特許第6626209号(P6626209)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626209
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】可溶性食物繊維及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/21 20160101AFI20191216BHJP
   C12P 19/14 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   A23L33/21
   C12P19/14 A
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-532714(P2018-532714)
(86)(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公表番号】特表2018-537995(P2018-537995A)
(43)【公表日】2018年12月27日
(86)【国際出願番号】CN2016096735
(87)【国際公開番号】WO2017107527
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2018年7月4日
(31)【優先権主張番号】201510999427.1
(32)【優先日】2015年12月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518216065
【氏名又は名称】シャンドン ロングライブ バイオ−テクノロジー カンパニー リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シャオボ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ,リン
(72)【発明者】
【氏名】チン,シューリン
(72)【発明者】
【氏名】シア,ルイルイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シャンフー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジンロン
(72)【発明者】
【氏名】リー,イン
(72)【発明者】
【氏名】コン,リンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジーグアン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,チェンクアン
【審査官】 清野 千秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−309501(JP,A)
【文献】 特開2006−296224(JP,A)
【文献】 特開昭63−112979(JP,A)
【文献】 特開平09−248153(JP,A)
【文献】 特開昭52−066641(JP,A)
【文献】 応用糖質科学,2012年,Vol. 2, No. 3,pp. 165-168
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12P 1/00−41/00
C13B 5/00−99/00
C13K 1/00−13/00
A23L 5/40− 5/49
A23L 31/00−33/21
C08B 1/00−37/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可溶性食物繊維の調製方法であって、
(A)リグノセルロースを連続向流浸出に供し、固体材料を分離し得るステップであって、連続向流浸出の具体的な操作は、次の通りである:リグノセルロース原材料は、長さ又は粒径0.1cm〜5cmを有する粒子に粉砕され、連続向流抽出機内に置かれ、溶媒用媒体は、原材料と溶媒用媒体の比が1g:(4〜10)mLになるような量で添加され、制御温度は30℃〜90℃であり、抽出時間は20〜60分であり、次いで、固体材料及び単糖に富む浸出液は、連続固液分離によって分離される、前記ステップと、
(B)ステップ(A)で得られた固体材料を、横型パイプ中の連続蒸気処理に供し、蒸気処理材料を得るステップであって、横型パイプ中の連続蒸気処理は、次の通りである:固体材料は、スクリューコンベアによって横型パイプ中に押し込まれ、材料プラグが形成され、蒸気が導入され、それらを、スクリュー運搬及び蒸気の混転作用下で完全に混合及び蒸気処理して、原材料からヘミセルロースが効率的に溶解され、蒸気処理圧は、0.2〜1.0MPaであり、蒸気処理時間は、10〜90分である、前記ステップと
(C)ステップ(B)で得られた蒸気処理材料をキシラナーゼによる酵素分解に供し、蒸気処理材料は、圧力除去に供され、酵素分解タンク内に散布され、水が酵素分解タンクに添加され、材料と水の質量比が1:(4〜16)に調整され、pHは3.5〜6.5に調整され、キシラナーゼは、乾物キログラム当りキシラナーゼ1×104U〜8×104Uの量で酵素分解に添加され、酵素分解反応が実行され、可溶性食物繊維の粗糖液が調製されるステップであって、キシラナーゼは、微生物菌株を用いる発酵によって調製されるキシラナーゼ又は市販のエンドキシラナーゼであり、酵素分解反応の温度は、40℃〜80℃であり、反応時間は、4時間〜20時間である、前記ステップと
(D)ステップ(C)で得られた粗糖液を脱色、脱塩及びろ過に供し、可溶性食物繊維糖液を得るステップと、
(E)濃縮又は乾燥し、可溶性食物繊維Iを得るステップと
を含み、可溶性食物繊維I中のキシロオリゴ糖の純度が80%以上である、
方法。
【請求項2】
キシロオリゴ糖中でキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が55%以上である、請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
キシロオリゴ糖の加水分解後において、単糖成分がキシロース82重量%〜88重量%とアラビノース1重量%〜12重量%とを含む、請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
ステップ(E)後、
(F)ステップ(E)で調製された可溶性食物繊維Iをクロマトグラフィー分離に供し、可溶性食物繊維II及びラフィネートを得るステップ
をさらに含み、可溶性食物繊維II中のキシロオリゴ糖の純度が90%以上である、請求項1に記載の調製方法。
【請求項5】
キシロオリゴ糖中でキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が50%以上であり、キシロオリゴ糖の加水分解後において、単糖成分がキシロース83重量%〜99重量%とアラビノース1重量%〜5重量%とを含む、請求項4に記載の調製方法。
【請求項6】
ステップ(F)後、
(G)ステップ(F)で得られたラフィネートを、ステップ(D)で得られた可溶性食物繊維糖液と混ぜ合わせ、可溶性食物繊維IIIを得るステップ
をさらに含み、可溶性食物繊維III中のキシロオリゴ糖の純度が70%以上である、請求項4に記載の調製方法。
【請求項7】
キシロビオースとキシロトリオースの合計含量が45%以上であり、キシロオリゴ糖の加水分解後において、単糖成分がキシロース70重量%〜86重量%とアラビノース2重量%〜15重量%とを含む、請求項6に記載の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、「SOLUBLE DIETARY FIBER AND PREPARATION METHOD THEREOF」という名称で2015年12月25日に中国特許庁に出願された中国特許出願第201510999427.1号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、食品技術、特に、可溶性食物繊維及びその調製方法の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
