(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る照明器具及び照明ユニットについて説明する。
【0013】
[1−1.照明器具の全体構成]
図1〜
図3を参照しながら、実施の形態1に係る照明器具2の全体構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る照明器具2を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具2を示す分解斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具2の断面図である。なお、説明の都合上、
図1では、器具本体6の一部を切り欠いて図示してある。
【0014】
実施の形態1に係る照明器具2は、例えば住宅等の建物における室内の天井4に埋込配設されることにより、下方(
図1〜
図3において下方)に光を照射する天井埋込型の照明器具(いわゆるダウンライト)である。
【0015】
図1〜
図3に示すように、照明器具2は、器具本体6と、器具本体6に着脱自在に取り付けられる照明ユニット8とを備えている。以下、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。
【0016】
[1−2.器具本体]
まず、
図1〜
図3を参照しながら、器具本体6について説明する。
図1〜
図3に示すように、器具本体6は、上端部から下端部にかけて直径が漸増するラッパ状に形成されている。器具本体6は、例えばアルミニウム等の金属で一体に形成されている。本実施の形態では、器具本体6は、アルミダイカスト製である。
【0017】
器具本体6の上端部にはソケット10が配置されている。ソケット10の内周面には雌ネジ12が形成されている。ソケット10は、照明器具2の外部に設置された商用電源等の外部電源(図示せず)とリード線(図示せず)を介して電気的に接続されている。外部電源からの交流電力(例えばAC100V)は、リード線を介してソケット10に供給される。
【0018】
器具本体6の下端部には、円形状の開口部14が形成されている。すなわち、上述したソケット10は、開口部14の上方に配置されている。開口部14の周縁部には、径方向外側に延びるリング状の鍔部16が形成されている。
【0019】
器具本体6の下端部近傍における外側面には、複数の取付バネ(図示せず)が取り付けられている。これらの複数の取付バネは、照明器具2を天井4に取り付けるためのものである。複数の取付バネの各々は、弾性復元力を有する金属板で形成されている。
【0020】
図1及び
図3に示すように、器具本体6が天井4に形成された円形状の貫通孔18に下方より挿通された状態で、複数の取付バネの各々と鍔部16との間に天井4を挟持することにより、照明器具2が天井4に埋込配設される。
【0021】
[1−3.照明ユニット]
次に、
図1〜
図3を参照しながら、照明ユニット8について説明する。
図1〜
図3に示すように、照明ユニット8は、ランプ20(照明部材の一例)、固定リング部材22、回動リング部材24、一対のワイヤー26(吊下部材の一例)及び装飾部材28を備えている。以下、照明ユニット8の各構成要素について詳細に説明する。
【0022】
[1−3−1.ランプ]
図1〜
図3を参照しながら、ランプ20について説明する。
図1〜
図3に示すように、ランプ20は、例えば電球型LED(Light Emitting Diode)ランプであり、器具本体6の内部に配置される。ランプ20は、筐体30、口金32、回路ユニット34、LEDモジュール36及びグローブ38を有している。なお、
図3に示すように、ランプ20は、LEDモジュール36の光軸C1が器具本体6の中心軸C2に対して略平行となる姿勢(すなわち、縦向きの姿勢)で配置されている。
【0023】
筐体30は、一端部から他端部にかけて直径が漸増するラッパ状に形成されている。筐体30は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂で形成されている。
【0024】
口金32は、LEDモジュール36を発光させるための交流電力を受電する受電部であり、筐体30の一端部に配置されている。口金32の外周面には雄ネジ40が形成されており、これにより口金32は、器具本体6のソケット10に着脱自在にねじ込まれる。このように口金32がソケット10に取り付けられることにより、口金32は、LEDモジュール36を発光させるための交流電力をソケット10から受電することができる。なお、口金32は、例えばねじ込み型のエジソンタイプ(E型)の口金である。
【0025】
回路ユニット34は、LEDモジュール36を駆動するためのものであり、
