(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626213
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】一体型ルーティングアセンブリ及びそれを用いたシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/18 20060101AFI20191216BHJP
H01R 13/46 20060101ALI20191216BHJP
H05K 1/14 20060101ALN20191216BHJP
【FI】
G06F1/18 G
H01R13/46 A
G06F1/18 E
!H05K1/14 Z
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-536113(P2018-536113)
(86)(22)【出願日】2017年1月19日
(65)【公表番号】特表2019-505043(P2019-505043A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】US2017014089
(87)【国際公開番号】WO2017127513
(87)【国際公開日】20170727
【審査請求日】2018年8月10日
(31)【優先権主張番号】62/280,411
(32)【優先日】2016年1月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン キース ロイド
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ビー ワルツ
(72)【発明者】
【氏名】エイマン アイザック
(72)【発明者】
【氏名】ケント イー レグニール
(72)【発明者】
【氏名】ブルース エイ リード
【審査官】
征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0080719(US,A1)
【文献】
特開2001−313109(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/006499(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0242844(US,A1)
【文献】
特開2010−192918(JP,A)
【文献】
特開2004−253456(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0041937(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/18
H01R13/40−13/533
H05K1/14;3/36
H01L23/12−23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に配列された複数のコネクタポートと、
該複数のコネクタポート内に配置された複数の第1のコネクタであって、該第1のコネクタの各々が、複数の第1の端子を含む、複数の第1のコネクタと、
前記コネクタポートから延在するルーティング基板であって、その中に形成された開口部を有するルーティング基板と、
該ルーティング基板内に配置された複数のケーブルであって、該ケーブルの各々が各々、第1の末端と第2の末端との間に延在する一対の導体を有し、前記ケーブルの各々が、ドレイン線を更に含み、前記第1の末端が、前記複数の第1の端子に接続されることにより、複数のケーブルが、前記第1のコネクタの各々に接続されている、複数のケーブルと、
該複数のケーブルの第2の末端に接続され、前記開口部を画定する端部に隣接して配置された、複数の第2のコネクタであって、該複数の第2のコネクタの各々が、第1の一対の信号端子と第1の接地端子とを含み、前記信号端子が、前記一対の導体に接続され、前記接地端子が、前記ドレイン線に接続されている、複数の第2のコネクタと、
チップパッケージと通信し、かつ該チップパッケージに隣接して配置された、少なくとも1つの第3のコネクタであって、前記複数の第2のコネクタの各々に関連する、第2の一対の信号端子と第2の接地端子とを有する、少なくとも1つの第3のコネクタと、を備える、一体型ルーティングアセンブリ。
【請求項2】
前記複数のケーブルが、前記ルーティング基板内に埋め込まれ、該ルーティング基板が、導電性である、請求項1に記載の一体型ルーティングアセンブリ。
【請求項3】
前記第3のコネクタが、主壁と二次壁とを含むグリッド構成をとる誘電ハウジングを有する、請求項1に記載の一体型ルーティングアセンブリ。
【請求項4】
前記第2のコネクタの各々が、前記二次壁に沿って並んだスロットを備えたハウジングを有する、請求項3に記載の一体型ルーティングアセンブリ。
【請求項5】
前記二次壁が、前記主壁よりも低い、請求項3に記載の一体型ルーティングアセンブリ。
【請求項6】
挿入損失が、信号周波数が12〜25GHzでのFR4回路基板の挿入損失の半分未満である、請求項1に記載の一体型ルーティングアセンブリ。
【請求項7】
前壁を有する金属ハウジングと、
前記前壁に配列されたコネクタポートのアレイと、
複数のコネクタポート内に配置された複数の第1のコネクタであって、該第1のコネクタの各々が、複数の第1の端子を含む、複数の第1のコネクタと、
前記コネクタポートから延在するルーティング基板であって、その中に形成された開口部を有するルーティング基板と、
