【実施例】
【0018】
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る画像処理装置及び面付け制御プログラム並びに面付け制御方法について、
図4乃至
図24を参照して説明する。
図4乃至
図6は、本実施例の印刷システムの構成例を示す図であり、
図7乃至
図9は、各々、クライアント端末、コントローラ、画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、
図10は、本実施例の面付け制御方法を示す模式図であり、
図11乃至
図15は、面付けの組み合わせを示すテーブルである。また、
図16は、面付け後の用紙の断裁例を示す図であり、
図17及び
図18は、本実施例のコントローラの動作を示すフローチャート図である。また、
図19乃至
図23は、面付けパターンの一例であり、
図24は、面付け制御画面の一例である。
【0019】
図4に示すように、本実施例の印刷システムは、イントラネット上に、通信ネットワーク50で接続可能なクライアント端末10とコントローラ20と画像形成装置40とがそれぞれ配置される。この通信ネットワーク50の規格としてEthernet(登録商標)などを用いることができるが、コントローラ20から画像形成装置40へのデータ転送は、Ethernet(登録商標)以外にIEEE1394、Parallelなどを用いることも可能である。
【0020】
なお、
図4では、印刷システムを1又は複数のクライアント端末10とコントローラ20と画像形成装置40とで構成したが、クライアント端末10で複数の印刷ジョブのギャンギングが可能な場合は、
図5に示すようにコントローラ20を省略することができる。また、予め保存した印刷ジョブをギャンギングして印刷指示を行う場合は、
図6に示すように、クライアント端末10を省略することもできる。以下、
図4の構成を前提にして、各装置について詳細に説明する。
【0021】
[クライアント端末]
クライアント端末10は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置であり、印刷ジョブを作成してコントローラ20に送信する。このクライアント端末10は、
図7(a)に示すように、制御部11と記憶部12とネットワークI/F部13と表示部14と操作部15などで構成される。
【0022】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11aとROM(Read Only Memory)11bやRAM(Random Access Memory)11cなどのメモリとで構成され、CPU11aは、ROM11bや記憶部12に記憶した制御プログラムをRAM11cに展開して実行することにより、クライアント端末10全体の動作を制御する。また、
図7(b)に示すように、上記制御部11(CPU11a)により、OS(Operating System)16、文書作成アプリケーション17、プリンタドライバ18などが実行される。
【0023】
OS16は、Windows(登録商標)やMacintosh(登録商標)、Androidなどであり、クライアント端末10で文書作成アプリケーション17やプリンタドライバ18を動作可能にする。
【0024】
文書作成アプリケーション17は、文章作成や表計算、画像加工などを行うソフトウェアであり、印刷指示の際にプリンタドライバ18を読み出し、文書作成アプリケーション17で作成した原稿データをプリンタドライバ18に転送する。
【0025】
プリンタドライバ18は、文書作成アプリケーション17で作成した原稿データを、画像形成装置40が解釈可能な言語の印刷ジョブ(PJL(Printer Job Language)やPS(PostScript)、PCL(Printer Control Language)等のページ記述言語で記述されたPDL(Page Description Language)データ、または、PDF(Portable Document Format)データ)に変換する。なお、本実施例では、PDFの印刷ジョブとし、この印刷ジョブに、プリンタドライバ18の印刷設定画面で設定された画像形成条件及び後処理条件が記述されたJDF(Job Definition Format)の印刷情報(プリントチケット)が付加される。
