特許第6623830号(P6623830)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623830
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】小束処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/00 20190101AFI20191216BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G07D11/00 311
   B65H1/26 312H
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-33940(P2016-33940)
(22)【出願日】2016年2月25日
(65)【公開番号】特開2017-151746(P2017-151746A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】小森谷 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 正幸
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−088138(JP,A)
【文献】 特開2005−178942(JP,A)
【文献】 特開2007−145543(JP,A)
【文献】 特開2005−084181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D1/00−11/60
B65H1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内に設けられた第1のユニットと、
前記装置本体内に設けられ、前記装置本体から引出可能な第2のユニットと、
前記第1のユニットと第2のユニットとの間を移動する移動部と、
前記移動部の移動に従って移動可能なスライド部と、
第1の方向に回転することにより前記第1のユニットと前記第2のユニットとを連結し、第2の方向に回転することにより連結を解除する連結レバーと、
を備え、
前記移動部が前記第1のユニットと前記第2のユニットとにまたがって位置している場合には、前記連結レバーは、前記スライド部によって前記第2の方向の回転を妨げられ、前記第1のユニットと前記2のユニットとを連結する連結位置に固定され
前記スライド部は、前記連結レバーと当接する突起部を有し、
前記移動部が前記第2のユニット内に位置する場合には、前記スライド部の前記突起部が前記連結レバーの前記第2の方向への回転経路上から外れ、前記連結レバーは、前記連結位置から前記第2の方向に回転可能となる、
小束処理装置。
【請求項2】
前記移動部は、媒体小束を載置する載置台を有し、
前記載置台は、前記第1のユニットと前記第2のユニットとを連通する空間内を移動して、前記媒体小束を搬送する、
請求項1記載の小束処理装置。
【請求項3】
前記移動部が前記第2のユニットから前記第1のユニットへ延伸することにより、前記載置台を移動させる、請求項に記載の小束処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小束処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、出納システムは、金融機関内等に設置されており、例えば、紙幣を入排出する紙幣入出金機や紙幣を所定枚数ごとに施封する施封小束支払機等、紙幣や硬貨の取引に関する種々の処理を行う複数種類の装置の組み合わせにより構成されている。出納システムに含まれる施封小束支払機(小束処理装置)は、紙幣を所定枚数(例えば100枚)単位で紙帯により施封し、紙幣小束(媒体小束)を作成する施封ユニットと、施封ユニットで施封された紙幣小束を収納する金庫ユニットとを有する(例えば、特許文献1参照)。また、施封小束支払機は、紙幣小束を施封ユニットから金庫ユニットへ搬送するために、上記施封ユニットと上記金庫ユニットとを連通する空間内を移動することが可能な搬送部(移動部)を有する。そして、このような施封小束支払機においては、紙幣小束の補充や施封ユニットの保守等の際に、オペレータが各ユニットを施封小束支払機から引き出して作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−125477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、オペレータが金庫ユニットを施封小束支払機(小束処理装置)から引き出そうとする際、上記搬送部が上記施封ユニットと上記金庫ユニットとにまたがって位置していた場合には、搬送部(移動部)が施封ユニットにひっかかり、金庫ユニットを施封小束支払機から引き出すことができない。さらに、この状態で金庫ユニットを無理に引き出そうとすると、搬送部が、施封ユニットと干渉して破壊されてしまうことがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、移動部の破損を避けることが可能な、新規かつ改良された小束処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、装置本体と、前記装置本体内に設けられた第1のユニットと、前記装置本体内に設けられ、前記装置本体から引出可能な第2のユニットと、前記第1のユニットと第2のユニットとの間を移動する移動部と、前記移動部の移動に従って移動可能なスライド部と、第1の方向に回転することにより前記第1のユニットと前記第2のユニットとを連結し、第2の方向に回転することにより連結を解除する連結レバーと、を備え、前記移動部が前記第1のユニットと前記第2のユニットとにまたがって位置している場合には、前記連結レバーは、前記スライド部によって前記第2の方向の回転を妨げられ、前記第1のユニットと前記2のユニットとを連結する連結位置に固定され、前記スライド部は、前記連結レバーと当接する突起部を有し、前記移動部が前記第2のユニット内に位置する場合には、前記スライド部の前記突起部が前記連結レバーの前記第2の方向への回転経路上から外れ、前記連結レバーは、前記連結位置から前記第2の方向に回転可能となる、小束処理装置が提供される。
【0010】
前記移動部は、媒体小束を載置する載置台を有し、前記載置台は、前記第1のユニットと前記第2のユニットとを連通する空間内を移動して、前記媒体小束を搬送してもよい。
【0011】