図3に示すように筐体30の内部に配置されている。回路ユニット34は、口金32から供給された交流電力を、整流、平滑及び降圧等することにより所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLEDモジュール36に供給する。
【0026】
LEDモジュール36は、筐体30の内部に配置されており、筐体30の内部において口金32と電気的に接続されている。LEDモジュール36は、基板42と、基板42に実装された複数のLEDチップ44と、複数のLEDチップ44を封止する封止部材(図示せず)とを有している。LEDモジュール36の実装構造は、例えばLEDチップ44が基板42上に直接実装されたCOB(Chip On Board)構造である。
【0027】
基板42は、例えばセラミック基板、樹脂基板又はメタルベース基板等である。基板42上には、回路ユニット34からの直流電力を受電するための電極端子(図示せず)と、複数のLEDチップ44を実装するための配線パターン(図示せず)とが形成されている。
【0028】
複数のLEDチップ44の各々は、例えば青色光を発する青色LEDチップである。複数のLEDチップ44は、基板42上に形成された配線パターンに実装されており、基板42上にマトリクス状に配置されている。
【0029】
封止部材は、例えば透光性を有する樹脂で形成されており、複数のLEDチップ44が発する青色光を黄色光に波長変換する蛍光体粒子を含んでいる。これにより、LEDモジュール36は、複数のLEDチップ44が発する青色光と、蛍光体粒子によって波長変換された黄色光との合成光として白色光を発する。
【0030】
グローブ38は、LEDモジュール36からの光をランプ20の外部に取り出すためのものであり、透光性を有する材料(例えば、透明又は半透明のガラス等)で形成されている。グローブ38は、半球状に形成され、LEDモジュール36を覆うように筐体30の他端部に配置されている。
【0031】
[1−3−2.固定リング部材]
次に、
図1〜
図3を参照しながら、固定リング部材22について説明する。固定リング部材22は、回動リング部材24がランプ20に対して口金32側に移動するのを規制するためのものである。
【0032】
図1〜
図3に示すように、固定リング部材22は、例えば樹脂で形成され、リング状に形成されている。より具体的な形状としては、固定リング部材22は、ランプ20の筐体30の形状に対応して、一端部から他端部にかけて直径が漸増するラッパ状に形成されている。固定リング部材22は、口金32と回動リング部材24との間に配置されており、ランプ20の筐体30の外周部に例えば接着剤等で固定されている。
【0033】
固定リング部材22の他端部における開口縁部22aには、固定リング部材22の周方向に延びる切り欠き部46が複数形成されている。複数の切り欠き部46は、固定リング部材22の周方向に間隔を置いて配置されている。
【0034】
[1−3−3.回動リング部材]
次に、
図1〜
図3を参照しながら、回動リング部材24について説明する。回動リング部材24は、ランプ20の口金32をソケット10に取り付ける(又はソケット10から取り外す)際に、装飾部材28がランプ20と伴回りするのを抑制するためのものである。
【0035】
図1〜
図3に示すように、回動リング部材24は、例えば樹脂で形成され、リング状に形成されている。より具体的な形状としては、回動リング部材24は、ランプ20の筐体30の形状に対応して、一端部から他端部にかけて直径が漸増するラッパ状に形成されている。回動リング部材24は、ランプ20の筐体30の外周部に、ランプ20に対して回動自在に取り付けられている。これにより、回動リング部材24は、その一端部における開口縁部24aが固定リング部材22の他端部における開口縁部22aと接触した状態で、ランプ20に対して回動自在である。
【0036】
なお、回動リング部材24の他端部における直径は、ランプ20の筐体30の他端部における直径よりも小さいので、回動リング部材24がランプ20に対してグローブ38側に移動するのが規制されている。また、上述したように、回動リング部材24は、固定リング部材22によってランプ20に対して口金32側に移動するのが規制されている。これにより、回動リング部材24をランプ20から取り外すことができないように構成されている。
【0037】
回動リング部材24の他端部における外周面には、一対の連結部48が形成されている。一対の連結部48は、回動リング部材24の中心軸に対して略対称な位置に配置されている。一対の連結部48の各々には、連結リング50(後述する)を回動自在に挿通するための挿通孔52が形成されている。
【0038】
[1−3−4.ワイヤー]
次に、
図1〜
図3を参照しながら、一対のワイヤー26について説明する。一対のワイヤー26は、装飾部材28を回動リング部材24から(すなわち、ランプ20から)吊り下げるための金属製のワイヤーである。
【0039】
図1〜
