特許第6625413号(P6625413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6625413像振れ補正装置及びこの像振れ補正装置を適用した撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6625413
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】像振れ補正装置及びこの像振れ補正装置を適用した撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20191216BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   H04N5/225 900
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-232290(P2015-232290)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2017-97298(P2017-97298A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】江澤 寛
(72)【発明者】
【氏名】下川 亮祐
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−079739(JP,A)
【文献】 特開2007−206102(JP,A)
【文献】 特開2015−007731(JP,A)
【文献】 特開2015−045795(JP,A)
【文献】 特開2007−334116(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0295952(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0144126(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定枠部材と、
光学レンズ又は撮像素子を保持する可動枠部材と、
上記固定枠部材に対し上記可動枠部材を上記光学レンズの光軸に直交する平面内又は上記撮像素子の受光面に沿う平面内で移動可能に支持する支持部材と、
上記固定枠部材に対し上記可動枠部材を駆動する駆動ユニットと、
を具備し、
上記固定枠部材又は上記可動枠部材は、
上記支持部材を転動自在に収納すると共に、当該支持部材の平面内での移動量を制限する支持部材配設部と、
上記支持部材配設部の一部を切り欠いて当該支持部材配設部と連通するように形成され、内部に潤滑部材が充填される小領域空間部と、
が形成されてなることを特徴とする像振れ補正装置。
【請求項2】
上記支持部材は、少なくとも三個のボールであることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
【請求項3】
上記支持部材配設部の切欠部分の開口は、上記支持部材の直径より小さい幅寸法であることを特徴とする請求項2に記載の像振れ補正装置。
【請求項4】
上記支持部材配設部は、上記三個のボールに各対応して三箇所設けられ、
上記支持部材配設部は、上記光学レンズの光軸又は上記撮像素子の受光面の中心軸を中心として周方向に略同間隔に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の像振れ補正装置。
【請求項5】
上記支持部材配設部には、上記ボールを挟持するように金属製の二枚の平板部材が具備されていることを特徴とする請求項2に記載の像振れ補正装置。
【請求項6】
上記小領域空間部は、複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
【請求項7】
上記小領域空間部は、上記支持部材配設部に対して重力方向の上方又は側方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の像振れ補正装置。
【請求項8】
上記撮像素子及び撮像光学系を有するカメラユニットと、
上記カメラユニットを内部に収納する筐体と、
上記カメラユニットの一部を覆い保護するカバー部材と、
を備え、
請求項1に記載の像振れ補正装置を適用してなることを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像光学系によって結像される光学像の像振れを補正する機構を備えた像振れ補正装置及びこの像振れ補正装置を適用した撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像光学系により結像された光学像を撮像素子等を用いて順次光電変換し、これにより取得された画像信号を所定の形態の画像データ(静止画像)若しくは映像データ(動画像)として記録媒体に記憶し、また、同取得画像信号を画像表示装置へと伝送して順次表示させ得るように構成した撮像装置が一般に実用化されている。
【0003】
また、近年においては、定点観察や、監視若しくは防犯を目的として、この種の撮像装置を、屋外や室内等に固定して設置し、撮像対象とする領域や空間の状況を常時監視し得るカメラシステムが種々普及している。
【0004】
さらに、この種のカメラシステムにおいては、撮像装置と端末装置及び画像表示装置等を、例えばインターネット等の既存のネットワークに接続した形態のネットワークカメラシステム等が実用化されている。このネットワークカメラシステムでは、上記端末装置を使用者(ユーザ)が操作することによって上記ネットワークを介して上記撮像装置を遠隔操作することができ、また、上記撮像装置によって取得した画像データ,映像データを上記ネットワークを介して上記端末装置によって受信し、受信された画像データ,映像データに基く画像を上記端末装置に接続した画像表示装置を用いて表示させ確認し得るように構成されている。
