特許第6623791号(P6623791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623791
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】商取引処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20191216BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20191216BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G07G1/01 301E
   G07G1/12 321R
   G07G1/06 B
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-13936(P2016-13936)
(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公開番号】特開2017-134627(P2017-134627A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】板倉 克幸
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−114339(JP,A)
【文献】 特開2002−170164(JP,A)
【文献】 特開2008−310416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上処理された商取引データ電子的に記録されている電子ジャーナルファイルから取引日を検索条件にして商取引データを検索する検索手段と、
前記検索手段による検索で得られた各商取引データのそれぞれから当該商取引データに含まれる情報のうち少なくとも取引固有情報と日時情報とを表示対象として抽出して一覧にした商取引リストを、第1の表示領域に表示させる第1表示制御手段と、
レシート印字例の表示対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、当該選択された商取引データに対応するレシートの印字例を第2の表示領域に表示させるとともに、前記第1の表示領域であって前記選択された商取引データに対応する第1の位置に第1の識別マークを表示させる第2表示制御手段と、
レシートの印字対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、前記第1の表示領域であって当該選択された商取引データに対応する第2の位置に第2の識別マークを表示させる第3表示制御手段と、
を備え、
前記レシートの印字対象として複数の商取引データを前記商取引リストのなかから選択可能に設定されており、
前記第2の位置は、前記第1の位置よりも前記第2の表示領域から離れた位置として設定されている、
ことを特徴とする商取引処理装置。
【請求項2】
前記第3表示制御手段は、前記検索手段による検索で得られた各商取引データのそれぞれに対応させてチェックボックスを表示させるとともに、前記第2の識別マークを前記チェックボックス内に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の商取引処理装置。
【請求項3】
前記第1の表示領域と前記第2の表示領域は横長の表示画面において互いが左右方向に並ぶように設定されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の商取引処理装置。
【請求項4】
前記第3表示制御手段により前記第2の識別マークが対応付けて表示されている商取引データに対応するレシートを印字手段に印字させるための操作ボタンを、前記第2の表示領域よりも前記第1の表示領域に近い位置に表示させる第4表示制御手段を備える、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の商取引処理装置。
【請求項5】
前記第4表示制御手段は、前記操作ボタンが前記第1の表示領域の下側に位置するように前記操作ボタンを表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の商取引処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
売上処理された商取引データが電子的に記録されている電子ジャーナルファイルから取引日を検索条件にして商取引データを検索する検索手段、
前記検索手段による検索で得られた各商取引データのそれぞれから当該商取引データに含まれる情報のうち少なくとも取引固有情報と日時情報とを表示対象として抽出して一覧にした商取引リストを、第1の表示領域に表示させる第1表示制御手段、