図3に示すように、一対のワイヤー26の各々の上端部には、連結リング50が接続されている。一対のワイヤー26の各々の上端部は、この連結リング50を介して回動リング部材24の連結部48に回動自在に連結されている。一対のワイヤー26の各々の下端部は、装飾部材28に配置されたコイルバネ64(後述する)に接続されている。
【0040】
これにより、一対のワイヤー26は、回動リング部材24と装飾部材28とを相互に連結することによって、装飾部材28を回動リング部材24から吊り下げる。なお、
図3に示すように、一対のワイヤー26は、器具本体6の内側面に沿って、器具本体6の中心軸C2に対して傾斜するように配置される。
【0041】
[1−3−5.装飾部材]
次に、
図1〜
図3を参照しながら、装飾部材28について説明する。装飾部材28は、器具本体6の開口部14の下方に配置されることにより、器具本体6を室内側から装飾するためのものである。
図1〜
図3に示すように、装飾部材28は、装飾リング54及び装飾カバー56を有している。
【0042】
図1及び
図2に示すように、装飾リング54は、リング状に形成され、器具本体6の開口部14の周囲に配置されている。装飾リング54の下面(室内側の面)には、例えば木目等の模様(図示せず)が形成されている。
【0043】
装飾リング54の上面には、円弧状に延びる一対の収納ケース58が着脱自在に取り付けられている。一対の収納ケース58は、装飾リング54の中心軸に対して略対称な位置に配置されている。収納ケース58の一端部には取出口60が形成され、収納ケース58の他端部には固定部62が形成されている。
【0044】
一対の収納ケース58の各々の内部には、コイルバネ64(付勢部材の一例)が伸縮自在に配置されている。コイルバネ64の一端部は、収納ケース58の内部でワイヤー26の下端部に連結されている。このとき、ワイヤー26は、収納ケース58の取出口60から収納ケース58の外部に取り出される。コイルバネ64の他端部は、収納ケース58の固定部62に固定されている。これにより、一対のコイルバネ64はそれぞれ、一対のワイヤー26に引っ張られることによって収納ケース58の内部で伸びるようになる。その結果、一対のワイヤー26はそれぞれ、一対のコイルバネ64によって、装飾部材28を器具本体6の開口部14に近付けるように付勢される。
【0045】
また、装飾リング54の上面には、一対のボス66が形成されている。一対のボス66はそれぞれ、一対の収納ケース58の各々の取出口60の近傍に配置されている。さらに、装飾リング54の上面における内周縁には、円筒状の壁部68が形成されている。この壁部68のボス66に対向する部位には、鉤状の切り欠き部70が形成されている。収納ケース58の取出口60から延びるワイヤー26は、ボス66の外周面に引っ掛けられ、且つ、壁部68の切り欠き部70に引っ掛けられている。
【0046】
装飾カバー56は、有底円筒状に形成され、透光性を有する材料(例えば、乳白色の樹脂等)で形成されている。装飾カバー56は、装飾リング54の壁部68に着脱自在に取り付けられ、器具本体6の開口部14を下方より覆っている。なお、装飾カバー56を装飾リング54に取り付ける際には、
図1の矢印Pで示す方向に装飾カバー56を装飾リング54に対して回動させる。一方、装飾カバー56を装飾リング54から取り外す際には、
図1の矢印Qで示す方向に装飾カバー56を装飾リング54に対して回動させる。例えば装飾カバー56が乳白色の樹脂で形成されている場合には、装飾カバー56は拡散カバーとして機能し、ランプ20からの光を拡散させる。
【0047】
装飾カバー56の開口縁部には、矩形状の一対の切り欠き部72が形成されている。
図1に示すように、装飾カバー56が装飾リング54に取り付けられた状態で、一対の切り欠き部72はそれぞれ、装飾リング54の壁部68に形成された一対の切り欠き部70に対向するように配置される。これにより、壁部68の切り欠き部70に引っ掛けられたワイヤー26が装飾カバー56の切り欠き部72に逃がされるので、ワイヤー26が装飾カバー56の開口縁部と干渉するのを抑制することができる。
【0048】
[1−4.照明ユニットの取付手順]
次に、
図4〜
図7を参照しながら、照明ユニット8を器具本体6に取り付ける手順について説明する。
図4は、実施の形態1に係る照明ユニット8を器具本体6に取り付ける前の状態で、照明器具2’を室内側から見上げた状態を示す斜視図である。
図5及び
図6は、実施の形態1に係る照明ユニット8を器具本体6に取り付ける途中の状態を示す斜視図である。
図7は、実施の形態1に係る照明ユニット8を器具本体6に取り付けた状態で、照明器具2を室内側から見上げた状態を示す斜視図である。なお、説明の都合上、
図5及び
図6では、器具本体6の一部を切り欠いて図示してある。
【0049】
