特許第6624193号(P6624193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6624193
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】光学装置、表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20191216BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20191216BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20191216BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20191216BHJP
   G09F 9/46 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G02F1/1335 510
   G02F1/1347
   G02F1/13 505
   G09F9/00 313
   G09F9/00 324
   G09F9/46 A
【請求項の数】11
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2017-501872(P2017-501872)
(86)(22)【出願日】2015年12月15日
(86)【国際出願番号】JP2015085031
(87)【国際公開番号】WO2016136100
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年12月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-37733(P2015-37733)
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-57106(P2015-57106)
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝原 靖司
(72)【発明者】
【氏名】林本 誠二
(72)【発明者】
【氏名】嶋 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】亀島 一昭
【審査官】 鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−037943(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/112525(WO,A1)
【文献】 特開平11−281970(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/162635(WO,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0074499(KR,A)
【文献】 特開2002−365626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02F 1/1347
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光として第1の偏光軸を有する第1の直線偏光を出射する表示部と、
前記表示部と対向して配置され、前記第1の直線偏光を透過する画像表示モードと外光を反射する外光反射モードとの切り替えを行う表示切替部と
を有し、
前記表示部は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第1の偏光軸と交差する第2の偏光軸を有する第2の直線偏光を吸収する第1の吸収型偏光部材を含み、
前記表示切替部は、前記表示部から遠ざかる方向に順に配置された反射型偏光部材と透過偏光軸可変部材と第2の吸収型偏光部材とを含み、
前記反射型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過させると共に前記第2の直線偏光を反射するものであり、
前記透過偏光軸可変部材は、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換して透過させる第1のモードと、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第2のモードとの切り替えを行うものであり、
前記第2の吸収型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第2の直線偏光を吸収するものであり、
前記第2の吸収型偏光部材の色相b*値は、前記第1の吸収型偏光部材の色相b*値より3.12小さい
表示装置。
【請求項2】
前記透過偏光軸可変部材は、TN(Twisted Nematic)液晶素子、STN(Super Twisted Nematic)液晶素子、VA(Vertical Alignment)液晶素子、反強誘電性液晶素子または強誘電性液晶素子のいずれかの液晶素子である
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記透過偏光軸可変部材が、双安定液晶表示素子または3安定液晶表示素子である
請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の吸収型偏光部材は、前記表示部の内部に設けられている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記第1の吸収型偏光部材を挟んで前記表示切替部と反対側に表示パネルをさらに含み、
前記第1の吸収型偏光部材と前記反射型偏光部材との間にガラス基板をさらに有する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記反射型偏光部材と前記透過偏光軸可変部材とを貼り合わせる第1の樹脂層をさらに有し、
前記第1の樹脂層は25μm以下の厚さを有する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2の吸収型偏光部材と前記透過偏光軸可変部材とを貼り合わせる第2の樹脂層をさらに有し、
前記第2の樹脂層は25μm以下の厚さを有する
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記反射型偏光部材と前記表示部とを貼り合わせる第3の樹脂層をさらに有し、
前記第3の樹脂層は25μm以下の厚さを有する
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記透過偏光軸可変部材は、一部の前記第1の直線偏光のみを前記第2の直線偏光へ変換して透過させると共に残りの前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第3のモードへの切り替えも行う
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1の吸収型偏光部材の色相b*値は3.55であり、
前記第2の吸収型偏光部材の色相b*値は0.43である
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
表示装置と、
前記表示装置を制御する制御部と
を備え、
前記表示装置は、
画像光として第1の偏光軸を有する第1の直線偏光を出射する表示部と、
前記表示部と対向して配置され、前記第1の直線偏光を透過する画像表示モードと外光を反射する外光反射モードとの切り替えを行う表示切替部と
を有し、
前記表示部は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第1の偏光軸と交差する第2の偏光軸を有する第2の直線偏光を吸収する第1の吸収型偏光部材を含み、
前記表示切替部は、前記表示部から遠ざかる方向に順に配置された反射型偏光部材と透過偏光軸可変部材と第2の吸収型偏光部材とを含み、
前記反射型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過させると共に前記第2の直線偏光を反射するものであり、
前記透過偏光軸可変部材は、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換して透過させる第1のモードと、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第2のモードとの切り替えを行うものであり、
前記第2の吸収型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第2の直線偏光を吸収するものであり、
前記第2の吸収型偏光部材の色相b*値は、前記第1の吸収型偏光部材の色相b*値より3.12小さい
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示の切替を行う光学装置、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの液晶パネルを重ね合せることによって、通常の画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)とを切り替え可能に構成した表示装置が知られている(例えば特許文献1,2参照)。そのような表示装置は、具体的には、例えば液晶表示部の観察者側に、液晶表示部から観察者に向かう順に反射型偏光板と液晶パネルと吸収型偏光板とが積層配置された表示切替部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001―318374号公報
【特許文献2】特開2004―37943号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、上記の表示装置においては、画像表示モードおよび外光反射モードのいずれにおいても、表示切替部における液晶パネルと吸収型偏光板とを順次透過した光を視認することとなる。このため、観察者に視認される画像光は、それらの液晶パネルおよび吸収型偏光板の透過特性の影響を受けることとなり、例えば吸収型偏光板の波長分散と液晶パネルの波長分散とに起因する色付きが発生し、表示品位に欠けるおそれがある。また、映像光の切り替えを行う際に、特定の領域だけを切り替えたり、特異な形状で表示を行ったりしたい場合には、例えば、切り替え用の液晶パネルの電極を、用途や目的に応じた形状にすることが必要となる。しかし、そのようにした場合には、切り替え用の液晶パネルの電極を形成する際に、用途や目的ごとにマスクを取り換えてフォトリソグラフィを行う必要があるので、製造コストが大幅に増大してしまう。
【0005】
したがって、画像表示モードおよび外光反射モードのいずれにおいても優れた表示性能を有する表示装置および電子機器を提供することが望ましい。また、製造コストの大幅な増大を抑えることの可能な光学装置およびそれを備えた表示装置を提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施形態としての表示装置は、画像光として第1の偏光軸を有する第1の直線偏光を出射する表示部と、その表示部と対向して配置され、第1の直線偏光を透過する画像表示モードと外光を反射する外光反射モードとの切り替えを行う表示切替部とを有する。表示部は、第1の直線偏光を透過すると共に第1の偏光軸と交差する第2の偏光軸を有する第2の直線偏光を吸収する第1の吸収型偏光部材を含む。表示切替部は、表示部から遠ざかる方向に順に配置された反射型偏光部材と透過偏光軸可変部材と第2の吸収型偏光部材とを含む。反射型偏光部材は、第1の直線偏光を透過させると共に第2の直線偏光を反射するものである。透過偏光軸可変部材は、第1の直線偏光を第2の直線偏光へ変換して透過させる第1のモードと、第1の直線偏光を第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第2のモードとの切り替えを行うものである。第2の吸収型偏光部材は、第1の直線偏光を透過すると共に第2の直線偏光を吸収するものである。第2の吸収型偏光部材の色相b*値は、第1の吸収型偏光部材の色相b*値以下である。また、本開示の一実施形態としての電子機器は、上記本開示の一実施形態としての表示装置と、その表示装置を制御する制御部とを備えるものである。
【0007】
本開示の一実施形態としての表示装置および電子機器では、表示切替部により、画像表示モードと外光反射モードとの切り替えが行われる。また、第2の吸収型偏光部材の色相b*値は、第1の吸収型偏光部材の色相b*値以下である。このため、第2の吸収型偏光部材の色相b*値が第1の吸収型偏光部材の色相b*値よりも大きい場合と比べ、第2の吸収型偏光部材を配置することに起因する色付きが低減される。
【0008】
本開示の光学装置は、外部からの制御に基づいて偏光を制御する偏光制御層と、偏光制御層の一方の面側に配置された偏光層と、偏光制御層の他方の面側に配置された第1反射層および第2反射層とを備えている。第1反射層は、反射偏光層であり、第2反射層は、1または複数の開口を有している。
【0009】
本開示の他の表示装置は、表示切替部と、映像光として直線偏光光を出射する出射面を有する表示部と、表示切替部を制御する制御部とを備えている。表示切替部は、制御部による制御に基づいて偏光を制御する偏光制御層と、偏光制御層との関係で表示部とは反対側の位置に配置された偏光層と、偏光制御層との関係で表示部側の位置に配置された第1反射層および第2反射層とを有している。第1反射層は、反射偏光層であり、第2反射層は、1または複数の開口を有している。
【0010】
本開示の光学装置および他の表示装置では、偏光制御層による偏光制御によって、ミラー状態と表示状態とが切り替えられる。ミラー状態では、例えば、偏光層側から偏光制御層に入射した偏光光の偏光軸が、第1反射層の偏光軸に対して直交するように、偏光制御層が制御される。従って、ミラー状態では、偏光層に入射した光は、第1反射層で反射され、戻ってくるので、光学装置の表面が、光学装置のユーザにとって、鏡のように機能する。表示状態では、例えば、1または複数の開口を介して、第1反射層側から偏光制御層に入射した偏光光(例えば映像光)の偏光軸が、偏光層の偏光軸に対して平行となるように、偏光制御層が制御される。従って、表示状態では、1または複数の開口を介して、第1反射層側から偏光制御層に入射した偏光光は、偏光層を透過して、光学装置のユーザに到達するので、光学装置の表面が、光学装置のユーザにとって、映像表示面のように機能する。
【0011】
また、本開示の光学装置および他の表示装置では、1または複数の開口の大きさや形状は、第2反射層を形成する過程で、例えば、シート状部材に加工を施したり、溶融した材料を成型したりすることにより、形成可能である。従って、本開示の光学装置および他の表示装置において、特定の領域の表示状態だけを切り替えたり、所望の形状での表示を行ったりしたい場合に、偏光制御層の制御に用いられる電極を形成する際に、用途や目的ごとにマスクを取り換えてフォトリソグラフィを行う必要がない。
【0012】
本開示の一実施形態としての表示装置および電子機器によれば、画像表示モードおよび外光反射モードのいずれにおいても優れた表示性能を発揮することができる。
【0013】
また、本開示の光学装置および他の表示装置によれば、偏光制御層による偏光制御によって、光学装置が、鏡またはディスプレイのように機能するようにし、さらに、偏光制御層に対して偏光制御用に複数の電極を設けなくてもよいようにしたので、製造コストの大幅な増大を抑えることができる。
【0014】
なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本開示における第1の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図1B図1Aに示した表示装置の作用を表す概念図である。
図2】本開示における第2の実施の形態に係る表示装置を表す概念図である。
図3】本開示における第3の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図4】本開示における第4の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図5】本開示における第5の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図6】本開示における第6の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図7】本開示における第7の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図8】本開示における第8の実施の形態に係る表示装置を表す断面図である。
図9A図8に示した表示装置における液晶分子のプレチルト方向を表す模式図である。
図9B図8に示した表示装置における液晶分子の挙動を表す模式図である。
図9C図8に示した表示装置における液晶分子の他の挙動を表す模式図である。
図10】本開示の表示装置を備えた電子機器の構成例を表す概念図である。
図11】実験例1−1,1−2における色度を表す特性図である。
図12】実験例2−1〜2−4における樹脂層の厚さとオレンジピールWd値との関係を表す特性図である。
図13】実験例3−1〜3−3における液晶層のリターデーションと透過率との関係を表す特性図である。
図14】実験例4−1〜4−4における液晶層の位相差Δnと透過率との関係を表す特性図である。
図15】本開示の第9の実施の形態に係る表示装置の概略構成の一例を表す図である。
図16図15の表示部および表示切替部の断面構成の一例を表す図である。
図17図16の表示部および表示切替部の作用の一例について説明するための概念図である。
図18図16の表示部および表示切替部の作用の一例について説明するための概念図である。
図19図16の第2反射層の平面構成の一例を表す図である。
図20図16の第2反射層の平面構成の一例を表す図である。
図21図16の第1反射層および第2反射層として用いられる反射偏光層を透過した光の輝度の波長依存性の一例を表す図である。
図22図15の表示部および表示切替部の断面構成の一変形例を表す図である。
図23図22の表示部および表示切替部の作用の一例について説明するための概念図である。