該ルーティング基板内に配置された複数のケーブルであって、該ケーブルの各々が各々、第1の末端と第2の末端との間に延在する一対の導体を有し、前記ケーブルの各々が、ドレイン線を更に含み、前記第1の末端が、前記複数の第1の端子に接続されることにより、複数のケーブルが、前記第1のコネクタの各々に接続されている、複数のケーブルと、
該複数のケーブルの第2の末端に接続され、前記開口部を画定する端部に隣接して配置された、複数の第2のコネクタであって、該複数の第2のコネクタの各々が、第1の一対の信号端子と第1の接地端子とを含み、前記信号端子が、前記一対の導体に接続され、前記接地端子が、前記ドレイン線に接続されている、複数の第2のコネクタと、
前記金属ハウジング内に配置され、第1の側のチップパッケージを支持するマザーボードと、
該マザーボードの第2の側に取り付けられ、前記チップパッケージと通信する、複数の第3のコネクタであって、該複数の第3のコネクタの各々が、少なくとも1つの第2の一対の信号端子と少なくとも1つの第2の接地端子とを有し、前記複数の第2のコネクタが、前記複数の第3のコネクタに嵌合する、複数の第3のコネクタと、を備える、システム。
【請求項8】
前記アレイが、N行M列のアレイであり、N及びMの両方が、少なくとも2以上であ る、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの第2の一対の信号端子及び少なくとも1つの第2の接地端子が、前記マザーボード内のビアに接続され、該ビアが、前記チップパッケージ内の基板と通信する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ルーティング基板が、前記チップパッケージを取り囲むように延在する開口部を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のケーブルが、少なくとも2方向から前記開口部内に延在する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のケーブルが、4方向から前記開口部内に延在する、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2016年1月19日に出願された米国仮特許出願第62/280,411号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は一般に、チップパッケージのチップ又はプロセッサからバックプレーン及びデバイスへの低損失で高速に信号を伝送するのに好適な高速データ伝送システムに関し、より具体的には、一体型コネクタインターフェース−チップパッケージルーティングアセンブリ及びチップ又はチップパッケージへの直接接続での使用に好適なコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
ルータ、サーバ、スイッチなど電子デバイスは、多くのエンドユーザデバイスでの音声及びビデオストリーミングの帯域幅及び配信の高まるニーズに対応するため、高いデータ伝送速度で動作する必要がある。これらのデバイスは、ASIC、FPGAなど、デバイスのプリント回路基板(マザーボード)に搭載されたプライマリチップ部材と、回路基板に搭載されたコネクタとの間に延在する、信号伝達線を使用する。これらの伝達線は、マザーボードの一部を形成し、1つ以上の外部プラグコネクタとチップ部材との間を接続するようにチップ部材とコネクタとの間に延在する導電性トレースである。回路基板は通常、FR4として知られる、安価な材料から形成される。FR4は安価であるものの、約6GHz以上の信号周波数レートでの高速信号伝達線(例えば、トレース)における損失を助長することが知られている。これらの損失は、周波数が増加するにつれて増加するため、FR4材料は、約10GHz以上での高速データ転送用途には望ましくないものとなっている。
【0004】
材料コストが低いという利点を有するFR4材料を使用するために、設計者は、増幅器や等化器などの様々な能動部品を利用しなければならない場合があり、また追加の層の使用が必要な場合がある。時折、増幅器、中継器及び等化器を使用して損失を補正することができ、したがってFR4材料を使用することができるようになるが、能動素子により回路基板の製造コストが増加し、これによりデバイスの最終的なコストが増加する。また、能動部品を使用するためには、能動部品の収容に必要な追加の基板スペースが必要なため、設計が複雑になる。加えて、能動部品を使用した信号トレースのルーティングは、複数の方向転換及び渡りを必要とする場合がある。これらの方向転換及び渡りにより、信号対雑音比が減少する傾向にあり、システムの信号インテグリティに悪い影響を与える。
【0005】
かかる損失を軽減する回路基板のカスタム材料を使用できるが、これらの材料の価格は回路基板の、また結果的にそれらが使用される電子デバイスのコストを増加させる。また新材料であっても、伝達線の全長が、損失がシステムの問題となる閾値長を超える場合がある。トレースの長さが10インチ近く及びそれ以上だと、大幅な損失が起こる可能性がある。
【0006】
回路基板の損失が大きいことに加えて、そこを通る一貫したインピーダンス及び低信号損失を達成する方法で伝達線トレースをルーティングすることが困難な場合がある。高速トレースルーティング設計においてインピーダンスを制御するために、設計者は、回路基板に最大約8個〜約16個の追加の層を利用しなければならない場合が多い。これにより、回路基板の製造コストが増大し、そのような回路基板の開発に要する設計時間が増大する。したがって、既存の回路基板には、回避設計がより困難となる物理的制約がある。