図4に示すように、照明ユニット8を器具本体6に取り付ける前の状態では、天井4には、既存のダウンライトである照明器具2’が設置されている。器具本体6のソケット10(
図1参照)には、例えば既存の電球型LEDランプであるランプ74が着脱自在に取り付けられている。また、器具本体6の鍔部16が天井4の室内側の面に露出されるとともに、ランプ74が器具本体6の開口部14を通して露出されている。この照明器具2’のデザインを変更する場合には、以下の手順で照明ユニット8を器具本体6に取り付ければよい。
【0050】
まず、
図5に示すように、ランプ74を器具本体6のソケット10から取り外した後に、照明ユニット8のランプ20を器具本体6のソケット10に取り付ける。このとき、予め装飾カバー56を装飾リング54から取り外しておくことにより、ユーザは、装飾リング54の開口部に手を挿入してランプ20を手で掴むことができる。
【0051】
図6に示すように、ランプ20を器具本体6のソケット10に取り付ける際には、
図6の矢印Rで示す方向にランプ20を器具本体6に対して回動させる。このとき、回動リング部材24がランプ20に対して回動する(すなわち、回動リング部材24が器具本体6に対して静止している)ので、回動リング部材24から吊り下げられた装飾部材28がランプ20と伴回りするのを抑制することができる。
【0052】
ランプ20が器具本体6のソケット10に取り付けられた状態では、装飾リング54は、回動リング部材24から吊り下げられた状態で、器具本体6の開口部14の周囲に配置される。このとき、器具本体6の開口部14からソケット10までの距離D(
図3参照)に応じて、一対のコイルバネ64がそれぞれ一対のワイヤー26に引っ張られることにより伸びるようになる。これにより、一対のワイヤー26はそれぞれ、一対のコイルバネ64によって、装飾部材28を器具本体6の開口部14に近付けるように付勢される。その結果、一対のワイヤー26の各々の回動リング部材24から装飾部材28までの長さL(
図3参照)を調節することができる。
【0053】
また、一対のコイルバネ64の付勢力によって、上述した
図3に示すように、一対の収納ケース58の各々が器具本体6の鍔部16に接触するようになる。このとき、装飾リング54は天井4に接触しない。
【0054】
その後、
図6に示すように、装飾カバー56を装飾リング54に取り付ける。これにより、
図7に示すように、装飾リング54が器具本体6の開口部14の周囲に配置され、且つ、装飾カバー56が器具本体6の開口部14を覆うことにより、器具本体6が装飾部材28により装飾される。以上のようにして、照明器具2のデザインを変更することができる。
【0055】
[1−5.効果]
上述したように、実施の形態1に係る照明器具2は、開口部14及び開口部14の上方に配置されたソケット10を有する器具本体6と、器具本体6の内部に配置され、ソケット10に着脱自在に取り付けられる口金32を有するランプ20と、器具本体6の開口部14の下方に配置された装飾部材28と、装飾部材28をランプ20から吊り下げるワイヤー26と、ワイヤー26と連結され、装飾部材28を器具本体6の開口部14に近付けるようにワイヤー26を付勢するコイルバネ64とを備える。
【0056】
この構成によれば、装飾部材28がランプ20から吊り下げられているので、ランプ20を器具本体6に取り付けることにより、装飾部材28が器具本体6の開口部14の下方に配置され、器具本体6が装飾部材28により装飾される。これにより、ランプ20を器具本体6に取り付けるという比較的簡単な作業を行うことにより、照明器具2のデザインを容易に変更することができる。さらに、ワイヤー26は、コイルバネ64によって装飾部材28を器具本体6の開口部14に近付けるように付勢されている。これにより、器具本体6の開口部14からソケット10までの距離Dに応じて、コイルバネ64がワイヤー26に引っ張られて伸びることによって、ワイヤー26の長さLを調節することができる。
【0057】
さらに、照明器具2は、さらに、装飾部材28に配置され、コイルバネ64を収納する収納ケース58を備えている。ワイヤー26の下端部は、収納ケース58の内部でコイルバネ64と連結されている。
【0058】
この構成によれば、コイルバネ64を収納ケース58の内部にコンパクトに配置することができる。
【0059】
さらに、器具本体6は、開口部14の周縁部から開口部14の径方向外側に延びる鍔部16を有している。装飾部材28は、収納ケース58が鍔部16に接触するように配置されている。
【0060】
仮に、収納ケース58が天井4に接触している場合には、ワイヤー26がコイルバネ64によって付勢された際に、収納ケース58と天井4との接触部を支点として、器具本体6を天井4の貫通孔18から引き抜く力が器具本体6に加わるおそれがある。これに対して、上記の構成によれば、収納ケース58が鍔部16に接触しているので、ワイヤー26がコイルバネ64によって付勢された際に、鍔部16が収納ケース58によって天井4に向けて押し当てられるようになる。これにより、器具本体6がコイルバネ64の付勢力によって天井4の貫通孔18から引き抜かれるのを抑制することができる。
