(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筒状部は、前記鍔部と前記ベース部との間に配置されるとともに前記ベース部と一緒に前記鍔部と前記被取付部とにより圧接挟持される部分を有することを特徴とする請求項1に記載の電気部品。
前記ベース部の外周部には、下側外方へ延設し延設方向に向けて厚さが薄くなるように形成された傘部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電気部品。
前記ケースには、前記被取付部に係合可能な係合突部を有する係合部材が、平面視して前記鍔部の内側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の電気部品。
前記ケースは、前記開口が設けられ前記取付孔よりも外形が大きく前記被取付部の一方側に配設される上ケース部と、前記上ケース部に連続して形成され前記取付孔に挿通可能で前記被取付部の他方側に配設される下ケース部と、を有し、
前記開口に連続して前記上ケース部と前記下ケース部とで形成されるとともに前記操作部材を収納可能な収容部を有し、
前記係合部材は、下端部が前記下ケース部の外周を形成する外壁部に繋がって弾性変形可能であるとともに、上端部が前記上ケース部の上方まで延在しており、
該上端部に、前記カバー部材を介して操作可能な把持部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の電気部品。
前記係合部材は、前記収容部を挟んで対向する位置に、当該収容部側へ揺動可能にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の電気部品。
前記検出手段は、前記ケース内に収容され前記操作部材と一体に動作可能な可動接点部材と、前記ケース内に収容され前記可動接点部材と接触可能な固定接点部材と、を有することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の電気部品。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0044】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、本発明の電気部品100について、図面を用いて説明する。なお、本発明の第1実施形態において、電気部品100はスイッチ装置ではあるが、本発明は、これに限るものではない。
【0045】
図1は、本発明の第1実施形態に係わる電気部品100を説明する分解斜視図である。
図2は、電気部品100の斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態の電気部品100を説明する図であって、
図3(a)は、
図2をY2側から見た正面図であり、
図3(b)は、
図2をX1側から見た側面図である。
図4は、本発明の第1実施形態の電気部品100を説明する図であって、
図4(a)は、電気部品100が取り付けられる被取付部500の斜視図であり、
図4(b)は、電気部品100が被取付部500に取り付けられた状態を示した斜視図である。
図5は、本発明の第1実施形態の電気部品100を説明する図であって、
図5(a)は、
図4(b)をZ1側から見た上面図であり、
図5(b)は、
図4(b)をY2側から見た正面図である。なお、説明を分かり易くするため、
図4及び
図5では、被取付部500の一部のみを示している。
図6は、
図5(a)に示すVI−VI線における断面図である。
図7は、
図5(a)に示すVII−VII線における断面図である。
【0046】
本発明の第1実施形態の電気部品100は、
図2及び
図3に示すような外観を呈し、
図1、
図6及び
図7に示すように、一方に開口K1hが形成されたケースK1と、上下方向(
図6及び
図7に示すZ方向)に動作可能な操作部材S3と、操作部材S3の動作を検出する検出手段M5と(
図7では図示されていない)、開口K1h側を覆うようにケースK1に装着されるカバー部材C6と、外部機器との電気的な接続のための取出端子TA9と(
図7では図示されていない)、を備えて構成されている。他に、電気部品100は、本発明の第1実施形態では、操作部材S3を一方側(
図6及び
図7に示すZ1側)に付勢する付勢部材F4と、取出端子TA9の一部を露出するとともに保持するコネクタハウジングH8と、を備えている。
【0047】
そして、電気部品100は、
図4(a)に示す被取付部500の取付孔500hに、ケースK1の下方側(他方側)及びコネクタハウジングH8が挿入されて、
図4(b)及び
図5に示すように、被取付部500に取り付けられる。その際には、電気部品100のカバー部材C6が被取付部500の一方側(
図5に示すZ1側)に配設されるとともに、取出端子TA9を保持するコネクタハウジングH8が被取付部500の他方側(
図5に示すZ2側)に配設されるようになる。なお、この被取付部500が屋外で使用または屋外に設置される機器のハウジングの場合、被取付部500の一方側が外部環境に晒される側で、被取付部500の他方側がハウジングの内部に位置して外部環境から保護される側である。また、被取付部500は、板状の金属材(金属板)であるのが一般的である。
【0048】
次に、電気部品100の各構成部品について、図面を用いて詳細に説明する。
【0049】
先ず、電気部品100のケースK1について説明する。
図8(a)は、
図1のケースK1をY2側から見た正面図であり、
図8(b)は、
図1のケースK1をX1側から見た側面図である。なお、
図8では、ケースK1と一体に成形されたコネクタハウジングH8も図示している。
図9は、
図6に示すP部分の拡大断面図である。
図10は、
図7に示すQ部分の拡大断面図である。
【0050】
電気部品100のケースK1は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、polybutyleneterephtalate)等の合成樹脂材を用いて射出成形されて作製されており、
図8に示すような外観を呈し、一方(
図8に示すZ1方向)に開口K1hが形成された上ケース部11と、上ケース部11に連続して他方側(
図8に示すZ2方向側)に形成された下ケース部51と、から主に構成されている。そして、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、上ケース部11が被取付部500の一方側(
図8に示すZ1方向側)に配設されるとともに、下ケース部51が取付孔500hに挿入されて被取付部500の他方側に配設される。なお、本発明の第1実施形態では、ケースK1と同時に、取出端子TA9を保持するコネクタハウジングH8も一体に射出成形されている。
【0051】
また、ケースK1には、
図6及び
図7に示すように、上ケース部11と下ケース部51とで形成された収容部K1sが開口K1hに連続して形成されており、この収容部K1sに操作部材S3が収納されている。そして、ケースK1は、操作部材S3の上下方向(
図6及び
図7に示すZ方向)への動作を可能に操作部材S3を支持している。
【0052】
また、ケースK1には、
図6に示すように、下ケース部51から上方(
図6に示すZ1方向)に向けて延設された係合部材71を有しており、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、この係合部材71が被取付部500と係合して、電気部品100が被取付部500に固定される。
【0053】
次に、ケースK1のそれぞれの構成要素について詳細に説明する。
【0054】
先ず、ケースK1の上ケース部11は、
図8(a)に示すように、側面視して、下ケース部51よりも側方(
図8(a)に示すX方向)へ突出した突出部11tと、突出部11tより更に側方に突出した鍔部11vと、を有しており、突出部11t及び鍔部11vのいずれも、取付孔500hよりも外形が大きく形成されて、被取付部500の取付孔500hに挿入されないようになっている。
【0055】
上ケース部11の突出部11tは、
図6及び
図9に示すように、被取付部500の取付孔500hの縁部で、被取付部500の一方側の面と対向若しくは当接しているとともに、カバー部材C6(具体的には後述するベース部16)と当接している。なお、本発明の第1実施形態では、この突出部11tは、一方向(
図8(a)に示すX方向)の両側のみ設けられており、一方向と直交する直交方向(
図8(b)に示すY方向)には設けられていないが、これに限るものではない。例えば四方に突出して設けられても良いし、全周に亘って設けられても良い。
【0056】
上ケース部11の鍔部11vは、
図1に示すように、開口K1h側から平面視して、ケースK1の外縁から外方へ突出して全周に亘って形成されており、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、
図6、
図7、
図9及び
図10に示すように、カバー部材C6(具体的には後述するベース部16)を挟持できるように、被取付部500の一方側の面と間隔を有して対向する位置に配設されている。なお、鍔部11vは、外形が円形形状のリング状に形成されているが、これに限るものではなく、例えば楕円形状であっても良いし、一部に切り欠けがあっても良い。
【0057】
また、鍔部11vの上面には、
図9及び
図10に示すように、上方(
図9及び
図10に示すZ1方向)に向けて延設された段差部11dが形成されており、この段差部11dにおけるカバー部材C6(具体的には後述する蓋部56のドーム部56d)と対向する位置、つまり鍔部11vの上面における内周側の部分を第1規制部11zとして用いている。なお、この段差部11dは、
図1に示すように、鍔部11vの全周に亘って形成されているが、これに限るものではなく、例えば一部に切り欠けがあっても良い。
【0058】
次に、ケースK1の下ケース部51は、