レシート印字例の表示対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、当該選択された商取引データに対応するレシートの印字例を第2の表示領域に表示させるとともに、前記第1の表示領域であって前記選択された商取引データに対応する第1の位置に第1の識別マークを表示させる第2表示制御手段、
レシートの印字対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、前記第1の表示領域であって当該選択された商取引データに対応する第2の位置に第2の識別マークを表示させる第3表示制御手段、
として機能させ、
前記レシートの印字対象として複数の商取引データを前記商取引リストのなかから選択可能に設定されており、
前記第2の位置は、前記第1の位置よりも前記第2の表示領域から離れた位置として設定されている、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商取引処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗に設置されて、顧客に販売した商品の金額、個数等の売上データを登録するECR(Electronic Cash Resister)等の商取引処理装置が知られている。
【0003】
また、レシートに印刷したデータ等の営業記録の電子データである電子ジャーナルを生成及び記憶する商取引処理装置が知られている。電子ジャーナルは、商取引毎の商取引データを有する。例えば、ユーザの商取引の取引番号の入力を受け付け、入力された取引番号の商取引データをイメージ表示するジャーナル出力画面を表示し、その商取引データを印字する金銭登録装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、検索条件指定ボタンを有し、検索条件指定ボタンの入力に応じたジャーナルデータを抽出して表示器にイメージ表示する画面を表示器に表示する商品販売データ処理装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−132434号公報
【特許文献2】特開2000−194949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の金銭登録装置、商品販売データ処理装置の表示画面では、電子ジャーナルのうち表示する商取引データと印刷する商取引データとが視覚的に分かりにくかった。
【0007】
本発明の課題は、電子ジャーナルを分かり易く表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る商取引処理装置は、売上処理された商取引データ電子的に記録されている電子ジャーナルファイルから取引日を検索条件にして商取引データを検索する検索手段と、前記検索手段による検索で得られた各商取引データのそれぞれから当該商取引データに含まれる情報のうち少なくとも取引固有情報と日時情報とを表示対象として抽出して一覧にした商取引リストを、第1の表示領域に表示させる第1表示制御手段と、レシート印字例の表示対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、当該選択された商取引データに対応するレシートの印字例を第2の表示領域に表示させるとともに、前記第1の表示領域であって前記選択された商取引データに対応する第1の位置に第1の識別マークを表示させる第2表示制御手段と、レシートの印字対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、前記第1の表示領域であって当該選択された商取引データに対応する第2の位置に第2の識別マークを表示させる第3表示制御手段と、を備え、前記レシートの印字対象として複数の商取引データを前記商取引リストのなかから選択可能に設定されており、前記第2の位置は、前記第1の位置よりも前記第2の表示領域から離れた位置として設定されている、ことを特徴とする。