【0061】
さらに、装飾部材28は、器具本体6の開口部14の周囲に配置された装飾リング54と、装飾リング54に着脱自在に取り付けられ、器具本体6の開口部14を覆う透光性の装飾カバー56とを有する。
【0062】
この構成によれば、装飾カバー56の種類を例えば拡散タイプの装飾カバー又はシャンデリアタイプの装飾カバー等に交換することにより、照明器具2のデザインを容易に変更することができる。
【0063】
また、実施の形態1に係る照明ユニット8は、開口部14及び開口部14の上方に配置されたソケット10を有する器具本体6に着脱自在に取り付けられる照明ユニットである。照明ユニット8は、器具本体6の内部に配置され、ソケット10に着脱自在に取り付けられる口金32を有するランプ20と、器具本体6の開口部14の下方に配置される装飾部材28と、装飾部材28をランプ20から吊り下げるワイヤー26と、ワイヤー26と連結され、装飾部材28を器具本体6の開口部14に近付けるようにワイヤー26を付勢するコイルバネ64とを備える。
【0064】
この構成によれば、装飾部材28がランプ20から吊り下げられているので、ランプ20を器具本体6に取り付けることにより、装飾部材28が器具本体6の開口部14の下方に配置され、器具本体6が装飾部材28により装飾される。これにより、照明ユニット8を器具本体6に取り付けるという比較的簡単な作業を行うことにより、照明器具2のデザインを容易に変更することができる。さらに、ワイヤー26は、コイルバネ64によって装飾部材28を器具本体6の開口部14に近付けるように付勢されている。これにより、器具本体6の開口部14からソケット10までの距離Dに応じて、コイルバネ64がワイヤー26に引っ張られて伸びることによって、ワイヤー26の長さLを調節することができる。
【0065】
(実施の形態2)
[2−1.照明器具の構成]
次に、
図8〜
図12Bを参照しながら、実施の形態2に係る照明器具2A及び照明ユニット8Aの各構成について説明する。実施の形態2に係る照明器具2Aでは、収納ケース58Aの構成が実施の形態1と異なっている。以下、実施の形態2と実施の形態1との相違点について説明する。
【0066】
[2−1−1.収納ケース]
まず、
図8〜
図12Bを参照しながら、収納ケース58Bについて説明する。
図8は、実施の形態2に係る照明器具2Aを示す斜視図である。
図9Aは、コイルバネ64を収納ケース58Aから取り外した状態での、実施の形態2に係る収納ケース58Aの裏面側を示す斜視図である。
図9Bは、コイルバネ64を収納ケース58Aに収納した状態での、実施の形態2に係る収納ケース58Aの裏面側を示す斜視図である。
図10は、収納ケース58Aと鍔部16との接触部分を拡大して示す断面斜視図である。
図11Aは、ワイヤー26を収納ケース58Aの第1の取出口88から取り出した状態での、実施の形態2に係る照明ユニット8Aを示す斜視図である。
図11Bは、ワイヤー26を収納ケース58Aの第1の取出口88から取り出した状態での、実施の形態2に係る照明器具2Aの断面図である。
図12Aは、ワイヤー26を収納ケース58Aの第2の取出口90から取り出した状態での、実施の形態2に係る照明ユニット8Aを示す斜視図である。
図12Bは、ワイヤー26を収納ケース58Aの第2の取出口90から取り出した状態での、実施の形態2に係る照明器具2Aの断面図である。なお、説明の都合上、
図8では、器具本体6の一部を切り欠いて図示してある。
【0067】
図8〜
図9Bに示すように、収納ケース58Bは、円弧状に延びるケース本体部85と、ケース本体部85からコイルバネ64の伸縮方向に延びる略台形状の枠状の取出部86とを有している。ケース本体部85には、コイルバネ64が伸縮自在に収納されている。取出部86には、ワイヤー26の一部が移動自在に収納されている。取出部86の先端部には、クランク形状の第1の取出口88及び第2の取出口90が形成されている。第1の取出口88及び第2の取出口90は、コイルバネ64の伸縮方向に並んで配置されている。具体的には、第1の取出口88は、ケース本体部85に近い側に配置され、第2の取出口90は、ケース本体部85から遠い側に配置されている。また、
図9A及び
図9Bに示すように、取出部86の内部には、第1のボス92及び第2のボス94が形成されている。第1のボス92及び第2のボス94はそれぞれ、第1の取出口88及び第2の取出口90に対向する位置に配置されている。
【0068】
なお、
図10に示すように、一対のコイルバネ64の付勢力によって、一対の収納ケース58Aの各々の上面は、器具本体6の鍔部16に接触するようになる。このとき、一対の収納ケース58A及び装飾リング54Aは、天井4に接触しない。
