(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続部は、前記接続部と前記取付部とを接続した状態で、前記取付部と前記ストラップとの相対回動を許容するようになっている回転自在部を有する請求項1〜4のいずれかに記載の装着具。
前記ストラップをユーザーがたすき掛けしたときに、前記ユーザーの肩の位置とストラップの端部との中間位置より前記給電ユニットに近い側の位置において滑り止め部材を設けている請求項1〜5のいずれかに記載の装着具。
前記給電ユニットは、前記バッテリーを内蔵した筐体と、前記筐体を保持するケースとを有し、前記取付部は前記ケースの端部に配置されている請求項1〜9のいずれかに記載の装着具。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の電子機器システムを使用可能なピッキングシステムの概略を説明するための図であり、倉庫内でのピッキング作業の例を示している。
図1において、倉庫内には複数の棚SFが設置され、各棚SFには商品CMが保管されている。又、商品CMが保管された棚SFには、棚番号を付したプレートPTが取り付けられている。各商品CMには、商品の種別を示すバーコードが付されたシールが貼り付けられている。
【0014】
更にデータベースサーバーDSには、通信販売会社やコンビニエンスストアから発注された商品(物品)名や個数が記憶されている。データベースサーバーDSにネットワークで接続されたピッキングサーバーPSは、データベースサーバーDSからの指示に従い、倉庫内に保管された商品の中からピッキングする商品及び個数を特定して、ピッキングすべき商品の商品情報を作成するものである。又、ピッキングサーバーPSには、棚SFと、そこに保管された商品CMとが対応づけて記憶されている。作成された商品情報は作業者毎に仕分けされて、アクセスポイントAPから無線LANで、作業者(ユーザー)WKの持つウェラブル端末(ここではHMD)に送信される。
【0015】
図2は、本実施の形態にかかる電子機器システムEDSの全体を示す図である。
図3(a)は、本実施の形態にかかる電子機器システムEDSを構成する装着具300の一部を拡大して示す図であり、
図3(b)は、
図3(a)の構成をIIIB-IIIB線で切断して矢印方向に見た図であり、
図3(c)は、
図3(b)の構成をIIIC-IIIC線で切断して矢印方向に見た図である。
図4は、装着具300の連結部付近を拡大して示す図であり、(a)は給電ユニット200を正面から見た図であり、(b)は給電ユニット200を側面から見た図である。
【0016】
図2において、電子機器システムEDSは、電子機器であるHMD100と、給電ユニット200と、装着具300とを有する。HMD100と給電ユニット200とは、ケーブルCBLを介して連結されており、装着具300は、作業者WKがたすき掛けすることにより、給電ユニット200を保持すると共に、ケーブルCBLを保持する機能を有する。「たすき掛け」とは、
図7に示すように、装着具300を作業者の前後に掛け渡した状態で、作業者の頭部を挟んで、装着具300の上端が作業者の左右いずれかの肩に乗り、その下端が装着具300を支える肩とは別な側の腰部付近に来るようにすることをいう。
【0017】
装着具300は、ナイロン製の帯状のストラップ301を有する。ストラップ301は、セーフティ部302を介して二分されるようになっている。セーフティ部302は、作業者WKが装着して通常使用を行う際にはストラップ301を一体とするように連結するが、ストラップ301に異常な荷重がかかったときには分離して外れ、作業者WKを保護する機能を有する。
【0018】
装着具300を装着した際に、作業者WKの前方に位置する側のストラップ301には、覆い部303が設けられている。覆い部303は、ストラップ301の両脇に沿って縫い付けられた一対の細長い布状部303a、303bと、布状部303a及び303bの対向辺を接合・分離可能なファスナー部303cとを有する。ファスナー部303cが布状部303a及び303bの対向辺を接合した状態で、ストラップ301と覆い部303とで囲われてチューブ状となった空間にケーブルCBLが挿通されている。覆い部303によりケーブルCBLの一部を覆うことで、ケーブルCBLを保護しつつ、作業者WKの体に沿って沿わせながら、ケーブルCBLが作業者WKのピッキング作業を邪魔しないようにしている。明らかであるが、ファスナー部303cの開放する上下位置を調整することで、ケーブルCBLの上部取り出し位置を変更できるから、作業者の身長や体格に合わせて調整ができる。尚、
図7に示すようにたすき掛けの方向を変えても、覆い部303は作業者WKの前側に来ることが望ましい。ファスナー部303cの代わりに、面ファスナーなどを用いて固定してもよい。
【0019】
