特許第6626239号(P6626239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6626239流体力学的分離層をスタックおよびシールするための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626239
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】流体力学的分離層をスタックおよびシールするための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B03B 5/28 20060101AFI20191216BHJP
【FI】
   B03B5/28 A
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-40617(P2014-40617)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2014-180662(P2014-180662A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】13/839,146
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502096543
【氏名又は名称】パロ・アルト・リサーチ・センター・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Palo Alto Research Center Incorporated
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・マシュー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】アストッシュ・コール
(72)【発明者】
【氏名】カイ・メルデ
【審査官】 小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−274066(JP,A)
【文献】 特開2007−252987(JP,A)
【文献】 特開2010−000428(JP,A)
【文献】 特開昭54−115680(JP,A)
【文献】 特開2011−104554(JP,A)
【文献】 特開2005−169213(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/094764(WO,A1)
【文献】 特開平07−047243(JP,A)
【文献】 特開平07−096150(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0126981(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00355285(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/00、19/24
B03B 1/00−13/06
B04C 1/00−11/00
C02F 1/00−1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体力学的分離デバイスであって、
スタックされた複数の層であって、各層は内部に流路、前記流路への入口、および前記流路の少なくとも2つの出口を画定されている、複数の層と、
前記スタックの第1の端部上に位置する第1のプレートと、
前記スタックの第2の端部上に位置する第2のプレートと、
前記第1のプレート、スタックおよび第2のプレートをともに圧迫するためのコネクタと、を備え
前記各層において、前記層の一方の面に円周方向に延在する連続した突出部が形成され、前記流路は前記突出部に沿って前記突出部の頂面に形成され、前記入口から流入した流体に流体力学的力を作用させることにより、前記流体の中の粒子を前記出口から選択的に排出させる流路であり、
前記各層には、前記突出部の頂面における前記流路の両側に位置する一次シール面と、前記突出部の側面において前記一次シール面に隣接する二次シール面とが、前記流路の輪郭に沿って形成され、これによって前記層を積層したとき、各流路は、前記層の前記流路が形成された側の面に積層される隣接する層と密着してシールされ、
前記層の夫々には、前記流路の外側に前記コネクタを挿通するための開口が設けられているとともに、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートにも前記コネクタを挿通するための開口が設けられ、
前記層を積層して形成されたスタックにおいては、夫々の層の入口、出口、および開口を整列させることにより、共通の入口流路および出口流路が形成されるとともに、前記層における前記流路の外側に位置する前記コネクタを挿通するための貫通路が形成され、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、前記第1のプレートの開口と前記第2のプレートの開口とが前記スタックの貫通路と整列されるように前記スタックの第1の端部および第2の端部に夫々位置され、
前記コネクタは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの開口および前記スタックにおける貫通路に挿通される、デバイス。
【請求項2】
各層が、そこから伸張するとともに前記層に隣接する層の突起を受け入れるように構成された突起をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
