(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6626229
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】小物用携帯収納具
(51)【国際特許分類】
A45C 13/00 20060101AFI20191216BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
A45C13/00 A
A45C11/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-51837(P2019-51837)
(22)【出願日】2019年3月3日
【審査請求日】2019年3月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518098911
【氏名又は名称】鈴木 涼太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 涼太
【審査官】
粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3211396(JP,U)
【文献】
特開2015−213720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00−13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
小物を収納し、天面が開口された柱状の空洞を有すると共に、底面部、正面部、該正面部と対向すると共に、高さが前記正面部よりも低い背面部、一方の側面部、他方の側面部とを有する四角柱状の収納ケースと、前記収納ケースの前記開口を開放したり、塞いだりする蓋部材と、を備えた小物を収容する小物用携帯収納具であって、
前記蓋部材は、側面視逆V形状で、板状の一辺部と対峠する板状の他辺部と、一辺部と他辺部とにより先端を共有する共有部と、前記共有部と反対側が開放されている開放部とを備え、前記他辺部の端部は前記背面部の上端部に連結されると共に、横方向に切り込みを入れた折り曲げ部を有しており、
前記一辺部は、前記収納ケースの内側面に当接した状態で、押圧力に対して可撓性を有し、前記押圧力の解除に伴って復帰するように形成されている、
ことを特徴とする小物用携帯収納具。
【請求項2】
小物を収納し、天面が開口された柱状の空洞を有すると共に、底面部、正面部、該正面部と対向すると共に、高さが前記正面部よりも低い背面部、一方の側面部、他方の側面部とを有する四角柱状の収納ケースと、前記収納ケースの背面部にヒンジ部材により連結され、前記開口を開放したり、塞いだりする蓋部材と、を備えた小物を収容する小物用携帯収納具であって、
前記蓋部材は、側面視逆V形状で、板状の一辺部と対峠する板状の他辺部と、一辺部と他辺部とにより先端を共有する共有部と、前記共有部と反対側が開放されている開放部とを備え、前記一辺部は、外側面が前記収納ケースの内側面に当接した状態で、押圧力に対して可撓性を有し、前記押圧力の解除に伴って復帰するように形成されており、
前記ヒンジ部材は、前記他辺部の端部が連結された第1の固定部と、前記背面部に連結された第2の固定部と、前記第1の固定部と前記第2の固定部との連結部を回動自在にする回動部を、
備えたことを特徴とする小物用携帯収納具。
【請求項3】
前記一辺部の側面端の一方と前記他辺部の側面端の一方とを連結する第1の連結部材と、前記一辺部の側面端の他方と前記他辺部の側面端の他方とを連結する第2の連結部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の小物用携帯収納具。
【請求項4】
前記他辺部を摺動しながら押圧することにより、前記一辺部を収納ケースの内側面に当接して前記収納ケースの開口を塞ぐ閉塞手段を、
備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載の小物用携帯収納具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小物を収納する小物用携帯収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の小物を収納する小物用携帯収納具は、下記特許文献1に記載のように、小物を収容する内部空間を有し、上部と下部を開口した四方形のケースの上部にホックをつけた保持上部ベルトを設け、下部にもホックをつけた保持下部ベルトを設け、保持上部ベルトの中央辺りにナスカンを取付けてベルトステイループに装着するものがある。
【0003】
上記収納ケースは、保持上部ベルトの中央辺りの箇所にナスカンを取付け、ベルトステイループに装着して使用する。スマートフォン(以下、スマホという)を簡易に持ち運びができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−213720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、発明者は、上記収納ケースでは、小物を収納するには、使用者が収容部の下部の開口を下部釦と下部ホックとを留めて、下部の開口を塞いだ状態で、小物としてスマホを収容部に収納する。続いて、上部開口を塞ぐために上部釦と上部ホックとを留める。一方、小物を取出すには、使用者が下部開口を開放するために、下部釦と下部ホックとを外し、小物を取り出す。再び、下部開口を塞ぐために下部釦と下部ホックとを留める。