可溶性食物繊維は、熱水又は温水に溶解することができ、ヒトの消化酵素によって分解されないが腸内の多様な微生物によって分解され得る食物繊維の一種である。可溶性食物繊維は、腸の健康を維持し、免疫を強化し、血糖、血中脂質及び血圧を低減し、糖尿病の発症率を低減し、コレステロールを低減し、心臓血管疾患を予防することができ、及びその他の生理機能も有する。
【0004】
キシロオリゴマーとしても知られるキシロオリゴ糖は、温水又は熱水のみならず、冷水又はエタノール溶媒にも溶解することができる可溶性食物繊維の一種である。これは、主として、β-1,4グリコシド結合で結合して機能性重合糖を形成する2〜9個のキシロース分子で構成され、キシロビオース、キシロトリオース、及びキシロテトラオースが主たる活性成分である。キシロオリゴ糖は、ヒトの体の多様な消化液によって分解することができないが、その機能は、血糖を上げず、コレステロールを低減し、便秘及び下痢を双方向から正常化することなどである。同時に、キシロオリゴ糖は、腸機能の保護、体内(ヒト及び動物)の腸内フローラバランスの改善、腸内有効細菌の成長促進及び有害微生物の増殖の防止に寄与し、キシロオリゴ糖は、ビフィドバクテリウム及び他のプロバイオティクスの割合を顕著に改善することができ、したがって栄養ミネラルの吸収を促進し、体の免疫を改善する。したがって、機能性甘味料及び添加剤として、キシロオリゴ糖は、糖尿病、肥満などを患う特殊な集団を含めた全ての集団に適合可能である。
【0005】
しかし、多様な応用分野において現在、食品グレードのキシロオリゴ糖は、多くの課題に依然として直面している。第1に、純度、色調及び光沢、不純物及びその他の指標は、製品の外観の品質に直接影響を与える。第2に、製品中の機能活性成分(キシロビオース、キシロトリオース)の相対的な低割合が、製品の健康上の利点に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示によって解決すべき技術的課題は、可溶性食物繊維及びその調製方法を提供することである。得られる可溶性食物繊維製品は、キシロオリゴ糖の高純度、良好な色調及び光沢、少ない不純物、及び活性成分(キシロビオース、キシロトリオース)の高い割合という特徴を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、キシロオリゴ糖の純度が70%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が45%以上である可溶性食物繊維を提供する。
【0008】
好ましくは、キシロオリゴ糖の加水分解後において、単糖成分がキシロース70重量%〜86重量%とアラビノース2重量%〜15重量%とを含む。
【0009】
好ましくは、キシロオリゴ糖の純度が80%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が55%以上である。
【0010】
好ましくは、キシロオリゴ糖の加水分解後において、単糖成分がキシロース82重量%〜88重量%とアラビノース1重量%〜12重量%とを含む。
【0011】
好ましくは、キシロオリゴ糖の純度が90%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が50%以上である。
【0012】
好ましくは、キシロオリゴ糖の加水分解後において、単糖成分がキシロース83重量%〜99重量%とアラビノース1重量%〜5重量%とを含む。
【0013】
好ましくは、可溶性食物繊維は、キシロオリゴ糖シロップ又はキシロオリゴ糖粉末糖である。
【0014】
本開示はまた、可溶性食物繊維の調製方法であって、
(A)リグノセルロースを連続向流浸出に供し、分離し、固体材料を得るステップと、
(B)ステップ(A)で得られた固体材料を、横型パイプ中の連続蒸気加工に供し、蒸気処理材料を得るステップと、
(C)ステップ(B)で得られた蒸気処理材料をキシラナーゼによる酵素分解に供し、可溶性食物繊維の粗糖液を得るステップと、
(D)ステップ(C)で得られた粗糖液を脱色、脱塩及びろ過に供し、可溶性食物繊維糖液を得るステップと、
(E)濃縮又は乾燥し、可溶性食物繊維Iを得るステップと
を含み、可溶性食物繊維I中のキシロオリゴ糖の純度が80%以上である
方法を提供する。
【0015】
好ましくは、ステップ(E)後、本方法は、
(F)ステップ(E)で調製された可溶性食物繊維をクロマトグラフィー分離に供し、可溶性食物繊維II及びラフィネート(raffinate)を得るステップ
をさらに含み、可溶性食物繊維IIにおいて、キシロオリゴ糖の純度が90%以上である。
【0016】
好ましくは、ステップ(F)後、本方法は、
(G)ステップ(F)で得られたラフィネートを、ステップ(D)で得られた可溶性食物繊維糖液と混ぜ合わせ、可溶性食物繊維IIIを得るステップ
をさらに含み、可溶性食物繊維IIIにおいて、キシロオリゴ糖の純度が70%以上である。
【0017】
従来技術と比較して、本開示は、キシロオリゴ糖の純度が70%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が45%以上である可溶性食物繊維を提供する。本開示によって提供される可溶性食物繊維は、より高含量の有効成分を有し、ビフィドバクテリウム及びラクトバチルスの増殖に対してより良好な効果を有し、血糖を明白に低減させることができる。
【0018】
本開示はまた、可溶性食物繊維の調製方法であって、(A)リグノセルロースを連続向流浸出に供し、分離し、固体材料を得るステップと、(B)ステップ(A)で得られた固体材料を、横型パイプ中の連続蒸気処理に供し、蒸気処理材料を得るステップと、(C)ステップ(B)で得られた蒸気処理材料をキシラナーゼによる酵素分解に供し、可溶性食物繊維の粗糖液を得るステップと、(D)ステップ(C)で得られた粗糖液を脱色、脱塩及びろ過に供し、可溶性食物繊維糖液を得るステップと、(E)濃縮又は乾燥し、可溶性食物繊維Iを得るステップとを含み、ここで可溶性食物繊維I中のキシロオリゴ糖の純度が80%以上である、方法を提供する。本開示は、キシロオリゴ糖の抽出工程に連続向流浸出技術及び横型パイプ中の連続蒸気技術加工を適用し、原材料中のヘミセルロース高分子間の結合力を効果的に低減し、ヘミセルロースは、リグノセルロース成分から遊離する。この遊離ヘミセルロースは、キシラナーゼとの組合せにより感受性であり、キシラナーゼによる酵素分解効率を改善し、従来法と比較して使用されるキシラナーゼ量を低減する。同時に、キシラナーゼ精製工程を使用して、キシラナーゼが主としてエンド型であることが達成され、キシロシダーゼなどのエキソキシラナーゼによるキシロオリゴ糖のキシロースへのさらなる分解が回避され、キシロオリゴ糖の全収率が改善され、セルロースによるセルロース成分の分解及びセロビオースの生成という欠点が同時に回避される;及び適切なキシラナーゼをスクリーニングすることによって、水溶性食物繊維中の機能成分の組成が最適化され、主としてキシロビオース及びキシロトリオースで構成される活性成分の割合が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は本開示の実施例1のフローチャートである。
図2図2は本開示の実施例1で調製された生成物AのHPLCプロファイルである。
