(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アナログ信号をデジタル量に変換する第1変換手段、デジタル量をアナログ信号に変換する第2変換手段、電気信号をデジタル信号に変換する第3変換手段、及びデジタル信号を電気信号に変換する第4変換手段、の内の変換手段を複数と、
クロックを生成するクロック生成手段と、
を備え、
ネットワークを介して取得した測定対象を測定するためのデータを少なくとも含んだ情報に基づいた方法で、前記備えている複数の変換手段の何れかが前記測定するためのデータを変換して前記測定対象に対して出力する一方で、該変換手段以外の変換手段が前記測定対象を測定する測定器から入力されたデータを変換すると共に、前記クロック生成手段から出力されるクロックに基づいて前記備えている複数の変換手段を同期して動作させる高速変換器。
アナログ信号をデジタル量に変換する第1変換手段、デジタル量をアナログ信号に変換する第2変換手段、電気信号をデジタル信号に変換する第3変換手段、及びデジタル信号を電気信号に変換する第4変換手段、の内の変換手段を複数と、クロックを生成するクロック生成手段と、を備えたコンピュータを高速変換器として機能させる高速変換プログラムであって、
前記コンピュータを、
ネットワークを介して取得した測定対象を測定するためのデータを少なくとも含んだ情報に基づいた方法で、前記備えている複数の変換手段の何れかが前記測定するためのデータを変換して前記測定対象に対して出力する一方で、該変換手段以外の変換手段が前記測定対象を測定する測定器から入力されたデータを変換すると共に、前記クロック生成手段から出力されるクロックに基づいて前記備えている複数の変換手段を同期して動作させる高速変換器として機能させる高速変換プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、本実施形態全体の構成について
図1を参照して説明をする。
図1を参照すると、本実施形態は、測定対象100、センサ210、高速変換器220、及び解析用サーバ300を含む。解析用サーバ300は、例えば本社工場に設置される。一方で、測定対象100、センサ210、及び高速変換器220は例えば本社とは異なる国に構築された海外工場に設置される。ただし、高速変換器220内部の通信装置221と解析用サーバ300とはネットワーク400を介して接続されていることから、高速変換器220と解析用サーバ300は、異なる国という遠隔地に設置されていても通信を行うことが可能となっている。
【0022】
測定対象100は、本実施形態における測定の対象とするものであり、例えば、工作機械である。より詳細には、工作機械の駆動装置や、工作機械を制御するための制御基盤等である。また、他にも測定対象100は、例えば、工作機械による加工対象とされる物品等であってもよい。
【0023】
センサ210は、測定対象100におきた現象を測定するためのセンサである。測定対象100は、例えば、振動センサ、圧力センサ、電圧センサ、音センサ、温度センサ、加速度センサ、といったセンサや、物品を検知するための光学式や超音波式のセンサである。ただし、これら測定対象100やセンサ210はあくまで例示であり、本実施形態は、このような工場に関連するもの以外を測定対象100とするようにしてもよい。また、例示した以外のセンサをセンサ210とするようにしてもよい。
【0024】
高速変換器220は、センサ210や測定対象100や解析用サーバ300と接続され、これらとの間で信号を送受信する。具体的には、高速変換器220は、測定を行うためのテストデータを解析用サーバ300から受信する。そして、高速変換器220は、このテストデータに基づいた信号を測定対象100に対して出力することにより測定対象100を制御する。
また、この制御に対する測定対象100の状態の変化をセンサ210が測定し、測定結果を高速変換器220に対して送信する。高速変換器220は、受信した測定結果をデジタル量やデジタル信号の変化に変換して解析用サーバ300に送信する。
これにより、解析用サーバ300が、テストデータに対する測定対象100をデジタル量やデジタル信号の変化で分析することが可能である。
【0025】
なお、図中では、測定対象100、センサ210及び高速変換器220をそれぞれ1つ図示しているが、これらの関係は必ずしも1対1ではない。例えば、1つの高速変換器220に複数の測定対象100や複数のセンサ210が接続されていてもよい。また、例えば、1つの測定対象100に対して複数のセンサ210による測定を行うようにしてもよい。更に、複数存在する測定対象100がそれぞれ異なる種類のものであってもよく、複数存在するセンサ210がそれぞれ異なる種類のセンサであってもよい。
【0026】
次に、本実施形態と対比するために、一般的な測定装置の構成を
図2に示す。
図2に示すように、一般的な測定装置である測定装置20は、センサ21、変換部22及び通信装置23を含んだ1つの装置として実現されている。このように構成した場合には、センサ21が故障した場合に、測定装置20全体を全て交換する必要がある。
一方で、上述したように、本実施形態の高速変換器220は、測定対象100におきた現象を電気的に変換するセンサ210を、複数個外部接続できる構成である。そのため、接続されているセンサ210が故障したとしても、高速変換器220に新たに他のセンサ210を接続すればよく、センサ210以外を交換等する必要はない。
【0027】
この点、一般に測定対象におきた現象を電気的に変換するセンサ21やセンサ210のようなセンサは直接、測定対象の物体に物理的に接触している場合が多く、故障する可能性も高い。
しかしながら、本実施形態では、仮にセンサ210が故障したとしても、上述したようにセンサ210を交換するだけでよく、センサ21の故障時に測定装置20全体を交換する必要がある一般的な構成と比べて、運用コストを安価にすることができる。
