特許第6625802号(P6625802)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6625802原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6625802
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 3/00 20060101AFI20191216BHJP
   G21F 7/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G21F3/00 E
   G21F7/00 Z
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-52053(P2015-52053)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2016-173245(P2016-173245A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2017年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145816
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿股 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】山上 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】岡安 啓好
(72)【発明者】
【氏名】佐田 朋之
(72)【発明者】
【氏名】服部 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】青木 政司
(72)【発明者】
【氏名】酒井 宏隆
【審査官】 大門 清
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0341329(US,A1)
【文献】 特開2008−138915(JP,A)
【文献】 特開2013−120172(JP,A)
【文献】 特開2015−034734(JP,A)
【文献】 特開2014−190657(JP,A)
【文献】 特開2005−061698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G21F 3/00、 7/00
G21C 9/00− 9/06
G21C 15/00−15/28
G21C 17/00−17/14
G21D 1/00− 9/00
F25D 11/00−31/00
F02B 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器が収納される内部空間と、前記内部空間の周囲に形成され冷却水が収容される空間と、を有する水密容器と、前記水密容器に給水配管を介して冷却水を前記空間に供給する冷却水タンクと、前記水密容器の上部空間に吸引配管を介して接続される吸引ポンプと、を備えた原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムであって
前記原子力発電所の重大事故時に、前記冷却水タンクから冷却水を前記空間に供給することで前記機器の放射線遮蔽を行うとともに、前記吸引ポンプにより前記空間の内圧を調整することで前記機器を冷却することを特徴とする原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項2】
前記水密容器を並列に連設したことを特徴とする請求項1記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項3】
前記吸引ポンプと冷却水タンクを配管で接続し、当該配管に熱交換器を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項4】
前記吸引ポンプの下流に排気ポンプを設け、前記排気ポンプと冷却水タンクを配管で接続し、当該配管に熱交換器を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項5】
前記吸引ポンプ及び排気ポンプはダイヤフラムポンプ又はピストンポンプであることを特徴とする請求項4記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項6】
前記ダイヤフラムポンプ又はピストンポンプに加熱装置を付設したことを特徴とする請求項5記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項7】
前記吸引配管及び/又は給水配管に制御弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項8】
水密容器と、前記水密容器に給水配管を介して冷却水を供給する冷却水タンクと、前記水密容器の上部空間に吸引配管を介して接続される吸引ポンプと、前記水密容器に密着して配置された機器と、を備えた原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムであって
前記原子力発電所の重大事故時に、前記冷却水タンクから冷却水を前記水密容器に供給することで前記機器の放射線遮蔽を行うとともに、前記吸引ポンプにより前記水密容器の内圧を調整することで前記機器を冷却することを特徴とする原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項9】
