(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
i)心不全を有する患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いは
ii)心不全を有する患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘している、請求項1記載の方法。
患者が、ACC/AHA分類に従い病期B、C又はDとして分類された心不全を有し、並びに/又は患者が、NYHA分類に従い、NYHAクラスII、III又はIVとして分類された心不全を有する、請求項1又は2記載の方法。
前記スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及びシムバスタチンからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下において、本発明の状況において使用されるバイオマーカーの規定が提供される。
用語「増殖分化因子−15」又は「GDF−15」は、トランスフォーミング増殖因子(TGF)サイトカインスーパーファミリーの一員であるポリペプチドに関する。用語ポリペプチド、ペプチド及びタンパク質は、本明細書を通じて互換的に使用される。GDF−15は、当初マクロファージ−阻害性サイトカイン1としてクローニングされ、後に胎盤トランスフォーミング増殖因子−15、胎盤骨形態形成タンパク質、非ステロイド系抗炎症薬−活性化遺伝子1、及び前立腺−由来因子としても同定された(Bootcov、上記引用文中;Hromas, 1997 Biochim Biophys Acta 1354:40-44;Lawton 1997, Gene 203:17-26;Yokoyama-Kobayashi 1997, J Biochem (東京), 122:622-626;Paralkar 1998, J Biol Chem 273:13760-13767)。他のTGF−関連したサイトカインと同様、GDF−15は、不活性前駆体タンパク質として合成され、これはジスルフィド連結されるホモ二量体化を受ける。N末端プロ−ペプチドのタンパク質分解性切断時に、GDF−15は、〜28kDaの二量体タンパク質として分泌される(Bauskin 2000, Embo J 19:2212-2220)。GDF−15のアミノ酸配列は、WO99/06445、WO00/70051、WO2005/113585、Bottner, 1999, Gene 237: 105-111, Bootcov、上記引用文中、Tan、上記引用文中、Baek 2001, Mol Pharmacol 59: 901-908, Hromas、上記引用文中、Paralkar、上記引用文中、Morrish 1996, Placenta 17:431-441又はYokoyama-Kobayashi、上記引用文中に明らかにされている。本明細書において使用されるようにGDF−15は、前述の特異的GDF−15ポリペプチドの変種も包含している。かかる変種は、特異的GDF−15ポリペプチドと少なくとも同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を有する。特に、それらが本明細書に言及された同じ特異的アッセイ、例えば該GDF−15ポリペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイにより検出可能である場合に、これらは、同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を共有する。好ましいアッセイは、添付された「実施例」に説明されている。更に、本発明で言及される変種は、少なくとも1個のアミノ酸置換、欠失及び/又は付加のために異なるアミノ酸配列を有すべきであり、ここで該変種のアミノ酸配列は、依然、特異的GDF−15ポリペプチドのアミノ配列と、好ましくはヒトGDF−15のアミノ酸配列と、より好ましくは特異的GDF−15の全長、例えばヒトGDF−15の全長にわたり、好ましくは少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%同一であることが理解される。2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は、先に記載されたように決定することができる。先に言及された変種は、対立遺伝子変種、又はいずれか他の種の特異的ホモログ、パラログ、若しくはオルソログであることができる。更に、本明細書に言及された変種は、これらの断片が、前述のような本質的免疫学的特性及び生物学的特性を有する限りは、特異的GDF−15ポリペプチド又は前述の変種型の断片を含む。かかる断片は、例えばGDF−15ポリペプチドの分解産物であることができる。更に、リン酸化又はミリスチル化などの翻訳後修飾のために、異なる変種が含まれる。
【0041】
用語「心トロポニン」も、前述の特異的トロポニンの、すなわち、好ましくはトロポニンIの、より好ましくはトロポニンTの変種を包含している。かかる変種は、特異的心トロポニンと少なくとも同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を有する。特に、それらが本明細書に言及された同じ特異的アッセイ、例えば該心トロポニンを特異的に認識するポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイにより検出可能である場合に、これらは、同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を共有する。更に、本発明で言及される変種は、少なくとも1個のアミノ酸置換、欠失及び/又は付加のために異なるアミノ酸配列を有すべきであり、ここで該変種のアミノ酸配列は、依然、特異的トロポニンのアミノ配列と、好ましくは少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%同一であることが理解される。変種は、対立遺伝子変種、又はいずれか他の種の特異的ホモログ、パラログ、若しくはオルソログであることができる。更に、本明細書に言及された変種は、これらの断片が、前述のような本質的免疫学的特性及び生物学的特性を有する限りは、特異的心トロポニン又は前述の変種の型の断片を含む。好ましくは、心トロポニン変種は、ヒトトロポニンT又はトロポニンIの免疫学的特性と同等の免疫学的特性(すなわちエピトープ組成)を有する。従って、これらの変種は、心トロポニンの濃度の決定に使用される前述の手段又はリガンドにより認識可能であることとする。従って、これらの変種は、心トロポニンの濃度の決定に使用される前述の手段又はリガンドにより認識可能であることとする。かかる断片は、例えばトロポニンの分解産物であることができる。更に、リン酸化又はミリスチル化などの翻訳後修飾のために、異なる変種が含まれる。好ましくはトロポニンI及びその変種の生物学的特性は、アクトミオシンATPaseを阻害するか又はインビボ及びインビトロにおける血管新生を阻害する能力であり、これは、例えばMosesら、1999 PNAS USA 96 (6): 2645-2650に記載されたアッセイを基に検出することができる。好ましくはトロポニンT及びその変種の生物学的特性は、トロポニンC及びIと複合体を形成する能力、カルシウムイオンに結合する能力、又は好ましくはトロポニンC、I及びTの複合体として、若しくはトロポニンC、トロポニンI及びトロポニンTの変種により形成された複合体として存在する場合、トロポミオシンに結合する能力である。低濃度の循環心トロポニンは、様々な条件で、対象において検出することができることは、公知であるが、それらの各役割及び速度を理解するために、更なる研究が必要である(Massonら、Curr Heart Fail Rep (2010) 7:15-21)。
【0042】
オステオポンチン(OPN)はまた、骨シアロタンパク質I(BSP−1又はBNSP)、初期T−リンパ球活性化(ETA−1)、分泌型ホスホタンパク質1(SPP1)、2ar及びリケッチア抵抗性(Ric)としても公知であり、高度に負帯電されたポリペプチドであり、広域の(extensive)二次構造を欠いている細胞外マトリクスタンパク質である。これは、約300個のアミノ酸(マウスにおいて297個;ヒトにおいて314個)で構成され、且つ33−kDa発生期タンパク質として発現され;同じく機能上重要な切断部位が存在する。OPNは、その見かけの分子量を約44kDa増加する、翻訳後修飾を介して、進行することができる。オステオポンチンの配列は、当該技術分野において周知である(ヒトオステオポンチン:UniProt P10451、GenBank NP_000573.1)。オステオポンチンは、正常な血漿、尿、乳汁及び胆汁において認められる(US 6,414,219;US 5,695,761;Denhardt, D.T.及びGuo, X., FASEB J. 7 (1993) 1475-1482;Oldberg, A.ら, PNAS 83 (1986) 8819-8823;Oldberg, A.ら, J. Biol. Chem. 263 (1988) 19433-19436;Giachelli, CM.ら, Trends Cardiovasc. Med. 5 (1995) 88-95)。ヒトOPNタンパク質及びcDNAは、単離され且つ配列決定されている(Kiefer M. Cら, Nucl. Acids Res. 17 (1989) 3306)。OPNは、細胞接着、走化性、マクロファージ−指向性インターロイキン−10において機能する。OPNは、数多くのインテグリン受容体と相互作用することがわかっている。増加したOPN発現は、数多くのヒト癌において報告されており、そのコグネート受容体(av−b3、av−b5、及びav−blインテグリン及びCD44)が同定されている。Irby, R.B.らによるインビトロ研究(Clin. Exp. Metastasis 21 (2004) 515-523)は、内因性OPN発現(安定したトランスフェクションによる)、並びに外因性OPN(培養培地への添加)の両方は、インビトロにおけるヒト結腸癌細胞の運動能及び浸潤能を増強したことを指摘している。
【0043】
本明細書において使用される用語「可溶性Flt−1」又は「sFlt−1」は、VEGF受容体Flt1の可溶性型であるポリペプチドを指す。これは、ヒト臍静脈内皮細胞の馴化培地において同定された。内因性可溶性Flt1(sFlt1)受容体は、組み換えヒトsFlt1にクロマトグラフィーにより及び免疫学的に類似しており、且つ同等の高親和性で[125I]VEGFへ結合する。ヒトsFlt1は、インビトロにおいてKDR/Flk−1の細胞外ドメインと、VEGF−安定化複合体を形成することが示されている。好ましくは、sFlt1は、ヒトsFlt1を指す。より好ましくは、ヒトsFlt1は、Genbank寄託番号P17948, GI: 125361において示されたFlt−1のアミノ酸配列から推定することができる。マウスsFlt1のアミノ酸配列は、Genbank寄託番号BAA24499.1, GI: 2809071に示されている。
【0044】
本明細書において使用される用語「sFlt−1」はまた、前述の特異的sFlt−1ポリペプチドの変種を包含している。かかる変種は、特異的sFlt−1ポリペプチドと少なくとも同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を有する。特に、それらが本明細書に言及された同じ特異的アッセイ、例えば該sFlt−1ポリペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体若しくはモノクローナル抗体を使用するELISAアッセイにより検出可能である場合に、これらは、同じ本質的生物学的特性及び免疫学的特性を共有する。用語「変種」のより詳細な説明については、前記を参照されたい。
【0045】
本明細書において使用される用語「PlGF」(胎盤増殖因子)は、149−アミノ酸長のポリペプチドであり、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)の血小板−由来増殖因子−様領域と高度に相同である(53%同一性)、胎盤由来の増殖因子を指す。VEGF同様、PlGFは、インビトロ及びインビボにおいて、血管新生活性を有する。例えば、トランスフェクションされたCOS−1細胞由来のPlGFの生化学的特徴及び機能的特徴は、これがインビトロにおいて内皮細胞の成長を刺激することができるグリコシル化された二量体分泌タンパク質であることを明らかにした(Maqlione 1993, Oncogene 8(4):925-31)。好ましくは、PlGFは、ヒトPlGFを、より好ましくはGenbank寄託番号P49763, GI: 17380553で示された、アミノ酸配列を有するヒトPlGFを指す。
【0046】
ST2は、「インターロイキン1受容体−様1」と称されることが多く、これは機械的ストレス条件下で、心線維芽細胞及び心筋細胞により生成されるIL−1受容体ファミリーの一員である。ST2は、インターロイキン−1受容体ファミリーの一員であり、且つ膜−結合型アイソフォーム及び可溶性アイソフォーム(sST2)の両方で存在する。本発明の状況において、可溶性ST2の量が決定されるべきである(Dieplingerら, Clinical Biochemistry, 43, 2010: 1169-1170を参照)。ST2はまた、インターロイキン1受容体−様1又はIL1RL1としても公知であり、これはIL1RL1遺伝子によりヒトにおいてコードされている。ヒトST2ポリペプチドの配列は、当該技術分野において周知であり、且つ例えばGenBankを介して入手可能であり、NP_003847.2 GI:27894328を参照のこと。可溶性ST2(sST2)は、IL−33と結合し、且つST2の細胞膜−結合型を介して他方でIL−33シグナル伝達の心臓保護効果を無効にすることにより、デコイ受容体として機能すると考えられる。
【0047】
インターロイキン−6(IL−6と略される)は、感染時及び外傷後、特に熱傷若しくは炎症へ繋がる他の組織損傷の後に、免疫応答を刺激するために、T細胞及びマクロファージにより分泌されるインターロイキンである。これは、プロ−炎症性サイトカイン及び抗炎症性サイトカインの両方として作用する。ヒトにおいて、これはIL6遺伝子によりコードされている。ヒトIL−6の配列は、GenBankにより入手される(ポリヌクレオチド配列についてNM_000600.3、及びアミノ酸配列についてNP_000591.1参照)。IL−6は、リガンド−結合IL−6Rα鎖(CD126)、及びシグナル伝達成分gp130(CD130とも称される)からなる細胞−表面I型サイトカイン受容体複合体を介して、情報伝達する。CD130は、白血病抑制因子(LIF)、毛様体神経栄養因子、オンコスタチンM、IL−11及びカルジオトロフィン−1を含む、いくつかのサイトカインについて共通のシグナル伝達物質であり、且つほとんどの組織においてほぼ遍在性に発現される。対照的に、CD126の発現は、ある種の組織に制限される。IL−6はその受容体と相互作用するので、これはgp130及びIL−6Rタンパク質に、複合体の形成を誘発し、結果的にこの受容体を活性化させる。これらの複合体は、一緒に、gp130の細胞内領域をもたらし、ある種の転写因子、Janusキナーゼ(JAKs)及びシグナル伝達性転写活性化因子(STAT)を介して、シグナル伝達カスケードを開始する。
【0048】
CRPは、本明細書においてC−反応性タンパク質とも称され、これは、肺炎球菌のC−ポリサッカライドへ結合する血液タンパク質であることが75年以上前に発見された急性期タンパク質である。CRPは、反応性炎症マーカーとしても知られており、原発性病巣部位から発生するケモカイン又はインターロイキンに応答又は反応して、遠位臓器(すなわち肝臓)により生成される。CRPは、5つの単独サブユニットからなり、これらは、非共有的に結合し、分子量およそ110〜140kDaの環状五量体として集成される。好ましくは、本明細書において使用されるCRPは、ヒトCRPに関する。ヒトCRPの配列は、周知であり、且つ例えばWooらにより明らかにされている(J. Biol. Chem. 1985. 260 (24), 13384-13388)。CRPのレベルは、通常、正常個体においては低いが、炎症、感染症又は損傷により、100倍から200倍上昇し得る(Yeh (2004) Circulation. 2004; 109:II-11-II-14)。CRPは、心臓血管系リスクの予測のための独立因子であることもわかっている。特に、CRPは、心筋梗塞、心臓発作、末梢動脈疾患及び突然心臓死の予測因子として適していることが示されている。更に上昇したCRP量はまた、急性冠動脈症候群(ACS)の患者及び冠血管の介入を受けている患者において、再発性虚血及び死亡を予測することができる。CRPの決定は、冠動脈性心臓病のリスクのある患者において、専門家パネル(例えば、米国心臓協会)により推奨される(同じく、Pearsonら (2003) 「炎症及び心臓血管疾患のマーカー(Markers of Inflammation and Cardiovascular Disease)」, Circulation, 107: 499-511参照)。用語CRPはまた、それらの変種にも関する。
