特許第6625483号(P6625483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 象印マホービン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6625483-加熱調理器 図000002
  • 特許6625483-加熱調理器 図000003
  • 特許6625483-加熱調理器 図000004
  • 特許6625483-加熱調理器 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6625483
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20191216BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   A47J27/00 104A
   A47J37/06 311
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-98066(P2016-98066)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-205172(P2017-205172A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002473
【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前田 達也
(72)【発明者】
【氏名】石井 琢也
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−121640(JP,A)
【文献】 特開2001−037648(JP,A)
【文献】 特開2003−225159(JP,A)
【文献】 実開昭52−146278(JP,U)
【文献】 特開平11−318701(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/086664(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00−29/00
A47J 33/00−36/42
A47J 37/00−37/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理対象物を調理する調理鍋を載置する調理器本体を備え、当該調理器本体が、前記調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えた加熱調理器であって、
前記調理器本体は、前記調理器本体への前記調理鍋の載置状態において、前記側方外側縁の直下を含む下方領域に、前記調理鍋から溢れた煮汁を受ける煮汁受部を備え、
前記煮汁受部と前記調理器本体の外部とを連通する連通部を備え
前記調理器本体を外囲する外囲筐体は、前記煮汁受部から前記外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ繋がる貫通部位を、前記連通部として備える加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理対象物を調理する調理鍋を載置する調理器本体を備え、当該調理器本体が、前記調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器として、特許文献1の図12等に示されるように、調理対象物を調理する調理鍋を載置する調理器本体を備えると共に、当該調理器本体が、調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えたものが知られている。
当該特許文献1に係る加熱調理器にあっては、調理鍋の側方外側から手等の人体が調理鍋へ近づいた場合に、本体ガード部にて人体が調理鍋へ近接又は接触することを避けることができるから、人体が火傷等を負うことを好適に防止できる。
【0003】
一方、他の加熱調理器として、特許文献2の図2に示すように、本体ガード部を備えない加熱調理器、即ち、調理鍋の側方外側縁の側方外周領域が、本体ガード部に覆われない構成の加熱調理器も知られている。当該加熱調理器にあっては、調理鍋の側方外側縁の直下を含む下方領域に煮汁受部が設けられると共に、当該煮汁受部が、平面視で、加熱調理器の中央から側方へ向けて下方へ傾斜する構成が採用されている。このため、調理鍋の側方外側縁から煮汁が溢れ出た場合であっても、煮汁は煮汁受部の傾斜に沿って流れることで、加熱調理器の側方外側へ導かれることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−104013号公報
【特許文献2】実開平6−313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示の如く、調理器本体が、調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えた構成にあっては、調理鍋から溢れ出た煮汁が、当該本体ガード部にて調理器本体の外部へ流れ出ることが阻害され、調理器本体の内部へ流入する虞があった。
一方で、上記特許文献2に開示の如く、調理鍋の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えない構成にあっては、調理鍋に人体が近接したり接触したりして、調理者に火傷等を負わせる虞が高くなり、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、調理時に調理鍋に人体が近接したり接触したりして火傷等が発生することを良好に防止しながらも、調理鍋から吹き零れた煮汁が調理器本体の内部へ流入することを好適に防止できる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための加熱調理器は、