図3図3は本開示の実施例1で調製された生成物BのHPLCプロファイルである。
図4図4は本開示の実施例1で調製された生成物CのHPLCプロファイルである。
図5図5は本開示の実施例1で調製された生成物DのHPLCプロファイルである。
図6図6は本開示の実施例2で調製された生成物EのHPLCプロファイルである。
図7図7は本開示の実施例2で調製された生成物FのHPLCプロファイルである。
図8図8は本開示の実施例2で調製された生成物GのHPLCプロファイルである。
図9図9は本開示の実施例2で調製された生成物HのHPLCプロファイルである。
図10図10は比較例1で調製された生成物のHPLCプロファイルであり、セロビオース含量は、25.170sにおけるセロビオースの吸収ピークによって1.85%であることが見出され得る。
図11図11は比較例2で調製された生成物のHPLCプロファイルであり、セロビオース含量は、25.175sにおけるセロビオースの吸収ピークによって2.99%であることが見出され得る。
図12図12は外国製品のHPLCプロファイルであり、セロビオース含量は、22.195sにおけるセロビオースの吸収ピークによって2.93%であることが見出され得る。
図13図13は実施例4におけるそれぞれの生成物のビフィドバクテリウムの増殖に対する効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、キシロオリゴ糖の純度が70%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が45%以上である可溶性食物繊維を提供する。
【0021】
本開示によって提供される可溶性食物繊維は、より高含量の有効成分を有し、ビフィドバクテリウム及びラクトバチルスの増殖に対してより良好な効果を有し、血糖を明白に低減させることができる。
【0022】
本開示では、キシロオリゴ糖の純度とは、全糖含量におけるキシロオリゴ糖含量の質量%を意味する。
【0023】
本開示によって提供される可溶性食物繊維は、キシロオリゴ糖を含み、キシロオリゴ糖は、粉末糖又はシロップである。
【0024】
好ましくは、キシロオリゴ糖の純度は70%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が45%以上である。
【0025】
キシロオリゴ糖がシロップである場合、シロップは、黄色又は淡黄色の粘性透明液体であり、固体含量(糖の質量濃度)は70%以上である。キシロオリゴ糖が粉末糖である場合、粉末糖は白色又は淡黄色粉末である。成分は:
好ましい質量%におけるキシロビオースは、25%〜60%、より好ましくは、25%〜28%であり;好ましい質量%におけるキシロトリオースは、20%〜30%、より好ましくは、20%〜22%であり;好ましい質量%におけるキシロテトラオースは、5%〜20%、より好ましくは、11%〜13%である。
【0026】
キシロオリゴ糖の加水分解後、成分は、限定されないが、キシロース70重量%〜86重量%、及びアラビノース2重量%〜15重量%を含む。
【0027】
本開示のいくつかの具体的な実施形態では、キシロオリゴ糖の純度が80%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が55%以上である。好ましくは、キシロビオースの質量%が30%〜60%、キシロトリオース質量%が25%〜40%、キシロテトラオースの質量%が10%〜30%である。
【0028】
キシロオリゴ糖の加水分解後、成分は、限定されないが、キシロース82重量%〜88重量%、アラビノース1重量%〜12重量%、好ましくは、4重量%〜10重量%を含む。
【0029】
キシロオリゴ糖は、粉末糖又はシロップである。シロップは、黄色又は淡黄色の粘性透明液体であり、70%以上の固体含量(糖の質量濃度)を有し;粉末糖は白色又は微黄色粉末である。
【0030】
本開示の他の実施形態では、キシロオリゴ糖の純度が90%以上であり、キシロオリゴ糖中のキシロビオースとキシロトリオースの合計含量が50%以上である。好ましくは、キシロビオースの質量%が25%〜60%、より好ましくは、27%〜33%であり;キシロトリオースの質量%が25%〜40%、より好ましくは、29%〜31%であり;キシロテトラオースの質量%が10%〜30%、より好ましくは、16%〜19%である。
【0031】
キシロオリゴ糖の加水分解後、成分は、限定されないが、キシロース83重量%〜99重量%、好ましくは、84%〜90%;及びアラビノース1重量%〜5重量%、好ましくは、2重量%〜4重量%を含む。
【0032】
キシロオリゴ糖は、粉末糖又はシロップである。シロップは、黄色又は淡黄色の粘性透明液体であり、固体含量(糖の質量濃度)は70%以上であり;粉末糖は白色又は微黄色粉末である。
【0033】
本開示は、キシロオリゴ糖の加水分解方法を特に限定せず、当業者に公知である加水分解方法であってよい。酸加水分解方法が、好ましくは、本開示で採用される。
【0034】
加水分解後、それぞれの単糖成分の含量は、単離され、高速液体クロマトグラフィーによって定量される。
【0035】
本開示はまた、可溶性食物繊維の調製方法であって、
(A)リグノセルロースを連続向流浸出に供し、分離し、固体材料を得るステップと、
(B)ステップ(A)で得られた固体材料を、横型パイプ中の連続蒸気処理に供し、蒸気処理材料を得るステップと、
(C)ステップ(B)で得られた蒸気処理材料をキシラナーゼによる酵素分解に供し、可溶性食物繊維の粗糖液を得るステップと、
(D)ステップ(C)で得られた粗糖液を脱色、脱塩及びろ過に供し、可溶性食物繊維糖液を得るステップと、
(E)濃縮又は乾燥し、可溶性食物繊維Iを得るステップとを含み、
可溶性食物繊維I中のキシロオリゴ糖の純度が80%以上である、方法を提供する。キシロオリゴ糖の成分は、純度80%以上を有する上述のキシロオリゴ糖と同じであり、ここでは反復しない。
【0036】
本開示は、原材料としてヘミセルロースに富むリグノセルロースを使用する。リグノセルロースは、当技術分野で周知のリグノセルロース、好ましくは、トウモロコシの穂軸、綿実殻、もみ殻及び麦わらのうちの任意の1つ以上、より好ましくは、トウモロコシの穂軸及び/又は綿実殻であってよい。
【0037】
第1に、リグノセルロースは、連続向流浸出に供される。好ましくは、連続向流浸出の具体的な操作は:リグノセルロース原材料は、長さ又は粒径0.1cm〜5cmを有する粒子に粉砕され、連続向流抽出機内に置かれ、溶媒用媒体(複数可)は、原材料と溶媒用媒体の比が1g:(4〜10)mLになるような量で添加され、制御温度は30℃〜90℃であり、抽出時間は20〜60分である。次いで、固体材料及び単糖に富む浸出液は、連続固液分離によって分離される。浸出液は再使用のため再循環させることができる。
【0038】
本開示では、溶媒用媒体は、水、酸溶液、アルカリ溶液又は有機溶媒である。酸溶液は、好ましくは、硫酸、塩酸、ギ酸及び酢酸のうちの任意の1つ以上であり;アルカリ溶液は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニウム溶液又は重炭酸ナトリウムのうちの任意の1つ以上によって調合された水溶液であり;有機溶媒は、好ましくは、エタノール及び/又は酢酸エチルである。
【0039】
本開示は、連続向流浸出技術を採用し、原材料キシランの側鎖から可溶性の雑糖を除去し、生成物中のグルコース及びキシロースなどの単糖含量を低減し、可溶性食物繊維生成物の純度を改善する。
【0040】
固体材料が得られた後、上述の工程で得られた固体材料は、本開示によって横型パイプ中の連続蒸気処理に供され、蒸気処理材料が得られる。
【0041】