前記移動部が前記第2のユニットから前記第1のユニットへ延伸することにより、前記載置台を移動させてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、移動部の破損を避けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る出納システム1の全体構成を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る施封小束支払機3の内部構成を示す略線図である。
図3】引出状態の施封小束支払機3の内部構成を示す略線図である。
図4】本実施形態に係る連結機構100について説明するための説明図(その1)である。
図5】本実施形態に係る連結機構100について説明するための説明図(その2)である。
図6】本実施形態の変形例に係る連結機構200について説明するための説明図(その1)である。
図7】本実施形態の変形例に係る連結機構200について説明するための説明図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて小束金庫31a及び小束金庫31bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、小束金庫31a及び小束金庫31bを特に区別する必要が無い場合には、単に小束金庫31と称する。
【0016】
<出納システム1の構成>
まず、本願発明の実施形態に係る出納システム1について、図1を参照して説明する。図1は、出納システム1の全体構成を示す斜視図である。出納システム1は、例えば金融機関の営業店において接客用カウンタの後方等に設置され、金銭に関する入金や出金等の各種処理を総合的に実行するシステムである。出納システム1は、紙幣入出金機2、施封小束支払機(小束処理装置)3、紙幣補充回収機4、新券支払機5、棒金支払機6、硬貨入出金機7、認証プリンタ8、現金外ポスト9、操作表示部12、及び制御装置13を主に有している。
【0017】
(紙幣入出金機2及び施封小束支払機3)
紙幣入出金機2は、紙幣を1枚単位で入出金する。施封小束支払機3は、金種別の紙幣を所定枚数(例えば100枚)毎に施封して得られる紙幣小束(媒体小束)Tを収納し、また、当該紙幣小束Tを出金する。なお、施封小束支払機3の詳細については、後で説明する。
【0018】
(紙幣補充回収機4)
紙幣補充回収機4は、例えば金融機関の営業店、小売店や公共施設等に設置される現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine、図示省略)に着脱可能であり、当該現金自動預払機で行われる取引用の紙幣を収納する補充回収カセットに紙幣を補充し、また、補充回収カセットから紙幣を回収することができる。
【0019】
(新券支払機5、棒金支払機6及び硬貨入出金機7)
新券支払機5は、紙幣補充回収機4の上側に組み込まれて一体化されており、各金種の新券(新札)を出金する。棒金支払機6は、金種別の一定枚数毎の硬貨を棒状に重ねて包むことによって得られる棒金を出金する。また、硬貨入出金機7は、硬貨を1枚単位で入出金する。
【0020】
(認証プリンタ8及び現金外ポスト9)
認証プリンタ8は、紙幣補充回収機4に載置され、紙幣入出金機2や施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、新券支払機5、棒金支払機6及び硬貨入出金機7で行われる入金や出金等の処理内容を認証して所定の帳票等に印字して排出する。現金外ポスト9は、硬貨入出金機7に載置されており、現金以外の小切手や定期預金証書等の有価証券を取り込んで入金処理する。
【0021】
(操作表示部12及び制御装置13)
操作表示部12は、例えばディスプレイ10とキーボード11とにより構成されている。ディスプレイ10は、正面を前方向に向けて紙幣入出金機2に載置されており、入金や出金等の各種処理に関する種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、金種等を入力するタッチパネルとが一体化されている。キーボード11は、紙幣入出金機2におけるディスプレイ10の前に載置されており、入金や出金等の各種処理に関する種々の情報や指示等を入力する。制御装置13は、出納システム1全体を統括制御する。
【0022】
出納システム1は、出納システム1に含まれる機能部の少なくとも一部については比較的自由に配置することが可能であるものの、例えば、棒金支払機6、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、紙幣入出金機2、制御装置13及び硬貨入出金機7については、各々の正面を同一方向に向け、且つ、互いに隣接するよう横一列に配置されることが好ましい。以下の説明では、出納システム1における棒金支払機6、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4、紙幣入出金機2、制御装置13及び硬貨入出金機7の各々の正面が向く方向を前方向と定義し、その反対を後方向と定義し、さらに当該出納システム1の前側に対峙したときを基準として、左右方向及び上下方向を定義する。
【0023】
そして、出納システム1においては、右方向に沿って順次隣接させるようにして配置された施封小束支払機3、紙幣補充回収機4及び紙幣入出金機2が、紙幣を左方向及び右方向に搬送する装置間搬送部(図示省略)によって接続されている。これにより、出納システム1においては、施封小束支払機3、紙幣補充回収機4及び紙幣入出金機2の間で、施封や補充、回収等の各種処理に用いる紙幣を、装置間搬送部を介して適宜搬送して受け渡すことができる。
【0024】
<施封小束支払機3の内部構成>
以上、本実施形態に係る出納システム1の構成の一例について説明した。続いて、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る施封小束支払機(小束処理装置)3について説明する。図2は、施封小束支払機3の内部構成を示す略線図である。図3は、引出状態の施封小束支払機3の内部構成を示す略線図である。図2に示すように、施封小束支払機3は、箱状の施封小束支払機筐体(装置本体)14を中心に構成されており、当該施封小束支払機筐体14の前面に入出金口23が設けられている。
【0025】
施封小束支払機筐体14の内部には、上側に配置された上部ユニット(第1のユニット)16と、上部ユニット16の下方に配置された下部ユニット(第2のユニット)17とが設けられている。上部ユニット16には、制御部18、装置間搬送部19、集積部20、紙幣クランプ移動部21、及び施封部22が設けられている。下部ユニット17には、昇降部24、オーバーフロー庫27、小束金庫31、収納繰出部34、及び認識部35が設けられている。
【0026】
この施封小束支払機3においては、制御部18が施封小束支払機3内の各部を制御して、紙幣を施封し紙幣小束(媒体小束)Tを作成し、紙幣の長辺が左右方向に沿った状態で紙幣小束Tを施封小束支払機3内で搬送し、紙幣小束Tを小束金庫31及びオーバーフロー庫27に収納する。