【0007】
チップ(ダイとも称される)は、これらのルータ、スイッチ、及び他のデバイスの心臓部である。チップは典型的には、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、並びにその他の回路などのプロセッサを含み、導電性はんだバンプ又は他の便利な接続を介して基板に接続することができる。チップと基板の組み合わせにより、チップパッケージが形成される。基板は、はんだボールに接続されたマイクロビア又はメッキスルーホールを含んでよい。使用すると、はんだボールは、チップパッケージをマザーボードに取り付けできるボールグリッドアレイ(BGA)構造を提供できる。マザーボードは、伝達線を画定するその内部に形成された多数のトレースを含み、その伝達線は、高データレートでの信号の伝送用の差動信号ペア、差動信号ペアに関連する接地経路、並びに電源、クロック信号や論理信号、及び他の部品向けの様々な低データレート伝達線を含み得る。これらのトレースを、チップパッケージから外部コネクタが接続されたデバイスのI/Oコネクタにルーティングすることができ、また、チップパッケージから、デバイスがネットワークサーバなどのシステム全体に接続できるようにするバックプレーンコネクタにもルーティングできる。
【0008】
チップ能力は、25Gbps以上のデータレートを支持できる程度まで高められている。この結果、信号周波数が12GHzよりも大きくなり得る。したがって、特に、適正なコストを維持しようとしながら、高速用途に必要なクロストーク及び損失要件を満たすように回路基板及びバックプレーンの信号伝達線を適切に設計することは困難になる。結果として、ある特定の個人は、ルータ、スイッチ、及び他のデバイスのシステム設計の更なる改善を理解するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本開示は、単一の素子として電子デバイスのハウジング内に収まり、チップパッケージから直接通じる複数のデータ伝送チャネルを提供する、ルーティングアセンブリに関する。伝送チャネルは、ルーティング基板によって支持されたケーブルの形態をとり、ケーブルは、ケーブルの規則的な幾何学的配列を模倣するように、電線対基板型のコネクタに、その近位端で終端することができる。ルーティングアセンブリは、水平方向に延在するトレイを含み、更に、ホストデバイスの嵌合面に沿ってコネクタポートのアレイを支持することができる一対のサイドサポートを含むL字形の構成を有することができる。これらのコネクタポートは、コネクタポートを画定するハウジング内に保持されたケーブルダイレクトコネクタを含んでもよい。コネクタポートは、他のデバイスに関連する嵌合コネクタで、ホストデバイスに接続される目的の対向する嵌合コネクタを受容する。
【0010】
コネクタ、コネクタポート、ケーブル及び/又はチップパッケージを、単一のピースとしてルーティングアセンブリに組み込むことができ、これにより、ルーティングアセンブリを、集積ユニットとして電子デバイスに容易に挿入することができる。トレイは、ホストデバイスのマザーボードの上方又は下方のいずれかに配置されてよい。トレイは、誘電材料から形成されてよく、好ましくはチップパッケージに対向してケーブルの近位端に配置されるようにケーブルを支持することができる。一旦チップパッケージに接続されたケーブルは、チップパッケージと外部コネクタインターフェースとの間に高速信号伝送チャネルを画定するため、回路基板上の伝送チャネルをルーティングする必要がなくなり、回路基板ルーティングに固有の損失問題が低減される。トレイは、アセンブリ全体の一部としてチップパッケージを支持することができ、又は、チップパッケージの接点に接続するために、その近位端に基板コネクタを備えたケーブルのみを支持することができる。トレイは、マザーボード上のチップパッケージに対向して配置できるパッケージ開口部を含む。このようにして、パッケージ開口部は、チップパッケージを取り囲み受容する。チップパッケージは、チップ/チップパッケージの端部に沿って配列され、チップ受容開口部と位置合わせされた、BGA(ボールグリッドアレイ)の形態などの複数の接点を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示は、添付図面において、一例として図解され、限定するものではなく、図面中、同様の参照番号は、類似の要素を示す。
【0012】
【
図1】マザーボード上に位置するチップパッケージを備えた従来の電子デバイスの内部の斜視図である。
【
図1A】そのデバイスのチップパッケージと外部コネクタインターフェースとの間の信号伝送チャネルのルーティングに回路基板がどのように使用されているかを示す、
図1の電子デバイスの概略断面図である。
【
図2】マザーボードの下に位置し、チップパッケージがその上にヒートシンクを有する本開示のルーティングアセンブリの斜視図である。
【
図2A】
図2と同一の図であるが、後方からの図である。
【
図2B】そのアセンブリのチップパッケージ基板と外部コネクタインターフェースとの間の信号伝送チャネルのルーティングのために、ルーティング基板内にケーブルがどのように埋め込まれているかを示す、
図2のルーティングアセンブリの概略断面図である。
【
図3】ホストデバイスのマザーボードの下に位置し、下側からチップパッケージに接触するルーティングアセンブリの斜視図である。
【
図3A】本開示の一連の電線対基板コネクタを図示する、
図3のルーティングアセンブリの一部の拡大概略図であり、ケーブルをホストデバイスのチップパッケージに接続するための、電線対基板コネクタの対応するレセプタクルが明確にするために取り除かれている。
