【実施例】
【0070】
[実施例1]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径2cmの粒子まで粉砕し、連続向流抽出機内に入れ、エタノールを、原材料とエタノールの比が1g:5mLになるような量で添加し、制御温度は40℃であり、抽出時間は30分であった。次いで、固体材料及び顔料と単糖に富む浸出液を連続固液分離によって効率的に分離し、エタノールを再利用のためにリサイクルした。浸出液の成分を検出したが、その検出条件は:クロマトグラフィーカラムがShodex sugar KS-802、移動相が超純水、及びカラム温度が80℃であった。浸出液の高速液体クロマトグラムにおける、多様な物質のピーク面積のパーセンテージを表1に示す。表1は、本開示の実施例1〜2の浸出液の成分の要約である。
【0071】
固体材料をスクリューコンベアから横型パイプ内に押し込み、材料プラグを形成し、蒸気を直接導入し、それらを、スクリュー運搬と蒸気の混転作用下で完全に混合し、蒸気処理圧は0.6MPaであり、蒸気処理時間は20分であり、その結果、ヘミセルロースが原材料から効率的に溶解し、溶解液及び蒸気処理材料(即ち、表中の生成物)を得た。これらの成分を検出したが、その検出条件は:クロマトグラフィーカラムがShodex sugar KS-802、移動相が超純水、及びカラム温度が80℃であった。高速液体クロマトグラムにおける、多様な物質のピーク面積のパーセンテージを表2に示す。表2は、本開示の実施例1〜2の溶解液及び蒸気処理材料の成分の要約である。
【0072】
蒸気処理材料を、圧力除去に供し、酵素分解タンク内に散布し、材料と工程水の質量比が1:8になるように水を酵素分解タンクに添加し、pHを4.0に調整した。乾物キログラム当りキシラナーゼ活性度単位3×10
4Uでキシラナーゼを添加し、酵素分解温度は65℃であり、酵素分解時間は、14時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を90℃まで加熱上昇させ、加熱を50分間持続し、キシラナーゼを不活性化した。次いで、回転式真空ドラムによるろ過によって、可溶性食物繊維粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0073】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.3重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、プレート及びフレームろ過によって速度12.5m
3/hで混合物をろ過し、光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。
【0074】
上述の可溶性食物繊維糖液を3つの部分に分割した。第1の部分を三重効果蒸発器により濃縮することによってシロップ生成物を得たが、三重効果蒸発器の温度は以下の通りであった:第1効果の温度は85℃であり、第2効果の温度は75℃であり、第3効果の温度は65℃であった。キシロオリゴ糖シロップを調製し、生成物Aと指定し、その純度をHPLCによって測定した。結果を
図2に示す。
図2は、生成物AのHPLCプロファイルである。生成物Aの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は87.59%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、69.84%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0075】
第2の部分を真空ベルト乾燥に供したが、パラメーターは:第1区画の温度が100℃、第2区画の加熱温度が105℃、第3区画の加熱温度が90℃、冷却帯温度が20℃、真空度が-0.085MPa、布速度が42L/h、コーティング厚さが0.5cm、及びベルト速度が30m/hであった。キシロオリゴ糖粉末糖を調製し、生成物Bと指定し、その純度をHPLCによって測定した。結果を
図3に示す。
図3は、生成物BのHPLCプロファイルである。生成物Bの組成を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は89.56%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は70.65%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0076】
第3の部分を擬似移動床クロマトグラフィーシステムによるクロマトグラフィー分離に供したが、制御供給速度は0.3m
3/h、システム圧は、0.9MPa、及び供給液中の糖の質量画分は50%であり、可溶性食物繊維II及びラフィネートを得た。調製された可溶性食物繊維IIをスプレー乾燥し、高成分キシロオリゴ糖粉末糖を得、生成物Cと指定し、スプレー乾燥熱風入口温度は160℃、出口温度は100℃、及び材料流量は0.9m
3/hであった。その純度をHPLCによって測定した。結果を
図4に示す。
図4は、生成物CのHPLCプロファイルである。生成物Cの組成を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は97.27%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は71.39%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。可溶性食物繊維糖液とクロマトグラフィー分離後のラフィネートを容積比1:5で配合した。配合された糖液を真空ベルト乾燥に供し、低成分キシロオリゴ糖粉末糖を得、生成物Dと指定した。真空ベルト乾燥機の操作パラメーターは:第1区画の温度が100℃、第2区画の加熱温度が105℃、第3区画の加熱温度が90℃、冷却帯温度が20℃、真空度が-0.085MPa、布速度が42L/h、コーティング厚さが0.5cm、及びベルト速度が25m/hであった。生成物Dの純度をHPLCによって測定し、結果を
