特許第6625020号(P6625020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルム株式会社の特許一覧
特許6625020マンモグラフィ装置、制御装置、マンモグラフィ装置の制御方法、及びマンモグラフィ装置の制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6625020
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】マンモグラフィ装置、制御装置、マンモグラフィ装置の制御方法、及びマンモグラフィ装置の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/04 20060101AFI20191216BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   A61B6/04 309B
   A61B6/00 330Z
   A61B6/00ZDM
【請求項の数】29
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2016-123930(P2016-123930)
(22)【出願日】2016年6月22日
(65)【公開番号】特開2017-225633(P2017-225633A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2018年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】荒井 毅久
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈恭
(72)【発明者】
【氏名】井上 知己
【審査官】 遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0166234(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0036796(US,A1)
【文献】 特開2011−206434(JP,A)
【文献】 特表2014−533548(JP,A)
【文献】 特開2014−068884(JP,A)
【文献】 特表2016−514538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 −6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳房を圧迫する圧迫板と、
前記圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部と、
放射線を照射する放射線源と、
前記移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、前記圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させる制御を行い、前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で前記放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部と、
を備えたマンモグラフィ装置。
【請求項2】
乳房を圧迫する圧迫板と、
前記圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部と、
放射線を照射する放射線源と、
前記移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、前記圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させる制御を行い、前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で前記放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部と、
を備えたマンモグラフィ装置。
【請求項3】
前記圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記圧迫力検出部で検出された圧迫力と、前記第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び前記第2の位置に対応させて定めた前記第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて、前記圧迫板を移動させる制御を行う、
請求項1または請求項2に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記圧迫力検出部の検出結果を表示部に表示させる制御をさらに行う、
請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項5】
前記第1圧迫力及び前記第2圧迫力を予め記憶する記憶部をさらに備えた、
請求項または請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項6】
乳房の種類に応じた複数の候補第2圧迫力を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記複数の候補第2圧迫力から選択した候補第2圧迫力を前記第2圧迫力として用いる、
請求項または請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項7】
前記第1圧迫力及び前記第2圧迫力の少なくとも一方の圧迫力を設定する操作を行う圧迫力操作部をさらに備えた、
請求項から請求項のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記圧迫力操作部から前記第1圧迫力を設定する操作が行われた場合、設定された前記第1圧迫力と乳房の種類とに応じて前記第2圧迫力を導出する、
請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項9】
前記乳房の種類を設定する操作が行われる状態操作部をさらに備えた、
請求項または請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項10】
前記乳房の種類は、乳房の厚み、乳房のカップのサイズ、乳房の大きさ、乳房の重さ、乳房の硬さ、及び乳腺密度の少なくとも1つの状態である、
請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項11】
前記圧迫力操作部から前記第1圧迫力及び前記第2圧迫力の一方の圧迫力を設定する操作が行われた場合、前記第1圧迫力及び前記第2圧迫力の他方の圧迫力として前記圧迫力操作部に対する操作により設定可能な圧迫力の大きさが制限される、
請求項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項12】
前記第1圧迫力は、80N以上の圧力であり、前記第2圧迫力は、40Nから100Nまでの範囲内の圧力である、
請求項から請求項11のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記圧迫力検出部で検出された圧迫力が前記第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、前記移動部を制御して前記圧迫解除方向に前記圧迫板の移動を開始させる、
請求項から請求項12のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記圧迫力検出部で検出された圧迫力が前記第1圧迫力に達した場合、前記移動部を制御して前記圧迫解除方向に前記圧迫板の移動を開始させる、
請求項から請求項12のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項15】
前記第2の位置へ前記圧迫板の移動を指示する操作が行われる移動指示操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記移動指示操作部により前記圧迫板の移動を指示する操作が行われた場合、前記移動部を制御して前記第2の位置へ前記圧迫板の移動を開始させる、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記圧迫板を前記第1の位置まで移動させるまでに、前記圧迫力検出部により検出された圧迫力が所定値以上になった場合、前記圧迫板の移動速度を減速する制御を行う、
請求項から請求項14のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項17】
前記圧迫板と前記乳房とが接触したか否かを検出する接触検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記圧迫板を前記第1の位置まで移動させるまでに、前記接触検出部により前記圧迫板と乳房とが接触したことが検出された場合、前記圧迫板の移動速度を減速する制御を行う、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記第2移動速度を、乳房の種類に応じて導出する、
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項19】
前記圧迫板には圧迫板の種類を識別する識別情報が付与されており、
前記圧迫解除方向に前記第2の位置まで移動させる制御が禁止される前記圧迫板の種類を表す禁止情報を記憶する禁止情報記憶部と、
前記識別情報を読み取る読取部と、をさらに備え、
前記制御部は、前記読取部が読み取った前記識別情報により識別される前記圧迫板の種類と、前記禁止情報記憶部に記憶された前記禁止情報とに基づいて、前記圧迫板を前記圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を禁止する、
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のマンモグラフィ装置。
【請求項20】
乳房を圧迫する圧迫板と、
前記圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部と、
放射線を照射する放射線源と、
前記圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部と、
前記移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで移動させた後、前記圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、前記圧迫力検出部で検出された圧迫力と、前記第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び前記第2の位置に対応させて定めた前記第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で前記放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、かつ前記圧迫力検出部で検出された圧迫力が前記第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、前記移動部を制御して前記圧迫解除方向に前記圧迫板の移動を開始させる制御部と、
を備えたマンモグラフィ装置。
【請求項21】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、前記圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させる制御を行い、前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部
を備えた制御装置。
【請求項22】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、前記圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させる制御を行い、前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部
を備えた制御装置。
【請求項23】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで移動させた後、前記圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、前記圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部で検出された圧迫力と、前記第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び前記第2の位置に対応させて定めた前記第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、かつ前記圧迫力検出部で検出された圧迫力が前記第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、前記移動部を制御して前記圧迫解除方向に前記圧迫板の移動を開始させる制御部
を備えた制御装置。
【請求項24】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、
前記圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させ、
前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、
処理を含むマンモグラフィ装置の制御方法。
【請求項25】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、
前記圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させ、
前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、
処理を含むマンモグラフィ装置の制御方法。
【請求項26】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで移動させ、前記圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、前記圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部で検出された圧迫力と、前記第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び前記第2の位置に対応させて定めた前記第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、
前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、
前記圧迫力検出部で検出された圧迫力が前記第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、前記移動部を制御して前記圧迫解除方向に前記圧迫板の移動を開始させる制御を行う、
処理を含むマンモグラフィ装置の制御方法。
【請求項27】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、
前記圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させ、
前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、
ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのマンモグラフィ装置の制御プログラム。
【請求項28】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、
前記圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、前記第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させ、
前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、
ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのマンモグラフィ装置の制御プログラム。
【請求項29】
乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して前記圧迫板を前記圧迫方向に第1の位置まで移動させ、前記圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、前記圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部で検出された圧迫力と、前記第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び前記第2の位置に対応させて定めた前記第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、
前記圧迫板が前記第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、
前記圧迫力検出部で検出された圧迫力が前記第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、前記移動部を制御して前記圧迫解除方向に前記圧迫板の移動を開始させる制御を行う、
ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのマンモグラフィ装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンモグラフィ装置、制御装置、マンモグラフィ装置の制御方法、及びマンモグラフィ装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被検者の乳房の放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置が知られている。マンモグラフィ装置により被検者の乳房を撮影する場合、圧迫板により乳房を圧迫することが行われている。
【0003】
圧迫板により乳房を圧迫する場合、乳房が潰されたり伸ばされたりするため、被検者が痛みを感じることが多く、被検者の負担となっている。
【0004】
特許文献1には、被検者の苦痛を回避するための技術が記載されている。特許文献1に記載の技術では、乳房の厚みの変化が所定の値を下回った場合、乳房に対する圧迫力を増加させたとしても、被検者の苦痛を引き起こすだけであり、放射線画像の品質になんらの改善ももたらさないため、圧迫力の増加が停止されるように乳房の厚みによって調整することにより、圧迫力が増加することによる被検者の苦痛を回避している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−261896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、圧迫力が増加し続けられる場合の痛みを回避することができるものの、圧迫力の増加が停止した時点の痛みは継続されるため、乳房の圧迫が継続することによる痛みを緩和するには不十分であった。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、圧迫板により乳房を圧迫されることによる被検者の痛みを効果的に緩和することを可能とする、マンモグラフィ装置、制御装置、マンモグラフィ装置の制御方法、及びマンモグラフィ装置の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置は、乳房を圧迫する圧迫板と、圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部と、放射線を照射する放射線源と、移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させる制御を行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部と、を備える。
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置は、乳房を圧迫する圧迫板と、圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部と、放射線を照射する放射線源と、移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させる制御を行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部と、を備える。
【0009】
本発明のマンモグラフィ装置は、圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部をさらに備え、制御部は、圧迫力検出部で検出された圧迫力と、第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び第2の位置に対応させて定めた第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて、圧迫板を移動させる制御を行ってもよい。
【0010】
本発明のマンモグラフィ装置の制御部は、圧迫力検出部の検出結果を表示部に表示させる制御をさらに行ってもよい。
【0011】
本発明のマンモグラフィ装置は、第1圧迫力及び第2圧迫力を予め記憶する記憶部をさらに備えてもよい。
【0012】
本発明のマンモグラフィ装置は、乳房の種類に応じた複数の候補第2圧迫力を記憶する記憶部を備え、制御部は、複数の候補第2圧迫力から選択した候補第2圧迫力を第2圧迫力として用いてもよい。
【0013】
本発明のマンモグラフィ装置は、第1圧迫力及び第2圧迫力の少なくとも一方の圧迫力を設定する操作を行う圧迫力操作部をさらに備えてもよい。
【0014】
本発明のマンモグラフィ装置の制御部は、圧迫力操作部から第1圧迫力を設定する操作が行われた場合、設定された第1圧迫力と乳房の種類とに応じて第2圧迫力を導出してもよい。
【0015】
本発明のマンモグラフィ装置は、乳房の種類を設定する操作が行われる状態操作部をさらに備えてもよい。
【0016】
本発明のマンモグラフィ装置における乳房の種類は、乳房の厚み、乳房のカップのサイズ、乳房の大きさ、乳房の重さ、乳房の硬さ、及び乳腺密度の少なくとも1つの状態であってもよい。
【0017】
本発明のマンモグラフィ装置は、圧迫力操作部から第1圧迫力及び第2圧迫力の一方の圧迫力を設定する操作が行われた場合、第1圧迫力及び第2圧迫力の他方の圧迫力として圧迫力操作部に対する操作により設定可能な圧迫力の大きさが制限されてもよい。
【0018】
本発明のマンモグラフィ装置における第1圧迫力は、80N以上の圧力であり、第2圧迫力は、40Nから100Nまでの範囲内の圧力であってもよい。
【0019】
本発明のマンモグラフィ装置の制御部は、圧迫力検出部で検出された圧迫力が第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、移動部を制御して圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させてもよい。
【0020】
本発明のマンモグラフィ装置の制御部は、圧迫力検出部で検出された圧迫力が1圧迫力に達した場合、移動部を制御して圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させてもよい。
【0021】
本発明のマンモグラフィ装置は、第2の位置へ圧迫板の移動を指示する操作が行われる移動指示操作部をさらに備え、制御部は、移動指示操作部により圧迫板の移動を指示する操作が行われた場合、移動部を制御して第2の位置へ圧迫板の移動を開始させてもよい。
【0022】
本発明のマンモグラフィ装置の制御部は、圧迫板を第1の位置まで移動させるまでに、圧迫力検出部により検出された圧迫力が所定値以上になった場合、圧迫板の移動速度を減速する制御を行ってもよい。
【0023】
本発明のマンモグラフィ装置は、圧迫板と乳房とが接触したか否かを検出する接触検出部をさらに備え、制御部は、圧迫板を第1の位置まで移動させるまでに、接触検出部により圧迫板と乳房とが接触したことが検出された場合、圧迫板の移動速度を減速する制御を行ってもよい。
【0026】
本発明のマンモグラフィ装置の制御部は、第2移動速度を、乳房の種類に応じて導出してもよい。
【0027】
本発明のマンモグラフィ装置の圧迫板には圧迫板の種類を識別する識別情報が付与されており、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御が禁止される圧迫板の種類を表す禁止情報を記憶する禁止情報記憶部と、識別情報を読み取る読取部と、をさらに備え、制御部は、読取部が読み取った識別情報により識別される圧迫板の種類と、禁止情報記憶部に記憶された禁止情報とに基づいて、圧迫板を圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を禁止してもよい。
【0028】
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置は、乳房を圧迫する圧迫板と、圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部と、放射線を照射する放射線源と、圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部と、移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、圧迫力検出部で検出された圧迫力と、第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び第2の位置に対応させて定めた第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、かつ圧迫力検出部で検出された圧迫力が第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、移動部を制御して圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させる制御部と、を備える。
また、上記目的を達成するために本発明の制御装置は、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させる制御を行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部を備える。
上記目的を達成するために本発明の制御装置は、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させる制御を行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う制御部を備える。
上記目的を達成するために本発明の制御装置は、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部で検出された圧迫力と、第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び第2の位置に対応させて定めた第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、かつ圧迫力検出部で検出された圧迫力が第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、移動部を制御して圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させる制御部を備える。
【0029】
また、上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置の制御方法は、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させ、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、処理を含む。
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置の制御方法は、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させ、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、処理を含む。
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置の制御方法は、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで移動させ、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部で検出された圧迫力と、第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び第2の位置に対応させて定めた第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、圧迫力検出部で検出された圧迫力が第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、移動部を制御して圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させる制御を行う、処理を含む。
【0030】
また、上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置の制御プログラムは、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも遅い第2移動速度で移動させ、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのものである。
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置の制御プログラムは、乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向に第1の位置まで第1移動速度で移動させ、圧迫板を乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に第2の位置まで、第1移動速度よりも速い第2移動速度で移動させ、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行う、ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのものである。
上記目的を達成するために本発明のマンモグラフィ装置の制御プログラムは、 乳房を圧迫する圧迫板を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部を制御して圧迫板を圧迫方向に第1の位置まで移動させ、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を、圧迫板による乳房への圧迫力を検出する圧迫力検出部で検出された圧迫力と、第1の位置に対応させて定めた第1圧迫力及び第2の位置に対応させて定めた第1圧迫力より大きさが小さい第2圧迫力の各々との比較結果に基づいて行い、圧迫板が第2の位置に位置した状態で放射線源から乳房に対して放射線を照射させる制御を行い、圧迫力検出部で検出された圧迫力が第1圧迫力に達した後、所定の継続時間が経過した場合、移動部を制御して圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させる制御を行う、ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、圧迫板により乳房を圧迫されることによる被検者の痛みを効果的に緩和することを可能とする、マンモグラフィ装置、制御装置、マンモグラフィ装置の制御方法、及びマンモグラフィ装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】第1実施形態の放射線画像撮影システムの構成図である。
図2】第1実施形態の圧迫板による乳房の圧迫について説明するための側面図である。
図3】第1実施形態におけるモータにかかる負荷により圧迫力を検出する場合の構成の一例を説明するための模式図である。
図4】第1実施形態の放射線画像撮影システムの構成を表したブロック図である。
図5】乳房の圧迫を開始してからの経過時間と、圧迫力との関係の一例を表したタイムチャートである。
図6図5に示したタイムチャートに応じて乳房を圧迫した場合の圧迫力と、圧迫力が120Nの場合の乳房の厚みを基準とした相対的な乳房の厚みとの関係の一例を表すグラフである。
図7】第1圧迫力における継続時間が無い場合の乳房の圧迫を開始してからの経過時間と、圧迫力との関係の一例を表したタイムチャートである。