即ち、小物の収容及び取出しに伴う収納ケースの開口を塞いだり、開放したりするのに釦とホックとを留めたり外したりしなければならず面倒であるという課題を見出した。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するもので、簡易な構成で、収容ケースの開口を塞いだり、開放したりできる小物を収納する小物用携帯収納具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る小物用携帯収納具は、小物を収納し、天面が開口された柱状の空洞を有すると共に、底面部、正面部、該正面部と対向すると共に、高さが前記正面部よりも低い背面部、一方の側面部、他方の側面部とを有する四角柱状の収納ケースと、前記収納ケースの前記開口を開放したり、塞いだりする蓋部材と、を備えた小物を収容する小物用携帯収納具であって、前記蓋部材は、側面視逆V形状で、板状の一辺部と対峠する板状の他辺部と、一辺部と他辺部とにより先端を共有する共有部と、前記共有部と反対側が開放されている開放部とを備え、前記他辺部の端部は前記背面部の上端部に連結されると共に、横方向に切り込みを入れた折り曲げ部を有しており、前記一辺部は、前記収納ケースの内側面に当接した状態で、押圧力に対して可撓性を有し、前記押圧力の解除に伴って復帰するように形成されている、ことを特徴とするものである。
上記小物用携帯収納具によれば、収納ケースの開口が開放している状態で、使用者により蓋部材の他辺部が折り曲げ部を介して起立すると、蓋部材の一辺部の外側面を収納ケースの内側面に当接して、収納ケースの開口が蓋部材により塞がれる。
この状態から、小物としてのスマホの先端部を蓋部材の一辺部の外側面を押すと、一辺部が内側に撓み、収納ケースの開口が開放してスマホを収納ケース内に収納する。収納されると、蓋部材の一辺部は、スマホによる押圧力が解除し、復帰して収納ケースの内側面に当接する。これにより、蓋部材により収納ケースの開口が塞がれる。従って、簡易にスマホを収納ケースに収納できる。
一方、収納されたスマホを取り出すには、蓋部材の他辺部を収納ケースに対して、折り曲げ部を介して外側に倒すと、収納ケースの開口が開放して、収納ケースを逆さまにしてスマホを容易に取り出すことができる。
【0008】
他の発明に係る小物用携帯収納具は、小物を収納し、天面が開口された柱状の空洞を有すると共に、底面部、正面部、該正面部と対向すると共に、高さが前記正面部よりも低い背面部、一方の側面部、他方の側面部とを有する四角柱状の収納ケースと、前記収納ケースの背面部にヒンジ部材により連結され、前記開口を開放したり、塞いだりする蓋部材と、を備えた小物を収容する小物用携帯収納具であって、前記蓋部材は、側面視逆V形状で、板状の一辺部と対峠する板状の他辺部と、一辺部と他辺部とにより先端を共有する共有部と、前記共有部と反対側が開放されている開放部とを備え、前記一辺部は、外側面が前記収納ケースの内側面に当接した状態で、押圧力に対して可撓性を有し、前記押圧力の解除に伴って復帰するように形成されており、前記ヒンジ部材は、前記他辺部の端部が連結された第1の固定部と、前記背面部に連結された第2の固定部と、前記第1の固定部と前記第2の固定部との連結部を回動自在にする回動部を、備えたことを特徴とするものである。
上記小物用携帯収納具によれば、収納ケースの開口が開放している状態で、使用者が蓋部材の他辺部をヒンジ部材の回動部を介して起立すると、蓋部材の一辺部の外側面を収納ケースの内側面に当接して、収納ケースの開口が蓋部材により塞がれる。
この状態から、小物としてのスマホの先端部を蓋部材の一辺部の外側面を押すと、一辺部が内側に撓み、収納ケースの開口が開放してスマホを収納ケース内に収納する。収納されると、蓋部材の一辺部は、スマホによる押圧力が解除し、復帰して収納ケースの内側面に当接する。これにより、蓋部材により収納ケースの開口が塞がれる。従って、簡易にスマホを収納ケースに収納できる。
一方、収納ケースに収納されたスマホを取り出すには、蓋部材の他辺部を収納ケースに対して、ヒンジ部材の回動部を介して外側に倒すと、収納ケースの開口が開放して、収納ケースを逆さまにしてスマホを容易に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な構成で、収容ケースの上部開口を塞いだり、開放したりできる小物を収納する小物用携帯収納具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施の形態による小物用携帯収納具の斜視図である。
【
図2】
図1に示す小物用携帯収納具の縦断面図である。
【
図3】
図1の小物用携帯収納具を用い小物を収納及び取り出しする動作説明図である。
【
図4】他の実施の形態による小物用携帯収納具の縦断面図(a)、背面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本発明の一実施の形態を
図1及び
図2によって説明する。
図1において、小物を収納する小物用携帯収納具1は、小物を収納し、天面が開口3eされた柱状の空洞から成る収納部3mを有する四角柱状の収納ケース3を有している。収納ケース3は、底面部3aと、正面部3bと、正面部3bと対向すると共に、高さが正面部3bよりも低い背面部3cと、一方の側面部3dと、他方の側面部3fとを有している。収納ケース3の背面部3cの上端部に連結されると共に、開口3eを開放したり、塞いだりする蓋部材5を備えている。
【0012】
図1及び