図5に示す。
図5は、生成物DのHPLCプロファイルである。生成物Dの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は70.49%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は48.93%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0077】
この実施例で使用されたキシラナーゼをChina Center of Industrial Culture Collectionから購入したTrichoderma reesei、株番号:CICC 13052によって生成した。この株による発酵及び精製によってキシラナーゼを調製した。具体的な調製方法は:2重量%〜6重量%のトウモロコシ穂軸(20〜80メッシュ);0.25重量%〜0.5重量%のキシロオリゴ糖;0.25重量%〜1重量%の酵母抽出物;0.25重量%〜1重量%のペプトン;0.25重量%〜0.5重量%の酵母粉末;0.02重量%〜0.06重量%のKH
2PO
4;0.02重量%〜0.05重量%のMgSO
4・7H
2O;0.01重量%のFeSO
4、初期pH6.0で酵素生成媒体を調製した。株を酵素生成媒体中に植菌し、28℃〜32℃で64時間〜84時間発酵し、培地をプレート及び枠型フィルターでろ過し、固体を液体から分離し、キシラナーゼ粗製酵素溶液を得た。粗製酵素溶液を、限外ろ過によって10倍〜50倍に濃縮し、ゲルろ過クロマトグラフィー(Sephdex G-75)によって分離し、20000〜90000 Daタンパク質、すなわち、エンドキシラナーゼを回収した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
表1及び表2からわかるように、本開示は、連続向流浸出技術を使用することによって大部分の単糖を除去し、同時に横型パイプ中の連続蒸気技法による処理を採用し、その結果、溶解液において、高多糖の含量が増加し、単糖、例えば、グルコース、キシロース及びアラビノースの含量が減少し、これが酵素分解工程後の生成物の成分に影響を与え、一方ではヘミセルロースキシランの溶解速度が増加し、キシラナーゼの使用量が低減する。
【0081】
[実施例2]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径4cmの粒子まで粉砕し、連続向流抽出機内に入れ、質量濃度0.5%のKOH水溶液を、原材料と水溶液の比が1g:8mLになるような量で添加し、制御温度は70℃であり、抽出時間は40分であった。次いで、固体材料及び顔料と単糖に富む浸出液を連続固液分離によって効率的に分離した。
【0082】
固体材料をスクリューコンベアから横型パイプ内に押し込み、材料プラグを形成し、蒸気を直接導入し、それらが、スクリュー運搬と蒸気の混転作用下で完全に混合され、蒸気処理圧は0.4MPaであり、蒸気処理時間は50分であり、その結果、ヘミセルロースが原材料から効率的に溶解した。蒸気処理材料を、圧力除去装置に供し、酵素分解タンク内に散布し、材料と工程水の質量比が1:6になるように工程水を酵素分解タンクに添加し、pH値を5.5に調整した。乾燥固体材料キログラム当りキシラナーゼ活性度単位4×10
4Uでキシラナーゼを添加し、酵素分解温度は50℃であり、酵素分解時間は、8時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を95℃まで加熱上昇させ、加熱を30分間持続し、キシラナーゼを不活性化した。次いで、ベルト乾燥機によるろ過によって、可溶性食物繊維粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0083】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.36重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、混合物を速度13.75m
3/hで固液分離に供し、ろ液の光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。
【0084】
可溶性食物繊維糖液を3つの部分に分割した。第1の部分を三重効果蒸発器により濃縮し、シロップ生成物を得、生成物Eと指定し、三重効果蒸発器の温度は:第1効果の温度は90℃、第2効果の温度は80℃、及び第3効果の温度は70℃であった。その純度をHPLCによって測定した。結果を
図6に示す。
図6は、生成物EのHPLCプロファイルである。生成物Eの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は81.63%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、72.02%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。第2の部分を真空レーキ乾燥に供することによってキシロオリゴ糖粉末を得、生成物Fとして指定した。操作パラメーターは:加熱温度が95℃、真空度が-0.090MPa、及びレーキ歯速度が6rpmであった。その純度をHPLCによって測定した。結果を
図7に示す。
