【実施例】
【0080】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲がそれに限定されるものではない。以下の実施例では下記の略語を使用する:
CTAB: 臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
TAMOH: テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド
PEO: ポリ(エチレンオオキサイド)
PPO: ポリプロピレンオオキサイド)
EO: エチレンオオキサイド
PO: プロピレンオキサイド
DLS: 動的光散乱
LCST: 下側臨界溶液温度(℃)
SEM: 走査電子顕微鏡
TEM: 透過型電子顕微鏡
SBET: 見かけの表面積(比表面積)
V
micro: ミクロポア容積(mL/g)
V
meso: メソポア容積(mL/g)
S
mic: ミクロポア表面積(m
2/g)
S
mes: メソポア表面積m
2/g)
V
tot: 全細孔容積(mL/g)
V
iargemeso: 大きなメソポア(10nm以上)の容積)
LOI: 強熱減量(重量%)
【0081】
ゼオライト
(a)親ゼオライト
HY15:
FAU構造を有するプロトン化形態の市販のYゼオライト、Si/Al比=
15(脱アルミニウムによって後処理したCBV720、Zeolyst)。この親ゼオライトHY15の主要な特徴は下記の[表]にまとめた。
【0082】
このゼオライト結晶中には無秩序なメソポアが既に存在していることを強調しておく。
【0083】
(b)
再結晶化したゼオライト
固体A:
有機テンプレートとしてCTABを使用してHY15を再結晶して得られた固体。
固体B〜H:
本発明のメソポア−鋳型剤を使用してHY15を再結晶して得られた固体。
【0084】
ジェファミン(Jeffamine、登録商標)とよばれるポリマー群はPEOとPPOのランダム(統計)コポリマーである。官能化(functionnalization) の異なるタイプ(モノ−、ジ−、トリ−第一級アミン)が提案されている。これらの全てのポリマーが安価な市販のポリマーである。
PEOとPPOの鎖の寸法およびPEO/PPOの相対比の異なるものがジェファミン(Jeffamine、登録商標)として市販されており、その分子サイズは140〜5000g/モルである。ポリマー鎖中のEO単位とPO単位の相対割合は極めて重要で、疎水性/親水性バランスだけでなく、それがLCSTを決定する。ジェファミン(Jeffamine、登録商標)は感熱性共重合体である。
【0085】
【表1】
【0086】
特性評価方法
粉末X線回折パターンはBruker Lynx Eye検出器を装備したBruker D8 Advance diffractometer (λ=1.541838ナで加重平均CuKα線)回折装置で測定した。データは角度ステップサイズ=0.0197°、カウント時間=0.1秒/1ステップで0.5〜6°および5〜35°2Θで記録した。
【0087】
SEM観察は分解能が1nmの日立S4800顕微鏡を用いて行った。サンプルは最初に白金で覆った。
【0088】
TEM実験は解像度が0.5nmのJEOL1200EX II型電子顕微鏡を用い100キロボルトで行てった。サンプルはエタノール中に分散し、炭素被覆した銅グリッド上に堆積させて調製した。ポリマー樹脂(LRホワイト)に埋め込み、それを銅グリッド上に堆積したサンプルをウルトラマイクロトーム(超薄切片機)を使って得た70nmの厚さの薄いスライスも観察した。
【0089】
N
2およびArの吸脱着等温線(adsorption-desorption isotherms)はMicromeritics TriStar 3000装置とASAP2020装置を用いて−196℃で測定した。各測定の前にサンプルを250℃で少なくとも6時間(N
2の場合)および少なくとも12時間(Arの場合)真空脱ガスした)。