図1及び
図8に示すように、外観が4面を有する矩形状で、上ケース部11とで構成された収容部K1sを有した箱状形状をしている。また、下ケース部51の外周を形成する外壁部51wが被取付部500の取付孔500hの開口形状より小さく構成されているので、下ケース部51は、取付孔500hに挿通可能となっており、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、
図4(b)及び
図5(b)に示すように、被取付部500の他方側に配設されることとなる。
【0059】
最後に、ケースK1の係合部材71は、
図1及び
図8(b)に示すように、下ケース部51の外壁部51wの端部51e(上端)から上方に向けて延設されて設けられている。特に、第1実施形態では、
図8(b)に示すように、下ケース部51の外壁部51wの上ケース部11側に位置するU字状の凹部に設けられており、係合部材71が凹部の下方に位置する底面から上方へ延設されている。これにより、外壁部51wのいずれかから外方に延設してL字状に屈曲する場合と比較して、より内側に係合部材71を配置することができ、小型化を図ることができる。
【0060】
また、係合部材71は、
図6に示すように、収容部K1sを挟んで対向する位置にそれぞれ(2つ)配設されており、平面視して、鍔部11vの内側に設けられている。これにより、電気部品100を被取付部500に取り付ける機構(係合部材71)も含めて、鍔部11vに装着されたカバー部材C6によって、確実に被取付部500の取付孔500hを覆うことができる。
【0061】
また、係合部材71は、
図6及び
図9に示すように、係合部材71の内側に空間が設けられているので、外壁部51wの端部51e(上端)を支点として、収容部K1s側へ揺動可能になっている。
【0062】
また、係合部材71には、
図6に示すように、側面視して(
図8(a)を参照)、取付孔500h(
図4(a)を参照)の縁部に接触可能となるように、側方側に突出した係合突部71kを有しており、この係合突部71kは、上ケース部11から下方側(
図6に示すZ2方向側)に設けられ、被取付部500の他方側に配設されるようになっている。
【0063】
これにより、係合突部71kを有した係合部材71が収容部K1sを挟んで対向する位置にそれぞれ設けられているので、係合部材71が均等に被取付部500を圧接するようになる。このため、係合突部71kによりケースK1を確実に被取付部500に固定できるとともに、被取付部500に対して傾くことなくケースK1を保持することができる。このことにより、簡易な構成でありながら、確実に且つ容易に電気部品100の装着を行うことができ、カバー部材C6と被取付部500との密着構造を確実なものとし、防水機能を高めることができる。
【0064】
また、係合部材71の係合突部71kは、
図9に示すように、被取付部500と対向して設けられた当接面71tと、下方から上方へ向うに従って下ケース部51の外壁部51wから徐々に離間するように形成されたガイド面71gと、を有して形成されている。
【0065】
これにより、ケースK1を被取付部500に挿入する際に、このガイド面71gが被取付部500の取付孔500hの縁部を滑らかに摺動するとともに、係合部材71が揺動方向の内向きに向けて揺動するようになる。そして、係合突部71kが取付孔500hに全て挿入された際には、係合部材71が揺動方向の外向きに向けて揺動し、当接面71tが被取付部500と対向するようになる。このようにして、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、
図5(b)、
図6、
図8(a)及び
図9に示すように、この係合部材71が被取付部500と係合して、電気部品100が被取付部500に固定されるようになる。つまり、所謂スナップイン係合が容易に行われる。
【0066】
また、2つの係合部材71に設けられたそれぞれの係合突部71kは、平面視して、同一円周上でかつ円周を等分割する位置に配設されている。つまり、本発明の第1実施形態では、2つの係合突部71kなので、円周を半分に分割する位置(対向する位置)に2つの係合突部71kを設ける構成とした。
【0067】
これにより、上述したように、2つの係合突部71kが被取付部500と均等に圧接するようになる。このため、ケースK1を確実に被取付部500に固定できるとともに、被取付部500に対して傾くことなくケースK1を保持することができる。なお、本発明の第1実施形態では、対向する位置に2つの係合部材71を設ける構成としたが、これに限らず、3つや4つ等の個数を設ける構成でも良い。その際には、複数の係合部材71は、平面視して(上面視して)、同一円周上でかつ円周を等分割する位置にバランス良く配設されているのが好ましい。つまり、云うまでもないが、例えば、係合突部71kが3つの場合は120°に分割する位置に、係合突部71kが4つの場合は90°に分割する位置に、それぞれ配設される。以上のように、簡易な構成でありながら容易に電気部品100の装着を行うことができる。
【0068】
次に、電気部品100の操作部材S3及び検出手段M5について説明する。
【0069】
先ず、電気部品100の操作部材S3について説明する。
図11(a)は、操作部材S3と検出手段M5を示した斜視図であり、
図11(b)は、
図11(a)をY2側から見た正面図である。
図12(a)は、
図11(a)の固定接点部材5Bを省略した斜視図であり、
図12(b)は、
図11(b)の操作部材S3を省略した正面図である。
【0070】
電気部品100の操作部材S3は、ABS樹脂(ABS、acrylonitrile butadiene styrene copolymer)やポリアセタール樹脂(POM、polyoxymethylene)等の合成樹脂を用いて射出成形されて作製されており、
図11に示すような直方体状の外観を呈し、下方側が開放した箱状形状の基部13と、基部13の上面から上方に延設された円柱形状の操作部53と、から構成されている。そして、電気部品100が組み立てられた際には、
図6及び
図7に示すように、操作部材S3の基部13の上方側と操作部53とが、ケースK1の開口K1hから上方に突出して配設されるとともに、カバー部材C6の内側に収容される。
【0071】
また、操作部53の上端部分がカバー部材C6の内側(具体的には後述する蓋部56の頂部に設けられた押子部56pの内側)と当接して配設されているので、カバー部材C6に対して押圧操作が行われると、操作部材S3が下方向へ動作するようになる。また、
図6及び
図7に示すように、基部13の内部には、付勢部材F4(具体的には、本発明の第1実施形態では、コイルばね)の一方側が収納されており、この付勢部材F4によって、操作部材S3は、一方側(カバー部材C6の頂部側)に付勢されている。これにより、付勢部材F4の反発力に抗して操作部材S3が下方向へ動作された後に、カバー部材C6に対して押圧操作が解除されると、操作部材S3が上方向へ動作するようになる。
【0072】
この操作部材S3の上下方向へ滑らかな動作を可能としているのは、操作部材S3の基部13の側壁に上下方向に形成された凹溝部13r(
図11を参照)と、ケースK1の収容部K1sに臨んで内壁に設けられた突部K1t(
図1及び
図7を参照)とが、係合しているからである。また、操作部材S3の基部13の側壁には、側方に突出した爪部13m(
図11を参照)が形成されており、詳細な図示はしていないが、この爪部13mは、ケースK1の内壁の受部と係合されて、操作部材S3の過剰な上方向への移動を規制している。
【0073】
次に、電気部品100の検出手段M5について説明する。検出手段M5は、
図1に示すように、操作部材S3と一体に動作可能な可動接点部材5Aと、可動接点部材5Aと接触可能な2つの固定接点部材5Bと、を有して構成されている。また、可動接点部材5A及び固定接点部材5Bは、金属板を用いており、切断加工や曲げ加工等を施して作製されている。なお、本発明の第1実施形態では、2つの固定接点部材5Bは、互いに電気的に絶縁された第1固定接点部B15と第2固定接点部B25とで構成されている。また、検出手段M5の可動接点部材5A及び2つの固定接点部材5B(第1固定接点部B15及び第2固定接点部B25)は、ケースK1内に収容されている。
【0074】
そして、電気部品100が組み立てられた際には、
図12(a)に示すように、可動接点部材5Aは、操作部材S3の基部13の側壁に固定され、
図12(b)に示すように、可動接点部材5Aの2つの摺動子のそれぞれが、第1固定接点部B15及び第2固定接点部B25と当接する位置に配設される(
図12(b)では、第2固定接点部B25のみが図示されている)。これにより、第1固定接点部B15と第2固定接点部B25とが可動接点部材5Aを介して電気的に接続された状態、所謂クローズ状態となる。
【0075】
そして、カバー部材C6を介して操作部材S3に対して下方に向けて押圧操作が行われると、可動接点部材5Aの摺動子は、第1固定接点部B15及び第2固定接点部B25と離間するようになる。これにより、第1固定接点部B15と第2固定接点部B25とが電気的に切断された状態、所謂オープン状態となる。
【0076】
このようにして、本発明の第1実施形態では、可動接点部材5A及び2つの固定接点部材5B(第1固定接点部B15及び第2固定接点部B25)を用いて、可動接点部材5Aと2つの固定接点部材5Bとを接離させることにより、検出手段M5を構成している。そして、この検出手段M5によって、操作部材S3が操作されることに伴う操作部材S3の動作を検出して、オープン状態とクローズ状態との切り替えを行えるスイッチ装置として機能させている。しかも、この検出手段M5がケースK1内に収容されているので、カバー部材C6により、確実に検出手段M5の防水を行うことができる。
【0077】
次に、電気部品100のカバー部材C6について説明する。
図13(a)は、カバー部材C6の上方斜視図であり、