【0027】
施封小束支払機筐体14は、施封小束支払機筐体14の前側に内部空間と外部とを連通する連通孔が形成されており、当該内部空間内に、上部ユニット16と下部ユニット17を収納している。上部ユニット16と下部ユニット17とは、それぞれスライドレール15(図3参照)を介して施封小束支払機筐体14に取り付けられており、当該施封小束支払機筐体14に対し前方向又は後方向へ直線的に且つ円滑に移動させることができる。例えば、施封小束支払機3は、オペレータとの間で現金に関する取引を行う取引動作時には、図2に示したように下部ユニット17を施封小束支払機筐体14内部に収納することにより、下部ユニット17の内部に保有している紙幣等を保護する。一方、施封小束支払機3は、オペレータが、紙幣小束Tの補充・回収等を行う保守作業時に、図3に示すように施封小束支払機筐体14内部から下部ユニット17を単独で引出すことが可能であり、下部ユニット17の内部の各部に対する作業を行うことができる。なお、下部ユニット17は、上部ユニット16と同時に、施封小束支払機筐体14内部から引出すことも可能である。さらに、本実施形態に係る施封小束支払機筐体14内部には、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結する連結機構(図示省略)が設けられている。この連結機構の詳細構成については、後で説明する。
【0028】
また、施封小束支払機筐体14には、下部ユニット17が施封小束支払機筐体14に収納されているか又は引出されているかを検出する下部ユニットセンサ(図示省略)が設けられ、下部ユニットセンサでの検出結果を後述する制御部18へ出力することもできる。
【0029】
(制御部18)
制御部18は、上部ユニット16内の後述する装置間搬送部19の下側に配置されている。制御部18は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、施封小束支払機3内の各部を制御して、紙幣の施封処理、紙幣小束Tの搬送等を行う。また、制御部18は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等からなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
【0030】
(装置間搬送部19)
装置間搬送部19は、施封小束支払機3内の上側後部に配置され、紙幣補充回収機4又は紙幣入出金機2(図1参照)から搬送された紙幣を受け取り、集積部20(集積部20a又は集積部20b)へ1枚ずつ紙幣を搬送する。
【0031】
(集積部20)
集積部20は、装置間搬送部19の前方に複数個配置され、装置間搬送部19から搬送された紙幣を金種毎に分類計数すると共に、当該紙幣を金種ごとに100枚ずつ集積する。
【0032】
(紙幣クランプ移動部21)
紙幣クランプ移動部21は、装置間搬送部19と集積部20との間に配置され、当該集積部20に集積された100枚の紙幣を施封部22まで搬送する。
【0033】
(施封部22)
施封部22は、紙幣クランプ移動部21の前方下側に配置され、当該紙幣クランプ移動部21により搬送された100枚の紙幣の束を紙幣小束Tとして帯で施封し、後述する昇降部24に搬送する。
【0034】
(昇降部24)
昇降部24は、施封小束支払機3の前側に設けられ、施封小束支払機筐体14の底板近傍を下端として入出金口23の近傍まで上方に延在する昇降路25と、当該昇降路25内を上下方向に移動する昇降機構部(移動部)26とにより構成されている。
【0035】
詳細には、昇降路25は、前後左右が壁面で囲まれた空間であり、当該空間は下部ユニット17から上部ユニット16を連通する空間である。そして、この昇降路25の上端側には、先に説明した入出金口23が設けられ、当該入出金口23は、オペレータが入金する紙幣小束Tが投入されると共に、オペレータへ出金する紙幣小束Tを排出する。また、入出金口23は、入出金口シャッタ(図示省略)を設けることができ、入出金口シャッタを開閉するように駆動することにより、入出金口23を開放又は閉塞する。
【0036】
昇降機構部26は、紙幣小束Tを載置する載置台26a及び載置台26aを移動させる昇降機構駆動部(図示省略)を有する。昇降機構部26は、昇降機構駆動部が昇降路25内を上下方向に延伸及び収縮することにより、詳細には、昇降機構駆動部が、下部ユニット17側の昇降路25の下端から上部ユニット16側の入出金口23へ延伸したり、昇降機構部26全体が下部ユニット17内に収まるように昇降路25の下端側へ伸縮したりすることにより、載置台26aを昇降路25内の上下方向に移動させる。そして、載置台26aは、紙幣小束Tを載置した状態で昇降路25内を上下方向に移動することで、紙幣小束Tを上部ユニット16側にある入出金口23と後述する下部ユニット17の小束金庫31の上方前側との間を搬送することができる。この昇降機構部26は、昇降機構駆動部に加えて、いわゆるパンタグラフによっても上下方向に移動するように構成されてもよい。
【0037】
オペレータとの間で紙幣小束Tの入出金を行う際、昇降機構部26は、昇降路25の上端に近接する位置まで移動し、入出金ポジションに位置することとなる。この入出金ポジションにおいて、オペレータは、例えば5束分の紙幣小束Tを一度に昇降機構部26の載置台26aに載置することができる。例えば、施封小束支払機筐体14内部における上部ユニット16、昇降路25及び昇降機構駆動部等を配置する際のスペースの制約上、入出金口23から5束分までの紙幣小束Tを一度に昇降機構部26の載置台26aに載置可能なように、入出金ポジションは設定される。
【0038】
また、オペレータは、入出金口23から紙幣小束Tを入金する以外にも、図3に示したように下部ユニット17を施封小束支払機筐体14から引き出し、昇降機構部26の載置台26aに例えば20束分の紙幣小束Tを直接載置することによって、紙幣小束Tを施封小束支払機3に入金する小束充填処理を行うこともできる。
【0039】
特に、昇降機構部26が、パンタグラフを畳んだ状態で昇降路25の下端まで移動し、退避ポジションに位置する場合には、昇降機構部26の載置台26aの上方には大きな空間が形成される。従って、オペレータは、昇降機構部26が退避ポジションに位置する場合には、入出金ポジションよりも多くの紙幣小束Tを一度に載置台26aに載置できる。具体的には、昇降機構部26は、後述する通路32の高さから、退避ポジションにある昇降機構部26の載置台26aの上面までの上下方向の長さに収めることが可能な量の紙幣小束Tを保持可能である。
【0040】
このように、昇降機構部26は、多くの紙幣小束Tを載置させることができ、例えば、後述する小束金庫31a〜31dのうち、少なくとも1つの小束金庫31に収納された紙幣小束Tを全て保持可能となっている。
