【文献】
次世代プロジェクト管理統合プラットフォーム SynViz S2,日立イノベーションフォーラム2014,株式会社日立ソリューションズ東日本,2014年10月30日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら説明する。
【0010】
≪構成≫
本実施形態のガントチャート生成装置1(
図1)は、制御部10、通信部20、および記憶部30といったハードウェアを含むコンピュータであり、具体的には、サーバである。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用回路から構成される。通信部20は、通信回線を介して情報を送受信する通信インターフェースによって構成され、内部バスなどを介して処理部に接続されている。記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュ(登録商標)メモリの記憶媒体から構成される。制御部10がCPUから構成される場合、制御部10を含むコンピュータによる情報処理は、CPUによるプログラム実行処理で実現する。また、そのコンピュータが含む記憶部30は、CPUが指令し、そのコンピュータの機能を実現するためのプログラム(ガントチャートの生成・管理用のプログラムを含む)を記憶する。これによりソフトウェアとハードウェアの協働が実現される。本実施形態は、前記情報処理を実行させるプログラムによって実現することができ、そのプログラムをコンピュータによる読み取り可能な記録媒体(例:CD−ROM)に記憶して提供することができる。また、そのプログラムを、インターネットなどのネットワークを通して提供することもできる。
【0011】
図1に示す表示装置Dは、ガントチャートを利用するユーザが用いるコンピュータであり、例えば、シンクライアントである。表示装置Dは、入力部、表示部、記憶部、および制御部といったハードウェアを備える(図示略)。表示装置Dは、ガントチャートの画面表示を制御する表示制御部40を有する。
なお、本実施形態中の「ユーザ」は、上記のように、ガントチャートを利用するユーザであり、ガントチャートで取り扱うプロジェクトのメンバと同義である。また、ユーザは、担当のプロジェクトを管理する「プロジェクト管理者」(例:上司。主に、日程調整を行う者。実作業を行ってもよい。)と、当該プロジェクトについてプロジェクト管理者の下で業務に取り組む「非プロジェクト管理者」(例:部下。主に、実作業を行う者。)に分類することができる。
【0012】
ガントチャート生成装置1の制御部10は、プロジェクト生成部11と、タスク生成部12と、オブジェクト生成部13と、関連線生成部14と、シャドウ生成部15と、ドキュメント登録部16と、ドキュメント参照部17と、実績設定部18とを備える。
【0013】
プロジェクト生成部11は、表示装置Dからのプロジェクト生成要求に応じて、ガントチャートのプロジェクトを生成する。プロジェクト生成部11は、複数のプロジェクトを表示装置Dの画面に多段表示可能となるようにプロジェクトを生成する。プロジェクト生成要求は、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。表示装置Dの表示制御部40は、例えば、自身のプロジェクト管理者のプロジェクトのガントチャートと、他のプロジェクト管理者のプロジェクトのガントチャートとを同じ画面上に、カレンダ(スケジュール)を共通にした態様で表示することができる。
【0014】
タスク生成部12は、表示装置Dからのタスク生成要求に応じて、ガントチャートのタスクを生成する。タスク生成部12は、表示装置Dが指定したプロジェクト内に、当該プロジェクトに従属するタスクを生成する。タスク生成要求は、当該タスクが従属するプロジェクトのID(Identifier)を含み、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。タスク生成部12は、表示装置Dからの要求に応じて指定されたタスクをプロジェクトに変換(格上げ)することができる。
【0015】
オブジェクト生成部13は、表示装置Dからのオブジェクト生成要求に応じて、ガントチャートのオブジェクトを生成する。本実施形態では、オブジェクトは、アクティビティとマイルストーンに分類されるとするが、これらに限定されない。オブジェクト生成要求は、当該オブジェクトを含むプロジェクトのIDを含み、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。オブジェクト生成部13は、表示装置Dが指定したプロジェクト内およびタスク内に、当該プロジェクトおよび当該タスクに従属するオブジェクトを生成する。オブジェクト生成部13は、1つのプロジェクト内および1つのタスク内に1または複数のオブジェクトを生成することができる。
なお、プロジェクトおよびタスクは、1または複数のオブジェクトを含めることができるという点で同一視することができる。よって、この点において、プロジェクトに関する説明は、タスクに対しても当てはまる。そこで、本実施形態では、プロジェクトに対して説明するにとどめ、タスクに対して説明を便宜上省略する場合がある。
【0016】