図13(b)は、カバー部材C6の下方斜視図である。
図14(a)は、カバー部材C6の正面図であり、
図14(b)は、カバー部材C6の縦断面図である。なお、
図13及び
図14においては、ケースK1に装着されていない状態におけるカバー部材C6を示している。
【0078】
電気部品100のカバー部材C6は、防水性と弾性を有した材質である合成ゴムをトランスファー成形して形成しており、
図13及び
図14に示すように、孔部16kを有して板状に形成されたベース部16と、孔部16kに臨むベース部16の内側の縁部から延設され弾性変形可能な筒状部36と、筒状部36における孔部16kと対向する側を塞ぐ蓋部56と、ベース部16の外縁から上方に突出して筒状に形成された外周壁部76と、を有して構成されている。なお、カバー部材C6がケースK1に装着されていない状態において、筒状部36は、円筒形状に形成されている。
【0079】
そして、カバー部材C6は、
図6及び
図7に示すように、孔部16k(
図13(b)及び
図14(b)を参照)から筒状部36の内部の空間にかけて、ケースK1の開口K1h側が挿入されて、ケースK1(上ケース部11)の開口K1h側を覆っている。その際には、カバー部材C6がケースK1(上ケース部11)に装着される前の状態において、上ケース部11の鍔部11vの外形がカバー部材C6の筒状部36の内形より大きいので、筒状部36が鍔部11vの円形形状の外形に沿って弾性変形して、ケースK1に装着されるようになる。つまり、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、被取付部500と鍔部11vとの間に、筒状部36の一部とベース部16の一部とが挟持されて、カバー部材C6に所謂アンダーカット部が明確に形成されることとなる。
【0080】
これにより、従来例のようなアンダーカット形状部分をカバー部材C6に予め設ける必要がなく、カバー部材C6を防水のための部材として用いることができる。このことにより、カバー部材C6を作製するための金型構造を簡略化することができるとともに、カバー部材C6を成形する際に、カバー部材C6を金型から外すときに無理な引き抜きをしなくても良いので、削れカスも発生しにくく、削れカスによる不具合の発生を防止することができる。
【0081】
また、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、
図6及び
図7に示すように、カバー部材C6が取付孔500hを覆うとともに、
図9及び
図10に示すように、鍔部11vの外形に沿って変形した筒状部36の一部及びベース部16の一部が鍔部11vと被取付部500とにより圧接挟持される。このため、ケースK1の他方側が挿入された被取付部500の取付孔500hを覆うカバー部材C6でケースK1の開口K1h側を防水することができる。
【0082】
次に、カバー部材C6のそれぞれの構成要素について詳細に説明する。
【0083】
先ず、カバー部材C6のベース部16は、
図13(b)及び
図14(b)に示すように、円筒形状の孔部16kを有したリング形状に形成されており、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、
図6及び
図7に示すように、被取付部500の一方側の面と当接する。ここで云う孔部16kとは、リング形状をなしたベース部16の内側に位置する部分の空間を指している。
【0084】
また、ベース部16の筒状部36が無い側(下側)には、
図13(b)に示すように、孔部16kの全周に沿って環状に設けられベース部16の下面から下方に突出した突設部16tを有している。これにより、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際に、この突設部16tが優先して被取付部500に付勢されて圧接されるようになる。
【0085】
更に、突設部16tの少なくとも一部は、平面視して、鍔部11vと重なっている(
図9及び
図10を参照)。このため、
図9及び
図10に示すように、電気部品100が被取付部500に取り付けられて鍔部11vが下方に押し付けられた際には、筒状部36を介してベース部16が下方に付勢され、この突設部16tが被取付部500に付勢されて確実に圧接されるようになる。このことにより、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより確実なものとし、より防水機能を高めることができる。なお、本発明の第1実施形態では、平面視して、突設部16tが鍔部11vと全周に亘って重なって構成されているので、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより確実なものとしている。
【0086】
また、ベース部16の外側下端の外周部には、
図14(b)に示すように、縦断面視して、下側外方へ延設し延設方向(下側外方向)に向けて厚さが薄くなるように形成された傘部16aが全周に亘って設けられている。これにより、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際に、被取付部500の上方側の面により、この傘部16aが上方かつ外側(側方)へ押し広げられて被取付部500に圧接されることとなる(
図14(b)と
図10とを参照)。このため、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより一層確実なものとすることができる。しかも傘部16aの先端側が薄くなっているので、カバー部材C6が被取付部500に装着される際に、ベース部16と被取付部500との間の空気を容易に逃がすことができ、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより一層確実なものとすることができる。これらのことにより、より一層益々防水機能を高めることができる。
【0087】
次に、カバー部材C6の筒状部36は、
図14(b)に示すように、孔部16kに臨むベース部16の内縁部の上面から延設されて形成されているとともに、ベース部16よりも厚みが薄く充分な弾性変形ができるように形成されている。そして、詳細な図示はしていないが、カバー部材C6がケースK1に装着されていない状態において、筒状部36の外形(外周径)が、蓋部56側から平面視して、ケースK1(上ケース部11)の鍔部11vの外形(外周径)よりも小さく構成されている。このため、
図6及び
図7に示すように、カバー部材C6の孔部16k及び筒状部36の内部の空間にかけてケースK1(上ケース部11)が挿入された際には、筒状部36が伸ばされて(弾性変形して)鍔部11vの外形に沿って装着されるようになる。
【0088】
また、カバー部材C6がケースK1(上ケース部11)に装着された際には、
図6、
図7、
図9及び
図10に示すように、筒状部36の一部が鍔部11vの外周部と外周壁部76との間に位置するようになる。これにより、この外周壁部76によって、鍔部11vの外周部側(鍔部11vの延出方向側)に位置する筒状部36を外的要因、例えば物理的な衝撃等から保護することができる。
【0089】
次に、カバー部材C6の蓋部56は、
図13及び
図14に示すように、筒状部36における孔部16kと対向する側を塞ぐようにして形成され、筒状部36から連続して形成されたドーム形状のドーム部56dと、ドーム部56dの頂部に設けられた円柱形状の押子部56pと、から主に構成されている。
【0090】
また、
図9及び
図10に示すように、蓋部56のドーム部56dにおける筒状部36側の下側部56tは、蓋部56と繋がっている位置から下方に向けて突出するように形成されている。そして、カバー部材C6がケースK1(上ケース部11)に装着された際には、下側部56tが上ケース部11の鍔部11vの段差部11dと対向する位置、つまり第1規制部11zの内側に配設されて、この下側部56tにおける段差部11dと対向する位置を第2規制部56zとして用いている。このため、カバー部材C6をケースK1に装着する際に、第1規制部11zと第2規制部56zとが係合するようになる。
【0091】
これにより、筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して鍔部11vを覆うときに、蓋部56が鍔部11vの延出方向側に引っ張られて変形することを防止することができる。つまり、筒状部36のみがより引っ張られるので、筒状部36がより鍔部11vに密着するように伸張して装着されるようになる。このことにより、筒状部36と鍔部11vとの間に生じる隙間を小さくすることができ、より筒状部36を鍔部11vに密着させることができる。更に、カバー部材C6をケースK1に装着する際や操作部材S3が操作される際に、蓋部56が不所望に広がって変形するのを防止することができる。
【0092】
また、
図14(b)に示すように、蓋部56の押子部56pにおける筒状部36側の内面には、凹状の窪み部56rが設けられており、電気部品100が組み立てられた際には、
図6及び
図7に示すように、操作部材S3の操作部53がこの窪み部56rに収容される。これにより、カバー部材C6に対して押圧操作や操作解除が行われた際に、操作部材S3の上下方向への動作を安定して行うことができる。
【0093】
最後に、カバー部材C6の外周壁部76は、
図13(a)及び
図14(b)に示すように、ベース部16の外側縁部の上面から上方(
図13及び
図14に示すZ1方向)に向けて突出して設けられており、筒状部36の周囲を囲むようにして筒状に形成されている。また、外周壁部76は、
図14(b)に示すように、筒状部36より厚みが厚く構成されている。これにより、前述した鍔部11vの外側に位置する筒状部36における外的要因からの保護を確実に行うことができる。このことにより、例えば筒状部36の破れ等の発生を防止することができ、カバー部材C6の耐久性を向上させることができる。
【0094】