【0026】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成され、CPU11aが各部を制御するためのプログラム、自装置の処理機能に関する情報、文書作成アプリケーション17が作成した原稿データ、プリンタドライバ18が作成した印刷ジョブなどを記憶する。
【0027】
ネットワークI/F部13は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、クライアント端末10を通信ネットワーク50に接続し、コントローラ20に印刷ジョブを送信する。
【0028】
表示部14は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(electroluminescence)表示装置などで構成され、文書作成アプリケーション17の原稿作成画面、プリンタドライバ18の印刷設定画面などを表示する。
【0029】
操作部15は、マウスやキーボードなどで構成され、文書作成アプリケーション17による原稿の作成、プリンタドライバ18による印刷条件や後処理条件の設定などの操作を可能にする。
【0030】
[コントローラ]
コントローラ20は、クライアント端末10から取得した印刷ジョブに基づいて画像形成装置40に印刷させる印刷画像データを生成する画像処理装置である。このコントローラ20は、
図8(a)に示すように、制御部21と記憶部22とRIP(Raster Image Processor)部23とネットワークI/F部24とプリンタI/F部25と表示部26と操作部27などで構成される。
【0031】
制御部21は、CPU21aと、ROM21bやRAM21cなどのメモリとで構成され、CPU21aは、ROM21bや記憶部22に記憶した制御プログラムをRAM21cに展開して実行することにより、コントローラ20全体の動作を制御する。上記制御部21は、
図8(b)に示すように、入稿部28、印刷ジョブ管理部29、面付け処理部30などとしても機能する。
【0032】
入稿部28は、印刷ジョブをクライアント端末10や外部の記憶装置などから受け取る。
【0033】
印刷ジョブ管理部29は、入稿された印刷ジョブを解析し、印刷ジョブのジョブ情報(納期、コスト、面付け指定、ページ数など)を取得して管理する。
【0034】
面付け処理部30は、印刷ジョブ管理部29から複数の印刷ジョブを取得し、記憶部22に予め記憶されたテーブルを参照して、複数の印刷ジョブの面付け処理が可能な複数の面付けパターンを抽出(若しくは、複数の印刷ジョブの面付け処理が可能な面付けパターンの中から、ページ数が相対的に多い印刷ジョブの面付け数が相対的に多くなる複数の面付けパターンを抽出)し、抽出した各々の面付けパターンに複数の印刷ジョブのページを割り付けた場合に生じる余白ページ数を算出し、算出した余白ページ数が相対的に少ない複数の面付けパターンを特定し、表示部26などに特定した複数の面付けパターンを選択可能に表示させ、ユーザに所望の面付けパターンを選択させる。更に、面付け処理部30は、抽出した各々の面付けパターンに対して余白ページ数を算出する際に、面付けする用紙の断裁回数、及び、断裁した用紙片から余白ページを引き抜く引き抜き回数を算出し、特定した複数の面付けパターンの各々に、算出した余白ページ数、断裁回数及び引き抜き回数を対応付けて表示部26などに表示させ、面付けパターンの選択を容易にする。
【0035】
上記余白ページ数及び引き抜き回数の算出方法の詳細は後述するが、面付け処理部30は、抽出した各々の面付けパターンに対して、各々の印刷ジョブのページ数を当該印刷ジョブの面付け数で除算した値(単位ページ数と呼ぶ。)を算出し、用紙毎に、単位ページ数が最も多い印刷ジョブを特定し(代表印刷ジョブと呼ぶ。)、代表印刷ジョブに対して、単位ページ数が整数であるかに応じて、用紙枚数、余白ページ数及び引き抜き回数を設定し、代表印刷ジョブ以外の1又は複数の他の印刷ジョブに対して、単位ページ数が用紙枚数と同じであるかに応じて、余白ページ数及び前記引き抜き回数を設定し、代表印刷ジョブ及び1又は複数の他の印刷ジョブについて、余白ページ数及び引き抜き回数の各々を加算して、抽出した各々の面付けパターンに対する余白ページ数及び引き抜き回数を算出する。
【0036】