【0069】
図11Aに示す状態では、一対のワイヤー26の各々は、取出部86の内部で第1のボス92に引っ掛けられ、且つ、第1の取出口88から取り出される。この状態では、一対のワイヤー26の各々の取出部86の内部に収納された部分の長さが比較的短くなるので、
図11Bに示すように、一対のワイヤー26の各々の回動リング部材24から装飾部材28Aまでの長さL1が比較的長くなる。そのため、
図11Bに示すように、器具本体6の開口部14からソケット10までの距離D1が比較的長い場合には、一対のワイヤー26の各々を第1の取出口88から取り出すことにより、一対のワイヤー26の各々の回動リング部材24から装飾部材28Aまでの長さL1を距離D1に応じた長さに調節することができる。
【0070】
一方、
図12Aに示す状態では、一対のワイヤー26の各々は、取出部86の内部で第2のボス94に引っ掛けられ、且つ、第2の取出口90から取り出される。この状態では、一対のワイヤー26の各々の取出部86の内部に収納された部分の長さが比較的長くなるので、
図12Bに示すように、一対のワイヤー26の各々の回動リング部材24から装飾部材28Aまでの長さL2(<L1)が比較的短くなる。そのため、
図12Bに示すように、器具本体6Aの開口部14からソケット10までの距離D2(<D1)が比較的短い場合には、一対のワイヤー26の各々を第2の取出口90から取り出すことにより、一対のワイヤー26の各々の回動リング部材24から装飾部材28Aまでの長さL2を距離D2に応じた長さに調節することができる。
【0071】
なお、
図8に示すように、一対の取出部86の各々の先端部は、装飾リング54Aの壁部68Aよりも装飾リング54Aの径方向内側(すなわち、器具本体6の開口部14の周縁部よりも開口部14の径方向内側)に突出している。これにより、第1の取出口88及び第2の取出口90の各々が装飾リング54Aの壁部68Aよりも装飾リング54Aの径方向内側に配置されるので、一対のワイヤー26が器具本体6の内側面に接触するのを抑制することができる。
【0072】
また、
図8に示すように、装飾カバー56Aの開口縁部には、一対の取出部86をそれぞれ逃がすための一対の切り欠き部95が形成されている。なお、一対の取出部86の各々は枠状に形成されているので、ランプ20からの光の一部は、一対の取出部86の各々の開口部を通過して下方に照射されるようになる。
【0073】
さらに、一対の収納ケース58Aの各々の第1の取出口88は、器具本体6の中心軸C2に対して略対称に配置されている。また、一対の収納ケース58Aの各々の第2の取出口90は、器具本体6の中心軸C2に対して略対称に配置されている。
【0074】
[2−1−2.コイルバネの最大荷重]
ここで、コイルバネ64の最大荷重について説明する。コイルバネ64の直径を5mm、コイルバネ64の材料をSUS304、距離D1(
図11B参照)と距離D2(
図12B参照)との差を60mm、照明ユニット8Aの重量を300g以下、器具本体6,6Aの取付強度を1kg以下とした場合について考える。
【0075】
この場合、器具本体6の開口部14からソケット10までの距離がD1であるときに、コイルバネ64の最大荷重が1kgを超えないようにする必要がある。そのため、コイルバネ64の自由長を45.5mm以下としたとき、コイルバネ64の取付長(照明ユニット8をぶら下げたときの長さ)が66mm以下であるときに取付荷重が150g/個、コイルバネ64の最大引張長100mmであるときに最大荷重が320g/個となるようなコイルバネ64を用いる。
【0076】
これにより、コイルバネ64の最大引張長100mmであるときには、器具本体6,6Aに加わる荷重は、照明ユニット8Aの重量300gと、一対のコイルバネ64の最大荷重640gとの合計940gとなるので、器具本体6,6Aの取付強度を1kg以下に抑えることができる。
【0077】
[2−2.効果]
以上説明したように、実施の形態2に係る照明器具2Bでは、収納ケース58Aは、所定方向に並んで配置された第1の取出口88及び第2の取出口90を有している。ワイヤー26は、第1の取出口88及び第2の取出口90のいずれか一方から収納ケース58Aの外部に取り出される。
【0078】
この構成によれば、器具本体6の開口部14からソケット10までの距離D1,D2に応じて、一対のワイヤー26の各々を第1の取出口88及び第2の取出口90のいずれか一方から取り出すことにより、一対のワイヤー26の各々の回動リング部材24から装飾部材28Aまでの長さL1,L2を距離D1,D2に応じた長さに調節することができる。
【0079】
さらに、収納ケース58Aは、コイルバネ64を伸縮自在に収納するケース本体部85と、ケース本体部85からコイルバネ64の伸縮方向に延び、ワイヤー26の一部を移動自在に収納する取出部86とを有している。取出部86の先端部は、器具本体6の開口部14の周縁部よりも開口部14の径方向内側に突出している。第1の取出口88及び第2の取出口90は、取出部86の前記先端部に配置されている。
