(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の層を有する絶縁部材、前記絶縁部材の第1面に配置され、第1の方向に延在する複数の開口部を有する複数の第1電極、前記絶縁部材の層間である第2面に配置され、第2の方向に延在し、前記複数の開口部に配置される貫通孔から前記第1面に露出する複数の第2電極、及び前記第1面に配置され、前記複数の第2電極がそれぞれ接続される複数の第2接続端子を備える検出素子と、
前記第2の方向の一端側に配置された前記第2接続端子と前記第1電極との間に、一端が配置されたドリフトケージと、
を備えることを特徴とする放射線検出装置。
前記第1面の前記第1の方向の一端側と、前記第1の方向の一端側と向かい合う前記第1の方向の他端側とに交互に配置され、前記複数の第1電極がそれぞれ接続される複数の第1接続端子をさらに備える検出素子と、
前記第1の方向の一端側に配置された前記第1接続端子と前記第1電極の間と、前記第1の方向の他端側に配置された前記第1接続端子と前記第1電極の間とに、それぞれ一端が配置されたドリフトケージと、
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出装置。
前記絶縁部材の第3面および/または第4面に第2および/または第3グランド電極を備えることを特徴とする検出素子を備える請求項2乃至7の何れか1項に記載の放射線検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2に開示されている放射線検出装置によれば、放射線(荷電粒子)はガスと相互作用することにより電離電子を生じ、その電離電子をピクセル型電極において捕捉することによって間接的に放射線を検出する。電離電子を捕捉したピクセル型電極の位置を特定することで、放射線の飛跡を検出することができる。しかしながら放射線検出領域内の電場が均等に分布していない場合、電離電子の動きは乱れ、所定の位置のピクセル型電極に捕捉されない場合がある。このような場合に、放射線検出装置の位置検出精度は低下し、放射線の飛跡を正確に検出することができなくなることが問題となっていた。
【0006】
そこで本発明は、放射線の位置検出精度を向上させた放射線検出装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によると、絶縁部材の第1面に配置され第1の方向に延在する複数の開口部を有する複数の第1電極と、絶縁部材の第2面に配置され第2の方向に延在し複数の開口部に配置される貫通孔から第1面に露出する複数の第2電極と、第1面に配置され複数の第2電極がそれぞれ接続される複数の第2接続端子と、を備える検出素子であって、第2の方向の一端側に配置された第2接続端子と第1電極との間にドリフトケージの一端が配置されることを特徴とする検出素子が提供される。
【0008】
本発明の一実施形態によると、絶縁部材の第1面に配置され第1の方向に延在する複数の開口部を有する複数の第1電極、絶縁部材の第2面に配置され第2の方向に延在し複数の開口部に配置される貫通孔から第1面に露出する複数の第2電極、及び第1面に配置され複数の第2電極がそれぞれ接続される複数の第2接続端子を備える検出素子と、第2の方向の一端側に配置された第2接続端子と第1電極との間に、一端が配置されたドリフトケージと、を備えることを特徴とする放射線検出装置が提供される。
【0009】
放射線検出装置は、第1面に配置され複数の第1電極がそれぞれ接続される複数の第1接続端子をさらに備える検出素子と、第1の方向の一端側に配置された第1接続端子と第1電極との間に、一端が配置されたドリフトケージと、をさらに備えてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によると、絶縁部材の第1面に配置され第1の方向に延在する複数の開口部を有する複数の第1電極、絶縁部材の第2面に配置され、第2の方向に延在し、複数の開口部に配置される貫通孔から第1面に露出する複数の第2電極、及び第1面の第2の方向の一端側と第2の方向の一端側と向かい合う第2の方向の他端側とに交互に配置され複数の第2電極がそれぞれ接続される複数の第2接続端子を備える検出素子と、
記第2の方向の一端側に配置された第2接続端子と第1電極の間と、第2の方向の他端側に配置された第2接続端子と第1電極の間とに、それぞれ一端が配置されたドリフトケージと、を備えることを特徴とする放射線検出装置が提供される。
【0011】
放射線検出装置は、第1面の第1の方向の一端側と第1の方向の一端側と向かい合う第1の方向の他端側とに交互に配置され複数の第1電極がそれぞれ接続される複数の第1接続端子をさらに備える検出素子と、第1の方向の一端側に配置された第1接続端子と第1電極の間と、第1の方向の他端側に配置された第1接続端子と第1電極の間とに、それぞれ一端が配置されたドリフトケージと、をさらに備えてもよい。
【0012】
検出素子は、絶縁部材の第1面とドリフトケージとの間に第1グランド電極を備えてもよい。
【0013】
検出素子の、第2接続端子と第1グランド電極との間の距離は400μm以上であってもよい。
【0014】