関連線生成部14は、表示装置Dからの関連線生成要求に応じて、ガントチャートの関連線を生成する。関連線生成部14は、表示装置Dが指定し、同一のプロジェクト内にある2つのオブジェクトの間に両者を関連付ける関連線を生成する。関連線生成要求は、当該関連線で関連付けられる2つのオブジェクトのID、および、これら2つのオブジェクトが所属するプロジェクトのIDを含み、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。
【0017】
シャドウ生成部15は、表示装置Dからのシャドウ生成要求に応じて、ガントチャートのシャドウを生成する。シャドウとは、自身のプロジェクト管理者(第2のプロジェクト管理者)が管理するプロジェクト(第2のプロジェクト)に配置可能となる、他のプロジェクト管理者(第1のプロジェクト管理者)が管理するプロジェクト(第1のプロジェクト)のオブジェクトのコピーである。シャドウ生成要求は、コピー元(オリジナルと呼ぶ場合がある)となるオブジェクトのIDを含み、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。
なお、関連線生成部14は、シャドウとオブジェクト(または別のシャドウ)とを関連付ける関連線を生成することができる。
【0018】
ドキュメント登録部16は、表示装置Dからのドキュメント登録要求に応じて、ガントチャートのオブジェクトに紐づけられるドキュメントを登録する。ドキュメントは、例えば、文書ファイルであり、表示装置Dにインストールされている周知の文書作成用アプリケーションによって作成される。ドキュメント登録要求は、ドキュメントを紐付ける対象となるオブジェクトのIDを含み、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。
【0019】
ドキュメント参照部17は、他のプロジェクト管理者のプロジェクト内のオブジェクトに、ドキュメント登録部16が登録したドキュメントが登録されている場合、当該ドキュメントを、シャドウ生成部15が生成したシャドウ(他のプロジェクト管理者のプロジェクト内のオブジェクトのシャドウ)にて参照可能とする。
【0020】
実績設定部18は、表示装置Dからの実績設定要求に応じて、オブジェクト生成部13が生成したオブジェクトの実績を設定する。オブジェクトの実績とは、当該オブジェクトで規定される計画の達成度であり、例えば、作業の進捗率で表わすことができる。進捗率の算出方法は、周知であり、オブジェクトの具体的態様によってさまざまであり、詳細な説明は省略する。例えば、1週間で1000個の物品を製造するというオブジェクトが生成されている場合、これまでに760個の物品が製造されたとき、進捗率は、76%とすることができる。実績設定要求は、進捗率の設定対象となるオブジェクトのIDを含み、表示装置Dの入力部の操作によって実行される。
シャドウ生成部15が生成したシャドウのオリジナルに対して、実績設定部18が実績を設定している場合、実績設定部18は、シャドウにも同じ実績を設定することができる。
【0021】
ガントチャート生成装置1の記憶部30は、プロジェクトテーブル31と、メンバテーブル32と、タスクテーブル33と、アクティビティテーブル34と、マイルストーンテーブル35と、関連線テーブル36と、シャドウテーブル37と、実績テーブル38と、ドキュメントテーブル39とを備える。
【0022】
(プロジェクトテーブル31)
プロジェクトテーブル31は、プロジェクト生成部11が生成したプロジェクトを記憶して管理する。
図2に示すように、プロジェクトテーブル31は、「ID」、「名称」、「プロジェクト開始日」、「プロジェクト終了日」といった項目を有し、プロジェクトごとにレコードが作成される。
【0023】
「ID」の項目には、プロジェクトの識別子が格納される。なお、
図2にて、項目に施されている下線は、その項目が主キーとなることを示す。他の図においても同様である。
「名称」の項目には、プロジェクトの名称(例えば、表示装置Dの入力部から入力指定)が登録される。
「プロジェクト開始日」の項目には、プロジェクトの開始日、つまり、ガントチャート中に描写されるプロジェクトの左端部が位置する日が格納される。
「プロジェクト終了日」の項目には、プロジェクトの終了日、つまり、ガントチャート中に描写されるプロジェクトの右端部が位置する日が格納される。
【0024】
(メンバテーブル32)
メンバテーブル32は、ガントチャート生成装置1が生成するガントチャートを利用するユーザ(メンバ)を記憶して管理する。
図3に示すように、メンバテーブル32は、「ユーザ名」、「プロジェクトID」、「役割」といった項目を有し、ユーザごとにレコードが作成される。
【0025】
「ユーザ名」の項目には、ガントチャートを利用するユーザの氏名が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、対象のユーザが担当するプロジェクトの識別子が格納され、プロジェクトテーブル31の「ID」に対応する。なお、このプロジェクトIDに関連付けられているユーザは、このプロジェクトIDで識別されるプロジェクトを担当するメンバとなる。