【0041】
(オーバーフロー庫27)
オーバーフロー庫27は、昇降部24と後述する小束金庫31aとの間に配置されている。オーバーフロー庫27は、内壁により囲まれた内部空間を有し、後述する小束金庫31からの出金時や鑑別時に、後述する認識部35において金種を鑑別できなかった紙幣小束Tや、入金時に小束金庫31が満杯で収納できなかった紙幣小束T等を収納する。オーバーフロー庫27には、当該オーバーフロー庫27の内部空間を外部に対し遮断又は開放するオーバーフロー庫シャッタ(図示省略)が設けられている。このオーバーフロー庫27は、内壁の前後方向の間隔が紙幣小束Tの前後方向(短手方向)の幅よりも狭くなっており、紙幣小束Tにおける紙幣の面に沿う面方向を水平ではなく斜めに傾けるようにして、紙幣小束Tを積層堆積させて収納する。
【0042】
(小束金庫31a〜31d)
さらに、昇降部24より後方下側に、上部ユニット16と所定の間隔を空けるようにして、4個の小束金庫31a〜31dが前後方向に並んで配置されている。小束金庫31a〜31dは、例えば金種毎に用意され、内壁により囲まれた内部空間に、それぞれ指定された金種の紙幣小束Tを例えば20束ずつ収納することができる。小束金庫31には、当該小束金庫31の内部空間を外部に対し遮断又は開放する小束金庫シャッタ(図示省略)が設けられている。本実施形態においては、例えば、1万円札が100枚ずつ施封された万券小束Tを小束金庫31a及び31bが、千円札が100枚ずつ施封された千券小束Tを小束金庫31c及び31dがそれぞれ収納する。なお、本実施形態においては、図2及び図3に示すように小束金庫31aの数は4個に限定されるものではなく、複数個設けられていればよい。
【0043】
また、小束金庫31には、当該小束金庫31内において上下方向に移動する在高センサ(図示省略)が設けられ、小束金庫31に収納された紙幣小束Tの帯の側面に光を照射してその反射光を読み取ることにより、紙幣小束Tの束数を計数し、計数結果を制御部18へ出力する。さらに、小束金庫31には、小束金庫シャッタの開閉状態を検知する小束金庫シャッタセンサ(図示省略)が設けられ、当該小束金庫シャッタの開閉状態の検出結果を制御部18へ出力することもできる。
【0044】
また、施封小束支払機3においては、オペレータによって手動で小束金庫31に紙幣小束Tを直接装填する手動装填が可能となっている。手動装填を行う際、オペレータは、下部ユニット17を施封小束支払機筐体14から引き出し、紙幣小束Tを装填する対象の小束金庫31の小束金庫シャッタを開いて紙幣小束Tを装填する。
【0045】
(収納繰出部34)
収納繰出部34は、2つのブロックで基本的には構成されており、上部ユニット16と小束金庫31との間の通路32内を前後方向に移動する。詳細には、収納繰出部34は、昇降部24の昇降機構部26と小束金庫31との間において紙幣小束Tを把持しながら移動する。
【0046】
入金処理時においては、入金する金種に対応する小束金庫31の上に収納繰出部34の一方のブロックが位置しており、収納繰出部34の他方のブロックが金種に対応する小束金庫31の上まで移動すると、収納繰出部34の2つのブロックが一体化する。続いて、一方のブロックは、他方のブロックが移動させた紙幣小束Tを小束金庫31へ押し込む。
【0047】
一方、出金処理においては、一体化した2つのブロックは、出金する金種に対応する小束金庫31の上に位置し、一方のブロックは、当該小束金庫31内に収納された紙幣小束Tを小束金庫31の上方へ押し上げる。そして、他方のブロックは、一方のブロックから受け取った紙幣小束Tを挟持し、その状態で、通路32内を昇降機構部26まで移動する。このとき、2つのブロックは互いに分離した分離状態になる。
【0048】
(認識部35)
通路32内には、紙幣小束Tの金種の鑑別、紙幣小束Tの束数の計数、紙幣小束Tが正常に施封されているか否かの施封状態の検出を行う認識部35が設けられている。認識部35は、収納繰出部34により把持された紙幣小束Tが当該認識部35を通過する際に、当該紙幣小束Tの金種の鑑別、束数の計数、施封状態の検出を行い、識別結果、計数結果及び検出結果を認識結果として制御部18に出力する。
【0049】
<連結機構100の詳細構成>
以上、本実施形態に係る施封小束支払機(小束処理装置)3の構成の一例について説明した。続いて、図4を参照しながら、本実施形態に係る連結機構100の詳細構成について説明する。図4は、本実施形態に係る施封小束支払機3の連結機構100について説明するための説明図である。
【0050】
先に説明したように、連結機構100は、施封小束支払機筐体(装置本体)14内の上部ユニット16と下部ユニット17とを連結する。この連結機構100は、図4に示すように、スライド部102と、回転部材112と、連結レバー120とを主に有する。
【0051】
(スライド部102)
スライド部102は、施封小束支払機3(下部ユニット17)の上下方向に伸びる部材であって、昇降路25内を上下方向に移動する昇降機構部(移動部)26の載置台26aの移動に従って、上下方向にスライド移動することができる。具体的には、スライド部102は、施封小束支払機3の側面側から見ると、略長方形状部材であり、スライド部102の上端部は、載置台26aと連結されており、載置台26aが上方に移動すると、スライド部102も上方に移動し、一方、載置台26aが下方に移動すると、スライド部102も下方に移動する。
【0052】
さらに、スライド部102の中央部には、施封小束支払機3の上下方向に伸びる開口部104が設けられている。この開口部104は、下部ユニット17に上下方向に沿って並んで設けられた複数の係合部材106と係合し、スライド部102を下部ユニット17に連結する。このように開口部104と係合部材106とが係合しているため、スライド部102の移動方向及び移動範囲が制限される。より具体的には、スライド部102は、下部ユニット17の最も上方に設けられている係合部材106aが開口部104の最上端に当接するまで、施封小束支払機3の上下方向に沿って下方に移動することができる。一方、スライド部102は、下部ユニット17の最も下方に設けられている係合部材106bが開口部104の最下端に当接するまで、施封小束支払機3の上下方向に沿って上方に移動することができる。
【0053】
また、スライド部102は、施封小束支払機3の側面側から見ると、スライド部102の上端側の図中右側の側面に設けられた斜面である当接部108を有している。当該当接部108は、スライド部102が下方に移動した際には、後述する回転部材112と当接する。また、スライド部102の図中右側の側面110は、スライド部102が上方に移動した際には、後述する回転部材112と当接する。当該スライド部102の動作については、後で詳細を説明する。
【0054】
(回転部材112)