図24図22の表示部および表示切替部の作用の一例について説明するための概念図である。
図25図15の表示部および表示切替部の断面構成の一変形例を表す図である。
図26図25の表示部および表示切替部の作用の一例について説明するための概念図である。
図27図25の表示部および表示切替部の作用の一例について説明するための概念図である。
図28A図16図22図25の表示切替部に追加されるミラー層の配置の一例を表す図である。
図28B図16図22図25の表示切替部に追加されるミラー層の配置の一例を表す図である。
図29図16図25の表示部および表示切替部の断面構成の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(表示切替部において、吸収型偏光板の透過軸と反射型偏光板の透過軸とが平行である例)
2.第2の実施の形態(表示切替部において、吸収型偏光板の透過軸と反射型偏光板の透過軸とが直交する例)
3.第3の実施の形態(表示部において、吸収型偏光板を液晶パネルの内部に設けるようにした例)
4.第4の実施の形態(表示部と表示切替部との間にガラス基板を配置するようにした例)
5.第5の実施の形態(表示切替部において位相差板を配置するようにした例)
6.第6の実施の形態(表示切替部において強誘電性液晶パネルを配置するようにした例)
7.第7の実施の形態(表示切替部において反強誘電性液晶パネルを配置するようにした例)
8.第8の実施の形態(表示切替部においてVA液晶パネルを配置するようにした例)
9.適用例(電子機器)
10.実験例
11.第9の実施の形態
第1反射層が第2反射層よりも偏光制御層寄りに配置されている例(図15図21
12.第9の実施の形態の変形例
変形例A:第2反射層が第1反射層よりも偏光制御層寄りに
配置されている例(図22図24
変形例B:ベゼルが第2反射層を兼ねている例(図25図27
変形例C:環状のミラー層がさらに設けられている例(図28A図28B
変形例D:第2反射層が第1反射層よりも大きくなっている例
変形例E:ベゼルが環状のミラー層を兼ねている例(図29
変形例F:偏光制御層のオンオフ制御のバリエーション
【0017】
<1.第1の実施の形態>
図1Aは本開示の一実施の形態としての表示装置1の断面構成を表したものである。この表示装置1は、2つの液晶パネルを重ね合せることにより画面状態と鏡面状態とを切替可能に構成したものである。このような表示装置では、画面状態および鏡面状態のいずれにおいても、表示切替部に設けられた液晶パネルと、観察者側に配置された吸収型偏光板とを透過した光を視認することとなるので、観察側に配置された吸収型偏光板と表示切替部の液晶パネルの透過特性によって視認態様が定まる。このため、上述した従来の表示装置では、吸収型偏光板と表示切替部の液晶パネルの光学特性によって表示状態とミラー状態のいずれにおいても吸収型偏光板の波長分散と液晶パネルの波長分散とに起因する色付きが発生する場合があった。また、鏡面状態においては、反射型偏光板は表示切替部の液晶パネルと表示部との間に配置されるので、表示切替部の表面における平坦度や表示部の表面における平坦度の影響を受けやすく、鏡面表示の際に滲みが視認されやすいという問題点も懸念される。鏡面状態においては、対象物を正確に、滲みなく映し出すと共に、対象物の色を正確に映し出すことが求められる。表示装置1は、このような要求を満足するものである。以下、詳細に説明する。
【0018】
[表示装置1の構成]
表示装置1は、互いの主面同士が重なり合うように対向配置された表示部10と表示切替部20とを有する。表示部10は所定の表示態様を形成する画像光を観察者へ向けて出射するものであり、表示切替部20は表示部10の観察者側に配置され、表示部10からの画像光を透過する画像表示モードと外光を反射する外光反射モードとの切り替えを行うものである。なお、表示部10と表示切替部20とは、相互に少なくとも一部が重なっていればよい。
【0019】
(表示部10)
表示部10としては、例えばエレクトロルミネッセンス素子やプラズマディスプレイパネル、あるいは電子ペーパー等の各種の表示機構が適用されうるが、本実施の形態では液晶表示素子を用いた場合について説明する。
【0020】
表示部10の駆動モードとしては、TFT(Thin Film Transistor)やTFD(Thin Film Diode)等の能動素子を用いたアクティブマトリクス駆動等のアクティブ駆動モードと、上記のような能動素子を用いない単純駆動若しくはマルチプレックス駆動等のパッシブ駆動モードとのいずれであってもよい。さらに、表示部10のパネル構造としては、透過型パネル、反射型パネルまたは反射半透過型パネルのいずれであってもよい。本実施の形態では透過型パネルを用いた場合について説明する。
【0021】
表示部10は、例えば図1Aに示したように、表示切替部20に近い位置から順に吸収型偏光板11と液晶パネル13と吸収型偏光板14とバックライト15とを有する。吸収型偏光板11と液晶パネル13の間に位相差板がさらに配置されていてもよい。
【0022】
液晶パネル13は、基板13Aと基板13Bとの間に液晶層13Cが挟持された構造を有する。基板13Aおよび基板13Bは例えばガラス(石英を含む)などの透明材料からなり、所定の間隔(例えば1.5μmから10μm程度)を有するように対向配置され、シール材(図示せず)などによって貼り合わされている。また、基板13A,13Bの内面には図示しない電極がそれぞれ形成されており、これらの電極によって液晶層13Cに電界を印加することができるように構成されている。
【0023】
液晶パネル13の液晶モードとしては、例えばTN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe
Field Switching)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、またはECB(Electrically Controlled Birefringence)モードを用いることができる。これらの液晶モードを有する液晶表示素子は、偏光板を用いて表示態様を実現するように構成されているので、比較的低い駆動電圧でありながら高い表示品位を得ることができるので好ましい。この中でVAモードが特に好ましい。VAモードの液晶表示素子は、表示部10の吸収型偏光板11,14にストレスが負荷された場合に、他の液晶モード(例えばIPSモード)に比べて黒浮きしにくいからである。ここで、黒浮きとは、黒表示の際に一部に光漏れが生じることをいう。表示装置1では、表示部10と表示切替部20とが例えば第3の樹脂層33(以下、単に樹脂層33という。)により貼り合わされている。表示部10と表示切替部20との貼り合わせの際、例えばゲル状の樹脂が硬化・収縮して樹脂層33を形成するが、その樹脂が硬化および収縮するのに伴って表示部10の偏光板(特に吸収型偏光板11)にストレスを与えてしまう。ここで、例えば表示部10としてIPSモードの液晶表示素子を用いると表示領域の角隅部に黒浮きが僅かに発生することがあるが、表示部10としてVAモードの液晶表示素子を用いることにより黒浮きを抑制することができる。樹脂層33の色相b*値は、例えば−0.5以上0.5以下であるとよい。また、樹脂層33のヘイズ値は例えば1以下であるとよい。また、表示部10(吸収型偏光板11)と表示切替部20(後出の反射型偏光板21)とが樹脂層33を介して貼り合わされているので、貼り合わせによる吸収型偏光板11と反射型偏光板21との界面近傍における凹凸の発生を抑制できる。そのような凹凸の発生を抑制することにより、凹凸に起因する鏡状態(外光反射モード)での滲みを低減できる。樹脂層33としては、例えばLintec社製の高透明基材レステープCTL−NC103や、DIC社製の基材レス光学用両面接着テープDAITAC ZB7010W−10などを用いることができる。
【0024】
吸収型偏光板11,14は、表示部10の構成上、必要とされる配置(例えば直交ニコル配置)に設定される。吸収型偏光板11,14は偏光透過軸をそれぞれ有し、その偏光透過軸と平行な振動面を有する直線偏光を透過し、その偏光透過軸と交差する(好ましくは直交する)方向に平行な振動面を有する直線偏光を吸収するものである。吸収型偏光板11,14としては、例えば延伸したポリビニルアルコールにヨウ素を吸収させることにより偏光機能を付与した膜の両面に、トリアセチルセルロースの保護層を施したものを用いることができる。
【0025】
バックライト15は、背後から液晶パネル13に対してほぼ均一な照度で照明を行うことができるものであればよい。例えば、導光板と、この導光板の端面部に配置された光源とを含む端面発光型のバックライトや、導光板と、この導光板の背面に配置された光源とを含む背面発光型のバックライトなどが挙げられる。
【0026】
(表示切替部20)
表示切替部20 は、上記の表示部10から観察者に向けて反射型偏光板21と液晶パネル22と吸収型偏光板23とが順に配置されたものである。なお、吸収型偏光板23と液晶パネル22との間、および反射型偏光板21と液晶パネル22との間の少なくとも一方に、視野角向上フィルムを配置してもよい。
【0027】
反射型偏光板21は、透過偏光軸21J(後出)を有し、その透過偏光軸21Jと平行な振動面を有する直線偏光を透過し、その透過偏光軸21Jと交差する(好ましくは直交する)方向に平行な振動面を有する直線偏光を反射するものである。具体的には、反射型偏光板21は、表示部10から出射される第1の直線偏光Lp(後出)は透過し、これと直交する透過偏光軸を有する第2の直線偏光Ls(後出)は鏡面反射する機能を有するものを使用する。そのような部材としては、例えば国際出願の国際公開番号:WO95/27919号に開示されている異なる複屈折性高分子フィルムを交互に複数層積層した複屈折反射型偏光フィルム、あるいは、コレステリック液晶層の表と裏に1/4波長板を配置したものを用いることができる。複屈折反射型偏光フィルムとしては、所定の直線偏光を透過し、その直線偏光の偏光軸と直交する偏光軸を有する直線偏光を鏡面反射する機能を有するものが3M社(米国)からDBEFという商品名で市販されており、これを反射型偏光板21として使用することができる。
【0028】
一方、反射型偏光板21として、コレステリック液晶層の表と裏に1/4波長板を配置したもので構成する場合、配向処理された2枚の透明基板間に低分子コレステリック液晶を収めた液晶セルや、高分子コレステリック液晶層をガラスあるいは透明樹脂等の平坦かつ光学的に等方で透明な基板上に形成したものを用いることができる。コレステリック液晶層は、ヘリカルな分子配列に基づく特異な光学特性を示すもので、ヘリカル軸に平行に入射した光が、コレステリック螺旋の回転方向に応じて、一方の回転方向の円偏光は反射し、他方は透過するという選択反射を示すものである。選択反射の波長域は、分子配列のピッチによって決まるので、可視波長域全域で選択反射が起こるようにするためには、ピッチの異なる複数のコレステリック液晶層を積層して用いることが必要である。この場合、可視波長域全域での選択反射を得るために、ピッチの異なるコレステリック液晶層を複数層重ねる代わりにAsia Display95 Digest, p735, The Institute of Television Engineers of Japan (ITE) &The Society for Information Display (SID) に記載されているような、ピッチを連続的に変化させたコレステリック液晶層を用いてもよい。また選択反射の波長域を、低波長側(400〜600nm)の反射率から高波長側(600nm以上の可視光域)へシフトさせることにより、色相b*値を−方向にすることが可能になり好ましい。
【0029】
また、反射型偏光板21として、コレステリック液晶層の表と裏に1/4波長板を配置したものを用いる場合、コレステリック液晶層の裏側、すなわち表示部10側に配置される1/4波長板は、その遅相軸を以下のような方向に設定するとよい。すなわち、表示部10から出射して反射型偏光板21に入射する第1の直線偏光Lpを、コレステリック液晶層を透過する円偏光に変換するように、その遅相軸を配置する。一方、同じくコレステリック液晶層の表側、すなわち液晶パネル22側に配置される1/4波長板は、コレステリック液晶層を透過する円偏光が第1の直線偏光Lpへ変換されるように、その遅相軸を配置する。
【0030】
このようにコレステリック液晶層の表と裏に1/4波長板を配置した構成の反射型偏光板21に第2の直線偏光Lsが入射した場合、その第2の直線偏光Lsは、1/4波長板の作用によりコレステリック液晶層を透過する円偏光とは逆周りの円偏光に変換される。このため、その第2の直線偏光Lsは、コレステリック液晶層においてで選択的に反射される。コレステリック液晶層で反射した円偏光は、再び1/4波長板を透過する際、その1/4波長板の作用で第2の直線偏光Lsに変換される。
【0031】
なお、この構成の反射型偏光板21に使用する1/4波長板は、可視波長の全域において1/4波長板として機能するものを用いることが望ましい。1/4波長板としては、可視波長域において高い透過率を有する、延伸した高分子フィルム、例えばポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリスチレン、ポリアリレート等を用いることができる。このほかにも雲母、水晶、分子軸を一方向に揃えて配向した液晶層等を用いることができる。
【0032】
また、一般に1/4波長板を構成する材質の屈折率の波長依存性(以下、波長分散)により、一種類の位相差板で可視波長の全域に対し1/4波長板として機能する位相差板を構成することは困難である。しかし、波長分散の異なる少なくとも2種類の位相差板をその光学軸を直交するように貼り合わせることにより、広い波長域において1/4波長板として機能するよう構成したものを使用すればよい。
【0033】
反射型偏光板21と液晶パネル22とは、例えば25μm以下の厚さを有する第1の樹脂層31(以下、単に樹脂層31という。)を介して貼り合わされているとよい。貼り合わせによる液晶パネル22と反射型偏光板21との界面近傍における凹凸の発生を抑制できるからである。そのような凹凸の発生を抑制することにより、凹凸に起因する鏡状態(外光反射モード)での滲みを低減できる。樹脂層31の色相b*値は、例えば−0.5以上0.5以下であるとよい。また、樹脂層31のヘイズ値は例えば1以下であるとよい。このような樹脂層31としては、例えばLintec社製の高透明基材レステープCTL−NC103や、DIC社製の基材レス光学用両面接着テープDAITAC ZB7010W−10などを用いることができる。
【0034】
液晶パネル22は、第1の直線偏光Lpを、それと直交する偏光軸を有する第2の直線偏光Lsへ変換して透過させる第1のモードと、第1の直線偏光Lpを第2の直線偏光Lsへ変換せずにそのまま透過させる第2のモードとの切り替えを行うものである。液晶パネル22は、基板22Aと基板22Bとの間に液晶層22Cが挟持された構造を有する。基板22Aおよび基板22Bは例えばガラス(石英を含む)などの透明材料からなり、所定の間隔(例えば1.5μmから10μm程度)を有するように対向配置され、シール材(図示せず)などによって貼り合わされている。基板22A,22Bの構成材料としては、ガラスを用いたもののほか、プラスチックなどの樹脂を用いたものであってもよい。基板22Aおよび基板22Bのいずれか一方にガラスを用いると共に他方に樹脂を用いたものであってもよい。基板22Aおよび基板22Bの構成材料として樹脂を用いることによって薄型化を図り、耐衝撃性の向上を図ることができる。また、ガラス基板としては無アルカリガラスが好ましい。
【0035】
また、基板22Aおよび基板22Bの内面には図示しない透明電極がそれぞれ形成されており、これらの透明電極によって液晶層22Cに所定の電界を印加できるように構成される。この液晶パネル22の場合には、液晶層22Cの両側に、有効表示領域内をほぼ全面的に覆うように構成された一体の上記透明電極がそれぞれ一つずつ設けられていてもよい。ただし、上記透明電極は液晶層22Cの両側にそれぞれ複数形成され、相互に独立に電位を供給できるように構成されていても構わない。
【0036】
吸収型偏光板23は透過偏光軸23J(後出)を有し、その透過偏光軸23Jと平行な振動面を有する直線偏光を透過し、その透過偏光軸23Jと交差する(好ましくは直交する)方向に平行な振動面を有する直線偏光を吸収するものである。
【0037】
液晶パネル22の表示モードとしては、TNモード、ECBモード、STNモード、BTN(Bistable Twisted Nematic)モード、VAモード、IPSモード、強誘電性液晶モード、または反強誘電性液晶モードのいずれかであることが好ましい。
【0038】
液晶パネル22と吸収型偏光板23とは、例えば25μm以下の厚さを有する第2の樹脂層32(以下、単に樹脂層32という。)を介して貼り合わされているとよい。貼り合わせによる液晶パネル22と吸収型偏光板23との界面近傍における凹凸の発生を抑制できるからである。そのような凹凸の発生を抑制することにより、凹凸に起因する鏡面状態(外光反射モード)での滲みを低減できる。樹脂層32の色相b*値は、例えば−0.5以上0.5以下であるとよい。また、樹脂層32のヘイズ値は例えば1以下であるとよい。このような樹脂層32としては、例えばLintec社製の高透明基材レステープCTL−NC103や、DIC社製の基材レス光学用両面接着テープDAITAC ZB7010W−10またはDAITAC ZB7011Wなどを用いることができる。なお、DAITAC ZB7011Wの色相b*値は0.11であり、DAITAC ZB7010W−10のヘイズ値(JIS K7136)は0.4である。
【0039】
表示切替部20では、液晶パネル22と吸収型偏光板23との間、および液晶パネル22と反射型偏光板21との間にそれぞれ位相差板(図示せず)が配置されていてもよい。
【0040】