図2において、図蓋部材5は板状で、一辺部5aと辺部5aと対向する他辺部5bとを有し、一辺部5aと辺部5aとの先端を共有する共有部5cを備え、側面視逆V形状に形成されている。ここで、一辺部5aと他辺部5bとの幅は、等しく、収納ケース3の収納部3mの幅よりも僅かに短く形成されている。蓋部材5の一辺部5aは、押圧力に対して内側に可撓性を有すると共に、押圧力の解除に伴って復帰するように形成されている。これにより、蓋部材5の一辺部5bの外側面が収納ケース3の内側面を摺動自在に挿入し得るように形成されている。ここで、蓋部材5の材質としては可撓性を有する樹脂、皮が好ましい。蓋部材5の他辺部5bの端が収納ケース3の背面部3bの上端部に連結する連結部に折り曲げ部7を有している。ここに、折り曲げ部7は、他辺部5bの端部領域を横方向に切り込みが複数形成されている。これにより、他辺部5bが折り曲げ部7により収納ケース3の背面部3cの外側と内側に対して折り曲げ容易となっている。なお、共有部5cの反対側に一辺部5aと他辺部5bとにより開放部5eを有している。
【0013】
上記のように構成された小物用携帯収納具を用い小物としてスマホを収納する使い方を
図3より説明する。
図3(a)に示すように蓋部材5の一辺部5aを手により折り曲げ部7を介して倒すと、収納ケース3の開口3eが開放する。この状態から、
図3(b)に示すように、手により蓋部材5の他辺部5bを折り曲げ部7を介して起立すると、蓋部材5の一辺部5aの外側面が収納ケース3の内側と当接して、開口3eが蓋部材5により塞がれる。次に、
図3(c)に示すように、手に持ったスマホ20の先端部を蓋部材5の一辺部5b外側面に押すと、一辺部5aが内側に撓むことにより、スマホ20が収納ケース3内を摺動移動する。
【0014】
やがて、
図3(d)に示すように、スマホ20が収納ケース3内に収納する。収納されると、スマホ20による蓋部材5の一辺部5aへの押圧力が解除し、該一辺部5aが復帰して収納ケース3の内側面に当接して、蓋部材5により収納ケース3の開口3eを塞ぐ。この状態で、スマホ20が上下動等して蓋部材5の一辺部5aを内側から押圧しても、一辺部5aの端が収納ケース3の内面で制止される。よって、収納ケース3からスマホ20が出にくくなっている。収納されたスマホ20を取り出すには、
図3(a)に示すように、手により蓋部材5の一辺部5aを折り曲げ部7を介して倒すと、収納ケース3の開口3eが開放し、この状態で、収納ケース3を下側に向けると、スマホ20を容易に取り出すことができる。
【0015】
実施の形態2.
本発明の他の実施の形態を
図4によって説明する。本実施の形態では、蓋部材5の一辺部5aを収納ケース3の開口3eを開放した際に蓋部材5の開放部5eが開きすぎを防止することにより、収納ケース3の開口3eを円滑に塞ぐものである。このため、蓋部材5の一辺部5aの側面端の一方と他辺部5bの側面端の一方とを連結する第1の連結部材31と、蓋部材5の一辺部5aの側面端の他方と他辺部5bの側面端の他方とを連結する第2の連結部材32と、を有している。
【0016】
また、本実施の形態におけるヒンジ部材50は、第1の固定部51と、第2の固定部52の端部を連結する連結部を回動する回動部54を備えている。ヒンジ部材50の第1の固定部51を蓋部材5の他辺部5bの端部に固定し、第2の固定部52を収納ケース3の背面部3cの上段部に固定されている。これにより、第1の固定部51と、第2の固定部52とが回動部54により回動自在となり、蓋部材5の他辺部5bの起立及び倒立が容易となっている。なお、回動部54は、第1の固定部51、第2の固定部52の端部に設けた円筒形の第1、第2の筒部に棒状のピン部材が挿入されて形成されている。
【0017】
また、本実施の形態では、蓋部材5の他辺部5bを摺動しながら押圧して一辺部5aを収納ケース3の内側面に当接して開口3eを塞ぐ閉塞手段を有している。これにより、収納ケース3の開口3eを塞ぐのが容易になる。閉塞手段は、収納ケース3の背面部3cには、板状の押圧部材60の端部をネジ65により回転自在に取付けらけれ、押圧部材60を回転して蓋部材5の他辺部5bを摺動しながら押圧すると、蓋部材5の他辺部5bが起立して一辺部5aが収納ケース3の内側面に当接して開口3eを塞ぐように形成されている。
【符号の説明】
【0018】
1 小物用携帯収納具、3 収納ケース、3a 底面部、3b 正面部、3c 背面部、3d 一方の側面部、3f 他方の側面部、3e 開口、5 蓋部材、5a 一辺部、5b 他辺部、5c 共有部、7 折り曲げ部、5e 開放部、31 第1の連結部材、32 第2の連結部材、50 ヒンジ部材、51 第1の固定部、52 第2の固定部、54 回動部、60 押圧部材。
【要約】 (修正有)
【課題】簡易な構成で、収容ケースの開口を開閉できる小物を収納する小物用携帯収納具を提供する。
【解決手段】天面が開口された空洞を有すると共に、底面部3a、正面部3b、高さが正面部よりも低い背面部3c、一方の側面部3d、他方の側面部3fとを有する四角柱状の収納ケース3と、収納ケース3の背面部に連結され、開口を開閉自在にする蓋部材5と、を備えた小物用携帯収納具1であって、蓋部材5は、側面視逆V形状で、一辺部5aと対峙する他辺部5bと、共有部5cと反対側が開放されている開放部5eと、他辺部5bの端部が背面部3cの上端部に連結し、他辺部5bの端部には、横方向に切り込みを入れた折り曲げ部7と、を備え、一辺部5aは収納ケース3の内側面に当接し、押圧力に対して可撓性を有し、押圧力の解除に伴って復帰するように形成されている。
【選択図】
図1