「役割」の項目には、対象のユーザが対応のプロジェクトに対する権限を示す値が格納される。例えば、「役割」の項目に格納される「プロジェクト管理者」は、対象のユーザが対応のプロジェクトを生成、編集、参照できることを意味する。また、「役割」の項目に格納される「参照」は、対象のユーザが対応のプロジェクトを参照することはできるが、生成、編集はできないことを意味する(つまり、非プロジェクト管理者に相当)。
【0026】
(タスクテーブル33)
タスクテーブル33は、タスク生成部12が生成したタスクを記憶して管理する。
図4に示すように、タスクテーブル33は、「ID」、「名称」、「タスク開始日」、「タスク終了日」、「従属元タスクID」といった項目を有し、タスクごとにレコードが作成される。
【0027】
「ID」の項目には、タスクの識別子が格納される。
「名称」の項目には、タスクの名称(例えば、表示装置Dの入力部から入力指定)が登録される。
「タスク開始日」の項目には、タスクの開始日、つまり、ガントチャート中に描写されるタスクの左端部が位置する日が格納される。
「タスク終了日」の項目には、タスクの終了日、つまり、ガントチャート中に描写されるタスクの右端部が位置する日が格納される。
「従属元タスクID」の項目には、対象のタスクが直接所属するタスクまたはプロジェクトの識別子が格納される。なお、ガントチャート中に生成されるプロジェクトおよびタスクは、プロジェクトをルートとするツリー構造をとる。
【0028】
(アクティビティテーブル34)
アクティビティテーブル34は、オブジェクト生成部13が生成したアクティビティを記憶して管理する。
図5に示すように、アクティビティテーブル34は、「ID」、「プロジェクトID」、「名称」、「開始日」、「終了日」、「ドキュメント」といった項目を有し、アクティビティごとにレコードが作成される。
【0029】
「ID」の項目には、アクティビティの識別子が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、対象のアクティビティが所属するプロジェクトの識別子が格納され、プロジェクトテーブル31の「ID」に対応する。
「名称」の項目には、アクティビティの名称(例えば、表示装置Dの入力部から入力指定)が登録される。
「開始日」の項目には、アクティビティの開始日、つまり、ガントチャート中に描写されるアクティビティの左端部が位置する日が格納される。
「終了日」の項目には、アクティビティの終了日、つまり、ガントチャート中に描写されるアクティビティの右端部が位置する日が格納される。
「ドキュメント」の項目には、対象のアクティビティに対して、ドキュメント登録部16が登録したドキュメントのファイル名が格納される。
なお、アクティビティテーブル34は、対象のアクティビティが所属するタスクのIDを含む項目を備えてもよい。
【0030】
(マイルストーンテーブル35)
マイルストーンテーブル35は、オブジェクト生成部13が生成したマイルストーンを記憶して管理する。
図6に示すように、マイルストーンテーブル35は、「ID」、「プロジェクトID」、「名称」、「予定日」、「ドキュメント」といった項目を有し、マイルストーンごとにレコードが作成される。
【0031】
「ID」の項目には、マイルストーンの識別子が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、対象のマイルストーンが所属するプロジェクトの識別子が格納され、プロジェクトテーブル31の「ID」に対応する。
「名称」の項目には、マイルストーンの名称(例えば、表示装置Dの入力部から入力指定)が登録される。
「予定日」の項目には、マイルストーンの予定日、つまり、ガントチャート中に描写されるマイルストーンが位置する日が格納される。
「ドキュメント」の項目には、対象のマイルストーンに対して、ドキュメント登録部16が登録したドキュメントのファイル名が格納される。
なお、マイルストーンテーブル35は、対象のマイルストーンが所属するタスクのIDを含む項目を備えてもよい。
【0032】
(関連線テーブル36)
関連線テーブル36は、関連線生成部14が生成した関連線を記憶して管理する。
図7に示すように、関連線テーブル36は、「ID」、「プロジェクトID」、「先行オブジェクトID」、「後続オブジェクトID」といった項目を有し、関連線ごとにレコードが作成される。
【0033】
「ID」の項目には、関連線の識別子が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、対象の関連線が配置されるプロジェクトの識別子が格納され、プロジェクトテーブル31の「ID」に対応する。なお、関連線テーブル36は、この「プロジェクトID」の項目を有さなくてもよい。
「先行オブジェクトID」の項目には、対象の関連線が関連付ける2つのオブジェクトのうちの1つの識別子である。このとき、オブジェクトがアクティビティである場合は、関連線は、このアクティビティの右端部(終了日)に関連付けられ、オブジェクトがマイルストーンである場合は、関連線は、このマイルストーンそのもの(予定日)に関連付けられる。
「後続オブジェクトID」の項目には、対象の関連線が関連付ける2つのオブジェクトのうちの1つの識別子である。このとき、オブジェクトがアクティビティである場合は、関連線は、このアクティビティの左端部(開始日)に関連付けられ、オブジェクトがマイルストーンである場合は、関連線は、このマイルストーンそのもの(予定日)に関連付けられる。