【0090】
見かけの表面積(SBET、apparent surface areas)は吸着ブランチからBETモデルに従って決定した。窒素およびアルゴンに対するミクロポア容積およびメソポア容積(V
mic、V
mes)およびミクロポア表面積およびメソポア表面積(S
mic、S
mes)は非多孔質シリカアエロジル200を参照吸着剤としてα
s−プロット(α
s−PLOT)法を用いて計算した。全細孔容積(V
tot)は77Kで液体窒素(またはアルゴン)濃度を用いて約0.99の相対圧力での吸着量から評価した。
【0091】
動的光散乱(DLS、Dynamic Light Scattering)の測定値はMalvern Instruments社の4ミリワットの632.8nmのヘリウム−ネオンレーザーと入射ビームに対して173°に位置した後方散乱検出器を装備したZetasizer Nano ZS装置を用い得た。温度は熱電ペルチェセルを使用して精度(+/−0.1℃)で5〜90℃に設定できる。サンプルはナイロンシリンジフィルター0.2μmを通して濾過し、予め乾燥した石英測定セル(1cm)中に直接入れた。セルをテフロン(登録商標)栓で閉じ、所望の温度で2分間安定化させる。容器中での蓄積数または測定深さ等のパラメータはデバイスによって自動的に最適化される。この技術を用いてコヒーレント単色入射ビーム(レーザ)の分布を調べることで溶液中の対象のブラウン運動に基づいてその寸法を求めることができる。この対象はミセルまたは凝集体の形に集合していてもいなくてもよい溶液中のナノ粒子またはポリマーにすることができる。
【0092】
実施例1
塩化物四級化ジェファミン(登録商標)M600の調製
(a)
ヨウ化物四級化ジェファミン(登録商標)の調製
Jeffamine(登録商標)の第一アミンをCope et al. [A.C.Cope, JACS, 1960, 82, 4651 -4655] の合成プロトコルに従って過剰のヨードメタンCH
3Iと反応させて四級化した。
冷却器を備えた500mlの容器中で41.5g(0.07mol)のジェファーミン(登録商標)M600を34g(0.4mol)の炭酸水素ナトリウムの存在下で300mlのメタノールに溶解した。攪拌しながら30g(0.21モル)のヨードメタンCH
3Iを加え、光を避けて72時間還流下で加熱する。24時間後に反応媒体に30g(0.21モル)の追加のヨードメタンCH
3Iを添加する。完全冷却後、無水硫酸マグネシウムを添加して痕跡量の水を除去し、溶液を濾過して沈殿した塩を除去する。濾液を真空下80℃で蒸発させて、沈殿した塩を含む粘性のあるambarino黄色液体を得る。ポリマーを溶解するために少量のクロロホルムを加え、冷気陸濾過によって不溶性塩を除去する。次いで、溶媒を蒸発させてヨウ化物四級化Jeffamine(登録商標)M600を回収する。
ヨウ化物四級化Jeffannine(登録商標)M600の四級化収率は95%である。
【0093】
(b)
塩化物四級化ジェファミン(登録商標)の調製
工程(a)で得た20g(0.026mol)のヨウ化物四級化ジェファミン(登録商標)を200mlの水に溶解する。20mlの塩化物の形をしたアンバーリスト(Amberlyst)IRA400樹脂(1.4meq/ml)を水で洗浄した後、上記のヨウ化物四級化ジェファミン溶液を添加する。次いで、反応媒体を攪拌しながら50℃で24時間加熱する。冷却後、懸濁液を濾過した後、濾液を予め洗浄した20mlのアンバーリスト(Amberlyst)IRA400樹脂を充填したカラムに2ml/分の流速で通す。回収液を真空下で90℃で蒸発させ、水を除去する。残った塩化物四級化ジェファミンを無水エタノールに溶解し、真空共沸蒸発によって痕跡量の水を除去する。得られた塩化物四級化ジェファミンは白いワックス状の固体である。
【0094】
(c)
塩基性媒体中での塩化物四級化ジェファミン(登録商標)のミセル挙動