【0005】
またさらに、上記ネットワークカメラシステム等において適用されるものと同様の形態の撮像装置を、例えば車輌等に固定設置することによって、例えば車輌の後方領域や側方領域等、運転席からは死角となる領域の状況の画像を画像表示装置に表示させたり、車輌運行中の周囲領域を撮像し続けることによって、所定の時点(例えば異常な衝撃を受けた時点(いわゆる事故発生時点)等)を中心とする前後の所定時間の動画像データを記録媒体に記録し、また、取得された前方視野画像等を用いて車線保持機能や緊急停止機能の制御に用いるためのいわゆる車載カメラシステム等についても、種々のものが実用化され一般に普及している。
【0006】
これらの形態のカメラシステム等は、例えば野外や室内若しくは車輌等において、使用者(ユーザ)の手が容易に届かないような場所に固定して設置され、かつそのような固定状態で連続的に運用されることが多い傾向がある。
【0007】
一方、従来の撮像装置においては、撮像動作の実行中に撮像装置が揺れてしまう等の現象に起因して、例えば撮像光学系により結像される光学像が撮像素子の受光面上において不安定となるいわゆる像振れを補正し得るように構成した像振れ補正装置を具備した撮像装置が、例えば特許5372641号公報等によって種々開示され実用化されている。
【0008】
上記特許5372641号公報等によって開示されている像振れ補正装置は、例えば撮像光学系を構成する光学レンズのうちの一部のレンズを、光軸に直交する平面内において、所定のタイミングで所定の方向に移動させることによって像振れを補正する形態のものである。この場合において、像振れ補正を行うための機構部のうち可動部は、固定部に対してセラミックボール,スチールボール(鋼球)等を用いて支持される構成となっている。ここで、セラミックボール,スチールボール等は一般にグリス等を用いて潤滑されるのが普通である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許5372641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記特許5372641号公報等によって開示されている像振れ補正装置においては、例えば使用者(ユーザ)が手に持って使用する一般的な形態の撮像装置に適用されることを主な主用途としたものであり、潤滑部材としてのグリス等を可動部に対して供給することについては、特段の工夫がなされていない。
【0011】
上記ネットワークカメラシステム等のカメラシステムの場合、野外等の過酷環境下において連続的に運用することが多いため、可動部を支持する支持部材(セラミックボール,スチールボール等)を潤滑するグリス等が枯渇すると、装置の故障の原因になるという問題点がある。
【0012】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、可動枠部材を支持するための支持部材(セラミックボール,スチールボール等)に対しグリス等の潤滑部材をより長期間に亘って安定して供給し続け得る構成を備えた像振れ補正装置及びこの像振れ補正装置を適用した撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の像振れ補正装置は、固定枠部材と、光学レンズ又は撮像素子を保持する可動枠部材と、上記固定枠部材に対し上記可動枠部材を上記光学レンズの光軸に直交する平面内又は上記撮像素子の受光面に沿う平面内で移動可能に支持する支持部材と、上記固定枠部材に対し上記可動枠部材を駆動する駆動ユニットと、を具備し、上記固定枠部材又は上記可動枠部材は、上記支持部材を転動自在に収納すると共に、当該支持部材の平面内での移動量を制限する支持部材配設部と、上記支持部材配設部の一部を切り欠いて当該支持部材配設部と連通するように形成され、内部に潤滑部材が充填される小領域空間部と、が形成されてなる。
【0014】
本発明の一態様の撮像装置は、撮像素子及び撮像光学系を有するカメラユニットと、上記カメラユニットを内部に収納する筐体と、上記カメラユニットの一部を覆い保護するカバー部材と、を備え、上記像振れ補正装置を適用してなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可動枠部材を支持するための支持部材(セラミックボール,スチールボール等)に対しグリス等の潤滑部材をより長期間に亘って安定して供給し続け得る構成を備えた像振れ補正装置及びこの像振れ補正装置を適用した撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態の撮像装置の外観を概略的に示す外観斜視図
図2図1の撮像装置における主要構成部(カメラユニット)を取り出して拡大して示す要部拡大斜視図
図3図2の符号[3A]で示す面に沿う断面を同図矢印符号[3B]方向から見た縦断面図
図4図2図3に示すカメラユニットにおける主要構成部であって本実施形態の像振れ補正装置を取り出して示す外観斜視図
図5図4の像振れ補正装置を分解して示す分解斜視図
図6図4の符号[6A]で示す面に沿う断面を同図矢印符号[6B]方向から見た縦断面図
図7図4の像振れ補正装置の一部部品を取り外してその内部構成を示す正面図
図8図7の符号[8]−[8]線に沿う断面図
図9図4の像振れ補正装置の本体部材におけるボール配設部のうち図7図8の符号[A]で示す部位近傍のボール配設部の詳細構成を示し、正面から見た際の要部拡大平面図
