(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第三情報が表示された後に、または、前記第三情報と共に、当日の積算給湯量に関する第四情報が一時的に前記表示手段に表示される請求項1に記載の給湯システム。
前記第四情報が表示された後に、または、前記第四情報と共に、1日の積算給湯量の目標値に関する第五情報が一時的に前記表示手段に表示される請求項2に記載の給湯システム。
給湯の開始から停止までの時間または給湯量が基準に満たないときには、前記給湯機からの給湯が停止した後に前記第三情報が前記表示手段に表示されない請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の給湯システム。
前記給湯機からの給湯が停止した後に前記第三情報を前記表示手段に表示するか否かをユーザーが事前に設定可能にする手段を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の給湯システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。本開示は、以下の実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の給湯システム1を示す図である。
図1に示すように、実施の形態1の給湯システム1は、貯湯式給湯機2、台所リモコン25、及び浴室リモコン26を備える。台所リモコン25は、台所に設置される。浴室リモコン26は、浴室に設置される端末装置の例である。台所リモコン25は、浴室以外の場所に設置される端末装置の例である。給湯システム1は、台所リモコン25に代えて、または台所リモコン25に加えて、浴室及び台所以外の場所に設置される他の端末装置を備えてもよい。
【0011】
貯湯式給湯機2は、貯湯ユニット3及びヒートポンプユニット28を備える。ヒートポンプユニット28は、水を加熱する加熱手段の例である。ヒートポンプユニット28には、圧縮機、水冷媒熱交換器、例えば膨張弁などの減圧装置、及び、蒸発器である空気熱交換器を冷媒配管で順次接続した冷凍サイクル装置(図示省略)が備えられている。
【0012】
貯湯ユニット3内には、貯湯タンク4が備えられている。貯湯タンク4は、蓄熱回路24を介して、ヒートポンプユニット28に接続されている。蓄熱回路24は、貯湯タンク4の下部とヒートポンプユニット28の水冷媒熱交換器の水の入口とを接続する通路と、水冷媒熱交換器の水の出口と貯湯タンク4の上部とを接続する通路とを有する。蓄熱回路24の途中には循環ポンプ27が配置されている。
【0013】
貯湯タンク4の内部には、温度の違いによる水の密度の差により、上側が高温で下側が低温になる温度成層を形成できる。貯湯タンク4には、貯湯タンク4の内部の鉛直方向の温度分布を検知するための複数の温度センサが配置されている。本実施の形態では、以下の温度センサが配置されている。第1の温度センサ5aは、貯湯タンク4の最上部からの容積が0Lの位置、すなわち貯湯タンク4の最上部の位置にある。第2の温度センサ5bは、貯湯タンク4の最上部からの容積が50Lの位置にある。第3の温度センサ5cは、貯湯タンク4の最上部からの容積が100Lの位置にある。第4の温度センサ5dは、貯湯タンク4の最上部からの容積が150Lの位置にある。本実施の形態では、温度センサ5a〜5dで検知される温度により、貯湯タンク4内にある湯量及び熱量を検知できる。
【0014】
貯湯式給湯機2は、蓄熱運転を実施できる。蓄熱運転は、高温の湯を貯湯タンク4に蓄積する運転である。蓄熱運転は、貯湯タンク4の蓄熱量を増加させる運転である。蓄熱運転では、以下のようになる。循環ポンプ27及びヒートポンプユニット28が運転される。貯湯タンク4の下部から取り出された水がヒートポンプユニット28内の水冷媒熱交換器に導かれる。温度センサ5eは、ヒートポンプユニット28に入る水の温度を検知する。水冷媒熱交換器で加熱されることで高温になった湯が、貯湯タンク4へ戻り、貯湯タンク4の上部に流入する。貯湯タンク4の上部に対する蓄熱回路24の接続位置には、温度センサ6が配置されている。温度センサ6によれば、ヒートポンプユニット28から貯湯タンク4の上部へ戻る湯の温度を検知できる。
【0015】