ジェファーミン(登録商標)のポリマー鎖は感熱性である。低い温度では四級化ジェファーミン(登録商標)M600はユニマー(〜1nm)の形で溶液に可溶性である。50℃以上ではこのポリマー鎖は疎水性が強く、界面活性剤の挙動をし、ユニマーが集まって小さな物体を形成する。温度が上昇するとポリマー鎖はますます疎水性になり、ミセルはDLSで測定すると50℃で約50nmに凝集し、90℃では530nmに凝集する。ミセルは正に帯電したコロナによって安定化され、沈殿は観察されない。セル形成は可逆的で、温度を50℃以下に低下させるとジェファミン(登録商標)ユニマーは溶液中に完全に解離する。
四級化ジェファミン(登録商標)M600の場合、ミセルは75℃から形成され、ミセルの寸法は75℃〜90℃まで成長する。
【0095】
実施例2(比較例):
有機テンプレートとしてCTABを使用してHY15ゼオライトを再結晶化して固体Aを製造
親サンプルHY15ゼオライトの再結晶化は[特許文献7](米国特許第US2007244347号明細書)に記載の合成プロトコルに従って行った。
1.67gのHY15ゼオライトを120mlオートクレーブ中で激しく攪拌しながら50mlの0.09M−TMAOH溶液と室温で混合する。懸濁液に撹拌しながら0.83gのCTABを加え、20分間攪拌を維持する。混合物のCTAB/Siモル比は0.082である。次に、オートクレーブを密閉し、自然発生圧力下に150℃で20時間、反応媒体を静的水熱条件下に置く。オートクレーブを水浴中で急冷後、濾過して固体を回収し、中性pHに達するまで脱イオン水を用いて洗浄する。次いで固体を80℃のオーブン中で一晩乾燥させる。有機種(CTABとTMAOH)を管状炉中で空気流下(200ml/時)で550℃(1℃/分)で8時間、完全焼成して全固体気孔を回収する。
得られた親ゼオライト固体Aの特性は[表2]に記載した。
【特許文献7】米国特許第US2007244347号明細書(J.Y.Ying)
【0096】
【表2】
【0097】
ゼオライトHY15をCTABの存在下で再結晶化することは、初期結晶形を維持したままゼオライト内部にメソ多孔性を生成するのに効率的である。再結晶化された材料は階層構造を有し、長距離ゼオライト結晶性を有し、同じ結晶中にメソポアの高いメゾスコピック秩序を有している([
図1][
図3])互いに接続され二峰性の細孔系が得られ、ミクロポア(0.74nm〜7.4ナ)とメソポア(4.3mm〜43ナ)の狭い寸法分布が得られた([
図4]および[
図5])
【0098】
実施例3
有機テンプレートとして塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M600を用いてHY15ゼオライトを再結晶化して固体Bを製造
(a)
反応混合物の製造
0.462g(0.682mmol)の塩化物四級化ジェファミン(登録商標)M600を20mlのオートクレーブ中で10分間、室温で撹拌しながら15mlの0.09M−TMAOH溶液に溶解する。
0.5gのHY15を攪拌しながら20分間かけて上記溶液に添加する。四級化ジェファミン(登録商標)M600の量せN
+/Si比を0.082に維持して決定された。
【0099】
(b)固体Bの製造
次いで、オートクレーブを密閉し、反応媒体を自然発生圧力下で150℃で20時間、静的水熱条件下に置く。オートクレーブを水浴中で急冷した後、固体を濾過して回収し、中性pHになるまで脱イオン水を用いて洗浄した。次に、固体を80℃のオーブン中で一晩乾燥させた。固体の多孔性は含有有機物を洗浄または管状炉中で550℃(1℃/分)で空気下で8時間(200mL/時)焼成して回収した。
【0100】
(C)
固体Bの特性
固体Bの特性は[表3]に記載した。
[
図12]の広角XRDはYゼオライトの構造が保存されていることを明らかに示している。狭角XRDを使用すると約1°2θに肩が存在し、これは再結晶固体がメソ構造化されていることを示している。このメソ構造はN
