特許第6623899号(P6623899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623899
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】蓄電装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/30 20060101AFI20191216BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20191216BHJP
   H01G 11/84 20130101ALI20191216BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20191216BHJP
【FI】
   H01M2/30 D
   H01M2/34 B
   H01G11/84
   H01G11/74
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-67834(P2016-67834)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-183059(P2017-183059A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】栗田 幹也
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−239432(JP,A)
【文献】 特開2012−142298(JP,A)
【文献】 特開2014−139883(JP,A)
【文献】 特開2014−186927(JP,A)
【文献】 特開2008−140628(JP,A)
【文献】 特開2012−004105(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/30
H01G 11/74
H01G 11/84
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる極性の電極が互いに絶縁されて積層された状態の電極組立体と、
前記電極組立体を収容したケースと、
前記ケースの壁部の外側に配置された外部接続端子と、
前記電極組立体と電気的に接続され、前記壁部を貫通して外部に突出した状態の引出端子と、
前記壁部の外側に配置され、かつ前記引出端子と前記外部接続端子とを接続した端子接続部材と、
前記壁部の外側で前記外部接続端子と前記壁部とを絶縁し、かつ前記壁部からの前記引出端子の突出方向に沿って該引出端子が貫通する外側絶縁部材と、を備え、
前記外側絶縁部材は、前記端子接続部材に向けて突出した形状の位置決め突部を有し、
前記端子接続部材は、前記外部接続端子が圧入された圧入孔と、
前記引出端子が挿通された挿通孔と、
前記位置決め突部が係合した係合孔と、を有し、
前記圧入孔と前記係合孔とが前記端子接続部材の面方向に並設されている蓄電装置の製造方法であって、
前記端子接続部材の前記係合孔に治具を嵌めた状態で前記圧入孔に前記外部接続端子を圧入する工程と、
前記治具を前記係合孔から取り外す工程と、
前記圧入孔に前記外部接続端子が圧入された前記端子接続部材の前記係合孔に前記外側絶縁部材の前記位置決め突部を挿入する工程と、を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法。
【請求項2】
前記端子接続部材は矩形状であり、前記面方向は長手方向であって、前記係合孔は前記端子接続部材の短手方向に長手が延びる長孔状であり、前記治具は細長の柱状である請求項1に記載の蓄電装置の製造方法。
【請求項3】
前記蓄電装置は二次電池である請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部接続端子と外側絶縁部材を備える蓄電装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、電動機などへの供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などが搭載されている。一般的に、二次電池は、活物質層を有する正極電極及び負極電極が層状に重なった電極組立体と、該電極組立体を収容するケースとを備えている。正極電極及び負極電極には導電部材を介して端子構造が接続されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の電池の端子構造は、図6に示すように、蓋板80を貫通して外部に突出するリベット端子81を備える。また、端子構造は、蓋板80上に配置された上部絶縁封止板82を備える。上部絶縁封止板82には、リベット端子81の下端カシメ部81aが貫通している。