【
図4】チップパッケージ又はチップパッケージ基板の下側に9本のケーブルが嵌合する、本開示の電線対基板コネクタアセンブリの斜視図である。
【
図4A】
図4の線A−Aに沿った、
図4のコネクタアセンブリの立面図である。
【
図5A】
図5の線A−Aに沿った、チップパッケージ基板の表面上に位置するレセプタクルコネクタ部端子の底部の平面図である。
【
図5B】チップパッケージ基板と接触するように位置する一組の端子の拡大詳細図である。
【
図5C】
図5Aと同一の図であるが、チップパッケージ基板の接点を図示するために端子が取り除かれている。
【
図6】チップパッケージ基板上に位置する
図4のコネクタアセンブリのレセプタクル部の斜視図である。
【
図6A】
図6の線A−Aに沿った、
図6のコネクタアセンブリの側立面図である。
【
図6B】
図6の線B−Bに沿った、
図6のコネクタアセンブリレセプタクル部の平面図である。
【
図6C】
図6のコネクタアセンブリレセプタクル部の1つの異なる信号伝送チャネルの拡大詳細図である。
【
図7】
図6と同一の図であるが、明確にするために、その近末端壁が取り除かれている。
【
図7A】
図7の線A−Aに沿った、
図7のコネクタアセンブリのレセプタクル部の立面図である。
【
図8】
図4のコネクタアセンブリと同一の図であるが、プラグコネクタのうちの1つが、ケーブル信号導体とコネクタアセンブリプラグ部信号端子との間の接続を図示するために切断されている。
【
図8A】
図8と同様の図であるが、コネクタアセンブリプラグ部のケーブル接地導体と接地端子との間の接続を図示するために異なるように切断されている。
【
図8D】
図8のコネクタアセンブリの側立面図である。
【
図9】
図4のコネクタアセンブリのプラグ部の導体に終端されたケーブルの導体の斜視図である。
【
図9A】
図9の立面図であるが、位置決めブロック内に保持されたコネクタアセンブリプラグ部信号及び接地端子を備える。
【
図9B】
図9Aのアセンブリの立面図であるが、そのプラグ部ハウジング部材と位置合わせしてある。
【
図10】図のコネクタのコネクタアセンブリプラグ部の嵌合面の斜視図である。
【
図11】対応するレセプタクルコネクタ部へ接続するコネクタアセンブリプラグ部のうちの1つの拡大断面図である。
【
図11A】プラグとレセプタクル部との間の好ましい接続方法を図示する、
図4のコネクタアセンブリの立面概略図である。
【
図12】
図4の一連のコネクタを収納するハウジングの斜視概略図である。
【
図13】チップパッケージを支持するマザーボードに接続された本開示のコネクタアセンブリの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の発明を実施するための形態は、例示的な実施形態を説明するものであり、明示的に開示された組み合わせに限定することを意図しない。したがって、別途記載のない限り、本明細書で開示される特徴は、一緒に組み合わせて、簡潔さのために別途示されることがなかった、更なる組み合わせを形成することができる。
【0014】
理解されるように、ルーティングアセンブリは、チップパッケージとコネクタインターフェースとの間で差動信号を伝送するためのケーブルとしてツイナックスケーブルを使用でき、逆もまた同様である。ケーブルは、サイズが小さく、ホストデバイス外部コネクタインターフェースとチップ/チップパッケージ接点との間の範囲内で固定されていなくてもよいか、若しくはルーティングアセンブリに固定されているか、又は一体型であってもよい。このようなケーブルの各々は2つの信号導体を備え、その全長にわたって規則的な方向に延在する1つ以上の接地導体を備えることができる。ケーブルの近位端は、チップ受容開口部内へ延在し、パッケージコネクタをチップパッケージの対応する接点に終端するように構成されたパッケージコネクタを有する。
【0015】
そのサイズゆえに、ケーブルは、組立時に損傷から保護されるようにトレイ内に埋め込まれてよい。トレイは、マザーボード上に収まり、パッケージ開口部は、マザーボードのチップパッケージ上に収まる。パッケージコネクタは、チップパッケージ上の対向するコネクタと係合するように動かすことができるように、トレイによって柔軟に支持されてもよい。このような構造であるため、チップパッケージ及びコネクタ構造を、組立後、及び客先への出荷前又はデバイスへの挿入前に試験することができる。理解されるように、より高価な回路基板材料を必要としなくても済むよう、ルーティングアセンブリは、マザーボード上の高速回路トレースを除去することができ、追加の低速信号トレース及び部品のためにマザーボード上のスペースを空ける。
【0016】
ケーブルとチップパッケージとの間を確実で効果的な接続を提供するために、低プロファイル電線対基板コネクタが利用される。コネクタは、単一のケーブルの近位端で終端された「チクレット」の形態をとる。コネクタは、ケーブルの規則的な幾何学的配列を模倣し、ボールグリッドアレイの1つの信号チャネルなどの表面接点と確実に嵌合する接触構造を有する構造を有する。このようにして、低プロファイルを維持し、より良好なインピーダンス及び信号統合制御を有するように、かかる信号チャネルの各々が、チップパッケージ上に支持された単一のレセプタクル内に少なくとも部分的に収容される。
【0017】
この図示されたコネクタは、相互係合する第1の部分及び第2の部分を含む。一方の部分は、ケーブル信号及び接地導体の自由端に終端されるプラグコネクタとして構成される。他方の部分は、レセプタクルコネクタとして構成され、チップパッケージボールグリッドアレイ(BGA)に終端される。プラグコネクタは、ケーブル信号及び接地導体の自由端が終端されるテール部を有する細長い導電端子を含む。端子は、互いに離間し、仮想三角形の頂点で方向付けされ得る、対応する接触部を有する。