2吸着等温線([
図13])でも確認され、0.5〜0.7の間の相対圧に強い吸着が示されている。対応するメソポアは5.9nmを中心とした狭い分布を有し、0.274ml/gの容積を示し、親HY15ゼオライトと比較してメソポーラス容積が67%増加する。この結果は固体中の均質バーミキュラメソポーラス相の形成を示すTEM画像によっても確認される([
図10])。ミクロ多孔性とメソ多孔性とが密接にて接続され、これは2つのポア系間の優れた相互接続性を示唆し、再結晶化したゼオライト結晶の真の階層的多孔性(true hierarchical porosity)を証明している。MEB画像([
図11])は再結晶化処理後にも前駆体ゼオライトYの定型的な結晶形状と寸法とが維持されることを示し、再結晶の上記擬似形態を再確認している。
【0101】
実施例4
有機テンプレートとして塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M600を用いたYゼオライトの再結晶化による固体Cの製造
(a)
反応混合物の製造
手順は実施例3の(a)と同じ。
(b)
固体Cの製造
反応混合物を120℃ではなく150℃で勝利した以外は実施例3の(b)の手順と同じである。
(c)
固体Cの特徴付け
固体Cの特性は[表3]に記載した。
固体Bと同じ結論(すなわち、親ゼオライトYの構造が保持され;固体中に均質なバーミキュラメソポーラス相が形成され;メソポアは約5.5nmを中心とする狭い分布を有する)を得ることができる。ミクロ多孔性とメソ多孔性とが密接に接続され、2つのポア系間の優れた相互接続性を示唆し、再結晶化したゼオライト結晶の真の階層的多孔性が証明される。
【0102】
実施例5
有機テンプレートとして塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M600を用いてHY15ゼオライトを再結晶化する固体Dを製造
(a)反応混合物の製造
手順は実施例3の(a)と同じ。
(b)
固体Dの製造
反応混合物を100℃ではなく150℃で勝利した以外は実施例3の(b)の手順と同じである。
(c)
固体Dの特徴付け
固体Dの特性は[表3]に記載した。
固体Bおよび固体Cと同じ結論(すなわち、親ゼオライトYの構造が保持され;固体中に均質なバーミキュラメソポーラス相が形成され;メソポアは約5.5nmを中心とする狭い分布を有する)を得ることができる。ミクロ多孔性とメソ多孔性とが密接に接続され、2つのポア系間の優れた相互接続性を示唆し、再結晶化したゼオライト結晶の真の階層的多孔性が証明される。
【0103】
実施例6
有機テンプレートとして塩化物四級化ジェファーミンョM600を用いてYゼオライトを再結晶化して固体Eを製造
(a)
反応混合物の製造
0.924g(1.36mmol)の塩化物四級化ジェファミン(登録商標)M600を20mlのオートクレーブ中で撹拌しながら15mlの0.09M−MAOH溶液中に室温で10分間で溶解する。次に、0.5gのHY15ゼオライトを攪拌しながら上記溶液に20分間かけて添加する。四級化ジェファミン(登録商標)M600の量は0.164のN+/Si比を維持するように決定される。
【0104】
(b)
固体Eの製造
実施例4の(b)の手順と同じである。
(c)
固体E
の特徴付け
固体Eの特性は[表3]に記載した。
固体B、CおよびDと同じ結論(すなわち、親ゼオライトYの構造が保持され;固体中に均質なバーミキュラメソポーラス相が形成され;メソポアは約5.5nmを中心とする狭い分布を有する)を得ることができる。ミクロ多孔性とメソ多孔性とが密接に接続され、2つのポア系間の優れた相互接続性を示唆し、再結晶化したゼオライト結晶の真の階層的多孔性が証明される。
【0105】
実施例7
有機テンプレートとして塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M1000を用いてHY15ゼオライトを再結晶化して固体Fを製造