【0034】
図7に示すように、「Relation Line 002」で識別される関連線は、「Activity 002」で識別されるアクティビティのオリジナルと、「Shadow 001」で識別されるアクティビティのシャドウ(
図8参照)とを、関連付けることができる。つまり、関連線は、オリジナルとシャドウとを関連付けることができる。
また、「Relation Line 003」で識別される関連線は、「Shadow 001」で識別されるアクティビティのシャドウ(
図8参照)と、「Shadow 002」で識別されるマイルストーンのシャドウ(
図8参照)とを、関連付けることができる。つまり、関連線は、シャドウ同士を関連付けることができる。
【0035】
(シャドウテーブル37)
シャドウテーブル37は、シャドウ生成部15が生成したシャドウを記憶して管理する。
図8に示すように、シャドウテーブル37は、「ID」、「プロジェクトID」、「オリジナルオブジェクトID」、「オリジナルID」といった項目を有し、シャドウごとにレコードが作成される。
【0036】
「ID」の項目には、シャドウの識別子が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、対象のシャドウが所属するプロジェクトの識別子が格納され、プロジェクトテーブル31の「ID」に対応する。
「オリジナルオブジェクトID」の項目には、対象のシャドウのコピー元となるオブジェクトが所属するプロジェクトの識別子が格納される。
「オリジナルID」の項目には、対象のシャドウのコピー元となるオブジェクトの識別子が格納される。
【0037】
(実績テーブル38)
実績テーブル38は、実績設定部18が設定した実績を記憶して管理する。
図9に示すように、実績テーブル38は、「オブジェクトID」、「プロジェクトID」、「進捗率」といった項目を有し、オブジェクトごとにレコードが作成される。
【0038】
「オブジェクトID」の項目には、実績としての進捗率が設定されたオブジェクトの識別子が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、実績としての進捗率が設定されたオブジェクトが所属するプロジェクトの識別子が格納される。なお、実績テーブル38は、この「プロジェクトID」の項目を有さなくてもよい。
「進捗率」の項目には、対象のオブジェクトに設定された進捗率の値が格納される。なお、オブジェクトがマイルストーンである場合、進捗率は0(未達成)または100(達成)の2値しかとらない。
【0039】
(ドキュメントテーブル39)
ドキュメントテーブル39は、ドキュメント登録部16が登録したドキュメントを記憶して管理する。
図17に示すように、ドキュメントテーブル39は、「ID」、「ファイル名」、「プロジェクトID」、「オブジェクトID」といった項目を有し、ドキュメントごとにレコードが作成される。
【0040】
「ID」の項目には、ドキュメントの識別子が格納される。
「ファイル名」の項目には、ドキュメント登録部16が登録したドキュメントのファイル名が格納される。
「プロジェクトID」の項目には、対象のドキュメントが紐づけられるプロジェクトの識別子が格納され、プロジェクトテーブル31の「ID」に対応する。
「オブジェクトID」の項目には、対象のドキュメントが紐づけられるオブジェクトの識別子が格納される。
【0041】
≪処理≫
図10を参照して、本実施形態のガントチャート生成装置1の制御部10による、ガントチャートの多段表示に関する処理について説明する。
図10の処理は、表示装置Dにてガントチャートを表示するための操作がなされたときに開始し、ステップS1に進む。
【0042】
ステップS1にて、制御部10は、表示装置Dからガントチャート表示要求を受信する。ガントチャート表示要求には、多段表示の対象となる複数のプロジェクトのプロジェクトIDが含まれる。ステップS1の後、ステップS2に進む。
【0043】
ステップS2にて、制御部10は、ガントチャート表示要求に含まれるプロジェクトIDで識別される対象のプロジェクトのタスク、アクティビティ、マイルストーン、関連線、進捗率、および、シャドウを取得する。具体的には、制御部10は、プロジェクトテーブル31から対象のプロジェクトのレコードを抽出する。また、タスクテーブル33から、対象のプロジェクトに含まれるすべてのタスクのレコードを抽出する。また、アクティビティテーブル34から、対象のプロジェクト(および、このプロジェクトに含まれるタスク)に含まれるすべてのアクティビティのレコードを抽出する。また、マイルストーンテーブル35から、対象のプロジェクト(および、このプロジェクトに含まれるタスク)に含まれるすべてのマイルストーンのレコードを抽出する。また、関連線テーブル36から、対象のプロジェクトに含まれる(所属する)すべての関連線のレコードを抽出する。また、実績テーブル38から、対象のプロジェクトに含まれるオブジェクトに設定されているすべての実績(進捗率)のレコードを抽出する。また、シャドウテーブル37から、対象のプロジェクトに含まれるすべてのシャドウのレコードを抽出する。
なお、ステップS2にて、制御部10が取得するシャドウは、後記の
図12のシャドウの生成処理(ステップS14)によって生成されたシャドウである。
ステップS2の後、ステップS3に進む。