具体的には、横型パイプ中の連続蒸気処理は、次の通りである:固体材料は、スクリューコンベアによって横型パイプ中に押し込まれ、材料プラグが形成され、蒸気が導入され、それらを、スクリュー運搬及び蒸気の混転作用下で完全に混合及び蒸気処理して、原材料からヘミセルロースが効率的に溶解させ;蒸気処理圧は、好ましくは、0.2〜1.0MPaであり、蒸気処理時間は、好ましくは、10〜90分である。
【0042】
本開示は、横型パイプ中の連続蒸気処理加工を採用し、単糖の溶解速度を低減し、ヘミセルロースキシランの溶解速度を改善し、使用されるキシラナーゼ量を低減し、同時に蒸気処理液の組成を改善し、生成物中のキシロビオース及びキシロトリオースの割合を増加させる。
【0043】
蒸気処理材料が、横型パイプ中の連続蒸気処理によって得られた後、材料はキシラナーゼによる酵素分解に供され、可溶性食物繊維の粗糖液体が得られる。具体的には、蒸気処理材料は、圧力除去に供され、酵素分解タンク内に散布され、水が酵素分解タンクに添加され、材料と水の質量比が1:(4〜16)に調整され、pHは3.5〜6.5に調整される。キシラナーゼは、乾物キログラム当りキシラナーゼ1×104U〜8×104Uの量で酵素分解に添加され、酵素分解反応が実行され、可溶性食物繊維の粗糖液が調製される。
【0044】
本開示では、キシラナーゼは、微生物菌株を用いる発酵又は市販のエンドキシラナーゼによって調製することができる。本開示では、キシラナーゼは、好ましくは、Trichoderma reesei株を用いる発酵及び精製によって調製される。Trichoderma reesei株の番号は、CICC 13052である。
【0045】
具体的には、Trichoderma reesei株を用いる発酵及び精製によるキシラナーゼの調製について本開示によって好ましい方法は:2重量%〜6重量%のトウモロコシ穂軸(20〜80メッシュ);0.25重量%〜0.5重量%のキシロオリゴ糖;0.25重量%〜1重量%の酵母抽出物;0.25重量%〜1重量%のペプトン;0.25重量%〜0.5重量%の酵母粉末;0.02重量%〜0.06重量%のKH2PO4;0.02重量%〜0.05重量%のMgSO4・7H2O;0.01重量%のFeSO4、初期pH6.0で酵素生成媒体が調製される;株は酵素生成媒体中に植菌され、28℃〜32℃で64時間〜84時間発酵され、培地はプレート及び枠型フィルターでろ過され、固体は液体から分離され、キシラナーゼ粗酵素溶液が得られる。粗酵素溶液は、限外ろ過によって10倍〜50倍に濃縮され、ゲルろ過クロマトグラフィー(Sephdex G-75)によって分離され、エンドキシラナーゼ活性を有する20000〜90000Daタンパク質が回収される。
【0046】
本開示では、酵素分解反応の温度は、好ましくは、40℃〜80℃であり、反応時間は、好ましくは、4時間〜20時間である。本開示では、好ましくは、酵素分解反応の完了後、系は80℃〜100℃まで加熱され、加熱は10〜60分間保持され、キシラナーゼは不活性化され、ベルト乾燥機又は回転式真空ドラムによってろ過される。
【0047】
本開示は、可溶性食物繊維の抽出工程に対して、連続向流浸出技術及び横型パイプ中の連続蒸気技術処理を適用し、原材料中のヘミセルロース高分子間の結合力を効果的に低減し、その結果、ヘミセルロースは、リグノセルロース性成分から遊離する。この種の遊離ヘミセルロースは、従来工程に比較して、酵素分解に対してより感受性であり、キシラナーゼによる酵素分解効率は、改善され、使用されるキシラナーゼ量は低減される。同時に、キシラナーゼ精製工程を使用して、キシラナーゼが主としてエンド型であることが達成され、キシロシダーゼなどのエキソキシラナーゼによるキシロオリゴ糖のキシロースへのさらなる分解が回避され、キシロオリゴ糖の全収率が改善され、セルラーゼによるセルロース成分のセロビオースへの分解という欠点が同時に回避される;及び適切なキシラナーゼをスクリーニングすることによって、水溶性食物繊維中の機能成分の組成が最適化され、主としてキシロビオース及びキシロトリオースで構成される活性成分の割合が改善される。
【0048】
可溶性食物繊維の粗糖液が得られた後、これは、脱色、脱塩及びろ過に供され、可溶性食物繊維糖液が得られる。
【0049】
本開示は、脱色、脱塩及びろ過の方法を特に限定せず、当業者に公知の方法であってよい。
【0050】
本開示では、脱色方法が活性炭による脱色であることが好ましく、活性炭は、好ましくは、食品グレードの活性炭である。活性炭の添加量は、好ましくは、粗糖液の0.1重量%〜2重量%であり、脱色温度は、好ましくは、60℃〜100℃であり、脱色時間は、好ましくは、10〜60分である。脱色後、固液分離を実施することによって脱色された粗糖液が得られる。
【0051】
脱塩方法は、イオン交換脱塩である。具体的には、脱色粗糖液は、時間当り流れる粗糖の量が、好ましくは、樹脂容積の1〜5倍になるような流速でカチオン-アニオン-カチオン交換樹脂によって脱塩される。
【0052】
ろ過は限外ろ過である。限外ろ過膜の細孔径は、好ましくは、3000Da〜6000Daであり、高分子糖類が限外ろ過によって除去された後、可溶性食物繊維糖液を得ることができる。
【0053】
糖液は、濃縮又は乾燥され、可溶性食物繊維Iを得ることができる;可溶性食物繊維Iにおいて、キシロオリゴ糖の純度は、80%以上である。
【0054】
具体的には、糖液の濃縮によって得られた可溶性食物繊維Iはキシロオリゴ糖シロップである。本開示は、濃縮方法を特に限定せず、当業者に公知の濃縮方法であってよい。好ましくは、濃縮は、三重効果蒸発器による濃縮であり、第1効果の温度は、好ましくは、80℃〜90℃であり、第2効果の温度は、好ましくは、70℃〜80℃であり、第3効果の温度は、好ましくは、60℃〜70℃である。
【0055】
糖液を乾燥することによって得られた可溶性食物繊維Iは、キシロオリゴ糖粉末糖である。本開示は、乾燥方法を特に限定せず、当業者に公知の乾燥方法であってよい。本開示では、乾燥は、好ましくは、真空ベルト乾燥、真空レーキ乾燥又はスプレー乾燥である。
【0056】
本開示によって好ましい真空ベルト乾燥のパラメーターは、以下の通りである:真空ベルト乾燥機は、第1区画の温度が90℃〜115℃であり、第2区画の加熱温度が100℃〜115℃であり、第3区画の加熱温度が80℃〜100℃である3つの加熱蒸発帯を有し、冷却帯温度が10℃〜35℃であり、真空度が-0.08MPa〜-0.098MPaであり、コーティング厚さが0.3cm〜1cmである。
【0057】
真空レーキ乾燥のパラメーターは:加熱温度が80℃〜100℃、真空度が-0.04MPa〜-0.096MPa、及びレーキ歯速度が6rpm〜12rpmである。
【0058】
スプレー乾燥のパラメーターは:熱風入口温度が100℃〜180℃、及び出口温度が65℃〜130℃である。
【0059】
可溶性食物繊維Iが上述の方法によって得られた後、好ましくは、本方法は、ステップ(F):
上述で調製された可溶性食物繊維Iをクロマトグラフィー分離に供し、可溶性食物繊維II及びラフィネートを得るステップをさらに含む。
【0060】
本開示のクロマトグラフィー分離は、好ましくは、擬似移動床クロマトグラフィー分離システムによって実施される。好ましいシステム圧は、0.8MPa〜1.1MPaであり、フィードストック糖液の質量画分は、40%〜60%である。
【0061】
可溶性食物繊維IIでは、キシロオリゴ糖の純度は90%以上である。キシロオリゴ糖は、純度90%以上を有する上述のキシロオリゴ糖と同じ成分を有し、ここでは反復しない。
【0062】
本発明では、可溶性食物繊維IIはまた、濃縮することができ、シロップが得られ、又は乾燥することができ、粉末糖が得られる。濃縮又は乾燥の方法は、上と同じであり、ここでは反復しない。
【0063】