反射型偏光板21および吸収型偏光板11は、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板11の透過偏光軸とが実質的に平行となり、または、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板11の透過偏光軸とが実質的に直交するように配置されていることが好ましい。また、表示装置1では、吸収型偏光板11の透過偏光軸と吸収型偏光板14の透過偏光軸とは互いに実質的に直交していることが望ましい。したがって、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板11の透過偏光軸とが実質的に平行である場合、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板14の透過偏光軸とは実質的に直交しているとよい。一方、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板11の透過偏光軸とが実質的に直交している場合、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板14の透過偏光軸とは実質的に平行であるとよい。
【0041】
表示切替部20の駆動モードとしては、表示部10の駆動モードと同様にTFTやTFD等の能動素子を用いたアクティブマトリクス駆動等のアクティブ駆動モードと、上記のような能動素子を用いない単純駆動もしくはマルチプレックス駆動等のパッシブ駆動モードのいずれであってもよい。
【0042】
この表示装置1では、吸収型偏光板23の透過偏光軸と吸収型偏光板11の透過偏光軸とが実質的に直交である場合、吸収型偏光板23の色相b*値は、少なくとも吸収型偏光板11の色相b*値以下であるとよい。一方、吸収型偏光板23の透過偏光軸と吸収型偏光板14の透過偏光軸とが実質的に直交である場合、吸収型偏光板23の色相b*値は、少なくとも吸収型偏光板14の色相b*値以下であるとよい。より好ましくは、吸収型偏光板23の色相b*値は、吸収型偏光板11の色相b*値以下であると共に吸収型偏光板14の色相b*値以下であるとよい。
【0043】
表示部10の吸収型偏光板11,14としては、例えば、住友化学社製のSRCZ4QJやポラテクノ社製のSKN−18243Tなどを用いることができる。上記SRCZ4QJの色相b*値は4.0であり、上記SKN−18243Tの色相b*値は3.55である。
【0044】
表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値は例えば3.5以下であることが好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。色相b*値が3.5以下の吸収型偏光板23としては、例えば日東電工社製のSEG1425DUを使用することができる。色相b*値が1.5以下の吸収型偏光板23としては、例えば日東電工社製のEGW1225DUやポラテクノ社製のSKW−18245Tなどを使用することができる。上記SKW−18245Tの色相b*値は0.43である。
【0045】
また、表示部10において、吸収型偏光板11の偏光透過軸と吸収型偏光板14の偏光透過軸とを同方向に揃えるように吸収型偏光板11と吸収型偏光板14とを重ね合わせた場合の色相b*値は7以下が好ましく、3以下がさらに好ましく、1以下がよりいっそう好ましい。このように2つの吸収型偏光板11,14における各吸収軸を同じ方向に揃えて重ねた場合の色相b*値が7以下となるものとしては、例えば日東電工社製のSEG1425DUなどが挙げられる。また、上記の色相b*値が3以下となるものとしては、例えば日東電工社製のEGW1225DUやポラテクノ社製のSKW−18245Tなどが挙げられる。
【0046】
また、液晶層22Cは、0.36μm以上0.54μm未満のリターデーション値(Δn・d)を有するとよい。液晶層22CのΔn・dが上述の範囲内であることにより、表示部10によって形成された表示画像の色付きを低減することができるとともに、表示画像をより明るくすることができるからである。また、リターデーション値が小さいことにより、表示画像の滲みも少なくなり、ある程度の広い視野角も確保することができる。
【0047】
また、液晶層22Cの波長550nmにおけるΔnが0.09以上0.14未満であるとよい。これにより、鏡状態(外光反射モード)での透過特性、特に400nmから500nmの波長光における透過特性が向上するからである。
【0048】
[表示装置1の動作]
この表示装置1では、表示切替部20における液晶パネル22の液晶層22Cに印加する電界の強度を制御したり、その電界の印加の有無を切り換えたりすることにより、表示切替部20を透過状態(画面状態)としたり、表示切替部20を鏡面状態としたりすることができる。
【0049】
ここで、表示切替部20の液晶パネル22がTN型液晶パネルであり、反射型偏光板21の透過偏光軸と吸収型偏光板23の透過偏光軸とが実質的に平行となるように配置されている場合の挙動について、図1Aと併せて図1Bを参照して説明する。
【0050】
(液晶層22Cに電界が印加されていない場合の挙動)
液晶層22Cに電界が印加されていない場合(図1Bの上段参照)、液晶層22Cに含まれるネマチック液晶は90度のツイスト状態にあり、基本的に90度の旋光性を有する第1のモードとなる。このような状況下では、表示切替部20に入射した外光L1は、吸収型偏光板23を通過することによって吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpになる。この第1の直線偏光Lpはそののち液晶パネル22を通過することにより吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jと直交する振動面を有する第2の直線偏光Lsに変換される。この第2の直線偏光Lsは反射型偏光板21の透過偏光軸21Jと直交方向の振動面を有するので、反射型偏光板21において反射される。反射した第2の直線偏光Lsは、再び液晶パネル22を透過することにより吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpとなり、そののち吸収型偏光板23を透過して観察者に視認される。
【0051】
一方、表示部10から出射された画像光L2は、上記と同様に吸収型偏光板11の透過偏光軸11Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpである。この第1の直線偏光Lpは、反射型偏光板21をそのまま透過して液晶パネル22に入射する。その第1の直線偏光Lpは、液晶パネル22を通過することにより吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jと直交する振動面を有する第2の直線偏光Lsに変換され、吸収型偏光板23により吸収される。このため、表示部10から出射された画像光は外部から視認されない。
【0052】
このように、液晶層22Cに電界が印加されていない場合においては、表示部10からの画像光は外部から視認できず、また、外光L1が観察者へ向けて反射されるので、表示画面は鏡面状態(外光反射モード)となる。
【0053】
(液晶層22Cに電界が印加されている場合の挙動)
次に、液晶層22Cに所定のしきい値以上の電界が印加されている場合(図1Bの下段参照)の挙動について説明する。この場合、液晶層22Cに含まれるネマチック液晶のツイスト状態は解消され、液晶パネル22はその光軸方向に透過する光に対する旋光性を失い、第2のモードとなる。表示部10から出射する光(すなわち、表示部10の表示画像を構成する光)は、吸収型偏光板11によってその透過偏光軸11Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpとなっている。この第1の直線偏光Lpは、反射型偏光板21を透過し、液晶パネル22に入射する。入射した第1の直線偏光Lpはその振動面が変化しないので、そのまま吸収型偏光板23を透過して視認される(画面状態)。また、この場合、表示切替部20に入射した外光L1は、吸収型偏光板23を透過することにより第1の直線偏光Lpになる。この第1の直線偏光Lpはそののち液晶パネル22、反射型偏光板21、吸収型偏光板11、液晶パネル13を順次そのまま透過して吸収型偏光板14に入射する。第1の直線偏光Lpは、吸収型偏光板14の透過偏光軸14Jと直交する振動面を有するので、吸収型偏光板14により吸収される。
【0054】
ところで、液晶パネル22において液晶層22Cに含まれる液晶のツイスト状態が完全に解消せず、一部のみ解消する程度の電界を印加してもよい。この場合、液晶パネル22はその光軸方向に透過する光に対する旋光性を一部失い第3のモードとなる。したがって、表示切替部20に入射した外光L1吸収型偏光板23を透過することにより生成された直線偏光Lpは、液晶パネル22を通過する際に自らの振動面を0度より大きく90度未満の角度で変化させるので、反射型偏光板21において一部反射し、他の一部は反射型偏光板21を透過する。反射型偏光板21における反射光は再び液晶パネル22を透過して振動面を0度より大きく90度未満で変化させるので、一部吸収型偏光板23を透過して視認される。但し、上記鏡面状態と比較すると、反射される光の強度は弱い。
【0055】
表示部10から出射する光(すなわち、表示部10の表示画像を構成する表示画像光)L2は、吸収型偏光板11によってその透過偏光軸11Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpとなっている。この第1の直線偏光Lpは、反射型偏光板21をそのまま透過したのち液晶パネル22へ入射する。第1の直線偏光Lpは液晶パネル22を透過する際に自らの振動面を0度より大きく90度未満で変化させるので、吸収型偏光板23においてその一部が吸収され、他の一部が透過される。したがって、表示部10からの表示画像光の一部は外部から視認できる。上記のように、液晶パネル22における液晶のツイスト状態の一部のみを解消する電界印加状態とすると、外光L1の一部が反射される一方、表示部10からの表示画像光の一部が透過されることとなり、表示画面はいわゆるハーフミラー状態となる。
【0056】
ここで、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値は、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)が抑制される。
【0057】
[表示装置1の作用効果]
表示装置1のように、2つの液晶パネル(液晶パネル13および液晶パネル22)を重ね合せることにより画面状態と鏡面状態とを切替可能に構成し、表示部10において透過型の液晶パネル13を採用した場合には、バックライト15からの光は吸収型偏光板11と吸収型偏光板14とを1回ずつ(計2回)透過することとなる。すなわち、バックライト15からの光に対する色付きに関し、吸収型偏光板11と吸収型偏光板14とがそれぞれ寄与する。一方、表示切替部20においては、画像表示状態では表示画像光は吸収型偏光板23を1回透過するだけである。このため、表示切替部20による色付き(吸収型偏光板23による色付き)の、最終的な表示画像および反射像に対する寄与は表示部10における色付きの半分程度の寄与であり、表示切替部20を設けることの色付きへの影響は小さいとも思われる。
【0058】
しかしながら実際には、表示部10においては吸収型偏光板11の光吸収軸と吸収型偏光板14の光吸収軸とを直交するように吸収型偏光板11および吸収型偏光板14を配置することが多い。その場合、吸収型偏光板11,14による黄色方向の色付きを表す色相b*値は、吸収型偏光板11の光吸収軸と吸収型偏光板14の光吸収軸とを平行にした場合の色相b*値に比べてかなり小さくなる。すなわち、表示部10において吸収型偏光板11の光吸収軸と吸収型偏光板14の光吸収軸とが直交する場合、これに従来の表示切替部を追加で設置すると、その表示切替部を設置しない場合に比べて色相b*値の増加が大きくなってしまう。
【0059】
さらに、この表示装置1において鏡面状態とした場合、外光が観察者側から吸収型偏光板23と液晶パネル22とを順次通過し、さらに反射型偏光板21で反射されたあとに再び液晶パネル22と吸収型偏光板23とを通過する。吸収型偏光板23の光吸収軸と反射型偏光板21の光吸収軸とが平行であるので、吸収型偏光選択手段による黄色方向の色付き(色相b*値の増加)の点で不利な構成ともいえる。
【0060】
そこで、本実施の形態の表示装置1では、吸収型偏光板23の色相b*値を、吸収型偏光板23の透過偏光軸と実質的に直交する透過偏光軸を有する吸収型偏光板11(もしくは吸収型偏光板14)の色相b*値以下としている。このような構成により、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)が低減される。吸収型偏光板23の色相b*値は負の値であってもよい。このため、この表示装置1によれば、画面状態(画像表示モード)および鏡面状態(外光反射モード)のいずれにおいても優れた表示性能を発揮することができる。
【0061】
また、表示装置1では、液晶パネル22の表示モードとしてTNモード、ECBモード、STNモード、BTNモード、VAモード、IPSモード、強誘電性液晶モード、または反強誘電性液晶モードのいずれかを採用することにより、比較的低い駆動電圧で高いコントラスト比が得られる。上記の表示モードを採用した液晶パネル22は、偏光板を用いて液晶層22Cに入射する光の偏光状態を変調することで表示を行うものだからである。また、液晶パネル22が偏光軸を90°の奇数倍変化させるものであれば、画面状態と鏡面状態との切替を容易に行うことができる。
【0062】
また、この表示装置1では、例えば25μm以下の厚さを有する樹脂層31〜33をそれぞれ所定の位置に配置するようにしたので、貼り合わせ面における凹凸に起因する鏡面状態での滲みの発生を抑制し、優れた表示性能を発揮することができる。さらに、樹脂層31〜33の色相b*値を、その絶対値をより小さく、例えば−0.5以上0.5以下とすれば、表示画像および反射像における黄色の色付きをより低減することができる。樹脂層31〜33のヘイズ値が1以下であれば、画面状態および鏡面状態において表示装置1の画面における表示画像および反射像がより鮮明となる。
【0063】
また、液晶パネル22の液晶層22Cが0.36μm以上0.54μm未満のΔn・dを有するようにすれば、表示部10によって形成された表示画像の色付きを低減することができるとともに、その表示画像をより明るくすることができる。また、表示画像の滲みも少なくなり、ある程度の広い視野角も確保することができる。
【0064】
また、液晶層22Cの波長550nmにおけるΔnを0.09以上0.14未満とすれば、鏡面状態での透過特性、特に400nmから500nmの波長光における透過特性を向上させることができる。
【0065】
また、表示切替部20の反射型偏光板21の色相b*値が−0.5以上0.5以下でれば黄色の色付きをより抑制できる。特に、その色相b*値が−0.5以上0未満の場合には黄色の色付きをよりいっそう改善できる。
【0066】
さらに、表示切替部20において、透過偏光軸21Jと透過偏光軸23Jとを実質的に平行となるように反射型偏光板21および吸収型偏光板23を配置するようにしたので、表示切替部20の液晶パネル22に電圧を印加しない状態で鏡面状態を実現できる。このため、鏡面状態での消費電力の低減を図ることができる。
【0067】
<2.第2の実施の形態>
[表示装置2の構成]
図2は本開示の第2の実施の形態としての表示装置2の概略構成を表したものである。表示装置2は、表示切替部20において、反射型偏光板21の透過偏光軸21Jと吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jとが互いに直交していることを除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0068】
[表示装置2の動作]
この表示装置2においても、表示切替部20における液晶パネル22の液晶層22Cに印加する電界の強度を制御したり、その電界の印加の有無を切り換えたりすることにより、表示切替部20を透過状態(画面状態)としたり、表示切替部20を鏡面状態としたりすることができる。
【0069】
ここで、表示切替部20の液晶パネル22がTN型液晶パネルである場合の挙動について、図2を参照して説明する。
【0070】
(液晶層22Cに電界が印加されていない場合の挙動)
液晶層22Cに電界が印加されていない場合(図2の上段参照)、液晶層22Cに含まれるネマチック液晶は90度のツイスト状態にあり、基本的に90度の旋光性を有する第1のモードとなる。表示部10から出射する光(すなわち、表示部10の表示画像を構成する光)は、吸収型偏光板11によってその透過偏光軸11Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpとなっている。この第1の直線偏光Lpは、反射型偏光板21を透過し、液晶パネル22に入射する。液晶パネル22に入射した第1の直線偏光Lpの振動面は液晶パネル22を通過することにより90度回転し、吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jと平行な振動面を有する第2の直線偏光Lsとなる。その第2の直線偏光Lsはそのまま吸収型偏光板23を透過して観察者に視認される(画面状態)。また、この場合、表示切替部20に入射した外光L1は、吸収型偏光板23を透過することにより第2の直線偏光Lsになる。この第2の直線偏光Lsはそののち液晶パネル22を透過することにより90度回転し、反射型偏光板21の透過偏光軸21Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpとなる。その第1の直線偏光Lpはそのまま反射型偏光板21、吸収型偏光板11および液晶パネル13を順次透過して吸収型偏光板14に入射する。その第1の直線偏光Lpは、吸収型偏光板14の透過偏光軸14Jと直交する振動面を有するので、吸収型偏光板14により吸収される。
【0071】
(液晶層22Cに電界が印加されている場合の挙動)
次に、液晶層22Cに所定のしきい値以上の電界が印加されている場合(図2の下段参照)の挙動について説明する。この場合、液晶層22Cに含まれるネマチック液晶のツイスト状態は解消され、液晶パネル22はその光軸方向に透過する光に対する旋光性を失い、第2のモードとなる。このような状況下では、表示切替部20に入射した外光L1は、吸収型偏光板23を通過することによって吸収型偏光板23の透過偏光軸23Jと平行な振動面を有する第2の直線偏光Lsになる。この第2の直線偏光Lsは、そののち第1の直線偏光Lpに変換されることなく液晶パネル22をそのまま通過し、反射型偏光板21に入射する。この第2の直線偏光Lsは反射型偏光板21の透過偏光軸21Jと直交方向の振動面を有するので、反射型偏光板21において反射される。反射した第2の直線偏光Lsは、再び液晶パネル22と吸収型偏光板23とを透過して観察者に視認される。