【0044】
ステップS3にて、制御部10は、ガントチャート表示要求にて指定されたプロジェクトについてガントチャートを生成する。具体的には、制御部10は、ステップS2にて抽出した各種レコードを用いてガントチャートの画像情報を生成する。ガントチャート表示要求にて指定されたプロジェクトが複数存在するとき、制御部10は、対象のプロジェクトごとのガントチャートを、カレンダを共通にした多段表示態様の画像情報として生成する。
ステップS3の後、ステップS4に進む。
【0045】
ステップS4にて、制御部10は、通信部20を介して、生成したガントチャート(複数)の多段表示態様の画像情報を表示装置Dに送信する。表示装置Dの表示制御部40は、ガントチャート生成装置1の制御部10から受信した画像情報を用いて表示部にガントチャートを画面表示する。
ステップS4の後、
図10の処理を終了する。
【0046】
図11に、表示装置Dにて、多段表示したガントチャートの画面表示例を示す。この画面表示例では、自身のプロジェクト管理者が担当するプロジェクト(新通信管理システム開発)のガントチャートが下段に表示され、自身のプロジェクト管理者が担当するプロジェクトに関連し、(他の部門に所属する)他のプロジェクト管理者が担当するプロジェクト(新通信管理システム調査。例えば、他のプロジェクト管理者がガントチャート表示用に作成したプロジェクトであり、自身のプロジェクト管理者は、このプロジェクトのメンバでもある。)のガントチャートが上段に表示されている。
【0047】
両ガントチャートにおいて、ルートとなるプロジェクトと、当該プロジェクトに従属したタスクとを、階層構造が明示されるように縦軸に並べて配置している。また、両ガントチャートに共通するカレンダを横軸に配置している。アクティビティ、マイルストーン、ドキュメント、関連線の画像は、
図11に示すとおりである。アクティビティおよびマイルストーンに関して、進捗率は、ドットの網掛け表示で示される。進捗率に変化があった場合、画面上のリロードボタン(図示せず)を操作すると、進捗率の最新状態を表示することができる。
なお、
図11の自身のプロジェクトのガントチャートには、他のプロジェクト管理者のオブジェクトのシャドウが生成されていないとするが、生成済みであれば、該当のシャドウが自身のプロジェクト内に表示される。
【0048】
図11に示すように、自身のプロジェクト管理者のガントチャートと、他のプロジェクト管理者のガントチャートとを多段表示することにより、自身のプロジェクト管理者のオブジェクトと他のプロジェクト管理者のオブジェクトとの時間的な前後関係を明瞭にすることができる。
【0049】
次に、
図12を参照して、本実施形態のガントチャート生成装置1の制御部10による、シャドウの生成処理について説明する。
図11の処理は、表示装置Dにて他のプロジェクト管理者のプロジェクト内のオブジェクトをコピーしたときに開始し、ステップS11に進む。
【0050】
ステップS11にて、制御部10は、表示装置Dから、他のプロジェクト管理者のプロジェクト内のオブジェクトをコピーにより生成して欲しい旨のシャドウ生成要求を受信する。シャドウ生成要求には、送信元の表示装置Dのプロジェクト管理者のID(ユーザ名)、コピー元のオブジェクトのID、コピー元のオブジェクトを含むプロジェクトのIDが含まれている。ステップS11の後、ステップS12に進む。
【0051】
ステップS12にて、制御部10は、シャドウ生成要求を解析して、シャドウ生成要求を送信したプロジェクト管理者についてシャドウ生成の権限を確認する。具体的には、制御部10は、メンバテーブル32(
図3)を参照して、シャドウ生成要求を送信したプロジェクト管理者の「役割」の値を判定する。「役割」の値が「プロジェクト管理者」であれば、当該ユーザはシャドウを生成する権限を有しており、シャドウの生成操作を受け付ける。一方、「役割」の値が「プロジェクト管理者」以外、例えば「参照」であれば、当該プロジェクト管理者はシャドウを生成する権限を有しないので、制御部10は、表示装置Dに、当該プロジェクト管理者はシャドウを生成することができない旨を通知し、本処理を終了する。
なお、制御部10は、メンバテーブル32(
図3)を参照して、シャドウ生成要求を送信した自身のプロジェクト管理者が、表示装置Dに表示されている他のプロジェクト管理者のプロジェクトのメンバであるか否かも確認する。基本的には、表示装置Dにて多段のガントチャート表示で表示されるプロジェクトは、自身のプロジェクト管理者がメンバとなっているプロジェクトであるとすることができる。
ステップS12の後、ステップS13に進む。
【0052】
ステップS13にて、制御部10は、生成しようとするシャドウのオリジナルとなるオブジェクトの存在を確認する。具体的には、制御部10は、アクティビティテーブル34およびマイルストーンテーブル35を参照して、シャドウ生成要求に含まれるコピー元のオブジェクトのIDを有するレコードを取得する。もし、(例えば、既に削除されたなどにより)レコードを取得できない場合、制御部10は、表示装置Dにシャドウを生成することができない旨を通知し、本処理を終了する。ステップS13の後、ステップS14に進む。
【0053】
ステップS14にて、制御部10は、シャドウ生成要求の対象となるシャドウを生成し、対応するレコードをシャドウテーブル37に追加登録する。ステップS14の後、ステップS15に進む。