【0049】
好ましくは、患者の試料中のCRP量は、高感度でCRPアッセイを用いることにより決定される。かかるアッセイにより決定されるCRPは、高感度CRP(hsCRP)と称されることも多い。hsCRPアッセイは、例えば、心臓疾患のリスクを予測するために使用される。好適なhsCRPアッセイは、当該技術分野において公知である。本発明の状況において特に好ましいhsCRPアッセイは、Roche/Hitachi CRP(Latex)HS試験であり、その検出限界は0.1mg/lである。
【0050】
フェリチンは、鉄貯蔵タンパク質である。フェリチンは、鉄含量に応じて決まる、分子量少なくとも440kDaを持つ高分子であり、且つ24のサブユニットのタンパク質シェル(アポフェリチン)と平均およそ2500個のFe
3+イオンを含む鉄コア(肝臓及び脾臓フェリチンにおいて)からなる。脊椎動物において、これらのサブユニットは、各々、見かけの分子量19kDA又は21kDAである、軽(L)型及び重(H)型の両方である。フェリチンは、オリゴマーを形成する傾向がある。少なくとも20個のイソフェリチンが、等電点電気泳動法により識別され得る。この微小不均一性は、酸性Hサブユニット及び弱塩基性Lサブユニットの含量の差によるものである。塩基性イソフェリチンは、長期間の鉄保存機能に寄与し、且つ肝臓、脾臓及び骨髄において主に認められる。
【0051】
プレアルブミンは、肝細胞において合成され、且つ分子量55kDaを有する、トリプトファン−リッチタンパク質である。pH8.6において、電気泳動バンドは、陽極へのそのより大きい拡散率のために、相対量<2.5%で、アルブミンより先に出現する。その機能は、低分子量レチノール−結合タンパク質(分子量21kDa未満)に結合し輸送し、それらの糸球体濾過を防止することである。循環プレアルブミンの30〜50%は、レチノール−結合タンパク質により複合されている。更に、これはチロキシン(T4)に結合し且つ輸送する。プレアルブミンは、トランスチレチンと称されることも多い。
【0052】
性ホルモン結合グロブリン(SHBG)は、テストステロン及びエストラジオールのための血液輸送タンパク質である。これは、分子量約95kDの大型糖タンパク質であり、2個の同一サブユニットで構成されるホモ二量体として存在する。各サブユニットは、2個のジスルフィド橋を含む。SHBGはほとんど、肝臓により生成され、且つ血流へ放出される。SHBGを産生する他の部位としては、脳、子宮、睾丸、及び胎盤が挙げられる。SHBGの配列は、当該技術分野において周知であり、例えばGenBank寄託番号NP_001031.2 GI:7382460を参照されたい。
【0053】
トランスフェリンは、分子量約80kDaの糖タンパク質である。これは、2個のN−グリコシド結合されたオリゴ糖鎖を持つポリペプチド鎖を含み、多くのアイソフォームで存在する。肝臓における合成速度は、体の鉄の必要性及び鉄の蓄えに従い変動し得る。トランスフェリンは、血清中の鉄輸送タンパク質である。鉄欠損症の症例において、トランスフェリン飽和度は、機能性鉄枯渇の極めて感度の良いインジケーターであるように見える。放射状免疫拡散法、ネフェロメトリー及び比濁法を含む、様々な方法が、トランスフェリン決定のために利用可能である。
本発明の方法の状況において、ヒトペプチド又はポリペプチドの量を決定することが、特に想定されている。
【0054】
尿酸は、対象生物におけるプリン代謝の最終産物である。IUPAC名称は、7,9−ジヒドロ−3H−プリン−2,6,8−トリオンである。この化合物は、尿酸塩、リチック酸(Lithic acid)、2,6,8−トリオキシプリン、2,6,8−トリヒドロキシプリン、2,6,8−トリオキソプリン、1H−プリン−2,6,8−トリオールと称されることも多い(化学式C
5H
4N
4O
3、PubChem CID 1175、CAS番号69-93-2)。
【0055】
尿酸測定は、腎不全、痛風、白血病、乾癬、飢餓又は他の消耗性病態を含む多くの腎障害及び代謝障害の、並びに細胞毒性薬を受け取っている患者の、診断及び治療に使用される。尿酸の酸化は、このプリン代謝産物の量的決定への2つのアプローチの基礎を提供する。一つのアプローチは、アルカリ溶液中のリンタングステン酸のタングステンブルーへの還元であり、これは分光学的に測定される。第二のアプローチは、Praetorius及びPoulsonにより説明されており、これは、尿酸を酸化するために酵素ウリカーゼを利用し;この方法は、化学的酸化に固有の干渉を排除する(Praetorius E, Poulsen H.、「尿酸の酵素測定と詳細な指示(Enzymatic Determination of Uric Acid with Detailed Directions)」、Scandinav J Clin Lab Investigation 1953;3:273-280)。ウリカーゼは、尿酸の消費のUV測定に関与する方法において、又は比色アッセイを提供する他の酵素と組合せて、利用することができる。別の方法は、Townらにより開発された比色法である(Town MH, Gehm S, Hammer B, Ziegenhorn J., J Clin Chem Clin Biochem 1985;23:591)。試料は最初に、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する試薬混合物及び透明化システム(clearing system)とインキュベーションされる。この試験システムにおいて、試料中に存在するあらゆるアスコルビン酸が、予備反応において除外されることは重要であり;このことは、後続のPOD指示薬反応とのアスコルビン酸の干渉を排除する。開始剤の添加時に、ウリカーゼによる尿酸の酸化が始まる。
【0056】
本発明の状況において、尿酸は、好適とみなされる任意の方法により決定されてよい。好ましくは、このバイオマーカーは、前述の方法により決定される。より好ましくは、尿酸は、前述の比色法をわずかに改変して決定される。この反応において、過酸化物は、ペルオキシダーゼ(POD)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、及び4−アミノフェナゾンの存在下で反応し、キノン−ジイミン色素を形成する。形成された赤色の強度は、尿酸濃度に比例し、分光学的に決定される。
【0057】
尿素は、タンパク質窒素代謝の主要最終生成物である。これは、化学式CO(NH
2)
2を有し、肝臓においてアミノ酸脱アミノ化により生成されるアンモニアから尿素回路により合成される。尿素は、腎臓によりほとんど排泄されるが、また少量は汗中で排泄され、且つ細菌作用により腸内で分解される。血液尿素窒素の決定は、腎機能の最も広範に使用されるスクリーニング試験である。
【0058】
本明細書に使用される用語バイオマーカーレベルを「測定する」とは、本明細書の別所記載の好適な決定方法を利用し、バイオマーカーの定量、例えば試料中のバイオマーカーのレベルを決定することを指す。用語「測定する」、「検出する」及び「決定する」は、本明細書において互換的に使用される。
【0059】
本明細書において言及されるバイオマーカーは、一般に当該技術分野において公知の方法を使用し、決定することができる。検出方法は一般に、試料中のバイオマーカーのレベルを定量する方法(定量法)を包含している。下記のどの方法が、バイオマーカーの定性的及び/又は定量的検出に適しているかは、一般に当業者に公知である。試料は、好都合なことに、市販されている、ウェスタン及びELISAのような免疫学的検定、RIA、蛍光−ベースの免疫学的検定を使用し、例えばタンパク質についてアッセイすることができる。バイオマーカーを検出するための更に好適な方法は、その正確な分子質量又はNMRスペクトルなどの、ペプチド又はポリペプチドに特異的な物理的又は化学的特性の測定を含む。該方法は、例えば、バイオセンサー、免疫学的検定と組合せた光学装置、バイオチップ、質量分析装置、NMR−分析装置、又はクロマトグラフィー装置などの分析装置を含む。更に方法は、マイクロプレートELISA−ベースの方法、完全自動化された又はロボット式免疫学的検定(例えば、Elecsys(商標)分析装置で利用可能)、CBA(例えば、Roche-Hitachi(商標)分析装置で利用可能な、酵素的コバルト結合アッセイ)、及びラテックス凝集アッセイ(例えば、Roche-Hitachi(商標)分析装置で利用可能)を含む。
【0060】
本明細書で言及されたバイオマーカータンパク質の検出に関して、かかるアッセイフォーマットを使用する、広範な免疫学的検定技術が、利用可能であり、例えば米国特許第4,016,043号、第4,424,279号、及び第4,018,653号を参照されたい。これらは、従来の競合的結合アッセイに加え、シングルサイト及びツーサイトアッセイ又は「サンドイッチ」アッセイの両方を含む。これらのアッセイはまた、標識抗体の標的バイオマーカーへの直接結合を含む。
サンドイッチアッセイは、中でも最も有用で一般に使用されている免疫学的検定である。
【0061】
電気化学発光現象を測定する方法は、周知である。かかる方法は、酸化により、励起状態を達成し、これは基底状態まで崩壊し、電気化学発光を放出する、特別な金属複合体の能力を使用する。総説については、Richter, M.M., Chem. Rev. 104 (2004) 3003-3036を参照されたい。
【0062】
バイオマーカーはまた、磁気共鳴分光法(NMR分光法)、ガスクロマトグラフィー−質量分析(GC−MS)、液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)、高速及び超高速−HPLC、逆相HPLCなどのHPLC、例えば、二重UV−波長検出を備えるイオン−対形成HPLC、レーザー−誘導蛍光検出を備えるキャピラリー電気泳動、陰イオン交換クロマトグラフィー及び蛍光検出、薄層クロマトグラフィーを含む、一般に公知の方法により検出することができる。
【0063】
好ましくは、ペプチド又はポリペプチドのレベルの測定は、(a)その強度がペプチド又はポリペプチドのレベルの指標である細胞応答を誘起することが可能な細胞を、該ペプチド又はポリペプチドと、好適な期間接触させる工程、(b)この細胞応答を測定する工程を含む。細胞応答の測定のために、試料又は処理された試料は、細胞培養物に添加されることが好ましく、内部又は外部細胞応答が測定される。細胞応答は、レポーター遺伝子の測定可能な発現、又は例えばペプチド、ポリペプチド、若しくは小分子などの物質の分泌を含むことができる。この発現又は物質は、ペプチド又はポリペプチドのレベルと相関する強いシグナルを発生させるものとする。
【0064】
また好ましくは、ペプチド又はポリペプチドのレベルの測定は、試料中のペプチド又はポリペプチドから得ることが可能な特異的強度のシグナルを測定する工程を含む。先に記載したように、かかるシグナルは、ペプチド又はポリペプチドに特異的な質量スペクトル又はNMRスペクトルにおいて観察された、ペプチド又はポリペプチドに特異的な可変性のm/zで観察されたシグナル強度であることができる。
【0065】
ペプチド又はポリペプチドのレベルの測定は、好ましくは、(a)ペプチドを特異的結合物質と接触させる工程、(b)(任意に)結合していない結合物質を除去する工程、(c)結合した結合物質、すなわち工程(a)において形成された結合物質の複合体のレベルを測定する工程:を含むことができる。好ましい実施態様に従い、該接触、除去及び測定の工程は、本明細書に明らかにされたシステムの分析装置ユニットにより行うことができる。一部の実施態様に従い、該工程は、該システムの単独の分析装置ユニットにより、又は互いに操作可能な連絡にある2個以上の分析装置ユニットにより、実行することができる。例えば、特定の実施態様に従い、本明細書に明らかにされた該システムは、該接触及び除去工程を実行するための第一の分析装置ユニット、並びに運搬ユニット(例えば、ロボットアーム)により該第一分析装置ユニットに操作できるよう連結された、該測定工程を実行する、第二の分析装置ユニットを含むことができる。
【0066】
結合された結合物質、すなわち結合物質又は結合物質/ペプチド複合体は、強いシグナルを生じるであろう。本発明の結合は、共有結合及び非共有結合の両方を含む。本発明の結合物質は、本明細書記載のペプチド又はポリペプチドに結合する、任意の化合物、例えばペプチド、ポリペプチド、核酸、又は小分子であることができる。好ましい結合物質は、抗体、核酸、受容体などのペプチド若しくはポリペプチド、又はペプチドの結合ドメインを含むペプチド若しくはポリペプチドの結合パートナー及びそれらの断片、並びに核酸アプタマー若しくはペプチドアプタマーなどのアプタマーを含む。かかる結合物質を調製する方法は、当該技術分野において周知である。例えば、好適な抗体又はアプタマーの同定及び生成はまた、商業的供給業者によっても提供される。当業者は、より高い親和性又は特異性を持つかかる結合物質の誘導体を開発する方法を熟知している。例えば、ランダム変異を、核酸、ペプチド又はポリペプチドに導入することができる。その後これらの誘導体は、当該技術分野において公知のスクリーニング手順、例えばファージディスプレイに従い、結合について試験することができる。本明細書において言及される抗体は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の両方、並びに抗原又はハプテンに結合することが可能であるそれらの断片、例えば、Fv、Fab及びF(ab)2断片を含む。本発明はまた、単鎖抗体、及び所望の抗原−特異性を示す非−ヒトドナー抗体のアミノ酸配列がヒトアクセプター抗体の配列と組み合わされているヒト化ハイブリッド抗体を含む。このドナー配列は通常、少なくともドナーの抗原−結合するアミノ酸残基を含むが、更にドナー抗体の他の構造的及び/又は機能的に関係するアミノ酸残基を含むことができる。かかるハイブリッドは、当該技術分野において周知のいくつかの方法により調製することができる。好ましくは、結合物質又は物質は、ペプチド又はポリペプチドへ特異的に結合する。本発明の特異的結合は、リガンド又は物質が、分析されるべき試料中に存在する別のペプチド、ポリペプチド又は物質と実質的に結合(「交差反応」)しないことを意味する。好ましくは、特異的に結合したペプチド又はポリペプチドは、任意の他の関連ペプチド又はポリペプチドよりも、少なくとも3倍より高い、より好ましくは少なくとも10倍より高い、更により好ましくは少なくとも50倍より高い親和性で、結合されなければならない。非特異的結合は、例えばウェスタンブロットにおいてそのサイズに従い、又は試料中のその比較的高い存在量により、それが依然明白に識別及び測定することができる場合に、許容できる。結合物質の結合は、当該技術分野において公知の任意の方法により測定することができる。好ましくは、該方法は、半−定量的又は定量的である。ポリペプチド又はペプチドを決定するための更に好適な技術は、以下に説明される。
【0067】