(a)
反応混合物の製造
0.74g(0.682mmol)の塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M1000を20mlのオートクレーブ中で15mlの0.09M−TMAOH溶液に撹拌しながら室温で10分かけて溶解する。0.5gのHY15ゼオライトを攪拌しながら20分間かけて上記溶液に添加する。四級ジェファミン(登録商標)M1000の量はN
+/Si比が0.082を維持するように決定される。
(b)
固体Fの製造
次いで、オートクレーブを密閉し、反応媒体を自然発生圧力下に150℃で20時間、静的水熱条件したに置く。オートクレーブを水浴中で急冷した後、固体を濾過して回収し、中性pHに達するまで脱イオン水を用いて洗浄する。次に、固体を80℃のオーブンで一晩乾燥させる。含まれる有機物を洗浄または管状炉中で550℃(1℃/分)で空気流下(200mL/時)に8時間焼成して多孔性固体を回収する。
【0106】
(c)
固体Fの特徴付け
固体Fの特性は[表3]に記載した。
塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M1000を使用してもHY15ゼオライト中にメソ構造を作成できない。固体FのN
2等温線は親HY15と同じ傾向を示し、同様な細孔サイズ分布を示す。ジェファーミン(登録商標)M1000は高い疎水性/親水性バランスを有し、それ対応するLCSTは再結晶条件に合わない。
【0107】
実施例8
有機テンプレートとして四級化ジェファーミン(登録商標)M2005を用いてHY15ゼオライトを再結晶化して固体Gを製造
(a)
反応混合物の製造
1.42g(0.682mmol)の塩化物四級化Jeffamine(登録商標)M2005を20mlのオートクレーブ中で撹拌しながら15mlの0.09M−TMAOH溶液に室温で10分間で溶解させる。0.5gのHY15ゼオライトを攪拌しながら上記溶液に20分間かけて添加する。四級ジェファミン(登録商標)M2005の量はN+/Si比が0.082に維持されるように決定される。
(b)
固体Gの製造
手順は実施例5の(b)と同じである。
(C)
固体Gの特徴付け
固体Gの特性は[表3]に記載した。
この実施例でも再結晶化ゼオライト結晶の真の階層的多孔性の形成が以下の特性から確認された。すなわち、親ゼオライトYの構造を保存され、固体中に均質バーミキュラメソポーラス相が形成され、この場合にはメソポアの分布は固体Bよりも大きく、約8nmと15nmをそれぞれ中心とする2つの主要寄与分を有し、ミクロ多孔性とメソ多孔性とは密接に接続されている。さらに、リサイクル可能な構造化剤を用いた場合でも、構造化剤を正確に選択することによってメソ構造のメソポアの寸法を調節できることが証明された。
【0108】
実施例9
塩化物四級化ジェファミン(登録商標)M600を用い、種々の抽出条件を用いてHY15ゼオライトを再結晶化して固体H〜Hviiiを製造
(a)
反応混合物の製造
0.924g(1.36mmol)の塩化物四級化ジェファミン(登録商標)M600を20mlのオートクレーブ中で15mlの0.09M−TMAOH溶液に室温で撹拌しながら10分間で溶解する。0.5gのHY15ゼオライトを攪拌しながら上記溶液中に20分間かけて添加する。塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M600の量はN
+/Si比を0.164に維持することで決定されている。
【0109】
(b)
固体H〜Hviiiの製造
次に、オートクレーブを密閉し、反応媒体を自然発生圧力下に120℃で20時間、静的水熱条件したに置く。オートクレーブを水浴中で急冷した後、下記の各種ルートを検討した:
(1)
固体H
固体を濾過し、中性pHに達するまで脱イオン水を用いて洗浄して固体を回収した。次いで、80℃のオーブン中で固体を一晩乾燥させる。有機物を管状炉中で空気下(200mL/時)8時間、550℃(1℃/分)で焼成して固体の多孔性を回復した。