また、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、外周壁部76の突出方向(上方)の突出端76eは、
図6及び
図7に示すように、縦断面視して、鍔部11vの上面より上方に位置している。これにより、鍔部11vの上面側(外周壁部76の突出方向側)に位置する筒状部36を外的要因から保護することができる。
【0095】
更に、外周壁部76の突出方向の突出端76eは、
図6及び
図7に示すように、縦断面視して、ケースK1(上ケース部11)より上方に位置している。これにより、何らかの外的要因により通常よりも操作ストロークが長くなるようなことが発生したとしても、外周壁部76がストッパーの役割を果たし、操作部材S3を介してケースK1の内部に過度の衝撃が加わらないように保護することができる。このことにより、電気部品100の耐久性をより向上させることができる。
【0096】
最後に、本発明の第1実施形態に係わる電気部品100のコネクタハウジングH8及び取出端子TA9について説明する。
【0097】
先ず、電気部品100のコネクタハウジングH8は、ケースK1と同時に射出成形されて、
図1ないし
図3に示すように、箱状形状に成形されてケースK1と一体に形成されている。なお、コネクタハウジングH8は、被取付部500の取付孔500hに挿入可能な大きさに形成されている。
【0098】
また、コネクタハウジングH8には、外部機器との電気的な接続のための取出端子TA9が埋設されて固定されており、
図3(b)に示すように、取出端子TA9の一部がコネクタハウジングH8の開口部側に向けてコネクタハウジングH8の内部の空間に露出している。
【0099】
次に、電気部品100の取出端子TA9は、
図1に示すように、検出手段M5の第1固定接点部B15と導通された第1取出端子19と、検出手段M5の第2固定接点部B25と導通された第2取出端子29と、から構成されており、図示しない相手側コネクタがコネクタハウジングH8に挿入されて、外部機器との電気的な接続が行われる。なお、第1取付端子19は、第1固定接点部B15と一体に形成されている。同様に、第2取付端子29は、第2固定接点部B25と一体に形成されている。
【0100】
そして、この第1取出端子19及び第2取出端子29は、ケースK1(下ケース部51)の他方側から露出するようにして配設されているので、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際には、被取付部500を挟んでカバー部材C6とは反対側に位置するようになる。これにより、第1取出端子19及び第2取出端子29ともに、防水された環境下に置かれることとなり、片方の端子(マイナス電極板902)が厳しい環境下に晒される従来例と比較して、第1取出端子19及び第2取出端子29が錆びにくくなる。このことにより、導通不良の発生を極力低減することができる。
【0101】
また、取出端子TA9は、固定接点部材5Bと一体にして作製されており、ケースK1及びコネクタハウジングH8を射出成形する際に、インサート成形されている。また、取出端子TA9は、電気的な接続の安定性のために、表面には、銀めっきが施されている。なお、取付端子TA9及び固定接点部材5Bは、圧入によって、コネクタハウジングH8を有するケースK1に取り付けられていても良い。
【0102】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の電気部品100における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0103】
本発明の電気部品100は、カバー部材C6が、孔部16kを有して板状に形成されたベース部16と、孔部16kの内縁部から延設され弾性変形可能な筒状部36と、筒状部36における孔部16kと対向する側を塞ぐ蓋部56と、有しており、カバー部材C6の筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して装着されている構成とした。このため、従来例のようなアンダーカット形状部分をカバー部材C6に予め設ける必要がない。このことにより、カバー部材C6を作製するための金型構造を簡略化することができるとともに、金型からカバー部材C6を外すときに無理な引き抜きをしなくても良いので、削れカスも発生しにくく、削れカスによる不具合の発生を防止することができる。従って、簡易な構成でありながら、防水構造を備えた電気部品100を提供することができる。
【0104】
また、鍔部11vの外形に沿って変形した筒状部36の一部及びベース部16の一部が、鍔部11vと被取付部500とにより圧接挟持されるので、ケースK1の他方側が挿入された被取付部500の取付孔500hを覆うカバー部材C6でケースK1の開口K1h側を防水することができる。このため、従来例のようにアンダーカット形状部分をカバー部材C6に設けない簡易な構成でありながら、防水を確実に行うことができる。
【0105】
また、カバー部材C6をケースK1に装着する際に、ケースK1の鍔部11vに設けられた第1規制部11zとカバー部材C6の蓋部56に設けられた第2規制部56zとが係合するので、筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して鍔部11vを覆うときに、蓋部56が鍔部11vの延出方向側に引っ張られて変形することを防止することができる。このため、筒状部36と鍔部11vとの間に生じる隙間を小さくすることができ、より筒状部36を鍔部11vに密着させることができる。このことにより、より防水機能を高めることができる。また、蓋部56の変形が防止されることで、カバー部材C6を介して操作部材S3が操作される際の操作性に悪影響を与えることがない。
【0106】
また、筒状部36より厚みが厚い外周壁部76とケースK1の鍔部11vとの間に筒状部36の一部が位置するので、鍔部11vの外周部側(鍔部11vの延出方向側)に位置する筒状部36を外的要因、例えば物理的な衝撃等から保護することができる。このことにより、例えば筒状部36の破れ等の発生を防止することができ、カバー部材C6の耐久性を向上させることができる。
【0107】
また、外周壁部76の突出方向の突出端76eが縦断面視して鍔部11vの上面より上方に位置しているので、鍔部11vの上面側(外周壁部76の突出方向側)に位置する筒状部36を外的要因から保護することができる。このことにより、例えば筒状部36の破れ等の発生を防止することができ、カバー部材C6の耐久性をより向上させることができる。
【0108】
また、外周壁部76の突出方向の突出端76eは、縦断面視して、ケースK1より上方に位置しているので、何らかの外的要因により通常よりも操作ストロークが長くなるようなことが発生したとしても、外周壁部76がストッパーの役割を果たし、操作部材S3を介してケースK1の内部に過度の衝撃が加わらないように保護することができる。このことにより、電気部品100の耐久性をより向上させることができる。
【0109】
また、ベース部16の筒状部36が無い側(被取付部500側)に設けられた環状の突設部16tの少なくとも一部が、平面視して、鍔部11vと重なっているので、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際に、この突設部16tが優先して被取付部500に付勢されて圧接されるようになる。このことにより、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより確実なものとし、より一層防水機能を高めることができる。
【0110】
また、ベース部16の外周部には、下側外方へ延設し延設方向に向けて厚さが薄くなるように形成された傘部16aを有するので、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際に、被取付部500により、この傘部16aが上方かつ外側へ押し上げられて被取付部500に圧接されることとなる。このため、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより一層確実なものとすることができる。しかも傘部16aの先端側が薄くなっているので、カバー部材C6が被取付部500に装着される際に、ベース部16と被取付部500間の空気を容易に逃がすことができ、カバー部材C6と被取付部500との密着構造をより一層確実なものとすることができる。これらのことにより、より一層益々防水機能を高めることができる。
【0111】
また、被取付部500に係合可能な係合突部71kを有する係合部材71が、鍔部11vの内側に配置されるので、電気部品100を被取付部500に取り付ける機構(係合部材71)も含めて、鍔部11vに装着されたカバー部材C6によって、確実に被取付部500の取付孔500hを覆うことができる。このことにより、電気部品100の防水性能をより高めることができる。
【0112】
また、検出手段M5が操作部材S3と一体に動作可能な可動接点部材5Aと可動接点部材5Aと接触可能な固定接点部材5Bを有しているので、操作部材S3が操作されることに伴い、可動接点部材5Aと固定接点部材5Bが接離するスイッチとして機能する。しかも、検出手段M5がケースK1内に収容されているので、確実に防水を行うことができる。これらのことにより、簡易な構成でありながら、スイッチ機能を有し防水構造を備えた電気部品100を提供することができる。
【0113】
また、第1固定接点部B15に一体となって接続された第1取出端子19及び第2固定接点部B25に一体となって接続された第2取出端子29が、ケースK1の他方側から露出するようにして配設されているので、電気部品100が被取付部500に取り付けられた際に、被取付部500を挟んでカバー部材C6とは反対側に位置するようになる。このため、第1取出端子19及び第2取出端子29ともに、防水された環境下に置かれることとなり、片方の端子(マイナス電極板902)が厳しい環境下に晒される従来例と比較して、第1取出端子19及び第2取出端子29が錆びにくくなる。このことにより、導通不良の発生を極力低減することができるスイッチ機能を有し防水構造を備えた電気部品100を提供することができる。