具体的には、代表印刷ジョブに対しては、単位ページ数が整数である場合は、単位ページ数を用紙枚数に設定すると共に、余白ページ数及び引き抜き回数を0に設定し、単位ページ数が整数でない場合は、単位ページ数を繰り上げた値を用紙枚数に設定すると共に、代表印刷ジョブの面付け数に用紙枚数を乗算してページ数を減算した値を、余白ページ数及び引き抜き回数に設定する。また、各々の他の印刷ジョブに対しては、単位ページ数が用紙枚数と同じである場合は、余白ページ数及び引き抜き回数を0に設定し、単位ページ数が用紙枚数と同じでない場合は、他の印刷ジョブの面付け数に用紙枚数を乗算してページ数を減算した値を余白ページ数に設定し、余白ページ数が面付け数を超える場合は、面付け数を引き抜き回数に設定し、余白ページ数が面付け数以下の場合は、余白ページ数を引き抜き回数に設定する。
【0037】
なお、上記入稿部28、印刷ジョブ管理部29、面付け処理部30はハードウェアとして構成してもよいし、制御部21を入稿部28、印刷ジョブ管理部29、面付け処理部30として機能させる面付け制御プログラムとして構成し、当該面付け制御プログラムをCPU21aに実行させるようにしてもよい。
【0038】
記憶部22は、HDDやSSDなどで構成され、CPU21aが各部を制御するためのプログラム、印刷ジョブ、印刷ジョブから生成された各ページの画像データ、印刷ジョブ数と用紙の面付け数との組み合わせに応じた面付けパターン(ただし、同じ列には1つの印刷ジョブのみを配置し、同じ印刷ジョブは用紙を跨いで面付けしない面付けパターン)を記述したテーブルなどを記憶する。
【0039】
RIP部23は、画像処理ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成され、クライアント端末10から取得した印刷ジョブの各ページをビットマップ展開してラスタデータを生成し、必要に応じてラスタデータに対してスクリーニングや画像処理を行って各ページの画像データを生成する。そして、面付け処理部30の指示に従って複数の印刷ジョブを面付けした印刷画像データを生成して画像形成装置40に出力する。
【0040】
ネットワークI/F部24は、NICやモデムなどで構成され、コントローラ20を通信ネットワーク50に接続し、クライアント端末10から印刷ジョブなどを受信する。プリンタI/F部25は、画像形成装置40に接続するための専用インターフェイスであり、画像形成装置40に印刷画像データなどを送信する。
【0041】
表示部26は、液晶表示装置や有機EL表示装置などで構成され、面付け処理部30が決定した複数の面付けパターンを選択可能に提示する画面(面付け制御画面と呼ぶ。)などを表示する。
【0042】
操作部27は、マウスやキーボードなどで構成され、表示部26に表示された面付け制御画面の複数の面付けパターンの中から、所望の面付けパターンを選択する操作などを可能にする。
【0043】
[画像形成装置]
画像形成装置40は、プリンタやMFPなどであり、
図9に示すように、制御部41とコントローラI/F部42とパネル操作部43と印刷部(エンジン)44などで構成される。
【0044】
制御部41は、CPU41aと、ROM41bやRAM41cなどのメモリとで構成され、CPU41aは、ROM41bに記憶した制御プログラムをRAM41cに展開して実行することにより、画像形成装置40全体の動作を制御する。
【0045】
コントローラI/F部42は、コントローラ20に接続するための専用インターフェイスであり、コントローラ20から印刷画像データなどを受信する。
【0046】
パネル操作部43は、液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示部上に格子状の透明電極からなるタッチセンサが形成されたタッチパネルなどであり、印刷に関する各種画面を表示すると共に、印刷に関する各種操作を可能にする。
【0047】
印刷部44は、印刷画像データに基づいて印刷処理を実行するエンジンである。具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置から画像に応じた光を照射して静電潜像を形成し、現像装置で帯電したトナーを付着させて現像し、そのトナー像を転写ベルトに1次転写し、転写ベルトから用紙に2次転写し、更に定着装置で用紙上のトナー像を定着させる処理を行う。
【0048】
なお、
図4乃至
