特許第6623871号(P6623871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623871
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20191216BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   B25J5/00 E
   B25J5/00 A
   B25J13/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-55395(P2016-55395)
(22)【出願日】2016年3月18日
(65)【公開番号】特開2017-164882(P2017-164882A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年1月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高木 裕太郎
【審査官】 牧 初
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−128973(JP,A)
【文献】 特開平11−320463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0190925(US,A1)
【文献】 特開2010−82717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業対象物を把持するアームと、
駆動輪を有する台車と、
前記駆動輪を回転させる第1モータと、
補助輪を有し、前記台車と接続するトレイと、
前記トレイを前記台車から押し出すトレイ駆動ユニットと、
前記台車と前記トレイを接続する地面に平行な軸を回転軸として、前記トレイに対して前記台車を回転させる第2モータと、
前記第1モータ、前記第2モータ及び前記トレイ駆動ユニットを制御するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、前記アームが作業対象物を把持している時に前記第1モータが発生させるトルクが減少することを検知した場合、前記トレイ駆動ユニットにより前記トレイを前方に押し出させ、前記第2モータにより前記台車の駆動輪を接地させるように前記トレイを回転させるロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場や倉庫などで作業を行うロボットの開発が進められている。工場の生産ライン等においては、例えば部品や工具等の荷物を格納場所から取り出すために格納場所の扉をアームで把持して開閉するロボットが用いられている。
【0003】
これらのロボットは、安全に作業を実行するために、転倒を防止する必要がある。特許文献1には、歩行ロボットの足底に回動自在又は伸縮自在に配設され転倒防止動作時に基部の外方に突出するアーム部と、を備えるロボットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−75940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたロボットでは、作業対象の物体が重い場合、または把持するアームが長い場合、ロボットの姿勢が傾き、転倒を防止することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロボットは、作業対象物を把持するアームと、駆動輪を有する台車と、前記駆動輪を回転させる第1モータと、補助輪を有し、前記台車と接続するトレイと、前記トレイを前記台車から押し出すトレイ駆動ユニットと、前記台車と前記トレイを接続する地面に平行な軸を回転軸として、前記トレイに対して前記台車を回転させる第2モータと、前記第1モータ、前記第2モータ及び前記トレイ駆動ユニットを制御するコントローラと、を備え、前記コントローラは、前記アームが作業対象物を把持している時に前記第1モータが発生させるトルクが減少することを検知した場合、前記トレイ駆動ユニットにより前記トレイを前方に押し出させ、前記第2モータにより前記台車の駆動輪を接地させるように前記トレイを回転させるようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明のロボットは、作業対象の物体が重い場合、または把持するアームが長い場合でも、転倒を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態にかかるロボットの概略構成を示す斜視図である。
図2】本実施の形態にかかるロボットの作業前の状態を示す図である。
図3】本実施の形態にかかるロボットが収納具を把持している状態を示す図である。
図4】本実施の形態にかかるロボットの駆動輪が地面から離れている状態を示す図である。
図5】本実施の形態にかかるロボットのトレイが台車から押し出されている状態を示す図である。
図6】本実施の形態にかかるロボットの駆動輪が地面と接している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかるロボットの概略構成を示す斜視図である。図1において、ロボット10は、台車11と、駆動輪12と、第1モータ13と、ボデー14と、アーム15と、アーム関節16と、アーム駆動ユニット17と、トレイ18と、補助輪19と、軸20と、トレイ駆動ユニット21と、第2モータ22と、コントローラ23とを備える。
【0010】
台車11は駆動輪12を備えており、床面を自律移動可能に構成されている。例えば、台車11は全方位に移動可能に構成されている。
【0011】
第1モータ13(不図示)は、駆動輪12を回転させることにより、ロボット10を移動可能とするモータである。第1モータ13は、台車11内に収容されていることが好適である。
【0012】
ボデー14は、台車11上に備え付けられ、アーム関節16を介してアーム15と接続している。
【0013】
アーム15は、作業対象物を把持するように構成されている。たとえば、アーム15は、先端に作業対象物を把持するための形状を有している。例えば、アーム15は、作業対象物の一部を挟み込むU字形状をアーム15の先端に有してもよい。
【0014】
アーム関節16は、アーム15とボデー14とを接続する関節機構である。アーム関節16は、アーム15がボデー14に対して回転自在となるように構成されている。例えば、アーム関節16は、回転軸およびベアリングで構成されることが好適である。