結合物質の結合は、例えばNMR又は表面プラズモン共鳴により直接測定することができる。好ましい実施態様に従い、結合物質の結合の測定は、本明細書に明らかにされたシステムの分析装置ユニットにより行われる。その後、測定された結合のレベルは、本明細書に明らかにされたシステムの演算装置により、計算することができる。結合物質がまた、関心対象のペプチド又はポリペプチドの酵素活性の基質として働く場合、酵素反応生成物を測定することができる(例えば、プロテアーゼのレベルは、例えばウェスタンブロット上で切断された基質のレベルを測定することにより、測定することができる)。或いは、結合物質は、酵素特性それ自身を示すことができるか、及び「結合物質/ペプチド又はポリペプチド」複合体又はペプチド若しくはポリペプチドにより結合された結合物質は、各々、強いシグナルの発生により検出が可能である公的な基質と接触させることができる。酵素反応生成物の測定に関して、好ましくは基質のレベルは飽和されている。基質はまた、反応の前に、検出可能な標識物により標識されることができる。好ましくは、試料は、適切な期間、基質と接触させられる。適切な期間とは、検出可能な、好ましくは測定可能なレベルの生成物が生成されるのに必要な時間をいう。生成物のレベルの測定の代わりに、所与の(例えば検出可能な)レベルの生成物の出現に必要な時間を、測定することができる。第三に、結合物質は、結合物質の検出及び測定を可能にする標識物に、共有的又は非共有的に結合され得る。標識は、直接法又は間接法により行うことができる。直接標識は、結合物質への標識物の直接結合(共有的又は非共有的)に関する。間接標識は、第二の結合物質の第一の結合物質への結合(共有的又は非共有的)に関与している。第二の結合物質は、第一の結合物質へ特異的に結合しなければならない。該第二の結合物質は、好適な標識物と結合されているか、及び/又は第二結合物質に結合している第三の結合物質の標的(受容体)であることができる。第二、第三、更にはより高次の結合物質の使用は、シグナルを増大するために使用されることが多い。好適な第二及びより高次の結合物質は、抗体、二次抗体、及び周知のストレプトアビジン−ビオチンシステム(Vector Laboratories社)を含むことができる。結合物質又は基質はまた、当該技術分野において公知の1又は複数のタグにより、「タグ付け」されてもよい。かかるタグはその後、より高次の結合物質のための標的であってよい。好適なタグとしては、ビオチン、ジゴキシゲニン、His−Tag、グルタチオン−S−転移酵素、FLAG、GFP、myc−tag、インフルエンザAウイルスヘマグルチニン(HA)、マルトース結合タンパク質などが挙げられる。ペプチド又はポリペプチドの場合、タグは、N−末端及び/又はC−末端であることが好ましい。好適な標識物は、好適な検出方法により検出可能である任意の標識物である。典型的標識物としては、金粒子、ラテックスビーズ、アクリダンエステル、ルミノール、ルテニウム、酵素活性のある標識物、放射性標識物、磁気標識物(例えば常磁性及び超常磁性標識物を含む、「磁気ビーズ」)、及び蛍光標識物が挙げられる。酵素活性のある標識物としては、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、及びそれらの誘導体が挙げられる。検出に適した基質としては、ジ−アミノ−ベンジジン(DAB)、3,3’−5,5’−テトラメチルベンジジン、NBT−BCIP(4−ニトロブルーテトラゾリウムクロリド及び5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−リン酸塩、直ぐに使用することができるストック液としてRoche Diagnostics社から入手可能)、CDP−Star(商標)(Amersham Bio-sciences社)、ECF(商標)(Amersham Biosciences社)が挙げられる。好適な酵素−基質組合せは、着色した反応生成物、蛍光又は化学発光を生じることができ、これらは、当該技術分野において公知の方法により測定することができる(例えば、感光フィルム又は好適なカメラシステムを使用して)。酵素反応の測定についてのように、先に示された基準が、同様に適用される。典型的蛍光標識物としては、蛍光タンパク質(GFP及びその誘導体など)、Cy3、Cy5、Texas Red、フルオレセイン、及びAlexa色素(例えば、Alexa 568)が挙げられる。更なる蛍光標識物は、例えば、Molecular Probes社(オレゴン州)から入手可能である。同じく蛍光標識物としての量子ドットの使用が意図される。放射性標識物は、例えば、感光フィルム又はホスホロイメージャーなどの、任意の公知且つ好適な方法により検出することができる。
【0068】
ペプチド又はポリペプチドのレベルは、好ましくは、以下により決定することもできる:(a)先に特定したペプチド又はポリペプチドの結合物質を含む固形支持体を、ペプチド又はポリペプチドを含有する試料と接触させる工程、及び(b)支持体に結合されたペプチド又はポリペプチドのレベルを測定する工程。この結合物質は、好ましくは、核酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体及びアプタマーからなる群から選択され、これらは不動化された形状で固形支持体上に存在することが好ましい。固形支持体を製造するための材料は、当該技術分野において周知であり、且つとりわけ、市販のカラム物質、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁気ビーズ、コロイド状金属粒子、ガラス及び/又はシリコーンのチップ及び表面、ニトロセルロース小片、メンブレン、シート、デュラサイト(duracytes)、反応トレーのウェル及び壁、プラスチックチューブなどが挙げられる。結合物質又は物質は、多くの異なる担体に結合することができる。周知の担体の例としては、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然及び改質セルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、及びマグネタイトが挙げられる。担体の性質は、本発明の目的のために可溶性又は不溶性のいずれかであることができる。該結合物質を固定/不動化する好適な方法は、周知であり、且つイオン的、疎水的、共有的相互作用などを含むが、これらに限定されるものではない。本発明のアレイとして「サスペンションアレイ」を使用することも、意図される(Nolan 2002, Trends Biotechnol. 20(1):9-12)。かかるサスペンションアレイにおいて、担体、例えば、マイクロビーズ又はミクロスフェアは、懸濁液中に存在する。このアレイは、恐らく標識され、異なる結合物質を運搬する、異なるマイクロビーズ又はミクロスフェアからなる。例えば固相化学及び感光性保護基を基にした、かかるアレイの製造方法は、一般に公知である(米国特許第5,744,305号)。
【0069】
本発明の方法の実施態様において、本明細書において言及されるバイオマーカーのレベルは、「実施例」の項に説明されたアッセイを用いて測定される。
別の本発明の方法の実施態様において、工程a)の測定は、分析装置ユニットにより、特に本明細書の別所記載の分析装置ユニットにより実行することができる。
【0070】
用語「結合物質」とは、各バイオマーカーに対応して特異的に結合する結合部分を含む分子を指す。
用語「特異的結合」又は「特異的に結合」とは、結合対分子が、それらが他の分子には有意に結合しない条件下で、互いに結合を示す、結合反応を指す。用語「特異的結合している」又は「特異的に結合する」とは、バイオマーカーとしてタンパク質又はペプチドについて言及する場合、結合物質が、少なくとも10
-7Mの親和性で、対応するバイオマーカーに結合する結合反応を指す。用語「特異的結合している」又は「特異的に結合する」は、その標的分子について、好ましくは少なくとも10
-8Mの、更により好ましくは少なくとも10
-9Mの親和性を指す。用語「特異的な」又は「特異的には」は、試料中に存在する他の分子は、標的分子に特異的な結合物質に有意に結合しないことを示すように使用される。好ましくは、標的分子以外の分子への結合のレベルは、標的分子への親和性のわずか10%以下の、より好ましくはわずか5%以下の結合親和性を生じる。
【0071】
「結合物質」の例は、核酸プローブ、核酸プライマー、DNA分子、RNA分子、アプタマー、抗体、抗体断片、ペプチド、ペプチド核酸(PNA)又は化合物である。好ましい結合物質は、測定されるべきバイオマーカーに特異的に結合する抗体である。本明細書において用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、非限定的にモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及びそれらが所望の抗原結合活性を示す限りは抗体断片を含む、様々な抗体構造を包含している。好ましくは、抗体は、ポリクローナル抗体である。より好ましくは、抗体は、モノクローナル抗体である。
【0072】
ある態様において、適用することができる別の結合物質は、試料中の少なくとも1種のマーカーに特異的に結合するアプタマーであることができる。用語「特異的結合している」又は「特異的に結合する」は、結合物質として核酸アプタマーについて言及する場合には、核酸アプタマーが、対応する標的分子に低nMからpMの範囲の親和性で結合している、結合反応を指す。
【0073】
更なる態様において、試料は、結合物質と少なくとも1種のマーカーの間に形成される複合体から、形成された複合体の量の測定の前に、除去される。従ってある態様において、結合物質は、固形支持体上に不動化されてよい。更にある態様において、試料は、洗浄液を適用することにより、固形支持体上の形成された複合体から除去することができる。形成された複合体は、試料中に存在する少なくとも1種のマーカーの量に比例するものとする。適用される結合物質の特異性及び/又は感受性は、特異的に結合されることが可能である試料中に含まれる少なくとも1種のマーカーの割合の程度を規定することは理解されるであろう。どのように決定を実行するかに関する更なる詳細はまた、本明細書別所に認められる。形成された複合体の量は、試料中に実際に存在する量を反映している少なくとも1種のマーカーの量に変換されるものとする。かかる量は、ある態様において、試料中に本質的に存在する量であるか、又は別の態様において、形成された複合体と当初の試料中に存在する量の間の関係のために、それらの特定の割合の量であってよい。
【0074】
本明細書において使用される用語「レベル」は、本明細書において言及されるバイオマーカーの絶対量、該バイオマーカーの相対量又は相対濃度、並びにそれらに相関するか若しくはそれらから誘導され得る任意の値若しくはパラメータを包含している。かかる値又はパラメータは、直接測定により該ペプチドから得られた全ての特異的物理的又は化学的特性の全てに由来する強いシグナル値、例えば、質量スペクトル又はNMRスペクトルにおける強度値などを含む。更に、本説明の別所に特定された間接測定により得られる全ての値又はパラメータ、例えば、ペプチドに対する応答における生物学的リードアウトシステムから決定された応答量、又は特異的に結合されたリガンドから得られた強いシグナルなどが、包含される。前述の量又はパラメータと相関する値は、全ての標準の数学的操作からも得ることができることも理解されるべきである。
【0075】
本明細書において使用される用語「比較する」とは、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルを、本説明の別所に特定されたバイオマーカーの参照レベルと比較することを指す。本明細書において使用される比較するは、通常対応するパラメータ又は値の比較を指すこと、例えば、絶対量は、絶対参照レベルと比較されるのに対し、濃度は参照濃度と比較されるか、又は試料中のバイオマーカーから得られたシグナル強度は、参照試料から得られた同じ型のシグナル強度と比較されることは、理解されるべきである。比較は、手作業で、又はコンピュータの支援で実行されてよい。従って、比較は、演算装置(例えば、本明細書に明らかにされたシステムの)により実行されてよい。個人又は患者由来の試料中で測定又は検出されたバイオマーカーのレベル及び参照レベルの値は、例えば、互いに比較されることができ、且つ該比較は、比較のためのアルゴリズムを実行するコンピュータプログラムにより自動的に実施され得る。該評価を実施するコンピュータプログラムは、好適なアウトプットフォーマットで所望の評価を提供するであろう。コンピュータ支援の比較に関して、決定された量の値は、コンピュータプログラムにより、データベースに保存されている好適な参照に対応する値と比較されてよい。コンピュータプログラムは更に、比較の結果を評価する、すなわち好適なアウトプットフォーマットで所望の評価を自動的に提供することができる。コンピュータ支援の比較に関して、決定された量の値は、コンピュータプログラムにより、データベースに保存されている好適な参照に対応する値と比較されてよい。コンピュータプログラムは更に、比較の結果を評価する、すなわち好適なアウトプットフォーマットで所望の評価を自動的に提供することができる。
【0076】
本明細書において使用される用語「参照レベル」は好ましくは、予め決定された値を指す。この状況において、「レベル」は、絶対量、相対量又は相対濃度、並びにそれらに相関するか又はそれらから誘導され得る任意の値又はパラメータを包含している。当業者が理解するように、参照レベルは、例えば、特異度及び/又は感度に関して慣習的な必要要件に合致するように、予め決定され且つ設定される。これらの必要要件は、例えば、規制機関毎に変動することができる。これは例えば、アッセイ感度又は特異度は、各々、特定の限界、例えば、各々、80%、90%、95%又は98%に設定されるべきであってよい。これらの必要要件はまた、陽性又は陰性推定値に関して規定されることができる。それにもかかわらず、本発明により提示される内容を基に、当業者が、これらの必要要件に合致する参照レベルに到達することは常に可能であろう。一実施態様において、参照レベルは、健常な個体からの参照試料において決定される。参照レベルは、一実施態様において、患者が属する疾患実体(disease entity)からの参照試料において予め決定されている。いくつかの実施態様において、参照レベルは、例えば、調べられる疾患実体における値の分布全体の25%〜75%の割合で設定されることができる。他の実施態様において、参照レベルは、例えば、調べられる疾患実体からの参照試料における値の分布全体から決定された中央値、三分位数又は四分位数に設定されることができる。一実施態様において、参照レベルは、調べられる疾患実体の値の分布全体から決定された中央値に設定される。参照レベルは、年齢、性別又は亜集団などの様々な生理学的パラメータ、並びに本明細書において言及されるバイオマーカーの決定に使用される手段に応じて、変動することができる。一実施態様において、参照試料は、本発明の方法に供される個体又は患者由来の試料と同じ型の細胞、組織、臓器又は体液の給源から本質的に由来し、例えば、本発明に従い、血液が個体におけるバイオマーカーのレベルを決定するための試料として使用される場合、参照レベルも、血液又はそれらの一部において決定される。
【0077】
本明細書において使用される用語「参照レベル」は、好ましくは、患者を、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者群に、又はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者群に割り当てることを可能にするレベルを指す。かかる参照レベルは、互いにこれらの群を分離する閾値レベルであることができる。従って、本明細書において言及されるバイオマーカーの参照レベルは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者群、又はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者群への、患者の割り当てを可能にするレベルであることとする。2つの群を分離するのに適している閾値レベルは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者由来(若しくはかかる患者群由来)、又はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者由来(若しくはかかる患者群由来)のいずれかの本明細書において言及されるマーカーのレベルを基に、本明細書別所において言及される統計学的検定により、更なる骨折りをせずに計算することができる。前述の患者又は患者群から誘導することができる好ましい参照レベルは、本明細書別所に指摘されている。
【0078】
参照レベルは、閾値レベルを規定及び確立するために使用することができる。閾値レベルは、好ましくは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い又は可能性がより低い患者を確定することを可能にする。従って、参照レベルは、好ましくは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い又は可能性がより低い患者を確定すること可能にするものとする。実施態様において、該参照レベルは、計算された参照レベルである。この確定は、計算された「レベル」の参照又は閾値との該比較を基にした、本明細書に開示されたシステムの演算装置により提供されてよい。例えば、システムの演算装置は、採用又は除外(rule-in or rule-out)を指示する、言語、記号、又は数値の形のインジケーターを提供することができる。個々の患者に適用可能な参照レベルは、年齢、性別又は亜集団などの様々な生理学的パラメータ、並びに本明細書において言及されるポリペプチド又はペプチドの決定に使用される手段に応じて、変動することができる。好適な参照レベルは、被験試料と一緒に、すなわち同時又は連続して、分析されるべき参照試料から決定されてよい。
【0079】
