73及び周囲物体検知部74を備える。
【0143】
画像入力部71には、左右一対のカメラ10で撮像された各々の画像の情報(画像情報)が入力される。
画像出力部72は、画像入力部71に入力された画像情報を、自動車40Gに搭載されるナビゲーションシステムの端末(ナビ端末)80に出力する。
【0144】
ステレオ測距部73は、画像入力部71に入力された、一対のカメラ10からの両画像情報を用い、両画像情報内の特定領域の視差を算出し、その視差に基づき、当該特定領域までの距離を算出する。
【0145】
周囲物体検知部74は、ステレオ測距部73で算出された距離の情報(距離情報)を用い、自動車40Gの周囲に存在する人や障害物等の物体を検知する。周囲物体検知部74で検知された物体の情報(検知物体情報)は、ADAS−ECU(Advanced Driver Assistance System - Electronic Control Unit)81に出力される。
【0146】
ADAS−ECU81は、周囲物体検知部74から出力された検知物体情報を用い、或いは更に、自動車40Gに搭載される各種センサ89からの情報も用いて、危険な状況にあるか否かを判断し、その判断結果に基づき、制動、旋回、専用LED灯の点灯や点滅等を行う。
【0147】
また、ADAS−ECU81の判断結果を示す情報(判断結果情報)は、ナビ端末80に出力される。ナビ端末80は、
図25に示すようなモニタ82やHUD(Head Up Display)83に写し出される情報に対する判断結果情報の重畳処理を実行し、その処理結果を、モニタ82やHUD83に写像で出力したり、スピーカ84から音で運転者に知らせたりする。
【0148】
図25には一例として、自動車40Gの左後方に他の自動車40Qが接近してきている様子を示している。
周囲物体検知部74から出力される検知物体情報には、左後方に接近する当該自動車40Qの情報が含まれる。例えば、ナビ端末80は、検知物体情報に基づくADAS−ECU81の判断結果情報を用い、例えば、左後方に接近する当該自動車40Qについて、モニタ82やHUD83においてマーク等の表示100を行う。また、ADAS−ECU81は、例えば、ウィンカーの点滅を検知するセンサ89の情報を用い、運転者が左ウィンカーを点滅させたことを検知すると、スピーカ84から警報音110を発する。更に、ADAS−ECU81は、例えば、ハンドル(ステアリング)の操舵角を検知するセンサ89の情報を用い、運転者がハンドルを左に切り始めたことを検知すると、ステアリングに適度なトルクを発生させ、ドライバに車線維持を促したり、ブレーキによる制動120を行ったりする等、危険回避支援を行う。
【0149】
上記のような測距システム1の空間認識処理部70、ADAS−ECU81及びナビ端末80が有する処理機能は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって制御されるコンピュータを用いて実現することができる。
【0150】
以下の
図26〜
図31には、第7の実施の形態に係る
、測距システム1
,1B及びそれを搭載する車両(自動車)の構成例を示す。
図26は第7の実施の形態に係る測距システムの第1構成例を示す図である。
【0151】
図26に示す測距システム1は、リアスポイラ44の左右の縁部44aに、一対のカメラ10が設けられ、リアスポイラ44の内部に、上記のような空間認識処理部70が設けられた構成を有する。一対のカメラ10はそれぞれ、配線90で空間認識処理部70に接続される。リアスポイラ44には、例えば、空間認識処理部70への電源供給用の電源端子91、並びに、空間認識処理部70からナビ端末80及びADAS−ECU81への情報出力用の情報端子92が設けられる。
【0152】
図27は第7の実施の形態に係る測距システムの第2構成例を示す図である。
上記
図26では、リアスポイラ44に情報端子92を設ける構成を例示したが、
図27に示すように、リアスポイラ44に、無線で通信する通信部93を設け、この通信部93を介して、空間認識処理部70からナビ端末80及びADAS−ECU81への情報出力を行うようにしてもよい。
【0153】
図28は第7の実施の形態に係る測距システムの第3構成例を示す図である。
図28には、例えば上記第5の実施の形態で述べたような支持体18によってリアスポイラ44の上面から所定の高さに保持された一対のカメラ10を備える測距システム1Bの例を示している。支持体18でカメラ10がより高い位置に取り付けられることで、カメラ10からの自動車40Gの周辺の視界が広がり、屋根41で隠れる部分が減るため、測距できる範囲をより拡大することが可能になる。
【0154】
尚、