図7は、生成物FのHPLCプロファイルである。生成物Fの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は82.53%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、70.76%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。第3の部分を擬似移動床クロマトグラフィーシステムによるクロマトグラフィー分離に供したが、制御供給速度は0.25m
3/hであり、システム圧は、1.0MPaであり、供給液中の糖の質量画分は56%であった。クロマトグラフィー後の高成分ラフィネートを、高成分キシロオリゴ糖粉末糖を調製する真空ベルト乾燥に供し、生成物Gとして指定した。真空ベルト乾燥機の操作パラメーターは以下の通りであった:第1区画の温度が105℃、第2区画の加熱温度が110℃、第3区画の加熱温度が95℃、冷却帯温度が25℃、真空度が-0.090MPa、布速度が42L/h、コーティング厚さが0.3cm、及びベルト速度が25m/hであった。その純度をHPLCによって検出した。結果を
図8に示す。
図8は、生成物GのHPLCプロファイルである。生成物Gの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は97.15%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、73.29%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調
製された生成物の成分の比較を示す。クロマトグラフィー分離後、ラフィネート及び可溶性食物繊維糖液を容積比1:7で配合した。配合された糖液を真空レーキ乾燥に供し、低成分キシロオリゴ糖粉末糖を得、生成物Hとして指定した。真空レーキ乾燥機の操作パラメーターは:加熱温度が90℃、真空度が-0.090MPa、及びレーキ歯速度が8rpmであった。その純度をHPLCによって測定した。結果を
図9に示す。
図9は、生成物HのHPLCプロファイルである。生成物Hの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は70.49%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、48.74%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0085】
この実施例で使用されたキシラナーゼは、実施例1と同じであった。
【0086】
[比較例1]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径0.5cmの粒子まで粉砕し、高温蒸気処理に供し、溶液は工程水であり、温度は150℃であり、時間は40分であった。
【0087】
蒸気処理材料を、圧力除去に供し、酵素分解タンク内に散布し、工程水を、蒸気処理材料と工程水の質量比が1:6になるように酵素分解タンクに添加し、pH値を5.5に調整した。Henan Yangshao Bio-Products Co., Ltd.から市販の食品グレードの200,000U/gキシラナーゼを、乾燥固体材料キログラム当りキシラナーゼ1×10
5Uの活性単位で添加し、酵素分解温度は50℃であり、酵素分解時間は8時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を95℃まで加熱し、加熱を30分間保持し、キシラナーゼを不活性化した。次いでベルト乾燥機によるろ過よって、可溶性食物繊維の粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0088】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.6重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、速度6.25m
3/hで混合物を固液分離に供し、ろ液の光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。キシロオリゴ糖シロップを調製し、その純度をHPLCによって検出した。
図10は、上述の生成物のHPLCプロファイルである。25.170sにおけるセロビオースの吸収ピークによれば、セロビオース含量は1.85%であることが見出され得る。生成物の成分を表6に示し、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は70.26%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、44.78%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0089】
[比較例2]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径1cmの粒子まで粉砕し、蒸気爆発前処理に供し、パラメーターは:圧力が1.5MPaであり、圧力を3分間保持した。前処理材料を、圧力除去に供し、酵素分解タンク内に散布し、工程水を、蒸気処理材料と工程水の質量比が1:6になるように酵素分解タンクに添加し、pH値を5.5に調整した。Henan Yangshao Bio-Products Co., Ltd.から市販の食品グレードの200,000U/gキシラナーゼを、乾燥固体材料キログラム当りキシラナーゼ活性単位9×10