好ましくは、参照レベルは、計算された参照レベルである。好ましくは計算された参照レベルは、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い患者と、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより低い患者を区別することを可能にするものとする。参照レベルは、原則として、標準の統計学的方法を適用することにより、所与のバイオマーカーについて平均又は平均値を基に先に特定したように、患者コホートについて計算することができる。特に、事象を診断することを目的とする方法又はしない方法などの、試験の精度は、その受診者動作特性(ROC)により最も良く説明されている(特に、Zweig 1993, Clin. Chem. 39:561-577を参照)。ROC図は、観察されたデータの範囲全体に及ぶ識別閾値の連続する変動から生じる感度/特異度対の全てのプロットである。診断法の臨床性能は、その精度によって、すなわちある評価、予後判定又は診断に患者を正確に割り当てるその能力によって決まる。ROCプロットは、区別を行うのに適した閾値の完全な範囲に関する感度、対、1−特異度をプロットすることによる、2つの分布間の重複を示している。y−軸は感度であるか、又は真陽性率であり、これは、真陽性試験結果の数の、真陽性数と偽陰性試験結果の数の積に対する比として規定される。これはまた、疾患又は状態の存在における陽性とも称される。これは、罹患したサブグループからのみ計算される。x−軸は偽陽性率であるか、又は偽陽性結果の数の、真陰性の数と偽陽性結果の数の積に対する比として規定される1−特異度である。これは、特異度の指標であり、且つ罹患していないサブグループから全体が計算される。真陽性率及び偽陽性率は、2つの異なるサブグループからの試験結果を使用することにより、全体的に個別に計算されるので、ROCプロットは、そのコホートにおける事象の有病率(prevalence)とは無関係である。ROCプロット上の各点は、特定の識別閾値に対応する感度/−特異度対を表している。完全な区別を伴う試験(2つの結果の分布において重複がない)は、左上角を貫通するROCプロットを有し、ここで真陽性率は、1.0、又は100%(完全感度)であり、並びに偽陽性率は、0(完全特異度)である。区別のない試験(2つの群の結果の分布が同じ)に関する理論上のプロットは、左下角から右上角への45°対角線である。ほとんどのプロットは、これら2つの極端の間に収まる。ROCプロットが、45°対角線の完全に下側に収まる場合、「陽性」に関する判定を「以上」から「未満」まで逆転するか、又はその反対により、これは容易に修正される。定性的に、プロットが左上角により近くなると、試験の全般的精度がより高まる。所望の信頼区間に応じて、閾値は、ROC曲線から誘導することができ、感度と特異度の適切な釣り合いで、各々、所与の事象に関する診断又は予測を可能にする。従って、本発明の前述の方法に使用される参照は、閾値又はカットオフレベルであることが好ましく、且つ好ましくは、先に説明されたよう該コホートに関するROCを確立し、それから閾値レベルを誘導することにより作成することができる。診断法に関する所望の感度及び特異度に応じて、ROCプロットは、好適な閾値を誘導することを可能にする。
【0080】
以下を、診断アルゴリズムとして適用する:
バイオマーカーとしてのオステオポンチン
オステオポンチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを下回る患者の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0081】
バイオマーカーとしてのsST2
sST2がバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを下回る患者の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0082】
バイオマーカーとしてのGDF−15
GDF−15がバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0083】
バイオマーカーとしての尿素
尿素がバイオマーカーとして使用される場合、試験される心不全患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0084】
バイオマーカーとしての尿酸
尿酸がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0085】
バイオマーカーとしてのトランスフェリン
トランスフェリンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患にも罹患していることが好ましい。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0086】
バイオマーカーとしての心トロポニン
心トロポニン、特にトロポニンTがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、追加的に冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0087】
バイオマーカーとしてのSHBG
SHBGがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0088】
バイオマーカーとしてのsFlt−1
sFlt−1がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0089】
バイオマーカーとしてのプレアルブミン
プレアルブミンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0090】
バイオマーカーとしてのPlGF
PlGFがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0091】
バイオマーカーとしてのIL−6
IL−6がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0092】
バイオマーカーとしてのフェリチン
フェリチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、好ましくは冠動脈疾患にも罹患している。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0093】
バイオマーカーとしてのhsCRP
hsCRPがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより高いことを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者はスタチン含有療法に対する応答の可能性がより低いことを示している。
【0094】
先に示したように、参照レベルは、更なる骨折りなく決定することができる。好ましい参照レベルは、心不全を有する患者群の中央値レベルであってよい。
【0095】
個々のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムも、「好ましい実施態様」の項において明らかにされ、例えば、実施態様8を参照されたい。
【0096】
GDF−15に関する好ましい参照レベルは、好ましくは2500pg/mL〜4500pg/mLの範囲内、より好ましくは3000pg/mL〜4000pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、3560pg/mLである。
【0097】
尿素に関する好ましい参照レベルは、好ましくは8mmol/L〜11mmol/Lの範囲内、より好ましくは9mmol/L〜10mmol/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、9.4mmol/Lである。
【0098】
SHBGに関する好ましい参照レベルは、好ましくは25nmol/L〜36nmol/Lの範囲内、より好ましくは30nmol/L〜32nnmol/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、30.8nmol/Lである。
【0099】
尿酸に関する好ましい参照レベルは、好ましくは6.3mg/dL〜8.3mg/dLの範囲内、より好ましくは6.9mg/dL〜7.7mg/dLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、7.3mg/dLである。
【0100】
PLGFに関する好ましい参照レベルは、好ましくは16pg/mL〜26pg/mLの範囲内、より好ましくは20pg/mL〜23pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、21.3pg/mLである。
【0101】
IL−6に関する好ましい参照レベルは、好ましくは5.7pg/mL〜7.1pg/mLの範囲内、より好ましくは6.1pg/mL〜6.7pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、6.4pg/mLである。
【0102】
トランスフェリンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは3.7g/L〜4.5g/Lの範囲内、より好ましくは3.9g/L〜4.3g/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、4.1g/Lである。
【0103】
トロポニンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは20pg/mL〜31pg/mLの範囲内、より好ましくは25pg/mL〜28pg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、26.5pg/mLである。
【0104】
sFlt−1に関する好ましい参照レベルは、好ましくは85pg/mL〜115pg/mLの範囲内、より好ましくはの93pg/mL〜107pg/mL範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、99.6pg/mLである。
【0105】
プレアルブミンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは0.18g/L〜0.22g/Lの範囲内、より好ましくは0.19g/L〜0.21g/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、0.2g/Lである。
【0106】
フェリチンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは140μg/L〜180μg/Lの範囲内、より好ましくは150μg/L〜170μg/Lの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、160μg/Lである。
【0107】
オステオポンチンに関する好ましい参照レベルは、好ましくは85ng/mL〜115ng/mLの範囲内、より好ましくは93ng/mL〜107ng/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、100ng/mLである。
【0108】
sST2に関する好ましい参照レベルは、好ましくは30ng/mL〜38ng/mLの範囲内、より好ましくは32ng/mL〜36ng/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、34ng/mLである。
【0109】
hsCRPに関する好ましい参照レベルは、好ましくは4mg/mL〜6mg/mLの範囲内、より好ましくは4.8mg/mL〜5.4mg/mLの範囲内である。最も好ましくは、この参照レベルは、5.1mg/mLである。
【0110】
先に示した参照レベルは、全ての本発明の方法及び使用に適用する。
いくつかの実施態様において、用語「参照レベルを上回る」とは、参照レベルと比較した場合、本明細書記載の方法により決定された、参照レベルを上回る、又は5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、100%又はそれより多い全体的増加の、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルを指す。いくつかの実施態様において、用語増加は、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーレベルの増加を指し、ここで増加は、参照試料から先に決定された、参照レベルと比べ、少なくとも約1.5、1.75、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、75、80、90、又は100倍より高い。
【0111】
いくつかの実施態様において、本明細書の用語「減少する」又は「下回る」は、参照レベルと比較した場合、本明細書記載の方法により決定された、参照レベルを下回る、又は5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれより多い全体的減少の、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルを指す。いくつかの実施態様において、用語減少は、個体又は患者由来の試料中のバイオマーカーレベルの減少を指し、ここで減少されたレベルは、参照試料から先に決定された、参照レベルと比べ、多くても約0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、又は0.01倍、又はそれよりも少ない。
【0112】
本発明の実施態様において、バイオマーカーは、単独で測定される。しかし、一緒に決定され得ることも意図され、すなわち本発明の方法は、1種よりも多いマーカー、すなわち2、3、4又は5種のマーカーの決定を包含することができる。2種以上のマーカーが決定される場合、個々のマーカーに関する診断アルゴリズムが、組合せられる。
【0113】
好ましいバイオマーカー組合せは、以下である:
・GDF−15及び尿素、
・GDF−15及びSHBG、
・GDF−15及びPlGF、
・GDF−15及びIL−6、
・PlGF及びIL−6、
・トロポニン及びsST2、
・hsCRP及びsST2、
・PLGF及びsFlt1。
【0114】
本発明の方法の実施態様において、前述の方法は、(d)スタチン含有療法を推奨、開始又は中断する工程を更に含む。
【0115】
本明細書において使用される語句「療法を推奨する」とは、スタチン含有療法により好適に治療されるか又は好適に治療されない患者を確定するために、患者の試料中の本明細書において言及される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルに関して作成される情報又はデータを使用することを指す。本明細書において使用される語句「療法を推奨する」とは同じく、スタチン含有療法に対する応答の可能性がより高い若しくはより低いことが確定又は選択された患者についてスタチン含有療法を提唱又は選択するために、作成される情報又はデータを使用することを指すこともできる。使用又は作成される情報又はデータは、任意の形態、書面、口頭又は電子式であることができる。一部の実施態様において、作成された情報又はデータの使用は、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せを含む。一部の実施態様において、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せは、演算装置、分析装置ユニット又はそれらの組合せにより実行される。一部の更なる実施態様において、連絡、提示、報告、保存、送付、転送、供給、伝達、配布又はそれらの組合せは、実験室又は医療の専門家により実行される。一部の実施態様において、情報又はデータは、本明細書において言及される少なくとも1種のマーカーのレベルの参照レベルとの比較を含む。
【0116】
好ましくは、患者がスタチン含有療法に応答する可能性がより高い場合は、スタチン含有療法は、開始される(患者がスタチンにより先に治療されていない場合)か、又は継続される(患者がスタチンにより先に治療されている場合)。従って、スタチン含有療法を開始又は継続することが推奨される。
【0117】
好ましくは、患者がスタチン含有療法に応答する可能性がより低い場合は、スタチン含有療法は、開始されない(患者がスタチンにより先に治療されていない場合)か、又は中断される(患者がスタチンにより先に治療されていない(not)場合)。従って、スタチン含有療法を開始しない又は中断することが推奨される。
【0118】
従って、本発明はまた、心不全を有する患者を治療する方法にも関連し、これは:
a)患者由来の試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定する工程;
b)工程a)で測定された該少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを、各参照レベルと、比較する工程、
c)スタチン含有療法に応答する可能性がより高い又はより低いとして患者を確定する工程、並びに任意に