図8図7に示したタイムチャートに応じて乳房を圧迫した場合の圧迫力と、圧迫力が120Nの場合の乳房の厚みを基準とした相対的な乳房の厚みとの関係の一例を表すグラフである。
図9】第1実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図10】圧迫力設定画面の一例を表す模式図である。
図11図5に示したタイムチャートに応じて圧迫板を移動させる場合の経過時間と、乳房に対する圧迫力との対応関係の一例を表したタイムチャートである。
図12】第2実施形態の放射線画像撮影システムの構成を表したブロック図である。
図13A】乳房の厚みと第2圧迫力そのものとの対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図13B】乳房の厚みと基準値との差分との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図13C】乳房の厚みと基準値に対する割合との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図14】第2実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図15】第3実施形態の放射線画像撮影システムの構成を表したブロック図である。
図16】乳房の厚みと第2圧迫力との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図17】第3実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図18】カップ設定画面の一例を表す模式図である。
図19】第4実施形態の放射線画像撮影システムの構成を表したブロック図である。
図20】乳房の大きさと第2圧迫力との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図21】第4実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図22】乳腺密度と第2圧迫力との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図23】第5実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図24】乳房の硬さと第2圧迫力との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図25】第6実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図26】第7実施形態の放射線画像撮影システムの構成を表したブロック図である。
図27】乳房の重さと第2圧迫力との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図28】第7実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図29】第8実施形態のマンモグラフィ装置で実行される、ユーザの移動指示に応じて圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始する場合の撮影処理を表すフローチャートである。
図30】第8実施形態のマンモグラフィ装置で実行される、圧迫力検出センサで検出した圧迫力が第1圧迫力に達すると、圧迫解除方向に圧迫板の移動を開始させる場合の撮影処理を表すフローチャートである。
図31】第9実施形態の放射線画像撮影システムの構成を表したブロック図である。
図32】第9実施形態のマンモグラフィ装置における圧迫板の種類の識別を行うための構成について説明するための側面図である。
図33】第9実施形態のマンモグラフィ装置で実行される撮影処理を表すフローチャートである。
図34】第10実施形態のマンモグラフィ装置における圧迫板の移動速度の一例を説明するためのタイムチャートである。
図35図34に示したタイムチャートに示した移動速度により圧迫板を移動させる場合の撮影処理を表すフローチャートである。
図36】第10実施形態のマンモグラフィ装置における圧迫板の移動速度の他の例を説明するためのタイムチャートである。
図37】乳房の厚みと第2圧迫力と第2移動速度との対応関係を表す情報の一例を表す模式図である。
図38】第10実施形態のマンモグラフィ装置で実行される乳房の厚みに基づいて第2移動速度を導出する場合の撮影処理を表すフローチャートである。
図39】ユーザが、第1圧迫力を設定した場合に、制御部により制限された、ユーザにより設定可能な第2圧迫力の範囲を表す情報が表示された圧迫力設定画面の一例を表す模式図である。
図40】圧迫履歴情報を表示させる場合の撮影処理を表すフローチャートである。
図41】圧迫履歴情報の一例を示す模式図である。
図42】圧迫履歴情報の他の例を示す模式図である。
図43】グラフとして圧迫履歴情報を表示させる場合の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
[第1実施形態]
まず、本実施形態の放射線画像撮影システムの構成について説明する。図1には、本実施形態の放射線画像撮影システム10の構成図を示す。
【0034】
本実施形態の放射線画像撮影システム10は、コンソール16を介して外部のシステム(例えば、RIS:Radiology Information System)から入力された指示(撮影メニュー)に基づいて、医師や放射線技師等のユーザの操作により放射線画像の撮影を行う機能を有するものである。
【0035】
本実施形態の放射線画像撮影システム10は、マンモグラフィ装置12及びコンソール16を備えている。
【0036】
本実施形態のマンモグラフィ装置12は、被検者の乳房の放射線画像を撮影する装置である。なお、マンモグラフィ装置12は、被検者が起立している状態のみならず、被検者がイス(車イスを含む)等に座った座位状態において、被検者の乳房を撮影する装置であってもよく、少なくとも被検者の乳房が左右別個に撮影可能な装置であればよい。
【0037】
マンモグラフィ装置12は、撮影台26の撮影面27に対向して、放射線源24が設けられ、放射線源24から撮影面27に向けて放射線Rを照射する。
【0038】
被検者の乳房の放射線画像の撮影を行う場合は、圧迫板28と撮影台26との間で被検者の左右乳房のうち一方の乳房を圧迫することにより固定し、固定した乳房に対して放射線源24から放射線Rを照射する。放射線検出器22は、照射されて乳房を透過した放射線Rを検出する。放射線検出器22で検出された放射線Rに基づいて、乳房の放射線画像が生成される。
【0039】
図2には、本実施形態の圧迫板28による乳房の圧迫について説明するための側面図を示す。本実施形態の圧迫板28は、板状の圧迫部材であり、乳房を圧迫する場合、上側(被検者の頭部側)から下側に向けて圧迫する。図2に示すように、圧迫板28の移動方向について、乳房を圧迫する方向を以下では、「圧迫方向」といい、乳房への圧迫を解除する方向を「圧迫解除方向」という。
【0040】
圧迫板28は、移動部30(図3参照)により、撮影台26と放射線源24との間でスライド移動が可能に保持部29に保持されており、撮影台26との間隔が可変となっている。
【0041】
保持部29内には、ボールネジ37及びモータ38を含む移動部30と、圧迫力検出センサ39と、が備えられている。圧迫力検出センサ39は、圧迫板28により乳房全体を圧迫する圧迫力を検出する機能を有する。図3に示した一例では、圧迫力検出センサ39が、圧迫板28の駆動源としてのモータ38にかかる負荷に基づいて圧迫力を検出する場合の構成を示している。圧迫板28は、ボールネジ37に支持されており、モータ38が駆動することにより、撮影台26と放射線源24との間でスライド移動する。本実施形態の圧迫力検出センサ39はロードセル等の歪ゲージであり、圧迫力検出センサ39が、圧迫板28による圧迫力の反力を検出することにより、圧迫板28により乳房を圧迫する圧迫力を検出する。
【0042】
なお、圧迫力を検出する方法は、これに限らず、例えば、圧迫力検出センサ39は、半導体式圧力センサ、及び静電容量式圧力センサ等であってもよい。また例えば、圧迫板28に圧迫力検出センサ39を設けておいてもよい。
【0043】
圧迫板28には、放射線Rを透過する部材が用いられる。本実施形態の圧迫板28には、樹脂材料である熱可塑性プラスチックとして、ポリエチレンテレフタレートが使用されている。なお、圧迫板28に使用される部材はこれに限らず、ポリカーボネート、アクリル、及びポリプロピレン等の部材が使用可能である。なお、圧迫板28の構成部材は、本実施形態に限らない。例えば、圧迫板28がフィルム状の部材であってもよい。
【0044】
撮影台26の内部には、圧迫板28、乳房、及び撮影面27を透過した放射線Rが照射され、その放射線Rを検出する放射線検出器22が収納されている。放射線検出器22が検出した放射線Rが可視化されて放射線画像が生成される。放射線検出器22は放射線Rの照射を受けて放射線画像を表す画像データを記録し、記録した画像データを出力するものであり、照射された放射線Rの線量に応じて発生した画素毎の電荷を画像データとして検出する。
【0045】
本実施形態の放射線検出器22の種類は、特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0046】
本実施形態では、マンモグラフィ装置12の放射線検出器22から出力された放射線画像を表す画像データは、コンソール16に送信される。本実施形態のコンソール16は、無線通信LAN(Local Area Network)等を介して外部システム等から取得した撮影メニューや各種情報等を用いて、マンモグラフィ装置12の制御を行う機能を有している。
【0047】
図4には、本実施形態の放射線画像撮影システム10の構成を表したブロック図を示す。
【0048】
本実施形態のコンソール16は、サーバー・コンピュータである。図4に示すように、コンソール16は、制御部50、記憶部52、I/F(InterFace)部54、表示部駆動部56、表示部58、操作入力検出部60、及び操作部62を備えている。制御部50、記憶部52、I/F部54、表示部駆動部56、及び操作入力検出部60は、システムバスやコントロールバス等のバス63を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0049】
制御部50は、コンソール16の動作全体を制御する機能を有している。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)50A、ROM(Read Only Memory)50B、及びRAM(Random Access Memory)50Cを備えている。ROM50Bには、CPU50Aで実行される各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAM50Cは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。
【0050】
記憶部52には、マンモグラフィ装置12で撮影された放射線画像の画像データ等が記憶される。記憶部52の具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が挙げられる。
【0051】
I/F部54は、無線通信または有線通信により、マンモグラフィ装置12や外部のシステム(RIS等)との間で各種情報の通信を行う機能を有している。
【0052】
表示部58は、各種情報を表示する機能を有している。表示部駆動部56は、表示部58への各種情報の表示を制御する機能を有している。
【0053】
操作部62は、放射線画像の撮影等に関する指示や各種情報等を、ユーザが入力するために用いられる。操作部62は、特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、複数のキー、及びマウス等が挙げられる。なお、操作部62をタッチパネルとする場合は、表示部58と一体化してもよい。操作入力検出部60は、操作部62に対する操作状態を検出する機能を有している。
【0054】
一方、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、放射線検出器22、放射線源24、圧迫板28、移動部30、圧迫力検出センサ39、制御部40、記憶部42、I/F部44、及び操作パネル46を備えている。
【0055】
放射線検出器22、放射線源24、移動部30、圧迫力検出センサ39、制御部40、記憶部42、I/F部44、及び操作パネル46は、システムバスやコントロールバス等のバス49を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0056】
本実施形態の制御部40は、本発明の制御部の一例であり、マンモグラフィ装置12の動作全体を制御する機能を有している。また、制御部40は、放射線画像の撮影を行う場合に、放射線検出器22、放射線源24、及び移動部30を制御する機能を有している。本実施形態の制御部40は、CPU40A、ROM40B、及びRAM40Cを備えている。ROM40Bには、CPU40Aで実行される撮影処理プログラム等を含む各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAM40Cは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。
【0057】
記憶部42には、詳細を後述する、基準値となる第1圧迫力及び第2圧迫力等の各種情報等が記憶される。記憶部42の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。
【0058】
I/F部44は、無線通信または有線通信により、コンソール16との間で各種情報の通信を行う機能を有している。
【0059】
操作パネル46は、ユーザが、マンモグラフィ装置12の近傍で撮影条件の確認を行ったり、撮影に関する指示を行ったりするためのものである。そのため、操作パネル46には、撮影条件を表示する機能や各種指示の入力を受け付ける機能が設けられている。操作パネル46は、例えば、マンモグラフィ装置12に液晶パネル、及び複数のスイッチやボタンとして設けられている。なお、操作パネル46は、タッチパネルディスプレイとして設けられていてもよい。
【0060】
なお、本実施形態では、マンモグラフィ装置12の制御部40及びコンソール16の制御部50に格納される各種プログラムは、予め制御部40及び制御部50のROMに格納されているが、これに限らない。例えば、各種プログラムをCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)やリムーバブルディスク等の記録媒体に記憶しておき記録媒体からROM等にインストールしてもよい。また、インターネット等の通信回線を介して外部装置からROM等にインストールしてもよい。
【0061】
次に、本実施形態のマンモグラフィ装置12の作用について図面を参照して説明する。
【0062】
放射線画像撮影システム10では、乳房の撮影を行う場合、ユーザは、まず、マンモグラフィ装置12の撮影台26の撮影面27上に被検者の乳房をポジショニングし、圧迫板28により、乳房を撮影台26と圧迫板28との間で圧迫することにより固定する。
【0063】
マンモグラフィ装置12により乳房の放射線画像を撮影する場合、圧迫板28により圧迫した状態の乳房に対して放射線Rを照射して放射線画像の撮影が行われる。乳房を圧迫する理由としては、乳腺組織の重なりを展開し、良性病変及び悪性病変のいずれであるかの判断等を行いやすくするため、放射線画像のボケを抑制し、乳腺構造等を見易くするため、乳房を固定することで、被検者の体動を抑制するため、及び乳房の厚みを薄くすることで、乳房の被曝を低減するため等が挙げられる。
【0064】
しかしながら、圧迫板28により乳房を圧迫することにより、乳房が潰されたり、伸ばされたりすることとなるため、被検者が痛みを感じることが多い。従来のマンモグラフィ装置では、特定の圧迫力(例えば、乳房の撮影で一般的に用いられる圧迫力)により乳房を圧迫した状態で放射線画像の撮影を行っていたため、乳房が圧迫されている間中、痛みが継続した。これに対して、本発明の発明者らは、乳房を圧迫する圧迫力を、一例として図5に示すように、一旦、第1圧迫力N1(例えば、上記特定の圧迫力)まで圧迫した後、第1圧迫力N1よりも小さい第2圧迫力N2まで低下させることにより、乳房が圧迫されることによる被検者の痛みを効果的に緩和することができることを見出した。なお、図5は、乳房の圧迫を開始してからの経過時間と、乳房に対する圧迫力との関係の一例を表したタイムチャートを示している。図5に示した一例では、時刻t0で圧迫板28と乳房とが接触する。そして時刻t0から時刻t1までの間に圧迫力を0から第1圧迫力N1まで増加させ、時刻t1から時刻t2まで第1圧迫力N1による圧迫を継続し、時刻t2から時刻t3までの間に圧迫力を第1圧迫力N1から第2圧迫力N2まで低下させ、時刻t3から時刻t4まで第2圧迫力N2による圧迫を継続し、時刻t4から時刻t5までの間に圧迫力を第2圧迫力N2から0まで低下させている。