【0028】
また、一般的な構成では、例えば変換部22や通信装置23が故障した場合にセンサ21が故障していなとしてもセンサ21も含めて測定装置20全体を交換することになる。しかしながら、本実施形態では、高速変換器220が故障した場合にセンサ210を交換する必要がない。つまり、本実施形態ではセンサを交換する頻度を下げることもできる。この点、一般に測定対象におきた現象を電気的に変換するセンサ21やセンサ210のようなセンサは高価であることが多いため、このようにセンサの交換頻度が下がることによっても運用コストを安価にすることができる。
【0029】
更に、本実施形態では、センサとの組み合わせの自由にできるため、システムを構築する場合の、自由度を高くすることができる。
【0030】
次に、
図3を参照して、高速変換器220内部の具体的な構成について説明をする。
高速変換器220は、通信装置221、クロック生成回路222、CPU223、記憶装置230、AD240、A/D241、ADB242、ADM243、DA250、D/A251、DAB252、DAM253、DI260、DI261、DIB262、DIM263、DO270、DO271、DOB272、及びDOM273を備える。
【0031】
通信装置221は、ネットワーク400を介して解析用サーバ300と通信を行うための通信装置である。
【0032】
クロック生成回路222は、高速変換器220内部で動作する各部に提供するクロックを生成する回路である。高速変換器220内の各部を制御するCPU223は、クロック生成回路222から供給されるクロックに基づいて高速変換器220内の各部を制御することで、各部の同期を取ることができる。以下の説明では、クロック生成回路222から供給されるクロックのことを、「基準クロック」と呼ぶ。
【0033】
CPU223は、高速変換器220全体を制御する装置である。より詳細には、CPU223が、記憶装置230等に格納されている制御用プログラム等の情報を読み込み、読み込んだ制御用プログラム等の情報等に基づいた演算処理を行なう。そして、CPU223が、演算結果に基づいて高速変換器220内のハードウェアを制御することにより、高速変換器220の各処理は実現される。つまり、高速変換器220は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
【0034】
記憶装置230は、各種の情報を記憶する装置であり、例えば、測定パターン231及び変換器ID232を記憶する。測定パターン231は、高速変換器220による測定を行うためのパターンを表すデータである。測定パターン231の具体的な内容については、
図5を参照して後述する。また、変換器ID232は、高速変換器220を識別するための識別子である。解析用サーバ300は、この変換器ID232を利用した認証により許可された高速変換器220としか接続しないようにする。これらのデータは解析用サーバ300から取得される。ただし、変換器ID232については、例えば高速変換器220の製造時に予め記憶させておくようにしてもよい。
【0035】
AD240は、測定対象100におきた現象を表すアナログ信号であり、測定対象100を測定するセンサ210により出力される。センサ210が出力するAD240は、A/D241に入力される。AD240は例えば、センサ210が振動センサなのであれば、振動の大きさを表す振動波形である。
【0036】
A/D241は、入力されたアナログ信号であるAD240を、デジタル量に変換するアナログ−デジタル変換器である。ここで、変換後のデジタル量は所定ビットのデジタル信号により表される。A/D241は、通信装置221の制御により基準クロックの周期で変換を行い、変換により得られた、デジタル量を表す所定ビットのデジタル信号を一時記憶部であるADB242に対して出力してサンプリングデータとして一時記憶させる。
CPU223は、ADB242に入力された、サンプリングデータを、基準ビットに基づいた所定の高速周期(例えば、一周期が10[μs]程度)で参照することができる。
【0037】
また、ADB242には、このようにして、高速にサンプリングされたサンプリングデータを蓄積するための記憶装置であるADM243が接続されている。そして、CPU223は、測定パターン231に基づいたタイミングで、ADB242に一時記憶されているサンプリングデータを、ADM243に順次高速周期で転送し、ADM243に記憶させる。ADM243や、他の記憶装置である、後述のDAM253、DIM263、及びDOM273のカウンタは、CPU223により基準クロックで制御される。
なお、これらの記憶装置は、n個(nは任意の自然数)の記憶領域を有している。そのため、これらの記憶装置には、時系列に沿って変化していくサンプリングデータをn個保存しておくことができる。なお、nは例えば2000であるとする。
【0038】
DAM253には、測定対象100を制御するための連続データが記憶される。かかる連続データは、測定パターン231と対応付けられたものである。なお、かかる連続データと測定パターン231は、予め解析用サーバ300から受信し、記憶装置230やDAM253に記憶されるものとする。
CPU223は、測定パターン231に基づいたタイミングで、DAM253が記憶している連続データを順番に読み出し、DAB252に一時記憶させる。また、DAB252に記憶されている連続データは、D/A251に出力される。ここで、連続データはデジタル量を表す所定ビットのデジタル信号として出力される。
【0039】