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、売上処理された商取引データが電子的に記録されている電子ジャーナルファイルから取引日を検索条件にして商取引データを検索する検索手段、前記検索手段による検索で得られた各商取引データのそれぞれから当該商取引データに含まれる情報のうち少なくとも取引固有情報と日時情報とを表示対象として抽出して一覧にした商取引リストを、第1の表示領域に表示させる第1表示制御手段、レシート印字例の表示対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、当該選択された商取引データに対応するレシートの印字例を第2の表示領域に表示させるとともに、前記第1の表示領域であって前記選択された商取引データに対応する第1の位置に第1の識別マークを表示させる第2表示制御手段、レシートの印字対象として前記商取引リストのなかから何れかの商取引データが選択された場合に、前記第1の表示領域であって当該選択された商取引データに対応する第2の位置に第2の識別マークを表示させる第3表示制御手段、として機能させ、前記レシートの印字対象として複数の商取引データを前記商取引リストのなかから選択可能に設定されており、前記第2の位置は、前記第1の位置よりも前記第2の表示領域から離れた位置として設定されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子ジャーナルを分かり易く表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の商取引処理システムを示すブロック図である。
図2】商取引処理装置を示す外観図である。
図3】商取引処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】電子ジャーナルファイルの構成を示す図である。
図5】電子ジャーナル印刷処理を示すフローチャートである。
図6】電子ジャーナル印刷画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0012】
図1図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の商取引処理システム1を示すブロック図である。
【0013】
先ず、図1を参照して、本実施の形態の商取引処理システム1を説明する。商取引処理システム1は、サーバ10と、少なくとも1台の商取引処理装置20と、を備える。サーバ10は、クラウド上のサーバであり、商取引処理装置20の商品の売上データを管理する。サーバ10及び商取引処理装置20は、通信ネットワークNに接続されている。通信ネットワークNは、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0014】
商取引処理装置20は、個人商店、スーパーマーケット等の店舗に設置されるECR等であり、店員の操作により顧客に販売した商品の金額、個数等の売上データを登録する装置である。商取引処理装置20は、1つの店舗に少なくとも1台設置される。サーバ10は、複数の店舗の商取引処理装置20の売上データを一元的に管理することが可能である。
【0015】
次いで、図2を参照して、商取引処理装置20の外観構成を説明する。図2は、商取引処理装置20を示す外観図である。
【0016】
図2に示すように、商取引処理装置20は、本体部201と、ドロア29と、を備える。本体部201は、タッチパネルとしての操作部22と、当該タッチパネルを表示画面上に設けた店員用の表示部24aと、顧客用の表示部24bと、印刷部28と、を備える。表示部24aは、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescent)ディスプレイ等で構成され、店員用の商品販売時の商品の売上データの入力画面情報、各種設定画面情報等を表示する。表示部24bは、LCD、ELディスプレイ等で構成され、表示画面を顧客側又は店員側に回転可能であり、顧客用の商品の金額、合計金額等の情報を表示する。
【0017】
印刷部28は、ロール紙等の用紙に、レシートのデータ、電子ジャーナルのデータ等を印刷するサーマルプリンタ等の印刷部である。ドロア29は、現金、商品券等を格納する引き出しである。本体部201とドロア29とは、ケーブルを介した有線通信により通信接続されている構成とするが、これに限定されるものでなく、無線通信により通信接続されている構成としてもよい。また、本体部201には、クレジットカードを読み出して電子決済を行うための電子決済部や、レーザスキャナ、イメージスキャナ等のスキャナ部等、他の装置を接続する構成としてもよい。
【0018】
次いで、図3を参照して、商取引処理装置20の内部の機能構成を説明する。図3は、商取引処理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0019】
図3に示すように、商取引処理装置20は、検索手段、商取引リスト表示手段、商取引明細表示手段、識別マーク表示手段としてのCPU(Central Processing Unit)21と、操作部22と、RAM(Random Access Memory)23と、ディスプレイとしての表示部24aと、表示部24bと、ROM(Read Only Memory)25と、通信部26と、記憶部27と、印刷手段としての印刷部28と、ドロア29と、計時部30と、を備える。