検出素子は、絶縁部材の第3面および/または第4面に、第2および/または第3グランド電極を備えてもよい。
【0015】
ドリフトケージは、側壁に第4グランド電極を備えてもよい。
【0016】
第4グランド電極の高さは、第2接続端子と外部回路を接続するワイヤーボンディングの高さと同じであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によると、放射線の位置検出精度を向上させた放射線検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の検出素子及び放射線検出装置について詳細に説明する。なお、本発明の検出素子及び放射線検出装置は以下の実施形態に限定されることはなく、種々の変形を行ない実施することが可能である。全ての実施形態においては、同じ構成要素には同一符号を付して説明する。また、図面の寸法比率は説明の都合上、実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりする場合がある。
【0020】
(本件発明に至る経緯)
特許文献2に開示されている放射線検出装置(以下「従来の放射線検出装置」という。)においては、ピクセル型電極のアノード電極パターンはビア(貫通孔)を介して表層の接続端子に接続されている。ピクセル型電極の外周部に設けられた接続端子と外部回路(以降、中継基板という)の端子は、ワイヤーボンディングで接続されている。
【0021】
ピクセル型電極の中央部では、ドリフト電極とピクセル型電極間で電場が均等に分布し、電離電子はほぼ垂直にピクセル電極に向う。一方で、本発明者らが検討を重ねたところ、ピクセル型電極の外周部(特に、ワイヤーボンディング部付近)では、ピクセル型電極の中央部と比較して電場が広いエリアに不均一に分布していることが分かった。
【0022】
放射線検出装置においては、アノード電極に高電圧をかけることから、その接続端子、ワイヤーボンディング、および中継基板の端子にも電場が形成されてしまうことが考えられる。この結果、ピクセル型電極外周部で電離した電子はワイヤーボンディング(接続端子、中継基板の端子も含む)側に起動を変え引き寄せられてしまい、ピクセル型電極中央部に比べて位置検出精度が劣る可能性をみいだした。
【0023】
そこで、本発明者は、上述したような現象を鋭意検討した結果、本願発明に至った。
【0024】
<第1実施形態>
[放射線検出装置の概要]
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る放射線検出装置100の構造の概要を説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る放射線検出装置100の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る放射線検出装置100は、チャンバー140を有する。チャンバー140の内部には、検出素子10と、ドリフト電極110と、ドリフトケージ111とを備える。検出素子10とドリフト電極110とは、一定のスペースを介して対向して配置される。検出素子10は、カソード電極104とアノード電極106とを含むピクセル電極1と、カソード電極104の接続端子104aと、アノード電極106の接続端子106aとを備える。ドリフトケージ111は、ピクセル電極1とドリフト電極110との間のスペースを囲むように配置される。ドリフトケージ111は、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場の分布を均一化するよう、ドリフト電極110からピクセル電極1に向けて(Z方向)、徐々に電圧を接地電圧(グランド)に近づけていくための配線パターンを備える。
【0026】
本実施形態において、カソード電極104の接続端子104aはドリフトケージ111の内側に、アノード電極106の接続端子106aはドリフトケージ111の外側に配置される。すなわち、アノード電極106の接続端子106aとカソード電極104との間に、ドリフトケージの一端が配置される。アノード電極106の接続端子106aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子106aとドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を、接続端子106aによって乱されないよう保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度を向上することができる。
【0027】
放射線検出装置100は、容器モジュールという場合がある。検出素子10は、ピクセル電極基板という場合がある。また、カソード電極104を第1電極、アノード電極106を第2電極、ドリフト電極110を第3電極という場合がある。
【0028】
図1に示すように、ピクセル電極1は、カソード電極104と、開口部105と、アノード電極106と、アノード電極パターン106cと、複数の層を有する絶縁部材102とを含む。カソード電極104は、絶縁部材102の第1面に複数配置される。カソード電極104は、複数の開口部105を備える。カソード電極104は、ストリップ状に形成されているので、カソードストリップ電極ともいう。