【0018】
各レセプタクルコネクタは、チップパッケージBGAの対応する接点と接触する、テール部を備えた一対の直角接点を含む。一対の信号接触部は、テール部から所定のレセプタクル内に直立して延在する。直角に構成された接地端子が提供され、その接地端子は、チップパッケージBGAの接地接点と接触するテール部分を有する。接地端子接触部は、テール部から上方に延在し、信号端子接触部から離間している。好ましくは、信号端子接触部に対向する幅を有する。レセプタクルコネクタは、各ケーブル用の個々のレセプタクルを画定する複数の壁を有する誘電ハウジングを有する。ハウジングは、レセプタクル信号及び接地端子の間に延在し、互いに分離する壁を含んでよく、ハウジング材料の誘電率は、信号及び接地端子接触部の間で生じるブロードサイド結合に影響を及ぼすように必要に応じて調整されてもよい。
【0019】
かかる構造は、ルーティングアセンブリ開口部の開口内に受容できるように、本開示のコネクタが約10mmのオーダーの低プロファイルにすることができる点で有利である。本開示のコネクタはまた、チップパッケージをチップパッケージ及び回路基板と共にコネクタにも使用することができる。
【0020】
図1は、前壁32と対向する後壁34とを備えた板金ハウジング31を有する、ルータ、スイッチなどの従来の電子デバイス30を図示する。デバイス30は、ハウジング内で、チップパッケージ38と付随するプロセッサ40、電源42、追加の集積回路、コネクタ、コンデンサ、抵抗器などの様々な電子部品を含むマザーボード36を支持する。前壁32は、デバイス30用のコネクタポートを画定するために第1のコネクタ43と位置合わせした一連の開口部33を有する。典型的には、
図1Aに示すように、第1のコネクタ43のアレイは、マザーボード36の前端に取り付けられ、マザーボード36上のコネクタ43の上方に位置する金属シールドケージ44又はアダプタフレーム内に封入される。同様に、一連の第2のコネクタ46は、マザーボード36の後端部に取り付けられ、ハウジング31の後壁の開口部と位置合わせされる。これらの第2のコネクタ43は、デバイス30がバックプレーンに接続できるバックプレーン型であってよい。以下の説明では、上述の「概要」の項に記述されている理由から、第1のコネクタは、「入口」コネクタと称され、第2のコネクタは、「出口」コネクタと称される。
【0021】
図1のデバイスの既知の構造では、チップパッケージ接点からマザーボード36を通ってコネクタ43、46へと延在する長さのある導電性トレース47により、チップパッケージ38は、第1及び第2のコネクタに接続される。一対の導電性トレース47は、各差動信号伝達線を画定するために必要であり、第3の導電性トレースは、信号伝達線の経路に従った、付随する接地を提供する。かかる信号伝達線はそれぞれ、マザーボードを介して又はマザーボード上でルーティングされ、かかるルーティングは特定の欠点を有する。FR4は、回路基板に一般に使用される材料であるが、残念なことに、10Ghz超の周波数では不所望に損失する。これらの信号伝達線トレース47の方向転換、屈曲、交差は通常、マザーボード上の伝達線をチップパッケージ接点からコネクタへとルーティングするために必要である。トレースにおけるこうした方向の変化により、信号反射及びノイズの問題、並びに余計な損失が生じる場合がある。損失は時として、増幅器、中継器、及び等化器の使用によって補正され得るが、これらの要素は、最終的な回路基板(マザーボード)を製造するコストを増加させる。かかる増幅器及び中継器を収容するために、追加の基板スペースが必要となることから、このことが回路基板のレイアウトを複雑にし、この追加の基板スペースは、デバイスに意図された大きさでは使用できない場合がある。損失を軽減する回路基板のカスタム材料を使用できるが、これらの材料の価格は回路基板の、また結果的にそれらが使用されるホストデバイスのコストを著しく増加させる。なお更に、長さのある回路トレースは、それらを通る高速信号を駆動するために増大した電力が必要であり、そのように、それらのトレースが、「グリーン」(省エネ)デバイスを開発するための設計者の努力を妨害する。
【0022】
実際のこれらの欠点を克服するために、ホストデバイス51内にて使用する単一のアセンブリ中に外部コネクタインターフェース、ケーブル、及び支持体を内蔵した一体型ルーティングアセンブリ50を開発した。ルーティングアセンブリは、コネクタインターフェースとチップパッケージ88との間に延在する細長いケーブル62により、高速差動ペア信号伝達線に支持を提供するので、それによりマザーボード53上の高速ルーティングトレースの必要がなくなる。かかるアセンブリは、
図2の50に図示されている。アセンブリ50は、第1のコネクタ55、57及びそれに付随するハウジング60の形態で複数の外部コネクタインターフェースを収容する前部を含む。これらは、予め選択されたアレイで配列され、互いに垂直に積み重ねられたコネクタハウジング60の4つの水平列として図示されている。
【0023】