一般給湯側電動混合弁7は、貯湯タンク4の上部に接続された給湯管8を通って供給される湯すなわち高温水と、水道管等の水源に接続された給水管9を通って供給される低温水とを混合することにより、設定温度の湯を生成する。その湯は、混合給湯管10を経由して、蛇口(図示省略)へ供給される。本明細書において、「蛇口」とは、例えば、浴室にあるシャワー及び給湯栓、流し台の給湯栓、洗面台の給湯栓などを含みうる。
【0016】
給水管9には、給水温度センサ23が設けられ、給水管9を流れる水の温度を検知する。混合給湯管10には、給湯用流量センサ19及び給湯用温度センサ20が設置されている。給湯用流量センサ19は、蛇口への給湯流量を検知する。給湯用温度センサ20は、蛇口への給湯温度を検知する。
【0017】
風呂給湯側電動混合弁11は、給湯管8を通って供給される湯すなわち高温水と、給水管9を通って供給される低温水とを混合することにより、設定温度の湯を生成する。その湯は、混合風呂管18、風呂側循環回路12を経由して、浴室にある浴槽(図示省略)へ供給される。貯湯式給湯機2は、浴槽への湯はりを行う湯はり動作を実施できる。湯はり動作では、給湯の開始及び停止は、混合風呂管18に設けられた電磁弁13により制御される。混合風呂管18には、風呂用流量センサ21及び風呂用温度センサ22が設置されている。風呂用流量センサ21は、浴槽への給湯流量を検知する。風呂用温度センサ22は、浴槽への給湯温度を検知する。一般給湯側電動混合弁7及び風呂給湯側電動混合弁11は、高温水と低温水とを混合することで給湯温度を調整する混合手段の例である。
【0018】
風呂側循環回路12は、風呂循環ポンプ14により浴槽から浴槽水を引き込み、熱交換器15を経由して浴槽に戻る経路である。タンク側循環回路16は、貯湯タンク4の上部から貯湯タンク4内の湯を循環ポンプ17で引き込み、熱交換器15を経由して貯湯タンク4の下部に繋がる経路である。貯湯式給湯機2は、浴槽に貯留された浴槽水を加熱する追い焚き動作を実施できる。追い焚き動作時には、以下のようになる。風呂循環ポンプ14及び循環ポンプ17が運転される。風呂循環ポンプ14により浴槽から風呂側循環回路12に引き込まれた浴槽水と、循環ポンプ17により貯湯タンク4の上部からタンク側循環回路16に引き込まれた高温湯とが、熱交換器15にて熱を交換する。熱交換器15で加熱された浴槽水が浴槽へ戻る。浴槽温度が設定温度まで上昇したことを検知したときに、風呂循環ポンプ14及び循環ポンプ17の動作を停止することで、追い焚き動作を自動的に終了してもよい。
【0019】
貯湯式給湯機2は、制御装置50を備える。ヒートポンプユニット28、循環ポンプ27、温度センサ5a〜5e、温度センサ6、一般給湯側電動混合弁7、風呂給湯側電動混合弁11、電磁弁13、風呂循環ポンプ14、循環ポンプ17、給湯用流量センサ19、給湯用温度センサ20、風呂用流量センサ21、風呂用温度センサ22、及び給水温度センサ23は、それぞれ、制御装置50に対して電気的に接続されている。台所リモコン25及び浴室リモコン26は、制御装置50に対して双方向にデータ通信可能に接続されている。台所リモコン25及び浴室リモコン26と、制御装置50との間の通信は、有線通信でも無線通信でもよい。制御装置50は、給湯システム1の動作を制御する。台所リモコン25及び浴室リモコン26は、制御装置50との間で通信を行い、操作指令及び運転状態などに関する情報のデータをやり取りする。
【0020】
本実施の形態における制御装置50は、蓄熱運転制御部50a、表示制御部50b、計時部50c、給湯検知部50d、給湯量計算部50e、及びモード設定部50fを備える。
【0021】
蓄熱運転制御部50aは、蓄熱運転を制御する。蓄熱運転には、主蓄熱運転及び追加蓄熱運転が含まれてもよい。主蓄熱運転は、電力量料金単価が割安になる時間帯、例えば夜間時間帯において実施されてもよい。主蓄熱運転は、一日に使用される熱量のうちの多くの部分を貯湯タンク4に蓄積するように実施されてもよい。蓄熱運転制御部50aは、毎日の総使用熱量を学習し、過去所定期間、例えば過去2週間の総使用熱量を統計的に処理した情報に基づいて、主蓄熱運転の目標蓄熱量を決定してもよい。追加蓄熱運転は、貯湯タンク4の湯切れを防止するために、貯湯タンク4に熱量を追加する運転である。
【0022】
表示制御部50bは、台所リモコン25及び浴室リモコン26が備える表示手段の表示を制御する。表示手段については後述する。計時部50cは、時刻及び日付(曜日を含んでもよい)を計時する。
【0023】