(2)
固体Hi
固体を洗浄せずに25℃で濾過して回収した。次に、80℃のオーブン中で固体を一晩乾燥した。その特性は[表4]に示した。
(3)
固体Hii〜Hiv
固体を25℃で濾過し、0℃、27℃および40℃でそれぞれ洗浄して回収する。洗浄工程では100mgの固体を15mlの脱イオン水中に導入し、それぞれ0℃、27℃および40℃で24時間撹拌下にバッチで洗浄する。回収した固体を80℃のオーブンで一晩乾燥した。その特性は[表4]に示す。
(3)
固体v〜固体Hvii
固体を25℃で濾過し、27℃で洗浄して回収した。洗浄工程はそれぞれ0.1M−HNO
3(硝酸)、NH
4OH(水酸化アンモニウム)およびNH
4NO
3(硝酸アンモニウム)を含む15mlの溶液中で100mgの固体を撹拌しながらバッチで24時洗浄して行った。回収した固形分は80℃のオーブン中で一晩乾燥した。その特性は[表4]に示す。
(4)
固体Hviii
固体を25℃で濾過し、27℃洗浄して回収した。洗浄工程は100mgの固体を15mlの純粋メタノール中に入れ、24時間、バッチで撹拌しながら行った。回収した固形分は80℃のオーブン中で一晩乾燥した。その特性は[表4]に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
ゼオライトの再結晶化後に溶液を冷却すると、塩化物四級化ジェファーミン(登録商標)M600のミセルは材料のメソポア中でバラバラになる。
室温で一回濾過するだけで洗濯せずに(固体Hi)、再結晶ゼオライト中に存在する構造化剤の30%は抽出することができる。
室温で水で洗浄すると、30%の追加の構造化剤(固体Hii)を抽出することができ、これは材料から抽出された四級化ジェファミン(登録商標)M600の総量の60%になる。材料を焼成せずに、穏やかな条件下でメソポーラス容積の73%が回収される。抽出される有機材料の量に関して洗浄中に使用する水の温度が大きな影響を与えることはない([表5])。
酸性溶液を使用すると(固形Hv)、TMA
+カチオンのH
+による交換抽出が改善し、メソポーラス容積の90%、ミクロポーラス容積の15%がアクセス可能になる。
洗浄溶媒としてメタノールを用いて得られた結果(固体Hviii)はNH
4OHを含む溶液(固体Hvi)またはNHNO
3を含む溶液(固体Hvii)を用いて得られたものよりも優れているが、HNO
3を含む溶液(固形H
V)の場合ほどよくはない。
ここで得られた結果は、メソポーラス化された(mesoporized)ゼオライト気孔からの構造化剤の抽出可能性を示している。
【0113】
【表5】
【0114】
実施例10
四級化ジェファーミン(登録商標)の本発明の他の再結晶合成への再循環
(Recrist.1/Recrist.2/Recrist.3/Recrist.4)
固体Hと同じ再結晶化プロトコル(実施例9)を使用した。
氷浴中で冷却した後、懸濁液を室温で濾過し、固体を3mlの脱イオン水で洗浄する。固体を80℃で乾燥する(Recrist.1)。
濾液を回収し、次ぎの再結晶で再利用する前に、濾液のpHを13に調整する。これはTMAOH(25%溶液)を滴下する水熱処理前の再結晶化溶液の初期pHに対応する。次いで、親ゼオライトHY15を添加し、系を撹拌下に120℃で20分間、水熱処理する。室温で冷却し、濾過した後、第2の固体を(Recrist.2)を回収する。上記の再循環/再結晶化プロトコルを同じ四級化ジェファミン(登録商標)M600溶液を用いてさらに2回繰り返す。追加の2回の再結晶化ゼオライトのサンプル(Recrist.3/Recrist.4)を得る。
再結晶収率は高く、92〜94%である。
【0115】
再結晶化ゼオライトの特性は[表6]と[