コネクタハウジング60は、選択的に第1のコネクタ55、57を備え、これらが協同してデバイス50の外部コネクタインターフェースを画定する。これらのコネクタインターフェースは、コネクタポート54、56であり、かかるコネクタハウジング60の各々は、第1のコネクタ55、57のうちの1つを備え、このコネクタは、好ましくはカードスロットを有するレセプタクル型(例えば、QSFP型コネクタと共に使用されるような)であり、コネクタポート54、56は、N及びMの両方が、2以上であるN行M列のアレイで配列することができる。第1のコネクタ55、57は、システムの前側に配置されて示されているが、システム設計に応じてどこに配置してもよいという点に留意すべきである。したがって、本開示は、特定の場所にある特定のコネクタに限定して考えられるべきでない。
【0024】
第1のコネクタ55、57は、
図2及び3に示されるとおり、一体して水平列に配列することができ、コネクタハウジング60及び付随するコネクタヒートシンク61は、ビスなどの締結具により、コネクタハウジング60の外側に形成されたボス60aを通って延在する支持ボード67の間に、その水平範囲内に、垂直に位置合わせされ保持される。このような配列では、アセンブリ50のフレーム66を形成するために、2つのサイドサポート68間に横方向に延在する面板70又はパネル(
図3)を容易に収容できる。サイドサポート68は、ルーティング基板75が延在する平面を協同して画定する、後方に延在するチャネル72a、bを有し、これは、コネクタハウジングと組み合わせて、ホストデバイスハウジングに容易に挿入できる一般的なL字型構成を有するトレイ状システムを画定する。
【0025】
図3に図示されるとおり、ルーティング基板75は、平面上であってよく、所定の厚さを有する。図示されたルーティング基板75は、チップパッケージ88へアクセスを提供するために、その中に形成された開口部76を有し、その開口部は、ルーティング基板75の周面内に位置するように図中に示されている。開口部76は、開口部76を画定する4つの端部80a〜dを有し得る中央部78を有するものとして示されている。代替実施形態では、ルーティング基板75は、チップパッケージ88より前に単に終端する(例えば、後端部を有する)ことができる。開口部76が提供される場合は、開口部76は、チップパッケージ88の周囲に延在し得る。図示されるとおり、ケーブルは、少なくとも2方向から(図示されるとおり、4方向から)、ルーティング基板75の外側に向かって、かつチップパッケージ88に向かって延在し得る。
【0026】
コネクタポート54、56のアレイを形成する第1のコネクタ55、57は、プラグ型の対向するコネクタと嵌合するために、送受信チャネル構成で配列された信号及び接地端子を有する。好ましくはツイナックス構成のケーブル62は、これらの第1の末端82にて、コネクタ55、57の各々のコネクタ端子に直接終端され、低速電線64の側面に位置するように
図3に示される(電力、論理、クロック、及び他の回路に使用できる)。
図9Dに図示されるとおり、また従来技術で周知のように、各ケーブル62は、誘電カバー62bに取り囲まれた一対の信号導体62aを含み、かつ付随するドレイン線62cを含む場合があり、これら全ては、絶縁性アウタージャケット62d内に封入される。ケーブル62は、チップパッケージ88から入口及び出口コネクタ54、56まで横断するその全長にわたって、信号導体62aの規則的な幾何学的配列を維持する。この幾何学的配列は、その全長を通して規則的に配置されているので、伝達線に問題のある信号反射又はインピーダンス不連続をもたらすことなく、ケーブル62を経路中で容易に方向転換又は屈曲又は交差させることができる。
【0027】
ケーブル62及び低速電線64の両方は、これらの第1の末端でコネクタ端子に直接終端されている。これにより、第1のコネクタ55、57は、マザーボード53との嵌合を回避することができ、コネクタ回路基板実装インターフェースで通常発生するインピーダンス不連続が解消される。図示されたケーブル62は、コネクタハウジング60の後方に縦列に配列され、下方のコネクタハウジング列のケーブル62及び電線64は、最上部のコネクタハウジング列の内方に配列されて図示される。これにより、コネクタ55、57からルーティング基板75の範囲内での、ケーブル62の規則的な配列を助長する。図示されたアセンブリ50において、コネクタ55、57の上部3列に関連するケーブル62は、ルーティング基板75の高さまで下方に延在し、基板の前端で基板内に入る、一般的なS字型構成を有するように見え、一方、最下列のケーブルは、ほぼ水平にルーティング基板75に延在する。
【0028】
ケーブル62は、コネクタの後方から、ルーティング基板75の本体へ進入するルーティング基板75の前端部へと引かれる。ケーブル62の第2の末端84は、これらがチップパッケージ88と嵌合する第2のコネクタ86に終端するところとして図示される、開口部76内へと延在する。第2のコネクタ86は、ケーブル62の信号導体及びドレイン線が、基板91上の接点に容易に接続できるように、電線対基板型であってよい。ケーブル62の第2の末端84は、ルーティング基板を出て、開口部76に進入する。一実施形態では、チップパッケージ88は、デバイスマザーボード53上に配置され、チップパッケージ88は、第2のコネクタ86と嵌合でき、好ましくはその周囲に配列され、第2のコネクタ86と位置合わせするように、開口部76と位置合わせされ得る複数の接点を含む。別の態様において、チップパッケージ88は、ルーティングアセンブリ74全体の一部として含まれてもよい。理解されるように、
図2及び2Aに図示されるとおり、ホストデバイスマザーボード53上の領域は、プロセッサ90の周長よりも長い周長を有するヒートスプレッダ及び/又はヒートシンクなどの熱伝達部材93を自由に収容する。これは、ルーティング基板75内へケーブル62を一体化することにより、全部ではないが、他の用途のルーティング基板75上のスペースの大部分が利用可能になるからである。