給湯検知部50dは、貯湯ユニット3から外部への給湯が実行されているか否かを検知する。給湯検知部50dは、給湯用流量センサ19の出力に基づいて、蛇口への給湯が実行されているか否かを検知してもよい。給湯検知部50dは、給湯用流量センサ19の出力が基準値に比べて大きい場合に蛇口への給湯が実行されていると判定し、そうでない場合に蛇口への給湯が実行されていないと判定してもよい。
【0024】
給湯検知部50dは、風呂用流量センサ21の出力に基づいて、浴槽への給湯が実行されているか否かを検知してもよい。給湯検知部50dは、風呂用流量センサ21の出力が基準値に比べて大きい場合に浴槽への給湯が実行されていると判定し、そうでない場合に浴槽への給湯が実行されていないと判定してもよい。
【0025】
給湯量計算部50eは、貯湯ユニット3から外部への給湯量を計算する。給湯量計算部50eは、給湯用流量センサ19で検知される蛇口への給湯流量を積算することで、蛇口への給湯量を計算してもよい。その際、給湯量計算部50eは、給湯用温度センサ20で検知された実際の給湯温度での給湯量を、所定温度(例えば40℃)での給湯量に換算してもよい。給湯量計算部50eは、風呂用流量センサ21で検知される浴槽への給湯流量を積算することで、浴槽への給湯量を計算してもよい。その際、給湯量計算部50eは、風呂用温度センサ22で検知された実際の給湯温度での給湯量を、所定温度(例えば40℃)での給湯量に換算してもよい。
【0026】
モード設定部50fは、台所リモコン25または浴室リモコン26に入力されるユーザー操作などに基づいて、貯湯式給湯機2の各種の制御モードを設定する。例えば、モード設定部50fは、蓄熱運転の制御モードとして、「おまかせモード」、「多めモード」などを設定可能でもよい。「おまかせモード」とは、例えば、過去所定期間、例えば過去2週間の平均的な総使用熱量に基づく熱量を貯湯タンク4に確保するように制御するモードである。「多めモード」とは、「おまかせモード」よりも多めの熱量を貯湯タンク4に確保するように制御するモードである。
【0027】
また、本実施の形態では、モード設定部50fは、「水供給モード」を設定可能である。「水供給モード」とは、一般給湯側電動混合弁7の低温水の混合割合を最大に固定する制御モードである。「水供給モード」では、一般給湯側電動混合弁7の開度を、給湯管8側を全閉、給水管9側を全開、にしてもよい。寒冷地方では、貯湯ユニット3内の混合給湯管10、及び、貯湯ユニット3が外部から蛇口までの配管の凍結を予防するために、夜間に混合給湯管10に水を流したままにするような使い方をされることがある。そのような使い方をする場合に、「水供給モード」を設定することで、貯湯タンク4の湯の使用量を抑えることができる。「水供給モード」において、一般給湯側電動混合弁7の給湯管8側の開度を全閉の状態にしても、一般給湯側電動混合弁7の弁体の隙間から微小な湯の漏れが発生することで、貯湯タンク4の湯の使用量はゼロにはならない。
【0028】
図2は、実施の形態1の給湯システム1が備える台所リモコン25の外観図である。台所リモコン25及び浴室リモコン26は、同一または類似の基本構成を有する。以下では、代表して台所リモコン25を例に説明するが、浴室リモコン26についても台所リモコン25と同様である。
【0029】
図2に示すように、台所リモコン25は、操作部29及び表示部30を備える。操作部29は、ユーザーが操作する複数の入力スイッチを有する。ユーザーは、操作部29を操作することで、例えば、給湯温度の設定、湯はり動作、追い焚き動作等の指令または予約、蓄熱運転の制御モードの選択、「水供給モード」の設定/非設定、などに関する入力操作を行うことができる。表示部30は、例えば、液晶表示パネル、有機EL表示パネルなどのフラットディスプレイパネルを用いて構成される。表示部30は、文字、図形、キャラクタ等を視覚表示することで情報を表示できる。表示部30は、表示手段の例である。台所リモコン25は、音声ガイダンス装置などをさらに備えてもよい。
【0030】
図2は、表示部30の表示画面がトップ画面31であるときの状態を表す。トップ画面31は、蓄熱運転の制御モードに関する設定情報31aと、現在時刻31bと、蓄熱運転が実行中か否かの運転情報31cと、貯湯タンク4内にある湯量または熱量の情報である残湯熱量情報31dとを含む。
【0031】
図2に示すトップ画面31の例では、以下のようになっている。設定情報31aとして「おまかせ」の文字が表示されている。これは、「おまかせモード」が設定されていることを示す。運転情報31cとして「わき上げ中」の文字が表示されている。これは、蓄熱運転が実行中であることを示す。残湯熱量情報31dとして「残湯100L」の文字が表示されている。これは、貯湯タンク4内にある湯量または熱量が、所定温度に換算して100Lであることを示す。