ラフィネートの成分は:キシロオリゴ糖(キシロビオース〜キシロへプタオース)8%〜30%、グルコース5%〜15%、キシロース40%〜60%、及びアラビノース20%〜40%である。本開示では、ラフィネートはアラビノースに富むことが見出された。アラビノースは、スクロースの代謝及び吸収を阻害する効果を有し、腸管内のスクラーゼ活性に対する非競合的阻害効果を選択的に有することができ、その結果、腸管によるスクロースの吸収が明白に低減し、したがってまた血糖値も低下する。加えて、アラビノースは、小腸粘膜の微繊毛(粘膜繊毛境界)の表面上に存在するスクラーゼなどのジサッカリダーゼを非競合的に阻害することができ、その結果として、炭水化物のグルコース又はフラクトースへの分解が減速し、吸収が低減される。したがって、糖の脂肪への変換が阻害されると同時に、食後の血糖値の急激な上昇(高血糖症)もまた阻害され、満腹感が持続され、食欲が阻害され、体重減が実現される。
【0064】
したがって、本開示では、可溶性食物繊維II及びラフィネートが得られた後に、本方法は、ステップ(G):
アラビノースに富む得られたラフィネートを上記のように調製された可溶性食物繊維I糖液と配合することによって特定の割合でキシロオリゴ糖とアラビノースを含む可溶性食物繊維IIIを得るステップ
をさらに含むのが好ましい。この組成物は、資源の有効利用を実現するのみならず、血糖及び血中脂質を低減する顕著な効果を有する。
【0065】
好ましくは、ラフィネートと可溶性食物繊維I糖液の容積比は、1:(1〜7)である。
【0066】
可溶性食物繊維IIIでは、キシロオリゴ糖の純度は70%以上である。キシロオリゴ糖は、純度70%以上を有する上述のキシロオリゴ糖と同じであり、ここでは反復しない。
【0067】
本発明では、可溶性食物繊維IIIはまた、濃縮することによってシロップ、又は乾燥することによって粉末糖を得ることができる。濃縮又は乾燥の方法は、上と同じであり、ここでは反復しない。
【0068】
本開示は、ラフィネートを配合することによって新規の生成物を得、ラフィネートを再利用し、資源の有効利用を実現し、清浄な生産水準を改善し、良好な工業利用展望を有する。
【0069】
本開示をさらに説明するために、本開示によって提供される可溶性食物繊維及びその調製方法を以下の実施例を参照して詳細に記述する。
【実施例】
【0070】
[実施例1]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径2cmの粒子まで粉砕し、連続向流抽出機内に入れ、エタノールを、原材料とエタノールの比が1g:5mLになるような量で添加し、制御温度は40℃であり、抽出時間は30分であった。次いで、固体材料及び顔料と単糖に富む浸出液を連続固液分離によって効率的に分離し、エタノールを再利用のためにリサイクルした。浸出液の成分を検出したが、その検出条件は:クロマトグラフィーカラムがShodex sugar KS-802、移動相が超純水、及びカラム温度が80℃であった。浸出液の高速液体クロマトグラムにおける、多様な物質のピーク面積のパーセンテージを表1に示す。表1は、本開示の実施例1〜2の浸出液の成分の要約である。
【0071】
固体材料をスクリューコンベアから横型パイプ内に押し込み、材料プラグを形成し、蒸気を直接導入し、それらを、スクリュー運搬と蒸気の混転作用下で完全に混合し、蒸気処理圧は0.6MPaであり、蒸気処理時間は20分であり、その結果、ヘミセルロースが原材料から効率的に溶解し、溶解液及び蒸気処理材料(即ち、表中の生成物)を得た。これらの成分を検出したが、その検出条件は:クロマトグラフィーカラムがShodex sugar KS-802、移動相が超純水、及びカラム温度が80℃であった。高速液体クロマトグラムにおける、多様な物質のピーク面積のパーセンテージを表2に示す。表2は、本開示の実施例1〜2の溶解液及び蒸気処理材料の成分の要約である。
【0072】
蒸気処理材料を、圧力除去に供し、酵素分解タンク内に散布し、材料と工程水の質量比が1:8になるように水を酵素分解タンクに添加し、pHを4.0に調整した。乾物キログラム当りキシラナーゼ活性度単位3×104Uでキシラナーゼを添加し、酵素分解温度は65℃であり、酵素分解時間は、14時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を90℃まで加熱上昇させ、加熱を50分間持続し、キシラナーゼを不活性化した。次いで、回転式真空ドラムによるろ過によって、可溶性食物繊維粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0073】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.3重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、プレート及びフレームろ過によって速度12.5m3/hで混合物をろ過し、光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。
【0074】
上述の可溶性食物繊維糖液を3つの部分に分割した。第1の部分を三重効果蒸発器により濃縮することによってシロップ生成物を得たが、三重効果蒸発器の温度は以下の通りであった:第1効果の温度は85℃であり、第2効果の温度は75℃であり、第3効果の温度は65℃であった。キシロオリゴ糖シロップを調製し、生成物Aと指定し、その純度をHPLCによって測定した。結果を図2に示す。図2は、生成物AのHPLCプロファイルである。生成物Aの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は87.59%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、69.84%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0075】
第2の部分を真空ベルト乾燥に供したが、パラメーターは:第1区画の温度が100℃、第2区画の加熱温度が105℃、第3区画の加熱温度が90℃、冷却帯温度が20℃、真空度が-0.085MPa、布速度が42L/h、コーティング厚さが0.5cm、及びベルト速度が30m/hであった。キシロオリゴ糖粉末糖を調製し、生成物Bと指定し、その純度をHPLCによって測定した。結果を図3に示す。図3は、生成物BのHPLCプロファイルである。生成物Bの組成を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は89.56%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は70.65%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0076】