【0114】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態においても、スイッチ装置である本発明の電気部品200について、図面を用いて説明する。
【0115】
図15は、本発明の第2実施形態に係わる電気部品200を説明する斜視図である。
図16は、本発明の第2実施形態に係わる電気部品200を説明する図であって、
図16(a)は、
図15をY2側から見た正面図であり、
図16(b)は、
図15をX1側から見た側面図である。
図17は、電気部品200の分解斜視図である。
図18は、
図6と同様な断面線における電気部品200の縦断面図である。
図19は、
図7と同様な断面線における電気部品200の縦断面図である。また、第2実施形態の電気部品200は、第1実施形態に対し、ケースK21に設けられた係合部材271と端子部分の構成が異なる。なお、第1実施形態と同様な構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0116】
本発明の第2実施形態の電気部品200は、
図15及び
図16に示すような外観を呈し、
図17、
図18及び
図19に示すように、一方に開口K1hが形成されたケースK21と、上下方向(
図15及び
図16に示すZ方向)に動作可能で開口K1hから突出する操作部材S3と、操作部材S3の動作を検出する検出手段M25と、開口K1h側を覆うようにケースK21に装着されるカバー部材C6と、金属板からなる端子部材T7と、外部機器との電気的な接続のための取出端子TA29と(
図19では図示されていない)、を備えて構成されている。他に、電気部品200は、本発明の第2実施形態では、操作部材S3を一方側(
図15及び
図16に示すZ1側)に付勢する付勢部材F4と、取出端子TA29の一部を露出するとともに保持するコネクタハウジングH8と、を備えている。
【0117】
そして、電気部品200は、
図4(a)に示す被取付部500の取付孔500hに、ケースK21の下方側(他方側)及びコネクタハウジングH8が挿入されて、
図4(b)に示すように、被取付部500に取り付けられる。その際には、電気部品200のカバー部材C6が被取付部500の一方側(
図4に示すZ1側)に配設されて取付孔500hを覆うとともに、取出端子TA29を保持するコネクタハウジングH8が被取付部500の他方側(
図4に示すZ2側)に配設されるようになる。なお、この被取付部500が屋外で使用または屋外に設置される機器のハウジングの場合、被取付部500の一方側が外部環境に晒される側で、被取付部500の他方側がハウジングの内部に位置して外部環境から保護される側である。
【0118】
次に、電気部品200の各構成部品について、第1実施形態と異なる部分を重点的に図面を用いて詳細に説明する。なお、操作部材S3、付勢部材F4及びコネクタハウジングH8については、第1実施形態と同様な構成を有しているのでここでの説明を省略する。
【0119】
先ず、電気部品200のケースK21について説明する。
図20は、
図15に示すカバー部材C6を省略した斜視図である。
図21は、
図20に示す操作部材S3及び付勢部材F4を更に省略した斜視図である。
図22(a)は、
図21に示すZ1側から見た上面図であり、
図22(b)は、
図21に示すZ2側から見た底面図である。
図23(a)は、
図21に示すY2側から見た正面図であり、
図23(b)は、
図21に示すX1側から見た側面図である。
図24は、
図18に示すR部分の拡大図である。
【0120】
電気部品200のケースK21は、第1実施形態と同様に、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂材を用いて射出成形されて作製されており、
図21に示すように、一方(
図21に示すZ1方向)に開口K1hが形成された上ケース部11と、上ケース部11に連続して他方側(
図21に示すZ2方向側)に形成された下ケース部51と、下ケース部51から上方(
図21に示すZ1方向)に向けて延設された係合部材271と、から主に構成されている。
【0121】
そして、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、
図23に示すように、上ケース部11が被取付部500の一方側(
図23に示すZ1方向側)に配設されるとともに、下ケース部51が取付孔500hに挿入されて被取付部500の他方側(
図23に示すZ2方向側)に配設される。なお、本発明の第2実施形態では、ケースK21と同時に、取出端子TA29を保持するコネクタハウジングH8も一体に射出成形されている。
【0122】
また、ケースK21には、
図18及び
図21に示すように、上ケース部11と下ケース部51とで形成された収容部K1sが開口K1hに連続して形成されており、
図20に示すように、この収容部K1sに操作部材S3が収納されている。そして、ケースK21は、操作部材S3の上下方向(
図18及び
図19に示すZ方向)への動作を可能に操作部材S3を支持している。
【0123】
また、ケースK21の側面部には、
図17に示すように、上ケース部11と下ケース部51とにまたがって形成されたU字状の凹溝K1uが形成されており、
図22(a)に示すように、凹溝K1uは、対向する位置に2箇所設けられている。この位置は、平面視(上面視)して、後述する係合部材271が設けられている位置と略直交している。つまり、それぞれ略90°ずつズレた位置に、2つの凹溝K1uと2つの係合部材271が配設されていることとなる。
【0124】
次に、ケースK21のそれぞれの構成要素について説明する。
【0125】
先ず、ケースK21の上ケース部11は、
図23(a)に示すように、側面視して、下ケース部51よりも側方(
図23(a)に示すX方向)へ突出した突出部11tと、突出部11tより更に側方に突出した鍔部11vと、を有している。言い換えると、突出部11tは、
図22(b)に示すように、下ケース部51側から平面視(底面視)して、下ケース部51より外方へ突出して形成されおり、鍔部11vは、
図22(a)に示すように、開口K1h側から平面視(上面透視)して、上ケース部11(ケースK21)の外縁から外方へ突出して全周に亘って形成されている。この突出部11t及び鍔部11vのいずれも、取付孔500hよりも外形が大きく形成されて、被取付部500の取付孔500hに挿入されないようになっている。
【0126】
また、上ケース部11には、
図21及び
図22(a)に示すように、上面視して、収容部K1sを囲む位置に配設された2つの周辺収容部11sが対向して設けられている。この2つの周辺収容部11sは、
図22(a)に示すように、突出部11tの一部を貫通しており、それぞれ係合部材271が配設されている。
【0127】
上ケース部11の突出部11tは、
図23に示すように、被取付部500の取付孔500hの縁部で、被取付部500の一方側の面と対向若しくは当接しているとともに、
図18に示すように、カバー部材C6(具体的には後述するベース部16)と当接している。なお、本発明の第2実施形態では、この突出部11tは、
図22(b)及び
図23に示すように、一方向(
図23(a)に示すX方向)の両側のみ設けられており、一方向と直交する直交方向(
図23(b)に示すY方向)には設けられていないが、これに限るものではない。例えば四方に突出して設けられても良いし、全周に亘って設けられても良い。
【0128】
また、上ケース部11の鍔部11vの上面には、
図24に示すように、上方(
図24に示すZ1方向)に向けて延設された段差部11dが形成されており、この段差部11dにおけるカバー部材C6(具体的には蓋部56のドーム部56dにおける第2規制部56z)と対向する位置を第1規制部11zとして用いている。この第1規制部11zは、鍔部11vの上面における内周側に形成されている。なお、この段差部11dは、
図20及び
図21に示すように、鍔部11vの全周に亘って形成されているが、これに限るものではなく、例えば一部に切り欠けがあっても良い。
【0129】
次に、ケースK21の下ケース部51は、
図23に示すように、外観が4面を有する矩形状で、上ケース部11とで構成された収容部K1sを有した箱状形状をしている。また、下ケース部51の外周を形成する外壁部51wが被取付部500の取付孔500hの開口形状より小さく構成されているので、下ケース部51は、取付孔500hに挿通可能となっており、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、被取付部500の他方側に配設されることとなる(
図18及び
図23を参照)。
【0130】
最後に、ケースK21の係合部材271は、側面視して、
図23(a)に示すように、被取付部500の取付孔500h(
図24を参照)の縁部に係合可能となるように側方側に突出した係合突部71kと、上ケース部11の上方まで延在した上端部に設けられた把持部271jと、を有している。
【0131】
そして、係合部材271は、
図21に示すように、収容部K1sを挟んで対向する位置に2つ配設されており、
図22(a)に示すように、平面視して、鍔部11vの内側に設けられている。これにより、電気部品200を被取付部500に取り付ける機構(係合部材271)も含めて、鍔部11vに装着されたカバー部材C6によって、確実に被取付部500の取付孔500hを覆うことができる。このことにより、電気部品200の防水性能をより高めることができる。しかも、従来例の車両用防水プッシュスイッチ900のように、ボディー950の孔と離れた位置の1箇所でネジ止めする機構と比較して、本発明の第2実施形態の電気部品200は、被取付部500の取付孔500hの縁部の部分で係合されるので、確実に被取付部500に係止されることとなる。このことにより、電気部品200の防水性能をより一層高めることができる。