D/A251は、入力されたデジタル量を表す所定ビットのデジタル信号を、アナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器である。D/A251は、通信装置221の制御により基準クロックの周期で変換を行い、変換により得られたアナログ信号を、DA250として連続的に外部に出力する。DA250は、例えば、測定対象100を試験するための試験波形として出力される。また、DA250の出力先は、測定対象100である。ただし、例えば測定対象100が工作機械により加工されるような物品であるならば、DA250をこの工作機械に出力するようにしてもよい。
【0040】
このように、高速変換を行いながらAD240とDA250を同時に使用することで、DA250から測定や試験のためのデータを測定対象100に出力し、出力に対する測定対象100の電気的な変化の応答をAD240で測定し、出力と応答が同期されたデジタル量を記憶することができる。例えば、工作機械の位置情報を電気信号に変換し、工作機械の位置情報と同期した他の現象を高速に監視することが可能になる。
また、上述したように、高速変換器220内の各部は、基準クロックで動作するCPU223により制御される。そのため、例えば、A/D241、ADB242及びADM243からなる組が複数設けられており、この複数の組のそれぞれにセンサ210が接続されるような場合であっても、CPU223によって、転送周期の同期が確保される。
【0041】
次に、DI261、DIB262、及びDIM263と、DO271、DOB272、及びDOM273について説明する。これら各部の動作は、上述したA/D241、ADB242、及びADM243と、D/A251、DAB252、及びDAM253と近似するものである。しかしながら、変換対象として取り扱うデータが相違するので、もっぱらこの点について説明をし、重複する説明については省略する。
【0042】
DI260は、測定対象100におきた現象を表す電気信号であり、測定対象100を測定するセンサ210により出力される。センサ210が出力するDI260は、DI261に入力される。DI260は、例えば、0又は1を表す矩形波である。
【0043】
DI261は、入力された電気信号である測定対象100を0又は1を表すデジタル信号に変換する。DI261は、通信装置221の制御により基準クロックの周期で変換を行い、変換により得られた、デジタル信号を一時記憶部であるDIB262に対して出力してサンプリングデータとして一時記憶させる。
CPU223は、DIB262に入力された、サンプリングデータを、基準ビットに基づいた所定の高速周期で参照することができる。
【0044】
また、DIB262には、このようにして、高速にサンプリングされたサンプリングデータを蓄積するための記憶装置であるDIM263が接続されている。そして、CPU223は、後述の測定パターン231に基づいたタイミングで、DIB262に一時記憶されているサンプリングデータを、DIM263に順次高速周期で転送し、DIM263に記憶させる。
【0045】
DOM273には、測定対象100を制御するための連続データが記憶される。かかる連続データは、測定パターン231と対応付けられたものである。なお、かかる連続データと測定パターン231は、予め解析用サーバ300から受信し、記憶装置230やDOM273に記憶されるものとする。
CPU223は、測定パターン231に基づいたタイミングで、DOM273が記憶している連続データを順番に読み出し、DOB272に一時記憶させる。また、DOB272に記憶されている連続データは、DO271に出力される。ここで、連続データは0又は1を表すデジタル信号として出力される。
【0046】
DO271は、入力されたデジタル信号を、変換して0又は1に対応する電気信号とする。DO271は、通信装置221の制御により基準クロックの周期で変換を行い、変換により得られた電気信号を、DO270として連続的に外部に出力する。207は、例えば、測定対象100がハンマーであれば、このハンマー所定のリズムで動作させるためのリズム出力である。また、DO270の出力先は、測定対象100である。ただし、例えば測定対象100が工作機械により加工されるような物品であるならば、DO270をこの工作機械に出力するようにしてもよい。
【0047】
このように、高速変換を行いながらDI260とDO270を同時に使用することで、DO270から測定や試験のためのデータを測定対象100に出力し、出力に対する測定対象100の電気的な変化の応答をDI260で測定し、出力と応答が同期されたデジタル信号を記憶することができる。例えば、工作機械の位置情報を電気信号に変換し、工作機械の位置情報と同期した他の現象を高速に監視することが可能になる。
【0048】
また、上述したように、高速変換器220内の各部は、基準クロックで動作するCPU223により制御される。そのため、例えば、DI261、DIB262及びDIM263からなる組が複数設けられており、この複数の組のそれぞれにセンサ210が接続されるような場合であっても、CPU223によって、転送周期の同期が確保される。
【0049】
以上説明したように、AD240、DA250、DI260、及びDO270のCPU223の制御周期内での同期性を確保することができる。また、かかる処理は高速変換器220内部で行われる処理であるので、特許文献1や特許文献2のように、ネットワーク速度に依存することはなく、制御周期を、例えば、一周期が10[μs]程度というように高速なものとすることができる。オシロスコープなどの用途であれば、制御周期をさらに高速にすることができる。
【0050】
また、上述したように高速変換器220には、複数のセンサ210や、複数の測定対象100を接続することができる。これに対応して高速変換器220が、AD240、DA250、DI260、及びDO270のそれぞれを複数備えるようにしてもよい。また、1つの測定対象100について、AD240、DA250、DI260、及びDO270が複数接続されるようにしてもよい。
