【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の如く、調理器本体が、調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えた構成にあっては、調理鍋から溢れ出た煮汁が、当該本体ガード部にて調理器本体の外部へ流れ出ることが阻害され、調理器本体の内部へ流入する虞があった。
一方で、上記特許文献2に開示の如く、調理鍋の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えない構成にあっては、調理鍋に人体が近接したり接触したりして、調理者に火傷等を負わせる虞が高くなり、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、調理時に調理鍋に人体が近接したり接触したりして火傷等が発生することを良好に防止しながらも、調理鍋から吹き零れた煮汁が調理器本体の内部へ流入することを好適に防止できる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための加熱調理器は、
調理対象物を調理する調理鍋を載置する調理器本体を備え、当該調理器本体が、前記調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えた加熱調理器であって、その特徴構成は、
前記調理器本体は、前記調理器本体への前記調理鍋の載置状態において、前記側方外側縁の直下を含む下方領域に、前記調理鍋から溢れた煮汁を受ける煮汁受部を備え、
前記煮汁受部と前記調理器本体の外部とを連通する連通部を備える点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えるから、側方外側縁の側方外側から側方外側縁へ人体が近接及び接触することを抑制でき、火傷等が発生する虞を低減できる。
更に、調理鍋の側方外側縁の直下を含む下方領域に、調理鍋から溢れた煮汁を受ける煮汁受部を備えると共に、煮汁受部と調理器本体の外部とを連通する連通部をも備えるから、調理鍋から吹き零れた煮汁は、煮汁受部にて受け取られると共に、連通部を介して調理器本体の外部へ導かれることになるから、煮汁が調理器本体の内部へ入り込むことを良好に防止できる。
【0009】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理鍋は側方外周へ突出する側方把持部を有し、
前記調理器本体は、前記調理鍋の前記側方外側縁の側方外周領域において、前記本体ガード部を設けない本体ガード部非設置部位を有し、
前記本体ガード部非設置部位は、前記連通部であると共に、前記調理器本体への前記調理鍋の載置状態において前記側方把持部を受け入れる点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、調理器本体への調理鍋の載置状態において側方把持部を受け入れる本体ガード部非設置部位を連通部として機能させることで、連通部を調理器本体の他の部位に設ける構成に比べ、構成を簡略化できる。
【0011】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記本体ガード部は、前記調理器本体を外囲する外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ前記煮汁受部から繋がる貫通部位を、前記連通部として備える点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、本体ガード部に対し、調理器本体を外囲する外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ煮汁受部から繋がる貫通部位を連通部として備えるから、煮汁受部に受け取られた煮汁を貫通部位から外囲筐体外縁部へ導き、更に、調理器本体の外部へ導くことができる。
特に、例えば、当該貫通部位は、調理鍋の側方外側縁の側方外周の全周に亘って本体ガード部に設ける構成を採用でき、このような構成にあっては、調理鍋の側方の全周から吹き零れる虞のある煮汁を、良好に調理器本体の外部へ導くことができる。
【0013】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理器本体を外囲する外囲筐体は、前記煮汁受部から前記外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ繋がる貫通部位を、前記連通部として備える点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、煮汁受部から外囲筐体の外囲筐体外縁部へ繋がる貫通部位を介して、煮汁を調理器本体の外部へ良好に導くことができる。
【0015】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理器本体の前記煮汁受部は、前記下方領域の前記調理鍋に近接する内側端部において、上方へ立設する立設壁部を、前記調理鍋の側方全周に対向する状態で備える点にある。
【0016】
調理鍋から煮汁受部へ溢れ出た煮汁は、その流量が多い場合等には、煮汁受部から調理器本体の内部へ流入する虞がある。
上記特徴構成によれば、下方領域の調理鍋に近接する内側端部において、上方へ立設する立設壁部を、調理鍋の側方全周に対向する状態で調理器本体の煮汁受部に備えるから、調理鍋から煮汁受部へ溢れ出た煮汁が、調理器本体の側へ流れることを防止でき、結果、調理器本体の内部へ煮汁が流入することを防止できる。
【0017】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記本体ガード部は、前記調理器本体を外囲する外囲筐体と別体にて構成されている点にある。
【0018】
一般に、調理器本体は、樹脂を射出成形することにより形成されるが、調理器本体から突出する形状の本体ガード部を、調理器本体の外囲筐体と一体的に射出成形する場合、当該本体ガード部の厚みを一定以上にしないと、本体ガード部に樹脂が十分に充填されず、また、本体ガード部が成型時に変形してしまう虞がある。
上記特徴構成の如く、本体ガード部と調理器本体の外囲筐体とを別体にて構成することにより、本体ガード部の厚みを薄くできるから、全体のコンパクト化を図ることができる。
【0019】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理鍋は、焼物調理と煮物調理との双方で兼用できる構成である点にある。
【0020】
即ち、調理鍋は、焼物調理と煮物調理との双方で兼用できる構成であるから、調理鍋が高温になる焼物調理を行う際に、火傷の虞を低減できると共に、煮汁が吹き零れやすい煮物調理を行う際に、調理器本体の内部に煮汁が侵入することを、良好に防止できる。
【0021】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理器本体の側方断面視において、前記煮汁受部は、前記調理器本体の中央から側方外側へ向けて下方側へ傾斜する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、調理器本体の側方断面視において、煮汁受部に受け入れられた煮汁が、傾斜に沿って、調理器本体の側方外側へ流動し、調理器本体の中央側へ流動することはないから、調理器本体の内部へ侵入することを好適に防止できる。