【0004】
端子構造は、上部絶縁封止板82上に配置された端子接続杆83を備える。端子接続杆83は嵌合孔83aを備え、この嵌合孔83aにはリベット端子81の上端カシメ部81bが嵌入されている。
【0005】
リベット端子81の下端カシメ部81a及び上端カシメ部81bのカシメにより、蓋板80と、上部絶縁封止板82と、端子接続杆83が挟持されている。また、カシメにより、リベット端子81と端子接続杆83が電気的に接続されている。
【0006】
端子構造は、端子ボルト84を備える。端子ボルト84は、ボルト部84aを備える。ボルト部84aは、端子接続杆83の貫通孔83bに嵌合されている。
特許文献1の端子構造は、リベット端子81に位置決め突部となる突起部81cを備える。この突起部81cは、端子接続杆83の係合孔としての副嵌合孔83cに嵌入され、突起部81cは副嵌合孔83cの内面に係合している。突起部81cの副嵌合孔83cへの嵌入により、カシメ部81a,81bを中心とした端子接続杆83の回転が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−92103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1の端子構造において、その組み付け性を向上させるため、端子ボルト84を端子接続杆83の貫通孔83bに予め嵌合して一体化した後、端子接続杆83の嵌合孔83aにリベット端子81の上端カシメ部81bを貫通させる場合がある。しかし、端子ボルト84を端子接続杆83に嵌合した際、嵌合によって端子接続杆83が変形してしまう虞がある。すると、端子接続杆83の変形により、副嵌合孔83cの開口幅が狭くなるように変形してしまい、副嵌合孔83cに突起部81cを嵌入できなくなってしまう。その結果、突起部81cを副嵌合孔83cに係合させることができず、端子接続杆83の回転が抑制できなくなる。
【0009】
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、係合孔の変形を抑制することができる蓄電装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するための蓄電装置の製造方法は、異なる極性の電極が互いに絶縁されて積層された状態の電極組立体と、前記電極組立体を収容したケースと、前記ケースの壁部の外側に配置された外部接続端子と、前記電極組立体と電気的に接続され、前記壁部を貫通して外部に突出した状態の引出端子と、前記壁部の外側に配置され、かつ前記引出端子と前記外部接続端子とを接続した端子接続部材と、前記壁部の外側で前記外部接続端子と前記壁部とを絶縁し、かつ前記壁部からの前記引出端子の突出方向に沿って該引出端子が貫通する外側絶縁部材と、を備え、前記外側絶縁部材は、前記端子接続部材に向けて突出した形状の位置決め突部を有し、前記端子接続部材は、前記外部接続端子が圧入された圧入孔と、前記引出端子が挿通された挿通孔と、前記位置決め突部が係合した係合孔と、を有し、前記圧入孔と前記係合孔とが前記端子接続部材の面方向に並設されている蓄電装置の製造方法であって、前記端子接続部材の前記係合孔に治具を嵌めた状態で前記圧入孔に前記外部接続端子を圧入する工程と、前記治具を前記係合孔から取り外す工程と、前記圧入孔に前記外部接続端子が圧入された前記端子接続部材の前記係合孔に前記外側絶縁部材の前記位置決め突部を挿入する工程と、を含むことを要旨とする。
【0011】
これによれば、係合孔に治具を嵌めた状態で外部接続端子を圧入孔に圧入する。このとき、端子接続部材における圧入孔の周囲は、端子接続部材の面方向に沿って圧入孔を広げる方向に変形する。端子接続部材は、係合孔の開口幅が狭くなるように変形しようとするが、係合孔の内面が治具に当たって係合孔の変形が規制される。このため、治具を係合孔から取り外した後の工程において、外側絶縁部材の位置決め突部を係合孔に挿入し、係合孔の内面に位置決め突部を係合させることができる。
【0012】
また、蓄電装置の製造方法について、前記端子接続部材は矩形状であり、前記面方向は長手方向であって、前記係合孔は前記端子接続部材の短手方向に長手が延びる長孔状であり、前記治具は細長の柱状であってもよい。
【0013】