【0020】
商取引処理装置20の各部は、バス31を介して互いに接続されている。図3において、簡単のため、図2の本体部201と、ドロア29との接続は、バス31を介する接続として表現している。
【0021】
CPU21は、商取引処理装置20の各部を制御する。CPU21は、各種プログラムのうち指定されたプログラムをROM25から読み出してRAM23に展開し、展開されたプログラムとの協働で各種処理を実行する。
【0022】
操作部22は、表示部24aの表示画面に設けられたタッチパネルであり、ユーザからのタッチ入力を受け付け、その操作情報をCPU21に出力する。操作部22は、例えば、商品登録時に、表示部24aに表示された数字キー、PLU(Price Look Up)キー、部門キー、仮締キー、小計キー、現金売り/預かり金キー(締めキー)等のソフトキーへのタッチ入力を受け付ける。なお、操作部22は、ハードキーを有する構成としてもよい。
【0023】
RAM23は、例えば、揮発性の半導体メモリであり、各種データ及びプログラムを格納するワークエリアが形成される。表示部24a,24bは、CPU21の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0024】
ROM25は、各種データ及び各種プログラムを記憶する読み出し専用のメモリである。特に、ROM25には、電子ジャーナル印刷プログラム251が記憶されている。
【0025】
通信部26は、ネットワークカード等により構成され、通信ネットワークNに接続されるとともに、通信ネットワークN上の機器と情報の送受信を行う。つまり、CPU21は、通信部26を介して、通信ネットワークN上のサーバ10と通信が可能である。
【0026】
記憶部27は、情報の書き込み及び読み出しが可能な記憶部であり、バッテリーバックアップされたRAM、フラッシュメモリ等で構成される。記憶部27には、売上データ、各種設定情報等が記憶され、特に、後述する電子ジャーナルファイル40が記憶される。
【0027】
印刷部28は、CPU21の制御により、レシート、電子ジャーナル等のデータを用紙に印刷する。ドロア29は、CPU21の制御により、例えば商品登録の締め時に、引き出しが開放される。
【0028】
計時部30は、リアルタイムクロックであり、現在日時を計時し、その現在日時情報をCPU21に出力する。
【0029】
次に、図4を参照して、記憶部27に記憶する情報を説明する。図4は、電子ジャーナルファイル40の構成を示す図である。
【0030】
記憶部27に記憶される電子ジャーナルファイル40は、商取引処理装置20の発行(新規作成、変更等)毎のレシート用紙に印刷されるレシートデータと、レシートの発行に関する情報と、を有する少なくとも1つの商取引データからなる電子ジャーナルのデータを有する。
【0031】
電子ジャーナルファイル40は、取引番号41と、日時42と、レシート明細43と、の項目を有する。取引番号41は、レシートの商取引(商取引によるレシートの発行(新規作成、変更等))ごとに付与されるレシートの商取引の識別情報である。
【0032】
日時42は、取引番号41の商取引(レシート発行)の日時に対応する年月日及び時刻の情報である。レシート明細43は、取引番号41の商取引で発行されたレシートの商取引の明細データであり、当該レシートの精算における商取引処理装置20の担当者(オペレータ)番号、担当者名、顧客の人数、顧客のテーブル番号、レシート番号、商品名、商品の個数、商品の金額、小計の金額、税額、合計金額、顧客の支払いの種類(現金、クレジットカード等)等を有する。
【0033】
電子ジャーナルファイル40の各レコードは、レシート発行(商取引)ごとの商取引データとなる。
【0034】
次に、図5図6を参照して、商取引処理システム1の動作を説明する。図5は、電子ジャーナル印刷処理を示すフローチャートである。図6は、電子ジャーナル印刷画面50を示す図である。
【0035】
予め、商取引処理装置20において、商品販売に応じた商品登録や、レシートの変更毎に、売上データ生成と、当該売上データに基づく商取引データの生成と、電子ジャーナルファイル40への当該商取引データの記憶と、の売上処理が行われているものとする。より具体的には、CPU21は、商品登録、レシート変更毎に、計時部30から現在時刻情報を取得し、ユニークな取引番号を生成し、当該取引番号、現在時刻情報、売上データに基づく商品の個数、金額、レシート番号等のレシート明細データを、取引番号41、日時42、レシート明細43のレコードに商取引データとして追加する。
【0036】