更に、例えば、測定対象100をDO270で制御することにより動作させて、これにより測定対象100におきた現象をDI260ではなく、AD240で測定するようにしてもよい。
【0051】
次に、
図4を参照して解析用サーバ300の構成について説明をする。
図4に示すように解析用サーバ300は、CPU310、通信装置320、解析部330、及び記憶装置340を備える。
【0052】
CPU310は、解析用サーバ300全体を制御する装置である。より詳細には、CPU310が、解析部330等に格納されている制御用プログラム等の情報を読み込み、読み込んだ制御用プログラム等の情報等に基づいた演算処理を行なう。そして、CPU310が、演算結果に基づいて解析用サーバ300内のハードウェアを制御することにより、解析用サーバ300の各処理は実現される。つまり、解析用サーバ300は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
【0053】
通信装置320は、ネットワーク400を介して高速変換器220と通信を行うための通信装置である。
【0054】
解析部330は、測定対象100におきた現象をサンプリングデータに基づいて解析する部分である。具体的には、高速変換器220の各部が上述するように動作することによりADM243及びDOM273に格納されたサンプリングデータが、高速変換器220から解析用サーバ300に送信される。そして、解析部330は、このサンプリングデータに基づいて解析を行う。
【0055】
解析は、測定対象である測定対象100の種類に対応する解析シーケンスに基づいた処理により行われる。そのため、解析部330には、各種の測定対象100に対応できるように複数の解析シーケンスが登録されている。解析シーケンスに基づいた処理の具体的な内容は
図12を参照して後述する。かかる解析により、例えば、測定対象100が正常であるのか、それとも測定対象100に異常が発生しているのか等の判定を行うことができる。
【0056】
記憶装置340は、各種の情報を記憶する装置である。記憶装置340は、例えば、ID確認用データ341、測定パターン342、データファイル343、及びガイダンスファイル344を記憶する。
【0057】
ID確認用データ341は、高速変換器220の変換器ID232を利用した認証を行うためのデータである。ID確認用データ341は、例えば、解析用サーバ300に接続を許可する高速変換器220のIDと、認証用のパスワードとを紐付けた情報である。
【0058】
測定パターン342は、高速変換器220の記憶装置230に測定パターン231として格納される測定パターンである。測定パターン342の具体的な内容は
図5を参照して後述する。
【0059】
データファイル343は、DA250やDO270を出力するために、DAM253やDOM273に格納される連続データである。
測定パターン342及びデータファイル343は、各種の測定対象100に対応できるように複数種類記憶されている。そして、測定対象とする測定対象100の種類に基づいて選択された測定パターン342及びデータファイル343が高速変換器220に送信される。
【0060】
ガイダンスファイル344は、ユーザに対するガイダンスを行うためのデータである。ガイダンスファイル344も、各種の測定対象100に対応できるように複数種類記憶されている。ガイダンスファイル344を用いたガイダンスについては、
図13を参照して後述する。
【0061】
次に、
図5を参照して測定パターン342の具体的な内容について説明をする。
図5に示す「測定パターン」の項目内の、測定対象1、測定対象2、・・・測定対象m(mは任意の自然数)は、測定対象となる測定対象100のIDとなる。つまり、測定パターンは、測定対象となる測定対象100毎に設定される。
【0062】
「ガイダンス」の項目には、各測定対象の測定対象100に対応したガイダンスファイルのガイダンスのIDが格納される。CPU310は、これを参照することにより、今回測定対象となる測定対象100に対応するガイダンスファイルを特定することができる。
【0063】
「測定/出力スタート」は、高速変換器220における測定や出力を開始する契機であり、各測定対象の測定対象100に対応したものが格納されている。ここで、測定とは、高速変換器220がAD240及びDI260を変換して記憶することである。また、出力とは、高速変換器220が連続データを変換してDA250やDO270を出力することである。
項目内の「入力信号」ならば高速変換器220の、DI261がDI260による入力信号を受け付けたならば測定と出力が開始される。また、項目内の「設定時刻」ならば、設定時刻が到来したならば測定と出力が開始される。また、項目内の「ADレベル」ならば、高速変換器220の、AD240の入力レベル(すなわち、アナログ量)が所定のレベル以上となったならば測定と出力が開始される。
【0064】
「測定/出力時間」は、開始した測定や出力を継続する時間の長さであり、各測定対象の測定対象100に対応したものが格納されている。次に説明する「測定/出力ストップ」の項目内が「タイムアップ」の場合に、「測定/出力時間」が格納される。
【0065】
「測定/出力ストップ」は、高速変換器220における測定や出力を終了する契機であり、各測定対象の測定対象100に対応したものが格納されている。
項目内の「入力信号」ならば高速変換器220の、DI261がDI260による入力信号を受け付けたならば測定と出力が終了となる。また、項目内の「タイムアップ」ならば、測定と検出を開始してから、「測定/出力時間」に格納された長さだけ時間が経過したならば測定と出力が終了となる。
【0066】
「解析シーケンス」の項目には、各測定対象の測定対象100に対応した解析シーケンスのIDが格納される。解析部330は、これを参照することにより、今回測定対象となる測定対象100に対応する解析シーケンスを特定することができる。