図10図9を斜め方向より見た要部拡大斜視図
図11図7の符号[11]−[11]線に沿う部分断面図
図12図7の符号[12]−[12]線に沿う部分断面図
図13図4の像振れ補正装置の本体部材におけるボール配設部のうち図7図8の符号[B]で示す部位近傍のボール配設部の詳細構成を示し、正面から見た際の要部拡大平面図
図14図13を斜め方向より見た要部拡大斜視図
図15図7の符号[15]−[15]線に沿う部分断面図
図16図7の符号[16]−[16]線に沿う部分断面図
図17図4の像振れ補正装置の本体部材におけるボール配設部のうち図7図8の符号[C]で示す部位近傍のボール配設部の詳細構成を示し、正面から見た際の要部拡大平面図
図18図17を斜め方向より見た要部拡大斜視図
図19図7の符号[19]−[19]線に沿う部分断面図
図20図7の符号[20]−[20]線に沿う部分断面図
図21】本発明の第2の実施形態の像振れ補正装置を正面から見た場合においてボール配設部の近傍を拡大して示す要部拡大図
図22】本発明の第3の実施形態の像振れ補正装置を正面から見た場合においてボール配設部の近傍を拡大して示す要部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を各構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これら各図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率,各構成要素の相対的な位置関係等に関し、図示の形態のみに限定されるものではない。なお、図面において示されるX軸は正面から見たときの水平方向の軸を示し、Y軸はX軸に直交する方向であって正面から見たときの垂直方向の軸を示すものとする。また、Z軸は、撮像光学系の光軸Oを基準とし、この光軸Oと一致する方向の軸を示すものとする。
【0018】
[第1の実施形態]
図1図20は、本発明の第1の実施形態を示す図である。このうち図1は、本実施形態の撮像装置の外観を概略的に示す外観斜視図である。図2は、図1の撮像装置における主要構成部(カメラユニット)を取り出して拡大して示す要部拡大斜視図である。図3は、図2の符号[3A]で示す面に沿う断面を同図矢印符号[3B]方向から見た縦断面図である。図4は、図2図3に示すカメラユニットにおける主要構成部であって本実施形態の像振れ補正装置を取り出して示す外観斜視図である。図5は、図4の像振れ補正装置を分解して示す分解斜視図である。図6は、図4の符号[6A]で示す面に沿う断面を同図矢印符号[6B]方向から見た縦断面図である。図7は、図4の像振れ補正装置の一部部品を取り外してその内部構成を示す正面図である。図8は、図7の符号[8]−[8]線に沿う断面図である。また、図9図20は、図4の像振れ補正装置20の本体部材22におけるボール配設部の詳細構成を示す拡大図である(詳細後述)。
【0019】
まず、本発明の第1の実施形態の像振れ補正装置を適用した撮像装置の概略構成について、主に図1図3を用いて以下に説明する。
【0020】
本実施形態の像振れ補正装置を適用した撮像装置1は、例えば屋外や室内等の例えば天井や壁面等若しくは所定の柱又は台座等に対して固定して設置される。この撮像装置1は、設置場所において撮像対象とする領域や空間の状況を常時監視し得るように構成され、例えば定点観察や監視若しくは防犯等を目的とするカメラシステムに含まれる撮像装置の例示である。
【0021】
撮像装置1は、図1に示すように、筐体2と、カバー部材3と、カメラユニット10等によって主に構成されている。
【0022】
筐体2は、例えば略円筒形状からなり、内部にカメラユニット10を収納配置する外装部材である。筐体2は、例えば天井100等に対して固設される。
【0023】
カバー部材3は、例えば略ドーム形状(半球形状)からなり、上記筐体2の内部に収納されるカメラユニット10の一部及び撮像光学系の前面を覆い保護する保護部材である。また、カバー部材3は、カメラユニット10が筐体2の内部で、その撮像領域を変更するために撮像光学系の光軸Oの向く方向を変更する際の移動空間を確保する役目もしている。
【0024】
カメラユニット10は、撮像光学系(図1では一部のみ図示。符号11a参照)及び撮像素子(図1では不図示。図3の符号17a参照)等を有して構成され、撮像機能を備える構成ユニットである。このカメラユニット10は、有線ケーブル又は無線等の通信手段を介して直接に、若しくは不図示のネットワーク等を介して、例えばデスクトップ型,ノート型,タブレット型のパーソナルコンピュータ或いはスマートフォン等と呼ばれる携帯型通信用端末装置等の端末装置(不図示)と接続されている。なお、図示は省略しているが、上記端末装置には画像表示装置(不図示)が接続されており、この画像表示装置は、上記カメラユニット10によって取得される画像データ,映像データを受けて画像,映像等を表示するほか、上記カメラユニット10を上記端末装置を用いて遠隔操作する際の制御画面(メニュー画面)等を表示することができるものである。
【0025】
上記カメラユニット10は、上述したように、その撮像光学系の光軸Oの向く方向を、上記カバー部材3の内部空間内において変更し得るように構成されている。即ち、カメラユニット10は、図1に示す矢印RYに沿う方向であるパン方向の回動(横旋回であり図1のY軸周りの旋回である。その回動可能範囲は、例えば回転角度約360度)と、同図1に示す矢印RXに沿う方向であるチルト方向の回動(縦旋回であり図1のXY平面に沿う旋回である。その回動可能範囲は、例えば回転角度約90度〜180度程度)とが可能となるように、所定の回動駆動機構(不図示)が設けられている。
【0026】