なお、商取引処理装置20において、商品登録の締め毎に、当該商品登録に対応する売上データが生成されて記憶部27に記憶される。CPU21は、例えば店舗の1日の営業時間終了後に、その1日分の売上データを記憶部27から読み出して、通信部26を介して、当該売上データをサーバ10に送信する。サーバ10は、各商取引処理装置20から売上データを受信及び記憶して管理する。
【0037】
商取引処理装置20において、例えば、操作部22を介してユーザから電子ジャーナル印刷処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、CPU21は、ROM25から読み出して適宜RAM23に展開した電子ジャーナル印刷プログラム251との協働で、電子ジャーナル印刷処理を実行する。
【0038】
先ず、CPU21は、記憶部27に記憶された電子ジャーナルファイル40に基づいて、電子ジャーナルデータを印刷するための電子ジャーナル印刷画面情報を生成し、電子ジャーナル印刷画面情報に基づき表示部24aに電子ジャーナル印刷画面を表示させる(ステップS11)。ステップS11では、例えば、図6に示す電子ジャーナル印刷画面50が表示される。
【0039】
電子ジャーナル印刷画面50は、日付選択ボタン51と、前日ボタン52と、翌日ボタン53と、表示領域54と、表示領域55と、選択印刷ボタン56と、一括印刷ボタン57と、中止ボタン58と、を有する。
【0040】
日付選択ボタン51は、印刷する商取引データの日付を選択するためのタップ入力を受け付けるボタンである。日付選択ボタン51がタップ入力されると、例えば、印刷可能な商取引データの日付一覧が表示されて、当該日付一覧から1つの日付の選択入力が可能となる。前日ボタン52は、印刷する商取引データの日付として前日を選択するためのタップ入力を受け付けるボタンである。翌日ボタン53は、印刷する商取引データの日付として翌日を選択するためのタップ入力を受け付けるボタンである。日付選択ボタン51、前日ボタン52、翌日ボタン53の選択可能な日付は、電子ジャーナルファイル40の日時42の日付に基づく。
【0041】
表示領域54は、ジャーナル表示欄541と、第2の識別情報としてのチェックボックス542と、スクロールボタン543と、を有する。ジャーナル表示欄541は、日付選択ボタン51、前日ボタン52又は翌日ボタン53のタップ入力により選択された日付の商取引データのリストの表示欄である。ジャーナル表示欄541に表示された各商取引データは、取引番号、(商取引)日時の情報を有する。各商取引データの取引番号、日時は、電子ジャーナルファイル40の取引番号41、日時42に基づく。
【0042】
ユーザがジャーナル表示欄541の1つの商取引データを表示用の商取引データとしてタップ入力して選択することにより、その選択された商取引データに第1の識別情報としての選択表示部5411が表示される。チェックボックス542は、ジャーナル表示欄541の商取引データから、少なくとも1つの任意の印刷用の商取引データのタップ入力による選択を受け付け、選択された商取引データをチェックマークにより示す表示要素である。
【0043】
スクロールボタン543は、ジャーナル表示欄541の商取引データのリストのページ切替のタップ入力を受け付けるボタンである。商取引データのリストは、少なくとも1つのページで構成され、各ページが複数の商取引データの項目(行)を有する。スクロールボタン543は、左から順に、先頭ページへの移動、1つ前のページへの移動、次のページへの移動、末尾のページへの移動、に対応する4つのボタンからなる。
【0044】
表示領域55は、印刷イメージ表示欄551と、スクロールボタン552と、を有する。印刷イメージ表示欄551は、ジャーナル表示欄541で選択され選択表示部5411が表示された商取引データのレシートとしての印刷イメージを表示する表示欄である。印刷イメージ表示欄551の印刷イメージは、取引番号、日時、レシート明細の情報が含まれている。印刷イメージの取引番号、日時、レシート明細は、電子ジャーナルファイル40の取引番号41、日時42、レシート明細43に基づく。
【0045】
スクロールボタン552は、スクロールボタン543と同様のボタンであり、印刷イメージ表示欄551のレシートの印刷イメージのページ切替のタップ入力を受け付けるボタンである。レシートの印刷イメージは、少なくとも1ページからなるものとする。
【0046】
選択印刷ボタン56は、チェックボックス542の近傍に配置され、ジャーナル表示欄541の同一日付の商取引データのうちチェックボックス542で選択された商取引データを印刷するためのタップ入力を受け付けるボタンである。一括印刷ボタン57は、選択印刷ボタン56よりもチェックボックス542から離れた位置に配置され、ジャーナル表示欄541の同一日付の全ての商取引データを印刷するためのタップ入力を受け付けるボタンである。中止ボタン58は、電子ジャーナル印刷処理の終了のためのタップ入力を受け付けるボタンである。