4Uで添加し、酵素分解温度は50℃であり、酵素分解時間は8時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を95℃まで加熱し、温度を30分間保持し、キシラナーゼを不活性化した。次いでベルト乾燥機によるろ過によって、可溶性食物繊維の粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0090】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.8重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、混合物を速度7.5m
3/hで固液分離に供し、ろ液の光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。シロップを調製し、その純度をHPLCによって検出した。
図11は、生成物のHPLCプロファイルである。25.175sにおけるセロビオースの吸収ピークによれば、セロビオース含量は2.99%であることが見出され得る。生成物の成分を表6に示し、キシロオリゴ糖(X
2-7)の純度は70.23%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X
2-3)の含量は、42.79%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0091】
[実施例3]
1)実施例1〜2及び比較例1〜2の活性炭の添加量とろ過速度を比較し、結果を表3に示す。表3は、実施例1〜2及び比較例1〜2の活性炭の添加量とろ過速度の比較である。
【0092】
【表3】
【0093】
表3から、連続向流浸出処理後、脱色工程で添加される活性炭の量が40%〜50%低減し、プレート及び型枠ろ過機を通る材料溶液のろ過速度が100%〜120%増加することが見出され得る。脱色コストが低減し、生成効率が改善される。
【0094】
2)実施例1〜2及び比較例1〜2のキシラナーゼの添加量を比較し、結果を表4に示す。表4は、実施例1〜2及び比較例1〜2のキシラナーゼの添加量の比較である。
【0095】
【表4】
【0096】
表4から、本発明によってトウモロコシ穂軸のヘミセルロース長鎖構造が、横型パイプ前処理における連続蒸気処理によってヘミセルロース短鎖に破壊され、これが、キシラナーゼの酵素分解により感受性であり、キシラナーゼの添加量及び生成コストが低減されることが見出され得る。
【0097】
3)実施例の生成物A、生成物E並びに比較例1及び2で調製された可溶性食物繊維糖液を糖の特定の質量濃度(固体含量)を有する溶液まで希釈し、1cmキュベットを用いて280nm及び420nmにおける吸収を測定した。具体的な結果を表5に示す。表5は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された糖液の色値の比較を示す。
【0098】
【表5】
【0099】
表5から、本開示で調製されたキシロオリゴ糖シロップの280nm及び420nmにおける吸収値は、顕著に減少し、これは、本開示によって調製されたキシロオリゴ糖生成物の色及び光沢が低減したことを示していることが見出され得る。
【0100】
本開示では、濃度37.5%を有する糖液の280nmにおける吸収値は17.29%〜18.07%低減し、420nmにおける吸収値は25.25%〜26.0%低減した。本開示では、濃度50%を有する糖液の280nmにおける吸収値は23.18%〜24.27%低減し、420nmにおける吸収値は21.50%〜21.83%低減した。キシロオリゴ糖溶液の色値は、減少し、生成物の味は、より穏やか及びより甘く、濃い色及び光沢に起因するある種の分野でのキシロオリゴ糖の使用時の適用上の問題点を首尾よく解決し、キシロオリゴ糖の適用を広げている。
【0101】
4)実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分を比較し、その結果を表6に示す。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較である。
【0102】
【表6】
【0103】
外国製品は、日本国から市販のキシロオリゴ糖であった。
【0104】
生成物A〜Hは、実施例1及び2の生成物であった。比較例1は、比較例1で調製された可溶性食物繊維糖液を濃縮することによって得られたシロップを使用した。比較例2は、比較例2で調製された可溶性食物繊維糖液をスプレー乾燥することによって得られた粉末糖を使用した。
【0105】
表6から、本開示によって調製された可溶性食物繊維生成物では、いずれもが検出によればセロビオースを含まないが、比較例1で調製されたキシロオリゴ糖シロップ、比較例2で調製されたキシロオリゴ糖粉末糖、及び日本国から市販のキシロオリゴ糖生成物はすべて、約2%のセロビオースを含むことが見出され得る。適切なキシラナーゼをスクリーニングすることによって、本発明の調製された食物繊維I及びII中のキシロビオース及びキシロトリオースの割合はすべて、70%以上であるのに対し、純度90%を有する外国製品中のキシロビオース及びキシロトリオースの割合は51.65%であり、食物繊維IIIのキシロビオース及びキシロトリオースの割合はすべて、48%以上であるのに対し、比較例で調製された生成物では、42.79%〜44.78%である。本開示で調製されたキシロオリゴ糖生成物では、キシロオリゴ糖中のキシロへプタオースの割合はすべて、約1%であるが、比較例で調製されたキシロオリゴ糖生成物では、キシロへプタオースの割合は5%〜10%であり、日本国から市販の生成物では、キシロへプタオース及びそれを超える重合度を有するキシロオリゴ糖の割合は3.53%である。
【0106】
したがって、適切なキシラナーゼをスクリーニングすることによって、本開示は、生成物の機能性成分の組成を最適化し、主としてキシロビオース及びキシロトリオースである機能性成分の割合を改善し、セロビオース及び7以上の重合度を有する多糖などの雑多な糖の生成を低減し、市販の生成物より高い品質を有する新規な生成物を得る。
【0107】