【0065】
また、本発明の発明者らにより、一旦、第1圧迫力N1まで乳房を圧迫した後、圧迫力を第1圧迫力N1よりも小さい第2圧迫力N2まで低下させても、乳房の厚み、具体的には撮影台26の撮影面27と圧迫板28の下面との間の距離が戻りにくいことが見出された。図6は、図5に示したタイムチャートに応じて乳房を圧迫した場合の圧迫力と、圧迫力が120Nの場合の乳房の厚みを基準(0)とした相対的な乳房の厚みとの関係の一例を示している。なお、図6に示した例では、第1圧迫力N1を120Nとし、第2圧迫力N2を60Nとしている。図6に示すように、圧迫板28を圧迫解除方向に動かして圧迫力を低下させても、乳房の厚みは戻りにくく、圧迫力と乳房の厚みとの関係はヒステリシスの様相を呈する。これにより、圧迫力を低下させても、乳腺組織の重なりは展開された状態が維持される等といった、上述した乳房を圧迫する理由を満たすことができる。
【0066】
なお、第1圧迫力N1により乳房の圧迫を継続する時間(時刻t1から時刻t2までの時間)が変化しても、一旦、第1圧迫力N1まで乳房を圧迫した後、圧迫力を第1圧迫力N1よりも小さい第2圧迫力N2まで低下させても、乳房の厚みが戻りにくいという傾向が得られる。図7には、第1圧迫力N1により乳房の圧迫を継続する時間が0の場合の、乳房の圧迫を開始してからの経過時間と、圧迫力との関係の一例を表したタイムチャートを示す。また、図8には、図7に示したタイムチャートに応じて乳房を圧迫した場合の圧迫力と、圧迫板28により圧迫された乳房の厚みとの関係の一例を示す。なお、図8では、縦軸が乳房の厚み(圧迫厚み)を直接示している。図6及び図8を比較するとわかるように、第1圧迫力N1により乳房の圧迫を継続する時間によらず、第1圧迫力N1まで乳房を圧迫した後、圧迫力を第2圧迫力N2まで低下させた場合、乳房の厚みが戻りにくく、この場合も圧迫力と乳房の厚みとの関係はヒステリシスの様相を呈する。
【0067】
そこで、本実施形態のマンモグラフィ装置12が実行する撮影処理では、一旦、第1圧迫力N1まで乳房を圧迫した後、圧迫力を第1圧迫力N1よりも小さい第2圧迫力N2まで低下させ、第2圧迫力N2を維持した状態で放射線Rの照射を行って、放射線画像の撮影を行う。なお、具体的な第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2については、詳細を後述する。
【0068】
ユーザがコンソール16の操作部62から放射線画像の撮影の開始を指示すると、I/F部54を介してマンモグラフィ装置12に撮影の開始指示及び撮影メニューが送信される。マンモグラフィ装置12では、コンソール16から放射線画像の撮影の開始指示を受信した場合に、撮影処理を実行する。図9には、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40によって実行される撮影処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。本実施形態のマンモグラフィ装置12では、制御部40のCPU40AがROM40Bに記憶されている撮影処理プログラムを実行することにより、撮影処理を実行する。
【0069】
ステップS100で制御部40は、ユーザにより圧迫力の設定が行われるか否かを判定する。本実施形態のマンモグラフィ装置12では、ユーザは操作パネル46から第1圧迫力N1または第2圧迫力N2を設定することができる。所定時間(本実施形態では、10秒)経過しても操作パネル46から圧迫力の設定の指示を受け付けなかった場合、否定判定となり、ステップS102へ移行する。
【0070】
ステップS102で制御部40は、予め定められた第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2を取得した後、ステップS114へ移行する。本実施形態では、制御部40は、記憶部42に基準値として予め記憶されている第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2を記憶部42から読み出すことにより取得する。なお、制御部40が第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2をどのように取得するかは任意であり、例えば、撮影メニューに第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2が指定されている場合は、撮影メニューから取得してもよい。
【0071】
一方、ステップS100において操作パネル46から圧迫力の設定の指示を受け付けた場合、肯定判定となり、ステップS104へ移行する。
【0072】
ステップS104で制御部40は、図10に一例を示した圧迫力設定画面70を操作パネル46に表示させる。図10に示した圧迫力設定画面70には、第1圧迫力N1の基準値及び第2圧迫力N2の基準値が参考のために予め表示されている。なお、本実施形態では、第1圧迫力N1の基準値を、一般的なマンモグラフィ装置において乳房を圧迫する場合に用いられる120Nとしている。また、第2圧迫力N2の基準値を、被検者の痛みを緩和するとともに、被検者の体動による乳房のずれを抑制する観点から第1圧迫力N1の基準値の半分の60Nとしている。ユーザは、操作パネル46に含まれるボタンを用いて、第1圧迫力N1または第2圧迫力N2を設定する。図10には、一例としてユーザが第1圧迫力N1を120Nから110Nに設定した場合を示している。なお、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2のいずれか一方のみがユーザにより設定できる。そのため、第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2の一方の設定がユーザにより行われた場合、制御部40は、他方の設定を禁止し、圧迫力設定画面70に設定が禁止されたことを表す情報71を表示する。図10に示した一例では、設定が禁止されたことを表す情報71として、第2圧迫力N2の設定を行うための表示を暗くした状態を示している。
【0073】
次のステップS106で制御部40は、ユーザが操作パネル46により設定した第1圧迫力N1または第2圧迫力N2を取得する。
【0074】
次のステップS108で制御部40は、第1圧迫力N1を取得したか否かを判定する。第1圧迫力N1を取得した場合、肯定判定となりステップS110へ移行する。
【0075】
ステップS110で制御部40は、取得した第1圧迫力N1に基づいて第2圧迫力N2を導出した後、ステップS114へ移行する。
【0076】
ここで、本実施形態の第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2について説明する。第1圧迫力N1は、乳腺組織を展開し、かつ被検者の痛みを抑制する観点から、80N〜200Nであることが好ましく、基準値として上述した120Nがより好ましい。また、第2圧迫力N2は、被検者の痛みを効果的に緩和し、かつ被検者の体動を抑制する観点から、第1圧迫力N1よりも小さく、かつ40N〜100Nであることが好ましく、基準値として上述した60Nがより好ましい。
【0077】
本発明の発明者らの検討の結果、第2圧迫力N2は、第1圧迫力N1の40%〜70%であることが好ましく、第1圧迫力N1の50%であることがより好ましい。もしくは、第2圧迫力N2は、第1圧迫力N1よりも40N〜100N少ないことが好ましく、第1圧迫力N1よりも50N少ないことがより好ましい。
【0078】
言い換えると、第1圧迫力N1は、第2圧迫力N2の143%〜250%であることが好ましく、第2圧迫力N2の200%であることがより好ましい。もしくは、第1圧迫力N1は、第2圧迫力N2よりも40N〜100N大きいことが好ましく、第2圧迫力N2よりも60N大きいことがより好ましい。
【0079】
本実施形態のマンモグラフィ装置12では、これらの範囲内となる、第1圧迫力N1と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報を予め記憶部42等に記憶しておき、この情報に基づいて、ユーザにより設定されていない圧迫力である第1圧迫力N1または第2圧迫力N2を導出する。
【0080】
そのため、本ステップにおいて制御部40は、第1圧迫力N1と、上述した第1圧迫力N1と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報とに基づいて、第2圧迫力N2を導出する。
【0081】
一方、ステップS106において第2圧迫力N2を取得した場合、ステップS108では否定判定となりステップS112へ移行する。ステップS112で制御部40は、第2圧迫力N2と、上述した第1圧迫力N1と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報とに基づいて、第1圧迫力N1を導出した後、ステップS114へ移行する。
【0082】
ステップS114で制御部40は、以上の処理により得られた第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2を目標値として移動部30に設定する。
【0083】
次のステップS116で制御部40は、圧迫板28による乳房の圧迫を開始するか否かを判定する。乳房のポジショニングを終えるとユーザは、乳房の圧迫を開始するために、操作パネル46により圧迫開始を指示する。ステップS116では、この圧迫開始の指示が入力されるまで否定判定となり、待機状態になる。一方、圧迫開始の指示が入力されると肯定判定となり、ステップS118へ移行する。
【0084】
ステップS118で制御部40は、移動部30により、圧迫板28の圧迫方向への移動を開始する。具体的には、制御部40は、予め定められた第1移動速度で、初期位置から圧迫方向への圧迫板28の移動を開始する。制御部40は、圧迫板28を圧迫方向へ移動させることにより乳房を加圧する。なお、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房を圧迫しない圧迫板28の位置が初期位置として予め定められている。
【0085】
一般的に、圧迫板28の移動速度は、圧迫板28の移動に伴う被検者の体動を抑制することや、撮影時間(乳房が圧迫板28により圧迫されている時間)を抑制すること等の観点から0.5mm/s〜50mm/sが好ましい。本実施形態では、圧迫板28の移動速度について、初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置まで移動させる第1移動速度を、後述する理由により、第1圧迫力N1に応じた位置から第2圧迫力N2に応じた位置まで移動させる第2移動速度よりも速い速度としている。図11には、図5に一例を示したタイムチャートに応じて圧迫板28を移動させる場合の経過時間と、乳房に対する圧迫力との対応関係の一例を表したタイムチャートを示す。図11に示した一例では、移動速度S1が第1移動速度に対応し、移動速度S2が第2移動速度に対応している。
【0086】
初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置までは、比較的移動距離が長いため、圧迫板28の移動速度が遅いと、被検者が痛みを感じる時間が長くなり、被検者の負担が増すこと、及び撮影全体にかかる時間が長くなり、撮影効率が低下すること等の観点から、第1移動速度を速くしている。本実施形態のマンモグラフィ装置12において第1移動速度は、上記一般的に用いられている移動速度の範囲内である1mm/s〜50mm/sが好ましく、10mm/sがより好ましい。
【0087】
一方、第1圧迫力N1に応じた位置から第2圧迫力N2に応じた位置までの距離は、第1移動速度で圧迫板28が移動する距離よりも短く、あまり速い速度で圧迫板28を移動させると、圧迫力が目標とする第2圧迫力N2からずれてしまう懸念がある。そのため、第2圧迫力N2からのずれを抑制する等の観点から、第2移動速度を第1移動速度よりも遅くしている。本実施形態のマンモグラフィ装置12において第2移動速度は、上記一般的に用いられている移動速度の範囲内である0.5mm/s〜20mm/sが好ましく、1mm/sがより好ましい。
【0088】
本実施形態では、制御部40は、圧迫力検出センサ39による検出結果を所定の間隔(本実施形態では、0.1秒)で繰り返し取得し、圧迫力検出センサ39の検出結果が第1圧迫力N1に達するまで、移動部30により圧迫板28を圧迫方向へ移動させて乳房を圧迫する。
【0089】
次のステップS120で制御部40は、圧迫力検出センサ39の検出結果と移動部30に設定されている第1圧迫力N1とを比較し、圧迫力が第1圧迫力N1に達したか否かを判定する。圧迫力が第1圧迫力N1に達していない場合、否定判定となり待機状態になる。一方、圧迫力が第1圧迫力N1に達した場合、肯定判定となりステップS122へ移行する。
【0090】
ステップS122で制御部40は、移動部30による圧迫板28の移動を停止させる。
【0091】
次のステップS124で制御部40は、第1圧迫力N1による圧迫の継続を終了するか否かを判定する。第1圧迫力N1による圧迫を継続する継続時間は特に限定されず、好ましくは、0.5秒以上である。また、本発明者らの実験結果によれば、乳房の厚みの戻り具合を考慮すると、継続時間を8秒以内とすること、または第1圧迫力N1による圧迫を開始してから第2圧迫力N2による圧迫を完了するまでの時間を8秒以内とすることが好ましい。また、ユーザが、被検者の乳房の圧迫具合等を微調整する時間を考慮して継続時間を定めてもよい。また、継続時間は、例えば、マンモグラフィ装置12内に予め定められていてもよいし、操作パネル46によりユーザが設定してもよい。また、継続時間は、詳細を後述する乳房の種類に応じて制御部40が導出してもよい。
【0092】
ステップS124において、第1圧迫力N1による圧迫の継続時間中は、否定判定となる。一方、ステップS124において、第1圧迫力N1による圧迫の継続時間が経過すると、肯定判定となりステップS126へ移行する。
【0093】
ステップS126で制御部40は、移動部30により、上述した第2移動速度で圧迫解除方向へ、圧迫板28の移動を開始する。制御部40は、圧迫板28を圧迫解除方向へ移動させることにより乳房にかかる圧迫力を低下させる。
【0094】
本実施形態では、制御部40は、圧迫力検出センサ39による検出結果を所定の間隔(本実施形態では、0.1秒)で繰り返し取得し、圧迫力検出センサ39の検出結果が第2圧迫力N2に達するまで、移動部30により圧迫板28を圧迫解除方向へ移動させて乳房にかかる圧迫力を低下させる。
【0095】
次のステップS128で制御部40は、圧迫力検出センサ39の検出結果と移動部30に設定されている第2圧迫力N2とを比較し、圧迫力が第2圧迫力N2に達したか否かを判定する。圧迫力が第2圧迫力N2に達してない場合、否定判定となり待機状態になる。一方、圧迫力が第2圧迫力N2に達した場合、肯定判定となりステップS130へ移行する。
【0096】
ステップS130で制御部40は、移動部30による圧迫板28の移動を停止させる。圧迫板28の移動が停止すると、ユーザは、放射線Rの照射開始を指示する。なお、放射線Rの照射開始の指示は、専用の照射スイッチ(図示省略)により行われることが好ましいが、コンソール16の操作部62等を介して行われてもよく、どのように行うかは、マンモグラフィ装置の構成により任意である。
【0097】
そこで次のステップS132で制御部40は、ユーザが行った照射開始の指示に応じたタイミングで放射線源24から被検者の乳房に向けて放射線Rを照射させ、放射線検出器22により、放射線画像の撮影を行う。
【0098】
次のステップS134で制御部40は、移動部30により、圧迫板28を圧迫解除方向に上述した初期位置まで移動させて乳房の圧迫を解除した後、本撮影処理を終了する。なお、放射線画像の取得後に、圧迫板28を圧迫解除方向に移動させる場合の移動速度は、特に限定されないが、被検者の痛みを速やかに取り除くためには、可能な限り速い方が好ましい。
[第2実施形態]
第1実施形態では、第2圧迫力N2を、基準値またはユーザの設定に応じた圧迫力とした場合について説明した。ところで、一般に、乳房の種類、例えば、乳房の厚み、カップのサイズ(以下、単に「カップ」という)、大きさ、重さ、硬さ、及び乳腺密度等に応じて、圧迫した場合の反力が異なったり、被検者が感じる痛みが異なったりする。そこで、第2実施形態(本実施形態)〜第7実施形態では、乳房の種類に応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。