【0072】
一方、表示部10から出射された画像光L2は、吸収型偏光板11の透過偏光軸11Jと平行な振動面を有する第1の直線偏光Lpであるから、反射型偏光板21をそのまま透過して液晶パネル22に入射する。その第1の直線偏光Lpは、液晶パネル22をそのまま通過したのち、吸収型偏光板23に入射する。第1の直線偏光Lpは、透過偏光軸23Jと直交する振動面を有するので吸収型偏光板23により吸収される。このため、表示部10から出射された画像光は外部から視認されない。
【0073】
このように、液晶層22Cに電界が印加されている場合においては、表示部10からの画像光は外部から視認できず、また、外光L1が観察者へ向けて反射されるので、表示画面は鏡面状態(外光反射モード)となる。
【0074】
なお、表示装置2においても、表示装置1と同様にしていわゆるハーフミラー状態も実現できる。
【0075】
[表示装置2の作用効果]
このように、表示装置2においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0076】
また、表示切替部20において、透過偏光軸21Jと透過偏光軸23Jとを実質的に直交させるように反射型偏光板21および吸収型偏光板23を配置するようにしたので、鏡面状態での視野角特性の向上が期待できる。なお、吸収型偏光板23と液晶パネル22との間、および反射型偏光板21と液晶パネル22との間の少なくとも一方に視野角向上フィルムを配置するようにしてもよい。
【0077】
<3.第3の実施の形態>
[表示装置3の構成]
図3は本開示の第3の実施の形態としての表示装置3の断面構成を表したものである。表示装置3は、表示部10において、吸収型偏光板11の配置位置を変更したことを除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0078】
具体的には、表示装置3では、吸収型偏光板11を、反射型偏光板21と基板13Aとの間に配置するのではなく基板13Aと液晶層13Cとの間に配置するようにした。
【0079】
[表示装置3の作用効果]
表示装置3においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0080】
さらに、表示装置3では、吸収型偏光板11を液晶パネル13の内部に設けるようにしたので、反射型偏光板21と基板13Aとを樹脂層などにより接着することにより表示部10と表示切替部20との貼り合わせが実現できる。このため、吸収型偏光板11の表面の凹凸に起因する反射型偏光板21における凹凸の発生を回避し、鏡面状態での滲みの発生を抑制することができる。なお、液晶パネル13の内部に吸収型偏光板11を形成する方法の一例としては、例えば特開2011−48310に示された方法が挙げられる。
【0081】
<4.第4の実施の形態>
[表示装置4の構成]
図4は本開示の第4の実施の形態としての表示装置4の断面構成を表したものである。表示装置4は、表示部10と表示切替部20との間に、より詳細には吸収型偏光板11と反射型偏光板21との間にガラス基板16を配置するようにしたものである。その点を除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0082】
[表示装置4の作用効果]
表示装置4においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0083】
表示装置4では、吸収型偏光板11と反射型偏光板21との間にガラス基板16が介在しているので、反射型偏光板21に対する吸収型偏光板11の凹凸の影響を回避できる。すなわち、反射型偏光板21をガラス基板16に貼り合わせることにより、反射型偏光板21における凹凸の発生を防止することができる。その結果、鏡面状態での滲みの発生を抑制することができる。また、ガラス基板16を用いることにより、樹脂層と比較して光学的な透過率の損失などを低減できる。
【0084】
<5.第5の実施の形態>
[表示装置5の構成]
図5は本開示の第5の実施の形態としての表示装置5の断面構成を表したものである。表示装置5では、液晶パネル22の液晶モードとしてSTNモードを採用すると共に、液晶パネル22と吸収型偏光板23の間に位相差板24を配置した。液晶パネル22の液晶層22Cにおける液晶のツイスト角は270°とした。また、表示部10における画素配置は、複数のストライプ電極の交点に各画素を配置するマトリクス型を採用した。これらの点を除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0085】
[表示装置5の作用効果]
表示装置5においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0086】
表示装置5では、液晶パネル22にSTNモードの液晶表示素子を用いるようにした。すなわち、双安定液晶表示素子である液晶パネル22を用いるようにしたので、常時駆動する必要がなくなり消費電力の低減を図ることができる。このSTNモードは、駆動電圧のしきい値特性が急峻である。しきい値特性が急峻とは、透過偏光軸の変化が印加電圧に対して急激に変化していることを意味する。しきい値特性が急峻であると、能動素子を用いない単純駆動若しくはマルチプレックス駆動等のパッシブ駆動モードで走査線数を増やしやすく好ましい。
【0087】
<6.第6の実施の形態>
[表示装置6の構成]
図6は本開示の第6の実施の形態としての表示装置6の断面構成を表したものである。表示装置6は、液晶パネル22の代わりに液晶パネル25を有するようにしたことを除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0088】
液晶パネル25は強誘電性液晶パネルであり、基板25Aと基板25Bとの間に液晶層25Cが挟持された構造を有する。基板25Aおよび基板25Bは例えばガラス(石英を含む)などの透明材料からなる。液晶層25Cは、強誘電性液晶物質(例えばメルク社製のZLI3489)を有する。また、液晶層25Cの膜厚調整用のスペーサとしては、例えば平均粒径1.7μm程度の球状シリカ製スペーサが用いられる。液晶パネル25は、例えば以下のようにして製造する。具体的には、基板25Aおよび基板25Bの各々の内面に形成された透明電極(例えばITO)の表面を覆うようにポリイミドをスピンコートしたのち、約180℃で1時間程度加熱処理する。次に、そのポリイミド膜の表面を例えばナイロン製の布で(0.5mm程度の押込み量で)ラビングする。さらに、基板25Aと基板25Bとをラビング方向が平行となるようにして貼り合わせることにより、液晶パネル25が完成する。なお、液晶パネル25に電圧が印加されている状態と印加されていない状態とで、液晶パネル25の透過光の偏光面はほぼ90°回転することとなる。また、液晶パネル25の液晶層25Cは、膜面に垂直な軸に対してチルト角±θだけ傾いた2つの状態のみをとる双安定液晶表示素子である。なお、双安定液晶表示素子としては、BTNモードの液晶表示素子を用いてもよい。
【0089】
[表示装置6の作用効果]
表示装置6においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0090】
表示装置6では、透過偏光軸可変部材として双安定液晶表示素子である液晶パネル25を用いるようにしたので、常時駆動する必要がなくなり消費電力の低減を図ることができる。また、液晶パネル25の液晶層25Cにおける強誘電性液晶物質としてカイラルスメクチック液晶を用いることができる。液晶パネル25の応答速度は、ネマチック液晶を用いた液晶パネルよりも応答速度が速い(例えば画面状態と鏡面状態との切り替え時間は25℃において1m秒以内)ので好ましい。
【0091】
<7.第7の実施の形態>
[表示装置7の構成]
図7は本開示の第7の実施の形態としての表示装置7の断面構成を表したものである。表示装置7は、液晶パネル22の代わりに液晶パネル26を有するようにしたことを除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0092】
液晶パネル26は反強誘電性液晶パネルであり、基板26Aと基板26Bとの間に液晶層26Cが挟持された構造を有する。基板26Aおよび基板26Bは例えばガラス(石英を含む)などの透明材料からなる。液晶層26Cは、例えば化1に示した反強誘電性液晶分子を用いることができる。
【0093】
【化1】
【0094】
また、液晶層26Cの膜厚調整用のスペーサとしては、例えば平均粒径5.5μm程度の球状シリカ製スペーサが用いられる。液晶パネル26は、例えば以下のようにして製造する。具体的には、基板26Aおよび基板26Bの各々の内面に形成された透明電極(例えばITO)の表面を覆うようにポリイミドをスピンコートしたのち、約180℃で1時間程度加熱処理する。次に、そのポリイミド膜の表面を例えばナイロン製の布で(0.7mm程度の押込み量で)ラビングする。さらに、基板26Aと基板26Bとをラビング方向が平行となるようにして貼り合わせることにより、液晶パネル26が完成する。なお、液晶パネル26に電圧が印加されている状態と印加されていない状態とで、液晶パネル26の透過光の偏光面はほぼ90°回転することとなる。また、液晶パネル26の液晶層26Cにおける反強誘電性液晶分子のチルト角θは約45°である。
【0095】
[表示装置7の作用効果]
表示装置7においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0096】
表示装置7における液晶パネル26は、膜面に垂直な軸に対してチルト角±θだけ傾いた2つの状態とチルト角0度のみをとる3安定液晶表示素子である。表示装置7では、透過偏光軸可変部材として3安定液晶表示素子である液晶パネル26を用いるようにしたので、常時駆動する必要がなくなり消費電力の低減を図ることができる。なお、表示装置7では、チルト角±θの時に、チルト角0度に比べて液晶パネル26の透過光の偏光面をほぼ90°回転するように設定してもよいし、チルト角±θの時に、チルト角0度に比べて液晶パネル26の透過光の偏光面をほぼ45°回転するように設定してもよい。チルト角±θの時に、チルト角0度に比べて液晶パネル26の透過光の偏光面をほぼ45°回転するように設定すると、チルト角+θとチルト角−θでの差はほぼ90°回転になる。即ち、チルト角+θ(画面状態(画像表示モード))とチルト角−θ鏡面状態(外光反射モード)とチルト角0度(ハーフミラーモード)の3つの状態を常時駆動する必要なく達成できる。また、表示装置7では、液晶パネル26が反強誘電性液晶パネルであり、その液晶層26Cには、反強誘電性液晶物質のカイラルスメクチック液晶を用いることができる。反強誘電性液晶パネルの応答速度は、ネマチック液晶を用いた液晶パネルよりも応答速度が速い(例えば画面状態と鏡面状態との切り替え時間は25℃において1m秒以内)ので好ましい。また、反強誘電性液晶パネルは視野角が広く、強誘電性液晶パネルより均一な配向性が得やすく外部からの衝撃によって配向が乱れにくく高いコントラストが得やすいので好ましい。
【0097】
<8.第8の実施の形態>
[表示装置8の構成]
図8は本開示の第8の実施の形態としての表示装置8の断面構成を表したものである。表示装置8は、液晶パネル22の代わりに液晶パネル27を有するようにしたことを除き、他は上記第1の実施の形態における表示装置1と同様の構成を有する。
【0098】
液晶パネル27はVA液晶パネルであり、基板27Aと基板27Bとの間に液晶層27Cが挟持された構造を有する。基板27Aおよび基板27Bは例えばガラス(石英を含む)などの透明材料からなる。液晶層27Cは、負の誘電率異方性を有する液晶分子を用いることができる。
【0099】
また、液晶層27Cの膜厚調整用のスペーサとしては、例えば平均粒径3.5μm程度の球状シリカ製スペーサが用いられる。液晶パネル27は、例えば以下のようにして製造する。具体的には、基板27Aおよび基板27Bの各々の内面に形成された透明電極(例えばITO)の表面を覆うように垂直配向性を有する光配向膜材料(感光性材料)の溶液をスピンキャスト法により塗布したのち、180℃で60分間焼成して配向膜を形成した。こののち、必要に応じてラビング等の処理を施してもよい。光配向膜とは、光照射により配向規制力が変化する材料で形成された膜を意味する。なお、本実施例においては、配向膜材料として、感光性基を有する材料(感光性材料)4−カルコン基(化2)を有する材料を用いた。
【0100】
【化2】
【0101】
このような感光性基を有する材料を用い、波長、光量、照射角度、偏光方向等を制御して光照射による配向処理を行えば、液晶分子のプレチルト角や配向方向を高精度に制御して安定したプレチルト角や配向方向を有する配向膜を得ることができるので好ましい。プレチルト角とは、液晶層に電圧が加わっていない状態(オフ状態、電圧無印加時)において、配向膜表面と、配向膜近傍の液晶分子の長軸方向とがなす角度である。続いて、配向膜に対し偏光紫外線を照射することで、光照射による配向処理を実施し、配向膜近傍における液晶分子のプレチルト角をともに87度から89.7度の間に設定する。配向膜の構成分子は、高分子鎖の側鎖に光官能基(感光性基)を有するが、この配向処理により、光官能基が2量化反応により2量体を形成し、架橋構造(橋架け結合構造)が形成されることになる。また、配向膜の構成分子の一部は、配向処理により、異性化反応によりシス−トランス体の異性化を起こし、さらに、その他の一部は、再配向することになる。また、本実施の形態では化2に示した4−カルコン基のほか、光反応性の架橋性官能基(感光性を有する感光基であり、例えば、光2量化感光基)として、例えば、その他のカルコン、シンナメート、シンナモイル、クマリン、マレイミド、ベンゾフェノン、ノルボルネン、オリザノール、およびキトサンのうちのいずれか1種の構造を含む基より選ばれる少なくとも一つの感光性基を有する材料から形成された配向膜材料を用いてもよい。また、感光性官能基として、アゾ基を有するアゾベンゼン系化合物、イミンとアルジミンとを骨格に有する化合物、スチレン骨格を有する化合物を含む光配向膜を用いてもよい。
【0102】
配向膜を形成したのち、シール形成、スペーサ散布等を行ったのち、基板27Aおよび基板27Bを貼り合わせ、液晶パネル27を作製することができる。なお、液晶パネル27に電圧が印加されている状態と印加されていない状態とで、液晶パネル27の透過光の偏光面はほぼ90°回転するようになっている。
【0103】
[表示装置8の変形例1]
液晶パネル27は、例えば以下のようにして製造してもよい。具体的には、基板27Aおよび基板27Bの各々の内面に形成された透明電極(例えばITO)の表面を覆うように、垂直配向性を有する配向膜材料の溶液をスピンキャスト法により塗布し、そののち焼成して配向膜を形成する。配向膜材料としては、垂直配向性のある配向膜であればよく、ポリイミドやポリアミック酸、ポリオルガノシロキサン等の有機材料により構成されたものを用いることができる。こののち、必要に応じてラビング等の処理を施してもよい。さらに、シール形成、スペーサ散布等を行った後、基板27Aおよび基板27Bを貼り合わせる。さらに、液晶層27Cとして、重合性を有するモノマー、オリゴマー等の重合性成分を混合した負の誘電率異方性を示す液晶組成物を基板27Aと基板27Bと間に封入し、基板27Aと基板27Bとの間に電圧を印加して液晶分子をチルト(傾斜)させた状態でモノマーを重合させ、ポリマーを形成した。これにより、電圧印加を取り除いた後であっても、所定のプレチルト角、配向方位でチルトする液晶分子が得られる。なお液晶分子のプレチルト角をともに87度から89.7度の間であるとよい。モノマーとしては、熱、光(紫外線)等で重合する材料が選択される。重合性モノマーは、例えば、以下の一般式(I)で表されるものを用いることができる。
P1−S1−A1−(Z1−A2)n−S2−P2 (I)
(式中、P1及びP2は、同一若しくは異なるアクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、ビニル基、ビニロキシ基又はエポキシ基を表す。A1及びA2は、1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、アントラセン−2,6−ジイル基又はフェナントレン−2,6−ジイル基を表す。Z1は、COO、OCO若しくはO、又は、A1とA2若しくはA2とA2とが直接結合していることを表す。nは、0、1又は2である。S1及びS2は、同一若しくは異なる−(CH2)m−(0≦m≦6)、−(CH2−CH2−O)m−(0≦m≦6)、又は、P1とA1、A1とP2若しくはA2とP2とが直接結合していることを表す。A1及びA2が有する水素原子は、ハロゲン基又はメチル基に置換されていてもよい。)
【0104】
また、モノマーの重合反応を開始させるためのラジカル重合開始剤などの重合開始剤を混入させることもある。ラジカル重合開始剤の添加がないと重合反応の反応速度が上がらず、未反応モノマーが液晶層中に残存してしまう可能性が高くなる。そうすると、完成後の一般的な使用態様でのバックライト光、又は、組立工程後の検査用エージング工程の影響により、未反応のモノマーがゆっくりと重合反応を開始し、その結果、重合工程によって形成されたプレチルト角の大きさが変化して表示特性に影響を与える懸念がある。ラジカル重合開始剤としては、例えば下記の化3を用いることができる。
【0105】
【化3】
【0106】
[表示装置8の変形例2]