回転部材112は、スライド部102と後述する連結レバー120との間に設けられた、回転可能な部材である。回転部材112は、一方の端部に設けられた当接部114と、他方の端部に設けられた係合部116と、回転軸118とを有し、図示しない付勢部材により、回転軸118を中心として図中反時計回りの方向(第2の方向)に回転するように付勢されている。詳細には、回転部材112は、施封小束支払機3の側面側から見ると、1つの鋭角が下方に向いた略直角三角形状の部材であり、図中左側に位置する直角三角形の他の鋭角部分は三角形状に切り欠かれて当接部114となり、図中右側に位置する直角三角形の直角部分は四角形状に切り欠かれ係合部116となっている。また、下方に向いた鋭角の部分には、回転部材112の回転中心となる回転軸118が設けられている。回転部材112は、下部ユニット17と結合した回転軸118を介して下部ユニット17に固定されており、この回転軸118を中心にして回転する。当接部114は、スライド部102の当接部108及びスライド部102の図中右側の側面110と当接する。また、係合部116は、後述する連結レバー120と係合して連結レバー120の図中反時計回りの方向の回転を妨げる。当該回転部材112の動作については、後で詳細を説明する。
【0055】
(連結レバー120)
連結レバー120は、図中時計回りの方向(第1の方向)に回転することにより上部ユニット16と下部ユニット17とを連結し、一方、図中反時計回りの方向(第2の方向)に回転することにより、両ユニット(上部ユニット16と下部ユニット17)の連結を解除するレバーである。詳細には、連結レバー120は、施封小束支払機3の側面側から見ると略長方形状部材であり、一方の端部に設けられた係合部122と、他方の端部に設けられた固定部124と、両端部の間に設けられた回転軸126とを有する。連結レバー120は、下部ユニット17と結合した回転軸126を介して下部ユニット17に固定されており、この回転軸126を中心にして回転する。係合部122は、連結レバー120の回転部材112側(図中左側)の端部に設けられた突起であり、回転部材112の係合部116の切欠きと係合して、連結レバー120の図中反時計回りの方向への回転を妨げ、連結レバー120を連結位置に固定する。また、固定部124は、連結レバー120の回転部材112側と反対側(図中右側)の端部に設けられた溝であり、連結レバー120が上記連結位置に位置している場合には、上部ユニット16に設けられた係合部材128と係合して、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結する。なお、上記連結位置とは、連結レバー120が、施封小束支払機3の前後方向に沿って延伸するように位置し、係合部122が回転部材112の係合部116と係合し、上部ユニット16と下部ユニット17とが連結された状態にある際の連結レバー120の位置のことをいう。
【0056】
また、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとする場合には、連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させればよく、例えば、オペレータによって直接連結レバー120を押圧して連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させてもよく、もしくは、施封小束支払機筐体14内部に設けられた機構(図示省略)を介して連結レバー120を押圧して連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させてもよい。当該連結レバー120の動作については、以下に詳細を説明する。
【0057】
以上、本実施形態に係る連結機構100の構成の一例について説明した。続いて、図4及び図5を参照しながら、本実施形態に係る連結機構100の動作について説明する。図4及び図5は、本実施形態に係る連結機構100について説明するための説明図である。
【0058】
図4は、載置台26aが上部ユニット16内に位置する場合の連結機構100を示しており、詳細には、昇降機構部26の昇降機構駆動部が、下部ユニット17側の昇降路25の下端から上部ユニット16側の入出金口23へ延伸し、載置台26aを上部ユニット16内の昇降路25へ移動させた状態を示している。従って、この状態においては、昇降機構部26は、下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置していることとなる。
【0059】
このような状態においては、図4に示すように、載置台26aが上部ユニット16内に位置していることから、それに伴い、スライド部102も施封小束支払機3の上下方向に沿って上方に移動する(図中矢印Aで示す)。この際、スライド部102が回転部材112の図中反時計回りの方向の回転経路上に位置して、回転部材112の当接部114がスライド部102の側面110と当接する。従って、回転部材112は、図中反時計回りの方向に回転するように付勢されていても、スライド部102によって回転を妨げられ、図中反時計回り方向の方向に回転することができない。そして、回転部材112が回転することができないことから、回転部材112の係合部116と連結レバー120の係合部122とが係合した状態が維持され、その結果、連結レバー120は、図中反時計回りの方向への回転を妨げられ、連結位置に固定される。さらに、連結レバー120が連結位置に固定されることにより、連結レバー120の固定部124が上部ユニット16に設けられた係合部材128と係合した状態に固定され、下部ユニット17は上部ユニット16と連結された状態に固定される。
【0060】
以上のように、連結レバー120が連結位置に固定された場合には、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとして、連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させようとしても(図中矢印Bで示す)、連結レバー120の係合部122は回転部材112の係合部116と係合し、さらに、回転部材112がスライド部102によって回転が妨げられていることから、連結レバー120は図中反時計回りの方向に回転することができない。その結果、下部ユニット17が上部ユニット16と連結された状態に維持されているため、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができない。従って、昇降機構部26が下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置していても、両ユニットを切り離して下部ユニット17のみを引き出すことができないため、昇降機構部26が破壊されることを避けることができる。なお、この状態においては、下部ユニット17は、上部ユニット16と連結した状態で施封小束支払機筐体14から引き出すことは可能である。