【0047】
ステップS11の段階では、ジャーナル表示欄541、印刷イメージ表示欄551には、何も表示されていない。また、電子ジャーナル印刷処理において、CPU21は、操作部22を介してユーザからスクロールボタン543のタップ入力を受け付けると、当該タップ入力に応じて、ジャーナル表示欄541の商取引データのリストのページを切替表示するものとする。また、電子ジャーナル印刷処理において、CPU21は、操作部22を介してユーザからスクロールボタン552のタップ入力を受け付けると、当該タップ入力に応じて、印刷イメージ表示欄551の商取引データの印刷イメージのページを切替表示するものとする。
【0048】
そして、CPU21は、操作部22を介してユーザから日付選択ボタン51、前日ボタン52又は翌日ボタン53のタップ入力による商取引データの日付の選択入力を受け付ける(ステップS12)。そして、CPU21は、ステップS12で選択入力された日付を用いて、日時42が対応する電子ジャーナルファイル40の商取引データのレコードを検索し、検索したレコードに対応する商取引データのリストを生成して、ジャーナル表示欄541に表示する(ステップS13)。
【0049】
そして、CPU21は、操作部22を介してユーザから表示用商取引データの選択入力、印刷用商取引データの選択入力、印刷指示の入力を受け付け、その何の入力がなされたかを判別する(ステップS14)。ステップS14の表示用商取引データの選択入力とは、ジャーナル表示欄541のタップ入力による表示用の商取引データの選択入力である。ステップS14の印刷用商取引データの選択入力とは、チェックボックス542のタップ入力による少なくとも1つの印刷用の商取引データの選択入力である。ステップS14の印刷指示の入力とは、選択印刷ボタン56又は一括印刷ボタン57のタップ入力である。
【0050】
表示用商取引データの選択入力である場合(ステップS15;表示用商取引データ選択)、CPU21は、ステップS14で選択入力された表示用の商取引データに対応する電子ジャーナルファイル40のレコードに基づいて、レシートの印刷イメージデータを生成し、生成したレシートの印刷イメージデータを印刷イメージ表示欄551に表示する(ステップS15)。ステップS15において、例えば、図6の電子ジャーナル印刷画面50のように、ジャーナル表示欄541で取引番号が000006の商取引データが選択されて、印刷イメージ表示欄551に取引番号が000006の商取引データのレシートの印刷イメージが表示される。
【0051】
印刷用商取引データの選択入力である場合(ステップS15;印刷用商取引データ選択)、CPU21は、ステップS14で選択入力された印刷用の商取引データに対応するチェックボックス542にチェックマークを入れて選択表示する(ステップS16)。ステップS16において、例えば、図6の電子ジャーナル印刷画面50のように、ジャーナル表示欄541で取引番号が000001、000004、000006の商取引データが選択されて、チェックボックス542にそれぞれチェックマークが表示される。
【0052】
印刷指示の入力である場合(ステップS15;印刷)、CPU21は、ステップS14で入力された印刷指示が、選択印刷ボタン56のタップ入力に応じた選択印刷の指示、又は一括印刷ボタン57のタップ入力に応じた選択印刷の指示であるかを判別する(ステップS17)。選択印刷の指示である場合(ステップS17;選択印刷)、CPU21は、ステップS16で選択された印刷用の商取引データに対応する電子ジャーナルファイル40のレコードに基づいて、選択された全てのレシートを印刷部28に印刷させる(ステップS18)。
【0053】
一括印刷の指示である場合(ステップS17;一括印刷)、CPU21は、ステップS12で選択入力された日付に対応する電子ジャーナルファイル40のレコードに基づいて、当該日付の全てのレシートを印刷部28に印刷させる(ステップS19)。
【0054】
ステップS15,S16,S18,S19の後、CPU21は、操作部22を介するユーザからの日付選択ボタン51、前日ボタン52又は翌日ボタン53のタップ入力による商取引データの日付変更の入力があるか否かを判別する(ステップS20)。日付変更の入力がある場合(ステップS20;YES)、ステップS12に移行される。
【0055】
日付変更の入力がない場合(ステップS20;NO)、CPU21は、中止ボタン58のタップ入力による電子ジャーナル印刷処理の終了指示があるか否かを判別する(ステップS21)。終了指示の入力がない場合(ステップS21;NO)、ステップS14に移行される。終了指示の入力がある場合(ステップS21;YES)、CPU21は、電子ジャーナル印刷処理を終了する。