第3の部分を擬似移動床クロマトグラフィーシステムによるクロマトグラフィー分離に供したが、制御供給速度は0.3m3/h、システム圧は、0.9MPa、及び供給液中の糖の質量画分は50%であり、可溶性食物繊維II及びラフィネートを得た。調製された可溶性食物繊維IIをスプレー乾燥し、高成分キシロオリゴ糖粉末糖を得、生成物Cと指定し、スプレー乾燥熱風入口温度は160℃、出口温度は100℃、及び材料流量は0.9m3/hであった。その純度をHPLCによって測定した。結果を図4に示す。図4は、生成物CのHPLCプロファイルである。生成物Cの組成を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は97.27%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は71.39%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。可溶性食物繊維糖液とクロマトグラフィー分離後のラフィネートを容積比1:5で配合した。配合された糖液を真空ベルト乾燥に供し、低成分キシロオリゴ糖粉末糖を得、生成物Dと指定した。真空ベルト乾燥機の操作パラメーターは:第1区画の温度が100℃、第2区画の加熱温度が105℃、第3区画の加熱温度が90℃、冷却帯温度が20℃、真空度が-0.085MPa、布速度が42L/h、コーティング厚さが0.5cm、及びベルト速度が25m/hであった。生成物Dの純度をHPLCによって測定し、結果を図5に示す。図5は、生成物DのHPLCプロファイルである。生成物Dの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は70.49%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は48.93%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0077】
この実施例で使用されたキシラナーゼをChina Center of Industrial Culture Collectionから購入したTrichoderma reesei、株番号:CICC 13052によって生成した。この株による発酵及び精製によってキシラナーゼを調製した。具体的な調製方法は:2重量%〜6重量%のトウモロコシ穂軸(20〜80メッシュ);0.25重量%〜0.5重量%のキシロオリゴ糖;0.25重量%〜1重量%の酵母抽出物;0.25重量%〜1重量%のペプトン;0.25重量%〜0.5重量%の酵母粉末;0.02重量%〜0.06重量%のKH2PO4;0.02重量%〜0.05重量%のMgSO4・7H2O;0.01重量%のFeSO4、初期pH6.0で酵素生成媒体を調製した。株を酵素生成媒体中に植菌し、28℃〜32℃で64時間〜84時間発酵し、培地をプレート及び枠型フィルターでろ過し、固体を液体から分離し、キシラナーゼ粗製酵素溶液を得た。粗製酵素溶液を、限外ろ過によって10倍〜50倍に濃縮し、ゲルろ過クロマトグラフィー(Sephdex G-75)によって分離し、20000〜90000 Daタンパク質、すなわち、エンドキシラナーゼを回収した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
表1及び表2からわかるように、本開示は、連続向流浸出技術を使用することによって大部分の単糖を除去し、同時に横型パイプ中の連続蒸気技法による処理を採用し、その結果、溶解液において、高多糖の含量が増加し、単糖、例えば、グルコース、キシロース及びアラビノースの含量が減少し、これが酵素分解工程後の生成物の成分に影響を与え、一方ではヘミセルロースキシランの溶解速度が増加し、キシラナーゼの使用量が低減する。
【0081】
[実施例2]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径4cmの粒子まで粉砕し、連続向流抽出機内に入れ、質量濃度0.5%のKOH水溶液を、原材料と水溶液の比が1g:8mLになるような量で添加し、制御温度は70℃であり、抽出時間は40分であった。次いで、固体材料及び顔料と単糖に富む浸出液を連続固液分離によって効率的に分離した。
【0082】
固体材料をスクリューコンベアから横型パイプ内に押し込み、材料プラグを形成し、蒸気を直接導入し、それらが、スクリュー運搬と蒸気の混転作用下で完全に混合され、蒸気処理圧は0.4MPaであり、蒸気処理時間は50分であり、その結果、ヘミセルロースが原材料から効率的に溶解した。蒸気処理材料を、圧力除去装置に供し、酵素分解タンク内に散布し、材料と工程水の質量比が1:6になるように工程水を酵素分解タンクに添加し、pH値を5.5に調整した。乾燥固体材料キログラム当りキシラナーゼ活性度単位4×104Uでキシラナーゼを添加し、酵素分解温度は50℃であり、酵素分解時間は、8時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を95℃まで加熱上昇させ、加熱を30分間持続し、キシラナーゼを不活性化した。次いで、ベルト乾燥機によるろ過によって、可溶性食物繊維粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0083】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.36重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、混合物を速度13.75m3/hで固液分離に供し、ろ液の光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。
【0084】
可溶性食物繊維糖液を3つの部分に分割した。第1の部分を三重効果蒸発器により濃縮し、シロップ生成物を得、生成物Eと指定し、三重効果蒸発器の温度は:第1効果の温度は90℃、第2効果の温度は80℃、及び第3効果の温度は70℃であった。その純度をHPLCによって測定した。結果を図6に示す。図6は、生成物EのHPLCプロファイルである。生成物Eの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は81.63%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、72.02%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。第2の部分を真空レーキ乾燥に供することによってキシロオリゴ糖粉末を得、生成物Fとして指定した。操作パラメーターは:加熱温度が95℃、真空度が-0.090MPa、及びレーキ歯速度が6rpmであった。その純度をHPLCによって測定した。結果を図7に示す。図7は、生成物FのHPLCプロファイルである。生成物Fの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は82.53%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、70.76%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。第3の部分を擬似移動床クロマトグラフィーシステムによるクロマトグラフィー分離に供したが、制御供給速度は0.25m3/hであり、システム圧は、1.0MPaであり、供給液中の糖の質量画分は56%であった。クロマトグラフィー後の高成分ラフィネートを、高成分キシロオリゴ糖粉末糖を調製する真空ベルト乾燥に供し、生成物Gとして指定した。真空ベルト乾燥機の操作パラメーターは以下の通りであった:第1区画の温度が105℃、第2区画の加熱温度が110℃、第3区画の加熱温度が95℃、冷却帯温度が25℃、真空度が-0.090MPa、布速度が42L/h、コーティング厚さが0.3cm、及びベルト速度が25m/hであった。その純度をHPLCによって検出した。結果を図8に示す。図8は、生成物GのHPLCプロファイルである。生成物Gの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は97.15%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、73.29%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調