覆い部303の中央付近に、伸縮自在なチューブ状又はポケット状の保持部304が設けられている。保持部304は、折り畳んだHMD100を収容可能となっている。保持部304にHMD100を収容した状態で、電子機器システムEDSを保管すれば、次に使用する作業者が、HMD100を目印として保持部304側を前側にするように適切に装着できる。
【0020】
図3に示すように、装着具300の端部には、長さ調整機構305が設けられている。長さ調整機構305は、装着具300の端部に取り付けられた、
図3(a)の方向に見て略「日」の字状の金具305aを有する。ストラップ301は、金具305aの3本の梁部の対向する側を交互に(
図3(b)で右・左・右と)横切って折り返され、この端部301aが金具305aの中央の梁部に連結されるようになっている。かかる構成によれば、ストラップ301を金具305aに対して相対的に摺動させることで、ストラップ301の折り返し部301bの長さが調整され、これにより作業者WKの身長や体格に合わせて、給電ユニット200の保持位置を適切に調整できる。
【0021】
更に,折り返し部301bの中央付近に、滑り止め部材306が設けられている。装着具300を装着した際に、滑り止め部材306は作業者WKの後方に位置する側に設けられていると好ましい。滑り止め部材306は、
図3(c)に示すように、折り返し部301bの端部301aに近い側に,点線SWで示すように縫い付けられた第1半部306aと、第1半部306aとで折り返し部301bを挟む第2半部306bとを有する。第1半部306aと第2半部306bとは、折り返し部301bを超えた両側で、点線SWで示すように互いに縫い合わされている。
【0022】
明らかであるが、第2半部306bは、折り返し部301bに対して固定されていない。第2半部306bが折り返し部301bに対して固定されていると、長さ調整機構305を用いた長さ調整ができなくなるからである。第1半部306aと第2半部306bの外側には、樹脂(塩化ビニール)又はゴム製の滑り止め板306c、306dがそれぞれ貼り付けられている。
【0023】
図2を参照して、ストラップ301を作業者WKがたすき掛け状態で、ストラップ301の上端と下端との距離をLとしたときに、滑り止め部材306は、ストラップ301の下端からL/2の範囲内にある。すなわち、ストラップ301をたすき掛けした作業者WKの肩の位置とストラップ301の先端との中間位置より、給電ユニット200に近い側の位置において滑り止め部材306を設けている。これにより,滑り止め部材306は常に作業者WKの背中の下側に位置することとなり、特に屈んだような場合には背中に当接して,比較的重い給電ユニット200の保持性を高めることができる。又、ストラップ301が捩れたような場合でも、両面の滑り止め板306c、306dのいずれかが作業者WKの身体に接することになるので、給電ユニット200を適切に保持できる。
【0024】
図4において、ストラップ301の端部301c及び折り返し部301bには、それぞれ接続部307が取り付けられている。金属製である各接続部307は、矩形リング部307aと、円形リング部307bと、これらを連結する円筒状の回転自在部307cとを有する。一方のリング部307aは、ストラップ301の端部301c又は折り返し部301bに連結され、他方のリング部307bは、給電ユニット200(筐体201)の上端に固定された金属製である先細リング状(又は円弧状)の取付部201aに、それぞれ連結されている。回転自在部307cは、その軸線回りに2つのリング部307a、307bが相対回転することを許容する。つまり、給電ユニット200に対してリング部307aが回転することで、
図4(b)に矢印で示すように、ストラップ301の捩れが許容されるようになっている。給電ユニット200の自重は、全てストラップ301により支持されているので、自重の一部をケーブルCBLが負担することはない。
【0025】
ここで、
図4(a)を参照して、筐体201の横幅(ここでは装着具300を装着した作業者WKの前後方向)をAとし、リング部307bと取付部201aとの接点CPの間隔(横幅と同じ方向)をBとしたときに、以下の式を満たす。
A/3≦B≦A/2 (1)
【0026】
又、一対の接点CPは、給電ユニット200の横幅方向の中心(ここではXPと一致するものとする)を挟んで、略対称的に配置されている。ここで、「略対称」とは、給電ユニット200の横幅方向中心に対する、2つの接点CPの中央位置のズレ量が±0.2Bの範囲にあることをいうものとするが、更に接点CPの中央位置のズレ量が±0.1Bの範囲にあるとより好ましい。
【0027】
図4(b)に示すように、リング部307bと取付部201aとの接点CPは、給電ユニット200の厚さ(幅方向に直交)の略中央に位置する。ここで、「略中央」とは、給電ユニット200の厚さがtであるとしたときに、接点CPの位置が、給電ユニット200の表面から厚さ方向に、0.45t〜0.55tの範囲にあることをいうものとするが、更に接点CPの位置が、給電ユニット200の表面から厚さ方向に、0.43t〜0.53tの範囲にあるとより好ましい。