なお、カメラユニット10の回動駆動機構については、本発明とは直接関連しない部分であるので、従来一般に実用化されているものと同様のものが適用されているものとして、その図示及び説明は省略する。
【0027】
カメラユニット10は、図2図3に示すように、複数の光学レンズ(11a,12a,13a,14a,15a)によって構成される撮像光学系と、上記複数の光学レンズ(11a,12a,13a,14a,15a)を所定の群毎に保持する複数のレンズ群保持部材(11,12,13,14,15)と、これらのレンズ群保持部材のうちの一部を光軸Oに直交する平面内で移動させて像振れ補正動作に寄与する像振れ補正装置20と、上記レンズ群保持部材のうちの他の一部を光軸Oに沿う方向に進退移動させて自動焦点調節(AF;auto focus)動作や変倍(ズーム;zoom)動作に寄与する駆動機構(不図示)と、撮像光学系を通過する撮像光束の光量調整を行う絞り機構18と、撮像素子17aを搭載し当該撮像素子17aを駆動する撮像基板17と、上記駆動機構(不図示)や撮像基板17等から延出される複数のフレキシブルプリント基板16等を含む電気部品等によって主に構成されている。
【0028】
本実施形態において例示するカメラユニット10の撮像光学系は、第1レンズ群11a,第2レンズ群12a,第3レンズ群13a,第4レンズ群14a,第5レンズ群15aの5つのレンズ群によって構成されている。各レンズ群は、第1レンズ群保持部材11,第2レンズ群保持部材12,第3レンズ群保持部材13,第4レンズ群保持部材14,第5レンズ群保持部材15によってそれぞれ保持されている。
【0029】
このうち、第4レンズ群保持部材14は、本実施形態の像振れ補正装置20を構成する主要構成部材である本体部材22及び蓋部材21によって挟持された形態となっている。そして、本実施形態の像振れ補正装置20は、後述する像振れ補正駆動ユニット25(図4等参照)の作用によって、上記第4レンズ群保持部材14が保持する第4レンズ群14aを、撮像光学系の光軸Oに沿う平面内で移動させることによって像振れ補正を行う。
【0030】
なお、カメラユニット10の撮像光学系としては、光学倍率が例えば20〜30倍程度の高倍率のズーム光学系(zoom lens)が適用される。なお、撮像光学系は、これに限られることはなく、例えば固定焦点タイプの光学系(例えば魚眼レンズ等)を適用してもよいし、可変焦点タイプ(バリフォーカルレンズ(varifocal lens)の光学系を適用してもよい。また、光学倍率が50倍など、さらに高倍率のズーム光学系(zoom lens)であっても、もちろんよい。
【0031】
カメラユニット10の構成の概略は以上である。カメラユニット10において、上述した以外の各種の構成部材、例えばAF動作やズーム動作に寄与する駆動機構(不図示)や上記絞り機構18及びフレキシブルプリント基板16等を含む各種の電気部品等、その他各種の構成部材については、本発明とは直接関連しない部分であるので、従来一般に実用化されているものと同様のものが適用されているものとして、その詳細説明は省略する。
【0032】
次に、本実施形態の像振れ補正装置20の構成を、主に図4図8及び図9図20を用いて以下に説明する。このうち、図4図5図6は、上記像振れ補正装置20の全体構成を示している。また、図7図8は、上記像振れ補正装置20の蓋部材21を取り外し、その内部構成(本体部材22に配設される各種構成部材)を示している。
【0033】
本実施形態の像振れ補正装置20の主要な部分の構成について、主に図4図8等を用いて以下に説明する。
【0034】
本実施形態の像振れ補正装置20は、撮像光学系を構成する一部の光学レンズを撮像光学系の光軸Oに沿う平面内で移動させることによって像振れ補正を行う形態のいわゆるレンズシフト式の光学像振れ補正機構を具備するものである。なお、本実施形態の像振れ補正装置20の基本的な構成は、従来の同形態の像振れ補正装置と略同様である。
【0035】
本実施形態の像振れ補正装置20は、固定枠部材である本体部材22と、蓋部材21と、像振れ補正駆動ユニット25と、撮像光学系を構成する一部の光学レンズ(第4レンズ群14a)と、これを保持する可動枠部材である第4レンズ群保持部材14等によって主に構成されている。
【0036】
本体部材22は、上記像振れ補正装置20における基本構成部材であり固定枠部材である。この本体部材22を基本として各種の構成部材がそれぞれ所定の部位に固定配置されている。本体部材22の略中央部分には、撮像光学系を透過する被写体光束を通過させるための開口22aが形成されている。
【0037】
蓋部材21は、上記本体部材22の一面を覆うように配置され、上記本体部材22と当該蓋部材21との間に配設される各種の構成部材を保護し固定し支持するために設けられる。上記蓋部材21は、本体部材22に対して例えば複数(本実施形態では4本)のビス23を用いて固定されている。そのために、蓋部材21には複数(4箇所)のビス挿通穴21dが形成されている。これに対応させて、上記本体部材22には複数(4箇所)のビス穴22dが形成されている(図5参照)。また、上記蓋部材21は、その略中央部分に撮像光学系を透過する被写体光束を通過させるための開口22aが形成されている。
【0038】
こうして、上記本体部材22と上記蓋部材21とがビス23等によって固定されて組み立てられた状態としたとき、両者(上記本体部材22と上記蓋部材21)の間には、上記第4レンズ群14aを保持する可動枠部材である第4レンズ群保持部材14が、光軸Oに直交する平面内で移動可能に配設されている。上記第4レンズ群保持部材14の略中央部分には略円形状の開口部が形成されており、この開口部に略円形状の第4レンズ群14aが固定配置されている。そして、上記第4レンズ群14aは、上記本体部材22の上記開口22aと、上記蓋部材21の上記開口21aとのそれぞれに対向する位置に配設されている。換言すると、第4レンズ群14aと本体部材22と蓋部材21とは、第4レンズ群14aの光軸Oと、上記開口22aの略中心軸と、上記開口21aの略中心軸との全てが略一致するように配設されている。