【0056】
以上、本実施の形態によれば、商取引処理装置20のCPU21は、売上処理された商取引データを電子的に記録するための電子ジャーナルファイル40から、検索日を取引日とする商取引データを検索し、電子ジャーナルファイル40を検索して得られた各商取引データの少なくとも取引番号と日時情報とを一覧にした商取引リストを、表示領域54に表示し、商取引リストのなかから選択された商取引データに対応したレシートの印刷イメージを表示領域55に表示し、選択印刷ボタン56の入力に応じて、商取引リストのなかから選択された商取引データに対応したレシートを印刷部28により印刷する。CPU21は、印刷イメージが表示領域55に表示される商取引データを識別するための選択表示部5411と、選択印刷ボタン56の入力に応じてレシートが印刷される商取引データを識別するためのチェックボックス542とを、表示領域54に表示する。
【0057】
また、商取引処理装置20の表示部24aは、表示領域54とこの表示領域54に隣接する表示領域55とを含み、かつ表示領域54,55の領域外でかつ表示領域54の近傍に選択印刷ボタン56が配置された電子ジャーナル印刷画面を表示する。CPU21は、売上処理された商取引データを電子的に記録するための電子ジャーナルファイル40から、検索日を取引日とする商取引データを検索し、電子ジャーナルファイル40を検索して得られた各商取引データの少なくとも取引番号と日時情報とを商取引データ毎に択一的に選択可能に一覧にしたジャーナル表示欄541の商取引リストを、それぞれが個別の商取引データに対応する複数選択可能なチェックボックス542とともに表示領域54に表示し、商取引リストのなかから択一的に選択された商取引データに対応したレシートの印刷イメージを、表示部24aの表示領域に表示し、選択印刷ボタン56の入力に応じて、チェックボックス542で選択された商取引データに対応したレシートを印刷部28により印刷する。
【0058】
このため、電子ジャーナルのうち表示する商取引データと印刷する商取引データとが視覚的に分かりやすくすることができ、電子ジャーナルを分かり易く表示できる。また、日付が同じ商取引データを容易に検索して、表示でき、印刷できる。また、選択表示部5411により、ユーザが目視により、表示されたジャーナル表示欄541の商取引リストから、表示する商取引データを容易に選択できる。また、チェックボックス542により、ユーザが目視により、表示されたジャーナル表示欄541の商取引リストから、少なくとも1つの複数の商取引データを容易に選択できる。また、チェックボックス542と選択印刷ボタン56とが近傍に配置されているので、ユーザが目視により、チェックボックス542による複数の商取引データの選択と選択印刷ボタン56による選択した複数の商取引データの印刷とを容易且つ速やかに実行できる。
【0059】
また、CPU21は、チェックボックス542と表示部24aの表示領域55との間に商取引リストが介在するように、チェックボックス542とジャーナル表示欄541の商取引リストとを表示する。このため、ユーザが目視により、商取引リストの印刷イメージを確認しながら印刷用の商取引データを容易に選択入力することができる。
【0060】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM25を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリや、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0061】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る商取引処理装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0062】
例えば、上記実施の形態では、商取引処理装置20において、印刷対象データとして、商取引データを用いる構成としたが、これに限定されるものではない。印刷対象データとして、勤怠データ、各種設定データ等、他のデータを用いる構成としてもよい。
【0063】
また、上記実施の形態における商取引処理システム1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0064】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
売上処理された商取引データを電子的に記録するための電子ジャーナルファイルから、検索日を取引日とする商取引データを検索する検索手段と、