【0067】
「DA/DOデータ番号」の項目には、各測定対象の測定対象100に対応した連続データが格納される。今回測定対象となる測定対象100に対応する連続データは、DAM253及びDOM273に格納される。連続データは、DAM253に格納してDA250を出力するためのものか、DOM273に格納してDO270を出力するためのものの何れかであってよい。
また、
図5には図示していないが、これ以外にも各測定対象の測定対象100に対応した所定のサンプリング時間や、各測定対象の測定対象100に対応した所定のダイナミックレンジといった、測定や出力に関する情報が格納されている。
【0068】
以上説明した、記憶装置340等に格納された種々のデータはユーザにより編集することが可能である。例えば、解析用サーバ300に、他の機器を接続し、ユーザがこの機器による操作を行うことによって、編集をすることが可能である。
【0069】
次に、実際に測定や出力を行う場合の高速変換器220及び解析用サーバ300の動作について説明をする。まず、今回測定対象とする測定対象100を特定する必要がある。そこで、解析用サーバ300は
図6に示すようなユーザインタフェースを表示するための処理を行う。
例えば、
図7に示すように解析用サーバ300に、ネットワーク400等を介してガイダンス装置500を接続し、このネットワーク400のユーザインタフェースに
図6に示すようなユーザインタフェースを表示させる。ガイダンス装置500は、例えばパーソナルコンピュータや、携帯可能なタブレット型の端末等により実現する。以下では、解析用サーバ300が、ガイダンス装置500等の他の機器に表示をさせるための処理を行うことも含めて、解析用サーバ300が表示する、と表現する。
【0070】
ユーザは
図6に示すユーザインタフェースを参照して、高速変換器220のIDである変換器IDと、この変換器IDに対応するパスワードとを入力する。解析用サーバ300は、ネットワーク400を介して入力された変換器IDとパスワードとを受信し、自身が記憶しているID確認用データ341に基づいて認証を行う。認証が成功したならば、
図8に示すユーザインタフェースを表示する。認証が失敗したならば、その旨をユーザインタフェースに表示し、再度の入力を促す。
なお、ユーザに変換器ID及びパスワードをユーザに入力させて認証するのではなく、高速変換器220が記憶している変換器ID232を受信したことを認証の代わりとしてもよい。このようにすれば、ユーザによる入力の手間を省くことができる
【0071】
次に、
図8に示すユーザインタフェースにて、測定する項目の選択と、測定する機器のIDの入力を、ユーザに促す。
まず、ユーザが測定する項目を選択するために、
図8の画面上段でドロップダウンリストを選択すると
図9のようなドロップダウンリストが表示される。ユーザはドロップダウンリストに表示された項目のなかから、今回測定対象とする機器である測定対象100に対応した項目を選択する。
【0072】
次に、ユーザは、例えばキーボード等で
図8の画面下段に、今回測定対象とする機器である測定対象100のIDを入力する。IDは、例えば、測定対象100の製品番号であり、測定対象100に刻印等されている。
ユーザはこれらの操作が完了すると、送信ボタンを操作する。これにより、ガイダンス装置500は、選択された測定項目と、入力された測定対象とする機器である測定対象100のIDとをネットワーク400を介して解析用サーバ300に対して送信する。
解析用サーバ300は、ネットワーク400を介して、選択された測定項目と、入力された測定対象とする機器である測定対象100のIDとを受信し、受信した測定対象100のIDにより、今回測定対象とする測定対象100を特定する。この場合に、選択された測定項目が、特定した測定対象100と対応しない測定項目であったならば、ユーザが誤った入力をした可能性があるので、その旨をユーザインタフェースに表示し、再度の入力を促す。
【0073】
次に、解析用サーバ300は、測定パターン342を参照することにより、特定した測定対象100に対応するガイダンスファイルのIDを特定する。そして、この特定したガイダンスファイルのIDに対応するガイダンスファイルをガイダンスファイル344から取得する。
そして、取得したガイダンスファイルにより、
図10のようなガイダンス用の画面を表示する。そして、ユーザは、このガイダンス用の画面を参照しながら、測定対象とする測定対象100と高速変換器220とを接続する。このようにグラフィカルな表示を行うことにより、ユーザは容易に接続を行うことができる。ここで、本例では、測定対象100がプリント基板(PCB:Printed circuit board)を例に取って説明を行う。
【0074】
図中の、PC1及びPC2は電源供給用のケーブルであり、これをプリント基板の対応する端子であるP1やP2にそれぞれ接続すればよいことがわかる。
また、C1からC2までが信号を送受信するためのケーブルであり、これをプリント基板の対応する端子であるA1からA4までにそれぞれ接続すればよいことがわかる。なお、例えばC1及びC2を介して高速変換器220からプリント基板に出力される信号がDA250に相当する。また、C3及びC4を介してプリント基板から高速変換器220に出力される信号がDO270に相当する。
プリント基板には、所定のテスト電圧を印加すると、所定の出力電圧が出力されるような検査回路がついているものがある。このような場合に
図10のような接続を行なえば検査回路を利用した検査を行うことができる。
【0075】
ユーザは、
図10のガイダンス用の画面を参照して、適切に高速変換器220と測定対象100とを接続すると、確認ボタンを操作する。これにより、ガイダンス装置500は、確認ボタンが操作された旨を、ネットワーク400を介して解析用サーバ300に対して送信する。