【0028】
図5は、本実施の形態にかかる電子機器システムEDSを構成するヘッドマウントディスプレイ(HMD)100及び給電ユニット200の斜視図である。
図6は、HMD100のブロック図である。
図7は、本実施の形態にかかる電子機器システムEDSを装着した作業者WKを前方から見た図である。
【0029】
図5に示すように、本実施の形態のHMD100は,支持部材であるフレーム101を有している。上方から見てコ字状であるフレーム101は、中空棒状の前方部101aの両端に、一対の棒状の側方部101b、101cの端部を折りたたみ可能に取り付けている。前方部101aの一部は丸軸部101dとなっており、この丸軸部101dに円孔102aを嵌合するようにして、板状のベース部102が前方部101aに取り付けられている。これによりベース部102は、丸軸部101dの軸線回りに回動可能となっている。
【0030】
ベース部102の上部には本体部103を取り付けており、またベース部102の下部にはディスプレイユニット104が取り付けられている。本体部103内には、ディスプレイユニット104の画像形成部等が収容されており、またケーブルCBLの一端に接続されている。かかるケーブルCBLは、前方部101aの内部を通過して、ベース部102から遠い側の端部より外方へと露出する。前方部101aから出たケーブルCBLは、側方部101cに沿って前方部101aから離れる方向に延在し、その途中部分を留め具101eにより固定されることで、作業者WKの後頭部側へと向かい、更にケーブルCBLの他端は給電ユニット200に接続されている。フレキシブルなケーブルCBL内には、電源供給用のコードCDと、情報伝達用の配線HSとが設けられている(
図6参照)。
【0031】
ディスプレイユニット104は、フレーム101を作業者WKの頭部に装着した状態で、作業者WKのいずれかの目の前に配置されるようになっている。
図5に示す状態では、
図7(a)に示すようにHMD100を頭部に装着した作業者WKの右目の前に、ディスプレイユニット104が位置するようになる。一方、ベース部102をフレーム101の丸軸部101dの軸線回りに180°回動させ、且つHMD100を
図5の状態から天地を逆にして、作業者WKが装着することも出来、この場合、
図7(b)に示すようにHMD100を頭部に装着した作業者WKの左目の前に、ディスプレイユニット104が位置するようになる。かかる場合、ケーブルCBLは作業者WKの右側から伸びるので、
図7(b)に示す方向でたすき掛けを行うことが好ましい。作業者WKは、いずれの態様でも電子機器システムEDSを装着できる。
【0032】
作業者WKにより保持される給電ユニット200は,樹脂製の筐体201を有している。筐体201内には、
図6に示すように、バッテリー204と、ピッキングサーバーPSから情報をダウンロード可能な通信部205と、ディスプレイユニット104の表示を制御する表示制御部206と、これらを司る制御部207が設けられている。バッテリー204は、給電ユニット200の各部に電力を供給すると共に、HMD100内へケーブルCBLのコードCDを介して電力を供給する。又、表示制御部206からの情報は、ディスプレイユニット104にケーブルCBLの配線HSを介して出力されるようになっている。尚、通信部205は、
図6に点線で示すように、外部のタブレットやスマートフォンなどの携帯端末HTからの制御信号を受信することもできる。
【0033】
HMD100のディスプレイユニット104は、所謂シースルー表示可能なディスプレイ部104a(
図5)を有し、給電ユニット200からの給電により、表示制御部206からの情報に基づき画像を形成すると同時に、作業者WKが視認可能なように外界像を透過することができる。ディスプレイユニット104が非表示状態のときディスプレイ部104aは素通しとなり、外界像のみを観察できる。
【0034】
次に、本実施の形態の電子機器システムEDSを用いたピッキング支援動作について説明する。
図8(a)は、本実施の形態にかかる電子機器システムEDSを装着した作業者WKを前方から見た図であり、
図8(b)は、本実施の形態にかかる電子機器システムEDSを装着した作業者WKを前方から見た図である。
図8から明らかなように、作業者WKはスト
ラップ301をたすき掛けし、HMD100を頭部にセットするのみで、簡単に電子機器システムEDSを装着できる。
【0035】
まず
図1において、データベースサーバーDSから商品名と個数を含む発注情報をダウンロードしたピッキングサーバーPSは、アクセスポイントAPを介して,ある作業者WKの給電ユニット200の通信部205に対して無線通信により、棚SFからピッキングすべき商品に関するピッキング情報を送信する。