これによれば、圧入孔に外部接続端子を圧入したとき、端子接続部材の短手方向のいずれの位置で係合孔に向けた変形が発生しても、その変形を治具で規制することが可能になる。
【0014】
また、前記蓄電装置は二次電池である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、係合孔の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の二次電池を示す分解斜視図。
図2】実施形態の二次電池の外観を示す斜視図。
図3】端子構造を示す断面図。
図4】治具を示す斜視図。
図5】(a)は係合孔に治具を嵌めた状態を示す断面図、(b)は外部接続端子の圧入後に、治具を取り外した状態を示す断面図。
図6】背景技術を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、蓄電装置の製造方法を二次電池の製造方法に具体化した一実施形態を図1図5にしたがって説明する。
図1又は図2に示すように、蓄電装置としての二次電池10はケース11を備える。二次電池10は、ケース11内に収容された電極組立体12及び電解液(図示せず)を備える。ケース11は、四角箱状のケース部材14と、このケース部材14の開口部14aを閉塞する矩形平板状の蓋部材15とを有している。蓋部材15は、ケース11の壁部を構成する。本実施形態の二次電池10はリチウムイオン電池である。
【0018】
電極組立体12は、シート状の複数の正極電極21とシート状の複数の負極電極31とを備える。正極電極21と負極電極31とは異なる極性の電極である。詳細に図示しないが、正極電極21は、正極金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)と、その正極金属箔の両面に存在する正極活物質層とを有する。負極電極31は、負極金属箔(本実施形態では銅箔)と、その負極金属箔の両面に存在する負極活物質層とを有する。そして、電極組立体12は、複数の正極電極21と複数の負極電極31の間にこれらを絶縁するセパレータ24を介在させて層状とした積層型である。
【0019】
正極電極21は、正極電極21の一辺の一部から突出した形状のタブ25を有する。負極電極31は、負極電極31の一辺の一部から突出した形状のタブ35を有する。複数の正極のタブ25、及び複数の負極のタブ35は、正極電極21及び負極電極31が積層された状態で、正極のタブ25と負極のタブ35とが重ならない位置にそれぞれ設けられている。電極組立体12は、タブ25,35の突出したタブ側端面12bを有する。
【0020】
二次電池10は、タブ側端面12bから突出した正極のタブ群36を有する。正極のタブ群36は、全ての正極のタブ25を電極組立体12における積層方向の一端側に寄せ集め、積層して構成されている。二次電池10は、タブ側端面12bから突出した負極のタブ群36を有する。負極のタブ群36は、全ての負極のタブ35を電極組立体12における積層方向の一端側に寄せ集め、積層して構成されている。
【0021】
正極のタブ群36には正極の導電部材51が接合されている。正極の導電部材51の長手方向一端側には正極のタブ群36が接合されている。正極の導電部材51の長手方向他端側には正極の引出端子60が接合されている。
【0022】
負極のタブ群36には負極の導電部材51が接合されている。負極の導電部材51の長手方向一端側には負極のタブ群36が接合されている。負極の導電部材51の長手方向他端側には負極の引出端子60が接合されている。各導電部材51は、蓋部材15の内面15dと電極組立体12のタブ側端面12bとの間に配置されている。
【0023】
次に、正極端子構造16及び負極端子構造17を説明する。なお、正極端子構造16と負極端子構造17は概ね同じ構成であるため、共通の部材については、同じ部材番号を使用して説明する。また、図3には、正極端子構造16のみを図示する。
【0024】
図1又は図3に示すように、蓋部材15は、ケース11の外側に臨む外面15c及びケース11の内側に臨む内面15dを有する。蓋部材15において、外面15cと内面15dを最短距離で結ぶ方向を厚み方向とする。
【0025】
蓋部材15は、長手方向における両側に係止凸部18を備える。各係止凸部18は、外面15cから厚み方向に沿って突出した形状である。蓋部材15を外面15cから見て、係止凸部18は、蓋部材15の長手方向に長手が延びる突条形状である。各係止凸部18は、蓋部材15の短手方向の中央に位置する。蓋部材15は、長手方向における各係止凸部18より外側に挿通孔15eを備える。