【0029】
ケーブル62は、ルーティング基板75の先端部83に沿ってなどルーティング基板75に入る場所から、ルーティング基板75から出て開口部76へ入る場所へと適切にケーブル62を所定位置で固定する様々な方法で、ルーティング基板75の一部として配置されてよい。ケーブル62は、それらを確実に配置する接着剤又は他の既知の締結技術を用いて、ルーティング基板75内に確実に埋め込むことができる。ケーブル62の本体部は、ルーティング基板75に完全に取り囲まれているのが好ましいため、ケーブル62の本体部及びルーティング基板75は、トレイ部としてルーティングアセンブリ74に挿入することができる単一部品として一体的に形成される。ケーブル62の1つのルーティングパターンが、
図5に図示され、これはルーティング基板75の上方部を有するが、ケーブル62が敷設された経路を示すために、明確にするために取り除かれている。ルーティング基板75は、システムのシールドニーズに応じて、絶縁性又は導電性材料で形成することができると理解できる。
【0030】
ケーブル62は、ルーティング基板75の形成の前又は後のいずれかに、これらの第2の末端84で第2のコネクタ86に終端される。ケーブル62の第1の末端が第1のコネクタ55、57の端子に直接終端されるため、第2のコネクタ86により、ケーブル62はチップパッケージ88に直接接続でき、その結果、信号ルーティング媒体としてマザーボード53を実質的に又は完全にバイパスすることができる。このような例では、ルーティングアセンブリ74及びマザーボード53をホストデバイスハウジングに挿入する前に、ルーティングアセンブリ74は、マザーボードに嵌合されてよく、ルーティングアセンブリ74を、スタンドオフ92などによりマザーボードから離間してもよい。
図3及び3Aは、チップパッケージ88への接続を提供するように、第2のコネクタ86、及びそれに付随するハウジング87、並びに開口部76内で上向きの嵌合面89を図示している。第2のコネクタ86が、チクレット形態で図示されており、その各々が、一対の信号導体と付随するドレイン線とのツイナックスケーブルを含む単一の信号伝送チャネルを収納する。第2のコネクタ86は、基板91又はマザーボード53上に取り付けられた小サイズのレセプタクルコネクタと容易に嵌合する。第2のコネクタ86及びその嵌合するレセプタクルコネクタ部は、開口部76内に収まり、開口部76の外側には不必要に突出しないように、寸法を小さくてしてもよい。
【0031】
図4〜
図5は、ケーブルの導体を回路基板又は類似の基板上の回路に接続するコネクタアセンブリ100を図示している。コネクタアセンブリ100は、第2のコネクタ及び第3のコネクタを含み、上述のルーティングアセンブリのバイパスと共に使用するために特に好適である。コネクタアセンブリ100は、基板91の表面102に接続して示されている。上面又は底面であり得る表面102は、好ましくは、はんだボールなどの形態の信号接点106、及び図示されるとおり、ストリップ又はトレース110と格子状に相互接続することによる接地バスの方法で共に接続され得る類似の接地接点108を含む、ボールグリッドアレイ(「BGA」)として
図5及び5Cに示される複数の接点を有する。
【0032】
第3のコネクタ104は、1つ以上の個々のレセプタクル114であって、その各々がその中に第2のコネクタ86のうちの1つを受容するレセプタクル114を形成するために互いに交差する、主壁112及び二次壁113により形成されるグリッド構成を有するとして考えられ得る誘電ハウジングを有する。ハウジングの二次壁113は、主壁112の高さ未満の高さを有するように見える。
【0033】
理解されるように、第3のコネクタ104は、3つの端子の組毎に配列された導電端子116、118を含む。このような端子の組の各々は、2つの信号端子116を含み、付随する接地端子118は、単一のレセプタクル114内に収納され、端子の単一の組とチップパッケージ88上の対応する回路との間に接続を形成する。レセプタクル端子116、118は、対応するケーブル62の導体62a、62cに接続された第2のコネクタ86の対応する端子と嵌合する。レセプタクル端子116、118は、仮想三角形を画定する各端子接触部の中心点から延在する仮想線を有する三角形パターンで配列されていると考えられてよい。(
図5B)信号端子116及び接地端子118の上端部116c、118cは、介在スペース120によって分離された平行な離間された経路に沿って延在すると示されている。
図6、6B、及び7Aに示すように、二次壁113は、これらの介在スペース120内に延在し、これらの介在スペース120を満たすように示されている。
【0034】
信号端子116は、水平に延在するテール部116bを有し、テール部116bがBGA上の対向する対応する信号接点106に接触する。同様に、接地端子118もまた、テール部118bを有する。信号及び接地端子116、118は、レセプタクル114内にチップパッケージ表面102から垂直に延在する接触部116a、118aを有する。信号及び接地端子接触部116a、118aの裏面は、介在する二次壁113の対向面に当接することが好ましい。このようにして、二次壁113は、2つのコネクタ部86、104を嵌合するときに端子接触部116a、118aに加わる挿入力に応じて生じる(少なくとも水平方向の)たわみに耐えるため、端子接触部116a、118aを補強する。このようにして図示された設計により、約40グラムの挿入法線力を使用することが可能となる。端子116、118の直角性は、約1mmのような小さいBGA間隔に対応することができる。