【0029】
絶縁部材102は、カソード電極104の開口部105に絶縁部材102の第1面から層間である第2面へ貫通孔を備える。複数のアノード電極106は、絶縁部材102のそれぞれの貫通孔を介して第1面に露出するよう配置される。アノード電極106は、絶縁部材102の第1面から第2面まで絶縁部材102を貫通し、アノード電極パターン106cと接続する。アノード電極パターン106cは、絶縁部材102の第2面に複数配置される。アノード電極パターン106cは、ストリップ状に形成されているので、アノードストリップパターンともいう。
【0030】
ここでカソード電極104が延在するX方向と、アノード電極106が接続するアノード電極パターン106cが延在するY方向とは概略垂直である。本実施形態において、絶縁部材102は3層構造を有し、表面および各層間に、ピクセル電極1を有する第1面からX方向およびY方向と略垂直なZ方向に第2面、第3面、および第4面を形成する。すなわち第1面および第4面が、絶縁部材102の両表面となる。
【0031】
一般的なピクセル電極は10cm×10cmの検出面積があり、このような放射線検出装置におけるカソード電極104およびアノード電極106の幅、ピッチ等は、次の通りである。
カソード電極の幅:350μm
カソード電極のピッチ:400μm
アノード電極の幅:300μm
アノード電極のピッチ:X方向及びY方向に400μm
アノード電極の個数:256×256=65536個
カソード電極とアノード電極との間隔:およそ100μm
【0032】
本発明の一実施形態に係る放射線検出装置100は上述した構成をとることにより、ピクセル電極1において、アノード電極106がマトリクス状に配置された構成を有する。すなわち、第1面に露出するアノード電極106はX方向及びY方向に等間隔に配列される。本実施形態において、アノード電極106のX方向及びY方向におけるピッチは、400μmである。アノード電極106がX方向及びY方向に等間隔に配列されることにより、ピクセル電極1とドリフト電極110との間のスペースに均等に電場を形成することができる。
【0033】
検出素子10は、ピクセル電極1と中継基板(図示せず)との接続端子(106aおよび104a)を備える。アノード電極106の接続端子106aは、絶縁部材102の第1面に複数配置される。接続端子106aは、アノード電極パターン106cが延在するY方向の一端側に配置される。アノード電極106はアノード電極パターン106cと層間接続部106bを介して、接続端子106aに接続される。すなわち複数のアノード電極106と、アノード電極パターン106cと、層間接続部106bと、接続端子106aとは、一つの導電体であり、接続端子106aはアノード電極106の接続端子として機能する。なお、本実施形態においては、アノード電極106、アノード電極パターン106c、層間接続部106b、および接続端子106aは別に設けられ、それぞれが電気的に接続されている形態について説明するが、これに限定されず、一体形成されてもよい。
【0034】
カソード電極104の接続端子104aは、絶縁部材102の第1面に複数配置される。接続端子104aは、カソード電極104が延在するX方向の一端側に配置される。なお、本実施形態においては、カソード電極104と、接続端子104aとは一体形成されている形態について説明するが、これに限定されず、それぞれが別に設けられ、電気的に接続されてもよい。
【0035】
本発明の一実施形態に係る絶縁部材102の材料はポリイミドであるが、絶縁性を備えた材料ならこれに限定しない。絶縁部材102は、複数種類の絶縁部材の積層によって形成されていてもよい。本実施形態に係る、カソード電極104、カソード電極の接続端子104a、アノード電極106、アノード電極パターン106c、層間接続部106b、およびアノード電極の接続端子106aの材料は銅であるが、導電性を備えた金属材料ならこれに限定しない。
【0036】
[放射線検出の原理]
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作原理を説明する。
図1で示す放射線検出装置100の構成は、アルゴンやキセノンなどの希ガスとエタン、メタンなどの分子性気体の混合ガスで封入されたチャンバー140内に配置する。放射線検出装置100は、ピクセル電極1とドリフト電極110の間に入射した放射線を検出する。
【0037】
カソード電極104はグランドに接続されており、ドリフト電極110はグランドに対して負の電圧を印加することで、ドリフト電極110とカソード電極104との間に電場が形成される。アノード電極106(アノード電極パターン106c)はグランドに対して正の電圧が印加され、カソード電極104とアノード電極106の間にも電場が形成される。
【0038】