図28には、支持体18で保持されたカメラ10を例にしたが、カメラ10は、上記第4の実施の形態で述べたような支持体17、上記第6の実施の形態で述べたような支持体19A〜19Dで保持されてもよい。これらの場合も同様の作用効果を得ることができる。また、前述のように、支持体18や支持体17,19A〜19Dに透明な材料を用いると、測距できる範囲を広げることができる。また、リアスポイラ44に透明な材料を用いても、同様の作用効果を得ることができる。
【0155】
図29は第7の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第1構成例を示す図である。
図29には、上記
図26に示したような測距システム1及びリアスポイラ44を備える自動車40Gの例を示している。自動車40Gは更に、情報端末80a、判断処理部81a、旋回制御部84a、ブレーキ制御部85a、アクセル制御部88a、熱センサ/車速センサ89a、及び電源86aを備える。
【0156】
測距システム1の空間認識処理部70は、電源端子91を介して、電源86aに接続される。空間認識処理部70は、情報端子92を介して、情報端末80a、判断処理部81a等に接続される。
【0157】
情報端末80aには、例えば、表示部を有するナビ端末が用いられる。情報端末80aには、ナビ端末のほか、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ドライブレコーダ等、又はこれらの組み合わせが用いられてもよい。判断処理部81aには、例えば、ADAS−ECUが用いられる。判断処理部81aには、ADAS−ECUに限らず、マイクロコントローラ等の各種プロセッサが用いられてもよい。
【0158】
尚、情報端末80aとしてドライブレコーダが設けられた自動車40Gでは、ドライブレコーダに、測距システム1の空間認識処理部70で生成される各種情報(画像情報、距離情報、検知物体情報等)が記録される。これにより、例えば、自動車40Gが、その周囲の人や障害物等の物体と接触した時までの画像を取得し記録することができる。測距を行っているため、接触時までの物体の移動速度も取得でき、証拠資料として信頼性の高い情報を残すことができる。
【0159】
判断処理部81aは、空間認識処理部70から出力される検知物体情報等を用い、更に熱センサ/車速センサ89aの情報等も用いて、自動車40Gが危険な状況にあるか否かを判断する処理を実行する。その判断結果に基づき、情報端末80aは、各種情報をHUD等の表示部に表示する。また、判断処理部81aは、スピーカ等から警報を発する処理、ブレーキをかけるようにブレーキ制御部85aを制御する処理、車線を維持又は変更するようにステアリングを旋回制御部84aで制御する処理、減速又は加速するようにアクセルをアクセル制御部88aで制御する処理等を実行する。
【0160】
尚、このような処理を実行する判断処理部81aを、リアスポイラ44に内蔵させることもできる。
図30は第7の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第2構成例を示す図である。
【0161】
図30には、上記
図27に示したような測距システム1及びリアスポイラ44を備える自動車40Gの例を示している。自動車40Gは、リアスポイラ44に設けられた通信部93との間で、無線通信87aaを行う通信部87aが設けられる。
図30に示す第2構成例は、このように無線通信手段を用いる点で、上記
図29に示した第1構成例と相違するものである。
【0162】
尚、第7の実施の形態において、車両の後方にハッチバック式のようなドアを有する場合、そのドアの上縁部にリアスポイラ44を設けてもよい。また、上記の各実施の形態のように、カメラ10は、上記
図2(A)に示したようなカメラ10a、又は上記
図2(B)に示したようなカメラ10bが用いられてもよく、カメラ10等を支持する支持体を設けてもよいし、その支持体が
図15〜
図23のような形状を有していてもよい。
【0163】
上記
図29及び
図30には、測距システム1のカメラ10をリアスポイラ44に設けた自動車40Gを例にしたが、カメラ10を車体の屋根41に設ける例を、第3構成例として
図31に示す。
【0164】
図31は第7の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第3構成例を示す図である。
ここでは、上記
図7(B)に示したような、屋根41のリア側の縁部41bにカメラ10を設ける自動車40Bを例にする。
図31に示すように、この第3構成例の自動車40Bでは、測距システム1の空間認識処理部70が、自動車40B内に設けられ、情報端末80a、判断処理部81a等と接続される。その他の構成は、上記
図29に示した第1構成例の自動車40Gと同様とすることができる。
【0165】