解析用サーバ300は、ネットワーク400を介して、確認ボタンが操作された旨を受信すると、
図11に示すように解析を開始してよいかを確認するための画面を表示する。
【0076】
この画面において、ユーザは解析開始ボタンを操作する。これにより、ガイダンス装置500は、解析開始ボタンが操作された旨を、ネットワーク400を介して解析用サーバ300に対して送信する。
解析用サーバ300が、ネットワーク400を介して、解析開始ボタンが操作された旨を受信すると、解析部330は、測定パターン342を参照することにより、測定対象とする測定対象100に対応する解析シーケンスを特定する。そして、特定した解析シーケンスによる処理を開始する。
【0077】
解析シーケンスによる処理について
図12を参照して説明を行う。
まず、測定パターン342を参照することにより、測定対象とする測定対象100に対応する測定パターンを測定パターン342から取得する。また、測定対象とする測定対象100に対応する連続データをデータファイル343から取得する。そして、取得した測定パターン及び連続データを高速変換器220に対して送信する。
これらを受信した高速変換器220は、受信した測定パターンを測定パターン231として記憶装置230に記憶することにより設定を行う。また、受信した連続データをDAM253やDOM273に格納することにより設定を行う(ステップS11)。
【0078】
次に、高速変換器220がステップS11にて設定した測定パターン及び連続データに基づいて測定を開始する。測定時の高速変換器220の動作については、
図5を参照して既に説明しているので、詳細な説明を省略する。
そして、設定した測定パターンに基づいたサンプリング時間毎に、測定により得られたサンプリングデータは、ADM243や、DIM263に保存される(ステップS12)。
測定が終了すると、ADM243やDIM263に保存されたサンプリングデータは、高速変換器220から解析用サーバ300に対して送信される。かかるサンプリングデータにより再現される波形を、以下の説明では「波形A」と呼ぶ。
【0079】
次に、高速変換器220から解析用サーバ300がサンプリングデータを受信すると、記憶装置230は、解析を行うために正常なデータにより再現される波形(以下の説明では「波形B」と呼ぶ。)を呼び出す(ステップS13)。ここで、波形Bとは、今回測定対象としている測定対象100が正常に稼働している場合に、この測定対象100に対して、ステップS11及びステップS12のようにして測定を行った場合に得られるサンプリングデータ(すなわち、正常なデータ)により再現される波形である。波形Bは、解析シーケンスのデータの一部として含まれているものとする。
【0080】
次に、記憶装置230は、波形Aと波形Bをサンプリング時間毎に比較し、サンプリング時間ごとの合致度をそれぞれ計算する。
この場合、例えば波形Aと波形Bが0又は1で表される波形ならば、波形Aと波形Bが共に1、又は共に0であれば合致度は1となり、そうでなければ合致度はゼロとなる。また、例えば波形Aと波形Bがデジタル量で表される波形であれば、一方の波形のデジタル量の値が10であり、他方の波形のデジタル量の値が9であれば合致度は0.9となる。
【0081】
そして、計算により算出したサンプリング時間毎の合致度の平均を波形Aと波形Bの合致度として算出する(ステップS14)。
【0082】
このようにして算出した合致度をパーセンテージで表した場合に、95パーセント以上なのであれば(ステップS15においてYes)、測定対象としている測定対象100が問題ないという解析結果とする(ステップS16)。この場合には、例えば
図13に示すように、問題がなかった旨を表す表示を行う。
【0083】
一方で、95パーセント未満なのであれば(ステップS15においてNo)、測定対象としている測定対象100が故障しているという解析結果とする(ステップS17)。この場合には、例えば
図14に示すように、問題がなかった旨を表す表示を行う。なお、上記の説明では、95パーセントを基準として判定を行ったが、95パーセントを基準にするというのは例示にすぎない。95パーセント以外の値を基準として判定を行ってもよいし、他の基準で判定を行ってもよい。また、例えば主成分分析等の手法を更に利用して解析を行うようにしてもよい。
【0084】
以上、本実施形態の構成及び動作について説明をした。このような本実施形態は多くの効果を奏する。この点について、特許文献1や2の構成についてより詳細に説明し、これと比較をしながら本実施形態の効果について説明をする。
【0085】
特許文献1の構成では、アナログ信号をデジタルデータに変換し、ネットワークで接続されたデータサーバに変換結果を記憶するので、ネットワーク速度以上の高速なサンプリング周期での処理が難しいという課題があった。また、複数のアナログ信号を高速に同期処理することができないという課題があった。
【0086】
特許文献2の構成では、通信機能付き測定器(A)、監視端末(B)、診断装置(C)がネットワークを介して接続されている。
この点、通信機能付き測定器(A)は、測定用センサ、A/D変換機、測定制御手段と通信装置を備えている。しかし、測定用センサは、測定目的によって異なるセンサを搭載した通信機能付き測定器を用意する必要があるという課題があった。
また、異なる通信機能付き測定器(A)間の通信は、ネットワークしかなく、高速なサンプリング周期で同期した複数のデータを取得することが難しいという課題があった。
更に、通信機能付き測定器(A)の測定制御手段は、監視端末(B)から送られてくる測定サイクルで制御され、測定サイクルは、例えば数分、数時間、1日毎であり、測定時間なども自由に設定することが可能で、正しい条件を設定するためには、測定に関する知識が必要であるという課題があった。