d)少なくとも1種のバイオマーカーのレベルが、スタチン含有療法の指標である場合、患者へスタチンを投与するか、又はスタチン含有療法を選択する工程:を含む。
前述の療法の工程d)により、心不全が治療される。
【0119】
実施態様において、工程c)に示したようにスタチン含有療法への応答の可能性がより高い又はより低い患者の確定は、工程b)において実行される比較を基にしている。個々のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムは、本明細書別所に明らかにされている。バイオマーカーに応じて、参照レベルを上回る又は下回るのいずれかの患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、スタチン含有療法への応答の可能性がより高い患者の指標である(先に示した診断アルゴリズムを参照のこと)。バイオマーカーのレベルがスタチン含有療法への応答の可能性がより高い患者の指標である場合、工程d)が実行される。バイオマーカーのレベルがスタチン含有療法への応答の可能性がより低い患者の指標である場合、工程d)は実行されない。
【0120】
本明細書に示した定義及び説明は、以下に変更すべき所は変更して適用する(別所記載する場合を除き)。
【0121】
致死及び/又は入院の患者リスクを予測する方法
本発明は更に、致死及び/又は入院の患者のリスクを予測する方法に関し、ここで該患者は心不全を有し、且つここで該患者はスタチン含有療法を受けており、該方法は:
(a)患者由来の試料中の、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定する工程;並びに
(b)少なくとも1種のマーカーのレベルを、各参照レベルと、比較する工程:を含む。
【0122】
本発明の方法は、好ましくは、エクソビボ又はインビトロの方法である。
好ましくは、工程(b)を基に、死亡又は入院に悩まされる患者のリスクが予測される。従って、前述の方法は更に、工程(b)の結果を基に死亡又は入院に悩まされる患者のリスクを予測する工程を含む。ある実施態様において、本方法は更に、(c)特に患者由来の試料中の少なくとも1種のバイオマーカーのレベルが参照レベルを下回る又は上回る場合に、患者の致死及び/又は入院のリスクを予測する工程:を含む(診断アルゴリズムに関して、下記参照)。
【0123】
ある実施態様において、少なくとも1種のバイオマーカーのレベルは、試料を、各マーカーに特異的に結合する物質と接触させ、これにより物質と該マーカーの間に複合体を形成し、形成された複合体の量を検出し、これにより該マーカーのレベルを測定することにより測定される。これは特に、測定されるべきバイオマーカーが、ポリペプチド(GDF−15、SHBG、PLGF、IL−6、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2、及びhsCRP)である場合に、適用する。測定されるべきバイオマーカーが尿素又は尿酸である場合、該バイオマーカーのレベルは、試料を、該バイオマーカーの転換を触媒する酵素と接触させることにより、測定される。好ましい酵素は、本明細書別所に明らかにされる。
【0124】
用語「患者」は、スタチン含有療法への応答の可能性があると対象を確定する方法の状況において、先に規定されている。好ましくは、試験される患者は、先に示した心不全を有する。測定されるバイオマーカーに応じて、患者は追加的に冠動脈疾患を有しても、有さなくともよい(前記参照)。
【0125】
更に、患者は、スタチン含有療法を受けるものとする。従って、患者は、試料を得る前に、スタチンで治療されているものとする。本発明の状況において、試料を得る前にスタチンにより治療されている患者は、試料を得る前に、好ましくは1ヶ月以上、より好ましくは3ヶ月以上、又は最も好ましくは6ヶ月以上、スタチンで治療されているものとする。
【0126】
本明細書に使用される用語「予測する」は、将来の規定された時間ウィンドウ(予測ウィンドウ)内で、患者が死亡するであろう及び/又は入院するであろう確率を評価することを指す。予測ウィンドウは、予測された確率に従い、患者が死亡するであろう又は入院するであろう期間である。予測ウィンドウは、本発明の方法による分析時に、患者の残りの生存期間全体であることができる。しかし好ましくは、予測ウィンドウは、本発明の方法が実行された後(より好ましく及び正確には、本発明の方法により分析されるべき試料が入手された後)、6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、2年間、3年間、又は5年間の期間である。最も好ましくは、該予測ウィンドウは、18ヶ月間の期間である。当業者に理解されるように、かかる評価は、分析されるべき患者の100%について正しいことは通常意図されない。しかしこの用語は、本評価は、分析されるべき患者の統計学的に有意な部分について妥当であることを必要とする。部分は、統計学的に有意であるかどうかは、様々な周知の統計学的評価ツール、例えば、信頼区間の決定、p−値決定、スチューデントt−検定、マンホイットニー検定などを使用することにより、当業者により、更なる骨折りなしに決定することができる。詳細は、Dowdy及びWeardenの「研究のための統計(Statistics for Research)」、John Wiley & Sons, New York 1983に認められる。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%である。p−値は、好ましくは0.1、0.05、0.01、0.005、又は0.0001である。好ましくは、本発明により想定される確率は、予測が、所与のコホートの患者の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%について正しいことを可能にする。
【0127】
本明細書に使用される用語「致死」は、好ましくは任意の原因からの、より好ましくは心臓が原因の、及び最も好ましくは心臓血管系事象からの、致死に関する。同じく本明細書に使用される用語「入院」は、好ましくは任意の原因からの、より好ましくは心臓が原因の、及び最も好ましくは心臓血管系事象からの、入院に関する。本明細書に使用される用語「心臓血管系事象」とは、好ましくは任意の急性心臓血管系事象を含む心臓血管系の任意の障害を指す。好ましくは、この用語はまた、心不全を含む。急性心臓血管系事象は、好ましくは、安定狭心症(SAP)又は急性冠動脈症候群(ACS)である。ACS患者は、不安定狭心症(UAP)又は心筋梗塞(MI)を示し得る。MIは、ST−上昇MI(STEMI)又は非−ST−上昇MI(NSTEMI)であることができる。本明細書に使用されるNSTE−ACSは、UAP及びNSTEMIを包含している。MIの発生には、左心室機能障害(LVD)、心不全の発症又は更には致死が続き得る。更に好ましい心臓血管系事象は、突然心臓死及び脳卒中(脳血管事象又は事故)を含む、心臓の徐脈性又は頻脈性不整脈を包含している。同じく致死はまた、所与の患者集団に対する死亡率(death rate)又は死亡数の割合を指すことができる。
【0128】
本明細書に使用される表現「致死及び/又は入院のリスクの予測」は、本発明の方法により分析されるべき患者は、上昇したリスクを有する患者群若しくは集団、又は低下したリスクを有する群のいずれかに割り当てられることを意味する。本発明で言及される上昇したリスクとは、患者集団における入院又は致死の平均リスクに対して、患者について予め決定された予測ウィンドウ内の入院のリスク又は致死のリスクが、有意に上昇される(すなわち、有意に増加する)ことを意味することが好ましい。本発明で言及される低下したリスクとは、患者集団における入院又は致死の平均リスクに対して、患者について予め決定された予測ウィンドウ内の入院のリスク又は致死のリスクが、有意に低下されることを意味することが好ましい。特に、リスクの有意な増加又は減少は、予後判定について有意であると考えられるサイズのリスクの増加又は減少であり、特に該増加又は減少は、統計学的に有意と考えられる。用語「有意」及び「統計学的に有意」とは、当業者に公知である。従って、リスクの増加又は減少が有意又は統計学的に有意であるかどうかは、様々な周知の統計学的評価ツールを使用し、当業者による更なる骨折りなしに決定することができる。
【0129】
好ましくは、18ヶ月間の予測ウィンドウに関して、本明細書に使用される上昇された、従って増加された致死及び/又は入院のリスクは、好ましくは20%より多い、より好ましくは25%より多い、最も好ましくは30%より多いリスク増加に関する。本明細書に使用される低下された致死及び/又は入院のリスクは、好ましくは18ヶ月間の予測ウィンドウに関して(平均リスクと比べ、最終段落参照)、好ましくは10%より多い、より好ましくは15%より多い、最も好ましくは20%より多いリスク低下に関する。
【0130】
用語「参照レベル」は、先に規定されている。従ってこの規定を適用する。結果的にこの用語は好ましくは、致死及び/若しくは入院の上昇されたリスクを有する患者群、又は致死及び/若しくは入院の低下されたリスクを有する患者群のいずれかへの、患者の割り当てを可能にするレベルを指す。かかる参照レベルは、これらの群を互いに分離する閾値レベルであることができる。従って、本明細書において言及されるバイオマーカーに関する参照レベルは、致死及び/若しくは入院の上昇されたリスクを有するか、又は致死及び/若しくは入院の低下されたリスクを有するかの患者群への、患者の割り当てを可能にするレベルであるはずである。これら2群を分離するのに適した閾値レベルは、致死及び/若しくは入院の上昇されたリスクを有する患者(又はかかる患者群由来の)、又は致死及び/若しくは入院の低下されたリスクを有する患者(又はかかる患者群由来の)のいずれか由来の、本明細書において言及されるマーカーのレベルを基にした、本明細書別所に言及される統計学的検定により、更なる骨折りなしに計算することができる。前述の患者又は患者群から誘導することができる好ましい参照レベルは、本明細書別所に示されている。
【0131】
バイオマーカーとしてのオステオポンチン
オステオポンチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを上回る患者試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0132】
バイオマーカーとしてのsST2
sST2がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、参照レベルを上回る患者試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0133】
バイオマーカーとしてのGDF−15
GDF−15がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0134】
バイオマーカーとしての尿素
尿素がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0135】
バイオマーカーとしての尿酸
尿酸がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0136】
バイオマーカーとしてのトランスフェリン
トランスフェリンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患にも罹患していることが好ましい。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0137】
バイオマーカーとしての心トロポニン
心トロポニン、特にトロポニンTがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、追加的に冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0138】
バイオマーカーとしてのSHBG
SHBGがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0139】
バイオマーカーとしてのsFlt−1
sFlt−1がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0140】
バイオマーカーとしてのプレアルブミン
プレアルブミンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0141】
バイオマーカーとしてのPlGF
PlGFがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0142】
バイオマーカーとしてのIL−6
IL−6がバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0143】
バイオマーカーとしてのフェリチン
フェリチンがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、好ましくは冠動脈疾患にも罹患している。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0144】
バイオマーカーとしてのhsCRP
hsCRPがバイオマーカーとして使用される場合、試験される患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、該患者は致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0145】
好ましい参照レベルは、スタチン含有療法に感受性のある患者を確定する方法の状況において明らかにされている。個々のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムはまた、「好ましい実施態様」の項目においても明らかにされ、例えば、実施態様10を参照されたい。
【0146】
本発明はまた、スタチン含有療法に対し応答の可能性のある患者を確定するための、心不全を有する患者の試料中の、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:に関する。
【0147】
本発明はまた、該患者の致死及び/又は入院リスクを予測するための、心不全を有する患者の試料中の、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:に関する。
【0148】
本発明はまた、スタチン含有療法に対する応答の可能性として心不全を有する患者を確定するための医薬組成物若しくは診断組成物の製造のための、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:にも関する。
【0149】
本発明はまた、心不全を有し且つスタチン含有療法を受けている患者の致死及び/又は入院のリスクを予測するための医薬組成物若しくは診断組成物の製造のための、i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーの使用;並びに/又は、ii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する結合物質の使用;又は、iii)尿酸又は尿素の転換を可能にする酵素又は化合物の使用:にも関する。
【0150】
本発明の好ましい実施態様に従い、本発明の方法を実行するために適合された装置であって:
a)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質、又は尿酸若しくは尿素の転換が可能である酵素若しくは化合物を含む、分析装置ユニットであって、心不全を有する患者の試料中のバイオマーカー(複数可)のレベル(複数可)を測定するために適合されている該ユニット;並びに
b)決定されたレベル(複数可)を、参照レベル(複数可)と比較し、これにより患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いか又はより低いかを確定するための分析装置ユニットであって、参照レベル(又は複数のレベル)を伴うデータベース及び比較を実行するためのコンピュータ−実行されるアルゴリズムを含む該ユニット:を備える装置が提供される。
【0151】
本発明の別の好ましい実施態様に従い、本発明の方法を実行するために適合された装置であって:
a)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する結合物質(又は複数の結合物質)、又はiii)尿酸若しくは尿素の転換が可能である酵素若しくは化合物を含む、分析装置ユニットであって、心不全を有する患者の試料中のバイオマーカー(複数可)のレベル(複数可)を測定するために適合されている該ユニット;並びに
b)決定されたレベル(複数可)を、参照レベル(複数可)と比較し、これにより致死及び/又は入院の患者リスクが予測される分析装置ユニットであって、参照レベル(又は複数のレベル)を伴うデータベース及び比較を実行するためのコンピュータ−実行されるアルゴリズムを含む該ユニット:を備える装置が提供される。