調理対象物を調理する調理鍋を載置する調理器本体を備え、当該調理器本体が、前記調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えた加熱調理器であって、その特徴構成は、
前記調理器本体は、前記調理器本体への前記調理鍋の載置状態において、前記側方外側縁の直下を含む下方領域に、前記調理鍋から溢れた煮汁を受ける煮汁受部を備え、
前記煮汁受部と前記調理器本体の外部とを連通する連通部を備える点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、調理鍋の側方外側縁の側方外周領域を覆う本体ガード部を備えるから、側方外側縁の側方外側から側方外側縁へ人体が近接及び接触することを抑制でき、火傷等が発生する虞を低減できる。
更に、調理鍋の側方外側縁の直下を含む下方領域に、調理鍋から溢れた煮汁を受ける煮汁受部を備えると共に、煮汁受部と調理器本体の外部とを連通する連通部をも備えるから、調理鍋から吹き零れた煮汁は、煮汁受部にて受け取られると共に、連通部を介して調理器本体の外部へ導かれることになるから、煮汁が調理器本体の内部へ入り込むことを良好に防止できる。
【0009】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理鍋は側方外周へ突出する側方把持部を有し、
前記調理器本体は、前記調理鍋の前記側方外側縁の側方外周領域において、前記本体ガード部を設けない本体ガード部非設置部位を有し、
前記本体ガード部非設置部位は、前記連通部であると共に、前記調理器本体への前記調理鍋の載置状態において前記側方把持部を受け入れる点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、調理器本体への調理鍋の載置状態において側方把持部を受け入れる本体ガード部非設置部位を連通部として機能させることで、連通部を調理器本体の他の部位に設ける構成に比べ、構成を簡略化できる。
【0011】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記本体ガード部は、前記調理器本体を外囲する外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ前記煮汁受部から繋がる貫通部位を、前記連通部として備える点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、本体ガード部に対し、調理器本体を外囲する外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ煮汁受部から繋がる貫通部位を連通部として備えるから、煮汁受部に受け取られた煮汁を貫通部位から外囲筐体外縁部へ導き、更に、調理器本体の外部へ導くことができる。
特に、例えば、当該貫通部位は、調理鍋の側方外側縁の側方外周の全周に亘って本体ガード部に設ける構成を採用でき、このような構成にあっては、調理鍋の側方の全周から吹き零れる虞のある煮汁を、良好に調理器本体の外部へ導くことができる。
【0013】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理器本体を外囲する外囲筐体は、前記煮汁受部から前記外囲筐体の外側縁である外囲筐体外縁部へ繋がる貫通部位を、前記連通部として備える点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、煮汁受部から外囲筐体の外囲筐体外縁部へ繋がる貫通部位を介して、煮汁を調理器本体の外部へ良好に導くことができる。
【0015】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理器本体の前記煮汁受部は、前記下方領域の前記調理鍋に近接する内側端部において、上方へ立設する立設壁部を、前記調理鍋の側方全周に対向する状態で備える点にある。
【0016】
調理鍋から煮汁受部へ溢れ出た煮汁は、その流量が多い場合等には、煮汁受部から調理器本体の内部へ流入する虞がある。
上記特徴構成によれば、下方領域の調理鍋に近接する内側端部において、上方へ立設する立設壁部を、調理鍋の側方全周に対向する状態で調理器本体の煮汁受部に備えるから、調理鍋から煮汁受部へ溢れ出た煮汁が、調理器本体の側へ流れることを防止でき、結果、調理器本体の内部へ煮汁が流入することを防止できる。
【0017】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記本体ガード部は、前記調理器本体を外囲する外囲筐体と別体にて構成されている点にある。
【0018】
一般に、調理器本体は、樹脂を射出成形することにより形成されるが、調理器本体から突出する形状の本体ガード部を、調理器本体の外囲筐体と一体的に射出成形する場合、当該本体ガード部の厚みを一定以上にしないと、本体ガード部に樹脂が十分に充填されず、また、本体ガード部が成型時に変形してしまう虞がある。
上記特徴構成の如く、本体ガード部と調理器本体の外囲筐体とを別体にて構成することにより、本体ガード部の厚みを薄くできるから、全体のコンパクト化を図ることができる。
【0019】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理鍋は、焼物調理と煮物調理との双方で兼用できる構成である点にある。
【0020】
即ち、調理鍋は、焼物調理と煮物調理との双方で兼用できる構成であるから、調理鍋が高温になる焼物調理を行う際に、火傷の虞を低減できると共に、煮汁が吹き零れやすい煮物調理を行う際に、調理器本体の内部に煮汁が侵入することを、良好に防止できる。