図9は本実施例の印刷システムの一例であり、複数の印刷ジョブをギャンギングして生成した印刷画像データに基づいて印刷処理が可能であれば、各装置の構成や制御は適宜変更可能である。
【0049】
例えば、上記説明では、印刷画像データを生成する画像処理装置として動作するコントローラ20の制御部21を入稿部28、印刷ジョブ管理部29、面付け処理部30として機能させる構成としたが、クライアント端末10が画像処理装置として動作する場合は、クライアント端末10の制御部11を印刷ジョブ管理部、面付け処理部として機能させる(CPU11aに面付け制御プログラムを実行させる)構成としてもよいし、画像形成装置40がRIP部を含む画像処理装置として動作する場合は、画像形成装置40の制御部41を入稿部、印刷ジョブ管理部、面付け処理部として機能させる(CPU41aに面付け制御プログラムを実行させる)構成としてもよい。
【0050】
次に、上記構成の印刷システムの概略動作について説明する。
図10に示すように、本実施例の印刷システムにおける面付け制御は、主に、印刷ジョブを外部から受け取る入稿部28、入稿された印刷ジョブの情報を取得して管理する印刷ジョブ管理部29、複数の印刷ジョブの面付け処理を行う面付け処理部30、印刷ジョブ数と面付け数との組み合わせを規定するテーブルを保持する記憶部22、印刷処理を行う印刷部44などで実行される。
【0051】
印刷ジョブが入稿部28から印刷ジョブ管理部29に通知され、印刷ジョブ管理部29において、印刷ジョブのジョブ情報(納期、コスト、面付け指定、ページ数など)が管理される。そして、PDFの印刷ジョブ及びJDFの印刷情報(ジョブチケット)が印刷ジョブ管理部29から面付け処理部30に通知される。
【0052】
面付け処理部30は、JDFの印刷情報に基づいて、印刷ジョブのページ数や面付け指定を取得し、それに則って面付けを行う。例えば、JDFの印刷情報で2面付けが指定されている場合、面付け処理部30は、同じく2面付けが指定されている印刷ジョブを印刷ジョブ管理部29から入手し、記憶部22から、2面付けに対応する面付けパターンを入手する。この場合、記憶部22から
図11に示す面付けパターンを取得し、全ての面付けパターン(ページ数が多い印刷ジョブほど面付け数を多くするなどの予め定めたルールに従って選択した面付けパターンのみとしてもよい。)に対して、複数の印刷ジョブの各ページを割り付けて、発生する余白ページ数をカウントする。
【0053】
また、JDFの印刷情報で4面付けが指定されている場合、面付け処理部30は、同じく4面付けが指定されている印刷ジョブを印刷ジョブ管理部29から入手し、記憶部22から、4面付けに対応する面付けパターンを入手する。この場合、記憶部22から
図12に示す面付けパターンを取得し、
図13(a)、(b)に示す全ての面付けパターン(上記と同様に、予め定めたルールに従って選択した面付けパターンのみとしてもよい。)に対して、複数の印刷ジョブの各ページを割り付けて、発生する余白ページ数をカウントする。
【0054】
なお、6面付けの場合は、
図14に示すような面付けパターンとなる。上記2面付け、4面付け、6面付けにおける1回の面付けで配置できる印刷ジョブ数と面付けの組み合わせは、
図15に示すようになる。
【0055】
本実施例の面付け制御では、基本的に、発生する余白ページ数が少ない組み合わせをユーザに提示するが、ユーザによって、余白ページ数を少なくすることを重視する場合もあれば、仕分け作業を簡便にすることを重視する場合もあり、余白ページ数が最小であっても、断裁回数が多い場合や断裁後に用紙片から余白ページを取り除く回数(余白ページの引き抜き回数)が多い場合は、仕分け作業に時間がかかる場合がある。
【0056】
そこで、本実施例では、印刷ジョブ数と用紙の面付け数との各組み合わせに応じた面付けパターンに対して、当該面付けパターンで面付けした場合に必要となる断裁回数を関連付けて記憶しておき、余白ページ数が相対的に少ない面付けパターンを複数抽出し、余白ページ数が最も少ない面付けパターンと、余白ページ数は最小ではないが断裁回数や余白ページの引き抜き回数が少ない面付けパターンなどの複数の面付けパターンをユーザに提示して、その中からユーザが所望する面付けパターンを選択できるようにする。
図16は、印刷後に行う用紙の断裁回数を示す図である。
図16に示すように、4面付けの場合、各用紙束に対して合計3回の断裁が必要となる。