【0061】
次に、昇降機構部26が下部ユニット17に位置した場合を説明する。図5は、載置台26aが下部ユニット17内に位置する場合の連結機構100を示しており、詳細には、昇降機構部26の昇降機構駆動部が、昇降機構部26全体が下部ユニット17内に収まるように昇降路25の下端側へ伸縮し、載置台26aを下部ユニット17内の昇降路25へ移動させた状態を示している。
【0062】
このような状態においては、図5に示すように、載置台26aが下部ユニット17内に位置していることから、それに伴い、スライド部102も施封小束支払機3の上下方向に沿って下方に移動する(図中矢印Cで示す)。この際、スライド部102の移動により、スライド部102が回転部材112の図中反時計回りの方向の回転経路上から外れることから、図中反時計回りの方向に回転するように付勢されている回転部材112は、当該付勢により、回転部材112の当接部114がスライド部102の当接部108と当接するまで、図中反時計回りの方向に回転する。そして、回転部材112の図中反時計回りの方向の回転により、回転部材112の係合部116と連結レバー120の係合部122とが係合した状態が解除され、連結レバー120の図中反時計回りの方向への回転が可能となり、連結レバー120は連結位置の固定から解放される。
【0063】
上述の状態において、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとして、連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させようと押圧した場合には(図中矢印Dで示す)、連結レバー120は図中反時計回りの方向に回転する(図中矢印Eで示す)。そして、連結レバー120が図中反時計回りの方向に回転することにより、連結レバー120の固定部124が係合部材128と係合した状態から解放され、下部ユニット17は上部ユニット16と切り離される。その結果、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができる。この際、昇降機構部26全体が下部ユニット17に位置しているため、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出しても、昇降機構部26が上部ユニット16と干渉して破壊されることはない。
【0064】
再び、昇降機構部26が下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置するように移動した場合には、図4に示すように、載置台26aが昇降路25内の上方に移動し、それに伴いスライド部102も上方に移動する。この際、スライド部102の側面110及び当接部108は、スライド部102の上方への移動に伴って、回転部材112の当接部114を押圧し、回転部材112を図中時計回りの方向へ回転させる。そして、回転部材112は、回転しながら連結レバー120を押圧し、連結レバー120は、図中時計回りの方向に回転して連結位置に移動する。その結果、連結レバー120の固定部124が上部ユニット16に設けられた係合部材128と係合し、上部ユニット16と下部ユニット17とが連結される。
【0065】
そして、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとして連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させようとしても、先に説明したように、連結レバー120の係合部122は回転部材112の係合部116と係合し、さらに、回転部材112がスライド部102によって回転が妨げられていることから、連結レバー120は図中反時計回りの方向に回転することができない。その結果、下部ユニット17は上部ユニット16と連結された状態に維持され、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができない。従って、昇降機構部26が下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置していても、両ユニットを切り離して下部ユニット17のみを引き出すことができないため、昇降機構部26が破壊されることを避けることができる。
【0066】
ところで、従来の施封小束支払機(小束処理装置)において、オペレータが金庫ユニットを施封小束支払機から引き出そうとする際に、昇降機構部(移動部)が上部ユニット(施封ユニット)と下部ユニット(金庫ユニット)とにまたがって位置していた場合には、昇降機構部が上部ユニットにひっかかり、下部ユニットのみを施封小束支払機から引き出すことができないことがある。さらに、無理に金庫ユニットを引き出そうとすると、昇降機構部が上部ユニットと干渉して破壊されてしまうことがある。
【0067】
また、昇降機構部の破壊を避けるために、下部ユニットを施封小束支払機から引き出そうとする際に、センサ等を用いて昇降機構部の位置を検知し、センサで検知した昇降機構部の位置に応じて、単独で下部ユニットを施封小束支払機から引き出すことを妨げるような電子制御的ロックを実施することも考えられる。しかしながら、昇降機構部が上部ユニットと下部ユニットとにまたがって位置していても、昇降機構部の位置を検知するセンサや、電子制御的なロックを行う電子制御ロック機構が故障した場合には、下部ユニットを施封小束支払機から引き出すことを妨げるロックが実施されないこともあり、センサや電子制御ロック機構を用いることは、昇降機構部の破壊を避ける対策としては十分なものではなかった。
【0068】
しかしながら、本実施形態に係る施封小束支払機(小束処理装置)3においては、昇降機構部(移動部)26の位置に応じて移動するスライド部102と、時計回りの方向(第1の方向)に回転することにより上部ユニット16と下部ユニット17とを連結し、反時計回りの方向(第2の方向)に回転することにより当該連結を解除する連結レバー120と、スライド部102と連結レバー120との間に設けられ、反時計回りの方向に回転するように付勢された回転部材112とを有する連結機構100を設けることにより、昇降機構部26の破壊を避けることができる。
【0069】