【0132】
また、係合部材271は、
図16(b)及び
図23(b)に示すように、下端部が下ケース部51の外周を形成する外壁部51wに繋がって設けられており、この外壁部51wの凹部(段差部)の端部51e(上端)から上方に向けて延設されて、
図20及び
図21に示すように、周辺収容部11sを貫いて上ケース部11から上方(
図20に示すZ1方向)に突出している。特に、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、係合部材271は、
図23(b)に示すように、下ケース部51の外壁部51wの上ケース部11側に位置するU字状の凹部に設けられており、係合部材271が凹部の下方に位置する底面(端部51e)から延設されている。これにより、外壁部51wのいずれかから外方に延設してL字状に屈曲する場合と比較して、より内側に係合部材271を配置することができ、小型化を図ることができる。
【0133】
また、係合部材271は、
図18に示すように、係合部材271の内側の位置に空間が設けられた状態で形成されており、外壁部51wの端部51e(凹部の下方に位置する部分)を支点として、弾性変形しながら収容部K1s側へ揺動できるようになっている。つまり、係合部材271は、下端部が下ケース部51に繋がった弾性片によって形成されていると云える。
【0134】
次に、係合部材271の係合突部71kと把持部271jについて、更に詳しく説明する。
【0135】
先ず、係合部材271の係合突部71kは、
図23に示すように、上ケース部11から下方側(
図23に示すZ2方向側)に設けられ、被取付部500の他方側に配設されるようになっている。そして、前述したように、係合突部71kは、収容部K1sを挟んで対向する位置にそれぞれ設けられている。
【0136】
これにより、係合部材271が係合突部71kにより均等に被取付部500を圧接するようになる。このため、係合突部71kによりケースK21を確実に被取付部500に固定できるとともに、被取付部500に対して傾くことなくケースK21を保持することができる。このことにより、簡易な構成でありながら、確実に且つ容易に電気部品200の装着を行うことができ、カバー部材C6と被取付部500との密着構造を確実なものとし、防水機能を高めることができる。
【0137】
また、2つの係合部材271に設けられたそれぞれの係合突部71kは、平面視して、同一円周上でかつ円周を等分割する位置に配設されている。つまり、本発明の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、2つの係合突部71kなので、円周を半分に分割する位置(対向する位置)に2つの係合突部71kを設ける構成とした。
【0138】
これにより、上述したように、2つの係合突部71kが被取付部500と均等に圧接するようになる。このため、ケースK21を確実に被取付部500に固定できるとともに、被取付部500に対して傾くことなくケースK21を保持することができる。なお、本発明の第2実施形態においても、対向する位置に2つの係合部材271を設ける構成としたが、これに限らず、3つや4つ等の個数を設ける構成でも良い。その際には、複数の係合部材271は、平面視して(上面視して)、同一円周上でかつ円周を等分割する位置にバランス良く配設されているのが好ましい。以上のように、簡易な構成でありながら容易に電気部品200の装着を行うことができる。
【0139】
また、係合突部71kは、
図24に示すように、板状の被取付部500と対向して設けられた当接面71tと、下方から上方へ向うに従って下ケース部51の外壁部51wから徐々に離間するように形成されたガイド面71gと、を有して形成されている。
【0140】
これにより、ケースK21を被取付部500に挿入する際に、このガイド面71gが被取付部500の取付孔500hの縁部を滑らかに摺動するとともに、係合部材271が揺動方向の内向きに向けて揺動するようになる。そして、係合突部71kが取付孔500hに全て挿入された際には、係合部材271が揺動方向の外向きに向けて揺動し、当接面71tが被取付部500と対向するようになる。このようにして、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、
図18、
図23(a)及び
図24に示すように、この係合部材271が被取付部500と係合して、電気部品200が被取付部500に固定されるようになる。つまり、所謂スナップイン係合が容易に行われる。
【0141】
次に、係合部材271の把持部271jは、
図23に示すように、上ケース部11から上方に突出しているので、弾性を備えたカバー部材C6の外側から掴めるようになっている。そして、把持部271jが掴まれると、係合部材271は、下ケース部51の端部51e(上端)を支点として、収容部K1s側へ傾倒(揺動)するようになる。このように、係合部材271(把持部271j)は、カバー部材C6を介して操作可能となっている。
【0142】
これにより、電気部品200を被取付部500に取り付ける際には、カバー部材C6の外側から把持部271jを収容部K1s側に揺動しながら係合突部71kを被取付部500の取付孔500hに挿入し、その後、把持部271jの揺動を初期に戻すことで、係合突部71kと被取付部500とを容易に係合させることができる。一方、電気部品200を被取付部500に取り付けた後に、カバー部材C6の外側からカバー部材C6越しに把持部271jを収容部K1s側に揺動することで、係合突部71kと被取付部500との係合を容易に外すことができ、電気部品200を被取付部500から容易に外すことができる。これらのことから、簡易な構成でありながら、電気部品200を容易に脱着することができる。特に、第2実施形態では、係合部材271が収容部K1sを挟んで対向する位置に一組設けられているので、両方の係合部材271の把持部271jを同時に掴むことができ、より脱着の作業性が良い。
【0143】
次に、電気部品200のカバー部材C6について説明する。カバー部材C6も、操作部材S3、付勢部材F4及びコネクタハウジングH8と同様に、第1実施形態と同様な構成を有しているのだが、主要構成部品であるので、省略はしなく簡単に説明をする。
【0144】
電気部品200のカバー部材C6は、防水性と弾性を有した材質である合成ゴムをトランスファー成形して形成しており、孔部16kを有して板状に形成されたベース部16と、孔部16kに臨むベース部16の縁部から延設され弾性変形可能な筒状部36と、筒状部36における孔部16kと対向する側を塞ぐ蓋部56と、ベース部16の外縁から上方に突出して筒状に形成された外周壁部76と、を有して構成されている。
【0145】
そして、カバー部材C6は、孔部16k(
図13(b)及び
図14(b)を参照)から筒状部36の内部の空間にかけて、ケースK21の開口K1h側が挿入されて、ケースK21(上ケース部11)の開口K1h側を覆っている。その際には、カバー部材C6がケースK21(上ケース部11)に装着される前の状態において、上ケース部11の鍔部11vの外形がカバー部材C6の筒状部36の内形より大きいので、筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して、ケースK21に装着されるようになる。つまり、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、被取付部500と鍔部11vとの間に、筒状部36の一部とベース部16の一部とが挟持されて、カバー部材C6に所謂アンダーカット部が明確に形成されることとなる。
【0146】
これにより、従来例のようなアンダーカット形状部分をカバー部材C6に予め設ける必要がなく、カバー部材C6を防水のための部材として容易に用いることができる。このことにより、カバー部材C6を作製するための金型構造を簡略化することができるとともに、カバー部材C6を成形する際に、カバー部材C6を金型から外すときに無理な引き抜きをしなくても良いので、削れカスも発生しにくく、削れカスによる不具合の発生を防止することができる。
【0147】
また、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、
図18及び
図19に示すように、カバー部材C6が取付孔500hを覆うとともに、
図24に示すように、鍔部11vの外形に沿って変形した筒状部36の一部及びベース部16の一部が鍔部11vと被取付部500とにより圧接挟持される。このため、ケースK21の他方側が挿入された被取付部500の取付孔500hを覆うカバー部材C6でケースK21の開口K1h側を防水することができる。
【0148】
また、カバー部材C6には、不透明な材質からなる合成ゴム材を用いており、ユーザ側からはカバー部材C6の内側に係合部材271の把持部271jが突出していることが分からない。このため、例えば、修理業者のように係合部材271の存在を知る人以外には取り外し方が分かりにくく、ユーザにより不用意に取り外される虞を少なくすることができる。
【0149】
次に、カバー部材C6のそれぞれの構成要素について詳細に説明する。
【0150】
先ず、カバー部材C6のベース部16は、円筒形状の孔部16kを有したリング形状に形成されており、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、
図18及び
図19に示すように、被取付部500の一方側の面と当接する。
【0151】
次に、カバー部材C6の筒状部36は、孔部16kに臨むベース部16の内縁部の上面から延設されて形成されているとともに、ベース部16よりも厚みが薄く充分な弾性変形ができるように形成されている。
【0152】