【0054】
ステップS15にて、制御部10は、生成したシャドウに関連付けられる関連線の生成要求があるか否かを判定する。具体的には、シャドウの生成操作がなされた表示装置Dにて、当該シャドウと、自身のプロジェクト管理者の指定のオブジェクトとを関連付ける関連線の生成操作がなされたことで、関連線の生成要求が発生し、制御部10は、表示装置Dから受信したか否かを判定する。関連線の生成要求があった場合(ステップS15でYes)、ステップS16に進み、関連線の生成要求がない場合(ステップS15でNo)、ステップS17に進む。
【0055】
ステップS16にて、制御部10は、生成要求があった関連線を生成し、対応するレコードを関連線テーブル36に追加登録する。これにより、表示装置Dが表示するシャドウと、自身のプロジェクト管理者が指定したオブジェクトとを関連付けることで、自身のプロジェクト管理者が担当するオブジェクトと他のプロジェクト管理者が担当するオブジェクトとを、自身のプロジェクト管理者のプロジェクト内で関連付けることができる。ステップS16の後、ステップS17に進む。
【0056】
ステップS17にて、制御部10は、生成したシャドウのオリジナルとなるオブジェクトに設定されている進捗率が存在するか否かを判定する。具体的には、制御部10は、実績テーブル38を参照して、オリジナルとなるオブジェクトのレコードに進捗率の値が格納されているか否かを判定する。進捗率が存在する場合(ステップS17でYes)、ステップS18に進み、進捗率が存在しない場合(ステップS17でNo)、ステップS19に進む。
【0057】
ステップS18にて、制御部10は、生成されたシャドウについて、オリジナルのオブジェクトのレコードに格納されている進捗率の画像情報を表示装置Dに送信する。これにより、表示装置Dが表示するシャドウに、オリジナルのオブジェクトにて表示されている進捗率と同じ進捗率を表示することができる。ステップS18の後、ステップS19に進む。
【0058】
ステップS19にて、制御部10は、生成したシャドウのオリジナルとなるオブジェクトに登録されているドキュメントが存在するか否かを判定する。具体的には、制御部10は、アクティビティテーブル34またはマイルストーンテーブル35を参照して、オリジナルとなるオブジェクトのレコードに登録されているドキュメントが存在するか否かを判定する。ドキュメントが存在する場合(ステップS19でYes)、ステップS20に進み、ドキュメントが存在しない場合(ステップS19でNo)、
図12の処理を終了する。
【0059】
ステップS20にて、制御部10は、生成されたシャドウについて、オリジナルのオブジェクトのレコードに登録されているドキュメントの画像情報を、当該ドキュメントの内容を参照可能な状態で表示装置Dに送信する。これにより、表示装置Dが表示するシャドウに、オリジナルのオブジェクトにて登録されているドキュメントと同じドキュメントを表示することができる。自身のプロジェクト管理者は、シャドウ内に表示されているドキュメントの画像をクリックすることで、当該ドキュメントの詳細を確認することができる。
ステップS20の後、
図12の処理を終了する。
【0060】
図13に、生成したシャドウ、および、シャドウとアクティビティとを関連付ける関連線の画面表示例を示す。下段のガントチャートのプロジェクトを担当する自身のプロジェクト管理者は、他のプロジェクト管理者のプロジェクトに関する上段のガントチャートを参照して、自身のタスクに関連すると思われるアクティビティ(またはマイルストーン)を、表示装置Dの入力部から指定する。自身のプロジェクト管理者の表示装置Dは、指定したアクティビティに対してシャドウ生成要求をガントチャート生成装置1に送信すると、ガントチャート生成装置1のシャドウ生成部15は、指定のアクティビティをコピーして、同一形状のシャドウSを、下段のガントチャートに表示することができる。
【0061】
自身のプロジェクト管理者は、シャドウSを、自身のガントチャートの所望のタスク領域に配置することができる。表示装置Dの表示制御部40は、シャドウであることを明示する態様で表示することができる。例えば、シャドウの色を、オリジナルの色と同じにし、かつ、所定の透過度を設定してシャドウを透過表示することができる(図示の便宜上、シャドウSにて、透過表示の代替的な表示を示す。)。
【0062】
従来、他の部門の他のプロジェクト管理者のプロジェクトを参照するには、自身のプロジェクト管理者が他のプロジェクト管理者のプロジェクトを参照する操作が必要であった。また、他のプロジェクト管理者のプロジェクトを参照した後、他のプロジェクト管理者のプロジェクト内に数多くあるオブジェクトから、自身のプロジェクト管理者が担当するオブジェクトに関連するものを特定することに相応の時間を必要とした。
【0063】
本実施形態によれば、他のプロジェクト管理者のプロジェクトのオブジェクトのシャドウを、自身のプロジェクト管理者のプロジェクト内に一度生成することで、自分のプロジェクト内で、関連のある他のプロジェクト管理者のオブジェクトをモニタリングすることができる。よって、他のプロジェクト管理者のオブジェクトが変更された場合であっても(例えば、他のプロジェクト管理者のアクティビティの終了日が繰り下がったとしても)、他のプロジェクト管理者のプロジェクトを参照することもなく、また、他のプロジェクト管理者から変更の通知を別途してもらうこともなく、その変更の内容を、シャドウから即座に知ることができる。