【0032】
設定情報31aは、貯湯式給湯機2の設定に関する第一情報の例である。第一情報は、この例に限られるものではなく、例えば、給湯温度の設定値に関する情報を含んでもよい。
【0033】
運転情報31c及び残湯熱量情報31dは、貯湯式給湯機2の状態に関する第二情報の例である。第二情報は、この例に限られるものではなく、例えば、湯はり動作、追い焚き動作、蛇口への給湯などが実行中か否かに関する情報を含んでもよい。
【0034】
図2に示す例では、文字を用いて第一情報及び第二情報を表示しているが、図形、キャラクタ等を用いて第一情報及び第二情報を表示してもよい。トップ画面31は、第一情報及び第二情報のいずれか一方のみを含むものでもよい。
【0035】
本実施の形態では、制御装置50と、台所リモコン25及び浴室リモコン26との間は、共通の配線を介して接続されている。制御装置50は、貯湯式給湯機2の状態に関する情報などのデータを、宛先情報と共に送信することで、台所リモコン25宛ての情報と、浴室リモコン26宛ての情報とを区別して送信することができる。
【0036】
本実施の形態では、制御装置50に対して、蛇口への1日の積算給湯量の目標値を設定可能である。ユーザーは、台所リモコン25または浴室リモコン26の操作部29を操作することで、蛇口への1日の積算給湯量の目標値を設定できる。制御装置50は、給湯量計算部50eにより計算された当日の蛇口への積算給湯量が当該目標値を超えた場合には、例えば台所リモコン25及び浴室リモコン26の少なくとも一方からの音声案内によりユーザーに対して報知することで、蛇口の湯を使いすぎであることをユーザーに注意喚起してもよい。蛇口への1日の積算給湯量の目標値をユーザーが設定することに代えて、制御装置50が、過去所定期間に学習した実績値などに基づいて、蛇口への1日の積算給湯量の目標値を設定してもよい。
【0037】
同様にして、ユーザーは、台所リモコン25または浴室リモコン26の操作部29を操作することで、浴槽への1日の積算給湯量の目標値を設定してもよい。制御装置50は、給湯量計算部50eにより計算された当日の浴槽への積算給湯量が当該目標値を超えた場合には、例えば台所リモコン25及び浴室リモコン26からの音声案内によりユーザーに対して報知することで、浴槽の湯を使いすぎであることをユーザーに注意喚起してもよい。
【0038】
以下に説明するように、本実施の形態の給湯システム1は、給湯が停止した直後に、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30に、給湯量に関する第三情報を含むガイダンス表示を行う機能を有する。ガイダンス表示の実施を希望しないユーザーのために、給湯システム1は、ユーザーがガイダンス表示のON/OFFを設定可能にする手段を備えてもよい。例えば、ユーザーが台所リモコン25または浴室リモコン26の操作部29を操作することで、ガイダンス表示のON/OFFを設定できるように構成してもよい。
【0039】
次に、給湯停止直後の台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30におけるガイダンス表示について、
図3及び
図4に基づいて説明する。
図3は、実施の形態1の給湯システム1の制御動作を示すフローチャートである。
【0040】
図3のステップS1で、給湯検知部50dは、給湯用流量センサ19の出力に基づいて、蛇口への給湯が実行されているか否かを判断する。蛇口への給湯が実行中である場合、すなわち蛇口への給湯が開始した場合には、ステップS2へ移行する。蛇口への給湯が実行中でない場合、すなわち蛇口への給湯が開始していない場合には、ステップS1を繰り返す。
【0041】
蛇口への給湯が停止した直後を除き、蛇口への給湯が非実行中のときには、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30は、原則として、