【0039】
上述したように、上記本体部材22に対して上記第4レンズ群14aを保持する上記第4レンズ群保持部材14は、上記撮像光学系の光軸Oに直交する平面内で移動し得るように構成された可動枠部材である。そのために、まず、本体部材22と第4レンズ群保持部材14とは、複数(本実施形態では3本)の緊縮性を有する付勢ばね34を介して連結されている。これら複数の付勢ばね34は、光軸Oと平行な方向に伸縮し得るように、上記本体部材22と上記第4レンズ群保持部材14との間に張架されている。即ち、本体部材22にはバネ掛け部22c(図6参照)が複数(3箇所)形成されており、これに対応する第4レンズ群保持部材14側の部位にはバネ掛け部14cが同数(3箇所)形成されている(図5参照)。そして、図6に示すように、上記付勢ばね34の一端はバネ掛け部22cに、他端はバネ掛け部14cに架けられている。これにより、可動枠部材である上記第4レンズ群保持部材14は、固定枠部材としての上記本体部材22に対して光軸Oに沿う方向に付勢されている。この状態において、上記第4レンズ群保持部材14は、光軸Oに直交する平面内で移動が可能となる自由度を有している。
【0040】
上記本体部材22(固定枠部材)に対して上記第4レンズ群保持部材14(可動枠部材)が複数の付勢ばね34によって光軸Oに平行な方向に付勢されつつ連結されている状態において、両者間(上記本体部材22と上記第4レンズ群保持部材14との間)には、セラミックボール31が複数(少なくとも三個)介在している。このセラミックボール31は、上記本体部材22に対する上記第4レンズ群保持部材14の光軸Oに直交する平面内での移動を円滑化するために設けられるものである。ここで、セラミックボール31は、上記本体部材22に対し上記第4レンズ群保持部材14を移動可能に支持する支持部材として機能している。なお、本実施形態では、マグネットの影響を避けるためにセラミックボール31を使用しているが、マグネットの影響がない場合には、これに代えて、スチールボール(鋼球)を適用してもよい。
【0041】
そのために、上記本体部材22の上記開口22aの外周縁部領域には、複数(本実施形態では三箇所)のボール配設部22bが各所定の部位に形成されている。上記ボール配設部22bは、上記セラミックボール31を所定の範囲内で転動自在に収納し収納空間を形成すると共に、上記セラミックボール31の平面内での移動量を制限する支持部材配設部である。上記ボール配設部22bにおいて、その底面部となる部位、即ち上記本体部材22の平面(光軸Oに直交する面)であって、上記セラミックボール31を受ける面には、例えばステンレス鋼などの金属平板部材等を用いて略矩形状に形成されたボール受板32が配設されている。そして、上記本体部材22は、上記ボール受板32を囲うよう周縁部から光軸Oに沿う方向に向けて延出する壁面が形成されている(図5等参照)。これにより、上記ボール配設部22bは、上記底面部と上記壁面とによって、上記底面部の対向面を開口とする箱形状を形成している。
【0042】
一方、上述したように、上記本体部材22に対して上記第4レンズ群保持部材14を正規の所定の位置に重ねるように配設したときに、上記第4レンズ群保持部材14には、上記第4レンズ群14aが配設されている開口部の外周縁部領域であって、上記複数(本実施形態では三箇所)のボール配設部22bに各対向する各部位のそれぞれにボール受部14bが複数(本実施形態では三箇所)形成されている。各ボール受部14bにはそれぞれに、上記ボール受板32と同素材からなる金属平板部材等を用いた略矩形状に形成されたボール受板33が収納されている。これら各ボール受板33は、この状態(即ち上記本体部材22と上記第4レンズ群保持部材14とを正規の所定の位置に重ねて配設した状態)としたときに、上記複数のボール配設部22bの各開口をそれぞれ塞ぐように配置されている(図6参照)。この場合において、上記複数のボール配設部22b内には、上記セラミックボール31がそれぞれ一個ずつ収納された状態となっている。この構成により、上記セラミックボール31は、ボール配設部22bの内部において上記ボール受板32,33に挟持された状態で転動する。これによって、上記本体部材22(固定枠部材)に対する上記第4レンズ群保持部材14(可動枠部材)の光軸Oに直交する平面内での移動が円滑化されている。
【0043】
なお、本実施形態においては、上記ボール配設部22b及び上記ボール受部14bを各3箇所設けた例を示している。この場合において、ボール配設部22b及び上記ボール受部14bは、開口22aの中心軸(即ち光軸Oと一致する仮想軸)を中心として、円周方向に略等間隔に配置されるのが望ましい。本実施形態においては、光軸Oを中心として角度略120度間隔となる各部位に、ボール配設部22b及び上記ボール受部14bを設けた例を示している。
【0044】
また、上記本体部材22においては、上記開口22aの外周縁領域に、例えば像振れ補正駆動ユニット25の一部を構成する部材である一対のコイル26が固定配置されている。ここで、上記一対のコイル26は、一方が上記第4レンズ群保持部材14(可動枠部材)のX軸に沿う方向の移動に寄与する部材であって、X軸に沿うように配置されている。また、上記一対のコイル26の他方は、上記第4レンズ群保持部材14(可動枠部材)のY軸に沿う方向の移動に寄与する部材であって、Y軸に沿うように配置されている。