この検索手段により前記電子ジャーナルファイルを検索して得られた各商取引データの少なくとも取引固有情報と日時情報とを一覧にした商取引リストを、第1の表示領域に表示する商取引リスト表示手段と、
前記商取引リストのなかから選択された商取引データに対応したレシートの印字例を第2の表示領域に表示する商取引明細表示手段と、
所定の印字ボタンの入力に応じて、前記商取引リストのなかから選択された商取引データに対応したレシートを印字する印字手段と、
前記商取引明細表示手段により前記印字例が前記第2の表示領域に表示される前記商取引データを識別するための第1の識別マークと、前記印字ボタンの入力に応じて前記レシートが印字される前記商取引データを識別するための第2の識別マークとを、前記第1の表示領域に表示する識別マーク表示手段と、
を具備したことを特徴とする商取引処理装置。
<請求項2>
第1の領域とこの第1の領域に隣接する第2の領域とを含み、かつ前記第1及び第2の領域の領域外でかつ前記第1の領域の近傍に印字ボタンが配置された画面を表示するディスプレイと、
売上処理された商取引データを電子的に記録するための電子ジャーナルファイルから、検索日を取引日とする商取引データを検索する検索手段と、
この検索手段により前記電子ジャーナルファイルを検索して得られた各商取引データの少なくとも取引固有情報と日時情報とを商取引データ毎に択一的に選択可能に一覧にした商取引リストを、それぞれが個別の商取引データに対応する複数選択可能なチェックボックスとともに前記ディスプレイの第1の領域に表示する商取引リスト表示手段と、
前記商取引リストのなかから択一的に選択された商取引データに対応したレシートの印字例を、前記ディスプレイの第2の領域に表示する商取引明細表示手段と、
前記印字ボタンの入力に応じて、前記チェックボックスで選択された商取引データに対応したレシートを印字する印字手段と、
を具備したことを特徴とする商取引処理装置。
<請求項3>
前記商取引リスト表示手段は、前記チェックボックスと前記ディスプレイの第2の領域との間に前記商取引リストが介在するように、前記チェックボックス及び前記商取引リストを表示することを特徴とする請求項2に記載の商取引処理装置。
<請求項4>
コンピュータを、
売上処理された商取引データを電子的に記録するための電子ジャーナルファイルから、検索日を取引日とする商取引データを検索する検索手段、
この検索手段により前記電子ジャーナルファイルを検索して得られた各商取引データの少なくとも取引固有情報と日時情報とを一覧にした商取引リストを、第1の表示領域に表示する商取引リスト表示手段、
前記商取引リストのなかから選択された商取引データに対応したレシートの印字例を第2の表示領域に表示する商取引明細表示手段、
所定の印字ボタンの入力に応じて、前記商取引リストのなかから選択された商取引データに対応したレシートを印字する印字手段、
前記商取引明細表示手段により前記印字例が前記第2の表示領域に表示される前記商取引データを識別するための第1の識別マークと、前記印字ボタンの入力に応じて前記レシートが印字される前記商取引データを識別するための第2の識別マークとを、前記第1の表示領域に表示する識別マーク表示手段、
として機能させるためのプログラム。
<請求項5>
コンピュータを、
第1の領域とこの第1の領域に隣接する第2の領域とを含み、かつ前記第1及び第2の領域の領域外でかつ前記第1の領域の近傍に印字ボタンが配置された画面を表示するディスプレイ、
売上処理された商取引データを電子的に記録するための電子ジャーナルファイルから、検索日を取引日とする商取引データを検索する検索手段、
この検索手段により前記電子ジャーナルファイルを検索して得られた各商取引データの少なくとも取引固有情報と日時情報とを商取引データ毎に択一的に選択可能に一覧にした商取引リストを、それぞれが個別の商取引データに対応する複数選択可能なチェックボックスとともに前記ディスプレイの第1の領域に表示する商取引リスト表示手段、
前記商取引リストのなかから択一的に選択された商取引データに対応したレシートの印字例を、前記ディスプレイの第2の領域に表示する商取引明細表示手段、
前記印字ボタンの入力に応じて、前記チェックボックスで選択された商取引データに対応したレシートを印字する印字手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0065】
1 商取引処理システム
10 サーバ
20 商取引処理装置
21 CPU
22 操作部
23 RAM
24a,24b 表示部
25 ROM
26 通信部
27 記憶部
28 印刷部
29 ドロア
30 計時部
31 バス
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6