また、表示装置8における液晶パネル27は、例えば以下のようにして製造してもよい。具体的には、基板27Aおよび基板27Bの各々の内面に形成された透明電極(例えばITO)の表面を覆うように垂直配向性を有し、側鎖として架橋性官能基や感光性官能基を有する高分子化合物を含む配向膜材料の溶液をスピンキャスト法により塗布した後に加熱処理する。その加熱処理の温度は80゜C以上が好ましく、150゜C以上230゜C以下とすることがより好ましい。こののち、必要に応じてラビング等の処理を施してもよい。そして、シール形成、スペーサ散布等を行ったのち、基板27Aと基板27Bとを貼り合わせ、それら基板27Aと基板27Bとの間に液晶材料を注入してセルを封止する。次に、基板27Aと基板27Bとの間に電圧を印加して液晶分子を所定の角度でチルト(傾斜)させ、その状態において配向膜に対し紫外線を照射することで配向膜の架橋性官能基を反応架橋させる配向膜を形成する。これにより、電圧印加、紫外線照射を取り除いたあとであっても、所定のプレチルト角、配向方位でチルトする液晶分子が得られる。なお液晶分子のプレチルト角をともに87度から89.7度の間にするとよい。紫外線は、波長365nm程度の光成分を多く含む紫外線が好ましい。短波長域の光成分を多く含む紫外線を用いると、液晶材料が光分解し、劣化するおそれがあるからである。光反応性の架橋性官能基(感光性を有する感光基であり、例えば、光2量化感光基)として、例えば、カルコン、シンナメート、シンナモイル、クマリン、マレイミド、ベンゾフェノン、ノルボルネン、オリザノール、及び、キトサンのうちのいずれか1種の構造を含む基が挙げられる。また、感光性官能基として、アゾ基を有するアゾベンゼン系化合物、イミンとアルジミンとを骨格に有する化合物、スチレン骨格を有する化合物を含む光配向膜を用いてもよい。
【0107】
また、液晶パネル27の液晶分子27Mは、図9Aに示したように、基板27Bから基板27Aに向けて上方向に向いている部分を含むように傾斜しているとよい。また、図9Aにおいて、紙面に垂直な方向への傾きがあってもよい。本開示のように、画面状態と鏡面状態との切り替えを行う表示装置において、鏡面状態で使用する場合、液晶パネル27を上側より下側から見る場合のほうが多いと考えられる。よって下側から鏡を見た場合の視野角特性が優れていることが好ましい。図9Bに示したように、電界非印加時において液晶分子27Mが矢印271の方向にプレチルトし、基板27Bから基板27Aに向けて上方向に向いている部分を有していると、電界印加時に液晶分子27Mは矢印272の方向に、すなわち上方を向くように回転(位相差が発生する方向に倒れる)ので好ましい。
【0108】
一方、図9Cに示したように、電界非印加時において液晶分子27Mが矢印271の方向にプレチルトし、基板27Bから基板27Aに向けて下方向に向いている部分を有していると、電界印加時に液晶分子27Mは矢印272の方向に、すなわち下方を向くように回転(位相差がキャンセルする方向に倒れる)。このため、視野角特性の点ではあまり好ましくない。なお、液晶層27Cに含まれる液晶分子27Mの全てが基板27Bから基板27Aへ向けて上向きに配向しているのではなく、一部の液晶分子27Mがそのように上向きに配向するようにしてもよい。
【0109】
[表示装置8の作用効果]
表示装置8においても、上記第1の実施の形態と同様に表示切替部20により画面状態(画像表示モード)と鏡面状態(外光反射モード)との切り替えを行うことができる。また、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下としたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を抑制することができる。
【0110】
表示装置8では、透過偏光軸可変部材としてVA液晶モードの液晶パネル27を用いた。VA液晶パネルは、高いコントラスト比が得やすく好ましい。また、表示切替部20の吸収型偏光板23にストレスが負荷された場合に、他の液晶モード(例えばIPSモード)に比べて黒浮きしにくいので好ましい。また、液晶層27Cの液晶分子には所定の方位でプレチルトを付与した。電界を印加して液晶分子をスイッチングする際に、プレチルトにより液晶の応答する方向が定まっているので、液晶がバラバラな方向に倒れることによる光漏れ(欠陥の発生)や、応答の遅れが抑制でき、その結果応答速度が向上して好ましい。
【0111】
<9.適用例(電子機器)>
次に、図10を参照して、表示装置1を備えた電子機器100について説明する。
【0112】
電子機器100は、上記第1の実施形態の表示装置1を備えたものである。図10は、電子機器100の内部に配置される表示装置1の表示制御系を模式的に示すブロック図である。電子機器100は、表示装置1のほか、表示駆動部13Xと照明駆動部15Xと切替駆動部22Xとを備えている。電子機器100は、さらに、これら表示駆動部13X、照明駆動部15Xおよび切替駆動部22Xを制御する制御部100Xを備える。上記の各構成要素は、全て表示装置1の内部に設置されていてもよいし、表示装置1の外部、すなわち電子機器100の内部における表示装置1以外の領域に設置されていてもよいし、あるいは、一部の構成要素が表示装置1の内部に設置され、他の構成要素が表示装置1以外の電子機器100の内部に設置されていてもよい。
【0113】
表示駆動部13Xは、表示装置1の表示部10に設けられた液晶パネル13を駆動するものである。表示駆動部13Xは、液晶パネル13の液晶駆動領域内に構成された複数の画素領域をそれぞれ駆動するための駆動電圧を供給するものであり、例えば、マルチプレックス駆動方式やアクティブ駆動方式では、走査信号、およびこの走査信号に対応するデータ信号を、液晶パネル13のコモン端子(走査線端子)およびセグメント端子(データ線端子)にそれぞれ同期させて供給する。画像データ等の表示データは電子機器100のメイン回路から制御部100Xを介してこの表示駆動部13Xに送られる。
【0114】
照明駆動部15Xは、表示部10のバックライト15を駆動するものである。より具体的には、照明駆動部15Xは、バックライト15への電力供給を制御し、例えば、バックライト15の点灯状態と消灯状態とを切り換えるように機能する。
【0115】
切替駆動部22Xは、表示切替部20に設けられた液晶パネル22を駆動するものである。切替駆動部22Xは、液晶パネル22に供給する印加電圧を制御するものであり、液晶パネル22の対向する一対の透明電極間にしきい値電圧以上の電圧を印加するか否かを決定するものである。
【0116】
制御部100Xは、表示駆動部13X、照明駆動部15Xおよび切替駆動部22Xをそれぞれ制御し、それら各部に対する制御指令やデータ送出などを行う。例えば、表示切替部20を画像表示モードにして表示装置1を画面状態にする場合には、表示駆動部13Xにより液晶パネル13を駆動して画像表示を行うと同時に、切替駆動部22Xによって液晶パネル22を制御することで表示切替部20を透過状態とする。一方、表示切替部20を外光反射モードにして表示装置1を鏡面状態にする場合には、切替駆動部22Xによって液晶パネル22を制御することで表示切替部20を外光反射モードとすると同時に、表示駆動部13Xにより液晶パネル13を全遮断状態(シャッタ閉鎖状態)にするか、あるいは照明駆動部15Xによりバックライト15を消灯する。
【0117】
このように、本開示の電子機器100によれば、上記の表示装置1を備えるようにしたので、観察者に視認される表示画像および反射像における色付き(特に黄色の色付き)を低減できる。このため、電子機器100によれば、画面状態(画像表示モード)および鏡面状態(外光反射モード)のいずれにおいても優れた表示性能を発揮することができる。
【0118】
電子機器100としては、例えばテレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末装置等の携帯端末装置あるいはビデオカメラ等が挙げられる。言い換えると、上記表示装置は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0119】
<10.実験例>
[実験例1]
(実験例1−1)
上記第1の実施の形態に係る表示装置1のサンプルを作製し、そのサンプルについて画面状態での色度を測定した。なお、色度測定にはコニカミノルタ社製のディスプレイカラーアナライザCA−210を用いた。その結果を図11に示す。図11において横軸が色度xを示し、縦軸が色度yを示す。なお、図11には、表示部10のみの色度測定の結果も併せて示す。ただし、表示切替部20の吸収型偏光板23として色相b*値が0.43のポラテクノ社製SKW−18245Tを使用し、表示部10の吸収型偏光板11,14として色相b*値が3.55のポラテクノ社製SKN−18243Tを使用した。
【0120】
(実験例1−2)
表示切替部20の吸収型偏光板23として色相b*値が4.0の住友化学社製SRCZ4QJを使用し、表示部10の吸収型偏光板11,14として色相b*値が3.55のポラテクノ社製SKN−18243Tを使用したことを除き、他は実験例1−1と同様にして表示装置1のサンプルを作製した。そのサンプルについても色度測定を行った。その結果を図11に併せて示す。
【0121】
図11に示したように、実施例1−1では色度yが0.2932なのに対して実施例1−2では0.3042であった。また、表示部10のみでの色度yは0.288であった。すなわち、実施例1−1では、表示切替部20を追加することによる色度yの増加を実験例1−2の場合よりも大幅に抑えることができた。したがって、表示切替部20の吸収型偏光板23の色相b*値を、表示部10の吸収型偏光板11,14の色相b*値以下とすることにより、特に黄色の色付きを抑制することができることが確認できた。
【0122】
[実験例2]
(実験例2−1)
上記第1の実施の形態に係る表示装置1のサンプルを作製した。ここでは反射型偏光板21として、偏光反射フィルムDBEF(米国3M社製)を用いた。また、吸収型偏光板23として色相b*値が0.43のポラテクノ社製SKW−18245Tを使用し、吸収型偏光板11,14として色相b*値が3.2の住友化学社製SRCZ4QHを用いた。また、樹脂層31〜33として、厚さ100μmの日東電工社製の光学用透明粘着シートLUCIAS CS9864USを用いた。
【0123】
(実験例2−2)
樹脂層31〜33として、厚さ25μmのLintec社製の高透明基材レステープCTL−NC105を用いたことを除き、他は実験例2−1と同様にして表示装置1のサンプルを作製した。
【0124】
(実験例2−3)
樹脂層31〜33として、厚さ15μmのLintec社製の高透明基材レステープCTL−NC103を用いたことを除き、他は実験例2−1と同様にして表示装置1のサンプルを作製した。
【0125】
(実験例2−4)
樹脂層31〜33として、厚さ5μmのLintec社製の高透明基材レステープCTL−NC100シリーズを用いたことを除き、他は実験例2−1と同様にして表示装置1のサンプルを作製した。
【0126】
これら実験例2−1〜2−4の各サンプルについて、オレンジピールWd値(測定波長3〜10mm)を測定した。なお、オレンジピールWd値の測定には、BYK−Gardner社製の携帯型オレンジピール測定機を用いた。その結果を図12に示す。図12において横軸が樹脂層31〜33の厚さ(μm)を示し、縦軸がオレンジピールWd値を示す。
【0127】
図12に示したように、オレンジピールWd値は、樹脂層31〜33の厚さが100μmの場合(実験例2−1)は21だったのに対して、樹脂層31〜33の厚さが25μmの場合(実験例2−2)は7.5であり、樹脂層31〜33の厚さが15μmの場合(実験例2−3)は7.8であり、樹脂層31〜33の厚さが5μmの場合(実験例2−4)は3であった。すなわち、樹脂層31〜33の厚さを25μm以下にすることで滲み・オレンジピールWd値を大きく抑制することができることがわかった。特に、樹脂層31〜33の厚さが5μm以下とすると、より好ましいことが確認できた。
【0128】
[実験例3]
(実験例3−1)
次に、上記第1の実施の形態に係る表示装置1における液晶パネル22のサンプルを、液晶層22CとしてTNモードの液晶を用いて作製した。ここでは、リターデーション値Δn・dを0.36μmとした。
【0129】
(実験例3−2)
リターデーション値Δn・dを0.45μmとしたことを除き、他は実験例3−1と同様の構成を有する液晶パネル22のサンプルを作製した。
【0130】
(実験例3−3)
リターデーション値Δn・dを0.54μmとしたことを除き、他は実験例3−1と同様の構成を有する液晶パネル22のサンプルを作製した。
【0131】
これら実験例3−1〜3−3の各サンプルにおいて、透過率の波長依存性(波長は380nm〜500nm)についてのシミュレーションを行った。その結果を図13に示す。図13において横軸が波長(μm)を示し、縦軸が透過率を示す。
【0132】
可視光領域における短波長側での透過率が低下すると黄色方向の色付きが生じると考えられる。図13に示したように、液晶層22CのΔn・dが0.36μm(実験例3−1)および0.45μmの場合(実験例3−2)は、透過率は大きく変化しないが、Δn・dが0.54μm(実験例3−3)になると420〜480μmでの透過率がやや低下してしまう。よって0.36μm以上0.54μm未満の範囲内にΔn・dを設定すれば、380nm〜500nmの波長光における透過率の減少をより抑制できることがわかった。すなわち液晶層22Cのリターデーション値Δn・dが0.36μm以上0.54μm未満であることにより、表示部10によって形成される画面状態や鏡面状態の色付きを低減することに加え、表示画像や反射像をより明るくすることができることが確認できた。
【0133】
[実験例4]
(実験例4−1)
次に、上記第1の実施の形態に係る表示装置1における液晶パネル22のサンプルを、液晶層22CとしてTNモードの液晶を用いて作製した。ここでは、550nmの波長光に対する液晶層22Cの位相差Δnを0.09とした。
【0134】
(実験例4−2)
550nmの波長光に対する液晶層22Cの位相差Δnを0.10としたことを除き、他は実験例4−1と同様の構成を有する液晶パネル22のサンプルを作製した。
【0135】
(実験例4−3)
550nmの波長光に対する液晶層22Cの 位相差Δnを0.12としたことを除き、他は実験例4−1と同様の構成を有する液晶パネル22のサンプルを作製した。
【0136】
(実験例4−4)
550nmの波長光に対する液晶層22Cの位相差Δnを0.14としたことを除き、他は実験例4−1と同様の構成を有する液晶パネル22のサンプルを作製した。
【0137】
これら実験例4−1〜4−4の各サンプルにおいて、透過率の波長依存性(波長は380nm〜500nm)についてのシミュレーションを行った。その結果を図14に示す。図14において横軸が波長(μm)を示し、縦軸が透過率を示す。
【0138】
可視光領域における短波長側での透過率が低下すると黄色方向の色付きが生じると考えられる。図14に示したように、550nmの波長光に対する液晶層22Cの位相差Δnが0.09〜0.12の場合(実験例4−1〜4−3)透過率は大きく変化しないが、位相差Δnが0.14(実験例4−4)になると420〜500μmでの透過率がやや低下してしまう。よって、位相差Δnを0.09以上0.14未満に設定すれば、420nm〜500nmの波長光における透過率の減少をより抑制できることがわかった。すなわち、550nmの波長光に対する液晶層22Cの位相差Δnが0.09以上0.14未満であることにより、鏡面状態での色付きを低減することに加え、反射像をより明るくすることができることが確認できた。
【0139】
以上、実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚みなどは一例であってこれに限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよい。例えば、液晶層22CのΔn・dを0.54μm以上1.7μm以下としてもよい。さらに、550nmの波長光に対する液晶層22Cの位相差Δnを、0.07以上〜0.09未満もしくは0.14以上0.16以下の範囲内としてもよい。
【0140】
また、表示部10と表示切替部20との間に偏光変換部材を配置してもよい。その偏光変換部材としては例えば位相差板が用いられる。その位相差板は1/2波長板であってもよい。その場合、表示部10から出射された偏光が偏光変換部材(例えば1/2波長板)を通過すると、第1の直線偏光と直交する振動面を有する第2の直線偏光に変換される。表示部10の表示切替部20に近い偏光部材(吸収型偏光板11)の偏光吸収軸と、表示切替部20の反射型偏光部材(反射型偏光板21)の偏光吸収軸とが90°異なっていた場合には、表示部10と表示切替部20との間に偏光変換部材を配置することにより、表示部10の吸収型偏光板11の偏光吸収軸と、表示切替部20の反射型偏光板21の偏光吸収軸とを一致させることができる。
【0141】
さらに、例えば、上記実施の形態において表示装置1〜7や電子機器100の構成を具体的に挙げて説明したが、全ての構成要素を備える必要はなく、また、他の構成要素を備えていてもよい。
【0142】
<11.第9の実施の形態>
[構成]
図15は、本開示の第9の実施の形態に係る表示装置101の概略構成の一例を表したものである。表示装置101は、いわゆるミラーディスプレイと呼ばれるものであり、ミラー状態とディスプレイ状態とを交互に切り替える機能を備えている。表示装置101は、例えば、表示部110、表示切替部120および駆動回路130を備えている。表示部110は、本開示の「表示部」の一具体例に相当する。表示切替部120は、本開示の「光学装置」の一具体例に相当する。
【0143】
図16は、表示部110および表示切替部120の断面構成の一例を表す図である。図17(A)、図18(A)は、表示切替部120に電圧が印加されているとき(電圧オン時)の、表示部110および表示切替部120の作用の一例を概念的に表したものである。図17(B)、図18(B)は、表示切替部120に電圧が印加されていないとき(電圧オフ時)の、表示部110および表示切替部120の作用の一例を概念的に表したものである。
【0144】
(表示部110)
表示部110は、映像光として直線偏光光を出射する出射面110Aを有している。表示部110は、例えば、出射面110Aに偏光板を有している。この偏光板は、偏光軸AX3を有しており、偏光軸AX3と直交する偏光成分の光を吸収する吸収型偏光板である。表示部110は、例えば、駆動回路130から入力される映像信号VsigおよびタイミングパルスTPに基づいて、偏光軸AX3と平行な偏光軸ax2を有する映像光L102を出射面110Aから出射するようになっている。表示部110は、例えば、上記の偏光板が出射面110Aに設けられた液晶パネルを含んで構成されている。表示部110に用いられる液晶パネルの表示状態は、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードとなっている。表示部110に用いられる液晶パネルは、バックライトを有する発光型パネルであってもよいし、バックライトの設けられていない反射型パネルであってもよい。表示部110は、上記の偏光板が出射面110Aに設けられた有機ELパネルであってもよい。