放射線が入射した時、ドリフト電極110とカソード電極104との間に発生させた電場の影響により、入射する放射線が存在する気体との相互作用により発生させた電子はほぼ放射線の進行方向に弾かれるとともにもらった運動エネルギーにより更に気体との衝突を行い多数の電子(雲)を形成し、これらの電子がアノード電極106とカソード電極104からなるピクセル電極1の方向へ、垂直(Z方向)に引き寄せられる。このとき、引き寄せられた電子は気体原子と衝突し、気体原子を電離する。ガス増幅により電離した電子は雪崩的に増殖し、アノード電極106で収集される電子群は、電気信号として読み出すことができる程度にまで達する。この電気信号を、アノード電極パターン106cおよび層間接続部106bを介して接続端子106aから外部に読み出すことができる。一方、カソード電極104には電子群に誘導された正電荷が生じ、ここから得られる電気信号をカソード電極の接続端子104aから外部に読みだすことができる。これらの電気信号を位置時系列に計測することにより、荷電粒子の飛跡を測定することができる。
【0039】
ピクセル電極1の外周部にはアノード電極106の接続端子106aが配置されている。アノード電極は高電圧をかけることから、その接続端子106a、ワイヤーボンディング120、および中継基板130の端子にも電場が形成される。この結果、ピクセル電極1の外周部付近で電離した電子は、接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)に引き寄せられてしまい軌道を変える為、ピクセル電極1中央部に比べて位置検出精度が劣る。
【0040】
図2では省略したが、本実施形態においては、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を囲うように、ドリフトケージ111が配置される。このとき、アノード電極106の接続端子106aはドリフトケージ111の外側に配置される。すなわち、アノード電極106の接続端子106aとカソード電極104との間に、ドリフトケージの一端が配置される。接続端子106aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度を向上することができる。
【0041】
[検出素子とドリフトケージの構成]
本発明に係る放射線検出装置が有する検出素子とドリフトケージについて、より詳細に説明する。
【0042】
図3A〜
図3Cを用いて、本発明に係る放射線検出装置が有する検出素子とドリフトケージについて、詳細に説明する。
図3Aは本発明の一実施形態に係る検出素子10とドリフトケージ111を示す上面図である。
図3Bおよび
図3Cは本発明の一実施形態に係る検出素子10とドリフトケージ111を示す断面図である。
図3Bには
図3AのB−B’線における断面図を、
図3Cには
図3AのC−C’線における断面図を示す。
図3A〜
図3Cに示すように、検出素子10は、アノード電極106の接続端子106aと、近接するカソード電極104との間にドリフトケージ111を備える。さらに検出素子10上のドリフトケージ111設置エリアには、第1グランド電極112を備える。すなわちドリフトケージ111の一端と絶縁部材102の第1面との間には、第1グランド電極112が配置される。本実施形態において第1グランド電極112の形状は、ベタパターンであるが、電気的にシールド効果が得られればメッシュやストライプが連結した模様であってもよい。さらに模様は不規則なものであってもよい。
図3A〜
図3Cでは省略したが、第1グランド電極112は、ワイヤボンドによって中継基板130のグランドに接続される。第1グランド電極112をカソード電極104と同電位(グランド)にすることで、電気的シールドの効果を高められ、接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)が、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。
【0043】
本実施形態において、第1グランド電極112と、近接するアノード電極106の接続端子106aとの距離yは400μmである。距離yを400μm以上にすることにより、第1グランド電極112と接続端子106aとの間に発生する電圧差に対して絶縁性が確保できる。よって、本実施形態に係る放射線検出装置100の動作を良好にすることができる。
【0044】
本実施形態において、検出素子10は、絶縁部材102の層間および表面である第3面および第4面に、第2グランド電極113および第3グランド電極114を備える。すなわち検出素子10は、ピクセル電極1の下層に第2グランド電極113および第3グランド電極114を配置される。本実施形態において第2グランド電極113および第3グランド電極114の形状は、ベタパターンであるが、電気的にシールド効果が得られればメッシュやストライプが連結した模様であってもよい。さらに模様は不規則なものであってもよい。
図3A〜
図3Cでは省略したが、第2グランド電極113および第3グランド電極114は、層間接続部を介して第1面の第1グランド電極112に接続される。第1グランド電極112は、ワイヤボンドによって中継基板130のグランドに接続される。第2グランド電極113および第3グランド電極114をカソード電極104と同電位(グランド)にすることで、電気的シールドの効果を高められ、中継基板130が、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。また、放射線検出時における電圧変動を抑制する効果がある。これによって、本実施形態に係る放射線検出装置100の放射線検出を安定に作動することができる。