【0026】
正極端子構造16及び負極端子構造17は、蓋部材15の外面15cに配置された外側絶縁部材57を備える。正極端子構造16において、外側絶縁部材57は、正極の外部接続端子66及び引出端子60を蓋部材15から絶縁する。負極端子構造17において、外側絶縁部材57は、負極の外部接続端子66及び引出端子60を蓋部材15から絶縁する。
【0027】
外側絶縁部材57は合成樹脂製である。外側絶縁部材57は、蓋部材15の外面15cから見て矩形状である。外側絶縁部材57の長手方向は、蓋部材15の長手方向に沿い、外側絶縁部材57の短手方向は、蓋部材15の短手方向に沿う。外側絶縁部材57は、蓋部材15の外面15cに対峙する裏面57aと、裏面57aと平行な表面57cを有する。外側絶縁部材57において、裏面57aと表面57cを結ぶ方向を厚み方向とする。
【0028】
外側絶縁部材57は、長手方向の一端寄りに位置決め突部58を備える。位置決め突部58は、表面57cから厚み方向に突出した形状である。位置決め突部58は、外側絶縁部材57の短手方向に長手が延びる細長形状である。
【0029】
外側絶縁部材57は、長手方向の一端寄りに、裏面57aから厚み方向に凹んだ回り止め凹部59を備える。回り止め凹部59は、蓋部材15の長手方向に長手が延びる細長状である。回り止め凹部59の開口形状は、蓋部材15を外面15cから見た係止凸部18の外形状と相似であり、係止凸部18の外形状より一回り小さい。
【0030】
外側絶縁部材57は、回り止め凹部59に係止凸部18が挿入された状態で蓋部材15の外面15cに設置されている。回り止め凹部59の内側面は、係止凸部18の外側面に接触している。ここで、蓋部材15はケース部材14に固定されている。このため、係止凸部18の外側面に対する回り止め凹部59の内側面の接触により、外側絶縁部材57は、蓋部材15の外面15cに沿う方向への移動が規制され、特に、外面15c上での回転が規制されている。
【0031】
外側絶縁部材57は、長手方向の他端寄りに挿通孔57dを備える。挿通孔57dは、蓋部材15の挿通孔15eと一致した位置にある。
正極端子構造16及び負極端子構造17は、蓋部材15の外側に配置された外部接続端子66を備える。外部接続端子66は蓋部材15の外側で、二次電池10同士を電気的に接続するバスバーを固定可能とする。外部接続端子66は金属製である。
【0032】
外部接続端子66は、円板状のボルト頭部67と、外部接続端子66の軸方向に沿ってボルト頭部67の一端面から突出した形状の軸部68とを備える。軸部68には、バスバー締結用のナットが螺合可能である。ボルト頭部67は、軸部68より大径である。
【0033】
正極端子構造16及び負極端子構造17は、引出端子60を備える。引出端子60は、導電部材51を介してタブ群36と電気的に接続されている。よって、引出端子60は電極組立体12と電気的に接続されている。引出端子60は、後述の端子接続部材44と電気的に接続される接続用軸部60aと、導電部材51と電気的に接続される基部60bとを軸方向に連続して備える。引出端子60は、基部60bを導電部材51に接合して導電部材51と一体化されている。
【0034】
正極端子構造16及び負極端子構造17は端子接続部材44を備える。端子接続部材44は、矩形板状である。端子接続部材44は、外側絶縁部材57に臨む裏面44aと、ケース11の外側に臨む表面44bを有する。端子接続部材44において裏面44aと表面44bを最短距離で結ぶ方向を厚み方向とする。
【0035】
端子接続部材44は、端子接続部材44の面方向である長手方向の一端寄りに係合孔45を備える。係合孔45は、端子接続部材44を厚み方向に貫通する。係合孔45は、端子接続部材44の短手方向に細長な長孔状である。二次電池10の製造の際、係合孔45には、治具52が嵌められる。
【0036】
図4に示すように、治具52は例えば鉄製である。治具52は、四角板状の基板53と、基板53から突出した細長な柱状の係合突条54と、を備える。係合突条54の長手方向への寸法L1は、係合孔45の長手方向への寸法N1より僅かに小さく、係合突条54の短手方向の寸法L2は、係合孔45の短手方向の寸法N2より僅かに小さい。係合突条54が係合孔45に嵌められると、係合突条54の外側面は、係合孔45の内面の全体に亘って接触する。
【0037】
図1又は図3に示すように、係合孔45には、外側絶縁部材57の位置決め突部58が挿入されている。係合孔45の内側面には、位置決め突部58の外側面が接触している。この接触により、端子接続部材44は、外側絶縁部材57の表面57cに沿う方向への移動が規制され、特に、表面57c上での回転が規制されている。