各層において、前記一次シール面は高度に研磨された面である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
各層において、前記二次シール面は高度に研磨された面である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
各層が、前記層の間に、柔軟なガスケットまたはOリングのような材料をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
各層が、柔軟なポリマー層を被覆される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
流体力学的分離デバイスであって、
スタックされた複数の層であって、各層は内部に流路、前記流路への入口、および前記流路の少なくとも2つの出口を画定されている、複数の層と、
前記スタックを収容する円筒形シェルであって、前記円筒形シェルの内周面上に形成された第1のネジ部および第2のネジ部を有する、円筒形シェルと、
前記円筒形シェルの前記第1のネジ部にネジ嵌めされる第1のプレートと、前記円筒形シェルの前記第2のネジ部にネジ嵌めされる第2のプレートとを備え、
前記各層において、前記層の一方の面に円周方向に延在する連続した突出部が形成され、前記流路は前記突出部に沿って前記突出部の頂面に形成され、前記入口から流入した流体に流体力学的力を作用させることにより、前記流体の中の粒子を前記出口から選択的に排出させる流路であり、
前記各層には、前記突出部の頂面における前記流路の両側に位置する一次シール面と、前記突出部の側面において前記一次シール面に隣接する二次シール面とが、前記流路の輪郭に沿って形成され、これによって前記層を積層したとき、各流路は、前記層の前記流路が形成された側の面に積層される隣接する層と密着してシールされ、
前記層を積層して形成されたスタックにおいては、夫々の層の入口および出口を整列させることにより、共通の入口流路および出口流路が形成されるとともに、
前記円筒形シェルの第1のネジ部に前記第1のプレートを、前記円筒形シェルの第2のネジ部に前記第2のプレートを螺合させることにより、前記スタック内の前記複数の層が前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間で圧迫される、デバイス。
【請求項8】
各層が、そこから伸張するとともに前記層に隣接する層の突起を受け入れるように構成された突起をさらに含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
各層が、前記流路に近接する、高度に研磨されたシール面をさらに含む、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
スタックされた複数の層を有する流体力学的分離デバイスを形成する方法であって、各層が内部に、各層の一方の面上に設けられた円周方向に延在する連続した突出部、前記突出部の頂面に設けられ、入口から流入した流体に流体力学的力を作用させることにより、前記流体の中の粒子を出口から選択的に排出させる流路、前記流路への前記入口、前記流路の少なくとも2つの前記出口、および前記層から伸張するとともに前記層に隣接する層の突起を受け入れるように構成された突起を画定されており、且つ前記各層には、前記突出部の頂面における前記流路の両側に位置する一次シール面と、前記突出部の側面において前記一次シール面に隣接する二次シール面とが、前記流路の輪郭に沿って形成され、これによって複数の層を積層した状態においては、一の層の流路は、前記一の層における流路が形成された側の面に積層された他の層と密着してシールされ、
前記方法は、隣接する層の前記突起を互いに整列させることにより、夫々の層の入口、出口、および開口を整列させて共通の入口流路および出口流路を形成するステップと、
隣接する層の前記突起が係合するように層をともにスナップ止めしてスタックにするステップと、
2つのプレートの間で前記層を圧迫するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体力学的分離層をスタックおよびシールするための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな構成の流体力学的分離デバイスが長年にわたって発達してきている。そのようなシステムを大量に、コスト効率的に製造することが望ましくなってきている。これに関連して、これらのデバイスを作製およびシールするための相応の技法が所望されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に記載する実施形態の一態様において、流体力学的分離デバイスは、スタックされた複数の層であって、各層は内部に流路、当該流路への入口、当該流路の少なくとも2つの出口、および当該層内に画定される開口を画定されている、複数の層と、スタックの第1の端部上に位置する第1のプレートであって、当該第1のプレートは開口を有する、第1のプレートと、スタックの第2の端部上に位置する第2のプレートであって、当該第2のプレートは開口を有する、第2のプレートと、第1のプレート、スタックおよび第2のプレートをともに圧迫するための、スタック、第1のプレートおよび第2のプレートの整列した開口内に受け入れられるコネクタと、を備える。
【0004】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、各層は、そこから伸張する整列突起をさらに含む。
【0005】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、突起はその上に配置されている肩部を有する。