【0045】
本実施形態において、ドリフトケージ111は、下部両側面に第4グランド電極115を備える。すなわちドリフトケージ111の一端は、第4グランド電極115で覆われる。しかしながらこれに限定されず、第4グランド電極115は、ドリフトケージ111の下部外側面のみに配置してもよく、ドリフトケージ111とは独立したものであってもよい。本実施形態において第4グランド電極115の形状は、ベタパターンであるが、電気的にシールド効果が得られればメッシュやストライプが連結した模様であってもよい。さらに模様は不規則なものであってもよい。
図3A〜
図3Cでは省略したが、第4グランド電極115は、中継基板130のグランドに接続される。第4グランド電極115をカソード電極104と同電位(グランド)にすることで、電気的シールドの効果を高められ、接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)が、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。
【0046】
本実施形態において、第4グランド電極115の高さは、中継基板130の端子に接続されるワイヤーボンディング120の高さzと同じである。第4グランド電極115の高さを高さz以下にすることで、ドリフトケージ111の効果を保持し、かつワイヤーボンディング120がピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。
【0047】
本発明の第1実施形態において、アノード電極106の接続端子106aをドリフトケージ111の外側に配置することによって、接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度を向上することができる。
【0048】
また本実施形態において、第1グランド電極112、第2グランド電極113、第3グランド電極114、第4グランド電極115を配置することによって、接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)および中継基板130がピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。また、放射線検出時における電圧変動を抑制する効果がある。これによって、本実施形態に係る放射線検出装置100の放射線検出を安定に作動することができる。
【0049】
本実施形態に係る放射線検出装置100において、ピクセル電極1の外周部付近における検出量と検出位置の精度を向上することで、より大きい検出素子を備える従来の放射線検出装置と同等の性能をもつ放射線検出装置を提供することができる。よって放射線検出装置の製造コストの低減、およびコンパクト化が可能となる。
【0050】
<第2実施形態>
第1実施形態ではカソード電極104の接続端子104aはドリフトケージ111の内側に、アノード電極106の接続端子106aはドリフトケージ111の外側に配置したが、第2実施形態ではカソード電極104の接続端子104aとアノード電極106の接続端子106aとをドリフトケージ111の外側に配置する。なお第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
【0051】
[検出素子とドリフトケージの構成]
図4A〜
図4Cを用いて、本発明に係る放射線検出装置が有する検出素子とドリフトケージについて、詳細に説明する。
図4Aは本発明の一実施形態に係る検出素子10とドリフトケージ111を示す上面図である。
図4Bおよび
図4Cは本発明の一実施形態に係る検出素子10とドリフトケージ111を示す断面図である。
図4Bには
図4AのB−B’線における断面図を、
図4Cには
図4AのC−C’線における断面図を示す。
【0052】
本実施形態において、アノード電極106の接続端子106aと、カソード電極104の接続端子104aとはドリフトケージ111の外側に配置される。すなわち、アノード電極106の接続端子106aとカソード電極104との間と、カソード電極104の接続端子104aとカソード電極104との間とに、ドリフトケージの一端が配置される。アノード電極106の接続端子106aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子106aとドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を、接続端子106aによって乱されないよう保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度を向上することができる。さらにカソード電極104の接続端子104aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子104aがピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。