【0036】
図8に示すように作業者WKが電子機器システムEDSを装着した状態で、ピッキング情報を制御部207が受信したときは、ピッキングすべき商品に関する情報に基づき表示制御部206を制御して、送信された情報に基づいて表示すべき画像を作成させ、その画像情報を、ケーブルCBLの配線HSを介してディスプレイユニット104に送信する。かかる画像情報を入力したディスプレイユニット104は、対応する画像(棚番や商品の品番、画像等)を表示する。
【0037】
表示された画像を見た作業者WKは、カートCTを押しながら、その棚番を頼りに商品が保管されている場所まで移動する。示された棚SFにて、ピッキングすべき商品を発見した作業者WKは、不図示のハンディスキャナーにより商品のバーコード情報を読み取る。読みとられた信号は、通信部205を介して制御部207へと送信され、これにより制御部207は、指定された商品がピッキングされたものと判断して、次にピッキングすべき商品に関する画像を、表示制御部206を介してディスプレイユニット104に表示する。かかる画像を見た作業者WKは、カートCTを押しながら、その棚番を頼りに商品が保管されている場所まで移動し、同様にピッキング作業を行う。全ての商品についてピッキング作業が完了したら、作業者WKは荷下ろし場へと移動して、商品を積み替え、再び新たなピッキング情報に基づいて,新たなピッキング作業を行うこととなる。
【0038】
このようにピッキング作業は長時間行われるため、その間、ディスプレイユニット104はずっと駆動され続けることから、バッテリー204の容量は比較的大きく、それに伴い大重量となっている。従って、給電ユニット200も重くなることから、本実施の形態では、作業者WKがたすき掛けした装着具300の下端に、給電ユニット200を吊り下げることで、作業者WKの負担を軽減するようになっている。
【0039】
本実施の形態の効果を、比較例と比較することで詳細に説明する。
図9(a)は、本実施の形態の電子機器システムEDSを装着した作業者WKが、商品CMを抱えて歩く状態を側方から見た図である。一方、
図9(b)、(c)は、比較例の電子機器システムEDS’を装着した作業者WKが、商品CMを抱えて歩く状態を側方から見た図である。
【0040】
まず、
図9(b)の比較例の場合、筐体201の上部に設けられた単一の取付部201aに、装着具300のストラップ301の端部が同時に連結されている。この比較例では、取付部201aから接点CPを通るストラップ301の2つの軸線AX1、AX2が、取付部201aで交差することとなる。
【0041】
よって、
図9(b)に示す比較例では、給電ユニット200が、その自重Wにより重力加速度方向下側に付勢されたとき、ストラップ301がすぼまる力(後側のストラップ301を作業者WKの前方に押す力F1,及び前側のストラップ301を作業者WKの後方に押す力F2)は強くはなるが、ストラップ301と取付部201aとの連結部回りに給電ユニット200が回転しやすくなり、作業者WKのピッキング作業を阻害する恐れがある。
【0042】
一方、
図9(c)の比較例の場合、筐体201の前方側及び後方側に設けられた取付部201aに、装着具300のストラップ301の端部がそれぞれ連結されている。この比較例では、取付部201aから接点CPを通るストラップ301の2つの軸線AX1、AX2が、給電ユニット200より重力加速度方向下側で交差することとなる。
【0043】
図9(c)に示す比較例では、取付部201aとストラップ301の端部との接点CPのスパンが比較的長いので、上述したような給電ユニット200の回転を有効に阻止できる。しかしながら、給電ユニット200が、その自重により重力加速度方向下側に付勢されたとき、ストラップ301がすぼまる力(F1,F2)が比較的弱くなり、給電ユニット200が身体から離れやすく、給電ユニット200の保持性が低下して、作業者WKのピッキング作業を阻害する恐れがある。
【0044】
これに対し、
図9(a)に示す本実施の形態の場合、筐体201の上部に設けられた2つの取付部201aに、装着具300のストラップ301の端部がそれぞれ連結されている。よって本実施の形態では、取付部201aから接点CPを通るストラップ301の2つの軸線AX1、AX2が、給電ユニット200の内部で交差することとなる。言い換えると、ストラップ301を作業者WKがたすき掛けしたときに、
図4を参照して、一対の接続部307と取付部201aとの接点CPをそれぞれ通過する、ストラップ301の軸線(ここではストラップ301の端部301cの中心又は折り返し部301bの端部中心と、接点CPとを結ぶ線とする)AX1、AX2が、
図4(a)方向に見て、ストラップ301に保持された給電ユニット200内の交点XPで交わるようになっている。
【0045】