【0045】
これに対応させて、上記第4レンズ群保持部材14のがわには、上記一対のコイル26のそれぞれに対向する各部位にそれぞれ二個で一対となるマグネット27(図5図6参照)が固設されている。つまり、各コイル26のそれぞれに対し、二個一組のマグネット27が、各磁極の向きを所定の方向となるようにして配置されている。
【0046】
さらに、上記第4レンズ群保持部材14において、上記マグネット27の各近傍には、ホール素子等からなる磁気センサ28(図5参照)が配設されている。これらマグネット27及び磁気センサ28は、像振れ補正駆動ユニット25の他の一部を構成する部材である。上述した以外にも各種構成部材は存在するが、それらの構成部材は本発明とは直接関連しないことから、その図示及び説明は省略する。
【0047】
このように構成された像振れ補正装置20は、図3に示すように、カメラユニット10の一部として所定の位置に固定配置されている。この場合において、像振れ補正装置20は、例えば複数のビス24(本実施形態では3本)を用いてカメラユニット10内における所定の固定部分に対して固定されている。
【0048】
ところで、上記複数のボール配設部22bのそれぞれには、さらに、上記壁面のうちの一部を切り欠いて形成されるグリス溜まり部22gを具備して構成されている。ここで、上記グリス溜まり部22gについて、主に図7図8及び図9図20を援用して以下に詳述する。
【0049】
なお、図9図20は、図4の像振れ補正装置20の本体部材22におけるボール配設部の詳細構成を示す拡大図である。ここで、図9図12は、図7図8の符号[A]で示す部位近傍のボール配設部の詳細を示す図である。このうち、図9は正面から見た際の要部拡大平面図であり、図10図9を斜め方向より見た要部拡大斜視図である。図11図7の符号[11]−[11]線に沿う部分断面図である。図12図7の符号[12]−[12]線に沿う部分断面図である。
【0050】
また、図13図16は、図7図8の符号[B]で示す部位近傍のボール配設部の詳細を示す図である。このうち、図13は正面から見た際の要部拡大平面図であり、図14図13を斜め方向より見た要部拡大斜視図である。図15図7の符号[15]−[15]線に沿う部分断面図である。図16図7の符号[16]−[16]線に沿う部分断面図である。
図17図20は、図7図8の符号[C]で示す部位近傍のボール配設部の詳細を示す図である。このうち、図17は正面から見た際の要部拡大平面図であり、図18図17を斜め方向より見た要部拡大斜視図である。図19図7の符号[19]−[19]線に沿う部分断面図である。図20図7の符号[20]−[20]線に沿う部分断面図である。
【0051】
なお、図9図10図13図14図17図18においては、各グリス溜まり22gに対してグリス(grease)40を充填した様子を示している。そのため、これらの図面においては、グリス40が設けられる領域を斜線を用いて図示している。
【0052】
上記グリス溜まり部22gは、上記ボール配設部22bの壁面の一部を切り欠いて、当該ボール配設部22bの内部空間と連通した小領域空間部として形成されている。
【0053】
上記グリス溜まり部22gに連通する上記ボール配設部22bの壁面の切欠部分の開口幅寸法Wは、上記ボール配設部22bの内部に収納されているセラミックボール31の直径Dよりも小さい寸法となるように設定されている(D>W;図9図13図17参照)。この構成により、上記切欠部分の開口からセラミックボール31が抜け出ないように、かつ上記グリス溜まり部22gの小領域空間部内へとセラミックボール31が入り込まないように構成している。そして、上記グリス溜まり部22gのそれぞれにはグリス40等の潤滑部材が充填されている。
【0054】
なお、上記グリス溜まり部22gは、上記ボール配設部22bと合わせて、これに対向する位置に配置される上記第4レンズ群保持部材14の上記ボール受部14bにも同様の形態で形成されている。
【0055】
通常の場合、上記ボール配設部22bの内部においてセラミックボール31の転動を円滑化するためのグリス40は、製造組立時にセラミックボール31や、このセラミックボール31が接触するボール受板32,33の表面に膜を形成するように塗布される。しかしながら、グリス40は、使用を開始すると、高温等の影響や、セラミックボール31の転動によってボール受板32,33の摺動面に付着した膜が薄くなりやがて枯渇してしまうことになる。したがって、この種の装置では、グリスの定期的な補充をすることが望ましい。
【0056】
上述したように、セラミックボール31とボール受板32,33との表面にグリスを塗布するだけではグリス塗布量が限られてしまうため、補充なしに長期的な使用を行うことは困難である。例えば定点観察や監視若しくは防犯等を目的とするカメラシステムに含まれる撮像装置1は、連続的にかつ長期的に運用されることが多くあり、グリスの補充が必要である。しかしながら、グリスを補充するには、カメラユニット10を分解する必要があり、グリス補充の作業を容易に行うことは困難である。
【0057】
このことを考慮して、例えば、上記ボール配設部22bの内部に多量にグリス40を充填すると、上記ボール配設部22bの内部で転動するセラミックボール31の動きを阻害してしまうことになり、所望する像振れ補正機能を確保することができないことになりかねない。
【0058】