【0053】
図4A〜
図4Cに示すように、カソード電極104は、絶縁部材102の第1面に複数配置される。カソード電極104は、複数の開口部105を備える。カソード電極104は、ストリップ状に形成されているので、カソードストリップ電極ともいう。
【0054】
カソード電極104の接続端子104aは、絶縁部材102の第1面に複数配置される。接続端子104aは、カソード電極104が延在するX方向の一端側に配置される。カソード電極104は、層間接続部104bおよび第2層接続部104cを介して接続端子104aに接続される。第2層接続部104cは絶縁部材102の層間である第2面に複数配置される。すなわちカソード電極104と、第2層接続部104cと、層間接続部104bと、接続端子104aとは、一つの導電体であり、接続端子104aはカソード電極104の接続端子として機能する。
【0055】
本実施形態において、第1グランド電極112と、近接するカソード電極104の接続端子104aとの距離xは10μmである。第1グランド電極112と接続端子104aとの間に発生する電圧差は大きくないので、距離xは10μm以上であれば絶縁性が確保できる。よって、本実施形態に係る放射線検出装置100の省スペース化が可能となる。
【0056】
図4A〜
図4Cに示すように、検出素子10は、アノード電極106の接続端子106aと、近接するカソード電極104との間にドリフトケージ111を備える。カソード電極104の接続端子104aと、近接するカソード電極104との間にもドリフトケージ111を備える。さらに検出素子10上のそれぞれのドリフトケージ111設置エリアには、第1グランド電極112を備える。すなわちドリフトケージ111の一端と絶縁部材102の第1面との間には、第1グランド電極112が配置される。本実施形態において第1グランド電極112の形状は、ベタパターンであるが、電気的にシールド効果が得られればメッシュやストライプが連結した模様であってもよい。さらに模様は不規則なものであってもよい。
図4A〜
図4Cでは省略したが、第1グランド電極112は、中継基板130のグランドに接続される。第1グランド電極112をカソード電極104と同電位(グランド)にすることで、電気的シールドの効果を高められ、接続端子104aおよび106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)が、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。
【0057】
本発明の第2実施形態において、カソード電極104の接続端子104aとアノード電極106の接続端子106aをドリフトケージ111の外側に配置することによって、接続端子104a、106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度を向上することができる。
【0058】
また本実施形態において、第1グランド電極112、第2グランド電極113、第3グランド電極114、第4グランド電極115を配置することによって、接続端子106a、104a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)および中継基板130がピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。また、放射線検出時における電圧変動を抑制する効果がある。これによって、本実施形態に係る放射線検出装置100の放射線検出を安定に作動することができる。
【0059】
<第3実施形態>
第1実施形態では、接続端子104aはカソード電極104が延在するX方向の一端側に、接続端子106aはアノード電極106が延在するY方向の一端側に配置したが、第3実施形態では、接続端子104aはカソード電極104が延在するX方向の両端に、接続端子106aはアノード電極106が延在するY方向の両端に交互に配置する。なお第1実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
【0060】
[検出素子とドリフトケージの構成]
図5を用いて、本発明に係る放射線検出装置が有する検出素子とドリフトケージについて、詳細に説明する。
図5は本発明の一実施形態に係る検出素子10とドリフトケージ111を示す上面図である。
【0061】
本実施形態において、カソード電極104の接続端子104aは、カソード電極104が延在するX方向の両端に交互に配置される。アノード電極106の接続端子106aは、アノード電極パターン106cが延在するY方向の両端に交互に配置される。接続端子104aがカソード電極104の両端に均等に配置されることにより、それぞれの接続端子104a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で形成される電場はそれぞれ小さくなる。さらに接続端子104aがカソード電極104の両端に均等に配置されることにより、検出素子10における接続端子104aによる影響は分散され、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場はより均一に保持することが可能となる。接続端子106aがアノード電極パターン106cの両端に均等に配置されることにより、それぞれの接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で形成される電場もそれぞれ小さくなる。さらに接続端子106aがアノード電極パターン106cの両端に均等に配置されることにより、検出素子10における接続端子106aによる影響は分散され、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場はより均一に保持することが可能となる。