好ましい参照レベル及びアルゴリズムは、本明細書別所に明らかにされる。
【0152】
本開示の好ましい実施態様は、スタチン含有療法に対する応答の可能性のある患者を確定するためのシステムを含む。システムの例は、化学反応若しくは生物反応の結果を検出するため、又は化学反応若しくは生物反応の進行をモニタリングするために使用される、臨床の化学分析装置、凝固化学分析装置、免疫化学分析装置、尿分析装置、核酸分析装置を含む。より具体的には、本開示の例証的システムは、Roche Elecsys(商標)、Systems and Cobas(登録商標)免疫学的検定分析装置、Abbott Architect(商標)及びAxsym(商標)分析装置、Siemens Centaur(商標)及びImmulite(商標)分析装置、並びにBeckman Coulter UniCel(商標)及びAcess(商標)分析装置などを含むことができる。
【0153】
前記システムの実施態様は、対象の開示を実現するために利用される1又は複数の分析装置ユニットを備えることができる。本明細書に開示されたシステムの分析装置ユニットは、公知のような、有線の連絡、ブルートゥース、LANS、又はワイヤレスシグナルのいずれかを介して、本明細書に開示された演算装置と操作可能に連絡されている。加えて、本開示に従い、分析装置ユニットは、例えば、診断目的のために試料の定性的及び/又は定量的評価の一方又は両方の検出を行う、独立型装置、又はより大型の機器内のモジュールを備えることができる。例えば、分析装置ユニットは、試料及び/又は試薬のピペッティング、投薬、混合により実行又は補助され得る。分析装置ユニットは、アッセイを実行するための試薬を保持するための試薬保持ユニットを備えることができる。試薬は、例えば、貯蔵コンパートメント又はコンベヤ内の適当な貯蔵庫又は位置に配置された、個々の試薬又は試薬群を含有する容器又はカセットの形状で配置されることができる。検出試薬はまた、試料と接触されている固形支持体上の不動化された形状であってよい。更に分析装置ユニットは、特定の分析のために最適化されている加工処理及び/又は検出成分を含むことができる。
【0154】
一部の実施態様に従い、分析装置ユニットは、試料による測定物質(analyte)、例えばマーカーの光学検出のために構成されることができる。光学検出のために構成された分析装置ユニットの例は、シングル及びマルチエレメント又はアレイ光検出装置の両方を含む、電磁エネルギーを電気シグナルに変換するために構成された装置を備える。本開示に従い、光学検出器は、光学電磁シグナルをモニタリングし、且つ光路中に配置された試料中の測定物質の存在及び/又は濃度の指標であるベースラインシグナルに対する電気的出力シグナル又は応答シグナルを提供することが可能である。かかる装置はまた、例えば、アバランシェ光ダイオードを含む光ダイオード、光トランジスタ、光導電検出器、リニアセンサーアレイ、CCD検出器、CMOSアレイ検出器を含むCMOS検出器、光電子増倍管、及び光電子増倍管アレイを含むことができる。ある実施態様に従い、光ダイオード又は光電子増倍管などの光検出器は、追加のシグナル処理又は調整電子装置を含むことができる。例えば、光学検出器は、少なくとも1個のプリアンプ、電子フィルター、又は集積回路を備えることができる。好適なプリアンプは、例えば、プリメインアンプ(integrated)、トランスインピーダンスアンプ、及び電流増幅(電流ミラー)プリアンプを含む。
【0155】
加えて、本開示の1又は複数の分析装置ユニットは、光放出のための光源を備えることができる。例えば、分析装置ユニットの光源は、試験される試料により測定物質濃度を測定するため、又はエネルギー移動を可能にするための(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動又は酵素の触媒により)、少なくとも1種の光放出エレメント(光放出ダイオード、電動(electric powered)放射線源、例えば白熱ランプ、電界発光ランプ、ガス放電ランプ、高輝度放電ランプ、レーザーなど)からなることができる。
【0156】
更に、このシステムの分析装置ユニットは、1又は複数のインキュベーションユニット(例えば、試料又は試薬を特定の温度又は温度範囲に維持するため)を含むことができる。一部の実施態様において、分析装置ユニットは、試料を、繰り返しの温度サイクルに供するための、及び試料による増幅産物のレベルの変化をモニタリングするために、実時間サーマルサイクラーを含む、サーマルサイクラーを含むことができる。
【0157】
加えて、本明細書に明らかにされたシステムの分析装置ユニットは、反応容器又はキュベット供給ユニットを備えるか又は操作できるように連結することができる。供給ユニットの例は、試料及び/又は試薬を反応容器に送達するための液体処理ユニット、例えばピペッティングユニットを含むことができる。ピペッティングユニットは、再利用可能で洗浄可能な針、例えば鉄製針、又は使い捨てピペットチップを備えることができる。分析装置ユニットは更に、1又は複数の混合ユニット、例えば、液体を含むキュベットを振盪するための振盪機、又はキュベット若しくは試薬容器中の液体を混合するための混合パドルを備えることができる。
【0158】
前述のことから、本開示のいくつかの実施態様に従い、本明細書に開示され且つ説明された方法のいくつかの工程の一部は、演算装置により実行することができる。演算装置は、例えば、汎用コンピュータ又は携帯コンピュータ装置であることができる。同じく本明細書に開示された方法の1又は複数の工程を実行するために、ネットワーク上又はデータを転送する他の方法など、複数の演算装置を、一緒に使用することができることも理解されるべきである。演算装置の例としては、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(“PDA”)、例えばブラックベリーブランドの装置、携帯電話、タブレット型コンピュータ、サーバーなどが挙げられる。概して、演算装置は、複数の指示を実行することが可能なプロセッサー(ソフトウェアプログラムなど)を備える。
【0159】
演算装置は、メモリーにアクセスする。メモリーは、コンピュータ可読メディアであり、例えば、コンピュータ装置の一部分に又はネットワークを介して演算装置にアクセス可能なようにのいずれかで配置された、単独の記憶装置又は複数の記憶装置を備えることができる。コンピュータ−可読メディアは、演算装置によりアクセスすることができる任意の利用可能なメディアであってよく、揮発性メディア及び不揮発性メディアの両方を含む。更に、コンピュータ−可読メディアは、取り外し可能なメディア及び取り外しできないメディアの一方又は両方であることができる。例として、限定するものではないが、コンピュータ−可読メディアは、コンピュータ記憶媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体の例としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリー又は任意の他の技術、CD−ROM、デジタル汎用ディスク(DVD)又は他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、或いは演算装置によりアクセス可能な複数の指示を記憶するために使用することができ且つ演算装置のプロセッサにより実行される任意の他の媒体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0160】
本開示の実施態様に従い、ソフトウェアは、演算装置のプロセッサにより実行される場合に、本明細書に開示された方法の1又は複数の工程を実施することができる指示を含むことができる。これらの指示のいくつかは、他の機械のオペレーションを制御するシグナルを生じ、結果的にコンピュータそれ自身から遠くに離れた物質を変換するようそれらの制御シグナルを通じて操作することができるように、適合されることができる。これらの説明及び描写は、例えば、自身の作業の大要を、他の当業者に最も効果的に搬送するために、データ処理の技術分野の業者により使用される手段である。
【0161】
複数の指示はまた、所望の結果につながる工程の筋の通った(self-consistent)配列であると一般に考えられるアルゴリズムを含むことができる。これらの工程は、物理的数量の物理的操作を必要とするものである。必ずしもではないが、通常、これらの数量は、保存、伝達、変換、組合せ、比較、及び他の操作を行うことが可能である、電気的又は磁気的パルス又はシグナルの形をとる。これは、かかるシグナルが具体化又は表現される物理的アイテム又は表明(manifestations)を参照し、値、文字、ディスプレイデータ、数字などとしてこれらのシグナルに言及するためには、基本的に共通使用のために、時には具合が良いことを証明する。しかし、これら及び類似の用語は全て、適切な物理的数量に関連すべきであり、ここではこれらの数量に適用される便宜上の標識として単に使用されることは心に留めておかれねばならない。本開示のいくつかの実施態様に従い、本明細書に明らかにされた1又は複数のマーカーの決定されたレベルと、好適な参照の間の比較を実行するためのアルゴリズムは、本指示を実行することにより具体化され且つ実施される。これらの結果は、パラメトリック診断用生データの出力として又は絶対レベル若しくは相対レベルとして得ることができる。本明細書に開示されたシステムの様々な実施態様に従い、「診断」は、計算された「レベル」の参照又は閾値との該比較を基に本明細書に開示されたシステムの演算装置により提供され得る。例えば、システムの演算装置は、特定の診断を示す言語、記号、又は数値の形で、インジケーターを提供することができる。
【0162】
演算装置はまた、出力装置へのアクセスを有することができる。出力装置の例としては、例えば、ファックス、ディスプレイ、プリンター、及びファイルを挙げることができる。本開示のいくつかの実施態様に従い、演算装置は、本明細書に開示された方法の1又は複数の工程を実施することができ、従って、出力装置を介して、結果、指標、比又は本方法の他の因子に関連する出力を提供する。
【0163】
最後に、本発明は、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)参照標準から選択された少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質、並びに該方法を実行するための指示書を含む、本発明の方法を実行するために適合されたキットに関する。
【0164】
本明細書に使用される用語「キット」は、好ましくは個別に又は単独の容器内で提供される、前述の成分の集合を指す。容器はまた、本発明の方法を実行するための指示を含むことができる。これらの指示は、マニュアルの形態であるか、或いは本発明の方法において言及される比較を実行することが可能であるか、若しくはコンピュータ又はデータ処理装置上で実行される場合に従い診断を確立するため、コンピュータプログラムコードにより提供されることができる。コンピュータプログラムコードは、データ保存媒体若しくは光学保存媒体(例えば、コンパクトディスク)などの装置上、又はコンピュータ若しくはデータ処理装置上に直接に提供されることができる。更にキットは、先に本明細書において規定した参照に関する少なくとも1種の標準、すなわち参照レベルを示す本明細書において言及されるバイオマーカーについて予め決められたレベルの溶液を含むこととする。
【0165】
一部の実施態様において、本明細書に開示されたキットは、開示された方法を実践するための、少なくとも1種の成分又は成分の包装された組合せを含む。「包装された組合せ」とは、キットが、本明細書に明らかにされたように、1又は複数成分、例えばプローブ(例えば抗体)、対照、緩衝液、試薬(例えば複合体及び/又は基質)、指示書などの組合せを含む単独の包装を提供することを意味する。単独の容器を含むキットも、「包装された組合せ」の定義内に含まれる。一部の実施態様において、キットは、少なくとも1種のプローブ、例えば、抗体(本明細書に開示したように、バイオマーカーのエピトープに特異的親和性を有する)を含む。例えば、キットは、発蛍光団により標識された抗体又は融合タンパク質の一員である抗体を含むことができる。キットにおいて、プローブは、不動化されてよく、特定のコンホメーションで不動化されてよい。例えば、標的タンパク質に特異的に結合するため、試料中の標的タンパク質を検出するため、及び/又は試料由来の標的タンパク質を除去するために、不動化されたプローブを、キットにおいて提供することができる。
【0166】
いくつかの実施態様に従い、キットは、少なくとも1個の容器中に、不動化されてよい少なくとも1種のプローブを含む。キットはまた、1個又は複数の容器中に、任意に不動化された複数のプローブを含むことができる。例えば、複数のプローブは、単独の容器中に、又は例えば、各容器が単独のプローブを含む個別の容器中に存在することができる。
【0167】
一部の実施態様において、キットは、1又は複数の不動化されないプローブ、及び不動化されたプローブを含むか若しくは含まない1又は複数の固体支持体を備えることができる。かかる実施態様の一部は、1又は複数のプローブを固体支持体へ不動化する必要がある試薬及び補給品の一部又は全て、或いは試料内の特異的タンパク質へ不動化されたプローブを結合するのに必要な試薬及び補給品の一部又は全てを含むことができる。
【0168】
いくつかの実施態様において、単独のプローブ(同じプローブの複数のコピーを含む)は、単独の固体支持体上に不動化され、且つ単独の容器中で提供されることができる。他の実施態様において、各々異なる標的タンパク質に、又は単独の標的タンパク質(特異的エピトープなど)の異なる形に特異的な2種以上のプローブが、単独の容器中に提供される。一部のかかる実施態様において、不動化されたプローブは、複数の異なる容器中に(例えば、単回使用の形状で)提供されるか、又は複数の不動化されたプローブは、複数の異なる容器中に提供されることができる。更なる実施態様において、プローブは、複数の異なる型の固体支持体上に不動化されることができる。不動化されたプローブ(複数可)と容器(複数可)の任意の組合せが、本明細書に開示されたキットのために意図され、且つそれらの任意の組合せは、所望の用途のための好適なキットを達成するために選択することができる。
【0169】
キットの容器は、包装に適しており、並びに/又は例えばプローブ(例えば抗体)、対照、緩衝液、及び試薬(例えば複合体及び/又は基質)などを含む本明細書に開示された1又は複数の成分を含む任意の容器であることができる。好適な物質としては、ガラス、プラスチック、段ボール又は他の紙製品、木材、金属、及びそれらの合金が挙げられるが、これらに限定されるものではない。一部の実施態様において、この容器は、不動化されたプローブ(複数可)を完全に包むか、又は埃、油分などの夾雑、及び光への曝露を最小化するために、プローブを簡単に覆うことができる。一部の更なる実施態様において、キットは、単独の容器又は複数の容器を含むことができ、そこでは複数の容器が存在し、各容器は、他の容器全てと同じであるか、他とは異なるか、又は他の全ての容器ではなく一部の容器と異なることができる。
【0170】
加えて、本発明は、各参照レベルを上回るか又は下回る、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベル(好ましくは試料中、より好ましくは血液、血清若しくは血漿試料中、最も好ましくは血漿試料中)を有する患者における心不全の治療に使用するためのスタチンに関する。
【0171】
最後に、本発明は、(各マーカーについて)各参照レベルを上回るか又は下回る、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベル(好ましくは試料中、より好ましくは血液、血清若しくは血漿試料中、最も好ましくは血漿試料中)を有する患者における心不全の治療のための医薬品の製造のためのスタチンの使用に関連する。
【0172】
実施態様において、レベルは、血液、血清又は血漿レベルであり、特に血漿レベルである。
更に、先に本明細書において示したように、患者は追加的に、冠動脈疾患に罹患しているか、又は冠動脈疾患に罹患していなくてよい。
好ましい参照レベルは、本明細書別所に明らかにされている。
【0173】
バイオマーカーとしてのオステオポンチン
バイオマーカーがオステオポンチンである場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0174】
バイオマーカーとしてのsST2
バイオマーカーがsST2である場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していないことが好ましい。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0175】