【0057】
以下、本実施例のコントローラ20における面付け制御方法について説明する。CPU21aは、ROM21b又は記憶部22に記憶した面付け制御プログラムをRAM21cに展開して実行することにより、
図17及び
図18のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。なお、入稿部28より入力された印刷ジョブは、印刷ジョブ管理部29において、そのジョブ情報(納期、コスト、面付け指定、ページ数など)が管理されているものとする。
【0058】
制御部21(面付け処理部30)は、印刷ジョブ管理部29からPDFの印刷ジョブとJDFの印刷情報(ジョブチケット)とを取得し、JDFの印刷情報から面付け指定を取得する(S101)。
【0059】
次に、制御部21(面付け処理部30)は、印刷ジョブ管理部29から、同じ面付け指定の印刷ジョブを取得し、それらの印刷ジョブのページ情報を取得する(S102)。例えば、S101で取得したジョブチケットで4面付けが指定されている場合、面付け処理部30は、同じく4面付けが指定されている3つの印刷ジョブとそのページ情報を印刷ジョブ管理部29から取得する。
【0060】
次に、制御部21(面付け処理部30)は、取得した印刷ジョブと面付け数とに対して取り得る全ての面付けパターンを読み出す(S103)。例えば、4面付けが指定されている場合は、
図13に示す印刷ジョブ数と面付け数との組み合わせに応じた面付けパターンを記述したテーブルを参照して、全ての4面付けパターンを取得し、全ての面付けパターンに対して、各印刷ジョブのページ数を割り付ける(S104)。
【0061】
次に、制御部21(面付け処理部30)は、全ての面付けパターンに対して、余白ページ数と余白ページの引き抜き回数とを算出する(S105)。このステップの詳細は後述する。なお、ここでは、全ての面付けパターンに対して、余白ページ数と引き抜き回数とを算出しているが、ページ数が多い印刷ジョブほど面付け数を多くするなどのルールに従って選択した面付けパターンに対して、余白ページ数と引き抜き回数とを算出するようにして、余白ページ数が大きくなると予想される面付けパターン(例えば、ページ数の少ない印刷ジョブに対して面付け数が多いパターンなど)は省略してもよい。
【0062】
次に、制御部21(面付け処理部30)は、余白ページ数の合計値が少ない面付けパターンを複数選択し、各々の面付けパターンに対応する断裁回数を取得する(S106)。そして、選択した各々の面付けパターンに対して、余白ページ数と余白ページの引き抜き回数と断裁回数とを明示する面付け制御画面を表示部26に表示させ、ユーザに所望の面付けパターンを選択させる(S107)。
【0063】
上記S105の余白ページ数及び引き抜き回数の算出処理について、
図18のフローチャート図を参照して説明する。このフローは、面付けを行う用紙毎に実行する。
【0064】
まず、制御部21(面付け処理部30)は、面付けを行う各々の用紙について、各印刷ジョブの面付け数を取得する(S201)。次に、制御部21(面付け処理部30)は、各々の用紙について、各印刷ジョブのページ数を面付け数で除算した値(単位ページ数)を取得し(S202)、取得した単位ページ数が最も大きい印刷ジョブを特定して代表印刷ジョブに設定する(S203)。
【0065】
次に、制御部21(面付け処理部30)は、各々の用紙について、代表印刷ジョブの単位ページ数が整数であるか(すなわち、その印刷ジョブのページ数が面付け数の整数倍であるか)を判断し(S204)、代表印刷ジョブの単位ページ数が整数の場合は、その値を用紙枚数に設定し、代表印刷ジョブの余白ページ数及び余白ページの引き抜き回数を0に設定する(S205)。一方、代表印刷ジョブの単位ページ数が整数でない場合は、単位ページ数を繰り上げた値を用紙枚数に設定し、代表印刷ジョブに対して、面付け数×用紙枚数−ページ数を計算し、計算した値を余白ページ数及び余白ページの引き抜き回数に設定する(S206)。
【0066】