【0080】
この構成によれば、第1の取出口88及び第2の取出口90の各々が器具本体6の開口部14の周縁部よりも開口部14の径方向内側に配置されるので、一対のワイヤー26が器具本体6の内側面に接触するのを抑制することができる。
【0081】
さらに、取出部86は、枠状に形成されている。
【0082】
この構成によれば、ランプ20からの光の一部は、一対の取出部86の各々の開口部を通過して下方に照射されるようになるので、ランプ20からの光の利用効率を高めることができる。
【0083】
さらに、ワイヤー26、コイルバネ64及び収納ケース58Aはそれぞれ一対設けられている。一対の収納ケース58Aの各々の第1の取出口88は、器具本体6の中心軸C2に対して略対称に配置されている。一対の収納ケース58Aの各々の第2の取出口90は、器具本体6の中心軸C2に対して略対称に配置されている。
【0084】
この構成によれば、一対のワイヤー26を器具本体6の中心軸C2に対して略対称な位置に配置することができる。その結果、装飾部材28Aを回動リング部材24から安定して吊り下げることができる。
【0085】
(実施の形態3)
[3−1.照明器具の構成]
次に、
図13及び
図14を参照しながら、実施の形態3に係る照明器具2B及び照明ユニット8Bの各構成について説明する。
図13は、実施の形態3に係る照明器具2Bを示す斜視図である。
図14は、実施の形態3に係る照明ユニット8Bを示す斜視図である。
【0086】
実施の形態3に係る照明器具2Bでは、器具本体6B、ランプ20B及び回動リング部材24Bの各構成が実施の形態1と異なっている。
【0087】
図13に示すように、ソケット10Bは、器具本体6Bの外側面から径方向外側に突出するように配置されている。これにより、ランプ20Bは、LEDモジュール36(
図3参照)の光軸C1が器具本体6Bの中心軸C2に対して略垂直となる姿勢(すなわち、横向きの姿勢)で配置される。このとき、ランプ20Bのグローブ38Bは、器具本体6Bの中心軸C2上に配置されるようになる。
【0088】
なお、ランプ20Bのグローブ38Bの形状が実施の形態1と異なっており、
図14に示すように、グローブ38Bは有底円筒状に形成されている。
【0089】
さらに、
図14に示すように、回動リング部材24Bは、第1のリング本体116、第2のリング本体118及び複数の接続部120を有している。なお、これらの第1のリング本体116、第2のリング本体118及び複数の接続部120は、例えば樹脂で一体に形成されている。
【0090】
第1のリング本体116は、リング状に形成されている。より具体的な形状としては、第1のリング本体116は、ランプ20Bの筐体30の形状に対応して、一端部から他端部にかけて直径が漸増するラッパ状に形成されている。第1のリング本体116は、ランプ20Bの筐体30の外周部に、ランプ20Bに対して回動自在に取り付けられている。
【0091】
第2のリング本体118は、リング状に形成され、複数の接続部120を介して第1のリング本体116の他端部における開口縁部と接続されている。第2のリング本体118は、グローブ38Bの外周部に、ランプ20Bに対して回動自在に配置されている。また、第2のリング本体118は、器具本体6Bの中心軸C2上に配置されている。
【0092】
第2のリング本体118には、一対の連結部48Bが形成されている。一対の連結部48Bは、第2のリング本体118の中心軸に対して略対称な位置に配置されている。一対の連結部48Bの各々には、連結リング50を回動自在に挿通するための挿通孔52が形成されている。
【0093】
[3−2.効果]
以上説明したように、実施の形態3に係る照明器具2Bでは、実施の形態1及び2で説明した効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、連結リング50が連結部48Bに対して回動自在であるので、ランプ20Bが横向きの姿勢及び縦向きの姿勢のいずれの姿勢で配置されている場合であっても、装飾部材28を回動リング部材24Bから吊り下げることができる。
【0094】
(実施の形態4)
[4−1.照明器具の構成]
次に、
図15及び
図16を参照しながら、実施の形態4に係る照明器具2C及び照明ユニット8Cの各構成について説明する。
図15は、実施の形態4に係る照明器具2Cを示す斜視図である。
図16は、実施の形態4に係る照明ユニット8Cを示す斜視図である。
【0095】
実施の形態4に係る照明器具2Cでは、回動リング部材24Cの構成が実施の形態3と異なっている。
図15及び