その結果、ガントチャートを用いて、自身のプロジェクトに関係するプロジェクトの変更に対して、自身のプロジェクトの見直しを早期に行えるようにすることができる。
一般的には、本実施形態によって、多段にガントチャート表示される複数のプロジェクトは、データ管理元、データ管理場所(例えば、プロジェクト管理者の所在地)などが異なるプロジェクトである。本実施形態のガントチャート生成装置1は、このような特性の異なる複数のプロジェクトを1画面に表示する機能を活用することで、各プロジェクト管理者が各々のプロジェクトの管理部門を跨いでタイムリーに情報を共有することができる。
【0064】
また、自身のプロジェクト内に生成したシャドウに関連付けられる関連線が関連線テーブル36に登録された場合(ステップS16)、自身のプロジェクト管理者が担当するオブジェクトと他のプロジェクト管理者が担当するオブジェクトとを、自身のプロジェクト管理者のプロジェクト内で(プロジェクト間を跨ぐことなく)関連付けることができる。
図13において、シャドウとオブジェクト(
図13ではアクティビティ)とを関連付ける関連線Lが表示される。関連線Lによる関連付けにより、他のプロジェクト管理者のオブジェクトが変更された場合であっても、他のプロジェクト管理者のプロジェクトを参照することもなく、また、他のプロジェクト管理者から変更の通知を別途してもらうこともなく、その変更の影響を受けると見込まれる自身のプロジェクト管理者のオブジェクトの見直しを早期に行うことができる。
【0065】
また、シャドウSのオリジナルとなるアクティビティに進捗率が設定されている場合、実績設定部18は、シャドウSに、同じ進捗率を設定することができる。その結果、表示装置Dの表示制御部40は、シャドウSに、オリジナルのアクティビティの進捗率を強調表示することができる(
図13では、オリジナルの進捗率の強調表示と同じ強調表示を行っているが、シャドウの透過表示に合わせて、シャドウの進捗率の強調表示も透過表示にしてもよい。)。よって、自身のプロジェクト管理者は、自分のプロジェクト内で、関連のある他のプロジェクト管理者のオブジェクトの進捗率を取得し、取得した進捗率を判断材料として、必要に応じて、自身のプロジェクトの見直しを早期に行うことができる。
【0066】
図14に、シャドウでのドキュメントの参照を説明するための画面表示例を示す。
図14に示すように、他のプロジェクト管理者の、オリジナルのオブジェクトにドキュメントd1が登録されている場合、自身のプロジェクトのシャドウに、ドキュメントd1と実体が同じとなるドキュメントd2が表示される。自身のプロジェクト管理者がドキュメントd2をクリックすることで、表示装置Dは、添付ファイルダイアログFを画面内に表示することができる。さらに、自身のプロジェクト管理者が添付ファイルダイアログF内のファイル(ハイパーリンク設定あり)をクリックすることで、表示装置Dは、当該ファイルの内容(図示略)を表示することができる。
【0067】
このように、自身のプロジェクト管理者は、シャドウを利用することで、他のプロジェクト管理者のオブジェクトに登録されている数多くのドキュメントの中から、自身のプロジェクト管理者に関連すると見込まれるドキュメントに確実にアクセス(参照)することができる。つまり、自身のプロジェクト管理者がとりかかる作業に用いるドキュメント(インプット)を的確に見つけることができる。例えば、車の部品の製造を担当する自身のプロジェクト管理者は、車の部品の設計を担当する他のプロジェクト管理者が作成した、車の部品の設計書のドキュメントをインプットとして見つけ、車の部品の製造にとりかかったり、自身のプロジェクト用の新たなドキュメント(製造実績を記載したドキュメントなど)を作成したりすることができる。なお、ガントチャート生成装置1は、自身のプロジェクトの非プロジェクト管理者が、車の部品の製造などの作業の作業結果として実績更新や新たなドキュメントの登録を行うことを可能とするように、ガントチャート表示を制御してもよい。
【0068】
次に、
図15を参照して、本実施形態のガントチャート生成装置1の制御部10による、オリジナルのオブジェクトが変更したときのシャドウの編集処理について説明する。
図15の処理は、他のプロジェクト管理者のオリジナルのオブジェクトが変更され(例えば、アクティビティの終了日が繰り下がるなど)、自身のプロジェクト管理者の表示装置Dからガントチャート表示要求を受信した場合に開始し、ステップS21に進む。
【0069】
ステップS21にて、制御部10は、受信したガントチャート表示要求を解析して、そのガントチャート表示要求の対象となるプロジェクトがシャドウを含むか否かを判定する。具体的には、制御部10は、シャドウテーブル37を参照して、ガントチャート表示要求に含まれるプロジェクトIDを有するレコードが存在するか否か判定する。ガントチャート表示要求の対象となるプロジェクトがシャドウを含む場合(ステップS21でYes)、ステップS22に進み、含まない場合(ステップS21でNo)、
図15の処理を終了する。
【0070】