前記吸引ポンプと冷却水タンクを移動車に搭載したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の原子力発電所の放射線遮蔽冷却システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の放射線遮蔽冷却システムを用いた原子力発電所の放射線遮蔽冷却方法において、前記原子力発電所の重大事故時に水密容器に冷却水を給水することで、原子力発電所施設内の各種機器の放射線遮蔽及び冷却を行うことを特徴とする原子力発電所の放射線遮蔽冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、原子力発電所で用いられる各種機器の放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所や再処理施設等における格納容器や水処理施設等では、施設内のガス、ダスト又は液体に含まれる放射線量や格納容器内の水素及び酸素濃度等を測定するため、現場に試料を採取するサンプリング装置等の各種機器が設置されている。これらの機器は、各種試料をサンプリングし計測するための測定機器、ポンプ、弁及び配管等で構成されている。これらの機器が設置される環境条件は、一般に環境放射線は20μSv/h以下、環境温度は10〜40℃である。
【0003】
しかしながら、原子力発電所でシビアアクシデント(以下、「SA」という。)が発生すると、原子力発電所の想定事故として従来考えられていた冷却材喪失事故(LOCA)よりも環境温度及び環境放射線が高くなり、従来の設計基準では、測定機器による各種計測が困難となったり、機器の健全性の確保が厳しくなることが予測される。
【0004】
これに対処するために、原子力発電所のSA時において放射線を遮蔽する手段として、機器の周囲に型枠を設置し、SA時に液状または粒状の遮蔽材を型枠に注入することで、迅速に機器を遮蔽する遮蔽手段が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−185827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、原子力発電所の想定事故として、従来考えられていた設計基準としての冷却材喪失事故(LOCA)よりもさらに厳しい重大事故(SA)を想定すると、設置環境はさらに厳しくなり、従来の設計仕様では各種機器の性能を保つことが困難となる。
【0007】
例えば、原子炉建屋内において原子炉格納容器近傍に設置される機器の環境条件は、SA時において温度70℃、積算放射線量5,000Gyとなることが想定される。この環境条件下では、計測機器等の各種機器内の内蔵部品や電子機器の標準使用上限温度及び許容放射線量を超え、計測機器等が正常に動作できなくなる可能性がある。
【0008】
計測機器等の各種機器は、SA時であっても原子力発電所の内部の状況を把握するために正常に機能することが求められているが、特許文献1に示す遮蔽手段は、SA時において施設内の機器を許容放射線強度以下に遮蔽するものであるが、機器の周囲温度を低減する手段は施されておらず、機器が許容温度以上になり正常に動作しなくなる可能性がある。
【0009】
本発明の実施形態は、上記課題を解決するためになされたもので、SA等の事故時において各種機器を許容温度以下に冷却するとともに、許容放射線強度以下に遮蔽する放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態に係る原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムは、機器が収納される内部空間と、前記内部空間の周囲に形成され冷却水が収容される空間と、を有する水密容器と、前記水密容器に給水配管を介して冷却水を前記空間に供給する冷却水タンクと、前記水密容器の上部空間に吸引配管を介して接続される吸引ポンプと、を備えた原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムであって、前記原子力発電所の重大事故時に、前記冷却水タンクから冷却水を前記空間に供給することで前記機器の放射線遮蔽を行うとともに、前記吸引ポンプにより前記空間の内圧を調整することで前記機器を冷却することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の実施形態に係る原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムは、水密容器と、前記水密容器に給水配管を介して冷却水を供給する冷却水タンクと、前記水密容器の上部空間に吸引配管を介して接続される吸引ポンプと、前記水密容器に密着して配置された機器と、を備えた原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムであって、前記原子力発電所の重大事故時に、前記冷却水タンクから冷却水を前記水密容器に供給することで前記機器の放射線遮蔽を行うとともに、前記吸引ポンプにより前記水密容器の内圧を調整することで前記機器を冷却することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の実施形態に係る原子力発電所の放射線遮蔽冷却方法は、本発明の実施形態に係る原子力発電所の放射線遮蔽冷却システムを用いた放射線遮蔽冷却方法において、前記原子力発電所の重大事故時に水密容器に冷却水を給水することで、原子力発電所施設内の各種機器の放射線遮蔽及び冷却を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、SA等の事故時において各種機器を許容温度以下に冷却するとともに、許容放射線強度以下に遮蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの構成図。
図2】第2の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの構成図。
図3】第3の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの構成図。