【0145】
(表示切替部120)
表示切替部120は、例えば、出射面110Aを介して表示部110に貼り合わされている。表示切替部120は、偏光制御層122と、偏光制御層122の一方の面側に配置された偏光層121と、偏光制御層122の他方の面側に配置された第1反射層123および第2反射層124とを有している。第1反射層123および第2反射層124は、偏光制御層122との位置関係で、表示部110側に配置されている。偏光制御層122は、本開示の「偏光制御層」の一具体例に相当する。偏光層121は、本開示の「偏光層」の一具体例に相当する。第1反射層123は、本開示の「第1反射層」の一具体例に相当する。第2反射層124は、本開示の「第2反射層」の一具体例に相当する。
【0146】
偏光制御層122は、例えば、駆動回路130から入力される切替電圧Vswに基づいて、偏光制御層122に入射する光の偏光状態を電気的に切り替えるようになっている。切替電圧Vswは一定の直流電圧であっても良いし、周期的に変化する電圧であってもよい。偏光制御層122は、例えば、切替電圧Vswが印加されている場合には、表示切替部120がミラー状態となるよう偏光制御を行うようになっている。偏光制御層122は、例えば、切替電圧Vswが印加されていない場合には、表示切替部120が表示状態となるよう偏光制御を行うようになっている。つまり、偏光制御層122は、駆動回路130から入力される切替電圧Vswに基づいて、表示切替部120がミラー状態または表示状態となるよう偏光制御を行うようになっている。ここで、ミラー状態とは、偏光層121側から入射した光(偏光光L101')を第1反射層123において反射することを指している。また、表示状態とは、表示部110側から入射した光(映像光L102)を表示切替部120において透過することを指している。
【0147】
偏光制御層122は、駆動回路130による制御に基づいて、偏光層121側または第1反射層123側から入射した光の偏光を制御するようになっている。偏光制御層122は、駆動回路130による制御に基づいて、偏光制御層122へ入射した光の偏光軸を90度の奇数倍の角度だけ変化させるか、または、実質的に変化させないように、偏光制御層122へ入射した光の偏光を制御するようになっている。偏光制御層122は、駆動回路130による制御に基づいて、偏光層121側から入射した光の偏光軸(偏光光L101'の偏光軸ax1)が第1反射層123の偏光軸AX2に対して平行または直交するように、偏光層121側から入射した光の偏光を制御するようになっている。偏光制御層122は、駆動回路130による制御に基づいて、第1反射層123側から入射した光の偏光軸(映像光L102の偏光軸ax2)が偏光層121の偏光軸AX1に対して平行または直交するように、第1反射層123側から入射した光の偏光を制御するようになっている。
【0148】
偏光制御層122は、例えば、液晶層122Aと、液晶層122Aを挟み込む一対または複数対の光透過性電極122B,122Cとを含んで構成されている。液晶層122Aの表示状態は、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、BTN(Bistable Twisted Nematic)モード、強誘電性液晶モード、または、反強誘電性液晶モードとなっている。
【0149】
液晶層122Aは、例えば、図17(A)、図18(A)に示したように、一対または複数対の光透過性電極122B,122Cに電圧が印加されたときには、液晶層122Aに入射した光を、偏光軸を回転させずにそのまま透過するようになっている。液晶層122Aは、例えば、図17(B)、図18(B)に示したように、一対または複数対の光透過性電極122B,122Cに電圧が印加されていないときには、液晶層122Aに入射した光の偏光軸を、90度の奇数倍の角度だけ変化させるようになっている。
【0150】
光透過性電極122B,122Cは、例えば、それぞれ、液晶層122A全体に渡って電界を印加するためのシート状電極である。光透過性電極122B,122Cは、偏光光L101'および映像光L102を透過する材料で構成されており、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)によって構成されている。光透過性電極122B,122Cのエッジは、第1反射層123と対向する領域外に設けられていることが好ましい。
【0151】
偏光層121は、偏光軸AX1(透過軸)を有している。偏光層121は、偏光層121に入射する光において、偏光軸AX1と平行な偏光成分を透過し、偏光軸AX1と直交する偏光成分を吸収するようになっている。偏光層121の偏光軸AX1は、例えば、図17(A),図17(B)に示したように、第1反射層123の偏光軸AX2と直交している。なお、偏光層121の偏光軸AX1は、例えば、図18(A)、図18(B)に示したように、第1反射層123の偏光軸AX2と平行となっていてもよい。
【0152】
第1反射層123は、偏光制御層122と第2反射層124との間に配置されている。第1反射層123は、反射偏光層によって構成されている。第1反射層123に用いられる反射偏光層は、偏光層121の偏光軸AX1と平行または直交する偏光軸AX2(透過軸)を有している。第1反射層123に用いられる反射偏光層は、第1反射層123に入射する光において、偏光軸AX2と平行な偏光成分を透過し、偏光軸AX2と直交する偏光成分を反射するようになっている。偏光軸AX2は、映像光L102の偏光軸ax2と平行となっている。従って、第1反射層123は、映像光L102、または映像光L102の偏光軸ax2と平行な偏光軸を有する直線偏光光を透過し、映像光L102の偏光軸ax2と直交する偏光軸を有する直線偏光光を反射するようになっている。
【0153】
第1反射層123は、例えば、国際公開WO95/27919号明細書に記載の多層反射性複屈折偏光フィルム、または、コレステリック液晶層を一対の1/4波長板で挟み込んだもので構成されている。上記の多層反射性複屈折偏光フィルムとしては、例えば、DBEF(スリーエムカンパニーの登録商標)が挙げられる。
【0154】
第2反射層124は、第1反射層123との位置関係で、表示部110側に配置されている。第2反射層124は、1または複数の開口124Aを有している。1または複数の開口124Aの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形状、任意の多角形状、円形状、楕円形状、または、それらを組み合わせた形状となっている。1または複数の開口124Aは、例えば、空隙(大気)で満たされている。なお、1または複数の開口124Aは、後述の接着層127または接着層140で満たされていてもよい。第2反射層124は、1または複数の開口124Aを囲む位置に反射面124Bを有している。反射面124Bは、第2反射層124の偏光制御層122側の面および表示部110側の面のうち、少なくとも偏光制御層122側の面に形成されている。第2反射層124が、例えば、図16図18に示したように、1つの開口124Aを有している場合に、反射面124Bは、1つの開口124Aの周縁であって、かつ第1反射層123の外縁に沿って設けられた環状の反射面である。このとき、1つの開口124Aは、偏光121、偏光制御層122および第1反射層123よりも小さくなっている。つまり、反射面124Bは、少なくとも、第1反射層123と対向する位置に配置されている。1つの開口124Aは、さらに、表示部110の出射面110Aと同じ大きさとなっていてもよいし、表示部110の出射面110Aよりも小さくなっていてもよい。
【0155】
図19は、第2反射層124の平面構成の一例を表したものである。第2反射層124が、複数の開口124Aを有している場合に、各開口124Aの形状が、互いに異なっていてもよい。例えば、図19に示したように、一方の開口124Aが円形状となっており、他方の開口124Aが矩形状となっていてもよい。
【0156】
第2反射層124は、例えば、金属反射層、多層膜反射層、または、反射偏光層によって構成されている。図20は、第2反射層124として反射偏光層が用いられたときの、第2反射層124の平面構成の一例を表したものである。第2反射層124に用いられる反射偏光層は、第1反射層123の偏光軸AX2(透過軸)と直交する偏光軸AX3(透過軸)を有している。第2反射層124に用いられる反射偏光層は、第2反射層124に入射する光において、偏光軸AX3と平行な偏光成分を透過し、偏光軸AX3と直交する偏光成分を反射するようになっている。偏光軸AX3は、上述したように、第1反射層123の偏光軸AX2(透過軸)と直交している。従って、第2反射層124に用いられる反射偏光層は、第1反射層123を透過した光(直線偏光光)を反射するようになっている。
【0157】
第2反射層124に用いられる反射偏光層は、例えば、国際公開WO95/27919号明細書に記載の複屈折反射型偏光フィルム、または、コレステリック液晶層を一対の1/4波長板で挟み込んだもので構成されている。上記の複屈折反射型偏光フィルムとしては、例えば、DBEF(3M社の登録商標)が挙げられる。
【0158】
図21は、第1反射層123および第2反射層124として用いるのに適した3つの反射偏光層に対して、所定の光強度の無偏光光を照射したときに、各反射偏光層を透過した光の輝度の波長依存性の一例を表したものである。図21の縦軸の輝度は、照射光の輝度を100%としたときの割合(%)で表されている。図21には、同じ材料で形成された3つの反射偏光層を被計測対象物としたときの計測結果が示されている。
【0159】
第1反射層123および第2反射層124として用いられる反射偏光層は、例えば、互いに同じ材料で構成されている。このとき、第1反射層123および第2反射層124として、例えば、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域(例えば、450nm,550nm,650nmを含む波長帯域)において、図21に示した輝度(%)の差が10%以下となる反射偏光層が用いられることが好ましい。なお、第1反射層123および第2反射層124として用いられる反射偏光層は、互いに異なる材料で構成されていてもよい。このとき、第1反射層123および第2反射層124として、例えば、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域(例えば、450nm,550nm,650nmを含む波長帯域)において、図21に示した輝度(%)の差が10%を超える反射偏光層が用いられることが好ましい。
【0160】
表示切替部120は、例えば、図16に示したように、各層が接着層で積層された積層体で構成されている。偏光層121および偏光制御層122は、例えば、接着層125によって互いに貼り合わされている。偏光制御層122および第1反射層123は、例えば、接着層126によって互いに貼り合わされている。第1反射層123および第2反射層124は、例えば、接着層127によって互いに貼り合わされている。さらに、表示部110および表示切替部120は、例えば、接着層140によって互いに貼り合わされている。接着層125、接着層126、接着層127および接着層140は、光透過性の接着剤で構成されており、ヘイズおよび色相の小さな接着剤で構成されていることが好ましい。なお、表示切替部120は、例えば、図17図18に示したように、各層が空隙を介して対向配置されたものであってもよい。
【0161】
(駆動回路130)
次に、駆動回路130について説明する。駆動回路130は、例えば、図15に示したように、信号処理回路131、タイミング生成回路132、ドライバ133および表示切替制御回路134を有している。表示切替制御回路134は、本開示の「制御部」の一具体例に相当する。
【0162】
信号処理回路131、タイミング生成回路132およびドライバ133は、表示部110を制御するようになっている。信号処理回路131は、例えば、映像信号Dinから、表示部110用の映像信号DAを生成し、生成した映像信号DAをドライバ133に出力するようになっている。タイミング生成回路132は、例えば、制御信号Tinに含まれる水平同期信号および垂直同期信号に基づいて、表示部110の駆動用タイミングパルスであって、かつ、水平、垂直の書き込み転送を制御するためのタイミングパルスTPを生成するようになっている。タイミング生成回路132は、例えば、生成したタイミングパルスTPを所定のタイミングで表示部110に出力するようになっている。タイミング生成回路132は、例えば、表示切替制御回路134から切替信号Ssが入力された場合には、生成したタイミングパルスTPを、切替信号Ssに基づくタイミングで表示部110に出力するようになっている。タイミング生成回路132は、さらに、ドライバ133用のクロックCLKを生成し、ドライバ133に出力するようになっている。
【0163】
ドライバ133は、例えば、サンプル・ホールド回路、D/A変換回路、およびドライバ回路を有している。サンプル・ホールド回路は、シリアルデジタルの映像信号DAに対して並列化処理を行い、複数並列の映像信号に展開するようになっている。サンプル・ホールド回路は、相展開した映像信号を、タイミング生成回路32からのクロックCLKに基づいたタイミングで、D/A変換回路に出力するようになっている。D/A変換回路は、サンプル・ホールド回路から入力された映像信号(相展開した映像信号)をアナログ信号化して、ドライバ回路に出力するようになっている。ドライバ回路は、タイミング生成回路132から出力されたクロックCLKに基づく所定のタイミングで、アナログの映像信号Vsigを表示部110に出力するようになっている。
【0164】
表示切替制御回路134は、表示切替部120を制御するようになっている。表示切替制御回路134は、偏光層121側から偏光制御層122に入射した偏光光L101'の偏光軸ax1が、第1反射層123の偏光軸AX2に対して平行または直交するように、偏光制御層122を制御するようになっている。表示切替制御回路134は、切替信号Sinから、切替電圧Vswを生成し、所定のタイミングで表示切替部120に出力するようになっている。切替電圧Vswは、表示切替部120をミラー状態から表示状態に切り替えたり、表示状態からミラー状態に切り替えたりするための駆動電圧である。表示切替制御回路134は、例えば、さらに、表示切替部120がミラー状態から表示状態に切り替わるタイミングで表示部110からの映像光L102の出射が開始されるよう、切替電圧Vswの出力タイミングに同期して、切替信号Ssをタイミング生成回路132に出力するようになっている。表示切替制御回路134は、例えば、さらに、表示切替部120が表示状態からミラー状態に切り替わるタイミングで表示部110からの映像光L102の出射が停止されるよう、切替電圧Vswの出力タイミングに同期して、切替信号Ssをタイミング生成回路132に出力するようになっている。
【0165】
[動作]
次に、表示装置101の動作の一例について説明する。
【0166】
(表示状態)
ミラー状態から表示状態に切り替えるための切替信号Sinが表示切替制御回路134に入力される。すると、表示切替制御回路134は、切替信号Sinから切替電圧Vswを生成し、所定のタイミングで表示切替部120に出力する。表示切替制御回路134は、さらに、切替信号Sinから切替信号Ssを生成し、生成した切替信号Ssを切替電圧Vswの出力タイミングに同期してタイミング生成回路132に出力する。タイミング生成回路132は、切替信号Ssに基づいて、タイミングパルスTPを所定のタイミングで表示部110に出力するとともに、クロックCLKを所定のタイミングでドライバ133に出力する。ドライバ133は、信号処理回路131から入力された映像信号DAから映像信号Vsigを生成し、生成した映像信号Vsigを表示部110に出力する。
【0167】
切替電圧Vswが表示切替部120に入力されると、表示切替部120はミラー状態から表示状態に切り替わる。このとき、無偏光の外光L101が偏光層121に入射すると、例えば、図17(B)、図18(A)に示したように、外光L101のうち、偏光軸AX1と平行な偏光成分が偏光層121を透過し、透過した後の光(偏光光L101')が偏光制御層122、第1反射層123を透過する。第1反射層123を透過した後の光(偏光光L101')のうち、第2反射層124の反射面124Bに入射した光は、反射面124Bで反射され、第1反射層123、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。第1反射層123を透過した後の光(偏光光L101')のうち、第2反射層124の1または複数の開口124Aに入射した光は、1または複数の開口124Aを介して表示部110の出射面110Aに入射する。表示部110が発光型パネルを備えている場合には、出射面110Aへの入射光とは無関係に、出射面110Aから、偏光軸ax2を有する映像光L102が出射される。表示部110が反射型パネルを備えている場合には、出射面110Aへ入射した光(偏光光L101')が表示部110の反射型パネルで反射されるとともに変調され、その結果、映像光L102が出射面110Aから出射される。出射面110Aから出射された映像光L102は、1または複数の開口124A、第1反射層123、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。このとき、ユーザは、表示切替部120を眺めたときに、例えば、鏡の中に画像が浮かび上がっているように感じる。
【0168】
(ミラー状態)
表示状態からミラー状態に切り替えるための切替信号Sinが表示切替制御回路134に入力される。すると、表示切替制御回路134は、切替信号Sinから切替電圧Vswを生成し、所定のタイミングで表示切替部120に出力する。表示切替制御回路134は、さらに、信号処理回路131、タイミング生成回路132およびドライバ133での演算を停止する信号を、切替電圧Vswの出力タイミングに同期して信号処理回路131、タイミング生成回路132およびドライバ133に出力する。すると、信号処理回路131、タイミング生成回路132およびドライバ133は、演算を停止する。
【0169】