次に、制御部21(面付け処理部30)は、各々の用紙について、他の印刷ジョブがあるかを判断し(S207)、他の印刷ジョブが無い(1つの印刷ジョブを全ての面付け位置に割り付けた)場合は一連の処理を終了し、他の印刷ジョブがある場合は、他の印刷ジョブの単位ページ数が用紙枚数と同じであるかを判断し(S208)、他の印刷ジョブの単位ページ数が用紙枚数と同じ(すなわち、各面付け位置のページ数が用紙枚数に一致する)場合は、他の印刷ジョブの余白ページ数及び余白ページの引き抜き回数を0に設定する(S209)。一方、他の印刷ジョブの単位ページ数が用紙枚数と同じでない場合は、制御部21(面付け処理部30)は、面付け数×用紙枚数−ページ数を計算して余白ページ数に設定し、余白ページ数が面付け数を超える場合は面付け数を余白ページの引き抜き回数に設定し、余白ページ数が面付け数以下の場合は余白ページ数を余白ページの引き抜き回数に設定する(S210)。
【0067】
その後、制御部21(面付け処理部30)は、各々の用紙について、全ての印刷ジョブの余白ページ数及び余白ページの引き抜き回数を合算する(S211)。
【0068】
上記処理について具体例を挙げて説明する。ここでは、印刷ジョブA〜Dを4面付けするものとし、印刷ジョブAのページ数を200ページ、印刷ジョブBのページ数を150ページ、印刷ジョブCのページ数を65ページ、印刷ジョブDのページ数を45ページとする。この場合、
図13(a)、(b)に示す全ての面付けパターン(ただし、同じ列には1つの印刷ジョブのみを配置し、同じ印刷ジョブは用紙を跨いで面付けしない面付けパターン)に対して、余白ページ数及び引き抜き回数を算出してもよいが、ページ数の多い印刷ジョブの面付け数を少なくすると余白ページが多くなることが予想される。従って、ページ数の多い印刷ジョブほど面付け数を多くするルールを適用し、全ての面付けパターンの中からこのルールに合致する面付けパターンを抽出して、抽出した面付けパターンのみに対して、余白ページ数及び引き抜き回数を算出するようにしてもよい。
【0069】
図13(a)に示すように、1回で4つの印刷ジョブを面付けするパターンは、
図19に示す面付けパターン(面付けパターン1)のみである。この面付けパターン1の場合、S202の単位ページ数は、印刷ジョブA:200/1=200、印刷ジョブB:150/1=150、印刷ジョブC:65/1=65、印刷ジョブD:45/1=45となり、S203で代表印刷ジョブとして印刷ジョブAが特定される。印刷ジョブAの単位ページ数は整数であるため(S204のYes)、S205で用紙枚数は200枚となり、印刷ジョブAの余白ページ数及び引き抜き回数は0になる。
【0070】
印刷ジョブBは、単位ページ数が用紙枚数よりも小さいため(S208のNo)、S210で、余白ページ数は、1(面付け数)×200(用紙枚数)−150(ページ数)=50ページとなり、引き抜き回数は、余白ページ数が面付け数を超えるため、1回(面付け数)となる。同様に、印刷ジョブCは、余白ページが135ページ、引き抜き回数は1回となり、印刷ジョブDは、余白ページは155ページ、引き抜き回数は1回となる。その結果、S211で、余白ページ数は、0+50+135+155=340ページ、余白ページの引き抜き回数は0+1+1+1=3回、断裁回数は3回となる。
【0071】
また、
図13(a)に示すように、1回で3つの印刷ジョブを面付けし、もう1回で1つの印刷ジョブを面付けするパターンは12通りあるが、面付け数が、印刷ジョブA≧印刷ジョブB≧印刷ジョブC≧印刷ジョブDとなる面付けパターンは
図20に示す面付けパターン(面付けパターン2)となる。この面付けパターン2では、S202の単位ページ数は、印刷ジョブA:200/4=50、印刷ジョブB:150/2=75、印刷ジョブC:65/1=65、印刷ジョブD:45/1=45となり、S203で、用紙1については代表印刷ジョブとして印刷ジョブAが特定され、用紙2については代表印刷ジョブとして印刷ジョブBが特定される。用紙1に関して、印刷ジョブAの単位ページ数は整数であるため(S204のYes)、S205で用紙枚数は50枚となり、印刷ジョブAの余白ページ数及び引き抜き回数は0になる。
【0072】
用紙2に関して、印刷ジョブBの単位ページ数は整数であるため(S204のYes)、S205で用紙枚数は75枚となり、印刷ジョブBの余白ページ数及び引き抜き回数は0になる。また、印刷ジョブCは、単位ページ数が用紙枚数よりも小さいため(S208のNo)、S210で、余白ページ数は1(面付け数)×75(用紙枚数)−65(ページ数)=10ページとなり、引き抜き回数は、余白ページ数が面付け数を超えるため、1回(面付け数)となる。同様に、印刷ジョブDは、余白ページが30ページ、引き抜き回数は1回となる。その結果、S211で、余白ページ数は、0+0+10+30=40ページ、余白ページの引き抜き回数は0+0+1+1=2回、断裁回数は3回×2=6回となる。