バイオマーカーとしてのGDF−15
バイオマーカーがGDF−15である場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0176】
バイオマーカーとしての尿素
バイオマーカーが尿素である場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0177】
バイオマーカーとしての尿酸
バイオマーカーが尿酸である場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0178】
バイオマーカーとしてのトランスフェリン
バイオマーカーがトランスフェリンである場合、患者は、冠動脈疾患にも罹患していることが好ましい。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0179】
バイオマーカーとしての心トロポニン
バイオマーカーが、心トロポニン、特にトロポニンTがである場合、患者は、追加的に冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、試験される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0180】
バイオマーカーとしてのSHBG
バイオマーカーがSHBGである場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0181】
バイオマーカーとしてのsFlt−1
バイオマーカーがsFlt−1である場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0182】
バイオマーカーとしてのプレアルブミン
バイオマーカーがプレアルブミンである場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0183】
バイオマーカーとしてのPlGF
バイオマーカーがPlGFである場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、参照レベルを上回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、患者が致死及び/又は入院の上昇したリスクを有することを示している。同じく好ましくは、参照レベルを下回る患者由来の試料中の該バイオマーカーのレベルは、患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示している。
【0184】
バイオマーカーとしてのIL−6
バイオマーカーがIL−6である場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。しかし、患者はCADに罹患していることが、特に想定される。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0185】
バイオマーカーとしてのフェリチン
バイオマーカーがフェリチンである場合、患者は、好ましくは冠動脈疾患にも罹患している。好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0186】
バイオマーカーとしてのhsCRP
バイオマーカーがhsCRPである場合、患者は、冠動脈疾患に罹患していてもしなくてもよい。
患者が冠動脈疾患に罹患していない場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを上回るバイオマーカーのレベルを有する。
患者が冠動脈疾患に罹患している場合、以下を適用する:好ましくは、治療される患者は、このバイオマーカーの参照レベルを下回るバイオマーカーのレベルを有する。
【0187】
好ましい参照レベルは、スタチン含有療法に応答する可能性のある患者を確定する方法に結びつけて、先に本明細書において指摘されている。個別のマーカーに関する好ましい診断アルゴリズムは、以下の「好ましい実施態様」の項目にも明らかにされ、実施態様16を参照されたい。
【0188】
好ましい実施態様
以下に、本発明の好ましい実施態様を明らかにする。先に示した定義は、変更すべき所は変更して適用する。
【0189】
1. スタチン含有療法に応答する可能性のある心不全を有する患者を確定する方法であって:
(a)患者由来の試料中のGDF−15(増殖分化因子15)、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、尿素、尿酸、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定すること、並びに、
(b)少なくとも1種のマーカーのレベルを各参照レベルと比較することを含む、方法。
【0190】
2. 対象が、ACC/AHA分類に従い、病期B、C又はDに分類された心不全、特に病期B又はCに分類された心不全、並びに/又はNYHA分類に従い、NYHAクラスII、III、IVとして分類される心不全、特にNYHAクラスII若しくはIIIとして分類される心不全を有する、実施態様1の方法。
【0191】
3. 患者が、冠動脈疾患を有し、特にここで少なくとも1種のバイオマーカーが、トランスフェリン、フェリチン、尿素、尿酸、sFlt−1、PlGF又はIL−6である、実施態様1及び2の方法。
4. 患者がまた、冠動脈疾患を有さず、特にここでバイオマーカーが、オステオポンチン又はsST2である、実施態様1及び2の方法。
【0192】
5. スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及びシムバスタチンからなる群から選択される、実施態様1〜4のいずれか一つの方法。
6. 患者が、試料を入手する前に、スタチンにより治療されている、実施態様1〜5のいずれか一つの方法。
7. 患者が、試料を入手する前に、スタチンにより治療されていない、実施態様1〜6のいずれか一つの方法。
【0193】
8. i)少なくとも1種のバイオマーカーはGDF−15であり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しており、
ii)少なくとも1種のバイオマーカーはSHBGであり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しており、
iii)少なくとも1種のバイオマーカーはPlGFであり、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
iv)少なくとも1種のバイオマーカーはIL−6であり、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
v)少なくとも1種のバイオマーカーは尿素であり、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
vi)少なくとも1種のバイオマーカーはオステオポンチンであり、且つ患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
vii)少なくとも1種のバイオマーカーはsST2であり、且つ患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
viii)少なくとも1種のバイオマーカーは尿酸であり、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
ix)少なくとも1種のバイオマーカーはsFlt−1であり、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
x)少なくとも1種のバイオマーカーはトランスフェリンであり、且つ患者はまた冠動脈疾患にも罹患しており、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
xi)少なくとも1種のバイオマーカーはフェリチンであり、且つ患者はまた冠動脈疾患にも罹患しており、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、
xii)少なくとも1種のバイオマーカーは心トロポニンであり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しており、並びに/又は
xiii)少なくとも1種のバイオマーカーはプレアルブミン及び/若しくはhsCRPであり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより高いことを指摘し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者は、スタチン含有療法に応答する可能性がより低いことを指摘している:実施態様1〜7のいずれか一つの方法。
【0194】
9. 致死及び/又は入院の患者のリスクを予測する方法であって、該患者が心不全を有し、並びに該患者がスタチン含有療法を受けており:
(a)該患者由来の試料中のGDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択された少なくとも1種のマーカーのレベルを測定すること、並びに、
(b)少なくとも1種のマーカーのレベルを各参照レベルと比較すること:を含む、方法。
【0195】
10. i)少なくとも1種のバイオマーカーはGDF−15であり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示し、
ii)少なくとも1種のバイオマーカーはSHBGであり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
iii)少なくとも1種のバイオマーカーはPlGFであり、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
iv)少なくとも1種のバイオマーカーはIL−6であり、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
v)少なくとも1種のバイオマーカーは尿素であり、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
vi)少なくとも1種のバイオマーカーはオステオポンチンであり、且つ患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
vii)少なくとも1種のバイオマーカーはsST2であり、且つ患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
viii)少なくとも1種のバイオマーカーは尿酸であり、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
ix)少なくとも1種のバイオマーカーはsFlt−1であり、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
x)少なくとも1種のバイオマーカーはトランスフェリンであり、且つ患者はまた冠動脈疾患にも罹患しており、並びにここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
xi)少なくとも1種のバイオマーカーはフェリチンであり、且つ患者はまた冠動脈疾患にも罹患しており、並びにここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、
xii)少なくとも1種のバイオマーカーは心トロポニンであり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しているか、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しており、並びに/又は
xiii)少なくとも1種のバイオマーカーはプレアルブミン及び/若しくはhsCRPであり、並びに
a)患者は、冠動脈疾患に罹患しておらず、且つここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示しており、或いは
b)患者は、冠動脈疾患に罹患しており、且つここで参照レベルを下回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の低下したリスクを有することを示し、及び/又はここで参照レベルを上回る患者由来の試料中のバイオマーカーのレベルは、該患者が致死及び/又は入院の増加したリスクを有することを示している:実施態様9の方法。
【0196】
11. 試料が、血液、血清又は血漿試料である、実施態様1〜10のいずれか一つの方法。
12. 患者がヒトである、実施態様1〜11のいずれか一つの方法。
【0197】
13. スタチン含有療法に応答する可能性のある患者を確定するための、心不全を有する患者の試料中の:i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーの使用、並びに/又はii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質の使用。
【0198】
14. 心不全を有する患者の致死及び/又は入院のリスクを予測するための該患者の試料中の:i)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーの使用、並びに/又はii)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択されたバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質の使用。
【0199】
15. a)GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーに特異的に結合する少なくとも1種の結合物質を含む分析装置ユニットであって、心不全を有する患者の試料中のバイオマーカー(複数可)のレベル(複数可)を測定するのに適合されている該ユニット、
b)決定されたレベル(複数可)を参照レベル(複数可)と比較し、これにより患者が、スタチン含有療法に応答する可能性がより高い又はより低いとして確定される、分析装置ユニットであって、参照レベル(又は複数のレベル)を伴うデータベース、並びに比較を実行するためのコンピュータ−実装された診断アルゴリズムを含み、ここで特に診断アルゴリズムが、クレーム8に示されたアルゴリズムである、該ユニット:を備える、実施態様1〜8のいずれか一つの方法を実行するための装置。
【0200】
16. 各参照レベルを上回るか又は下回る、GDF−15(増殖分化因子15)、尿素、SHBG(性ホルモン結合グロブリン)、尿酸、PLGF(胎盤増殖因子)、IL−6(インターロイキン−6)、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1(可溶性fms−様チロシンキナーゼ−1)、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、及びhsCRP(高感度C−反応性タンパク質)から選択される少なくとも1種のバイオマーカーのレベル、特に血液、血清又は血漿レベルを有する患者において心不全を治療するために使用するスタチンであって、特にここで:
i)少なくとも1種のバイオマーカーがGDF−15であり、並びに
a)患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、又は
b)患者は冠動脈疾患に罹患しており、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、
ii)少なくとも1種のバイオマーカーがSHBGであり、並びに
a)患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、又は
b)患者は冠動脈疾患に罹患しており、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、
iii)少なくとも1種のバイオマーカーがPlGFであり、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、
iv)少なくとも1種のバイオマーカーはIL−6であり、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、
v)少なくとも1種のバイオマーカーは尿素であり、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、
vi)少なくとも1種のバイオマーカーはオステオポンチンであり、患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、
vii)少なくとも1種のバイオマーカーはsST2であり、患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、