表示切替部120は、切替電圧Vswが入力された結果、表示状態からミラー状態に切り替わる。このとき、無偏光の外光L101が偏光層121に入射すると、例えば、図17(A)、図18(B)に示したように、外光L101のうち、偏光軸AX1と平行な偏光成分が偏光層121を透過し、透過した後の光(偏光光L101')が偏光制御層122を透過した後、第1反射層123で反射され、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。なお、出射面110Aから映像光L102が出射されていた場合であっても、映像光L102は、偏光層121で吸収される。このとき、ユーザは、表示切替部120を眺めたときに、例えば、鏡を眺めているように感じる。
【0170】
[効果]
次に、表示装置101の効果について説明する。
【0171】
映像光の切り替えを行う際に、特定の領域だけを切り替えたり、特異な形状で表示を行ったりしたい場合には、例えば、切り替え用の液晶パネルの電極を、用途や目的に応じた形状にすることが必要となる。しかし、そのようにした場合には、切り替え用の液晶パネルの電極を形成する際に、用途や目的ごとにマスクを取り換えてフォトリソグラフィを行う必要があるので、製造コストが大幅に増大してしまう。
【0172】
一方、表示装置101では、偏光制御層122による偏光制御によって、ミラー状態と表示状態とが切り替えられる。ミラー状態では、偏光層121側から偏光制御層122に入射した偏光光L101'の偏光軸ax1が、第1反射層123の偏光軸AX2に対して直交するように、偏光制御層122が制御される。従って、ミラー状態では、偏光層121に入射した光は、第1反射層123で反射され、戻ってくるので、表示切替部120の表面が、ユーザにとって、鏡のように機能する。表示状態では、例えば、1または複数の開口124Aを介して、第1反射層123側から偏光制御層122に入射した偏光光の偏光軸(例えば映像光L102の偏光軸ax2)が、偏光層121の偏光軸AX1に対して平行となるように、偏光制御層122が制御される。従って、表示状態では、1または複数の開口124Aを介して、第1反射層123側から偏光制御層122に入射した偏光光(例えば映像光L102)は、偏光層121を透過してユーザに到達するので、表示切替部120の表面の全体または一部が、ユーザにとって、ディスプレイのように機能する。
【0173】
また、表示装置101では、1または複数の開口124Aの大きさや形状は、第2反射層124を製造する過程で、例えば、シート状の部材に対して加工を施したり、溶融状態の材料を成型したりすることにより、形成可能である。従って、表示装置101において、特定の領域の表示状態だけを切り替えたり、所望の形状での表示を行ったりしたい場合に、偏光制御層122の制御に用いられる電極(光透過性電極122B,122C)を形成する際に、用途や目的ごとにマスクを取り換えてフォトリソグラフィを行う必要がない。なお、偏光制御層122に対して、複数対の光透過性電極122B,122Cが設けられる場合であっても、複数対の光透過性電極122B,122Cの大きさや形状について、表示装置101の用途や目的に依って変える必要はない。なぜなら、表示装置101の用途や目的に依って第2反射層124の1または複数の開口124Aの大きさや形状を変えればよいからである。
【0174】
このように、表示装置101では、偏光制御層122による偏光制御によって、表示切替部120が、鏡またはディスプレイのように機能するようにし、さらに、偏光制御層122に対して偏光制御用に複数の電極を設けなくてもよいようにしたので、製造コストの大幅な増大を抑えることができる。
【0175】
また、表示装置101において、第1反射層123および第2反射層124として、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域において、図21に示した輝度(%)の差が10%以下となる反射偏光層が用いられている場合には、ミラー状態と表示状態とが切り換えられたときに、第1反射層123で反射された光と、第2反射層124で反射された光の輝度や色相を概ね同じにすることができる。これにより、ミラー状態と表示状態が切り換えられたときに、映像光L102によって生成される映像の周囲の輝度や色相の変化をユーザに気づかれ難くすることができる。その結果、表示切替部120がミラー状態から表示状態に切り換えられたときに、鏡の中から映像が浮かび上がって来たような体験をユーザに提供することができる。また、表示切替部120が表示状態からミラー状態に切り換えられたときに、鏡の中に浮かび上がっていた映像が鏡の中に消えていったような体験をユーザに提供することができる。
【0176】
また、表示装置101において、第1反射層123および第2反射層124として、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域において、図21に示した輝度(%)の差が10%を超える反射偏光層が用いられている場合には、ミラー状態と表示状態とが切り換えられたときに、第1反射層123で反射された光の輝度や色相と、第2反射層124で反射された光の輝度や色相を、ユーザが識別できる程度にまで異ならせることができる。これにより、表示切替部20がミラー状態から表示状態に切り換えられたときに、映像光L2によって生成される映像の周囲を、ミラー状態のときの輝度や色相とは異なる輝度や色相にすることができる。その結果、ミラー状態から表示状態に切り替えたときや、表示状態からミラー状態に切り替えたときに、見た目に変化を与える演出を行うことができる。例えば、映像光L102によって生成される映像の周囲の輝度を下げたり、映像光L102によって生成される映像の周囲の色温度を変化させたりすることで、映像光L102によって生成される映像を引き立てる演出を行うことができる。
【0177】
また、表示装置101において、光透過性電極122B,122Cエッジが、第1反射層123と対向する領域外に設けられている場合には、光透過性電極122B,122Cのエッジにおける液晶の配向状態の乱れが、表示不具合としてユーザに視認されるのを避けることができる。また、表示装置101では、第1反射層123が第2反射層124よりも偏光制御層122寄りに配置されているので、表示切替部120がミラー状態となっているときの反射面は、第1反射層123の表面だけで構成される。そのため、1または複数の開口124Aに起因する表示不具合が生じるのを避けることができる。
【0178】
<12.変形例>
以下に、上記実施の形態の表示装置101の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態と共通の構成要素に対しては、上記実施の形態で付されていた符号と同一の符号が付される。また、上記実施の形態と異なる構成要素の説明を主に行い、上記実施の形態と共通の構成要素の説明については、適宜、省略するものとする。
【0179】
[変形例A]
図22は、表示部110および表示切替部120の断面構成の一変形例を表す図である。図23(A)、図24(A)は、表示切替部120に電圧が印加されているときの、表示部110および表示切替部120の作用の一例を概念的に表したものである。図23(B)、図24(B)は、表示切替部120に電圧が印加されていないときの、表示部110および表示切替部120の作用の一例を概念的に表したものである。
【0180】
上記実施の形態では、第1反射層123が偏光制御層122と第2反射層124との間に配置されていたが、第2反射層124が偏光制御層122と第1反射層123との間に配置されていてもよい。本変形例では、第2反射層124は、反射偏光層によって構成されている。第2反射層124に用いられる反射偏光層は、第1反射層123の偏光軸AX2(透過軸)と直交する偏光軸AX4(透過軸)を有している。第2反射層124に用いられる反射偏光層のうち、反射面124Bに対応する部分は、第2反射層124に入射する光において、偏光軸AX4と平行な偏光成分を透過し、偏光軸AX4と直交する偏光成分を反射するようになっている。偏光軸AX4は、上述したように、第1反射層123の偏光軸AX2(透過軸)と直交している。従って、第2反射層124に用いられる反射偏光層のうち、反射面124Bに対応する部分は、第1反射層123で反射されてきた光(直線偏光光)を透過するようになっている。
【0181】
第1反射層123および第2反射層124として用いられる反射偏光層は、例えば、互いに同じ材料で構成されている。このとき、第1反射層123および第2反射層124として、例えば、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域(例えば、450nm,550nm,650nmを含む波長帯域)において、図21に示した輝度(%)の差が10%以下となる反射偏光層が用いられることが好ましい。なお、第1反射層123および第2反射層124として用いられる反射偏光層は、互いに異なる材料で構成されていてもよい。このとき、第1反射層123および第2反射層124として、例えば、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域(例えば、450nm,550nm,650nmを含む波長帯域)において、図21に示した輝度(%)の差が10%を超える反射偏光層が用いられることが好ましい。
【0182】
(表示状態)
本変形例の表示装置101において、切替電圧Vswが表示切替部120に入力されると、表示切替部120はミラー状態から表示状態に切り替わる。このとき、無偏光の外光L101が偏光層121に入射すると、例えば、図23(B)、図24(A)に示したように、外光L101のうち、偏光軸AX1と平行な偏光成分が偏光層121を透過し、透過した後の光(偏光光L101')が偏光制御層122を透過する。偏光制御層122を透過した後の光(偏光光L101')のうち、第2反射層124の反射面124Bに入射した光は、反射面124Bで反射され、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。偏光制御層122を透過した後の光(偏光光L101')のうち、第2反射層124の1または複数の開口124Aに入射した光は、1または複数の開口124Aを介して、第1反射層123を透過したのち、表示部110の出射面110Aに入射する。表示部110が発光型パネルを備えている場合には、出射面110Aへの入射光とは無関係に、出射面110Aから、偏光軸ax2を有する映像光L102が出射される。表示部110が反射型パネルを備えている場合には、出射面110Aへ入射した光(偏光光L101')が表示部110の反射型パネルで反射されるとともに変調され、その結果、映像光L102が出射面110Aから出射される。出射面110Aから出射された映像光L102は、第1反射層123、1または複数の開口124A、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。このとき、ユーザは、表示切替部120を眺めたときに、例えば、鏡の中に画像が浮かび上がっているように感じる。
【0183】
(ミラー状態)
本変形例の表示装置101において、表示切替部120は、切替電圧Vswが入力された結果、表示状態からミラー状態に切り替わる。このとき、無偏光の外光L101が偏光層121に入射すると、例えば、図23(A)、図24(B)に示したように、外光L101のうち、偏光軸AX1と平行な偏光成分が偏光層121を透過し、透過した後の光(偏光光L101')が偏光制御層122、第2反射層124を透過した後、第1反射層123で反射され、第2反射層124、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。なお、出射面110Aから映像光L102が出射されていた場合であっても、映像光L102は、偏光層121で吸収される。このとき、ユーザは、表示切替部120を眺めたときに、例えば、鏡を眺めているように感じる。
【0184】
次に、本変形例の表示装置101の効果について説明する。本変形例では、1または複数の開口124Aの大きさや形状は、第2反射層124を製造する過程で、例えば、シート状の部材に対して加工を施したり、溶融状態の材料を成型したりすることにより、形成可能である。従って、本変形例において、特定の領域の表示状態だけを切り替えたり、所望の形状での表示を行ったりしたい場合に、偏光制御層122の制御に用いられる電極(光透過性電極122B,122C)を形成する際に、用途や目的ごとにマスクを取り換えてフォトリソグラフィを行う必要がない。なお、偏光制御層122に対して、複数対の光透過性電極122B,122Cが設けられる場合であっても、複数対の光透過性電極122B,122Cの大きさや形状について、表示装置101の用途や目的に依って変える必要はない。なぜなら、表示装置101の用途や目的に依って第2反射層124の1または複数の開口124Aの大きさや形状を変えればよいからである。このように、本変形例では、偏光制御層122による偏光制御によって、表示切替部120が、鏡またはディスプレイのように機能するようにし、さらに、偏光制御層122に対して偏光制御用に複数の電極を設けなくてもよいようにしたので、製造コストの大幅な増大を抑えることができる。
【0185】
また、本変形例において、第1反射層123および第2反射層124として、偏光光L101'および映像光L102の波長帯域において、図21に示した輝度(%)の差が10%以下となる反射偏光層が用いられている場合には、ミラー状態と表示状態とが切り換えられたときに、第2反射層124のうち開口124A以外の部分を透過したのち第1反射層123で反射された光と、第2反射層124のうち開口124Aの部分を透過したのち第1反射層123で反射された光の輝度や色相を概ね同じにすることができる。これにより、表示切替部120が表示状態からミラー状態に切り換えられたときに、映像光L102によって映像が生成されていた箇所の輝度や色相と、映像光L102によって映像が生成されていた箇所の周囲の輝度や色相との相違をユーザに気づかれ難くすることができる。
【0186】
[変形例B]
図25は、表示部110および表示切替部120の断面構成の一変形例を表す図である。図26(A)、図27(A)は、表示切替部120に電圧が印加されているときの、表示部110および表示切替部120の作用の一例を概念的に表したものである。図26(B)、図27(B)は、表示切替部120に電圧が印加されていないときの、表示部110および表示切替部120の作用の一例を概念的に表したものである。
【0187】
上記実施の形態では、2つの反射層(第1反射層123、第2反射層124)が表示切替部120に設けられていたが、一方の反射層(第2反射層124)が省略され、表示部110の出射面110Aを囲む環状のベゼル111が、第2反射層124の機能を兼ねていてもよい。つまり、本変形例では、第2反射層124が省略され、さらに、表示部110が、表示切替部120の外縁に沿って設けられた環状のベゼル111を有している。ベゼル111が、本開示の「ベゼル」の一具体例に相当する。
【0188】
ベゼル111は、1つの開口111Aを有している。開口111Aの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形状、任意の多角形状、円形状、楕円形状、または、それらを組み合わせた形状となっている。ベゼル111は、1つの開口111Aを囲む位置に環状のミラー面111Bを有している。ミラー面111Bは、ベゼル111の表示切替部120側の面に形成されている。ミラー面111Bは、1つの開口111Aの周縁であって、かつ表示切替部120の外縁に沿って設けられている。このとき、1つの開口111Aは、偏光121、偏光制御層122および第1反射層123よりも小さくなっている。つまり、ミラー面111Bは、少なくとも、第1反射層123と対向する位置に配置されている。ベゼル111のうち、少なくともミラー面111Bの部分は、例えば、金属反射層、または、多層膜反射層によって構成されている。
【0189】
次に、表示装置101の動作の一例について説明する。
【0190】
(表示状態)
本変形例の表示装置101において、切替電圧Vswが表示切替部120に入力されると、表示切替部120はミラー状態から表示状態に切り替わる。このとき、無偏光の外光L101が偏光層121に入射すると、例えば、図26(B)、図27(A)に示したように、外光L101のうち、偏光軸AX1と平行な偏光成分が偏光層121を透過し、透過した後の光(偏光光L101')が偏光制御層122、第1反射層123を透過する。第1反射層123を透過した後の光(偏光光L101')のうち、ベゼル111のミラー面111Bに入射した光は、ミラー面111Bで反射され、第1反射層123、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。第1反射層123を透過した後の光(偏光光L101')のうち、ベゼル111の開口111Aに入射した光は、開口111Aを介して表示部110の出射面110Aに入射する。表示部110が発光型パネルを備えている場合には、出射面110Aへの入射光とは無関係に、出射面110Aから、偏光軸ax2を有する映像光L102が出射される。表示部110が反射型パネルを備えている場合には、出射面110Aへ入射した光(偏光光L101')が表示部110の反射型パネルで反射されるとともに変調され、その結果、映像光L102が出射面110Aから出射される。出射面110Aから出射された映像光L102は、開口111A、第1反射層123、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。このとき、ユーザは、表示切替部120を眺めたときに、例えば、鏡の中に画像が浮かび上がっているように感じる。
【0191】
(ミラー状態)
本変形例の表示装置101において、表示切替部120は、切替電圧Vswが入力された結果、表示状態からミラー状態に切り替わる。このとき、無偏光の外光L101が偏光層121に入射すると、例えば、図26(A)、図27(B)に示したように、外光L101のうち、偏光軸AX1と平行な偏光成分が偏光層121を透過し、透過した後の光(偏光光L101')が偏光制御層122を透過した後、第1反射層123で反射され、偏光制御層122および偏光層121を介して外部に出射される。なお、出射面110Aから映像光L102が出射されていた場合であっても、映像光L102は、偏光層121で吸収される。このとき、ユーザは、表示切替部120を眺めたときに、例えば、鏡を眺めているように感じる。