【0062】
さらに
図5に示すように、アノード電極106の接続端子106aはドリフトケージ111の外側に配置される。すなわち、アノード電極106のそれぞれの接続端子106aとカソード電極104との間に、ドリフトケージの一端が配置される。それぞれの接続端子106aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子106aとドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を、接続端子106aによって乱されないよう保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。
【0063】
<第4実施形態>
第2実施形態では、接続端子104aはカソード電極104が延在するX方向の一端側に、接続端子106aはアノード電極106が延在するY方向の一端側に配置したが、第3実施形態では、接続端子104aはカソード電極104が延在するX方向の両端に、接続端子106aはアノード電極106が延在するY方向の両端に交互に配置する。なお第2実施形態と同様である部分は、その詳しい説明を省略する。
【0064】
[検出素子とドリフトケージの構成]
図6を用いて、本発明に係る放射線検出装置が有する検出素子とドリフトケージについて、詳細に説明する。
図6は本発明の一実施形態に係る検出素子10とドリフトケージ111を示す上面図である。
【0065】
本実施形態において、カソード電極104の接続端子104aは、カソード電極104が延在するX方向の両端に交互に配置される。アノード電極106の接続端子106aは、アノード電極パターン106cが延在するY方向の両端に交互に配置される。接続端子104aがカソード電極104の両端に均等に配置されることにより、それぞれの接続端子104a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で形成される電場はそれぞれ小さくなる。さらに接続端子104aがカソード電極104の両端に均等に配置されることにより、検出素子10における接続端子104aによる影響は分散され、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場はより均一に保持することが可能となる。接続端子106aがアノード電極パターン106cの両端に均等に配置されることにより、それぞれの接続端子106a(ワイヤーボンディング120、中継基板130の端子も含む)とドリフト電極110との間で形成される電場もそれぞれ小さくなる。さらに接続端子106aがアノード電極パターン106cの両端に均等に配置されることにより、検出素子10における接続端子106aによる影響は分散され、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場はより均一に保持することが可能となる。
【0066】
さらに
図6に示すように、カソード電極104の接続端子104aとアノード電極106の接続端子106aとはドリフトケージ111の外側に配置される。すなわち、アノード電極106の接続端子106aとカソード電極104との間と、カソード電極104の接続端子104aとカソード電極104との間とに、ドリフトケージの一端が配置される。アノード電極106の接続端子106aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子106aとドリフト電極110との間で電場が形成されることを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場を、接続端子106aによって乱されないよう保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度を向上することができる。さらにカソード電極104の接続端子104aがドリフトケージ111の外側に配置されることにより、接続端子104aがピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場へ影響することを抑制することができる。すなわち、ピクセル電極1とドリフト電極110とによって形成される電場をより均一な状態に保持することができ、本実施形態に係る放射線検出装置100の検出量と検出位置の精度をさらに向上することができる。
【0067】
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。