実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物を、1〜10mg/mlの低濃度のキシロースを有する溶液も調製し、HCL又はH
2SO
4を酸性化剤として使用し、水素イオン濃度は約0.6モル/Lであり、100℃で90分間加水分解した。次いで、温度を下げ、pHをクロマトグラフィーカラムに適した範囲に調整した。それぞれの生成物の酸分解によって生成したグルコース、キシロース及びアラビノースの含量条件を統計的に比較した。その結果を表7に示す。表7は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の酸分解後の単糖の比較である。
【0108】
【表7】
【0109】
[実施例4]
実施例1で調製された生成物A、C、及びD並びに比較例1及び2で調製された生成物を採取し、キシロオリゴ糖の同じ有効含量(キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量が同じであった)を、それぞれの生成物のキシロオリゴ糖の純度(すなわち、それぞれの生成物のキシロオリゴ糖の含量)にしたがって添加し、次いで、これをビフィドバクテリウム培地(基礎培地)内に添加し、キシロオリゴ糖の有効な重量含量は培地の0.5重量%であった。in vitro培養を実施した。キシロオリゴ糖は対照群には添加しなかった。対照群及びそれぞれの群のビフィドバクテリウムの増殖に対する効果を
図13に示す。
図13は、対照群及びそれぞれの群のビフィドバクテリウムの増殖に対する効果である。
【0110】
図13から見出され得るように、本開示によって調製された生成物の生存細菌ビフィドバクテリウムの増殖に対する効果は、比較例及びキシロオリゴ糖を含まない対照群によって調製された生成物より顕著に大きい。
【0111】
[実施例5]
実施例1で調製された生成物A、C、及びD並びに比較例1及び2で調製された生成物を採取し、キシロオリゴ糖の同じ有効含量(キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量が同じであった)を、それぞれの生成物キシロオリゴ糖の純度(すなわち、それぞれの生成物のキシロオリゴ糖の含量)にしたがって添加し、すなわち、キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量がそれぞれの生成物で同じであり、次いで、これを、甘味料として使用し、豆乳生成物内に添加し、キシロオリゴ糖の有効添加量は1重量%であった。それぞれの生成物のビフィドバクテリウム及びラクトバチルスのin vivo増殖に対する効果及び腸フローラを改善する効果の研究を実施した。
【0112】
ランダムに選択された100人を5群に分割し、それぞれの群に、異なるキシロオリゴ糖生成物を補給した豆乳250ml/日を与えた。30日間摂取した後、試験したヒトの腸フローラを検出した。その結果を表8に示す。表8は、実施例5のそれぞれの生成物のヒトの腸フローラに対する効果の検出結果である。
【0113】
【表8】
【0114】
表8から、本開示によって調製されたキシロオリゴ糖は、ビフィドバクテリウム及びラクトバチルスの増殖に対してより良好な効果を有することが見出され得る。
【0115】
[実施例6]
実施例1で調製された生成物A、C、及びD並びに比較例1及び2で調製された生成物を採取して、キシロオリゴ糖の同じ有効含量(キシロビオースからキシロへプタオースの全含量が同じであった)を、それぞれの生成物キシロオリゴ糖の純度(すなわち、キシロオリゴ糖の含量)にしたがって添加し、すなわち、キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量がそれぞれの生成物で同じであり、次いで、これを甘味料として使用し、マウス飼料内に添加したが、キシロオリゴ糖の有効な添加量は1重量%であった。それぞれの生成物のマウス中の血糖に対する効果の研究を実施した。
【0116】
動物及び群:120匹のICRマウスの尾の血管に、アロキサンalloxan45mg/kg.体重を接種し、高血糖マウスモデルを生成し、6群(各群20匹)に分割した。1群:対照群、すなわち、通常食群;2群:生成物Dのキシロオリゴ糖を飼料中に添加した;3群:生成物Aのキシロオリゴ糖を飼料中に添加した;4群:生成物Cのキシロオリゴ糖を飼料中に添加した;5群:比較例1で調製されたキシロオリゴ糖生成物を飼料中に添加した;6群:比較例2で調製されたキシロオリゴ糖生成物を飼料中に添加したが、キシロオリゴ糖の有効添加量は、1重量%であった。上述のマウスに30日間、給餌した後、絶食血糖(8時間絶食)を検出し、その結果を表9に示す。給餌実験後、絶食血糖及び食後2時間血糖(それぞれのマウスに胃からグルコース1.5g/kg.体重を投与した)を表10に示す。
【0117】
【表9】
【0118】
【表10】
【0119】
表9及び表10から、本開示によって調製された生成物は、マウスの血糖値を顕著に低減でき、その効果は比較例によって調製された生成物より優れていることが見出され得る。
【0120】
上述の実施例及び比較例から、本発明は、連続向流浸出技術及び横型パイプ中の連続蒸気技術処理を使用することによって及び特定の酵素を選択することによってビフィドバクテリウム及びラクトバチルスの増殖より良好な効果を有し、血糖を顕著に低減できることが見出され得る。
【0121】
上の実施形態の記述は、本発明の方法及びその核となる思想の理解を助けるためにのみ使用される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者によって本開示に対する多様な改変及び適合も実施できることに留意されたい。こうした改変及び適合はまた、本開示の係属中の請求項の保護対象範囲内である。