製された生成物の成分の比較を示す。クロマトグラフィー分離後、ラフィネート及び可溶性食物繊維糖液を容積比1:7で配合した。配合された糖液を真空レーキ乾燥に供し、低成分キシロオリゴ糖粉末糖を得、生成物Hとして指定した。真空レーキ乾燥機の操作パラメーターは:加熱温度が90℃、真空度が-0.090MPa、及びレーキ歯速度が8rpmであった。その純度をHPLCによって測定した。結果を図9に示す。図9は、生成物HのHPLCプロファイルである。生成物Hの成分を表6に示すが、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は70.49%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、48.74%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0085】
この実施例で使用されたキシラナーゼは、実施例1と同じであった。
【0086】
[比較例1]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径0.5cmの粒子まで粉砕し、高温蒸気処理に供し、溶液は工程水であり、温度は150℃であり、時間は40分であった。
【0087】
蒸気処理材料を、圧力除去に供し、酵素分解タンク内に散布し、工程水を、蒸気処理材料と工程水の質量比が1:6になるように酵素分解タンクに添加し、pH値を5.5に調整した。Henan Yangshao Bio-Products Co., Ltd.から市販の食品グレードの200,000U/gキシラナーゼを、乾燥固体材料キログラム当りキシラナーゼ1×105Uの活性単位で添加し、酵素分解温度は50℃であり、酵素分解時間は8時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を95℃まで加熱し、加熱を30分間保持し、キシラナーゼを不活性化した。次いでベルト乾燥機によるろ過よって、可溶性食物繊維の粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0088】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.6重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、速度6.25m3/hで混合物を固液分離に供し、ろ液の光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。キシロオリゴ糖シロップを調製し、その純度をHPLCによって検出した。図10は、上述の生成物のHPLCプロファイルである。25.170sにおけるセロビオースの吸収ピークによれば、セロビオース含量は1.85%であることが見出され得る。生成物の成分を表6に示し、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は70.26%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、44.78%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0089】
[比較例2]
トウモロコシ穂軸原材料を粒径1cmの粒子まで粉砕し、蒸気爆発前処理に供し、パラメーターは:圧力が1.5MPaであり、圧力を3分間保持した。前処理材料を、圧力除去に供し、酵素分解タンク内に散布し、工程水を、蒸気処理材料と工程水の質量比が1:6になるように酵素分解タンクに添加し、pH値を5.5に調整した。Henan Yangshao Bio-Products Co., Ltd.から市販の食品グレードの200,000U/gキシラナーゼを、乾燥固体材料キログラム当りキシラナーゼ活性単位9×104Uで添加し、酵素分解温度は50℃であり、酵素分解時間は8時間であった。酵素分解反応の完了後、温度を95℃まで加熱し、温度を30分間保持し、キシラナーゼを不活性化した。次いでベルト乾燥機によるろ過によって、可溶性食物繊維の粗糖液及びろ過残渣を得た。
【0090】
調製された粗糖液内に、粗糖液の0.8重量%の量で活性炭を添加し、脱色温度は80℃であり、脱色時間は30分間であった。脱色の完了後、混合物を速度7.5m3/hで固液分離に供し、ろ液の光透過率が50%超になるように制御した。ろ液をイオン交換に供し、イオン交換溶液の光透過率が70%超になるように制御し、導電率は50μs/cm未満であった。限外ろ過によって高分子糖を除去した後、可溶性食物繊維糖液を得た。シロップを調製し、その純度をHPLCによって検出した。図11は、生成物のHPLCプロファイルである。25.175sにおけるセロビオースの吸収ピークによれば、セロビオース含量は2.99%であることが見出され得る。生成物の成分を表6に示し、キシロオリゴ糖(X2-7)の純度は70.23%であり、キシロビオース及びキシロトリオース(X2-3)の含量は、42.79%であった。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較を示す。
【0091】
[実施例3]
1)実施例1〜2及び比較例1〜2の活性炭の添加量とろ過速度を比較し、結果を表3に示す。表3は、実施例1〜2及び比較例1〜2の活性炭の添加量とろ過速度の比較である。
【0092】
【表3】
【0093】
表3から、連続向流浸出処理後、脱色工程で添加される活性炭の量が40%〜50%低減し、プレート及び型枠ろ過機を通る材料溶液のろ過速度が100%〜120%増加することが見出され得る。脱色コストが低減し、生成効率が改善される。
【0094】
2)実施例1〜2及び比較例1〜2のキシラナーゼの添加量を比較し、結果を表4に示す。表4は、実施例1〜2及び比較例1〜2のキシラナーゼの添加量の比較である。
【0095】
【表4】
【0096】
表4から、本発明によってトウモロコシ穂軸のヘミセルロース長鎖構造が、横型パイプ前処理における連続蒸気処理によってヘミセルロース短鎖に破壊され、これが、キシラナーゼの酵素分解により感受性であり、キシラナーゼの添加量及び生成コストが低減されることが見出され得る。
【0097】
3)実施例の生成物A、生成物E並びに比較例1及び2で調製された可溶性食物繊維糖液を糖の特定の質量濃度(固体含量)を有する溶液まで希釈し、1cmキュベットを用いて280nm及び420nmにおける吸収を測定した。具体的な結果を表5に示す。表5は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された糖液の色値の比較を示す。
【0098】
【表5】
【0099】
表5から、本開示で調製されたキシロオリゴ糖シロップの280nm及び420nmにおける吸収値は、顕著に減少し、これは、本開示によって調製されたキシロオリゴ糖生成物の色及び光沢が低減したことを示していることが見出され得る。
【0100】
本開示では、濃度37.5%を有する糖液の280nmにおける吸収値は17.29%〜18.07%低減し、420nmにおける吸収値は25.25%〜26.0%低減した。本開示では、濃度50%を有する糖液の280nmにおける吸収値は23.18%〜24.27%低減し、420nmにおける吸収値は21.50%〜21.83%低減した。キシロオリゴ糖溶液の色値は、減少し、生成物の味は、より穏やか及びより甘く、濃い色及び光沢に起因するある種の分野でのキシロオリゴ糖の使用時の適用上の問題点を首尾よく解決し、キシロオリゴ糖の適用を広げている。
【0101】
4)実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分を比較し、その結果を表6に示す。表6は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の成分の比較である。
【0102】