更に、監視端末(B)は通信機能付き測定器(A)に用いる測定処理手段や診断装置(C)に対する診断条件指示手段、表示装置、通信装置などを有し、測定処理手段で測定器(A)にて測定された結果を診断装置(C)に送信し、診断条件指示手段で診断装置(C)にて診断された結果を監視端末(B)で受信し、診断する仕組みのため、この監視端末で測定処理手段と情報処理手段を操作しなければシステムは成立しないという課題があった。
【0087】
以上の課題をまとめると、以下の(1)から(3)となる。
(1)測定対象によっては、2つの現象を同時に観察することが重要な場合もあり、測定された複数の信号の同期性が重要であるが、複数の信号を高速に同期させることは困難であった。
しかしながら、本実施形態によれば、測定された複数の信号に加えて、出力する複数の信号についても、CPU223がクロック生成回路222により出力されるクロックに基づいて入出力を行うことから。複数の信号を高速に同期させることが可能であるという、効果を奏する。つまり、本実施形態によれば、上記(1)の課題を解決することができる。
【0088】
(2)センサは直接、測定対象に取り付けられることが多く、測定対象の設置環境によっては故障する場合も多い。一般に、ネットワークを利用したセンサは、センサ部、センサ情報をデジタルデータに変換する変換部、ネットワークと通信する通信部で構成されている。従来のように、センサ部、変換部、通信部が一体で設計されている場合、センサ部の故障時には、故障してない部分も含めて、全てを交換する必要があった。
しかしながら、本実施形態によれば、センサ210と高速変換器220を別個の装置として実現していることから、高速変換器220には、任意の種類であって任意の個数のセンサ210を接続したり、接続解除したりすることが可能である。そのため、センサ部が故障した場合であっても、他の部分を交換する必要はない、という効果を奏する。つまり、本実施形態によれば、上記(2)の課題を解決することができる。
【0089】
(3)測定装置の利用は、広範囲で専門知識がない人でも利用する場合が増えてきている。従来は、測定対象とセンサの接続などは、いくつかのマニュアルを参照し、専門的知識を持った技術者が実施していた。
しかしながら、本実施形態によれば、
図6から
図11に示すような、理解しやすいユーザインタフェースをユーザに提供できる。更に本実施形態では、高速変換器220と測定対象100との間での接続確認が必要な場合、
図13に示すような接続確認表示を、ユーザに提供することができる。加えて、測定対象とする測定対象100毎に予め測定パターンが用意されているため、ユーザがサンプリングに関するパラメータ等を入力する必要もない。従って、本実施形態は、誰でも簡単に高品位な測定が可能である、という効果を奏する。つまり、本実施形態によれば、上記(3)の課題を解決することができる。
【0090】
また、本実施形態は、それ以外にも例えば、変換器IDを用いた認証を行うため、解析用サーバ300が、許可された高速変換器220としか接続しないようにすることができるので、セキュリティを確保することができる、といった効果も奏する。
【0091】
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、測定を行うものとして説明をした。しかし、測定を必須としない構成も考えられる。かかる構成について、
図15を参照して説明する。
【0092】
本例では、ハンマーを動作させる装置を対象として処理を行う。かかる装置は、ハンマー機構710、電磁石720、ハンマー730、バネ740、試料750、及び電気回路760を含む。
【0093】
電気回路760には、DO271が接続されており、DO271が出力するDO270が電気回路760に入力される。この点について
図15の下段を参照すると、DO271は、DOB272から入力される連続データ(すなわち、0又は1を表すデジタル信号)に対して、変換を行い、連続データが0となるときにOFFレベル(すなわち、ローレベル)となり、連続データが1となるときにONレベル(すなわち、ハイレベル)となるDO270を出力する。
【0094】
ハンマー730は、ハンマー730を上下に駆動可能にする機構であるハンマー機構710により保持されている。そして、DO270がOFFレベルの場合には、バネ740の弾性力によりハンマー730は、破線により表される位置にある。この場合ハンマー730と試料750は接触してない。
一方で、電気回路760は、DO270がONレベルとなると電磁石720をONさせる。すると、この電磁石720が発生する磁力がバネ740の弾性力を上回ると、ハンマー730が電磁石720に引き寄せられる。これにより、ハンマー730は、試料750と接触する。このようにして、DOM273に格納する連続データによって試料750とハンマー730の接触時間を調整するような装置を駆動させることも可能となる。この場合に、例えばこの装置をかた叩き機として実現するようなこともできる。
【0095】
また、このような装置でも更に測定を行うようにしてもよい。例えば、試料750の状態を測定するようなセンサ210により、試料750を測定するのであれば、試料750とハンマー730が接触することによる、試料750への影響力を調査することができる
【0096】
次に、他の構成として、ガイダンス装置500や通信装置221の機能を高速変換器220以外の装置に実装し、高速変換器220から通信装置221の機能を省略するような構成も考えられる。かかる構成について、
図16を参照して説明する。
具体的には、高速変換器220を変形した高速変換器220aは通信装置221を有していない代わりに、数値制御装置600と例えばUSB規格に準拠したケーブルで接続されて、データを送受信する。そして、数値制御装置600が通信装置221に代わって、ネットワーク400を介して解析用サーバ300と通信を行う。このようにすれば、通信装置221のみが故障したにも関わらず、高速変換器220全体を交換するようなことがないのでよい。ここで、数値制御装置600は、工場に設置された、工作機械用の数値制御装置(CNC:Computer Numerical Control)である。