【0006】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、各層は、流路に近接する、高度に研磨されたシール面をさらに含む。
【0007】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、各層は、高度に研磨されたシール面に近接する、二次シール面をさらに含む。
【0008】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、スタックの各層はプラスチック材料から形成される。
【0009】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、プラスチック材料は最終用途に適した溶融加工ポリマーである。
【0010】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、第1のプレートおよび第2のプレートは金属またはプラスチック材料から形成される。
【0011】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、流体力学的分離デバイスは、スタックされた複数の層であって、各層は内部に流路、当該流路への入口、および当該流路の少なくとも2つの出口を有する、複数の層と、前記スタックを収容する円筒形シェルであって、当該シェルは第1のネジ部および第2のネジ部を有する、シェルと、シェルの第1のネジ部にネジ嵌めされる第1のプレートと、シェルの第2のネジ部にネジ嵌めされる第2のプレートとを備え、スタック内の複数の層は第1のプレートと第2のプレートとの間で圧迫される。
【0012】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、各層は、そこから伸張する整列突起をさらに含む。
【0013】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、突起はその上に配置されている肩部を有する。
【0014】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、各層は、流路に近接する、高度に研磨されたシール面をさらに含む。
【0015】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、各層は、高度に研磨されたシール面に近接する、二次シール面をさらに含む。
【0016】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、スタックの各層はプラスチック材料から形成される。
【0017】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、プラスチック材料は最終用途に適した溶融加工ポリマーである。
【0018】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、第1のプレートおよび第2のプレートは金属またはプラスチック材料から形成される。
【0019】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、スタックされた複数の層を有する流体力学的分離デバイスを形成する方法であって、各層は内部に流路、当該流路への入口、当該流路の少なくとも2つの出口、および層から伸張する突起を画定されている、方法は、隣接する層の突起を互いと整列させるステップと、隣接する層の突起が係合するように層をともにスナップ止めしてスタックステップと、2つのプレートの間で層を圧迫するステップとを含む。
【0020】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、圧迫するステップは、スタックの層およびプレートの整列した開口内に受け入れられるコネクタを使用するステップを含む。
【0021】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、圧迫するステップは、プレートを、スタックを収容する円筒形シェルにネジ嵌めするステップを含む。
【0022】
本明細書に記載する実施形態の別の態様において、スナップ止めするステップは、各層から伸張する突起上に配置される肩部によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本明細書に記載する実施形態による流体力学的分離ユニットの立面図である。
図2a図2aは、図1の流体力学的分離ユニットのいくつかの層の断面図である。
図2b図2bは、図1の流体力学的分離ユニットのいくつかの層の断面図である。
図3図3は、図1の流体力学的分離ユニットの層の立面図である。
図4図4は、本明細書に記載する実施形態による別の流体力学的分離ユニットの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載する実施形態によれば、高出力流体力学的分離デバイスまたはユニットは一形態において、いくつかの構成要素または部分を含む。これに関連して、最上部プレートおよび最下部プレートは分離路の層に対するキャップとしての役割を果たし、分離路の層を通じて力を分散させる。分離路の層のより小規模なサブセットを作成するために任意選択の中間プレートも設けられてもよい。コネクタ、または、一連のコネクタ、たとえば通しボルトのような接続システムが、分離路の層を圧迫し、効率的にシールするための構成要素の組み合わせに使用される。設計の変形形態において、任意選択の外殻がユニットを包み込んで、特有のネジ嵌め構成で支持を提供し、スタックを圧迫してもよい。