【0099】
まず、本実施形態では、乳房の種類として乳房の厚みに応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。
【0100】
図12に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、移動量検出部31を備えている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0101】
移動量検出部31は、圧迫板28が圧迫方向または圧迫解除方向に移動した場合の移動量(移動距離)を検出する機能を有する。圧迫板28の移動量を検出する方法は特に限定されない。例えば、モータ38の回転軸の回転数と圧迫板28の移動量との対応関係を予め得ておき、上記対応関係と圧迫板28を移動させるために回転させたモータ38の回転軸の回転数とに基づいて圧迫板28の移動量を検出してもよい。
【0102】
また、図12に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、記憶部42に乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43が予め記憶されている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0103】
一般的に乳房の厚みと乳房の大きさとは関連しており、乳房の厚みが厚いほど、乳房は大きい。なお、ここでいう乳房の「厚み」とは、乳房を所定の圧迫力(本実施形態では第1圧迫力N1)で圧迫した状態における乳房の厚みのことをいう。
【0104】
乳房が大きいほど、乳房から圧迫板28への反力が大きくなり、乳房が潰れにくくなる。そのため、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房の厚みが厚いほど第2圧迫力N2を高くすることにより、より適切に乳房を圧迫することができる。
【0105】
本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43として、図13A〜13Cに例示した、乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43A1〜43A3のうちの何れかを用いている。図13A〜13Cに示すように、乳房の厚みと対応付けられている複数の第2圧迫力N2が、本発明の候補第2圧迫力N2に対応する。
【0106】
図13Aに示した乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43A1では、乳房の厚みと第2圧迫力N2そのものとの対応関係が表されている。図13Aに示した一例では、乳房の厚みが通常より厚い「厚い」場合の第2圧迫力N2を70Nとし、乳房の厚みが「通常」の場合の第2圧迫力N2を60Nとし、乳房の厚みが通常より薄い「薄い」場合の第2圧迫力N2を50Nとしている。なお、乳房の厚みが「通常」である場合の具体的な厚みは、例えば、予め実験等により得られた複数の乳房の厚みの平均値を用いてもよいし、ユーザ等による設定を可能としてもよい。
【0107】
また、図13Bに示した乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43A2では、乳房の厚みと第2圧迫力N2の基準値との差分との対応関係が表されている。図13Bに示した一例では、乳房の厚みが「通常」の場合の第2圧迫力N2を記憶部42に予め記憶された上述の基準値との差分が0、すなわち基準値とし、乳房の厚みが通常より「厚い」場合の第2圧迫力N2を基準値に10N加算した圧迫力とし、乳房の厚みが通常より「薄い」場合の第2圧迫力N2を基準値から10N減算した圧迫力としている。
【0108】
また、図13Cに示した乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43A3では、乳房の厚みと基準値に対する割合との対応関係が表されている。図13Cに示した一例では、乳房の厚みが「通常」の場合の第2圧迫力N2を記憶部42に予め記憶された上述の基準値の100%、すなわち基準値とし、乳房の厚みが通常より「厚い」場合の第2圧迫力N2を基準値の115%とし、乳房の厚みが通常より「薄い」場合の第2圧迫力N2を基準値の85%としている。
【0109】
なお、乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報は、図13A〜13Cに例示したものに限定されないことはいうまでもない。例えば、図13A〜13Cに例示したものでは、乳房の厚みを3段階に分類しているが、これに限らず、乳房の厚みを2段階に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。
【0110】
このように、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、上述したように、第2圧迫力N2を乳房の厚みに応じた圧迫力としている。そのため、図14に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、第2圧迫力N2の取得(導出)に関する処理が、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0111】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS102の処理に代わりステップS102Aの処理を含み、ステップS114の処理に代わりステップS114Aの処理を含む点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0112】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、第2圧迫力N2は、乳房の種類に応じて制御部40が導出するため、第1圧迫力N1のみユーザによる設定が可能である。そのため、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS108〜S112の処理を含まない点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0113】
ステップS102Aで制御部40は、第1圧迫力N1のみを取得する。
【0114】
また、本実施形態の撮影処理では、ステップS106の処理で制御部40は、ユーザによって設定された圧迫力として第1圧迫力N1を取得することになる。第1圧迫力N1を取得した後、ステップS114Aへ移行し、ステップS114Aで制御部40は、第1圧迫力N1を目標値として移動部30に設定する。
【0115】
さらに、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、ステップS122の処理とステップS124の処理との間に、ステップS123A及びステップS123Bの処理を含む点で第1実施形態の撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0116】
ステップS123Aで制御部40は、移動量検出部31の検出結果に基づいて被検者の乳房の厚みを特定する。ここで、制御部40は、移動量検出部31の検出結果として初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置までの圧迫板28の移動量を取得する。そこで、本実施形態では、初期位置と撮影面27との間の間隔(以下、「初期間隔」という)を予め得ておき、取得した移動量を初期間隔から減算することにより、乳房の厚みを算出する。制御部40は、算出した厚みが、上述した「厚い」、「通常」、及び「薄い」とした分類のいずれに該当するかによって、乳房の厚みを特定する。これにより、第1圧迫力N1まで圧迫した場合の乳房の厚みが特定される。
【0117】
次のステップS123Bで制御部40は、特定した乳房の厚みと、乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Aとに基づいて第2圧迫力N2を導出する。
【0118】
なお、乳房の厚みを特定する方法は、上記の方法に限定されないことはいうまでもない。例えば、ポテンショメータにより検出した圧迫板28の位置により乳房の厚みを特定してもよい。また例えば、光学カメラにより撮影された、圧迫された状態の乳房の側面の画像等を用いて乳房の厚みを特定してもよい。また例えば、圧迫板28の四隅等に設けた赤外線センサ等のセンサにより、圧迫板28と撮影面27との間隔を検出し、検出した間隔に基づいて乳房の厚みを特定してもよい。
[第3実施形態]
本実施形態では、乳房の種類として乳房のカップに応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。
【0119】
図15に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、第2実施形態のマンモグラフィ装置12と同様に、記憶部42に乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43が予め記憶されている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0120】
一般的に乳房のカップと乳房の大きさとは関連しており、乳房のカップが大きいほど、乳房は大きい。なお、乳房のカップとは、日本においては、トップバストとアンダーバストとの差のことをいう。
【0121】
上述したように、乳房が大きいほど、乳房から圧迫板28への反力が大きくなり、乳房が潰れにくくなる。そのため、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房のカップが大きいほど第2圧迫力N2を高くすることにより、より適切に乳房を圧迫することができる。
【0122】
本実施形態のマンモグラフィ装置12で乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43として用いる、図16に例示した、乳房のカップと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Bでは、乳房のカップと第2圧迫力N2そのものとの対応関係が表されている。図16に示した一例では、乳房のカップが「AまたはB」の場合、すなわち、比較的カップが小さい場合の第2圧迫力N2を50Nとし、乳房の厚みが「CまたはD」の場合の第2圧迫力N2を60Nとし、乳房の厚みが「E以上」の場合、すなわち、比較的カップが大きい場合の第2圧迫力N2を70Nとしている。
【0123】
なお、乳房のカップと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Bは、図16に例示したものに限定されないことはいうまでもない。例えば、上記第2実施形態において、図13Bを参照して説明したように、乳房のカップと基準値との差分との対応関係を表すものであってもよいし、図13Cを参照して説明したように、乳房のカップと基準値に対する割合との対応関係を表すものであってもよい。また例えば、乳房のカップを、2段階に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。
【0124】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、上述したように、第2圧迫力N2を乳房のカップに応じた圧迫力としている。そのため、図17に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、第2圧迫力N2の取得(導出)に関する処理が、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0125】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS102の処理に代わりステップS102Aの処理を含み、ステップS114の処理の前にステップS113A〜S113Cの処理を含み、またステップS108〜S112の処理を含まない点で第1実施形態の撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0126】
ステップS102Aで制御部40は、第2実施形態の撮影処理と同様に第1圧迫力N1のみを取得する。
【0127】
また、ステップS113Aで制御部40は、図18に一例を示したカップ設定画面72を操作パネル46に表示させる。ユーザは、操作パネル46に含まれるボタンを用いて、乳房のカップを設定する。
【0128】
次のステップS113Bで制御部40は、ユーザが操作パネル46により設定した乳房のカップを取得する。
【0129】
そして次のステップS113Cで制御部40は、乳房のカップと、乳房のカップと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Bとに基づいて第2圧迫力N2を導出する。
【0130】
なお、本実施形態では、マンモグラフィ装置12が、ユーザが操作パネル46から設定した乳房のカップを取得する場合を説明したが、乳房のカップを取得する方法はこれに限定されない。例えば、撮影メニューに乳房のカップの情報が含まれている場合は、撮影メニューから取得してもよい。
【0131】
また、例えば、マンモグラフィ装置12の制御部40が乳房のカップを導出してもよい。例えば、上述したように、乳房のカップがトップバストとアンダーバストとの差である場合、撮影台26の上にポジショニングした状態における被検者の胸壁から乳頭までの距離と、乳房のカップとには対応関係があるといえる。そのため、予め実験等により被検者の胸壁から乳頭までの距離と、乳房のカップとの対応関係を得ておき、撮影台26の上における被検者の胸壁から乳頭までの距離を検出し、検出した距離と、上記対応関係とに基づいて、制御部40が乳房のカップを導出してもよい。ここで、撮影台26の上における被検者の胸壁から乳頭までの距離の検出方法は特に限定されない。例えば、制御部40が、後述する第4実施形態と同様にプレ画像を取得し、取得したプレ画像に対して画像解析を行って検出した乳頭の位置に基づいて、被検者の胸壁から乳頭までの距離を検出してもよい。
[第4実施形態]
本実施形態では、乳房の種類として乳房の大きさに応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。なお、本実施形態では、制御部40が、乳房を撮影した放射線画像から乳房の大きさを特定する場合について説明する。
【0132】
図19に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム10は、画像保存システム18を備えている点で、第1実施形態の放射線画像撮影システム10(図4参照)と異なっている。
【0133】
画像保存システム18は、マンモグラフィ装置12で撮影された放射線画像を、コンソール16の指示に応じて保存すると共に、コンソール16からの要求に応じた放射線画像を取り出して、コンソール16に送信する機能を有するものである。画像保存システム18の具体例としては、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)がある。
【0134】
画像保存システム18は、制御部80と、記憶部82と、I/F部84と、を備えている。制御部80、記憶部82、及びI/F部84は、システムバスやコントロールバス等のバス87を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0135】
制御部80は、画像保存システム18の動作全体を制御する機能を有している。制御部80は、CPU80A、ROM80B、及びRAM80Cを備えている。ROM80Bには、CPU80Aで実行される各種の処理プログラム等が予め記憶されている。RAM80Cは、各種データを一時的に記憶する機能を有している。
【0136】
記憶部82は、コンソール16から受信した放射線画像を撮影メニューや、被検者に関する情報等と関連付けて記憶する、いわゆるデータベースである。
【0137】
I/F部84は、無線通信または有線通信により、コンソール16との間で各種情報の通信を行う機能を有している。
【0138】
また、図19に示したように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、画像解析部32を備えている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0139】