本実施の形態によれば、取付部201aとストラップ301の端部との接点CPの間隔Bが比較的長いので、ストラップ301と取付部201aとの連結部回りに給電ユニット200が回転することを有効に阻止できる。これにより作業者WKがピッキングのため屈んだ場合でも、給電ユニット200が回転して前方側に落下することを抑制できる。又、給電ユニット200が、その自重により重力加速度方向下側に付勢されたとき、ストラップ301がすぼまる力(F1、F2)が強くなるので、給電ユニット200が身体から離れにくく、給電ユニット200の保持性が向上して、作業者WKのピッキング作業を容易にできる。
【0046】
加えて、本実施の形態によれば、
図4(a)を参照して、筐体201の横幅をAとし、リング部307bと取付部201aとの接点CP同士の間隔をBとしたときに、以下の式を満たすので、給電ユニット200の回転阻止と保持性とを高い次元で両立でき、例えば作業中に作業者WKが屈んでも、比較的重量のある給電ユニット200が前側に垂れ下がることを有効に抑制できる。
A/3≦B≦A/2 (1)
【0047】
又、
図4(a)を参照して、一対の接点CPが、給電ユニット200の横幅方向の中心(ここではXP)を挟んで、略対称的に配置されているので、ストラップ301により給電ユニット200をバランス良く保持することができる。
【0048】
更に、
図4(b)を参照して、リング部307bと取付部201aとの接点CPが、給電ユニット200の厚さの略中央(t/2)に位置するので、例えば
図7(b)に示すように、作業者WKが逆方向にたすき掛けをした際に、給電ユニット200が裏返しになったような場合にも、
図7(a)に示す場合と同様に、給電ユニット200を適切に保持することができる。
【0049】
又、
図8(b)に示すように、作業者WKの背中の下側に当接するように滑り止め部材306を設けているので、ストラップ301のすぼまる力(
図9のF1,F2)が滑り止め部材306を作業者WKの背中に押しつける方向に作用することで、給電ユニット200の保持性が高まる。特に、作業者WKが商品CMをピッキングするために屈んだような場合、その背中に滑り止め板306c(又は306d)が当接することでストラップ301の滑りを抑え、給電ユニット200が前方に垂れ下がることを有効に抑制できる。
【0050】
図10は、本実施の形態の変形例を示す
図2と同様な図である。本変形例においては、ストラップ301を作業者WKがたすき掛けしたときに、作業者WKの肩に当接するストラップ301の面と、作業者WKの腹部に当接するストラップ301の面に、滑り止めシート308をそれぞれ貼り付けた点のみが異なる。これにより、装着具300の保持性がより高まる。それ以外の構成は,上述した実施の形態と同様である。
【0051】
図11は、別な実施の形態を示す
図2と同様な図である。
図12は、かかる実施の形態で用いるケース400の正面図(a)、及び側面図(b)である。本実施の形態では、ナイロン等の樹脂製であるケース400の正面のポケット401に、ケーブルCBLを連結された筐体201が収容されている。ここでは、筐体201に取付部を設ける代わりに、ケース400の上端に、一対の取付部400aを形成している。ケース400と筐体201とで、給電ユニットを構成する。
【0052】
図12(a)において、筐体201(筐体201を収容するポケット401)の横幅をAとし、接続部307と取付部201aとの接点CP同士の間隔をBとしたときに、以下の式を満たすので、筐体201を収容したケース400の回転阻止と保持性とを高い次元で両立できる。
A/3≦B≦A/2 (1)
【0053】
又、
図12(a)において、一対の接点CPが、ケース400及び筐体201の横幅方向の中心を挟んで、略対称的に配置されているので、ストラップ301により、筐体201を収容したケース400をバランス良く保持することができる。
【0054】
更に、
図12(b)を参照して、接続部307と取付部201aとの接点CPが、ケース400の厚さの略中央(t/2)に位置するので、例えば
図7(b)に示すように、作業者WKが逆方向にたすき掛けをした際に、給電ユニットが裏返しになったような場合にも、
図7(a)に示す場合と同様に、給電ユニットを適切に保持することができる。それ以外の構成は,上述した実施の形態と同様である。
【0055】
尚、
図5に点線で示すように筐体201(又は
図12のケース400)の外側に携帯端末HTを保持するために、例えばポケット状の保持部を設けても良い。かかる場合、保持した携帯端末HTを操作することで、無線又は有線で通信部205を介して操作信号を入力し、それによりディスプレイユニット104の画像制御を行うようにできる。又、上述した実施の形態では、給電ユニットが制御部等を有しているが、少なくともバッテリーを有すれば足りる。本発明はピッキングシステムに限られず、それ以外でも使用可能である。