【0025】
図1を参照すると、本明細書に記載する実施形態によるユニット10が示されている。図示のように、14に示すもののような個々の層から成るサブスタック12−1が、最上部プレート16と中間プレート20との間で圧迫されており、符号14を付したものと同様の構成の層から成るもう1つのサブスタック12−2が、中間プレート20と最下部プレート18とによって圧迫されて示されている。中間プレート20は任意選択である。中間プレート20がない場合、サブスタック12−1および12−2の両方が最上部プレート16と最下部プレート18との間で圧迫される。少なくとも1つのコネクタ、または複数のコネクタ、たとえば通しボルト22のような接続システムも図示されている。コネクタまたは通しボルト22はプレート16、18および20を通して接続して、スタック12内の層14を圧迫する。これに関連して、プレート16、18および20は、ボルト22を受けるために整列されることができる適切な数の(たとえば、少なくとも1つの)開口または貫通孔を有する。一形態において、これらの開口または貫通孔は、ネジボルトがスタック12に対して圧迫力を提供することを可能にするためにネジ嵌めされてもよい。または、別の形態において、開口または貫通孔は、ボルトの頭、および反対の端部でネジ嵌めされた対応するナットが、必要な圧迫力を生成および維持することを可能にするように構成されてもよい。通しボルト22は、いくつかの構成において層14を通して挿入されてもよい。
【0026】
層14はいかなる数の構成をとってもよいことが理解されるべきであるが、この構成に適合するための貫通孔または開口を有する層の一例を下記図3に示す。層14は、少なくとも一形態において、射出成形技法を使用して生成され、たとえば、溶融によって加工された材料を含む任意の適切な材料から形成されてもよい。そのような材料は、ポリカーボネート、ポリエステル、プリプロピレンなどのようなプラスチック材料を含んでもよい。
【0027】
層14は、別の一形態において、熱成形技法によって生成され、たとえば、熱成形技法によって加工可能である材料を含む任意の適切な材料から形成されてもよい。そのような材料は、ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含んでもよい。
【0028】
層14は、別の形態において、アルミニウム、鋼鉄、ステンレス鋼、チタン、マグネシウムまたは別の適切な金属材料の砂型鋳造または降圧ダイキャスティングのいずれかによって生成される。
【0029】
層14は、別の形態において、上記または他の技法のいずれかによって生成され、機械加工および材料の除去の工程によって高品質の表面仕上げがもたらされる。
【0030】
同様に、プレート(16、18および20)は、本明細書において企図される特徴に適合するためのさまざまな適切な構成を呈してもよく、プラスチックまたは金属材料のような、任意の適切な材料から形成されてもよい。標準的な市販品またはカスタム形成であってもよい企図されるボルトもまた、プラスチックまたは金属のようなさまざまな適切な材料のいずれから作製されてもよい。さらに、任意の適切なコネクタまたは接続システムが実装されてもよい。任意の適切な数のコネクタが使用されてもよい。
【0031】
ここで図2aを参照すると、ユニット10のスタック12の層14が断面図で示されている。各個々の層14は、2つの表面を圧迫することによってシールされる。一次シールは一次分離直径の平面に平行であり、側壁は二次シール面として作用する。これに関連して、層14は、一次シールとして作用する表面リップ30、および、二次シール面としての役割を果たす喫水部32を有する。リップ30および喫水部32は企図されるシールのための接触領域を提供し、図示のように、上にある層の下面と適切に接触し、当該下面によってシールする。少なくとも1つの形態において、表面リップ30および喫水部32は、成形工程(または他の様態)の結果として高度に研磨されている。この結果として表面粗度が低くなっており、圧迫されたときに、層14の互いに対するシールの改善につながる。
【0032】
各層14間で表面をシールする別の方法において、製造された後の部分全体が蒸着または無電解めっきのような工程を通じて被覆される。めっき材料は、自然状態でポリマーよりも柔軟であるか、または、ポリマーよりも柔軟な表面を与えるポリマーを浸透されているかのいずれかである。
【0033】
ここで図2bを参照すると、各層14間で表面をシールする別の方法において、シール材料(または構造もしくはデバイス)が層間に配置されてシールがもたらされる。図示のように、シール材料(構造またはデバイス)34および36は、層間のシール機能を提供または増強するように適切に位置づけられる。一形態において、ガスケット材料、または、Oリングおよび他のシールデバイスの構築に使用される材料と同様の任意の適切なゴム材料のような柔軟な材料が、要素34および36を形成するのに使用されてもよい。また、一形態において、シールをもたらすために薄いポリマー材料が使用される。シール材料34および36の構成は変化してもよいが、一形態において、有意義なシール機能を提供するために、層の周囲に適切に延在する、リップ30および喫水部32に従う形状を呈することになることも認められるべきである。
【0034】
別のシール方法において、表面は、選択される構成材料に適切であるような、ヒートシールまたは超音波溶接の工程を通じてともに接合される。そのような技法を使用する結果として、リップおよび喫水部の外観が変化して、図2bに示すもののような構造に類似することになり得るか、または、単に適切な表面の接合が形成されて図2aの構成に類似することに成り得る。
【0035】