そして、詳細な図示はしていないが、カバー部材C6がケースK21に装着されていない状態において、筒状部36の外形(外周径)が、蓋部56側から平面視して、ケースK21(上ケース部11)の鍔部11vの外形(外周径)よりも小さく構成されている。このため、
図18及び
図19に示すように、カバー部材C6の孔部16k及び筒状部36の内部の空間にかけてケースK21(上ケース部11)が挿入された際には、筒状部36が伸ばされて(弾性変形して)鍔部11vの外形に沿って装着されるようになる。
【0153】
また、カバー部材C6がケースK21(上ケース部11)に装着された際には、
図18、
図19及び
図24に示すように、筒状部36の一部が鍔部11vの外周部と外周壁部76との間に位置するようになる。これにより、この外周壁部76によって、鍔部11vの外周部側(鍔部11vの延出方向側)に位置する筒状部36を外的要因、例えば物理的な衝撃等から保護することができる。
【0154】
次に、カバー部材C6の蓋部56は、筒状部36における孔部16kと対向する側を塞ぐようにして形成され、筒状部36から連続して形成されたドーム形状のドーム部56dと、ドーム部56dの頂部に設けられた円柱形状の押子部56pと、から主に構成されている。
【0155】
また、
図24に示すように、蓋部56のドーム部56dにおける筒状部36側の下側部56tは、蓋部56と繋がっている位置から下方に向けて突出するように形成されている。そして、カバー部材C6がケースK21(上ケース部11)に装着された際には、下側部56tが上ケース部11の鍔部11vの段差部11dと対向する位置、つまり第1規制部11zの内側に配設されて、この下側部56tにおける段差部11dと対向する位置を第2規制部56zとして用いている。このため、カバー部材C6をケースK21に装着する際に、第1規制部11zと第2規制部56zとが係合するようになる。
【0156】
これにより、筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して鍔部11vを覆うときに、蓋部56が鍔部11vの延出方向側に引っ張られて変形することを防止することができる。つまり、筒状部36のみがより引っ張られるので、筒状部36がより鍔部11vに密着するように伸張して装着されるようになる。このことにより、筒状部36と鍔部11vとの間に生じる隙間を小さくすることができ、より筒状部36を鍔部11vに密着させることができる。更に、カバー部材C6をケースK21に装着する際や操作部材S3が操作される際に、蓋部56が不所望に広がって変形するのを防止することができる。
【0157】
最後に、カバー部材C6の外周壁部76は、
図13(a)及び
図14(b)に示すように、ベース部16の外側縁部の上面から上方(
図13及び
図14に示すZ1方向)に向けて突出して設けられており、筒状部36の周囲を囲むようにして筒状に形成されている。また、外周壁部76は、
図14(b)に示すように、筒状部36より厚みが厚く構成されている。これにより、前述した鍔部11vの外側に位置する筒状部36における外的要因からの保護を確実に行うことができる。このことにより、例えば筒状部36の破れ等の発生を防止することができ、カバー部材C6の耐久性を向上させることができる。
【0158】
最後に、電気部品200の検出手段M25、端子部材T7及び取出端子TA29について説明する。
【0159】
図25は、本発明の第2実施形態に係わる検出手段M25、端子部材T7及び取出端子TA29を説明する図であって、
図25(a)は、
図17に示すX1とY2の中間側から見た上方斜視図であり、
図25(b)は、
図25(a)とは反対側から見た上方斜視図である。
図26は、
図19に示すS部分の拡大図である。
【0160】
先ず、電気部品200の検出手段M25は、
図25に示すように、操作部材S3と一体に動作可能な可動接点部材5Aと、可動接点部材5Aと接触可能な2つの固定接点部材5Cと、を有して構成されている。また、可動接点部材5A及び固定接点部材5Cは、金属板を用いており、切断加工や曲げ加工等を施して作製されている。なお、本発明の第2実施形態では、2つの固定接点部材5Cは、互いに電気的に絶縁された第1固定接点部C15と第2固定接点部C25とで構成されている。また、検出手段M25の可動接点部材5A及び2つの固定接点部材5C(第1固定接点部C15及び第2固定接点部C25)は、ケースK21内に収容されている。
【0161】
そして、電気部品200が組み立てられた際には、可動接点部材5Aは、操作部材S3の基部13の側壁に固定され、
図25(b)に示すように、可動接点部材5Aの2つの摺動子のそれぞれ(合計で4つの摺動子)が、第1固定接点部C15及び第2固定接点部C25と当接する位置にそれぞれ配設される。これにより、第1固定接点部C15と第2固定接点部C25とが可動接点部材5Aを介して電気的に接続された状態、所謂クローズ状態となる。
【0162】
そして、カバー部材C6を介して操作部材S3に対して下方に向けて押圧操作が行われると、可動接点部材5Aの摺動子は、第1固定接点部C15及び第2固定接点部C25と離間するようになる。これにより、第1固定接点部C15と第2固定接点部C25とが電気的に切断された状態、所謂オープン状態となる。なお、このとき、可動接点部材5Aの摺動子は、2つの固定接点部材5Cの少なくとも一方(例えば、第1固定接点部C15)から離間すれば良く、他方(例えば、第2固定接点部C25)とは、接触していても良い。
【0163】
このようにして、本発明の第2実施形態では、可動接点部材5A及び2つの固定接点部材5C(第1固定接点部C15及び第2固定接点部C25)を用いて、可動接点部材5Aと2つの固定接点部材5Cとを接離させることにより、検出手段M25を構成している。そして、この検出手段M25によって、操作部材S3が操作されることに伴う操作部材S3の動作を検出して、オープン状態とクローズ状態との切り替えを行えるスイッチ装置として機能させている。しかも、この検出手段M25がケースK21内に収容されているので、カバー部材C6により、確実に防水を行うことができる。
【0164】
次に、電気部品200の端子部材T7は、平板状で半リング形状に形成された基板部T7dと、半リング形状の両端側からそれぞれ略垂直に延設(下垂)された側端部T7eと、から構成されている。なお、端子部材T7は、可動接点部材5A及び固定接点部材5Cと同様に、金属板を用いており、切断加工や曲げ加工等を施して作製されている。
【0165】
端子部材T7の基板部T7dは、上ケース部11に埋設されて配設されており、
図21に示すように、ケースK21の開口K1h側で上面部分を外部に露出している。この露出部分は、鍔部11vの段差部11dより内側(収容部K1s側)に位置している。
【0166】
また、基板部T7dは、
図25(a)に示すように、第2固定接点部C25と溶接やかしめ等によって接続されて導通している。なお、
図25では分かり辛いが、基板部T7d(端子部材T7)と第1固定接点部C15とは離間しており、互いに電気的に絶縁されている。
【0167】
端子部材T7の側端部T7eは、
図25に示すように、横断面がU字形状で形成されており、
図21、
図22(a)及び
図23(a)に示すように、ケースK21の側面部に形成されたU字状の凹溝K1uにそれぞれ収容されている。その際には、側端部T7eの凹形状の端部側がケースK21の外方に向けて露出するようになっている。
【0168】
そして、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、
図26に示すように、側端部T7eの凹形状の端縁が被取付部500と当接するように構成されている。なお、この被取付部500と当接可能な部分を端子部材T7における露出部T7rとしている。つまり、この露出部T7rは、収容部K1sを挟んで対向するケースK21の側面部のそれぞれ設けられることとなる。
【0169】
これにより、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、第2固定接点部C25が端子部材T7を介して被取付部500と導通することとなる。なお、側端部T7eがU字形状で形成されているので、2箇所(両側を合わせると4箇所)で被取付部500と接触することとなり、より接続の安定性が向上している。
【0170】
また、この露出部T7rは、係合部材271が設けられた外壁部51wとは異なる面に位置している。具体的には、本発明の第2実施形態では、平面視(上面視)して、下ケース部51に設けられた凹溝K1uの位置(露出部T7rの部分)と係合部材271が設けられている位置とは、略直交して配設されている。つまり、それぞれ略90°ずつズレた位置に、2箇所の露出部T7rと2つの係合部材271が配設されている。
【0171】
これにより、露出部T7rと係合部材271とを干渉させずに、ケースK21内に容易に配設することができ、複数の露出部T7rを設けることが可能となる。このことにより、複数の露出部T7rと被取付部500とで端子部材T7と被取付部500との接続を行えるので、導通接続の信頼性を高めることができる。更に、カバー部材C6が不透明な材質であっても、この露出部T7rを目印として、係合部材271の把持部271jを掴むことができ、作業者が脱着の作業を行う際に、作業がやり易くなる。
【0172】
最後に、電気部品200の取出端子TA29は、
図25に示すように、検出手段M25の第1固定接点部C15と一体に形成されており、
図18、
図22(b)及び
図23(b)に示すように、コネクタハウジングH8内に配設されている。そして、図示しない相手側コネクタがコネクタハウジングH8に挿入されて、外部機器との電気的な接続が行われる。なお、取出端子TA29は、固定接点部材5C及び端子部材T7ともに、ケースK21及びコネクタハウジングH8を射出成形する際に、インサート成形されている。また、取出端子TA29は、電気的な接続の安定性のために、表面には、銀めっきが施されている。なお、固定接点部材5Cや端子部材T7は、圧入によって、コネクタハウジングH8を有するケースK21に取り付けられていても良い。