画像解析部32は、乳房を撮影した放射線画像から乳房の大きさを特定する機能を有する。なお、本実施形態において画像解析部32が特定する乳房の大きさとは、具体的な数値で与えられる大きさではなく、「大きい」、「通常」、及び「小さい」等、乳房の大きさの分類のことをいう。
【0140】
本実施形態では、以前に撮影対象の乳房を撮影した放射線画像(以下、「過去画像」という)が有る場合、過去画像から乳房の大きさを特定する。また、過去画像が無い場合、第1圧迫力N1による圧迫を継続している期間に放射線源24から放射線Rをプレ照射させて撮影した放射線画像(以下、「プレ画像」とい)から乳房の大きさを特定する。そのため、画像解析部32は、過去画像またはプレ画像に対して、画像解析を行う。なお、過去画像及びプレ画像を総称する場合は、放射線画像という。
【0141】
画像解析部32が画像解析により乳房の大きさを特定する方法は特に限定されない。例えば、放射線画像の画素の画素値に基づいて、乳房が写る領域と、乳房が写っていない領域(いわゆる、素抜け領域)とを分離する技術が特開2010−253245号公報等に記載されている。当該技術により得られた乳房が写る領域の面積に基づいて乳房の大きさを特定してもよい。
【0142】
また、図19に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、第2実施形態のマンモグラフィ装置12と同様に、記憶部42に乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43が予め記憶されている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0143】
上述したように、乳房が大きいほど、乳房から圧迫板28への反力が大きくなり、乳房が潰れにくくなる。そのため、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房が大きいほど第2圧迫力N2を高くすることにより、より適切に乳房を圧迫することができる。
【0144】
本実施形態のマンモグラフィ装置12では、記憶部42に乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43として、図20に例示した、乳房の大きさと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Cでは、乳房の大きさと第2圧迫力N2そのものとの対応関係が表されている。図20に示した一例では、乳房の大きさが通常より大きい「大きい」場合の第2圧迫力N2を70Nとし、乳房の大きさが「通常」の場合の第2圧迫力N2を60Nとし、乳房の大きさが通常より小さい「小さい」場合の第2圧迫力N2を50Nとしている。
【0145】
なお、乳房の大きさと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Cは、図20に例示したものに限定されないことはいうまでもない。例えば、上記第2実施形態において、図13Bを参照して説明したように、乳房の大きさと基準値との差分との対応関係を表すものであってもよいし、図13Cを参照して説明したように、乳房の大きさと基準値に対する割合との対応関係を表すものであってもよい。また例えば、乳房の大きさを、2段階に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。
【0146】
また、本実施形態では、放射線画像撮影システム10のコンソール16は、過去画像があるか否かを画像保存システム18に問い合わせ、過去画像がある場合は、画像保存システム18から過去画像を取得し、撮影の開始指示、撮影メニュー、及び過去画像をマンモグラフィ装置12に送信する。
【0147】
本実施形態のマンモグラフィ装置12では、上述したように、第2圧迫力N2を乳房の大きさに応じた圧迫力としている。そのため、図21に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、第2圧迫力N2の取得(導出)に関する処理が、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0148】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS102の処理に代わりステップS102Aの処理を含み、ステップS102A及びステップS106の処理の後にステップS107A及びステップS107Bの処理を含む点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。さらに、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS114の処理の代わりにステップS114Aの処理を含み、またステップS108〜S112の処理を含まない点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0149】
ステップS102Aで制御部40は、第2実施形態の撮影処理と同様に第1圧迫力N1のみを取得する。
【0150】
また、ステップS107Aで制御部40は、過去画像が有るか否かを判定する。コンソール16から過去画像を受信しなかった場合、否定判定となりステップS114Aへ移行する。一方、過去画像を受信した場合、肯定判定となりステップS107Bへ移行する。
【0151】
ステップS107Bで制御部40は、画像解析部32により、過去画像から乳房の大きさを特定する。
【0152】
次のステップS114Aで制御部40は、第2実施形態の撮影処理と同様に第1圧迫力N1を目標値として移動部30に設定する。
【0153】
また、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、ステップS122の処理とステップS124の処理との間に、ステップS123C〜123Fの処理を含む点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0154】
ステップS123Cで制御部40は、乳房の大きさが特定済みであるか否かを判定する。乳房の大きさが特定済みである場合、具体的には、上記ステップS107Aで肯定判定となりステップS107Bの処理を実行した場合、本ステップにおいて肯定判定となりステップS123Fへ移行する。一方、乳房の大きさが特定済みではない場合、具体的には、上記ステップS107Aで否定判定となった場合、本ステップにおいて否定判定となりステップS123Dへ移行する。
【0155】
ステップS123Dで制御部40は、放射線源24から放射線Rを照射させることにより、プレ照射を行い、プレ画像を取得する。プレ照射を行うタイミングは、ステップS132において放射線Rを照射させるタイミングと同様に、ユーザにより行われた照射開始の指示に応じたタイミングである。なお、プレ照射において照射される放射線Rの線量は、画像解析部32が乳房の大きさを特定できる程度の画質が得られる線量であればよく、ステップS132において放射線画像を撮影する場合に照射される放射線Rの線量よりも少ない。
【0156】
本ステップにより、第1圧迫力N1で圧迫された状態の乳房に対して放射線Rが照射され、放射線検出器22により検出された放射線Rに基づいて生成されたプレ画像が取得される。
【0157】
次のステップS123Eで制御部40は、画像解析部32により、プレ画像から乳房の大きさを特定する。
【0158】
次のステップS123Fで制御部40は、乳房の大きさと、乳房の大きさと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Cとに基づいて第2圧迫力N2を導出する。
【0159】
なお、乳房の大きさを特定する方法は、本実施形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、乳房を撮影した放射線画像以外の画像から乳房の大きさを特定してもよい。この場合、例えば、放射線源24付近等に光学カメラを設け、この光学カメラにより撮影された画像から画像解析部32が上述と同様に画像解析を行い、乳房の大きさを特定してもよい。
[第5実施形態]
本実施形態では、乳房の種類として乳腺密度に応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。なお、本実施形態では、制御部40が、乳房を撮影した放射線画像から乳腺密度の大きさを特定する場合について説明する。
【0160】
なお、本実施形態の放射線画像撮影システム10の構成は、第4実施形態の放射線画像撮影システム10(図19参照)と以下の点が異なる他は同様である。
【0161】
本実施形態の画像解析部32は、乳房を撮影した放射線画像から乳腺密度を特定する機能を有する。なお、本実施形態において画像解析部32が特定する乳腺密度とは、具体的な数値で与えられるものはなく、「高い」、「通常」、及び「低い」等、乳腺密度の分類のことをいう。
【0162】
本実施形態では、上述した第4実施形態と同様に、過去画像が有る場合、過去画像から乳腺密度を特定し、過去画像が無い場合、プレ画像から乳腺密度を特定する。
【0163】
画像解析部32が画像解析により乳腺密度を特定する方法は特に限定されない。例えば、上述した特開2010−253245号公報に記載されている、放射線画像と放射線画像から推定された脂肪画像とに基づいて乳腺含有率を推定する技術を適用してもよい。
【0164】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置12の記憶部42には、乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43として、図22に例示した、乳腺密度と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Dが記憶されている。図22に例示した、乳腺密度と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Dでは、乳腺密度と第2圧迫力N2そのものとの対応関係が表されている。
【0165】
乳腺密度が高いほど、乳房から圧迫板28への反力が大きくなり、乳房が潰れにくくなる。そのため、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳腺密度が高いほど第2圧迫力N2を高くすることにより、より適切に乳房を圧迫することができる。図22に示した乳腺密度と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Dの一例では、乳腺密度が通常より「高い」場合の第2圧迫力N2を70Nとし、乳腺密度が「通常」の場合の第2圧迫力N2を60Nとし、乳腺密度が通常より「低い」場合の第2圧迫力N2を50Nとしている。
【0166】
なお、乳腺密度と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Dは、図22に例示したものに限定されないことはいうまでもない。例えば、上記第2実施形態において、図13Bを参照して説明したように、乳腺密度と基準値との差分との対応関係を表すものであってもよいし、図13Cを参照して説明したように、乳腺密度と基準値に対する割合との対応関係を表すものであってもよい。また例えば、乳腺密度を、2段階に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。
【0167】
なお、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、第4実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図21参照)における乳房の大きさに代えて乳腺密度を適用する他は、同様の処理である。
【0168】
すなわち図23に示すように、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第4実施形態の制御部40で実行される撮影処理のステップS107B、ステップS123E、及びステップS123Fの各処理に代わりに、ステップS107Bx、ステップS123Ex、及びステップS123Fxの各処理を含む。
【0169】
ステップS107Bxで制御部40は、画像解析部32により、過去画像から乳腺密度を特定する。
【0170】
また、ステップS123Exで制御部40は、画像解析部32により、プレ画像から乳腺密度を特定する。
【0171】
次のステップS123Fxで制御部40は、乳腺密度と、乳腺密度と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Dとに基づいて第2圧迫力N2を導出する。
【0172】
なお、乳腺密度を特定する方法は、本実施形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、画像解析部32が、Volpara(登録商標)等の乳腺密度の3次元評価ソフトウエアを実行することにより、乳腺密度を特定してもよい。また例えば、特開2012−135444号公報に記載されている、放射線画像の画素値に基づいて、所定の領域に対する白く表示される領域の割合を乳腺密度として検出する技術を適用して乳腺密度を特定してもよい。
【0173】
[第6実施形態]
本実施形態では、乳房の種類として乳房の硬さに応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。
【0174】
なお、本実施形態の放射線画像撮影システム10の構成は、第1実施形態の放射線画像撮影システム10(図4参照)と以下の点が異なる他は同様である。
【0175】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置12の記憶部42には、第2実施形態のマンモグラフィ装置12の記憶部42(図12参照)と同様に、乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43が記憶されている。
【0176】
一般的に乳房の硬さが硬いほど、圧迫された場合に被検者が感じる痛みが増加する傾向がある。そのため、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房の硬さが硬いほど第2圧迫力N2を低くすることにより、より適切に被検者の痛みを効果的に緩和することができる。
【0177】
本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43として、図24に例示した、乳房の硬さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Eが記憶部42に記憶されている。
【0178】
図24に示した乳房の硬さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Eの一例では、乳房の硬さが通常よりも「柔らかい」場合の第2圧迫力N2を70Nとし、乳房の硬さが「通常」の場合の第2圧迫力N2を60Nとし、乳房の硬さが通常よりも「硬い」場合の第2圧迫力N2を50Nとしている。
【0179】
なお、乳房の硬さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Eは、図24に例示したものに限定されないことはいうまでもない。例えば、上記第2実施形態において、図13Bを参照して説明したように、乳房の硬さと基準値との差分との対応関係を表すものであってもよいし、図13Cを参照して説明したように、乳房の硬さと基準値に対する割合との対応関係を表すものであってもよい。また例えば、乳房の硬さを、2段階に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。
【0180】
なお、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、第2施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図14参照)における乳房の厚みに代えて乳房の硬さを適用する他は、同様の処理である。
【0181】
すなわち、図25に示すように、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第2実施形態の制御部40で実行される撮影処理のステップS123A及びステップS123Bの各処理に代わりに、ステップS123Ax及びステップS123Bxの各処理を含む。
【0182】