尚、この第3構成例の自動車40Bについても、上記
図30の例に従い、空間認識処理部70から情報を出力する通信部93、及びその通信部93との間で無線通信87aaを行う通信部87aを設けることができる。
【0166】
図31には、屋根41のリア側にカメラ10を設ける例を示したが、屋根41に設けるカメラ10の位置は、上記
図7(A)、
図7(C)又は
図8(A)〜
図8(C)に示したような位置でもよい。また、上記第2の実施の形態で述べたように、カメラ10を自動車の屋根41に対角線上に設けてもよいし、自動車が後方にハッチバック式のようなドアを有する場合にそのドアの上縁部に設けてもよい。また、カメラ10は、上記
図11(A)〜
図11(C)に示したようなルーフレール46や、上記
図12に示したルーフキャリア47に設けられてもよい。また、カメラ10のほか、上記
図2(A)に示したようなカメラ10a、又は上記
図2(B)に示したようなカメラ10bが用いられてもよく、カメラ10等は、
図15〜
図23に示したような支持体17、支持体18、又は支持体19A〜19D等で保持されてもよい。
【0167】
次に、第8の実施の形態について説明する。
図32は第8の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第1構成例を示す図である。
図32には、第8の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第1構成例の要部斜視模式図を示している。
【0168】
図32に示す車両(自動車)40Rは、例えば上記第5の実施の形態で述べたような支持体18で保持されたカメラ10(10−1,10−2,10−3)が屋根41の3箇所に設けられた測距システム1Cを含む。カメラ10−1,10−2,10−3はそれぞれ、光軸13を屋根41の上方に向けて、支持体18で保持される。
【0169】
測距システム1Cでは、カメラ10−1とカメラ10−2の画像を用いて視差が求められ、カメラ10−1とカメラ10−3の画像を用いて視差が求められ、カメラ10−2とカメラ10−3の画像を用いて視差が求められる。尚、
図32には、視差を求めるカメラ10の組合せを点線矢印で模式的に図示している。これらの視差が用いられ、自動車40Rの周囲に存在する各種物体について、距離等の情報が取得される。
【0170】
例えば、或る対のカメラ10(例えばカメラ10−1とカメラ10−2)では、視差角が小さくなって、測定誤差やばらつき等の精度良く視差が求められない領域が生じることがある。測距システム1Cでは、各対のそれぞれが
自動車40Rの周辺の3領域を分担することで、そのような領域を別の対のカメラ(例えばカメラ10−3とカメラ10−1又はカメラ10−2)で補い、測定誤差やばらつき等の精度良く視差を求めることが可能になる。これにより、自動車40Rの周囲に存在する各種物体についての情報を、優れた精度で取得することが可能になる。また、遠近によって同一物体の視差に違いがでる、或る対のカメラ10(例えばカメラ10−1とカメラ10−2)と、別の対のカメラ(例えばカメラ10−3とカメラ10−1又はカメラ10−2)の、2通りの測距結果を用い、当該物体の測距精度を高めることが可能になる。また、
自動車40Rからの測距可能な距離が長くなるとともに、測定誤差やばらつきの精度も向上し、更にまた、屋根41やカメラ10で視界を邪魔されない領域のみで全方位の測距を行うことも可能となる。
【0171】
図33は第8の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第2構成例を示す図である。
図33には、第8の実施の形態に係る測距システム搭載車両の第2構成例の要部斜視模式図を示している。
【0172】
図33に示す車両(自動車)40Sは、例えば上記第5の実施の形態で述べたような支持体18で保持されたカメラ10(10−1,10−2,10−3,10−4)が屋根41の四隅に設けられた測距システム1Dを含む。カメラ10−1,10−2,10−3,10−4はそれぞれ、光軸13を屋根41の上方に向けて、支持体18で保持される。
【0173】
測距システム1Dでは、カメラ10−1とカメラ10−2の画像を用いて視差が求められ、カメラ10−1とカメラ10−3の画像を用いて視差が求められ、カメラ10−2とカメラ10−4の画像を用いて視差が求められ、カメラ10−3とカメラ10−4の画像を用いて視差が求められる。そして、各カメラ10の対のそれぞれを用いて、
自動車40Sの周辺の4領域を分担して各種物体についての視差が求められる。尚、
図33には、視差を求めるカメラ10の組合せを点線矢印で模式的に図示している。これらの視差が用いられ、自動車40Sの周囲に存在する各種物体について、距離等の情報が取得される。