ここで図3を参照すると、単一の層14が描かれている。層14は、規定の幅および(実施態様に応じて入口42ならびに出口44および46において終端する深さを有する流路40を含む。図示のように、一次シール面またはリップ30および二次シール面32は、層14を巡る流路40の輪郭に従い、動作中に流路に対する(たとえば、記載するような)適切なシールを提供する。そのような動作中、一形態において、流体が、入口42を通じて流路40内に流入し、流体流に作用するさまざまな流体力の作用を通じて、粒子は出口44および46を通じて選択的に流路40を出る複数の流路に分離される。
【0036】
これに関連して、例として、遠心力、圧力駆動力、ディーン渦力、浮力などのようなさまざまな力を使用する技法が、(たとえば、図1および図4に記載するもののような)本明細書に記載する分離デバイス内で粒子を分離するのに使用されてもよい。
【0037】
一形態において、入口および両方の出口は互いに近接して位置する。入口および出口は、用途に応じて流路の直径に沿った任意の点に位置し得る。少なくとも1つの形態において、スタック、整列およびシールされた個々の層14(たとえば、図1および図4におけるもののような)が、層のそれぞれの入口42ならびに出口44および46を整列させることによって、システムの、および/またはシステムを通る共通の入口経路および出口経路を形成することも認められるべきである。少なくとも1つの形態において、これらの共通の入口および出口は封冠されてもよく、かつ/または、任意の所与の実施態様にとって適切であり得る、適切な接続、ホース、管、線、弁、配管、ハードウェア、ポンプ、接続金具、キャップなどを通じて他のデバイスもしくはシステムに接続されてもよい。少なくともいくつかの形態において、共通の入口および出口は、システムに入力される材料を並列に処理することを容易にする。そのような並列処理は、より高いスループットといった利点を提供する。
【0038】
単一の層14は、層の端部または周縁に沿った選択ロケーションにある開口または貫通孔48およびスナップ式突起50を有するようにも図示されている。貫通孔48は、図1に示すボルトを受け入れる。スナップ式突起50は、隣接する層を互いに接続することを可能にする構成を有する。突起50の正確な構成および数は、当業者であれば認めるように、変化してもよい。しかしながら、少なくとも1つの形態において、突起50は、隣接する層の対応する突起の下面に受け入れられ、適所にスナップ止めされるように設計される。これに関連して突起に肩部52が設けられている。各突起は、隣接する層の対応する突起を同様に受け入れるように同様に設計される。このように、層は、大まかな整列をもたらすためにともにスナップ止めされ、高度に研磨された領域の周囲でシールを形成するためにプレートによってともに押圧される。突起は、層をそれらの平面内に位置づけるだけでなく、層の平面度の任意の偏差を補正する役割も果たす。少なくとも1つの形態において、層は最初にともにスナップ止めされ、その後圧迫される。
【0039】
図4は、本明細書に記載する実施形態の変形形態を(断面で)示す。流体力学的力分離ユニット80は、外殻84内に収容されている複数の分離層82を含む。シェル84は、最上部プレート90および最下部プレート92をネジ嵌めによって受け入れるためのネジ部86および88を有する。層82は、さまざまな構成をとってもよいが、一形態において、図1図3に関連して説明した層14と同じ構成をとる。無論、層14の貫通孔はこの実施形態には必要なく、そのため、層82は実質的に、貫通孔のない層14と同様であってもよい。プレート90および92は、それらの端部上に、ネジ部86および88と係合するための対応するネジ部を有する。シェル84は、一形態において、プレート90および92を回してシェル84のネジ部86および88にネジ嵌めすることを可能にするために円筒形である。そのようにプレートをシェルにネジ嵌めすることによって、プレート90と92との間で層82の圧迫が可能になる。無論、企図される圧迫を達成するために、ネジ部86および88のサイズは、層82の数またはそのような層から成る任意のスタックの高さに合わせて適切に調節される。
【0040】
本明細書に記載する実施形態が企図する流体力学的力分離デバイスまたはユニットは、本明細書に記載する実施形態によって達成される特徴を促進するためのさまざまな様式のいずれかにおいて組み立てられてもよい。しかしながら、1つの手法は、隣接する層の突起を互いに整列させるステップと、隣接する層の突起が係合されるように層をともにスナップ止めしてスタックにするステップと、2つのプレートの間で層を圧迫するステップとを含む方法において実装される。整列およびスナップ止めは層を適切な向きにおいて整列させるだけでなく、そうでなければ隣接する層の効率的な載置およびシールを妨げる場合がある任意の望ましくない屈曲、湾曲または歪みを補正するのも助ける。また、一例において、整列およびスナップ止めは圧迫の前に実行される。この技法において、圧迫はさまざまな様式において達成されてもよい。図1図3に示す実施形態と一致する一例において、圧迫するステップは、スタックの層およびプレートの整列した開口内に受け入れられるボルトを使用するステップを含む。図4に示す実施形態と一致する別の例において、圧迫するステップは、プレートを、スタックを収容する円筒形シェルにネジ嵌めするステップを含む。また、当業者であれば認めるように、スナップ止めするステップは、各層から伸張する突起上に配置される肩部によって達成される。またさらに、他の例において、方法は、シール機能を抵抗または増強するために、層間に、本明細書に記載したもののような適切なシール材料(または構造もしくはデバイス)を配置または位置づけるステップをも含んでもよい。
図1
図2a
図2b
図3
図4