【0038】
端子接続部材44は、長手方向に沿って係合孔45に隣接する位置に圧入孔47を備える。圧入孔47は、円形状である。また、圧入孔47の孔径は、外部接続端子66の圧入前は、外部接続端子66の軸部68の直径より僅かに大きい。
【0039】
圧入孔47には、ボルト頭部67が圧入されている。ボルト頭部67の圧入孔47への圧入により、外部接続端子66が端子接続部材44に回り止めされた状態で一体化されている。端子接続部材44において、圧入孔47に外部接続端子66が挿入され、ボルト頭部67が圧入されることで、端子接続部材44の裏面44a側が拡径するとともに、ボルト頭部67の端面が係合した係合面44cが形成されている。
【0040】
端子接続部材44は、長手方向の他端寄りに挿通孔48を備える。挿通孔48は、端子接続部材44を厚み方向に貫通する。挿通孔48は円形状である。挿通孔48には、引出端子60の接続用軸部60aが挿通されている。接続用軸部60aは、内側絶縁部材40の挿通孔40a、蓋部材15の挿通孔15e、外側絶縁部材57の挿通孔57d及び端子接続部材44の挿通孔48を貫通している。
【0041】
正極端子構造16及び負極端子構造17は、シールリング73を有する。シールリング73には、引出端子60の接続用軸部60aが挿通されている。シールリング73は、引出端子60の基部60bに支持されている。また、正極端子構造16及び負極端子構造17は、接続用軸部60aが挿通された前述の内側絶縁部材40を有する。内側絶縁部材40は、四角板状である。
【0042】
内側絶縁部材40の内側には、シールリング73が配置されている。内側絶縁部材40は基部60bを覆っている。内側絶縁部材40は、蓋部材15と引出端子60の接触を規制するとともに、蓋部材15と引出端子60とを絶縁する。
【0043】
端子接続部材44の挿通孔48を貫通した接続用軸部60aの先端部が軸方向にかしめられることにより、接続用軸部60aと基部60bによって、内側絶縁部材40、蓋部材15、外側絶縁部材57、及び端子接続部材44が挟持されている。この挟持により、引出端子60が蓋部材15に固定されている。シールリング73は、蓋部材15の内面15dのうち挿通孔15eの周囲に密接し、蓋部材15の挿通孔15eをシールしている。
【0044】
また、引出端子60の接続用軸部60aの先端部は、端子接続部材44の表面に係止するとともに、この係止によって引出端子60と端子接続部材44が電気的に接続されている。また、引出端子60の基部60bは、導電部材51に接触し、この接触によって、引出端子60と導電部材51が電気的に接続されている。
【0045】
次に、二次電池10の製造方法を作用とともに記載する。
まず、蓋部材15の各係止凸部18を外側絶縁部材57の回り止め凹部59に挿入した状態で蓋部材15の外面15cに外側絶縁部材57を配置する。
【0046】
次に、図5(a)に示すように、端子接続部材44の係合孔45に、治具52の係合突条54を嵌める工程を行う。治具52は、基板53が端子接続部材44の裏面44aに当接するまで係合突条54を係合孔45に嵌める。この工程により、係合突条54の外側面が係合孔45の内面の全体に亘って接触する。
【0047】
次に、圧入孔47に外部接続端子66のボルト頭部67を圧入する工程を行い、端子接続部材44と外部接続端子66を一体化する。
次に、図5(b)に示すように、係合孔45から係合突条54を抜き取り、端子接続部材44から治具52を取り外す工程を行う。
【0048】
次に、圧入孔47に外部接続端子66が圧入された端子接続部材44の係合孔45に外側絶縁部材57の位置決め突部58を挿入する工程を行う。すると、端子接続部材44が外側絶縁部材57の表面57cに配置される。
【0049】
次に、蓋部材15の内面15d側にシールリング73、内側絶縁部材40を配置する。引出端子60の接続用軸部60aを、内側絶縁部材40の挿通孔40a、シールリング73、蓋部材15の挿通孔15e、外側絶縁部材57の挿通孔57d及び端子接続部材44の挿通孔48に挿入する。そして、引出端子60の接続用軸部60aのかしめにより、基部60bと接続用軸部60aの先端部との間に、内側絶縁部材40、シールリング73、蓋部材15、外側絶縁部材57、及び端子接続部材44が一体化される。
【0050】
次に、各引出端子60の基部60bに導電部材51を接合する。すると、蓋部材15に正極端子構造16及び負極端子構造17が形成される。そして、各導電部材51に同じ極性のタブ群36を接合する。