そこで、本実施形態における像振れ補正装置20では、セラミックボール31を収納するボール配設部22bに連通させた小領域空間部からなるグリス溜まり部22gを設け、このグリス溜まり部22gにグリス40を充填するように構成している。このような構成とすることによって、グリス溜まり部22gに充填されたグリス40は、グリス溜まり部22gからボール配設部22bの内部へと徐々に長期間に亘って供給される。そして、これによってグリス40によるセラミックボール31の潤滑機能を長期間に亘って安定して確保することができる。したがって、当該像振れ補正装置20において、上記本体部材22(固定枠部材)に対する上記第4レンズ群保持部材14(可動枠部材)のスムースな移動を確保することができることになっている。
【0059】
ここで、本実施形態の像振れ補正装置20におけるボール配設部22bに対するグリス溜まり部22gは、具体的には次のように配置されている。
【0060】
なお、ここで、上記像振れ補正装置20を搭載するカメラユニット10が通常姿勢にある時を基準姿勢とし、この通常姿勢は、上記像振れ補正装置20が図7に示す状態にある場合をさすものとする。そして、図7において、Y軸に沿う方向であって同図矢印Gで示す方向を鉛直方向(重力方向)とする。
【0061】
この場合において、例えば、図7図8の符号[A]及び[B]で示す部位のボール配設部22bに対するグリス溜まり部22gは、図9図16に示すように、上記ボール配設部22bを形成する壁面のうち、外周側に比較的広い領域を有する2つの壁面のそれぞれの一部を切り欠いて、二箇所に形成されている。この場合、上記像振れ補正装置20を正面から見た場合において、上記ボール配設部22b内のセラミックボール31を中心として鉛直方向の上側壁面及び一側壁面の各一箇所にグリス溜まり部22gが設けられている。このような構成では、グリス溜まり部22gに充填されたグリス40は、重力によって自然に下方又は側方に位置する上記ボール配設部22bの内部へと供給される。
【0062】
一方、図7図8の符号[C]で示す部位のボール配設部22bに対するグリス溜まり部22gは、図17図20に示すように、上記ボール配設部22bを形成する壁面のうち、外周側に比較的広い領域を有する2つの壁面のそれぞれの一部を切り欠いて、二箇所に形成されている点では同様である。この場合、上記像振れ補正装置20を正面から見た場合において、上記ボール配設部22b内のセラミックボール31を中心として鉛直方向の下側壁面及び一側壁面の各一箇所にグリス溜まり部22gが設けられている。このような構成でも、当該グリス溜まり部22gに充填されたグリス40は、徐々に上方又は側方に位置する上記ボール配設部22bの内部へと供給される。
【0063】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、像振れ補正装置20において、固定枠部材(本体部材22)に対して可動枠部材(第4レンズ群保持部材14)のスムースな移動を可能とするように支持するための支持部材(セラミックボール31)を収納配置するボール配設部22bにグリス40を供給するために、当該ボール配設部22bの壁面の一部を切り欠いて連通させた小領域空間部からなるグリス溜まり部22gを設け、このグリス溜まり部22gにグリス40を充填するように構成している。
【0064】
この構成により、グリス溜まり部22gに充填されたグリス40は、グリス溜まり部22gからボール配設部22bの内部へと徐々に長期間に亘って供給されるので、グリス40によるセラミックボール31の潤滑機能を長期間に亘って安定して確保することができる。そして、当該像振れ補正装置20においては、上記本体部材22(固定枠部材)に対する上記第4レンズ群保持部材14(可動枠部材)のスムースな移動を長期間に亘って確保することができる。
【0065】
本実施形態の構成、即ちグリス溜まり部22gを設けた構成によれば、グリス溜まり部の設けられていない従来形態のものに比べて、より大量のグリス40を予め製造時に充填しておき、当該グリス40は、撮像装置1の運用中に徐々に所定の部位に供給される。したがって、従来形態のものに比べて長期間に亘っての連続的な運用が容易に可能になる。
【0066】
[第2の実施形態]
図21は、本発明の第2の実施形態の像振れ補正装置を正面から見た場合においてボール配設部の近傍を拡大して示す要部拡大図である。
【0067】
本実施形態の像振れ補正装置における基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。本実施形態においては、ボール配設部に連通させた小領域空間部からなるグリス溜まり部を四箇所設けた点のみが異なる。その他の構成は、上述の第1の実施形態と同じである。したがって、同じ構成部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
【0068】
本実施形態においては、ボール配設部22Abの壁面のうちの4つの壁面の各一部を切り欠いてグリス溜まり部22Agを四箇所形成している。この構成により、グリス溜まり部22Agに充填されるグリス40の量を、第1の実施形態に比べて増加させることができるので、当該グリス40によるセラミックボール31の潤滑機能をより長期間に亘って安定して確保することができる。
【0069】
また、本実施形態においては、図21に示すように、上記ボール配設部22Abの壁面のうち鉛直方向の2つの壁面と、鉛直方向に直交する方向の2つの壁面とのそれぞれに、全部で四箇所のグリス溜まり部22Agを設けて構成している。そのために、当該像振れ補正装置20が搭載されるカメラユニット10が、その使用中に駆動されて姿勢変化が生じたとしても、このような姿勢変化によって、上記ボール配設部22Abへのグリス40の供給に差が生じない。したがって、ボール配設部22Ab内に対して常に安定したグリス40の供給を行うことができる。
【0070】
[第3の実施形態]