図2で説明したトップ画面31を表示している。「原則として」とは、例えば、表示部30の表示画面が変わるようなユーザー操作が操作部29に入力されない限り、という意味である。また、蛇口への給湯が実行中のときには、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30は、原則として、トップ画面31を表示している。すなわち、蛇口への給湯の最中に、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30は、トップ画面31の表示を継続する。これにより、以下のような効果が得られる。浴室でユーザーがシャワーを使用しているときに、台所にいる他のユーザーは、台所リモコン25のトップ画面31を見ることを妨げられることがない。また、台所の流し台でユーザーが食器洗いをしているときに、浴室にいる他のユーザーは、浴室リモコン26のトップ画面31を見ることを妨げられることがない。したがって、各ユーザーが、設定情報31a、運転情報31c、あるいは残湯熱量情報31dなどの情報を見ることの利便性の低下を防止できる。
【0042】
ステップS2で、給湯量計算部50eは、ステップS1からステップS2へ移行した後の給湯用流量センサ19の給湯流量を積算することで、今回の蛇口への給湯が開始した後の給湯量を計算する。ステップS2からステップS3へ移行する。
【0043】
ステップS3で、給湯量計算部50eは、当日の蛇口への積算給湯量を計算する。すなわち、給湯量計算部50eは、ステップS2で計算した給湯量と、今回の蛇口への給湯が開始する前における当日の蛇口への積算給湯量とを加算することで、現時点までの当日の蛇口への積算給湯量を計算する。ステップS3からステップS4へ移行する。
【0044】
ステップS4で、計時部50cは、今回の蛇口への給湯が開始してから現時点までの給湯連続時間を計時する。ステップS4からステップS5へ移行する。
【0045】
ステップS5で、給湯検知部50dは、給湯用流量センサ19の出力に基づいて、蛇口への給湯が実行されているか否かを判断する。蛇口への給湯が実行中である場合、すなわち今回の蛇口への給湯がまだ停止せずに続いている場合には、ステップS2へ戻る。蛇口への給湯が実行中でない場合、すなわち今回の蛇口への給湯が停止した場合には、ステップS6へ移行する。
【0046】
ステップS6で、表示制御部50bは、ステップS4で計時された今回の蛇口への給湯連続時間が30秒以上かどうかを判断する。給湯連続時間が30秒未満の場合には、本ルーチンを終了する。この場合、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30におけるガイダンス表示は実施されず、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30は、トップ画面31の表示を継続する。
【0047】
給湯連続時間が30秒以上の場合には、ステップS6からステップS7へ移行する。ステップS7で、表示制御部50bは、浴室リモコン26宛てに、今回蛇口湯量、本日蛇口湯量、及び目標蛇口湯量に関する情報と、給湯停止直後のガイダンス表示を実施する指令情報とを送信する。これらの情報を受信した浴室リモコン26の表示部30は、給湯停止直後のガイダンス表示を実施する。
【0048】
図4は、実施の形態1の給湯システム1のガイダンス表示を示す図である。
図4に示すように、浴室リモコン26の表示部30は、以下のようにして、給湯停止直後のガイダンス表示を実施する。まず、表示部30の画面が、トップ画面31から第1のガイダンス画面32に切り替えられる。第1のガイダンス画面32は、一時的に表示される。第1のガイダンス画面32が表示される時間は、例えば、5秒間でもよい。続いて、表示部30の画面が、第1のガイダンス画面32から第2のガイダンス画面33に切り替えられる。第2のガイダンス画面33は、一時的に表示される。第2のガイダンス画面33が表示される時間は、例えば、5秒間でもよい。その後、表示部30の画面が、第2のガイダンス画面33からトップ画面31に戻され、給湯停止直後のガイダンス表示を終了する。このように、ガイダンス表示が自動的に終了してトップ画面31に戻ることで、トップ画面31に戻すためのユーザー操作が不要であるので、利便性に優れる。
【0049】
第1のガイダンス画面32は、今回蛇口湯量に関する情報と、本日蛇口湯量に関する情報とを含む。今回蛇口湯量とは、今回の蛇口への給湯の開始から停止までの給湯量のことである。今回蛇口湯量は、ステップS2で計算された値である。
図4の例では、今回蛇口湯量が50Lであることをユーザーに知らせている。本日蛇口湯量とは、現時点までの当日の蛇口への積算給湯量のことである。本日蛇口湯量は、ステップS3で計算された値である。
図4の例では、本日蛇口湯量が400Lであることをユーザーに知らせている。
【0050】