【0051】
電極組立体12をケース部材14の開口部14aからケース部材14内に挿入する。電極組立体12がケース部材14内に挿入された後、蓋部材15をケース部材14の開口端に接合すると、二次電池10が製造される。
【0052】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)端子接続部材44の係合孔45に治具52の係合突条54を嵌めた状態で、圧入孔47に外部接続端子66を圧入するようにした。このため、圧入孔47に外部接続端子66を圧入した際の端子接続部材44の変形を、治具52の係合突条54で受け止めることができる。よって、圧入孔47に隣接した係合孔45が、圧入孔47への外部接続端子66の圧入によって変形することを規制できる。その結果、係合孔45に外側絶縁部材57の位置決め突部58を挿入して位置決め突部58を係合孔45に係合させることができる。したがって、端子接続部材44に外部接続端子66を圧入する構造としても、外側絶縁部材57に対する端子接続部材44の回り止め状態を維持できる。
【0053】
(2)係合孔45は、端子接続部材44の短手方向に長手が延びる長孔状であり、係合突条54は、係合孔45に嵌められる細長の柱状である。このため、圧入孔47に外部接続端子66を圧入した際、端子接続部材44がその短手方向のいずれの位置で変形しても、その変形を係合突条54で規制することができる。
【0054】
(3)治具52の係合突条54の外側面は、係合孔45の内面の全体に亘って接触する。このため、圧入孔47に外部接続端子66を圧入した際、端子接続部材44がその短手方向全体に亘って変形しても、その変形を治具52で受け止め、係合孔45の変形を規制することができる。
【0055】
(4)係合孔45に嵌められる治具52は1つである。このため、治具52を複数の分割体とする場合と比べると、係合孔45に治具52を嵌める作業が行いやすい。
(5)治具52において、係合突条54の長手方向への寸法L1は、係合孔45の長手方向への寸法N1より僅かに小さく、係合突条54の短手方向の寸法L2は、係合孔45の短手方向の寸法N2より僅かに小さい。このため、係合突条54を係合孔45に嵌めることで端子接続部材44が変形することが無く、係合孔45に治具52を嵌めることで圧入孔47が変形することが無い。
【0056】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 治具52は、複数の分割体であってもよい。
○ 治具52は、基板53が無く、係合突条54だけの構成であってもよい。
【0057】
○ 係止凸部18は突条形状でなく、蓋部材15の外面15cから見て正方形状、長方形状、楕円形状、丸形状でもよく、係止凸部18に合わせて回り止め凹部59も、蓋部材15の外面15cから見て正方形状、長方形状、楕円形状、丸形状でもよい。
【0058】
○ 壁部は蓋部材15ではなく、ケース部材14の側壁であってもよい。
○ 電極組立体12は積層型でなく、捲回型であってもよい。
○ 引出端子60は、導電部材51を介さず、タブ群36に直接接続されていてもよい。
【0059】
○ 蓄電装置は、例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用可能である。
○ 正極電極21及び負極電極31は、金属箔の片面に活物質層が存在する構造でもよい。
【0060】
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池でもよいし、他の二次電池であってもよい。要は、正極用の活物質と負極用の活物質との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。
【0061】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(1)前記治具の外側面は、前記係合孔の内面の全体に亘って接触する蓄電装置の製造方法。
【0062】
(2)前記治具の寸法は、前記係合孔の寸法より僅かに小さい蓄電装置の製造方法。
【符号の説明】
【0063】
10…二次電池、11…ケース、12…電極組立体、15…壁部としての蓋部材、21…電極としての正極電極、31…電極としての負極電極、44…端子接続部材、45…係合孔、47…圧入孔、48…挿通孔、52…治具、57…外側絶縁部材、58…位置決め突部、60…引出端子、66…外部接続端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6