図4】第4の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの構成図。
図5】第5の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの構成図。
図6】第6の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法の実施形態を、図を参照して説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
第1の実施形態に放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を図1により説明する。
(構成)
図1は第1の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システムの全体構成図であり、内部に機器2が収納される内部空間8を有する水密容器1と、吸引配管5aを介して水密容器1の上部空間7に接続され、水密容器1の内圧を調整する吸引ポンプ4と、給水配管5b及び制御弁13を介して水密容器1に冷却水3を供給する冷却水タンク6と、から構成される。
【0017】
機器2は原子力発電所の建屋15の内部又は格納容器内に配置されている例えば測定機器、ポンプ、弁及び配管等からなる各種機器であり、SA時に許容値以下に放射線遮蔽及び冷却する必要があるものである。吸引ポンプ4及び冷却水タンク6は原子力発電所の建屋15の外部に設置される。
【0018】
(作用)
このように構成された放射線遮蔽システムにおいて、SAが発生し機器2を許容値以下まで放射線遮蔽及び冷却する必要が生じた場合、建屋15の外部に設置された冷却水タンク6から冷却水3を水密容器1に供給し、内部空間8の周囲を取り囲む冷却水3によって機器2の放射線遮蔽及び冷却を行う。
【0019】
その際、機器2の冷却は、水密容器1内の冷却水3の気化による蒸発熱によって行われるとともに、吸引ポンプ4によって水密容器1の上部空間7の内圧を調整することで冷却能力を調整する。例えば、水密容器1の内圧を減少させれば、冷却水の蒸発量が増加し、冷却能力が向上する。なお、吸引配管5aに吸引量を調整するための制御弁を設けてもよい(図示せず)。
また、蒸発より水密容器1内の冷却水3が減少すれば冷却水タンク6から給水配管5bを介して冷却水3を補給する。
【0020】
(具体例)
具体例を説明すると、SA時の環境放射線量は約5,000Gyであり、水密容器1内の環境放射線量を従来の許容放射線量である500Gyまで減衰させるためには、水密容器1の約1,000mmの厚みが必要となる。そのため、例えば機器2の大きさ(縦、横、高さ)が2,000mm×1,000mm×2,000mmの場合、水密容器1の大きさは最低でも4,000mm×3,000mm×4,000mmとなる。
【0021】
また、水密容器1の内圧を減圧し、雰囲気温度を40℃にするためには、水密容器1内の圧力を約7.5kPaまで下げる必要がある。この圧力に減圧した際の蒸発熱Q’は、約2,4000kJ/kgである。また、水密容器1の外部の環境温度が170℃、水密容器1が受熱する外部表面積Aが80m2、熱伝達率Kが0.5W/m2とした場合、外部から水密容器1が受熱する熱伝達量Q’’は、式Q’’=K×A×Δtより、Q’=1.2kW(=kJ/s)となる。水密容器1内の雰囲気温度が40℃のときの蒸発熱Q’を2,400kJ/kgとすると、蒸気量aは、a=Q’’/Q’より、5.0×10-4kg/sとなる。40℃のときの飽和蒸気の比体積bは19.5m3/kgであるので、飽和蒸気量a’は、a’=a×b=5.0×10-4kg/s×19.5m3/kg×103l/m3 =9.75l/s=585l/minとなり、この蒸気量を排気できる吸引ポンプ4を設置することで気化冷却が可能となる。
【0022】
このように、本実施形態では、建屋15外の安全な環境に吸引ポンプ4、冷却水タンク6を設置し、事故時にのみ冷却水3を気密保持された水密容器1に供給し、水密容器1の内圧を減圧することで水の蒸発熱で機器2を冷却し、水密容器1内の内部空間8の温度及び放射線強度を許容値以下に保持することができる。また、蒸発により減少した冷却水3を補うために、必要時に冷却水タンク6から水密容器1に冷却水3を供給することで遮蔽効果及び冷却効果を維持させることができる。
【0023】
(効果)
本実施形態によれば、気密保持された水密容器1内の冷却水3及びその蒸発熱により機器2を効率的に冷却及び放射線遮蔽を行うことが可能となる。また、加熱された冷却水3を冷却するための大型の熱交換器等が不用となるので、設備の簡素化、小型化を図ることができるとともに、水資源の消費を抑制することができる。
【0024】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を図2により説明する。
本実施形態では、水密容器1を複数並列に連設して、複数の機器2をそれぞれ各水密容器1a〜1c内に配置する。具体例として、サンプリング用の電磁弁2a、圧力・流量計2b、吸引ポンプ2cを、それぞれ水密容器1a、1b、1c内に設置する例について説明する。
【0025】
これらの機器2a〜2cは、その装置構成、使用材料等に応じて許容放射線レベル及び許容温度レベルがそれぞれ異なる場合がある。本実施形態では、それぞれの許容レベルに応じて水密容器1a〜1cの大きさを変更し、冷却水消費の削減と設置スペースの効率化を図っている。各水密容器1a〜1cは、図2に示すように、下部がそれぞれ連通管14で接続されるとともに、吸引ポンプ4からの吸引配管5aは分岐して各水密容器1a〜1cに接続される。また、給水配管5bは一つの水密容器、本実施形態では水密容器1cに接続される。
【0026】
また、複数の水密容器1を連接して配置する場合、相互に隣接する水密容器1の側壁の厚みをそれぞれ小さくすることが可能となるので、水密容器1a〜1cの小型化、冷却水量の削減及び省スペース化を図ることができる。