【0015】
アーム駆動ユニット17(不図示)は、アーム関節16を軸としてアーム15を駆動し、アーム15が把持する作業対象物の高さに合わせられるようにする駆動ユニットである。例えば、アーム駆動ユニット17は、モータ等で構成されることが好適である。また、アーム駆動ユニット17は、ボデー14内に収容されていることが好適である。
【0016】
トレイ18は補助輪19を備え、床面を移動可能に構成されている。トレイ18は、トレイ駆動ユニット21により、台車11に対して前後に移動可能に構成されている。また、トレイ18は、台車11に対して地面に平行な軸20で接続し、第2モータ22により、この軸20を回転軸として、台車11に対して回転可能に構成されている。具体的には、トレイ18は、地面から離れた駆動輪が再び地面に接することができるように、第2モータ22により、台車11に対して回転軸を中心に回転する。
【0017】
トレイ駆動ユニット21(不図示)は、台車11に対して、トレイ18を前後方向に移動させる駆動ユニットである。例えば、トレイ駆動ユニット21は、アクチュエータで構成されることが好適である。また、トレイ駆動ユニット21は台車11内に収容されていることが好適である。
【0018】
第2モータ22(不図示)は、台車11とトレイ18とを接続する軸20を回転軸としてトレイ18を台車11に対して回転させるモータである。第2モータ22も台車11内に収容されていることが好適である。
【0019】
コントローラ23(不図示)と、アーム駆動ユニット17、トレイ駆動ユニット21、第1モータ13及び第2モータ22の動作を制御するコントローラである。コントローラ23は、ボデー14内に内蔵されることが好適である。また、コントローラ23は、第1モータ13が発生されるトルクを検出する。また、コントローラ23は、ボデー14内に収容されていることが好適である。
【0020】
そして、アーム15が、作業対象物を把持している時に第1モータ13が発生させるトルクが減少した場合、駆動輪12が地面から離れる、または駆動輪12に荷重がかからなくなり、駆動輪12が空転してしまう虞があると判断する。そしてコントローラ23は、台車11からトレイ18を押し出すようにトレイ駆動ユニット21に指示し、軸20を回転軸として、台車11に対してトレイ18を回転させて地面から離れた駆動輪が再び地面に接することができるように、第2モータ22に指示する。すなわち、台車11に対してトレイ18が180度の角度となるように回転させる。
【0021】
以上の構成により、ロボット10は、本発明のロボットは作業対象の物体が重い場合、または把持するアームが長い場合でも、転倒を防止できる。
【0022】
次に、本実施の形態のロボットを用いて、収納具の扉を開く動作の例を図2〜6を用いて説明する。図2は、本実施の形態にかかるロボットの作業前の状態を示す図である。図2において、ロボット10は、アーム15により収納具30を把持するために、収納具30に接近する。
【0023】
図3は、本実施の形態にかかるロボットが作業対象物を把持している状態を示す図である。図3において、ロボット10は、アーム15により収納具30の扉の取手31を把持している。ロボット10は、収納具30の扉の取手31を把持した状態で扉を開く。
【0024】
図4は、本実施の形態にかかるロボットの駆動輪が地面から離れている状態を示す図である。把持した収納具30が重い場合、またはアーム15が長い場合、図4に示すように、補助輪19を支点として、駆動輪12が地面から離れる、または駆動輪12に荷重がかからなくなり、駆動輪12が空転してしまう。図4の状態で、コントローラ23は、第1モータ13が発生させるトルクが減少していることを検知し、台車11が傾いていると判断する。そして、コントローラ23は、台車11の傾きを解消する動作を指示する。具体的には、コントローラ23は、台車11からトレイ18を押し出すようにトレイ駆動ユニット21に指示し、軸20を回転軸として、台車11に対してトレイ18を回転させて地面から離れた駆動輪が再び地面に接することができるように、第2モータ22に指示する。
【0025】
図5は、本実施の形態にかかるロボットのトレイが台車から押し出されている状態を示す図である。図5に示すように台車11からトレイ18を押し出されることにより、支点である補助輪19と力点である駆動輪12との距離が長くなる。この状態で軸20を回転軸として、台車11に対してトレイ18を回転させる。
【0026】
図6は、本実施の形態にかかるロボットの駆動輪が地面と接している状態を示す図である。軸20を回転軸として、台車11に対してトレイ18を回転させることにより、台車11とトレイ18とのなす角度が180度に戻り、駆動輪12が再び接地することになる。この結果、ロボット10は駆動輪12を回転させて収納具から離れることにより収納具30の扉を開くことができる。
【0027】
このように、本実施の形態のロボットによれば、アームが作業対象物を把持している時に第1モータが発生させるトルクが減少することを検知した場合、トレイ駆動ユニットによりトレイを前方に押し出させ、第2モータにより台車の駆動輪を接地させるようにトレイを回転させることにより、作業対象の物体が重い場合、または把持するアームが長い場合でも、転倒を防止することができる。
【0028】
また、本実施の形態のロボットによれば、低重心化するための錘を必要としないので必要以上にロボットの重量が重くならない。
【0029】
また、本実施の形態のロボットによれば、バランスウェイトを必要としないのでロボットのサイズが必要以上に大きくならない。
【0030】
また、本実施の形態のロボットによれば、台車のホイールベースを長くする必要がないのでロボットが必要以上に大きくならない。
【0031】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施の形態では、収納具の扉を開く動作の例について説明しているが、他の作業に適用してもよい。たとえば収納具が引き出しを備える場合、引き出しを引く動作に適用しても良い。
【符号の説明】
【0032】
10 ロボット
11 台車
12 駆動輪
13 第1モータ
14 ボデー
15 アーム
16 アーム関節
17 アーム駆動ユニット
18 トレイ
19 補助輪
20 軸
21 トレイ駆動ユニット
22 第2モータ
23 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6