図22は、本発明の第3の実施形態の像振れ補正装置を正面から見た場合においてボール配設部の近傍を拡大して示す要部拡大図である。
【0071】
本実施形態の像振れ補正装置における基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様である。本実施形態においては、ボール配設部に連通させた小領域空間部からなるグリス溜まり部の形状が異なるのみである。その他の構成は、上述の第1の実施形態と同じである。したがって、同じ構成部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
【0072】
本実施形態においては、グリス溜まり部22Bgは、上述の第1の実施形態と同様に同位置に二箇所形成している。本実施形態におけるグリス溜まり部22Bgは、
上記ボール配設部22Bbの壁面の切欠部分の開口は、上述の第1の実施形態と同形態としているが、グリス溜まり部22Bgとしての小領域空間部の容積は、上述の第1,第2の実施形態におけるものと比べて大容量となるように形成している。この構成により、グリス溜まり部22Bgに充填されるグリス40の量を、第1の実施形態に比べて増加させることができるので、当該グリス40によるセラミックボール31の潤滑機能をより長期間に亘って安定して確保することができる。
【0073】
上記各実施形態においては、撮像光学系を構成する光学レンズのうちの一部の光学レンズ(を保持するレンズ保持部材)を、光軸に直交する平面内において、所定のタイミングで所定の方向に移動させることによって像振れを補正する形態のいわゆるレンズシフト方式の光学像振れ補正装置を適用した撮像装置を例に挙げて説明している。しかしながら、本発明の構成を適用し得る像振れ補正装置の形態としては、この形態のものに限られることはない。
【0074】
例えば、撮像素子(センサー)を光軸に直交する平面(即ち受光面に沿う平面)内において移動や回転可能に構成したセンサシフト方式の光学像振れ補正装置においても同様に適用し得る。この場合においては、例えば撮像素子を搭載した可動枠部材は、固定枠部材に対してXY方向に移動可能に構成されるが、その場合、可動枠部材と固定枠部材との間に支持部材としてのセラミックボールが配置され、当該セラミックボールが可動枠部材を固定枠部材に対して支持するように構成される。この場合におけるセラミックボールへの潤滑部材の供給に対しても、本発明の構成を全く同様に適用することができる。
【0075】
上記各実施形態においては、撮像機能を有する撮像装置として固定設置型のカメラを用いて説明しているが、撮像装置としては、使用者(ユーザ)が手に持って使用する一般的な形態の撮像装置、例えばデジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラ若しくはレンズ型カメラ等であってもよく、また、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用の撮像装置であっても同様に適用可能である。さらに、携帯電話やスマートフォンなど携帯型通信用端末装置や、電子手帳等の携帯型情報端末(PDA:Personal Digital Assist)等のほか、テレビジョン受信機やパーソナルコンピュータ等の据え置き型の機器に内蔵される形態の撮像装置に対しても本発明は適用可能である。さらに、内視鏡や顕微鏡等のような産業用若しくは医療用の光学機器において撮像機能を有する機器であっても適用できる。
【0076】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、撮像機能に特化した電子機器である撮像装置における像振れ補正装置に限られることはなく、撮像機能を備えたその他の形態の電子機器、例えばデジタルカメラ,ムービーカメラ,携帯電話,スマートフォン,電子手帳,電子辞書,携帯情報端末,パーソナルコンピュータ,タブレット型端末機器,ゲーム機器,テレビ,時計,GPS(Global Positioning System)を利用したナビゲーション機器等、各種の音声記録再生機能付き電子機器等において搭載される像振れ補正装置に対して広く適用することができる。
【0078】
さらに、撮像素子を用いて画像を取得し、その取得画像を表示装置に表示する機能を有する電子機器、例えば望遠鏡,双眼鏡,顕微鏡等の観察用機器における像振れ補正装置に対しても同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1……撮像装置,
2……筐体,
3……カバー部材,
10……カメラユニット,
11……第1レンズ群保持部材,
11a……第1レンズ群,
12……第2レンズ群保持部材,
12a……第2レンズ群,
13……第3レンズ群保持部材,
13a……第3レンズ群,
14……第4レンズ群保持部材,
14a……第4レンズ群,
14b……ボール受部,
14c……バネ掛け部,
15……第5レンズ群保持部材,
15a……第5レンズ群,
16……フレキシブルプリント基板,
17……撮像基板,
17a……撮像素子,
18……絞り機構,
20……像振れ補正装置,
21……蓋部材,
21a……開口,
21d……ビス挿通穴,
22……本体部材,
22a……開口,
22b,22Ab,22Bb……ボール配設部,
22c……バネ掛け部,
22d……ビス穴,
22g,22Ag,22Bg……グリス溜まり部,
23,24……ビス,
25……像振れ補正駆動ユニット,
26……コイル,
27……マグネット,
28……磁気センサ,
31……セラミックボール,
32,33……ボール受板,
40……グリス,
100……天井,
図1
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