【0027】
(変形例)
図2に示す例では、複数の水密容器1a〜1bを連通管14で連結しているが、各水密容器の冷却能力を個別に制御可能とするために、連通管14を省略し、給水配管5bを分岐させて各水密容器1a〜1cにそれぞれ制御弁13を介して接続するようにし、また、吸引ポンプ4に接続される吸引配管5aも分岐させて、それぞれ制御弁を設け、個別に冷却能力を調整可能にしてもよい(図示せず)。
【0028】
本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様な作用効果を奏するほか、複数の機器2を個々に水密容器1に収容することで、各機器2のサイズ、許容放射線強度及び許容温度に応じて水密容器1の大きさを変更することが可能となるとともに、複数の機器2の冷却及び放射線遮蔽を個別に制御可能となるので、使用冷却水量及び消費電力の削減、及び省スペース化を図ることができる。
【0029】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を図3により説明する。
各種機器2のうち、例えば放射線検出器等の測定用の機器は、その機能を果たすために、水密容器1内に設置できない。
【0030】
本実施形態では、図3に示すように、測定用の機器2dを、例えば水密容器1dの下面に密着して設置し、機器2dを許容値以下に冷却する。機器2d及び水密容器1dの密着部の材料はそれぞれ高伝熱特性の材料を用いることが望ましい。また、放射線遮蔽のために、水密容器1dを格納容器等の放射線発生源側に配置することが望ましい。
【0031】
なお、水密容器1のサイズは機器2dの大きさに応じて適宜変更可能であり、また、機器2dの周囲に複数密着して設置してもよい。水密容器1の冷却機能は上記実施形態と同様である。
【0032】
本実施形態によれば、機能上、水密容器1内に収納できない測定用の機器2dを、水密容器1に密着するように固定することで、機器2dを許容温度以下に保持することができる。また、機器2dの大きさに合わせて水密容器1を小さくできるので、ポンプの小型化、省エネ化を図ることができる。
【0033】
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を図4により説明する。
本実施形態では、図4に示すように、吸引ポンプ4と冷却水タンク6の間に熱交換器9を配置する構成としている。
【0034】
水密容器1において吸引ポンプ4により減圧され気化した蒸気は、吸引配管5aを介して吸引ポンプ4により吸引され、熱交換器9で凝縮され、冷却水3として冷却水タンク6に再循環される。
【0035】
本実施形態によれば、気化した蒸気を冷却水3として循環させ再利用することで、水資源を有効活用することができる。これにより、冷却水の補給が困難な場合でも、水密容器1の冷却機能を維持することが可能となる。
【0036】
[第5の実施形態]
第5の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を図5により説明する。
本実施形態では、図5に示すように、上記実施形態で説明した吸引ポンプ4及び冷却水タンク6を移動車10に搭載した構成としている。
【0037】
SA時に原子力発電所の電源や給水機能が喪失したとしても、吸引ポンプ4、冷却水タンク6及び必要な電源等を搭載した移動車10を現場に近接させ、水密容器1に接続することで、各種機器2の冷却及び放射線遮蔽を継続することができる。
なお、移動車10に熱交換器9を搭載してもよいことはもちろんである。
【0038】
[第6の実施形態]
第6の実施形態に係る放射線遮蔽冷却システム及び放射線遮蔽冷却方法を図6により説明する。
本実施形態では、図6に示すように、第4の実施形態の吸引ポンプ4と熱交換器9との間に排気ポンプ11を設けた構成としている。
【0039】
吸引ポンプ4と排気ポンプ11として、ダイヤフラムポンプ又はピストンポンプが用いられ、それぞれに加熱装置12が付設されている。
【0040】
第4の実施形態では、吸引ポンプ4の周囲温度は常温であるため、水密容器1から吸引した蒸気は吸引ポンプ4で液化又は気液混合状態となる。このような状態の蒸気を気体用ポンプで移送循環させることは困難であるため、本実施形態では、吸引ポンプ4と排気ポンプ11として、ダイヤフラムポンプ又はピストンポンプを用い、かつ、各ポンプヘッドの周囲に加熱装置12を付設する。
【0041】
具体例を説明すると、水密容器1は吸引ポンプ4により7.5kPaに減圧され、図6に示すように、気化した蒸気は吸引ポンプ4に吸引された後、排気ポンプ11により蒸気が排出される。その際、吸引ポンプ4と排気ポンプ11のポンプヘッドは加熱装置12により加熱されているので、蒸気は気化状態に維持される。この気化状態の蒸気は、熱交換器9で冷却され、凝縮した蒸気は冷却水3として冷却水タンク6に再循環される。
【0042】
加熱装置12は、例えば、各ポンプの圧縮時の圧力(吐出圧)が0.2MPaのとき、飽和蒸気温度は約120℃であることから、ポンプヘッドを130℃以上に加熱する。
【0043】
本実施形態によれば、気化した蒸気を加熱装置12が付設された吸引ポンプ4及び排気ポンプ11により気化状態で循環させ、熱交換器9で冷却し冷却水として再利用するため、水資源を有効活用することができる。また、冷却水の補給が困難な場合でも、水密容器1の冷却機能を維持することが可能となる。
【0044】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1、1a〜1d…水密容器、2、2a〜2d…機器、3…冷却水、4…吸引ポンプ、5a…吸引配管、5b…給水配管、6…冷却水タンク、7…上部空間、8…内部空間、9…熱交換器、10…移動車、11…排気ポンプ、12…加熱装置、13…制御弁、14…連通管、15…建屋

図1
図2
図3
図4
図5
図6