図16に示すように、回動リング部材24Cは、第1のリング本体116、第2のリング本体118C及び複数の接続部120に加えて、反射部122を有している。なお、これらの第1のリング本体116、第2のリング本体118C、複数の接続部120及び反射部122は、例えば樹脂で一体に形成されている。
【0096】
反射部122は、半円筒状に形成され、第1のリング本体116の下端部における開口縁部からグローブ38Bの上側を覆うように延びている。反射部122の内面(グローブ38Bに対向する面)には、LEDモジュール36(
図3参照)からの光を器具本体6Bの開口部14に向けて反射する反射面124が形成されている。なお、反射面124の形成方法は、特に限定されない。例えば、回動リング部材24Cの全体を白色の樹脂で形成することにより反射面124を形成してもよく、あるいは、反射部122の内面に反射膜を形成することにより反射面124を形成してもよい。
【0097】
なお、
図16に示すように、第2のリング本体118Cは、半円形状に形成されており、反射部122の周方向における両端部に接続されている。
【0098】
[4−2.効果]
以上説明したように、実施の形態4に係る照明器具2Cでは、実施の形態1及び2で説明した効果に加えて、次のような効果を得ることができる。すなわち、反射部122がグローブ38Bの上側を覆っているので、ランプ20Cからの光の利用効率を高めることができる。
【0099】
(実施の形態5)
[5−1.照明器具の構成]
次に、
図17を参照しながら、実施の形態5に係る照明器具2D及び照明ユニット8Dの各構成について説明する。
図17は、実施の形態5に係る照明器具2Dを示す斜視図である。なお、説明の都合上、
図17では、器具本体6の一部を切り欠いて図示してある。
【0100】
実施の形態5に係る照明器具2Dでは、装飾部材28AにLEDモジュール126(光源の一例)が配置されている点と、器具本体6のソケット10に回路ボックス128が着脱自在に取り付けられている点とが実施の形態2と異なっている。
【0101】
図17に示すように、LEDモジュール126は、円板状の基板130と、基板130に実装された複数のLEDチップ132と、複数のLEDチップ132を封止する封止部材(図示せず)とを有している。基板130は、複数のLED132が下方を向くようにして装飾カバー56Aの内部に配置されている。LEDモジュール126の実装構造は、例えばLEDチップ132が基板130上に直接実装されたCOB構造である。なお、基板130の形状は円板状に限定されず、例えばリング状であってもよい。
【0102】
また、
図17に示すように、回路ボックス128は、筐体134、口金136及び回路ユニット138を有している。
【0103】
筐体134は、一端部から他端部にかけて直径が漸増するラッパ状に形成されている。この筐体134の外周部には、固定リング部材22及び回動リング部材24が配置されている。
【0104】
口金136は、LEDモジュール126を発光させるための交流電力を受電する受電部であり、筐体134の一端部に配置されている。口金136は、器具本体6のソケット10に着脱自在にねじ込まれる。
【0105】
回路ユニット138は、LEDモジュール36を駆動するためのものであり、筐体134の内部に配置されている。回路ユニット138は、筐体134の内部で口金136と電気的に接続されている。また、回路ユニット138は、リード線137を介してLEDモジュール126の基板130と電気的に接続されている。回路ユニット138は、口金136から供給された交流電力を、整流、平滑及び降圧等することにより所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をリード線を介してLEDモジュール126に供給する。
【0106】
なお、本実施の形態では、回路ユニット138を筐体134の内部に配置したが、これに限定されず、例えばLEDモジュール126の基板130上に配置してもよい。
【0107】
[5−2.効果]
以上説明したように、実施の形態5に係る照明器具2Dでは、LEDモジュール126が装飾部材28Aに配置されるので、照明器具2Dのデザインのバリエーションを高めることができる。
【0108】
(変形例等)
以上、本発明について実施の形態1〜5に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0109】
例えば、上記各実施の形態では、LEDモジュール36の実装構造をCOB構造としたが、これに限定されず、例えばLEDチップ44がパッケージ化されたLED素子を基板42上に実装したSMD(Surface Mount Device)構造としてもよい。
【0110】
例えば、上記各実施の形態では、コイルバネ64を装飾部材28(28A)側に配置したが、ランプ20(20B)側に配置してもよい。
【0111】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。