【0073】
また、
図13(a)に示すように、1回で2つの印刷ジョブを面付けし、もう1回で2つの印刷ジョブを面付けするパターンは27通りあるが、面付け数が、印刷ジョブA≧印刷ジョブB≧印刷ジョブC≧印刷ジョブDとなる面付けパターンは太い線で繋いだ6通りであり、その一つは
図21に示す面付けパターン(面付けパターン3)となる。面付けパターン3の場合、S202の単位ページ数は、印刷ジョブA:200/3=66.7、印刷ジョブB:150/3=50、印刷ジョブC:65/1=65、印刷ジョブD:45/1=45となり、S203で、用紙1については代表印刷ジョブとして印刷ジョブAが特定され、用紙2については代表印刷ジョブとして印刷ジョブBが特定される。用紙1に関して、印刷ジョブAの単位ページ数は整数でないため(S204のNo)、S206で単位ページ数を切り上げた67が用紙枚数となり、3(面付け数)×67(用紙枚数)−200(ページ数)=1が、印刷ジョブAの余白ページ数及び引き抜き回数となる。印刷ジョブCは、単位ページ数が用紙枚数よりも小さいため(S208のNo)、S210で、余白ページ数は1(面付け数)×67(用紙枚数)−65(ページ数)=2ページとなり、引き抜き回数は1回(面付け数)となる。
【0074】
用紙2に関して、印刷ジョブBの単位ページ数は整数であるため(S204のYes)、S205で用紙枚数は50枚となり、印刷ジョブBの余白ページ数及び引き抜き回数は0になる。印刷ジョブDは、単位ページ数が用紙枚数よりも小さいため(S208のNo)、S210で、余白ページ数は1(面付け数)×50(用紙枚数)−45(ページ数)=5ページとなり、引き抜き回数は1回(面付け数)となる。その結果、S211で、余白ページ数は、1+2+0+5=8ページ、余白ページの引き抜き回数は1+1+0+1=3回、断裁回数は3回×2=6回となる。
【0075】
また、
図13(b)に示すように、1回で2つの印刷ジョブを面付けし、1回で1つのジョブを面付けし、もう1回で1つの印刷ジョブを面付けするパターンは18通りあるが、面付け数が、印刷ジョブA≧印刷ジョブB≧印刷ジョブC≧印刷ジョブDとなる面付けパターンは太い枠線で囲んだ2通りであり、その一つは
図22に示す面付けパターン(面付けパターン4)となる。この面付けパターン4の場合、S202の単位ページ数は、印刷ジョブA:200/4=50、印刷ジョブB:150/4=37.5、印刷ジョブC:65/2=32.5、印刷ジョブD:45/2=22.5となり、S203で、用紙1については代表印刷ジョブとして印刷ジョブAが特定され、用紙2については代表印刷ジョブとして印刷ジョブBが特定され、用紙3については代表印刷ジョブとして印刷ジョブCが特定される。用紙1に関して、印刷ジョブAの単位ページ数は整数であるため(S204のYes)、S205で用紙枚数は50枚となり、印刷ジョブAの余白ページ数及び引き抜き回数は0になる。用紙2に関して、印刷ジョブBの単位ページ数は整数ではないため(S204のNo)、単位ページ数を切り上げた38が用紙枚数となり、4(面付け数)×38(用紙枚数)−150(ページ数)=2が、印刷ジョブBの余白ページ数及び引き抜き回数となる。
【0076】
用紙3に関して、印刷ジョブCの単位ページ数は整数ではないため(S204のNo)、単位ページ数を切り上げた33が用紙枚数となり、2(面付け数)×33(用紙枚数)−65(ページ数)=1が、印刷ジョブCの余白ページ数及び引き抜き回数となる。印刷ジョブDは、単位ページ数が用紙枚数よりも小さいため(S208のNo)、S210で、余白ページ数は2(面付け数)×33(用紙枚数)−45(ページ数)=21ページとなり、引き抜き回数は2回(面付け数)となる。その結果、S211で、余白ページ数は、0+2+1+21=24ページ、余白ページの引き抜き回数は0+2+1+2=5回、断裁回数は3回×3=9回となる。
【0077】
また、
図13(b)に示すように、各1回で1つの印刷ジョブを面付けするパターンは、