【0192】
次に、本変形例の表示装置101の効果について説明する。本変形例では、ベゼル111が第2反射層124の機能を兼ねている。そのため、表示切替部120に対して、2つ目の反射層を設ける必要がない。従って、本変形例において、特定の領域の表示状態だけを切り替えたり、所望の形状での表示を行ったりしたい場合に、偏光制御層122の制御に用いられる電極(光透過性電極122B,122C)を形成する際に、用途や目的ごとにマスクを取り換えてフォトリソグラフィを行う必要がない。なお、偏光制御層122に対して、複数対の光透過性電極122B,122Cが設けられる場合であっても、複数対の光透過性電極122B,122Cの大きさや形状について、表示装置101の用途や目的に依って変える必要はない。なぜなら、表示装置101の用途や目的に依って第2反射層124の1または複数の開口124Aの大きさや形状を変えればよいからである。このように、本変形例では、偏光制御層122による偏光制御によって、表示切替部120が、鏡またはディスプレイのように機能するようにし、さらに、偏光制御層122に対して偏光制御用に複数の電極を設けなくてもよいようにしたので、製造コストの大幅な増大を抑えることができる。
【0193】
[変形例C]
図28A図28Bは、図16図22図25の表示切替部120に追加されるミラー層128の配置の一例を表したものである。上記実施の形態、変形例Aおよび変形例Bにおいて、表示切替部120は、ミラー層128を更に有していてもよい。ミラー層128は、偏光層121との関係で偏光制御層122とは反対側の位置に、偏光層121の外縁または周縁に沿って設けられている。ミラー層128は、1つの開口128Aを有している。開口128Aの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形状、任意の多角形状、円形状、楕円形状、または、それらを組み合わせた形状となっている。
【0194】
ミラー層128は、開口128Aを囲む位置にミラー面128Bを有している。ミラー面128Bは、偏光層121とは反対側の面(つまり、表示切替部120の最表面)に形成されている。ミラー面128Bは、例えば、金属または有機材料の表面に金属などを蒸着することにより形成された面である。ミラー面128Bは、例えば、アルミニウム、鉄、またはそれらの合金などからなる金属部材の表面であってもよい。ミラー面128Bは、鏡面反射するようになっていてもよい。
【0195】
ミラー面128Bは、開口128Aの周縁であって、かつ偏光層121の外縁または周縁に沿って設けられた環状のミラー面である。ミラー層128が、偏光層121の外縁に沿って設けられている場合、開口128Aは、偏光121よりも小さくなっている。このとき、ミラー面128Bは、少なくとも、偏光層121の外縁と対向する位置に配置されている。ミラー層128が、偏光層121の周縁に沿って設けられている場合、開口128Aは、偏光121と同等の大きさとなっている。このとき、ミラー面128Bは、偏光層121と非対向の位置に配置されている。
【0196】
ミラー層128が、偏光層121の外縁に沿って設けられている場合、ミラー層128は、例えば、図28Aに示したように、偏光層121に貼り合わされていてもよいし、図28Bに示したように、偏光層121に貼り合わされず、偏光層121から離間して配置されていてもよい。ミラー層128が、偏光層121の周縁に沿って設けられている場合、ミラー層128は、例えば、図28Bに示したように、偏光層121から離間して配置されているか、または、偏光層121が開口128A内に配置される位置に配置されている。
【0197】
第2反射層124において開口124Aが1つしか設けられていない場合に、ミラー面128Bは、開口124Aと非対向の位置に配置されており、さらに、反射面124Bのうち、少なくとも反射面124Bの内縁とは対向しない位置に配置されている。ベゼル111において開口111Aが1つしか設けられていない場合に、ミラー面128Bは、開口111Aと非対向の位置に配置されており、さらに、反射面111Bのうち、少なくとも反射面111Bの内縁とは対向しない位置に配置されている。ミラー層128は、表示切替部120が表示状態となっているときに映像に干渉しない位置に配置されている。つまり、ミラー層128は、表示切替部120において、表示部110におけるベゼル111の役割と似た役割を有している。
【0198】
次に、本変形例の表示装置101の効果について説明する。本変形例では、ミラー層128は、表示切替部120において、表示切替部120が表示状態となっているときに映像に干渉しない位置に設けられている。これにより、表示切替部120が表示状態となっているときに、ミラー状の枠で囲まれた状態で映像を表示することができる。その結果、表示切替部120が表示状態となっているときの意匠性を高めることができる。また、表示切替部120がミラー状態となっているときに、表示切替部120の最表面全体をミラー状態にすることができる。このとき、表示切替部120の最表面において、ミラー層128に対応する領域での反射率および色相と、ミラー層128に囲まれた領域での反射率および色相とは、若干異なる。そのため、表示切替部120がミラー状態となっているときに、表示切替部120の最表面における外縁を、反射率および色相の異なるミラー状の枠にすることができる。これにより、表示切替部120がミラー状態となっているときの意匠性を高めることができる。
【0199】
[変形例D]
上記実施の形態、変形例Aおよび変形例Bにおいて、反射面124Bは、1または複数の開口124Aの周縁、ならびに第1反射層123の外縁および周縁に沿って設けられた反射面であってもよい。つまり、第2反射層124が、偏光層121、偏光制御層122および第1反射層123よりも大きくなっていてもよい。
【0200】
次に、本変形例の表示装置101の効果について説明する。本変形例では、反射面124Bの外縁は、偏光層121、偏光制御層122および第1反射層123と非対向の位置に配置されている。これにより、表示切替部120が表示状態となっているときに、ミラー状の枠で囲まれた状態で映像を表示することができる。その結果、表示切替部120が表示状態となっているときの意匠性を高めることができる。また、表示切替部120がミラー状態となっているときに、表示切替部120の最表面全体をミラー状態にすることができる。このとき、表示切替部120の最表面において、反射面124Bの外縁に対応する領域での反射率および色相と、反射面124Bの外縁に囲まれた領域での反射率および色相とは、若干異なる。そのため、表示切替部120がミラー状態となっているときに、表示切替部120の最表面における外縁を、反射率および色相の異なるミラー状の枠にすることができる。これにより、表示切替部120がミラー状態となっているときの意匠性を高めることができる。
【0201】
[変形例E]
上記実施の形態、変形例Aおよび変形例Bにおいて、表示部110が、表示切替部120の周縁に沿って設けられた環状のベゼル111を有していてもよい。ベゼル111が、本開示の「ベゼル」の一具体例に相当する。
【0202】
図29は、表示部110および表示切替部120の断面構成の一変形例を表したものである。ベゼル111は、1つの開口111Aを有している。開口111Aの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、矩形状、任意の多角形状、円形状、楕円形状、または、それらを組み合わせた形状となっている。ベゼル111は、1つの開口111Aを囲む位置に環状のミラー面111Bを有している。ミラー面111Bは、ベゼル111の表示切替部120側の面に形成されている。ミラー面111Bは、表示切替部120の周縁に沿って設けられており、出射面110Aを囲むようにして設けられている。表示切替部120は、ミラー面111Bに接しておらず、表示切替部120の全体または一部が、開口111Aの内部に収容されている。表示切替部120および出射面110Aは、例えば、接着層140によって互いに貼り合わされている。
【0203】
次に、本変形例の表示装置101の効果について説明する。本変形例では、ミラー面111Bは、表示切替部120と非対向の位置に配置されている。これにより、表示切替部120が表示状態となっているときに、ミラー状の枠で囲まれた状態で映像を表示することができる。その結果、表示切替部120が表示状態となっているときの意匠性を高めることができる。また、表示切替部120がミラー状態となっているときに、表示切替部120の最表面全体をミラー状態にすることができる。このとき、ミラー面111Bに対応する領域での反射率および色相と、ミラー面111Bに囲まれた領域での反射率および色相とは、若干異なる。そのため、表示切替部120がミラー状態となっているときに、表示切替部120の最表面における周縁を、反射率および色相の異なるミラー状の枠にすることができる。これにより、表示切替部120がミラー状態となっているときの意匠性を高めることができる。
【0204】
[変形例F]
上記実施の形態および変形例A〜Eでは、液晶層122Aは、電圧印加時(電圧オン時)に、液晶層122Aに入射した光を、偏光軸を回転させずにそのまま透過し、電圧非印加時(電圧オフ時)に、液晶層122Aに入射した光の偏光軸を、90度の奇数倍の角度だけ変化させるようになっていた。しかし、上記実施の形態および変形例A〜Eにおいて、液晶層122Aは、電圧印加時(電圧オン時)に、液晶層122Aに入射した光の偏光軸を、90度の奇数倍の角度だけ変化させ、電圧非印加時(電圧オフ時)に、液晶層122Aに入射した光を、偏光軸を回転させずにそのまま透過するようになっていてもよい。
【0205】
以上、実施の形態およびその変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本技術が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。また、本技術は以下のような構成を取り得るものである。
【0206】
(1)
画像光として第1の偏光軸を有する第1の直線偏光を出射する表示部と、
前記表示部と対向して配置され、前記第1の直線偏光を透過する画像表示モードと外光を反射する外光反射モードとの切り替えを行う表示切替部と
を有し、
前記表示部は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第1の偏光軸と交差する第2の偏光軸を有する第2の直線偏光を吸収する第1の吸収型偏光部材を含み、
前記表示切替部は、前記表示部から遠ざかる方向に順に配置された反射型偏光部材と透過偏光軸可変部材と第2の吸収型偏光部材とを含み、
前記反射型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過させると共に前記第2の直線偏光を反射するものであり、
前記透過偏光軸可変部材は、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換して透過させる第1のモードと、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第2のモードとの切り替えを行うものであり、
前記第2の吸収型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第2の直線偏光を吸収するものであり、
前記第2の吸収型偏光部材の色相b*値は、前記第1の吸収型偏光部材の色相b*値以下である
表示装置。
(2)
前記偏光変換部材は、TN(Twisted Nematic)液晶素子、STN(Super Twisted Nematic)液晶素子、VA(Vertical Alignment)液晶素子、反強誘電性液晶素子または強誘電性液晶素子のいずれかの液晶素子である
上記(1)記載の表示装置。
(3)
前記偏光変換部材が、双安定液晶表示素子または3安定液晶表示素子である
上記(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)
前記第2の吸収型偏光部材は、前記液晶素子の内部に設けられている
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の表示装置。
(5)
前記表示部は、前記第1の吸収型偏光部材を挟んで前記表示切替部と反対側に表示パネルをさらに含み、
前記第1の吸収型偏光部材と前記反射型偏光部材との間にガラス基板をさらに有する
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
前記反射型偏光部材と前記透過偏光軸可変部材とを貼り合わせる第1の樹脂層をさらに有し、
前記第1の樹脂層は25μm以下の厚さを有する
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の表示装置。
(7)
前記第2の吸収型偏光部材と前記透過偏光軸可変部材とを貼り合わせる第2の樹脂層をさらに有し、
前記第2の樹脂層は25μm以下の厚さを有する
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の表示装置。
(8)
前記反射型偏光部材と前記表示部とを貼り合わせる第3の樹脂層をさらに有し、
前記第3の樹脂層は25μm以下の厚さを有する
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の表示装置。
(9)
前記透過偏光軸可変部材は、一部の前記第1の直線偏光のみを前記第2の直線偏光へ変換して透過させると共に残りの前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第3のモードへの切り替えも行う
上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の表示装置。
(10)
表示装置と、
前記表示装置を制御する制御部と
を備え、
前記表示装置は、
画像光として第1の偏光軸を有する第1の直線偏光を出射する表示部と、
前記表示部と対向して配置され、前記第1の直線偏光を透過する画像表示モードと外光を反射する外光反射モードとの切り替えを行う表示切替部と
を有し、
前記表示部は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第1の偏光軸と交差する第2の偏光軸を有する第2の直線偏光を吸収する第1の吸収型偏光部材を含み、
前記表示切替部は、前記表示部から遠ざかる方向に順に配置された反射型偏光部材と透過偏光軸可変部材と第2の吸収型偏光部材とを含み、
前記反射型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過させると共に前記第2の直線偏光を反射するものであり、
前記透過偏光軸可変部材は、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換して透過させる第1のモードと、前記第1の直線偏光を前記第2の直線偏光へ変換せずに透過させる第2のモードとの切り替えを行うものであり、
前記第2の吸収型偏光部材は、前記第1の直線偏光を透過すると共に前記第2の直線偏光を吸収するものであり、
前記第2の吸収型偏光部材の色相b*値は、前記第1の吸収型偏光部材の色相b*値以下である
電子機器。
(11)
外部からの制御に基づいて偏光を制御する偏光制御層と、
前記偏光制御層の一方の面側に配置された偏光層と、
前記偏光制御層の他方の面側に配置された第1反射層および第2反射層と
を備え、
前記第1反射層は、反射偏光層であり、
前記第2反射層は、1または複数の開口を有する
光学装置。
(12)
前記第1反射層は、前記偏光層の偏光軸と平行または直交する偏光軸を有する
上記(11)記載の光学装置。
(13)
前記偏光制御層は、液晶層と、前記液晶層を挟み込む一対または複数対の光透過性電極とを含み、
前記一対または複数対の光透過性電極は、前記液晶層全体に渡って電界を印加するためのシート状電極である
上記(12)記載の光学装置。
(14)
前記第2反射層は、1または複数の前記開口を囲む位置に反射面を有する
上記(13)記載の光学装置。
(15)
前記第2反射層は、1つの前記開口を有し、
前記反射面は、1つの前記開口の周縁であって、かつ前記第1反射層の外縁に沿って設けられた環状の反射面である
上記(14)記載の光学装置。
(16)
1つの前記開口は、前記第1反射層よりも小さい
上記(15)記載の光学装置。
(17)
前記第1反射層は、前記偏光制御層と前記第2反射層との間に配置されている
上記(12)記載の光学装置。
(18)
前記第2反射層は、金属反射層、多層膜反射層、または、前記第1反射層の偏光軸と直交する偏光軸を有する反射偏光層である
上記(17)記載の光学装置。
(19)
表示切替部と、
映像光として直線偏光光を出射する出射面を有する表示部と、
前記表示切替部を制御する制御部と
を備え、
前記表示切替部は、
前記制御部による制御に基づいて偏光を制御する偏光制御層と、
前記偏光制御層との関係で前記表示部とは反対側の位置に配置された偏光層と、
前記偏光制御層との関係で前記表示部側の位置に配置された第1反射層および第2反射層と
を有し、
前記第1反射層は、反射偏光層であり、
前記第2反射層は、1または複数の開口を有する
表示装置。
(20)
表示切替部と、
映像光として直線偏光光を出射する出射面を有する表示部と、
前記表示切替部を制御する制御部と
を備え、
前記表示切替部は、
前記制御部による制御に基づいて偏光を制御する偏光制御層と、
前記偏光制御層との関係で前記表示部とは反対側の位置に配置された偏光層と、
前記偏光制御層との関係で前記表示部側の位置に配置された反射層と
を有し、
前記表示部は、前記出射面と対向する位置に開口を有するベゼルを有し、
前記反射層は、反射偏光層であり、
前記ベゼルは、前記開口の周縁に環状のミラー面を有する
表示装置。
【0207】
本出願は、日本国特許庁において2015年2月27日に出願された日本特許出願番号2015−37733号、および2015年3月20日に出願された日本特許出願番号2015−57106号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0208】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28A
図28B
図29