ステップS123Axで制御部40は、乳房の硬さを特定する。一般的に、乳房が硬いほど、単位時間当たりの圧迫力の変化量が小さくなる。そのため、制御部40は、初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置までの圧迫板28の移動における、圧迫力の時間変化(圧迫力/時間)を算出し、算出結果に基づいて乳房の硬さを特定する。本実施形態では、算出した時間変化が、上述した「柔らかい」、「通常」、及び「硬い」とした分類のいずれに該当するかによって、乳房の硬さを特定する
次のステップS123Bxで制御部40は、乳房の硬さと、乳房の硬さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Eとに基づいて第2圧迫力N2を導出する。
【0183】
なお、乳房の硬さを特定する方法は、本実施形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、一般的に、単位時間当たりの圧迫力の変化量を一定とした場合、乳房が硬いほど単位時間当たりの圧迫板28の移動量が小さくなる。そのため、第2実施形態のマンモグラフィ装置12と同様に、移動量検出部31を備え、制御部40が、単位時間当たりの圧迫力の変化量を一定として第1圧迫力N1に応じた位置まで圧迫板28を移動させた結果に基づいて算出した単位時間当たりの移動量に基づいて乳房の硬さを特定してもよい。
[第7実施形態]
本実施形態では、乳房の種類として乳房の重さに応じた第2圧迫力N2により乳房を圧迫する場合について説明する。
【0184】
図26に示したように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、重さ検出部33を備えている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0185】
重さ検出部33は、乳房の重さを検出する機能を有する。乳房の重さを検出する方法は特に限定されない、例えば、重さ検出部33を歪ゲージ等の重量センサとし、撮影台26に備えることにより、撮影台26の撮影面27上にポジショニングされた乳房の重さを検出してもよい。
【0186】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置12の記憶部42には、乳房の種類と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43として、図27に例示した、乳房の重さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Fが記憶されている。図27に例示した、乳房の重さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Fでは、乳房の重さと第2圧迫力N2そのものとの対応関係が表されている。
【0187】
一般的に乳房の重さと乳房の大きさとは関連しており、乳房が重いほど、乳房の大きさは大きい。上述したように、乳房が大きいほど、乳房から圧迫板28への反力が大きくなり、乳房が潰れにくくなる。そのため、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、乳房が重いほど第2圧迫力N2を高くすることにより、より適切に乳房を圧迫することができる。
【0188】
図27に示した一例では、乳房の重さが通常より重い「重い」場合の第2圧迫力N2を70Nとし、乳房の重さが「通常」の場合の第2圧迫力N2を60Nとし、乳房の重さが通常より軽い「軽い」場合の第2圧迫力N2を50Nとしている。
【0189】
なお、乳房の重さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Fは、図27に例示したものに限定されないことはいうまでもない。例えば、上記第2実施形態において、図13Bを参照して説明したように、乳房の重さと基準値との差分との対応関係を表すものであってもよいし、図13Cを参照して説明したように、乳房の重さと基準値に対する割合との対応関係を表すものであってもよい。また例えば、乳房の重さを、2段階に分類してもよいし、4段階以上に分類してもよい。
【0190】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置12では、上述したように、第2圧迫力N2を乳房の重さに応じた圧迫力としている。そのため、図28に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、第2圧迫力N2の取得(導出)に関する処理について、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0191】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS102の処理に代わりステップS102Aの処理を含み、ステップS114の処理の前にステップS113D及びステップS113Eの処理を含み、またステップS108〜S112の処理を含まない点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0192】
ステップS102Aで制御部40は、第2実施形態の撮影処理と同様に第1圧迫力N1のみを取得する。
【0193】
また、ステップS113Dで制御部40は、重さ検出部33の検出結果に基づいて、乳房の重さを特定する。本実施形態では、検出結果が、上述した「重い」、「通常」、及び「軽い」とした分類のいずれに該当するかによって、乳房の重さを特定する。
【0194】
次のステップS113Eで制御部40は、乳房の重さと、乳房の重さと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43Fとに基づいて第2圧迫力N2を導出する。
【0195】
なお、乳房の重さを特定する方法は、本実施形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、ユーザが操作パネル46から乳房の重さを設定してもよい。
[第8実施形態]
上記第1〜第7実施形態では、圧迫板28を第1圧迫力N1に応じた位置まで圧迫方向に移動させた後、第1圧迫力N1による圧迫を継続する時間が所定の継続時間に達したか否かに応じて、圧迫解除方向に移動を開始する場合について説明したが、圧迫解除方向に移動を開始するタイミングはこれに限らない。
【0196】
例えば、マンモグラフィ装置12の制御部40は、ユーザにより、マンモグラフィ装置12の操作パネル46やコンソール16の操作部62等の移動指示操作部を介して行われた移動指示に基づいて、圧迫解除方向に圧迫板28の移動を開始させてもよい。
【0197】
この場合、図29に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、圧迫方向へ圧迫板28の移動を開始させた後の処理について、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0198】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS126の処理の前にステップS125A及びステップS125Bの処理を含む点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0199】
図29に示すように、ステップS120で否定判定となった場合、ステップS125Aに移行する。そして、ステップS125Aで制御部40は、ユーザから上述の移動開始の指示が入力されたか否かを判定する。移動開始の指示が入力されない場合、否定判定となりステップS120に戻る。
【0200】
例えば、被検者の痛みが強い場合等、圧迫解除方向へ圧迫板28を移動させたい場合等は、乳房を圧迫する圧迫力が第1圧迫力N1に達する前であっても圧迫解除方向への移動開始の指示が行われる場合がある。この場合、移動開始の指示が入力されるため、ステップS125Aで肯定判定となり、ステップS126へ移行して、圧迫解除方向へ圧迫板28の移動を開始する。
【0201】
一方、ステップS120で肯定判定となった場合、ステップ122へ移行して圧迫板28の移動を停止した後、ステップS125Bへ移行する。
【0202】
ステップS125Bで制御部40は、ユーザから上述の移動開始の指示が入力されたか否かを判定する。移動開始の指示が入力されない場合、否定判定となり待機状態となる。一方、移動開始の指示が入力された場合、肯定判定となりステップS126へ移行して、圧迫解除方向へ圧迫板28の移動を開始する。
【0203】
また、圧迫解除方向に圧迫板28の移動を開始させるタイミングの他の例としては、例えば、マンモグラフィ装置12の制御部40は、圧迫力検出センサ39で検出した圧迫力が第1圧迫力N1に達した場合に、圧迫解除方向に圧迫板28の移動を開始させてもよい。すなわち、制御部40は、上記図7に示した第1圧迫力N1により乳房の圧迫を継続する継続時間を0とした制御を行ってもよい。
【0204】
この場合、図30に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、ステップS120で肯定判定された場合に、ステップS122及びステップS124の処理を省略してステップS126へ移行して、圧迫解除方向へ圧迫板28の移動を開始すればよい。
【0205】
このように、制御部40が、初期位置から圧迫方向に移動させた圧迫板28を、停止させるタイミングや圧迫解除方向に移動を開始させるタイミングは、これに限らない。例えば、乳房をある程度まで圧迫すると、圧迫力の変化量が少なくなり、乳房の厚みの変化が少なくなる状態に至る。そのため、制御部40が、第1実施形態のマンモグラフィ装置12が備えている圧迫力検出センサ39の検出結果に基づいて、初期位置から移動を開始した圧迫板28により乳房を圧迫した圧迫力の変化量を導出し、圧迫力の変化量が予め定めた変化量(例えば、10N/mm)よりも下回った場合に、圧迫板28の移動を停止させてもよい。
[第9実施形態]
上記各実施形態では、マンモグラフィ装置12が第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2で乳房を圧迫する場合(2段階圧迫)について説明したが、2段階圧迫と、第1圧迫力N1のみで乳房を圧迫する場合(1段階圧迫)とが切り替え可能であってもよい。
【0206】
例えば、圧迫板28には、用途や乳房の種類に応じて様々な種類があるが、圧迫板28の種類によっては、1段階圧迫を行うことが好ましい場合がある。例えば、乳房の大きさに比して小さな圧迫板である、スポット撮影に用いられるスポット圧迫板を用いる場合は、1段階圧迫を行うことが好ましい。
【0207】
そのため、本実施形態では、マンモグラフィ装置12の制御部40が圧迫板28の種類に応じて2段階圧迫を禁止する場合について説明する。
【0208】
図31に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、圧迫板の種類を識別するための識別情報28Bが圧迫板28に設けられており、識別情報28Bを読み取る識別センサ35を備えている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。なお、この場合の記憶部42が本発明の禁止情報記憶部に対応し、2段階圧迫禁止情報41が本発明の禁止情報に対応する。
【0209】
また、図32に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12は、保持部29に圧迫板28を取り付けるための連結部36を備えている。圧迫板28の取付部28Aが、連結部36に取り付けられことにより、圧迫板28とボールネジ37(図3参照)が連結され、移動部30による圧迫板28の移動が可能になる。図32に示すように、識別情報28Bは、圧迫板28の取付部28Aに設けられており、識別センサ35は、連結部36に設けられている。
【0210】
識別情報28B及び識別センサ35は特に限定されない。例えば、取付部28Aに複数のピンを2次元状に設け、このピンの配置を識別情報28Bとして用いてもよい。この場合、識別センサ35は、ピンの配置の検知が可能なセンサであればよい。また例えば、識別情報28Bは、圧迫板の種類に応じた検出用のマーカであってもよい。この場合、識別センサ35は、検出用のマーカの各ビットを検出可能なフォトインタラプタ等のセンサであればよい。
【0211】
また、図31に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の記憶部42には、2段階圧迫を禁止する圧迫板の種類を表す識別情報として2段階圧迫禁止情報41が記憶されている点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12(図4参照)と異なっている。
【0212】
また、図33に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、識別した圧迫板28の種類に応じて、2段階圧迫を禁止する処理を行う点で、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0213】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、撮影処理を開始するとステップS80〜S98の処理を実行する点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0214】
撮影処理を開始するとまず、ステップS80で制御部40は、識別センサ35に、圧迫板28の識別情報を読み取らせる。
【0215】
次のステップS82で制御部40は、2段階圧迫が許可されているか否かを判定する。本実施形態では、読み取った識別情報が、記憶部42に記憶されている2段階圧迫禁止情報41に含まれていない場合、2段階圧迫が許可されているため、肯定判定となり、第1実施形態の撮影処理と同様に、ステップS100〜S114の処理を実行した後、ステップS116へ移行する。
【0216】
一方、読み取った識別情報が、記憶部42に記憶されている2段階圧迫禁止情報41に含まれている場合、2段階圧迫が禁止されているため、否定判定となり、ステップS90へ移行する。
【0217】
ステップS90〜S98の処理は、2段階圧迫が禁止されているため、第1圧迫力N1のみユーザによる設定が可能である以外は、ステップS100〜S114と類似した処理を行う。
【0218】
具体的には、ステップS90で制御部40は、ユーザにより圧迫力の設定が行われるか否かを判定する。所定時間(本実施形態では、10秒)経過しても操作パネル46から圧迫力の設定の指示を受け付けなかった場合、否定判定となり、ステップS92へ移行する。
【0219】
ステップS92で制御部40は、予め定められた第1圧迫力N1を取得した後、ステップS98へ移行する。
【0220】
一方、ステップS90において操作パネル46から圧迫力の設定の指示を受け付けた場合、肯定判定となり、ステップS94へ移行する。ステップS94で制御部40は、圧迫力設定画面(図示省略)を操作パネル46に表示させる。
【0221】
次のステップS96で制御部40は、ユーザが操作パネル46により設定した第1圧迫力N1を取得し、次のステップS98で制御部40は、第1圧迫力N1を目標値として移動部30に設定した後、ステップS116へ移行する。
【0222】
また、図33に示すように、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS122の処理とステップS124の処理との間にステップS123Gの処理を実行する点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0223】
ステップS123Gで制御部40は、2段階圧迫が許可されているか否かを判定する。なお、本ステップにおける判定方法は特に限定されない。例えば、上述したステップS82と同様に、識別情報28Bと、2段階圧迫禁止情報41とに基づいて判定を行ってもよいし、上述したステップS82の判定結果を記憶しておいて、本ステップの判定に用いてもよい。また、移動部30に目標値として設定されている圧迫力が第1圧迫力N1のみの場合は、2段階圧迫が禁止されていると判定してもよい。
【0224】
2段階圧迫が禁止されていない場合は肯定判定となり、ステップS124へ移行する。一方、2段階圧迫が禁止されている場合は否定判定となり、ステップS132へ移行する。この場合、ステップS132で制御部40は、第1圧迫力N1で圧迫板28により乳房を圧迫した状態で、放射線源24から放射線Rを照射させ、放射線画像の取得を行う。
【0225】
なお、2段階圧迫及び1段階圧迫のいずれを行うかについては、本実施形態に限らず、ユーザの指示等に応じて行ってもよい。
【0226】
また、2段階圧迫を行う場合はユーザや被検者が驚かないように、2段階圧迫を行う旨を表示することが好ましい。また、2段階圧迫を行った旨や、放射線Rを照射させた際の圧迫力を、取得した放射線画像の画像データと対応づけて記憶させておくことが好ましい。