図6Bに示すように、信号端子116は列状に配列されている。信号端子列は、接地端子118の介在列によって分離されている。隣接する一対の信号端子は、コネクタ104の主壁112によって互いに分離されている。
【0035】
図8〜
図10は、雄プラグとして構成された第2のコネクタ86の構造を図示している。
図9及び9Aに図示されるとおり、コネクタ86は、互いに離間した一対の信号端子124を含む。信号端子124の間隔は、テール部124b、125bに終端されたケーブル信号導体62aと同一の間隔が好ましい。第2のコネクタ86はまた、ケーブル62の接地導体62cに終端された導電性接地端子125を含む。図示された接地端子125は、信号端子124よりも幅が大きく、信号端子と接地端子は、互いに向かい合い、コネクタ86の全長にわたる、信号端子124とそれらに付随する接地端子125との間のブロードサイド結合を助長する。端子124、125は、それぞれ絶縁接続ブロック127、128によって所定位置で固定される。端子124、125の本体部は、コネクタの嵌合端において接触部124a、125aの間に位置する最終介在スペース130を画定するため、外側屈曲を含むことが好ましい。
【0036】
第2のコネクタ部86は、接続ブロック127、128の周りに共に接続する2つの中空ハウジング部132a、132bを有する。一方の部分132aは、中空キャップの性質を有し、ケーブル導体62a、62cの終端領域上に接続し、2つの接続ブロックの上部に係合する。他方の部分132bは、示されるとおり、端子接触部124a、125aを封入するために、端子接触部124a、125aの周囲に壁136として延在する中空スカート部の性質を有する。壁136は、一対の肩部138を画定するためにその外形がくぼんでおり、その一対の肩部は、プラグコネクタをその対応するレセプタクル114内に過挿入するのを防止するために協同するレセプタクル114を取り囲んでいる対向する停止面に係合する。
【0037】
信号及び接地端子接触部124a、125aは、示されるとおり、接続ブロック132a、132bから片持ち状に延在する。接触部124a、125aは、レセプタクルコネクタ端子接触部間の介在スペースより大きい介在スペースによって分離される。図示された構造により、接触部124a、125aは、外側に屈曲して、二次壁113を乗り越えて、レセプタクル114内の接触部116a,118aに係合できるが、対向する端子に接触力をかける。コネクタハウジング底部132bは更に、介在スペース130と位置合わせして横方向に延在するスロット137を含む。スロット137は、二次壁113の外形を補完する方法で、先細りして2つの方向に分かれていてよく、これにより、第2のコネクタ86が第3のコネクタ104と嵌合する場合、スロット137は、二次壁113と位置合わせされ、二次壁113上に配置されるため、第2のコネクタ86と第3のコネクタ104との間に確実な係合を提供する助けとなり得る。
【0038】
図13は、コネクタアセンブリ100の使用法のうちの1つの断面図であり、ヒートシンク93がチップパッケージ88(プロセッサ90を含むことができる)に取り付けられている。プロセッサ90は、マザーボード53と嵌合した基板91に取り付けられている。図示されたマザーボード53は、基板91と嵌合するために、はんだボール、及びマザーボード53を通りマザーボード53の下側にある接点まで垂直に延在する一連のビア153を使用する。第3のコネクタ104は、マザーボード53に取り付けられ、第2のコネクタ86は、第2のコネクタ86の各々を対応するレセプタクル114と位置合わせするために構成されたキャリア150内で支持され、キャリア150は、クリップ151により保持される。したがって、理解されるように、第3のコネクタ104は、チップパッケージ88に隣接して取り付けられ、チップパッケージ88と通信する。ビア153は、回路基板トレースの使用に固有のインピーダンス問題を招くことなく、高速信号伝送用に最適化することができ、回路基板の6〜18層を除去する手助けをする。コネクタアセンブリ100の簡略化されたバージョンを、
図13の右側に示す。
【0039】
理解されるように、コネクタアセンブリ100は、示されている直列構成及び直角の第2のコネクタを含み、取り付けポイントの上方の高さが約10mmで、付随するケーブルには屈曲がある、低プロファイルに製造することができる。このように高さが低いと、第3のコネクタを、ルーティングアセンブリの高さを不必要に高くすることなく、基板又は支持マザーボード上の開口部76の周囲内に配置できる。約4平方ミリメートルの個々のプラグコネクタの全体の設置面積が考えられる。各信号伝送チャネルの信号及び接地導体の三角形の配列は、ケーブル及びコネクタアセンブリを通って維持することができる。また、個々の第2のコネクタ86の使用により、ヒートシンク93上の空気流の使用を通じて、効果的な放熱が可能になり、またその構造により、ヒートシンク93は、より大きな空間を有し、したがって大きくすることができる。
【0040】
図示された構成は、12〜25GHzの信号周波数レートにて信号をそれから伝送するために、FR4回路基板材料を使用するシステムの場合より損失を著しく低くする(挿入損失の半分未満)ことが可能である。信号周波数範囲は周知のように、最大100Gbpsのデータレートを提供することができる(PAM4符号化を使用)。
【0041】
本明細書で提供される開示は、その好ましい例示的な実施形態の観点で特徴を説明している。添付の請求項の範囲及び趣旨の範囲内で、数多くの他の実施形態、修正、及び変形が、本開示の検討から当業者に想起されるであろう。