viii)少なくとも1種のバイオマーカーは尿酸であり、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、
ix)少なくとも1種のバイオマーカーはsFlt−1であり、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、
x)少なくとも1種のバイオマーカーはトランスフェリンであり、患者はまた冠動脈疾患にも罹患しており、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、
xi)少なくとも1種のバイオマーカーはフェリチンであり、患者はまた冠動脈疾患にも罹患しており、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、
xii)少なくとも1種のバイオマーカーは心トロポニンであり、
a)患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回るか、又は
b)患者は冠動脈疾患に罹患しており、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回り、並びに/或いは、
xiii)少なくとも1種のバイオマーカーはプレアルブミン及び/若しくはhsCRPであり、
a)患者は冠動脈疾患に罹患しておらず、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを上回るか、又は
b)患者は冠動脈疾患に罹患しており、且つバイオマーカーのレベルは、参照レベルを下回る:場合に、治療に使用するスタチン。
【0201】
本明細書に引用した全ての参考文献は、それらの全体の開示の内容に関して引用により本明細書中に組み込まれており、且つその開示内容は、本明細書において具体的に言及されている。
【実施例】
【0202】
下記実施例は、単に本発明を例証するものである。これらは、いかなる場合でも、本発明の範囲を限定するものとして構築されない。
【0203】
実施例1:患者コホート
スタチン療法階層化のための可能性のあるバイオマーカー候補を、HFに罹患している患者(NYHAクラスII−IV HF (LVEF≦45%))499名から得た血漿試料において測定した(Pfisterer M.ら、JAMA. 2009; 301:383-92)。これらのバイオマーカーは、ベースライン時に測定し、中央値を下回る及び上回るサブグループを、18ヶ月間の療法後の転帰に関連付けた。加えて患者を、スタチン療法及びCADの存在について階層化した(図面参照)。211名の患者は、スタチン療法を受けず、288名の患者はスタチン療法を受けた。更に、212名の患者は、冠動脈疾患(CAD)を有さず、287名はCADを有した。
【0204】
実施例2:アッセイ
トロポニンTは、Roche電気化学発光ELISAサンドイッチ試験Elecsys トロポニンT hs(高感度)STAT(Short Turn Around Time)アッセイを用いて決定した。この試験は、ヒト心トロポニンTに対し特異的に指向される2種のモノクローナル抗体を利用する。これらの抗体は、288個のアミノ酸からなる、心トロポニンTタンパク質の中心部分に位置する2種のエピトープ(アミノ酸位置125−131及び136−147)を認識する。hs−TnTアッセイは、3〜10000pg/mLの範囲のトロポニンTレベルの測定を可能にする。
【0205】
IL−6(インターロイキン6)は、電気化学発光免疫学的検定により測定した(ECLIA, Roche Diagnostics社)。この試験は、Roche Diagnostics社からのCobas E601分析装置を用いて行った。この試験は、ビオチン化されたモノクローナルIL−6−特異性抗体と一緒の一回目のインキュベーション、及びルテニウム複合体により標識されたモノクローナルIL−6−特異的抗体及びストレプトアビジン−コートされた微粒子と一緒の二回目インキュベーションを基にしている。
【0206】
高感度(hs)CRPは、Roche Diagnostics社からの粒子増強免疫比濁法を用いて決定した(ティナクアント心C−反応性タンパク質(ラテックス)高感度)。この試験において、ラテックス微粒子に結合された抗−CRP抗体は、試料中の抗原と反応し、抗原/抗体複合体を形成する。凝集後、この複合体は、比濁法により測定される。
【0207】
sST2は、Critical Diagnostics社(San Diego, CA, USA)からのPresage(商標)ST2アッセイを用いて決定した。このアッセイは、血清又は血漿中のST2の測定のための、96ウェルプレートフォーマットにおける定量的サンドイッチモノクローナルELISAである。希釈した血漿を、抗−ST2抗体でコートされたプレートの適当なウェルに負荷し、規定された時間インキュベーションした。試薬をプレートから洗浄し、且つ追加の試薬を添加し、引き続き洗浄除去する一連の工程の後、測定物質を呈色試薬の添加により最終的に検出し、生じたシグナルを、450nmで分光学的に測定した。
【0208】
プレアルブミンは、Roche cobas cシステムを使用し、血漿試料中で測定した。適用されたアッセイは、免疫比濁法である。ヒトプレアルブミンは、特異的抗血清と沈殿物を形成し、これは比濁法により決定される。
【0209】
PlGF及びsFlt1は、各々、PlGF及びsFlt1に特異的である2種の抗体を利用するELECSYS免疫学的検定を用いて試験した。この試験は、ELECSYS 2010及びcobra e411及びcobra e601を含む、異なるRoche分析装置を用い、自動的に実行することができる。この試験は、PlGFに関する感度3pg/mlを有する。sFlt−1は、10〜85,000pg/mlに達する。
【0210】
尿素は、Roche/Hitachi cobas cシステム上で、ヒト血清、血漿及び尿中の尿素/尿素窒素の定量的決定のための、インビトロ試験により測定した。この試験は、cobas c 311及びcobas c 501/502を含む、様々な分析装置を用い、自動的に実行することができる。このアッセイは、ウレアーゼ及びグルタミン酸デヒドロゲナーゼによる、速度論的アッセイである。尿素は、ウレアーゼにより加水分解され、アンモニウムと炭酸塩を形成する。第二の反応において、2−オキソグルタル酸塩は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)及びコエンザイムNADHの存在下で、アンモニウムと反応し、L−グルタミン酸を生成する。この反応において、2モルのNADHがNAD
+へと酸化され、1モルの尿素が加水分解される。NADH濃度の減少速度は、試料中の尿素濃度に正比例しており、分光学的に測定される。
【0211】
トランスフェリンは、血清及び血漿中のヒトトランスフェリンの定量的免疫学的決定のために、COBAS INTEGRAシステム(ROCHE社)を用いて測定した。適用されるアッセイは、免疫比濁法である。ヒトトランスフェリンは、特異的抗血清と沈殿物を形成し、これは340nmでの比濁法により決定される。
【0212】
SHBGは、電気化学発光免疫学的検定(ECLIA)により測定した。この試験は、ELECSYS 2010及びcobra e411及びcobra e601を含む、様々な分析装置を用い、自動的に行うことができる。一回目のインキュベーション工程において、試料は、ルテニウム複合体により標識されたモノクローナルSHBG−特異的抗体と接触させ、これにより、サンドイッチ複合体を形成する。二回目のインキュベーション工程において、ストレプトアビジン−コートされた微粒子を添加する。形成された複合体は、ビオチンとストレプトアビジンの相互作用を介して、固相へ結合し始める。結果は、2−点較正により作成された機器に特異性のある較正曲線及び試薬のバーコードにより提供されるマスター曲線により決定される。
【0213】
尿酸は、酵素的比色法を適用することにより、決定した。この酵素反応において、過酸化物は、ペルオキシダーゼ(POD)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン(TOOS)、及び4−アミノフェナゾンの存在下で反応し、キノン−ジイミン色素を形成する。形成された赤色の強度は、尿酸濃度に比例し、且つ分光学的に決定される。
【0214】
フェリチンは、Roche/Hitachi cobas cシステムを使用することにより、血漿試料中で測定した。適用されるアッセイは、粒子増強免疫比濁法である。ヒトフェリチンは、抗−フェリチン抗体でコートされたラテックス粒子と凝集する。この沈殿物は、570/800nmで比濁法により決定される。
【0215】
実施例3:結果
先に説明された分析は、下記のスタチン療法応答予測につながる。
・中央値を下回る(しかし上回らない)オステオポンチン(OPN)レベルは、CADを伴わないHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する傾向がある(しかしCADを伴う患者では予測しない)。
・中央値を下回るsST2レベルは、CADを伴わない患者におけるHF患者でのスタチンに対する療法応答を予測する(p=0.04)。
・中央値を上回るGDF−15レベルは、CADを伴わないHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し;反対に、中央値を下回るGDF−15レベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する(両方共p=0.04)。
・中央値を上回る(しかし下回らない)尿素レベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.02)、且つCADを伴わない患者においてもその傾向がある(p=0.10)。
・中央値を下回る(しかし上回らない)尿酸レベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する(p=0.03)が、CADを伴わない患者においてはそれは低い(p=0.09)。
・中央値を上回る(しかし下回らない)トランスフェリンレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する傾向がある(p=0.06)。
・中央値を上回るcTnTレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.03);反対に、中央値を下回るcTnTレベルは、CADを伴わないHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する傾向がある(p=0.07)。
・中央値を下回るSHBGレベルは、CADを伴わないHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.04);反対に、中央値を上回るSHBGレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する(p=0.002)。
・中央値を下回る(しかし上回らない)sFLt−1レベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.03)、且つCADを伴わない患者においてはそれは低い(p=0.10)。
・中央値を上回るプレアルブミンレベルは、CADを伴わないHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.04)、中央値を下回るプレアルブミンレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する傾向がある(p=0.06)。
・中央値を上回るPLGFレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.004)、CADを伴わない患者においてはそれは低い(p=0.08)。
・中央値を上回るIL−6レベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する傾向があり(p=0.06)、CADを伴わない患者においてはそれは低い(p=0.15)。
・中央値を下回るフェリチンレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測するが(p=0.02)、CADを伴わない患者においては予測しない(p=0.21)。
・中央値を下回るhsCRPレベルは、CADを伴うHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測し(p=0.03);反対に、中央値を上回るhsCRPレベルは、CADを伴わないHF患者におけるスタチンに対する療法応答を予測する傾向がある(p=0.12)。
シスタチンC、S100、P1NP、及びテストステロンは、スタチン療法決定に適していない。
【0216】
実施例4:バリデーション
加えて、スタチンクラスの具体的薬物、すなわちアトルバスタチン及びプラバスタチンについて、生存解析を行った(各々、n=84及び91、
図1参照)。冠動脈疾患を伴う患者における全般的生存解析は、これら2種のスタチンの治療効果には、差がないことを指摘した(p=0.74)。従って、このデータは、全てのスタチンについて観察された効果はまた、患者コホートが、使用されたスタチンの種類に従い分割される場合にも、観察され得ることを示す。
【0217】
最後に、この解析を、試験前及び試験中のスタチン使用中の患者、対、本試験過程においてスタチンを受け取っている患者について行った(各々、n=193対95;
図1参照)。この解析は、スタチンの治療効果は、これら2グループで差がないことを指摘し(p=0.39)、このことはスタチン使用中の患者は、(患者は試験前又は試験中にスタチンを受け取っているかどうかは無視して)バイオマーカー特異的分析のためにグループ化することができることを裏付けている。従って、このデータは、全患者コホートで観察された効果は、過去にスタチンにより治療された患者及びスタチンで治療されていない患者(ベースライン時)についても観察され得ることを示している。
【0218】
実施例5:
90歳の男性のクラスC心不全の患者は、低投与量のエナラプリル(5mg/日)及びメトプロロール(25mg/日)を受け取っている。この患者は、上昇したNT−proBNPレベル(1235pg/mL)を伴う、心不全の徴候を示している。この患者は、高血圧(降圧療法下で血圧130/85mmHg)であり、且つ末梢動脈閉塞疾患を有したが、冠動脈疾患は有さなかった。主治医は、スタチンを追加すべきであるかどうか迷っている。この患者から得た血漿試料中のGDF−15を決定した。GDF−15値は、3800pg/mLを上回っている。スタチン療法を開始した(アトルバスタチン10mg/日)。患者は、その後の16ヶ月間、良好な転帰で安定状態が続いた(死亡も入院もなし)。
【0219】
79歳の女性のNYHAクラスIII心不全の患者は、アスピリン(300mg/日)、クロピドグレル(50mg/日)、ヒドロクロロチアジド(12.5mg/日)、バルサルタン(80mg/日)、アテノローロール(100mg/日)、並びにシムバスタチン80mg/日からなる療法を受けている。この患者は、75歳の時に心筋梗塞を有し、最近心不全の代償不全のエピソードのために入院した。筋肉痛のためのシムバスタチン療法は、入院中は中止した。主治医は、患者がミオパシーに起因し得る筋肉痛を有するので、スタチン療法を再導入すべきかどうか、確信がもてなかった。この患者から得た血漿試料中のPlGFを、決定した。PlGF値は、22pg/mLを上回っている。主治医は、アトルバスタチン20mg/日を処方し、ミオパシーを排除するために、クレアチンキナーゼを密にモニタリングした。この患者は、その後1.5年間、良好な転帰で安定状態が続いた(死亡なし、入院なし)。
【0220】
結論:
慢性心不全(CHF)におけるスタチン療法の使用は、主要なガイドラインにより支持されていない。しかし、本発明の状況において、心不全に罹患している患者の一部のサブグループは、スタチン含有療法から恩恵を受け得るのに対し、一部のサブグループは、該療法から恩恵を受けないことが示された。これらのサブグループは、患者由来の試料中のGDF−15、尿素、SHBG、尿酸、PLGF、IL−6、トランスフェリン、心トロポニン、sFlt−1、プレアルブミン、フェリチン、オステオポンチン、sST2及びhsCRPから選択された少なくとも1種のバイオマーカーのレベルを測定することにより、確定することができる。特に、血液中のバイオマーカーレベルは、心不全患者は、スタチン療法から恩恵を誘導するか、又は障害を誘導するかどうかを予測することができる。本発明の方法は、スタチンにより治療されるべきそれらの患者、及びスタチンにより治療されてはならないそれらの患者を確定することが可能であるので、これは利点である。これにより、有害な副作用に加え、不必要なヘルスケアコストを避けることができる。