図19]にまとめて示した。これらの結果は、四級化ジェファミン−Clを含む溶液は中間精製なしに再循環可能であることを明確に示している。本発明は、穏やかな条件下で回収可能かつ再循環可能な構造化剤を使用することで下記の特性を有する階層型ゼオライト材料を合成できることが実証した:
(1)親ゼオライトYの構造が保存される。
(2)固体中に均質なバーミキュラメソポーラス相が形成される。
(3)メソポアは5.5nmを中心とする狭い分布を有する。
(4)ミクロ多孔性とメソ多孔性とが密接に接続されている。
【0116】
【表6】
【0117】
実施例11(比較例)
有機テンプレートとして非四級化Jeffamine M600を用いてHY15ゼオライトを再結晶化して固体Iの製造
(a)
反応混合物の製造
0.421g(0.682mmol)のJeffamine(登録商標)M600を20mlのオートクレーブ中で15mlの0.09M−TMAOH溶液中に室温で攪拌しながら10分で溶解させる。
0.5gのHY15を攪拌しながら上記溶液に20分間かけて添加する。Jeffamine(登録商標)M600の量はNH
2/Si比が0.082を維持するように決定されている。
(c)
固体Iの製造
次いで、オートクレーブを密閉し、反応媒体を自然発生圧力下に150℃で20時間、静的水熱条件下に置く。オートクレーブを水浴中で急冷後、濾過して固体を回収し、中性pHに達するまで脱イオン水を用いて洗浄する。次いで80℃のオーブン中で固体を一晩乾燥させる。有機物せ洗浄するか、管状炉中で空気下(200mL/時)で550℃(1℃/分)で8時間)焼成して、固体の多孔性を回復する。
(d)
固体Iの特徴付け
固体Iの特性は[表7]に示した。
【0118】
【表7】
【0119】
固体Iの場合、広角XRDは、親HY15ゼオライトおよび固体Bと比較して結晶性が急激に低下していることを明らかに示しており([
図20]の左側)、非晶質アルミノ相に相当する15〜30°2Θに大きなピークが存在している。
狭角散乱XRD([
図20]の右側)を用い時の固体IのXRDスペクトルは親HY15ゼオライトのものと似ている。これは組織化されたメソ構造が形成されなかったことを示す。これはTEM画像([
図22])でも確認される。
これらの結果は、N
2吸脱着等温線([
図21]と[表7])で測定される固体Iのテクスチャー特性と一致している。大きなメソポア(>10nm)の存在によってミクロボア容積の半分以上が失われている(〜62%)。固体Iの細孔寸法分布は広く、3〜40nmで、約7.4nmに中心がある。
上記の全ての結果は、上記で考慮した合成条件下(高アルカリ性媒体中)では、非四級化Jeffamine(登録商標)M600では制御されたメソポア化(mesoporization)は不可能であることを示している。材料中に多量のメソポアとミクロポアとが形成されるとともに、ゼオライト構造の大部分が破壊される。
【0120】
実施例12(比較例)
濾過で回収し、焼成しないCTABの存在下でHY15ゼオライトを再結晶化して固体Jを製造
1.67gのHY15ゼオライトを120mlのオートクレーブ中で50mlの0.09M−TMAOH溶液に激しく攪拌しながら室温で混合する。次いで、0.83gのCTABを添加し、撹拌しながら懸濁状態を20分間維持する。混合物のCTAB/Siモル比は0.082である。
次いで、オートクレーブを密閉し、反応媒体を自生圧力下に150℃で20時間、静的水熱条件下に置く。
オートクレーブを水浴中で急冷した後、固体を中性pHになるまで脱イオン水を用いて25℃で濾過して回収し、洗浄し、次いで固体を80℃のオーブンで一晩乾燥させる(固体J)
固体Jを管状炉内で大気下(200mL/時)、550℃(1℃/分)で8時間焼成して固体Aを回収する。
CTABはどんな温度またはpH条件でも両親媒性を維持する界面活性剤である。
N
2−物理吸着の測定値([
図23])から明らかなように、CTABはメソポア内にトラップされ、温度を低下させ、続いて濾過しても除去できない。材料(固体A)の完全気孔率を回復するには焼成工程は必須である。