【0173】
以上のように構成することにより、電気部品200において外部端子(取出端子TA29)を1つにすることができ、取出端子TA29から、第1固定接点部C15、可動接点部材5A、第2固定接点部C25、端子部材T7を介して、被取付部500(グランドとなる)まで導通させることができる。
【0174】
そして、電気部品200が被取付部500に取り付けられた際には、この取出端子TA29が被取付部500を挟んでカバー部材C6とは反対側に位置するようになるとともに、ケースK21の側面部から露出する露出部T7rがカバー部材C6の内側に位置することとなる。これにより、取出端子TA29及び露出部T7r(被取付部500の取付孔500h)が防水された環境下に置かれることとなり、片方の端子(マイナス電極板902)が厳しい環境下に晒される従来例と比較して、取出端子TA29及び露出部T7rが錆びにくくなる。このことにより、導通不良の発生を極力低減することができる。
【0175】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の電気部品200における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0176】
本発明の第2実施形態の電気部品200は、カバー部材C6が、孔部16kを有して板状に形成されたベース部16と、孔部16kの内縁部から延設され弾性変形可能な筒状部36と、筒状部36における孔部16kと対向する側を塞ぐ蓋部56と、有しており、カバー部材C6の筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して装着されている構成とした。このため、従来例のようなアンダーカット形状部分をカバー部材C6に予め設ける必要がない。このことにより、カバー部材C6を作製するための金型構造を簡略化することができるとともに、金型からカバー部材C6を外すときに無理な引き抜きをしなくても良いので、削れカスも発生しにくく、削れカスによる不具合の発生を防止することができる。従って、簡易な構成でありながら、防水構造を備えた電気部品200を提供することができる。
【0177】
また、鍔部11vの外形に沿って変形した筒状部36の一部及びベース部16の一部が、鍔部11vと被取付部500とにより圧接挟持されるので、ケースK21の他方側が挿入された被取付部500の取付孔500hを覆うカバー部材C6でケースK21の開口K1h側を防水することができる。このため、従来例のようにアンダーカット形状部分をカバー部材C6に設けない簡易な構成でありながら、防水を確実に行うことができる。
【0178】
また、カバー部材C6をケースK21に装着する際に、ケースK21の鍔部11vに設けられた第1規制部11zとカバー部材C6の蓋部56に設けられた第2規制部56zとが係合するので、筒状部36が鍔部11vの外形に沿って弾性変形して鍔部11vを覆うときに、蓋部56が鍔部11vの延出方向側に引っ張られて変形することを防止することができる。このため、筒状部36と鍔部11vとの間に生じる隙間を小さくすることができ、より筒状部36を鍔部11vに密着させることができる。このことにより、より防水機能を高めることができる。また、蓋部56の変形が防止されることで、カバー部材C6を介して操作部材S3が操作される際の操作性に悪影響を与えることがない。
【0179】
また、筒状部36より厚みが厚い外周壁部76とケースK21の鍔部11vとの間に筒状部36の一部が位置するので、鍔部11vの外周部側(鍔部11vの延出方向側)に位置する筒状部36を外的要因、例えば物理的な衝撃等から保護することができる。このことにより、例えば筒状部36の破れ等の発生を防止することができ、カバー部材C6の耐久性を向上させることができる。
【0180】
また、被取付部500に係合可能な係合突部71kを有する係合部材271が、鍔部11vの内側に配置されるので、電気部品200を被取付部500に取り付ける機構(係合部材271)も含めて、鍔部11vに装着されたカバー部材C6によって、確実に被取付部500の取付孔500hを覆うことができる。このことにより、電気部品200の防水性能をより高めることができる。
【0181】
また、ケースK21の下ケース部51の外壁部51wに繋がって弾性変形可能に設けられた係合部材271が、側面視して、上ケース部11の上方まで延在した把持部271jを上端部に有しているので、カバー部材C6がケースK21に取り付けられた後においても、カバー部材C6を介してこの把持部271jを操作することができる。このため、電気部品200を被取付部500に取り付ける際には、カバー部材C6の外側から把持部271jを収容部K1s側に揺動しながら係合突部71kを被取付部500の取付孔500hに挿入し、その後、把持部271jの揺動を初期に戻すことで、係合突部71kと被取付部500とを容易に係合させることができる。一方、電気部品200を被取付部500に取り付けた後に、カバー部材C6の外側からカバー部材C6越しに把持部271jを収容部K1s側に揺動することで、係合突部71kと被取付部500との係合を容易に外すことができ、電気部品200を被取付部500から容易に外すことができる。これらのことから、簡易な構成でありながら、電気部品200を容易に脱着することができる。
【0182】
また、係合部材271が下ケース部51の外壁部51wに設けられた凹部の底面から延設されているので、外壁部51wのいずれかから外方に延設してL字状に屈曲する場合と比較して、より内側に係合部材271を配置することができる。このため、上ケース部11内に係合部材271を延設させやすく、把持部271jを容易にカバー部材C6内に収めることができる。
【0183】
また、係合部材271が収容部K1sを挟んで対向する位置にそれぞれ設けられているので、係合部材271(係合突部71k)が均等に被取付部500を圧接するようになる。このため、係合突部71kによりケースK21を確実に被取付部500に固定できるとともに、被取付部500に対して傾くことなくケースK21を保持することができる。このことにより、簡易な構成でありながら、確実に且つ容易に電気部品200の装着を行うことができ、カバー部材C6と被取付部500との密着構造を確実なものとし、防水機能を高めることができる。
【0184】
また、カバー部材C6が不透明な材質なので、ユーザ側からはカバー部材C6の内側に係合部材271の把持部271jが突出していることが分からない。このため、例えば、修理業者のように係合部材271の存在を知る人以外には取り外し方が分かりにくく、ユーザにより不用意に取り外される虞を少なくすることができる。
【0185】
また、検出手段M25が操作部材S3と一体に動作可能な可動接点部材5Aと可動接点部材5Aと接触可能な固定接点部材5Cを有しているので、操作部材S3が操作されることに伴い、可動接点部材5Aと固定接点部材5Cが接離するスイッチとして機能する。しかも、検出手段M25がケースK21内に収容されているので、確実に防水を行うことができる。これらのことにより、簡易な構成でありながら、スイッチ機能を有し防水構造を備えた電気部品200を提供することができる。
【0186】
また、第1固定接点部C15が外部機器との電気的な接続のための取出端子TA29と導通しているとともに、第2固定接点部C25が被取付部500と当接可能な露出部T7rを有した端子部材T7と導通しているので、取出端子TA29から、第1固定接点部C15、可動接点部材5A、第2固定接点部C25、端子部材T7を介して、被取付部500まで導通させることができる。このため、電気部品200において外部端子(取出端子TA29)を1つにすることができる。
【0187】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0188】
<変形例1>
上記第1実施形態では、係合部材71を用いて電気部品100を被取付部500に容易に固定する好適な構成であったが、これに限るものではなく、例えば、ケースK1の鍔部11vをカバー部材C6の上から押つけるようにして、外から抑える取付手段を設ける構成でも良い。
【0189】
<変形例2>
上記第1実施形態では、第1固定接点部B15と第2固定接点部B25を離間させ、第1固定接点部B15に第1取出端子19を接続し、第2固定接点部B25に第2取出端子29を接続する構成としたが、これに限るものではない。例えば、2つの固定接点部材5Bを用いなく、可動接点部材5Aと第1取出端子19とを直接摺動させ、1つの固定接点部材5Bと第2取出端子29とを接続する構成でも良い。
【0190】
<変形例3>
上記第2実施形態では、端子部材T7の側端部T7eの横断面形状が好適にU字形状であったが、これに限るものではなく、例えばI字形状であっても良いし、V字形状であっいても良い。
【0191】
<変形例4>
上記実施形態では、係合部材71及び係合部材271が好適に2つ用いた構成であったが、1つのみ用いた構成であっても良い。
【0192】
<変形例5>
上記実施形態では、可動接点部材5A及び固定接点部材5B(或いは固定接点部材5C)を備えたスイッチ装置を有して構成していたが、スイッチ装置に限らず、例えば、可変抵抗器や各種センシング装置であっても良い。
【0193】
<変形例6>
上記実施形態では、操作部材S3が一方向(上下方向)に移動する押圧操作タイプであったが、これに限るものではなく、例えば揺動操作タイプや回転操作タイプであっても良い。
【0194】
<変形例7>
上記実施形態では、ケースK1(或いはケースK21)とコネクタハウジングH8とを好適に一体で形成したが、これに限るものではなく、例えば、別体で形成して、スイッチとコネクタを分けても良い。
【0195】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。