第2のガイダンス画面33は、目標蛇口湯量に関する情報と、本日蛇口湯量に関する情報とを含む。目標蛇口湯量とは、前述した、蛇口への1日の積算給湯量の目標値のことである。
図4の例では、目標蛇口湯量が500Lであることをユーザーに知らせている。本実施の形態であれば、目標蛇口湯量に関する情報と、本日蛇口湯量に関する情報とを同時に表示することで、蛇口の湯を使いすぎでないかどうかをユーザーに分かりやすく知らせることができる。
【0051】
ステップS7からステップS8へ移行する。ステップS8で、表示制御部50bは、台所リモコン25宛てに、今回蛇口湯量、本日蛇口湯量、及び目標蛇口湯量に関する情報と、給湯停止直後のガイダンス表示を実施する指令情報とを送信する。これらの情報を受信した台所リモコン25の表示部30は、給湯停止直後のガイダンス表示を実施する。台所リモコン25のガイダンス表示は、
図4で説明した浴室リモコン26のガイダンス表示と同様である。
【0052】
給湯停止直後のガイダンス表示のON/OFF設定がOFFに設定されている場合は、表示制御部50bは、今回蛇口湯量、本日蛇口湯量、及び目標蛇口湯量に関する情報と、給湯停止直後のガイダンス表示を実施する指令情報とを、浴室リモコン26及び台所リモコン25宛てに送信しない。この場合には、浴室リモコン26及び台所リモコン25は、給湯停止直後に上記のようなガイダンス表示を実施せず、表示部30をトップ画面31のままにする。これにより、ガイダンス表示の実施を希望しないユーザーにも対応できる。
【0053】
今回蛇口湯量は、給湯の開始から停止までの給湯量に関する第三情報の例である。本実施の形態であれば、給湯が停止した後に、貯湯式給湯機2の設定に関する第一情報及び貯湯式給湯機2の状態に関する第二情報を含むトップ画面31に代えて、第三情報を含む第1のガイダンス画面32を表示することで、以下の効果が得られる。ユーザーは、給湯の利用を停止した直後に、台所リモコン25または浴室リモコン26の表示部30に視線を向ける可能性が高い。トップ画面31から第1のガイダンス画面32へ切り替わるときの視覚的な効果がユーザーの視線を引き付けることができる。第一情報及び第二情報の少なくとも一方の情報に代えて第三情報を表示することで、第三情報の表示面積を大きくできる。これらのことから、第三情報、すなわち今回の給湯量に関する情報をユーザーに確実に知らせることができる。その結果、ユーザーの湯の使いすぎを確実に抑制できる。
【0054】
前述したように、本実施の形態であれば、蛇口への給湯の最中は、台所リモコン25及び浴室リモコン26の表示部30は、トップ画面31の表示を継続する。このため、浴室でユーザーがシャワーを長時間使用している場合でも、台所にいる他のユーザーが台所リモコン25のトップ画面31の情報を確認したいときにそれを妨げることがない。また、台所の流し台でユーザーが長時間食器洗いをしている場合でも、浴室にいる他のユーザーが浴室リモコン26のトップ画面31の情報を確認したいときにそれを妨げることがない。
【0055】
本実施の形態では、台所リモコン25の表示部30にガイダンス画面32,33が表示されるタイミング(ステップS8)に比べて、浴室リモコン26の表示部30にガイダンス画面32,33が表示されるタイミング(ステップS7)が早い。これにより、以下のような効果が得られる。一般的に、台所にて蛇口を使用していたユーザーよりも、浴室で蛇口(シャワー)を使用していたユーザーの方が、リモコンを見やすい場所にいることが多い。このため、浴室リモコン26に先に情報を送信し、ガイダンス画面32,33をより早く表示させることで、利便性がより高くなる。なお、浴室リモコン26の表示部30は、浴室内表示部の例であり、台所リモコン25の表示部30は、浴室外表示部の例である。
【0056】
本実施の形態では、ステップS6の処理を行うことで、以下の効果が得られる。給湯の開始から停止までの時間、すなわち給湯連続時間が基準(例えば30秒)に満たないときには、ガイダンス表示を実施せず、トップ画面31を維持する。蛇口からの細切れの短時間の出湯、あるいは蛇口からの意図しない少量の出湯のときに、ガイダンス表示がされてしまうと、ユーザーに対し、表示部30の表示がチラつくことによる煩わしさ、あるいは違和感を与える可能性がある。本実施の形態であれば、そのようなことを防止できる。給湯連続時間に代えて、給湯の開始から停止までの給湯量が基準(例えば30L)に満たないときに、ガイダンス表示を実施せず、トップ画面31を維持するようにしてもよい。その場合でも、上記と類似の効果が得られる。