図23に示す面付けパターン(面付けパターン5)のみである。この面付けパターン5の場合、S202の単位ページ数は、印刷ジョブA:200/4=50、印刷ジョブB:150/4=37.5、印刷ジョブC:65/4=16.25、印刷ジョブD:45/4=11.25となる。印刷ジョブAの単位ページ数は整数であるため(S204のYes)、S205で印刷ジョブAの余白ページ数及び引き抜き回数は0になる。印刷ジョブBは、単位ページ数が整数でないため(S204のNo)、S206で、単位ページ数を切り上げた38が用紙枚数となり、4(面付け数)×38(用紙枚数)−150(ページ数)=2ページが余白ページ数及び引き抜き回数となる。同様に、印刷ジョブCは、用紙枚数は17枚となり、4(面付け数)×17(用紙枚数)−65=3ページが余白ページ数及び引き抜き回数となる。印刷ジョブDは、用紙枚数は12枚となり、4(面付け数)×12(用紙枚数)−45=3ページが余白ページ数及び引き抜き回数となる。その結果、S211で、余白ページ数は、0+2+3+3=8ページ、余白ページの引き抜き回数は0+2+3+3=8回、断裁回数は3回×4=12回となる。
【0078】
上記処理を一般化すると、複数の印刷ジョブを何枚の用紙に面付けするかを決定し、各々の用紙に面付けする印刷ジョブ数及び各印刷ジョブの面付け数を決定した後、各々の用紙に対して、(1)各印刷ジョブのページ数を面付け数で除算した単位ページ数を算出し、(2)単位ページ数が最も大きい印刷ジョブを特定して代表印刷ジョブに設定し、(3)代表印刷ジョブの単位ページ数が整数か否かに応じて用紙枚数、余白ページ数及び引き抜き数を設定し、(4)他の印刷ジョブの単位ページ数が用紙枚数と同じであるか否かに応じて余白ページ数及び引き抜き数を設定し、(5)その用紙の全ての印刷ジョブの余白ページ数及び引き抜き回数を合算する。そして、(6)全ての用紙の余白ページ数及び引き抜き回数を合算し、面付けする用紙の数に応じて断裁回数を設定することになる。
【0079】
上記例の場合、面付けパターン3の余白ページ数は8ページであり、余白ページ数が最も少ない面付けパターンであるが、引き抜き回数は3回、断裁回数は6回となる。一方、面付けパターン2の余白ページ数は40ページであり、面付けパターン3よりも余白ページ数は多くなるが、引き抜き回数は2回、断裁回数は6回であり、引き抜き回数は面付けパターン3よりも少なくなる。この場合、余白ページ数を減らすことを重視すると面付けパターン3(若しくは面付けパターン5や面付けパターン4)が好ましいが、仕分け作業を簡便にすることを重視すると面付けパターン2が好ましく、どちらが好ましいかはユーザによって異なる。
【0080】
そこで、本実施例では、余白ページ数が最小の面付けパターンのみならず、余白ページ数は最小ではないが、引き抜き回数や断裁回数がより少なくなる面付けパターンを含む複数の面付けパターンを記載した面付け制御画面を表示部26に表示するようにする。
図24は、面付け制御画面60の一例であり、余白ページ数が最も少ない面付けパターンを候補1として表示すると共に、余白ページ数は最小ではないが余白ページの引き抜き回数がより少ない面付けパターンを候補2として表示し、ユーザが複数の候補の中から所望の面付けパターンを選択できるようにする。
【0081】
このように、複数の印刷ジョブを面付けして印刷するギャンギングが指示された場合に、印刷ジョブ数と面付け数との組み合わせに応じた面付けパターンを抽出し、抽出した各々の面付けパターンに対して複数の印刷ジョブの各ページを割り付けた時の余白ページ数、引き抜き回数、断裁回数を算出し、余白ページが最小となる面付けパターン、引き抜き回数や断裁回数が最小となる面付けパターンなどの複数の面付けパターンを特定し、特定した複数の面付けパターンを表示部26などに表示させてユーザに選択させることにより、断裁後の仕分け作業を煩雑にすることなく、余白ページの発生を抑制することができ、効率的に面付け処理を実行することができる。
【0082】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
【0083】
例えば、上記実施例では、2面付け、4面付け及び6面付けを例示したが、任意の偶数の面付けに対して、本発明の面付け制御方法を同様に適用することができる。
【0084】
また、上記実施例では、面付け制御画面60に2つの候補を表示したが、3つ以上の候補を表示してもよいし、第1候補の余白ページ数、引き抜き回数、断裁回数が共に最小の場合は、1つの候補のみを表示してもよい。