詳細には、昇降機構部26が下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置するように上方へ移動した場合には、昇降機構部26の移動とともに移動したスライド部102が、回転部材112の反時計回りの方向の回転経路上に位置して、回転部材112の反時計回りの方向への回転を妨げる。そして、スライド部102により回転が妨げられた回転部材112は、連結レバー120と係合して、連結レバー120の反時計回りの方向への回転を妨げる。その結果、連結レバー120は、反時計回りの方向に回転することができず、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結する連結位置に固定される。従って、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとして連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させようとしても、連結レバー120は反時計回りの方向に回転することができないことから、下部ユニット17は上部ユニット16と連結された状態に維持され、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができない。その結果、本実施形態によれば、下部ユニット17を単独で引き出すことによる昇降機構部26の破壊を避けることができる。
【0070】
一方、昇降機構部26が下部ユニット17に位置するように下方へ移動した場合には、スライド部102が、昇降機構部26の移動とともに移動するため、回転部材112の反時計回りの方向への回転経路上から外れ、回転部材112は反時計回りの方向への回転可能となる。従って、回転部材112は、反時計回りの方向に回転するように付勢されているため、当該付勢により反時計回りの方向に回転し、回転部材112と連結レバー120との係合が解除される。そして、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとして連結レバー120を図中反時計回りの方向に回転させようとした場合には、回転部材112との係合から解かれた連結レバー120は反時計回りの方向に回転し、下部ユニット17は上部ユニット16と切り離される。その結果、下部ユニット17は単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができる。
【0071】
すなわち、本実施形態においては、昇降機構部26の移動に伴って動作して、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結状態に固定したり、当該固定を解除したりすることができる連結機構100を設けて、昇降機構部26が上部ユニット16と下部ユニット17とにまたがって位置した場合に両ユニットを切り離すことができないようすることにより、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことによる昇降機構部26の破壊を避けることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る連結機構100は、機械的な機構により構成されており、昇降機構部26の位置を検知するセンサ等を必要としないことから、本実施形態によれば、センサ等が故障した場合であっても昇降機構部26の破壊を避けることができる。
【0073】
<変形例>
本実施形態においては、連結機構100の構成は、図4及び図5に示す形態に限定されることはなく、昇降機構部26の移動に伴って動作し、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結状態に固定したり、当該固定を解除したりすることができれば、他の構成であってもよい。そこで、本実施形態の変形例として、スライド部202と連結レバー220とを有する連結機構200について説明する。
【0074】
<連結機構200の詳細構成>
図6及び図7を参照しながら、本変形例に係る連結機構200の詳細構成について説明する。図6及び図7は、本変形例に係る施封小束支払機3の連結機構200について説明するための説明図である。図6及び図7に示すように、本変形例の連結機構200は、スライド部202と、連結レバー220とを主に有する。
【0075】
(スライド部202)
スライド部202は、上述の実施形態のスライド部102と同様に、施封小束支払機3(下部ユニット17)の上下方向に伸びる部材であって、昇降路25内を上下方向に移動する載置台26aの移動に従って、上下方向にスライド移動することができる。具体的には、本変形例のスライド部202は、施封小束支払機3の側面側から見ると、略長方形状部材であり、スライド部202の上端部は載置台26aと連結されている。さらに、スライド部202の図中右側(後述する連結レバー220側)の側面には、突起部230が設けられている。当該突起部230は、図中右側に向かって施封小束支払機3の前後方向に沿って延伸する突起であり、後述する連結レバー220と当接し連結レバー220を押圧する。また、スライド部202の中央部には、上述の実施形態のスライド部102と同様に、施封小束支払機3の上下方向に伸びる開口部104が設けられており、開口部104は、下部ユニット17内に上下方向に沿って並んで設けられた複数の係合部材106と係合し、スライド部202を下部ユニット17に連結し、さらには、スライド部202の移動方向及び移動範囲を制限する。当該スライド部202の動作については、後で詳細を説明する。
【0076】
(連結レバー220)
連結レバー220は、上述の実施形態の連結レバー120と同様に、図中時計回りの方向に回転することにより上部ユニット16と下部ユニット17とを連結し、一方、図中反時計回りの方向に回転することにより、両ユニットの連結を解除するレバーである。詳細には、連結レバー220は、施封小束支払機3の側面側から見ると施封小束支払機3の前後方向に伸びる略長方形状の部材であり、一方の端部に設けられた当接部232と、他方の端部に設けられた固定部234と、両端部の間に設けられた回転軸126とを有する。連結レバー220は、下部ユニット17と結合した回転軸126を介して下部ユニット17に固定されており、この回転軸126を中心にして回転する。当接部232は、連結レバー220のスライド部202側(図中左側)の端部に設けられた突起であり、スライド部202の突起部230によって押圧される。また、固定部234は、連結レバー220のスライド部202側と反対側(図中右側)の端部に設けられた突起であり、上部ユニット16に設けられた凹部形状の係合部材236と係合して、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結する。当該連結レバー220の動作については、以下に詳細を説明する。
【0077】
以上、本変形例に係る連結機構200の構成の一例について説明した。続いて、図6及び図7を参照しながら、本変形例に係る連結機構200の動作について説明する。
【0078】