【0174】
この測距システム1Dによっても、上記測距システム1Cと同様に、測定誤差やばらつき等の精度良く視差を求め、自動車40Sの周囲に存在する各種物体についての情報を、優れた精度で取得することが可能になる。また、
自動車40Sからの測距可能な距離が長くなるとともに、測定誤差やばらつきの精度も向上し、更にまた、屋根41やカメラ10で視界を邪魔されない領域のみで全方位の測距を行うことも可能となる。
【0175】
尚、
図32及び
図33では、カメラ10を例にしたが、上記
図2(A)に示したようなカメラ10a、又は上記
図2(B)に示したようなカメラ10bが用いられてもよい。カメラ10等は、支持体18に限らず、支持体17又は支持体19A〜19D等で保持されてもよく、また、支持体18等を介さずに屋根41に設けられてもよい。カメラ10等の少なくとも一部は、屋根41に取り付けられる部品(リアスポイラ44等)に設けられてもよい。
【0176】
以上説明した測距システム1等は、車両に限らず、各種移動体に適用することができる。測距システム1等(ここでは一例として測距システム1(
図1))が適用されるその他の移動体の例を以下に示す。
【0177】
図34は第1適用例を示す図である。
図34(A)及び
図34(B)には、測距システム1を航空機200(移動体)に適用した例の要部側面模式図を示している。
図34(A)に示すように、航空機200の上面(高所の上面等)に、測距システム1の一対のカメラ10を設ける。これにより、航空機200の上方側全方位についての測距が可能になる。また、
図34(B)に示すように、航空機200の下面に、測距システム1の一対のカメラ10を設けてもよい。これにより、航空機200の下方側全方位についての測距が可能になる。航空機200の上面と下面にそれぞれ、測距システム1の一対のカメラ10を設け、航空機200の上方側全方位と下方側全方位を測距の対象とすることもできる。測距システム1は、
図34の例に従い、ヘリコプター、ドローンといった各種飛行体に同様に適用可能である。
【0178】
図35は第2適用例を示す図である。
図35(A)及び
図35(B)には、測距システム1を船舶300(移動体)に適用した例の要部側面模式図を示している。
図35(A)に示すように、船舶300の上面(高所の上面等)に、測距システム1の一対のカメラ10を設ける。ここではカメラ10を支持体18で支持して設けた形態を例示している。これにより、船舶300の全方位についての測距が可能になる。また、
図35(B)に示すように、船舶300の船底に測距システム1の一対のカメラ10を設け、水中を測距の対象とすることもできる。測距システム1は、船舶300のような水上を移動するものに限らず、水中を移動するものにも同様に適用可能である。
【0179】
図36は第3適用例を示す図である。
図36には、測距システム1をロボット400(移動体)に適用した例の要部正面模式図を示している。
図36に示すように、ロボット400の上面(高所の上面等)に、測距システム1の一対のカメラ10を設ける。ここではカメラ10を支持体18で支持して設けた形態を例示している。これにより、ロボット400の全方位についての測距が可能になる。測距システム1は、人型に限らず、掃除ロボット等の家庭用ロボットや産業用ロボット、探索用ロボットといった各種形態のロボットに同様に適用可能である。
【0180】
図37は第4適用例を示す図である。
図37には、測距システム1をパーソナルモビリティ500(移動体)に適用した例の要部斜視模式図を示している。
図37に示すように、パーソナルモビリティ500の高所の上面、例えば支柱510の上面に、測距システム1の一対のカメラ10を設ける。これにより、パーソナルモビリティ500の全方位についての測距が可能になる。
【0181】
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 移動体に設けられる測距システムであって、
前記移動体の屋根の上面若しくは扉の上縁部の上面、又は前記屋根若しくは前記上縁部に設けられる部品の上面の第1部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第1光軸を備え、前記第1光軸周りの全方位に視野を有する第1カメラと、
前記上面の前記第1部位とは異なる第2部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第2光軸を備え、前記第2光軸周りの全方位に視野を有する第2カメラと
を含むことを特徴とする測距システム。
【0182】
(付記2) 前記第1カメラは、前記上面よりも上方に位置する第1レンズを含み、
前記第2カメラは、前記上面よりも上方に位置する第2レンズを含むことを特徴とする付記1に記載の測距システム。