【0021】
加熱調理器の更なる特徴構成は、
前記調理器本体の側方断面視において、前記煮汁受部は、前記調理器本体の中央から側方外側へ向けて下方側へ傾斜する点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、調理器本体の側方断面視において、煮汁受部に受け入れられた煮汁が、傾斜に沿って、調理器本体の側方外側へ流動し、調理器本体の中央側へ流動することはないから、調理器本体の内部へ侵入することを好適に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る加熱調理器の斜視図
図2】実施形態に係る加熱調理器の分解斜視図
図3】実施形態に係る加熱調理器の一部断面図
図4】別実施形態に係る加熱調理器の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
実施形態に係る加熱調理器100は、図1〜4に示すように、調理時に調理鍋30に人体が近接したり接触したりして火傷等が発生することを良好に防止しながらも、調理対象物を調理する調理鍋30から吹き零れた煮汁Nが調理器本体40の内部へ流入することを好適に防止できる加熱調理器に関する。
【0025】
実施形態に係る加熱調理器100は、図1〜3に示すように、加熱ヒータ49(図3に図示)を有する調理器本体40と、当該加熱ヒータ49にて加熱され調理物を加熱する調理鍋30と、当該調理鍋30の上方に着脱自在な調理蓋10とを備えて構成されている。因みに、当該調理鍋30は、焼物調理と煮物調理との双方で兼用できる深底の調理鍋として構成されている。
調理器本体40は、テーブル等の載置面(図示せず)に立つ脚部41aを有すると共に調理鍋30の下方及び側方(水平方向で調理鍋30の外方)に位置する外囲筐体41と、加熱ヒータ49の下方側で加熱ヒータ49からの熱を上方へ反射すると共に外囲筐体41に設けられる支持部42a(図3に図示)にて支持される反射プレート42とを備えている。
説明を追加すると、反射プレート42は、加熱ヒータ49に接触する平面視で円盤形状の伝熱板43を下方から支持する支持部43a(図3に図示)を備えている。また、調理鍋30は、図3に示すように、伝熱板43に直接載置され、支持される。
図示は省略するが、調理器本体40には、電力源と電気的に接続されると共に加熱ヒータ49による加熱度合を調整する調整ダイヤルを有する操作治具を、着脱する着脱部を備えている。
【0026】
調理蓋10は、円盤形状であり、且つ調理鍋30への装着状態においてその中央部位が上方へ膨出する膨出形状を有し、調理蓋本体11と当該調理蓋本体11の側方での外周縁である蓋フランジ部11cを備える。
調理鍋30には、上端の全周に亘って側方外側縁30cが設けられ、調理蓋10の装着状態(図3に示す状態)において、調理蓋10の蓋フランジ部11cを支持する複数の鍔部30aが、側方外側縁30cから内側に突出する形態で、側方の内周縁に沿って等間隔に設けられている。調理鍋30には、側方外側縁30cよりも側方へ延設される一対の側方把持部30bが、平面視で、調理鍋30の重心を中央位置として対向する状態で、設けられている。
尚、鍔部30aは、調理鍋30の上端の全周に亘って設けられていても構わない。
【0027】
以上の構成を採用することにより、調理者は、調理鍋30に調理蓋10を装着状態又は取り外した状態で、操作治具の調整ダイヤルを調整する形態で、加熱ヒータ49により調理鍋30を加熱して、調理鍋30の調理面上の調理物を加熱しつつ調理を実行できる。
【0028】
さて、これまで説明してきた加熱調理器100にあっては、調理鍋30の側方外周領域から人体としての手等が調理鍋30の側方外側縁30cに近接又は接触し、火傷をする虞がある。
そこで、当該実施形態に係る加熱調理器100にあっては、調理鍋30の側方外側縁30cの側方外周領域を覆う本体ガード部44は、調理器本体40を外囲する外囲筐体41と別体で備えている。
説明を追加すると、調理器本体40は平面視で略円形を有しており、本体ガード部44は、円形の調理器本体40の外周に沿って立設される一対の曲面平板状の曲面平板部材から構成されている。因みに、当該本体ガード部44の高さは、図3の断面図に示すように、調理鍋30の側方外側縁30cより高く設けられている。
尚、調理器本体40の円形の外周の一部には、本体ガード部44を設けない本体ガード部非設置部位47bが設けられており、当該本体ガード部非設置部位47bは、調理器本体40に調理鍋30が載置される載置状態(図1、3に示す状態)において、調理鍋30の一対の側方把持部30bを受け入れる。
当該構成により、特に、調理中において、高温になる調理鍋30の側方外側縁30c及びその近傍は、その側方外周領域が、本体ガード部44及び一対の側方把持部30bの少なくとも何れか一方にて覆われることになる。結果、調理鍋30の側方外側縁30cに調理者の手等の人体が接触又は近接して火傷を負うことを防止している。
【0029】
更に、調理器本体40は、図3に示すように、本体ガード部44の側方内側で且つ調理鍋30の側方外側縁30cの直下を含む下方領域に、調理鍋から溢れた煮汁N(図3に図示)を受ける煮汁受部46を備え、煮汁受部46と調理器本体40の外部とを連通する連通部47を備えている。
説明を追加すると、煮汁受部46は、側方断面視(又は正面視)において、調理器本体40の内側から外側に沿う方向で、下方へ向けて傾斜して設けられている。また、本体ガード部44は、本体ガード部44の側方内側と本体ガード部44の側方外側(外囲筐体41の外囲筐体外縁部48に含まれる概念)とを繋ぐ複数の開孔47a(貫通部位の一例)を、平面視で調理器本体40の円形の外周に沿って等間隔に備えている。当該開孔47aは、本体ガード部44の下方位置に形成されると共に、当該実施形態にあっては、一の本体ガード部44に対して2つ設けられている。