【表6】
【0103】
外国製品は、日本国から市販のキシロオリゴ糖であった。
【0104】
生成物A〜Hは、実施例1及び2の生成物であった。比較例1は、比較例1で調製された可溶性食物繊維糖液を濃縮することによって得られたシロップを使用した。比較例2は、比較例2で調製された可溶性食物繊維糖液をスプレー乾燥することによって得られた粉末糖を使用した。
【0105】
表6から、本開示によって調製された可溶性食物繊維生成物では、いずれもが検出によればセロビオースを含まないが、比較例1で調製されたキシロオリゴ糖シロップ、比較例2で調製されたキシロオリゴ糖粉末糖、及び日本国から市販のキシロオリゴ糖生成物はすべて、約2%のセロビオースを含むことが見出され得る。適切なキシラナーゼをスクリーニングすることによって、本発明の調製された食物繊維I及びII中のキシロビオース及びキシロトリオースの割合はすべて、70%以上であるのに対し、純度90%を有する外国製品中のキシロビオース及びキシロトリオースの割合は51.65%であり、食物繊維IIIのキシロビオース及びキシロトリオースの割合はすべて、48%以上であるのに対し、比較例で調製された生成物では、42.79%〜44.78%である。本開示で調製されたキシロオリゴ糖生成物では、キシロオリゴ糖中のキシロへプタオースの割合はすべて、約1%であるが、比較例で調製されたキシロオリゴ糖生成物では、キシロへプタオースの割合は5%〜10%であり、日本国から市販の生成物では、キシロへプタオース及びそれを超える重合度を有するキシロオリゴ糖の割合は3.53%である。
【0106】
したがって、適切なキシラナーゼをスクリーニングすることによって、本開示は、生成物の機能性成分の組成を最適化し、主としてキシロビオース及びキシロトリオースである機能性成分の割合を改善し、セロビオース及び7以上の重合度を有する多糖などの雑多な糖の生成を低減し、市販の生成物より高い品質を有する新規な生成物を得る。
【0107】
実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物を、1〜10mg/mlの低濃度のキシロースを有する溶液も調製し、HCL又はH2SO4を酸性化剤として使用し、水素イオン濃度は約0.6モル/Lであり、100℃で90分間加水分解した。次いで、温度を下げ、pHをクロマトグラフィーカラムに適した範囲に調整した。それぞれの生成物の酸分解によって生成したグルコース、キシロース及びアラビノースの含量条件を統計的に比較した。その結果を表7に示す。表7は、実施例1〜2及び比較例1〜2で調製された生成物の酸分解後の単糖の比較である。
【0108】
【表7】
【0109】
[実施例4]
実施例1で調製された生成物A、C、及びD並びに比較例1及び2で調製された生成物を採取し、キシロオリゴ糖の同じ有効含量(キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量が同じであった)を、それぞれの生成物のキシロオリゴ糖の純度(すなわち、それぞれの生成物のキシロオリゴ糖の含量)にしたがって添加し、次いで、これをビフィドバクテリウム培地(基礎培地)内に添加し、キシロオリゴ糖の有効な重量含量は培地の0.5重量%であった。in vitro培養を実施した。キシロオリゴ糖は対照群には添加しなかった。対照群及びそれぞれの群のビフィドバクテリウムの増殖に対する効果を図13に示す。図13は、対照群及びそれぞれの群のビフィドバクテリウムの増殖に対する効果である。
【0110】
図13から見出され得るように、本開示によって調製された生成物の生存細菌ビフィドバクテリウムの増殖に対する効果は、比較例及びキシロオリゴ糖を含まない対照群によって調製された生成物より顕著に大きい。
【0111】
[実施例5]
実施例1で調製された生成物A、C、及びD並びに比較例1及び2で調製された生成物を採取し、キシロオリゴ糖の同じ有効含量(キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量が同じであった)を、それぞれの生成物キシロオリゴ糖の純度(すなわち、それぞれの生成物のキシロオリゴ糖の含量)にしたがって添加し、すなわち、キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量がそれぞれの生成物で同じであり、次いで、これを、甘味料として使用し、豆乳生成物内に添加し、キシロオリゴ糖の有効添加量は1重量%であった。それぞれの生成物のビフィドバクテリウム及びラクトバチルスのin vivo増殖に対する効果及び腸フローラを改善する効果の研究を実施した。
【0112】
ランダムに選択された100人を5群に分割し、それぞれの群に、異なるキシロオリゴ糖生成物を補給した豆乳250ml/日を与えた。30日間摂取した後、試験したヒトの腸フローラを検出した。その結果を表8に示す。表8は、実施例5のそれぞれの生成物のヒトの腸フローラに対する効果の検出結果である。
【0113】
【表8】
【0114】
表8から、本開示によって調製されたキシロオリゴ糖は、ビフィドバクテリウム及びラクトバチルスの増殖に対してより良好な効果を有することが見出され得る。
【0115】
[実施例6]
実施例1で調製された生成物A、C、及びD並びに比較例1及び2で調製された生成物を採取して、キシロオリゴ糖の同じ有効含量(キシロビオースからキシロへプタオースの全含量が同じであった)を、それぞれの生成物キシロオリゴ糖の純度(すなわち、キシロオリゴ糖の含量)にしたがって添加し、すなわち、キシロビオースからキシロへプタオースの合計含量がそれぞれの生成物で同じであり、次いで、これを甘味料として使用し、マウス飼料内に添加したが、キシロオリゴ糖の有効な添加量は1重量%であった。それぞれの生成物のマウス中の血糖に対する効果の研究を実施した。
【0116】
動物及び群:120匹のICRマウスの尾の血管に、アロキサンalloxan45mg/kg.体重を接種し、高血糖マウスモデルを生成し、6群(各群20匹)に分割した。1群:対照群、すなわち、通常食群;2群:生成物Dのキシロオリゴ糖を飼料中に添加した;3群:生成物Aのキシロオリゴ糖を飼料中に添加した;4群:生成物Cのキシロオリゴ糖を飼料中に添加した;5群:比較例1で調製されたキシロオリゴ糖生成物を飼料中に添加した;6群:比較例2で調製されたキシロオリゴ糖生成物を飼料中に添加したが、キシロオリゴ糖の有効添加量は、1重量%であった。上述のマウスに30日間、給餌した後、絶食血糖(8時間絶食)を検出し、その結果を表9に示す。給餌実験後、絶食血糖及び食後2時間血糖(それぞれのマウスに胃からグルコース1.5g/kg.体重を投与した)を表10に示す。
【0117】
【表9】
【0118】
【表10】
【0119】
表9及び表10から、本開示によって調製された生成物は、マウスの血糖値を顕著に低減でき、その効果は比較例によって調製された生成物より優れていることが見出され得る。
【0120】
上述の実施例及び比較例から、本発明は、連続向流浸出技術及び横型パイプ中の連続蒸気技術処理を使用することによって及び特定の酵素を選択することによってビフィドバクテリウム及びラクトバチルスの増殖より良好な効果を有し、血糖を顕著に低減できることが見出され得る。
【0121】
上の実施形態の記述は、本発明の方法及びその核となる思想の理解を助けるためにのみ使用される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者によって本開示に対する多様な改変及び適合も実施できることに留意されたい。こうした改変及び適合はまた、本開示の係属中の請求項の保護対象範囲内である。
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図13