【0057】
制御装置50は、「水供給モード」が設定されている場合には、給湯停止直後のガイダンス表示を実施しないように制御してもよい。「水供給モード」が設定されているときには湯が一切使用されない、と誤って認識しているユーザーがいる可能性がある。前述したように、実際には、「水供給モード」が設定されているときにも、一般給湯側電動混合弁7の弁体の隙間から微小な湯の漏れが発生することで、湯の使用量はゼロにはならない。そのような僅かな使用量に対して給湯量の情報を表示してしまうと、ユーザーに不要な違和感を与える可能性がある。そのような可能性を排除するため、「水供給モード」が設定されている場合には、給湯停止直後のガイダンス表示を実施しないことが望ましい。
【0058】
本日蛇口湯量は、当日の積算給湯量に関する第四情報の例である。本実施の形態では、第1のガイダンス画面32にて、第四情報(本日蛇口湯量)を第三情報(今回蛇口湯量)と共に表示している。このような構成に限らず、第三情報(今回蛇口湯量)が表示された後に第四情報(本日蛇口湯量)を表示してもよい。
【0059】
目標蛇口湯量は、1日の積算給湯量の目標値に関する第五情報の例である。本実施の形態では、第2のガイダンス画面33にて、第五情報(目標蛇口湯量)を第四情報(本日蛇口湯量)と共に表示している。このような構成に限らず、第四情報(本日蛇口湯量)が表示された後に第五情報(目標蛇口湯量)を表示してもよい。
【0060】
本実施の形態では、蛇口への給湯に対する給湯停止後のガイダンス表示を実施する場合を例に説明した。このような例に限らず、浴槽への給湯に対する給湯停止後のガイダンス表示を同じようにして実施してもよい。その場合には、風呂用流量センサ21で検知される情報に基づいて、ガイダンス画面に表示する情報を作成できる。当該ガイダンス画面には、今回の浴槽への給湯量(今回ふろ湯量)、当日の浴槽への積算給湯量(本日ふろ湯量)、一日の浴槽への積算給湯量の目標値(目標ふろ湯量)などの情報を表示してもよい。制御装置50は、蛇口への給湯停止後のガイダンス表示と、浴槽への給湯停止後のガイダンス表示とを区別する種別情報とともに、給湯量などの情報を台所リモコン25及び浴室リモコン26に送信すればよい。
【0061】
実施の形態1の給湯システム1が備える制御装置50の各機能は、処理回路により実現されてもよい。制御装置50の処理回路は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備えてもよい。処理回路が少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを備える場合、制御装置50の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述されてもよい。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリに格納されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置50の各機能を実現してもよい。少なくとも1つのメモリは、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク等を含んでもよい。
【0062】
制御装置50の処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェアを備えてもよい。処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェアを備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものでもよい。制御装置50の各部の機能がそれぞれ処理回路で実現されても良い。また、制御装置50の各部の機能がまとめて処理回路で実現されても良い。制御装置50の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、他の一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置50の各機能を実現しても良い。
【0063】
単一の制御装置により給湯システム1の動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の制御装置が連携することで給湯システム1の動作を制御する構成にしてもよい。