ここで、外囲筐体外縁部48は、外囲筐体41で略鉛直方向に延びる鉛直壁部の外側部分、煮汁受部46から鉛直壁部へ連続して形成される傾斜壁部の上方部分、及びそれらの間の部分を含むものである。
尚、開孔47aについて説明を追加すると、当該開孔47aは、本体ガード部44を、調理器本体40から取り外した状態において、本体ガード部44の下端部を切り欠いて形成されている。そして、本体ガード部44が調理器本体40に組み付けた状態で、所謂、開孔として機能する。
そして、当該実施形態においては、調理鍋30から吹き零れ、煮汁受部46に受け入れられた煮汁Nは、連通部47としての開孔47a及び本体ガード部非設置部位47bを通り、本体ガード部44の側方外側(調理器本体40の側方外側)へ導かれることとなり、煮汁Nの調理器本体40の内部への侵入を防止している。
【0030】
更に、当該実施形態にあっては、図2、3に示すように、調理器本体40の煮汁受部46は、調理鍋30の側方外側縁30cの直下を含む下方領域の調理鍋30に近接する内側端部において、上方へ立設する立設壁部45を、調理鍋30の側方全周に対向する状態で備えており、調理器本体40の内部への煮汁Nの侵入をより一層良好に防止している。
尚、図3の断面図に示すように、立設壁部45は、調理鍋30の側方外側縁30cよりも、調理鍋30の中央側に設けられている。
【0031】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態にあっては、調理鍋30は、深底鍋である例を示したが、いわゆる調理プレートのような浅底鍋であっても構わない。
【0032】
(2)上記実施形態にあっては、本体ガード部非設置部位47bと、本体ガード部44の側方内側と側方外側とを繋ぐ開孔47aとが、連通部47である例を示した。
しかしながら、連通部47として、本体ガード部非設置部位47bのみを備え、開孔47aを備えない構成を採用しても構わない。また、本体ガード部非設置部位47bを備えず、開孔47aのみを備える構成を採用しても構わない。
【0033】
(3)連通部47の他の構成例として、図4に示すように、調理器本体40の外側を外囲する外囲筐体41は、煮汁受部46から外囲筐体41の外側縁である外囲筐体外縁部48へ繋がる貫通部位47cを備える構成を採用しても構わない。
説明を加えると、図4に示す構成例にあっては、貫通部位47cは、煮汁受部46の煮汁受面を切削して形成されている。即ち、図4に示す構成にあっては、本体ガード部44には、連通部47に関連する構成を設けず(開孔47aを設けず)、外囲筐体側のみで連通部47に関連する構成を実現している。
尚、上記貫通部位47cは、調理器本体40を外囲する外囲筐体41を、上下方向に略沿う形態で貫通して、煮汁受部46と調理器本体40の外部とを連通するように構成しても構わない。
【0034】
(4)上記実施形態において、本体ガード部44は、平面視で円形の調理器本体40の外周に沿って設けられる一対の曲面平板形状の曲面平板部材から構成される構成例を示した。
しかしながら、当該本体ガード部44は、手等の人体が、調理時に、調理鍋30の側方外側縁30c等の高温部分に近接及び接触することを防止する形状であれば、種々の形状を採用することができる。
例えば、平面視で円形の調理器本体40の外周に沿って、上方へ延びる複数の棒状の部材から構成することもできる。当該構成にあっては、複数の棒状部材の間が、連通部47として機能することとなる。
【0035】
(5)上記実施形態では、調理器本体40の外囲筐体41に煮汁受部46が設けられる構成例を示した。しかしながら、当該煮汁受部46は、本体ガード部44に設けられても構わない。
詳細な図示は省略するが、調理器本体40は、調理器本体40への調理鍋30の載置状態において、本体ガード部44が、調理鍋30の側方外側縁30cの下方領域から上方へ延設されると共に、その上端が、調理鍋30の側方外側縁30cの側方外周領域を覆う構成を採用しても構わない。
この場合、本体ガード部44の側方内壁が、煮汁受部46の一部として機能することになる。
【0036】
(6)上記実施形態では、平面視で、調理器本体40の径は、本体ガード部44が形成する径より大きい構成例を示した。
しかしながら、平面視で、調理器本体40の径は、本体ガード部44が形成する径以下として構わない。
また、平面視で、調理器本体40及び調理鍋30は、円形に限定されるものではなく、四角等の他の構成を好適に採用できる。
【0037】
(7)上記実施形態にあっては、調理器本体40への調理鍋30の載置状態において、本体ガード部44の高さは、図3の断面図に示すように、調理鍋30の側方外側縁30cより高く設けられている構成例を示したが、本体ガード部44の高さは、調理鍋30の側方外側縁30cと同じ高さであっても構わない。
【0038】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の加熱調理器は、調理時に調理鍋に人体が近接したり接触したりして火傷等が発生することを良好に防止しながらも、調理鍋から吹き零れた煮汁が調理器本体の内部へ流入することを好適に防止できる加熱調理器として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
30 :調理鍋
30a :鍔部
30b :側方把持部
30c :側方外側縁
40 :調理器本体
41 :外囲筐体
44 :本体ガード部
45 :立設壁部
46 :煮汁受部
47 :連通部
47a :開孔
47b :本体ガード部非設置部位
47c :貫通部位
48 :外囲筐体外縁部
100 :加熱調理器
図1
図2
図3
図4