【0183】
(付記3) 前記移動体は、車両であることを特徴とする付記1又は2に記載の測距システム。
(付記4) 前記第1カメラと前記第2カメラとは、前記移動体の前進方向の前方側と後方側とにそれぞれ設けられることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の測距システム。
【0184】
(付記5) 前記第1カメラと前記第2カメラとは、前記移動体の前進方向に対して右方側と左方側とにそれぞれ設けられることを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の測距システム。
【0185】
(付記6) 前記第1カメラと前記第2カメラとを連結し、前記上面よりも内側に収容される連結体を更に含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の測距システム。
【0186】
(付記7) 前記第1カメラから得られる第1画像と前記第2カメラから得られる第2画像との視差に基づいて全方位の測距を行うことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の測距システム。
【0187】
(付記8) 複数の支持体を有し、
前記第1カメラ及び前記第2カメラは、前記複数の支持体のそれぞれにより前記上面よりも上方の位置に保持されることを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の測距システム。
【0188】
(付記9) 前記上面の前記第1部位及び前記第2部位とは異なる第3部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第3光軸を備え、前記第3光軸周りの全方位に視野を有する第3カメラを更に含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の測距システム。
【0189】
(付記10) 前記第1カメラから得られる第1画像と前記第2カメラから得られる第2画像との第1視差と、前記第2画像と前記第3カメラから得られる第3画像との第2視差と、前記第3画像と前記第1画像との第3視差とに基づいて全方位の測距を行うことを特徴とする付記9に記載の測距システム。
【0190】
(付記11) 複数の支持体を有し、
前記第1カメラ及び前記第2カメラ、前記第3カメラは、前記複数の支持体のそれぞれにより前記上面よりも上方の位置に保持されることを特徴とする付記9又は10に記載の測距システム。
【0191】
(付記12) 前記複数の支持体は、前記上面との間に空間を有する部分を含むことを特徴とする付記8又は11に記載の測距システム。
(付記13) 前記複数の支持体は、シャークフィン状の形状を有することを特徴とする付記8、11又は12に記載の測距システム。
【0192】
(付記14) 前記複数の支持体は、柱状であることを特徴とする付記8、11又は12に記載の測距システム。
(付記15) 前記複数の支持体は、前記上面から斜め上方に突出することを特徴とする付記14に記載の測距システム。
【0193】
(付記16) 前記複数の支持体は、前記上面に対する角度が可変であることを特徴とする付記14又は15に記載の測距システム。
(付記17) 前記複数の支持体は、前記上面からの高さが可変であることを特徴とする付記14乃至16のいずれかに記載の測距システム。
【0194】
(付記18) 屋根と、
扉と、
前記屋根の上面又は前記扉の上縁部の上面の第1部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第1光軸を備え、前記第1光軸周りの全方位に視野を有する第1カメラと、
前記上面の前記第1部位とは異なる第2部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第2光軸を備え、前記第2光軸周りの全方位に視野を有する第2カメラと
を含むことを特徴とする移動体。
【0195】
(付記19) 移動体の屋根又は扉の上縁部に取り付けられる部品であって、
上面と、
前記上面の第1部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第1光軸を備え、前記第1光軸周りの全方位に視野を有する第1カメラと、
前記上面の前記第1部位とは異なる第2部位に設けられ、前記上面よりも上方に位置し、前記上面の上方に向けられる第2光軸を備え、前記第2光軸周りの全方位に視野を有する第2カメラと
を含むことを特徴とする部品。
【0196】
(付記20) 前記移動体は車両であり、
前記部品はリアスポイラ、ルーフレール、ルーフキャリアであることを特徴とする付記19に記載の部品。