図6は、載置台26aが上部ユニット16内に位置する場合の連結機構200を示しており、図4と同様に、昇降機構部26の昇降機構駆動部が、下部ユニット17側の昇降路25の下端から上部ユニット16側の入出金口23へ延伸し、載置台26aを上部ユニット16内の昇降路25へ移動させた状態、すなわち、昇降機構部26が下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置している状態を示す。
【0079】
図6に示すように、昇降機構部26が、下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置するように移動した場合には、載置台26aは昇降路25内の上方に移動し、それに伴い、スライド部202も施封小束支払機3の上下方向に沿って上方に移動する(図中矢印Fで示す)。スライド部202の移動の際、スライド部202の突起部230が、連結レバー220の当接部232を上方へ押圧するため、連結レバー220は、図中時計回りの方向に回転し連結位置に固定される。従って、連結レバー220の固定部234が上部ユニット16に設けられた係合部材236と係合し、下部ユニット17は上部ユニット16と連結される。この際、上部ユニット16と下部ユニット17との連結を解除しようとして連結レバー220を図中反時計回りの方向に回転させようとしても(図中矢印Gで示す)、連結レバー220は、スライド部202の突起部230によって押圧されて回転が妨げられていることから、図中反時計回りの方向に回転することができない。その結果、下部ユニット17は上部ユニット16と切り離すことができないため、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができない。従って、昇降機構部26が下部ユニット17と上部ユニット16とにまたがって位置していても、両ユニットを切り離し下部ユニット17のみを引き出すことができないため、昇降機構部26が破壊されることを避けることができる。
【0080】
次に、昇降機構部26が下部ユニット17に位置した場合を説明する。図7は、載置台26aが下部ユニット17内に位置する場合の連結機構200を示しており、詳細には、図5と同様に、昇降機構部26の昇降機構駆動部が、昇降機構部26全体が下部ユニット17内に収まるように昇降路25の下端側へ伸縮し、載置台26aを下部ユニット17内の昇降路25へ移動させた状態を示している。
【0081】
図7においては、載置台26aが下部ユニット17内に位置していることから、それに伴い、スライド部202も施封小束支払機3の上下方向に沿って下方に移動する(図中矢印Hで示す)。この際、スライド部202が移動することにより、連結レバー220の当接部232は、スライド部202の突起部230による押圧から解放される。さらに、スライド部202の突起部230が、連結レバー220の図中反時計回りの方向の回転経路上から外れることから、連結レバー220は、図中反時計回りの方向に回転可能となる。従って、下部ユニット17と上部ユニット16との連結を解除しようとして連結レバー220を反時計回りの方向に回転させようとした場合には(図中矢印Iで示す)、連結レバー220は反時計回りの方向に回転し(図中矢印Jで示す)、連結レバー220の固定部234が上部ユニット16に設けられた係合部材236と係合した状態から解放されることから、下部ユニット17は、上部ユニット16と切り離され、単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことができる。この際、昇降機構部26が下部ユニット17に位置しているため、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出しても、昇降機構部26が上部ユニット16と干渉して破壊されることはない。
【0082】
本変形例に係る施封小束支払機3においては、昇降機構部26の位置に応じて移動するスライド部202と、時計回りの方向に回転することにより上部ユニット16と下部ユニット17とを連結し、反時計回りの方向に回転することにより連結を解除する連結レバー220とを有する連結機構200を設けることにより、少ない部品によって、昇降機構部26の破壊を避けることができる。すなわち、本変形例においては、昇降機構部26の移動に伴って動作して、上部ユニット16と下部ユニット17とを連結状態に固定したり、当該固定を解除したりすることができる連結機構200を設けて、昇降機構部26が上部ユニット16と下部ユニット17とにまたがって位置した場合には両ユニットを切り離すことができないようすることにより、下部ユニット17を単独で施封小束支払機筐体14から引き出すことによる昇降機構部26の破壊を避けることができる。
【0083】
なお、上記の説明においては、本発明の実施形態を出納システム1の施封小束支払機(小束処理装置)3に適用した場合を説明したが、本実施形態は、施封小束支払機3に適用することに限定されるものではない。本実施形態は、金融機関、店舗等に設置される紙幣、硬貨等の媒体を処理する媒体処理装置であって、装置本体から複数のユニットのうちの少なくとも1つを引き出すように構成されており、さらに、媒体をユニットの間で搬送する搬送部のようなユニット間を移動する移動部を有する媒体処理装置に、適用することができる。また、本実施形態においては、上述のように上下に重ねるように設けられた2つのユニットであることに限定されるものはなく、装置の前後方向又は左右方向に並んで設けられた2つのユニットであってもよい。さらに、本実施形態においては、各ユニットに設けられる機能ブロックについても、特に限定されるものではない。
【0084】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0085】
1 出納システム
2 紙幣入出金機
3 施封小束支払機
4 紙幣補充回収機
5 新券支払機
6 棒金支払機
7 硬貨入出金機
8 認証プリンタ
9 現金外ポスト
10 ディスプレイ
11 キーボード
12 操作表示部
13 制御装置
14 施封小束支払機筐体
15 スライドレール
16 上部ユニット
17 下部ユニット
18 制御部
19 装置間搬送部
20、20a、20b 集積部
21 紙幣クランプ移動部
22 施封部
23 入出金口
24 昇降部
25 昇降路
26 昇降機構部
26a 載置台
27 オーバーフロー庫
31、31a、31b 小束金庫
32 通路
34 収納繰出部
35 認識部
100、200 連結機構
102、202 スライド部
104 開口部
106、106a、106b、128、236 係合部材
108、114、232 当接部
110 側面
112 回転部材
116、122 係合部
118、126 回転軸
120、220 連結レバー
124、234 固定部
230 突起部
T 紙幣小束
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7