【0097】
ただし、数値制御装置600に代えて、パーソナルコンピュータや、携帯可能なタブレット型の端末等を高速変換器220aに接続し、このパーソナルコンピュータや携帯可能なタブレット型の端末が、通信装置221に代わって、ネットワーク400を介して解析用サーバ300と通信を行うようにしてもよい。
【0098】
以下に、数値制御装置600の構成について
図17を参照して説明をする。
図17を参照すると、数値制御装置600は、CPU11、ROM12、RAM13、CMOSメモリ14、インタフェース15、PMC16、I/Oユニット17、インタフェース18、インタフェース19、データ通信バス25、軸制御回路30〜34、サーボアンプ40〜44、サーボモータ50〜54、スピンドル制御回路60、スピンドルアンプ61、スピンドルモータ62、パルスエンコーダ63、表示器/MDIユニット70、外部機器72、及び通信回路81を備える。
以下、これら各機能ブロックについて説明をする。
【0099】
CPU11は数値制御装置600を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステムプログラムをバス25を介して読み出し、該システムプログラムに従って数値制御装置全体を制御する。
RAM13には一時的な計算データや表示データ及び表示器/MDIユニット70を介してオペレータが入力した各種データが格納される。また、RAM13には、位置情報やサーボモータへの指令データや、負荷電流データなどを高速に記憶することができる。
【0100】
CMOSメモリ14は図示しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置600の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。CMOSメモリ14中には、インタフェース15を介して読み込まれた加工プログラムや表示器/MDIユニット70を介して入力された加工プログラム等が記憶される。
ROM12には、加工プログラムの作成及び編集のために必要とされる編集モードの処理や自動運転のための処理を実施するための各種システムプログラムがあらかじめ書き込まれている。
【0101】
本発明を実行する加工プログラム等の各種加工プログラムはインタフェース15や表示器/MDIユニット70を介して入力し、CMOSメモリ14に格納することができる。
【0102】
インタフェース15は、数値制御装置600とアダプタ等の外部機器72との接続を可能とするものである。外部機器72側からは加工プログラムや各種パラメータ等が読み込まれる。また、数値制御装置600内で編集した加工プログラムは、外部機器72を介して外部記憶手段に記憶させることができる。
【0103】
PMC(プログラマブル・マシン・コントローラ 注:一般的にはPLC プログラマブル・ロジック・コントローラと呼ばれること多い。)16は、数値制御装置600に内蔵されたシーケンスプログラムで工作機械の補助装置(例えば、工具交換用のロボットハンドといったアクチュエータ)にI/Oユニット17を介して信号を出力し制御する。また、工作機械の本体に配備された操作盤の各種スイッチ等の信号を受け、必要な信号処理をした後、CPU11に渡す。
【0104】
表示器/MDIユニット70はディスプレイやキーボード等を備えた手動データ入力装置であり、インタフェース18は表示器/MDIユニット70のキーボードからの指令やデータを受けてCPU11に渡す。インタフェース19は手動パルス発生器等を備えた操作盤71に接続されている。
【0105】
各軸の軸制御回路30〜34はCPU11からの各軸の移動指令量を受けて、各軸の指令をサーボアンプ40〜44に出力する。
サーボアンプ40〜44はこの指令を受けて、各軸のサーボモータ50〜54を駆動する。各軸のサーボモータ50〜54は位置・速度検出器を内蔵し、この位置・速度検出器からの位置・速度フィードバック信号を軸制御回路30〜34にフィードバックし、位置・速度のフィードバック制御を行う。なお、ブロック図では、位置・速度のフィードバックについては省略している。
【0106】
スピンドル制御回路60は、工作機械への主軸回転指令を受け、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を出力する。スピンドルアンプ61はこのスピンドル速度信号を受けて、工作機械のスピンドルモータ62を指令された回転速度で回転させ、工具を駆動する。
【0107】
スピンドルモータ62には歯車あるいはベルト等でパルスエンコーダ63が結合され、パルスエンコーダ63が主軸の回転に同期して帰還パルスを出力し、その帰還パルスはバス20を経由してプロセッサ11によって読み取られる。
【0108】
通信回路81は、数値制御装置600が解析用サーバ300とネットワーク400を介して通信できるように、数値制御装置600と解析用サーバ300間を接続するための通信回路である。通信回路81は、前述の実施形態における通信装置221と同様の通信機能を有する。
【0109】
なお、上記の高速変換器や、高速変換器を含んだ測定システムは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の高速変換器や、高速変換器を含んだ測定システムにより行なわれる高速変換方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0110】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。