[第10実施形態]
制御部40が移動部30により圧迫板28を移動させる移動速度は、上記第1〜第9実施形態で説明した一例に限定されない。
【0227】
例えば、上記第1〜第9実施形態では、初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置まで圧迫板28を移動させる移動速度を第1移動速度とした場合について説明したが、この期間における圧迫板28の移動速度を変化させてもよい。例えば、乳房と圧迫板28との接触状態に応じて、移動速度を変化させてもよいため、この場合の一例について説明する。
【0228】
乳房と圧迫板28とが接触するまでは乳房が圧迫されることによる被検者の痛みを考慮することなく圧迫板28を移動させることが可能である。そのため、本実施形態では、図34に示すように、乳房と圧迫板28とが接触するまで、または接触してから被検者の苦痛が大きくないと推定される圧迫力が加わるまでの移動速度を、圧迫板28が乳房と接触、または上記推定される圧迫力が加わってから第1圧迫力N1に達するまでの移動速度よりも速くする。図34に示した一例では、制御部40は、時刻t0で圧迫板28と乳房とが接触し、圧迫力が増加して、第3圧迫力N3に達するまで、第3移動速度S3で圧迫板28を移動させる。そして制御部40は、圧迫力が第3圧迫力N3に達した時刻txから時刻t1まで上記第1〜第9実施形態と同様に第1移動速度S1で圧迫板28を移動させる。
【0229】
本実施形態における第1移動速度S1及び第3移動速度S3は、第1実施形態において第1移動速度S1として好ましいとして挙げた1mm/s〜50mm/sの範囲内であることが好ましい。第3移動速度S3は、第1移動速度S1よりも速ければよいが、1mm/s〜50mm/sの範囲内であることが好ましく、40mm/sがより好ましい。一方、第1移動速度S1は、第3移動速度S3よりも遅ければよいが、1mm/s〜30mm/sの範囲内であることが好ましく、10mm/sがより好ましい。
【0230】
また、第3圧迫力N3は、実験等により得られた被検者の痛みの程度等を考慮して定めればよく、特に限定されない。例えば、0Nであってもよいが、検出誤差などを考慮すると、0Nよりも大きいことが好ましく、例えば、30Nが好ましい。なお、本実施形態では、第3圧迫力N3を移動部30に予め設定しておくが、第1圧迫力N1または第2圧迫力N2や乳房の種類に応じて、制御部40が第3圧迫力N3を導出して移動部30に設定してもよい。
【0231】
そのため、図35に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理は、乳房を圧迫してから第1圧迫力N1に達するまでの処理について、第1実施形態のマンモグラフィ装置12の制御部40で実行される撮影処理(図9参照)と異なっている。
【0232】
すなわち、本実施形態の制御部40で実行される撮影処理は、第1実施形態に係るステップS118の処理に代わりステップS118Aの処理を含み、ステップS120の処理の前にステップS119A及びステップS119Bの処理を含む点で第1実施形態の撮影処理と異なっている。
【0233】
ステップS116で肯定判定となった場合、次のステップS118Aで制御部40は、移動部30により、第3移動速度S3で初期位置から圧迫方向へ圧迫板28の移動を開始させる。
【0234】
そして次のステップS119Aで制御部40は、圧迫力検出センサ39の検出結果と移動部30に設定されている第3圧迫力N3とを比較し、圧迫力が第3圧迫力N3に達したか否かを判定する。圧迫力が第3圧迫力N3に達していない場合、否定判定となり待機状態になる。一方、圧迫力が第3圧迫力N3に達した場合、肯定判定となりステップS119Bへ移行する。
【0235】
ステップS119Bで制御部40は、移動部30により圧迫板28を移動させる移動速度を第1移動速度S1に減速する。
【0236】
このように、初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置まで圧迫板28を移動させる場合に、第3移動速度S3で移動を開始し、第3圧迫力N3に達したら第1移動速度S1に減速することにより、撮影全体の時間を短縮することができると共に、乳房を圧迫しすぎてしまうことを抑制することができる。
【0237】
なお、上述した例では、圧迫板28の移動速度を第3移動速度S3から第1移動速度S1に減速するタイミングについて、圧迫力検出センサ39で検出した圧迫力が第3圧迫力N3に達したタイミングとする場合について説明したが、移動速度を減速するタイミングはこれに限定されない。例えば、圧迫板28に接触センサ、圧力センサ、ロードセル等の圧迫力センサ等を設け、これらのセンサにより、乳房による圧迫板28への反力を検出した検出結果に基づいたタイミングとしてもよい。また例えば、乳房の圧迫を開始すると圧迫板28は、被検者の胸壁側から乳頭に向けて傾くため、ジャイロセンサやポテンショメータを設け、これらのセンサにより、圧迫板28の傾きを検出した検出結果に基づいたタイミングとしてもよい。また例えば、光学カメラを設け、光学カメラにより撮影された乳房の側面の画像から乳房と圧迫板28とが接触したことを検出したタイミングとしてもよい。
【0238】
また、初期位置から第1圧迫力N1に応じた位置まで圧迫板28を移動させる移動速度は、上記の場合に限らない。例えば、上記第1〜第7実施形態では、第2圧迫力N2からのずれを抑制する等の観点から第2移動速度S2が第1移動速度S1よりも遅い場合について説明したが、撮影全体の時間、特に乳房が圧迫されている時間を短くする観点からは、図36に示すように、第2移動速度S2を第1移動速度S1よりも速くしてもよい。
【0239】
また例えば、乳房の種類に応じてマンモグラフィ装置12の制御部40が、第2移動速度S2を導出してもよい。例えば、乳房が厚い場合、薄い場合に比べて上述したように反力が大きくなるため、圧迫を解放された乳房の厚みが戻りやすい。そのため、乳房が厚いほど、第2移動速度S2を遅くすることが好ましい。乳房の厚みに応じて制御部40が第2移動速度S2を導出する場合、第2実施形態において用いた乳房の厚みと第2圧迫力N2との対応関係を表す情報43A1の代わりに、図37に示すように、乳房の厚みと第2圧迫力N2と第2移動速度S2との対応関係を表す情報43A4を用いればよい。
【0240】
そして、制御部40が実行する撮影処理では、図38に示すように、第2実施形態の撮影処理(図14参照)のステップS123Bの処理に代えて、ステップS123BBの処理を実行する。ステップS123BBで制御部40は、乳房の厚みに基づいて、第2圧迫力N2及び第2移動速度S2を導出する。具体的には、制御部40は、上記ステップS123Aで特定した乳房の厚みと、乳房の厚みと第2圧迫力N2と第2移動速度S2との対応関係を表す情報43A4とを用いて第2圧迫力及び第2移動速度S2を導出する。これによりステップS126で制御部40は、本ステップにおいて導出された第2移動速度S2で圧迫解除方向へ圧迫板28の移動を開始させる。
【0241】
なお、乳房の種類に応じて第2移動速度S2を導出する場合、上記乳房の厚みと同様に、乳房のカップや大きさ等に応じて第2移動速度S2を導出してもよいことはいうまでもない。例えば、カップが「AB」の場合は、第2移動速度S2を遅くし、カップが「E以上」の場合は、第2移動速度S2を速くしてもよい。また例えば、乳房の大きさが通常より「小さい」場合は、第2移動速度S2を遅くし、乳房の大きさが通常より「大きい」場合は、第2移動速度S2を速くしてもよい。
【0242】
また、乳房を第1圧迫力N1に応じた位置まで移動させる間に、第1実施形態の圧迫力検出センサ39等により、乳房からの反力を検出し、検出した反力の大きさに応じて制御部40が、第2移動速度S2を導出してもよい。この場合、上述したように制御部40は、反力が大きいほど、遅い第2移動速度S2を導出する。
【0243】
以上説明したように上記各実施形態のマンモグラフィ装置12は、乳房を圧迫する圧迫板28と、圧迫板28を乳房を圧迫する圧迫方向、及び乳房への圧迫を解除する圧迫解除方向に移動させる移動部30と、放射線Rを照射する放射線源24と、移動部30を制御して圧迫板28を圧迫方向に第1の位置まで移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させる制御を行い、圧迫板28が第2の位置に位置した状態で放射線源24から乳房に対して放射線Rを照射させる制御を行う制御部40と、を備える。
【0244】
また、第1の位置は、第1圧迫力N1に対応した位置であり、第2の位置は、第1圧迫力N1より大きさが小さい第2圧迫力N2に対応した位置である。
【0245】
このように上記各実施形態のマンモグラフィ装置12では、圧迫板28を移動させて乳房にかかる圧迫力を制御することにより、圧迫板28により乳房を圧迫されることによる被検者の痛みを効果的に緩和することが可能となる。
【0246】
なお、上記各実施形態の制御部40は、圧迫力に対する圧迫時間の積分値が大きくなるほど被検者の痛みが増加する傾向があるため、被検者の痛みを抑制するために、乳房の圧迫(加圧)または減圧に要する時間を制御してもよい。例えば、初期位置から第1圧迫力N1まで圧迫する場合は、圧迫力に対する圧迫時間の積分値を30N・s以下に制御することが好ましい。また例えば、第1圧迫力N1から第2圧迫力N2まで減圧する場合は、圧迫力に対する圧迫時間の積分値を60N・s以下に制御することが好ましい。
【0247】
また、上記各実施形態では、第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2のいずれか一方のみをユーザが設定可能な場合について説明したが、第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2の両方についてユーザによる設定が可能であってもよい。この場合、制御部40は、ユーザがまず、一方の圧迫力を設定すると、設定した圧迫力に応じて、次にユーザが設定を行う他方の圧迫力の設定可能な範囲を制限し、また、設定可能な範囲を表す情報をユーザに提示することが好ましい。図39には、一例として、ユーザが、第1圧迫力N1を設定した場合に、制御部40が、ユーザが設定可能な第2圧迫力N2の範囲を制限し、設定可能な範囲を表す情報74を圧迫力設定画面70に表示した状態を示す。なお、ここで設定可能な範囲とは、第1実施形態において上述した第1圧迫力N1及び第2圧迫力N2の値に基づく範囲であることはいうまでもない。
【0248】
また、制御部40は、圧迫板28により乳房を圧迫する圧迫力の履歴を表す圧迫履歴情報を、コンソール16の表示部58や、マンモグラフィ装置12の操作パネル46に表示させてもよい。この場合、制御部40は、圧迫履歴情報を表示させる制御を行えばよいため、例えば、図40に示すように、ステップS118で、圧迫板28を圧迫方向へ移動させることにより、乳房の圧迫を開始した後に、ステップS119Cで制御部40は、圧迫履歴情報の表示を開始する。
【0249】
例えば、制御部40は、図41に示すように、圧迫履歴情報76として、第1圧迫力N1を「第1圧迫」、第2圧迫力N2を「第2圧迫」として表示部58または操作パネル46に表示させる。なお、図41に示した、圧迫履歴情報76の一例では、「第1圧迫」及び「第2圧迫」における乳房の厚みも表示した場合を示している。例えば、上記第2実施形態のように乳房の厚みを検出した場合、乳房の厚みについても圧迫履歴情報76として表示させることにより、ユーザが乳房の圧迫状態を確認しやすくなるため好ましい。
【0250】
また例えば、図42に示すように、圧迫履歴情報76として現在の圧迫力や乳房の厚みを表示させてもよい。なお、図42に示した一例では、第1圧迫力N1に応じた位置から第2圧迫力N2に応じた位置まで、圧迫板28を移動させている期間に表示される圧迫履歴情報76を示している。このように圧迫履歴情報76を表示させる場合、制御部40は、所定の間隔で繰り返し取得している、圧迫力検出センサ39による検出結果を現在の圧迫力として表示させればよい。
【0251】
なお、図43に示したタイムチャートのように、圧迫履歴情報76を圧迫力の変化や乳房の厚みの変化を表すグラフとして表示させてもよい。このように、圧迫履歴情報76の表示方法は特に限定されない。また、制御部40は、圧迫履歴情報76を取得した放射線画像に対応付けて記憶させてもよい。
【0252】
また、制御部40は、ユーザが操作パネル46等により行った指示に応じて、第1圧迫力N1または第2圧迫力N2に達する前に圧迫板28の移動を停止させてもよい。第1圧迫力N1に達する前であれば、乳腺の展開不足による再撮影を抑制するために、第2圧迫力N2に達するまで圧迫板28を移動させた後、放射線Rの照射を行い、放射線画像を取得してもよい。また、被検者の痛み、及び撮影効率の観点からは、停止した状態の圧迫力を維持した状態において、放射線Rの照射を行い、放射線画像を取得してもよい。
【0253】
なお、上記第2〜第7実施形態では1種類の乳房の種類に応じて制御部40が第2圧迫力N2を導出する場合について説明したが、複数種類の乳房の種類に応じて制御部40が第2圧迫力N2を導出してもよい。例えば、乳房の大きさと硬さとを組み合わせた状態と第2圧迫力N2との対応関係を表す情報を記憶部42に記憶させておき、制御部40は、この対応関係を表す情報と乳房の大きさと硬さとに基づいて第2圧迫力N2を導出すればよい。
【0254】
なお、上記各実施形態は、圧迫板28を圧迫方向に第1の位置まで移動させた後、圧迫解除方向に第2の位置まで移動させ、圧迫板28が第2の位置に位置した状態で放射線源24から乳房に対して放射線Rを照射させる際に、圧迫力を指標として圧迫板28を移動させているが、これに限らない。
【0255】
例えば、単位面積あたりの圧迫力である圧迫圧力を指標として用いてもよい。この場合は、圧迫圧力を測定する測定部を例えば圧迫板28に設け、圧迫圧力が第1圧迫圧力となる第1の位置まで圧迫方向に移動させた後、圧迫圧力が第1の圧迫圧力よりも小さい第2の圧迫圧力となる第2の位置まで圧迫板28を移動させればよい。
【0256】
また例えば、乳房に応じた所定の値を指標として用いても良い。この場合は、圧迫板28を、第1の位置から乳房が所定の値以上変化した第2の位置まで移動させて停止させ、放射線源28から乳房に対して放射線Rを照射させてもよい。なお、このような指標の具体例としては、乳房の厚みや圧迫板28の位置等が挙げられる。
【0257】
なお、上記各実施形態ではマンモグラフィ装置12の制御部40が本発明の制御部として機能する場合について説明したが、本発明の制御部の機能は、コンソール16の制御部50が備えていてもよい。この場合、コンソール16が本発明の制御装置の一例として機能する。
【0258】
なお、上記各実施形態における放射線Rは、特に限定されるものではなく、X線やγ線等を適用することができる。
【0259】
その他、上記各実施形態で説明した放射線画像撮影システム10、マンモグラフィ装置12及びコンソール16等の構成及び動作等は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0260】
10 放射線画像撮影システム
12 マンモグラフィ装置
16 コンソール
18 画像保存システム
22 放射線検出器
24 放射線源
26 撮影台
27 撮影面
28 圧迫板
28A 取付部
28B 識別情報
29 保持部
30 移動部
31 移動量検出部
32 画像解析部
33 重さ検出部
35 識別センサ
36 連結部
37 ボールネジ
38 モータ
39 圧迫力検出センサ
40、50、80 制御部
40A、50A、80A CPU
40B、50B、80B ROM
40C、50C、80C RAM
41 2段階圧迫禁止情報
42、52、82 記憶部
43 乳房の種類と第2圧迫力との対応関係を表す情報
43A1〜43A4 乳房の厚みと第2圧迫力との対応関係を表す情報
43B 乳房のカップと第2圧迫力との対応関係を表す情報
43C 乳房の大きさと第2圧迫力との対応関係を表す情報
43D 乳腺密度と第2圧迫力との対応関係を表す情報
43E 乳房の硬さと第2圧迫力との対応関係を表す情報
43F 乳房の重さと第2圧迫力との対応関係を表す情報
44、54、84 I/F部
46 操作パネル
49、63、87 バス
56 表示部駆動部
58 表示部
60 操作入力検出部
62 操作部
70 圧迫力設定画面
71 設定が禁止されたことを表す情報
72 カップ設定画面
74 設定可能な範囲を表す情報
76 圧迫履歴情報
N1 第1圧迫力、 N2 第2圧迫力、 N3 第3圧迫力
S1 第1移動速度、 S2 第2移動速度、 S3 第3移動速度
R 放射線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43