ステップS22にて、制御部10は、シャドウの画像情報を変更する。具体的には、制御部10は、ステップS21で存在を確認したシャドウについて、他のプロジェクト管理者のオリジナルの変更のあったオブジェクトをガントチャートに表示したときの画像情報と同じ画像情報に変更し、表示装置Dに送信する。これにより、自身のプロジェクト管理者は、シャドウを介して、他のプロジェクト管理者のオリジナルのオブジェクトの最新状態を即座に知ることができる。
なお、オリジナルのオブジェクトの変更が、当該オブジェクトに紐付けられているドキュメントの内容の変更であった場合には、シャドウを介して参照するドキュメントの内容も同様に変更されており、添付ファイルダイアログF(
図14)の表示内容も当該変更後の内容に更新される。このとき、オリジナルのオブジェクト内のドキュメントd1、シャドウS内のドキュメントd2(
図14)の形状、模様、色などを変更してもよい。これにより、自身のプロジェクト管理者のインプットの変更を即座に認識することができる。
また、オリジナルのオブジェクトの変更が、当該オブジェクトの進捗率の変更であった場合、シャドウの進捗率の表示を、オリジナルのオブジェクトの変更後の進捗率と同様の表示にすることができる。
ステップS22の後、ステップS23に進む。
【0071】
ステップS23にて、制御部10は、変更がなされたシャドウに関連付けられている関連線が存在する否かを判定する。具体的には、制御部10は、関連線テーブル36を参照して、ステップS21で存在を確認したシャドウに関連付けられている関連線のレコードが存在するか否か判定する。関連線が存在する場合(ステップS23でYes)、ステップS24に進み、関連線が存在しない場合(ステップS23でNo)、
図15の処理を終了する。
【0072】
ステップS24にて、制御部10は、変更がなされたシャドウに関連付けられている関連線について、作業日程の逆転が発生したか否かを判定する。具体的には、制御部10は、関連線で関連付けられている、シャドウの日付と、オブジェクトの日付との前後関係が、シャドウのオリジナルのオブジェクトの変更によって入れ替わったか否かを判定する。作業日程の逆転が発生した場合(ステップS24でYes)、ステップS25に進む。この場合、先に完了することでとりかかることができる作業にとりかかることができなくなるという事態が想定されることを意味している。一方、作業日程の逆転が発生しない場合(ステップS24でNo)、
図15の処理を終了する。
【0073】
ステップS25にて、制御部10は、作業日程の逆転が発生した関連線の画像情報を変更する。具体的には、制御部10は、シャドウの変更によって、日付の前後関係が入れ替わったシャドウとオブジェクトを関連付ける関連線を強調表示する画像情報を表示装置Dに送信する。これにより、シャドウを生成した自身のプロジェクト管理者は、他のプロジェクト管理者のオブジェクトの変更に伴う不都合を即座に知ることができる。
ステップS25の後、
図15の処理を終了する。
【0074】
図16に、オリジナルのオブジェクトの変更に伴うシャドウの変更を説明するための画面表示例を示す。
図16に示すように、他のプロジェクト管理者のオリジナルのアクティビティA1の終了日が繰り下がった場合、シャドウSの終了日も同様に繰り下がる。その結果、シャドウSの終了日が、自身のプロジェクト管理者のアクティビティA2の開始日よりも後になった場合、シャドウSとアクティビティA2とを関連付ける関連線Lは、太線などで強調表示される。
【0075】
したがって、自身のプロジェクト管理者は、他のプロジェクト管理者のオブジェクトが変更されたことに起因する作業日程の逆転を、関連線の強調表示によって即座に知ることができるため、自身のプロジェクト管理者の担当するオブジェクトの見直しを早期に行うことができる。
【0076】
≪その他≫
複数の部門で、互いに協力して作業を並行で行う場合に、所定の日までに個々の成果をまとめて、一旦中間物を完成する、などといった各部門で守るべき節目を共有する場合がある。このとき、従来では、各部門のどのオブジェクトが前記節目に関連するのかを、各部門で把握することが極めて困難であった。本実施形態によれば、前記節目をシャドウとして設定し、各部門の特定のオブジェクトと前記節目のシャドウとを関連付ける関連線を生成することができる。これにより、各部門は、他の部門のどのオブジェクトが節目に関連しているかを即座に把握することができるため、オブジェクトの日程変更があった場合、日程変更に応じた調整をどの部門と協議すればよいかを容易に特定することができる。
【0077】
また、本実施形態では、自身のプロジェクト管理者が自身のプロジェクト管理者のプロジェクト内に生成したシャドウを表示することについて説明した。しかし、ガントチャート生成装置1は、自身のプロジェクト管理者が参照可能な他のプロジェクト管理者のプロジェクト内に生成されたシャドウを自身のプロジェクト管理者の表示装置Dにて表示するように制御することもできる。
【0078】
また、本実施形態では、他のプロジェクト管理者のプロジェクトのガントチャートを表示していなくても、自身のプロジェクト管理者のプロジェクト内に既に生成したシャドウであって、当該他のプロジェクト管理者のオブジェクトのコピーとなるシャドウを表示することができる。もし、他のプロジェクト管理者のオブジェクトが変更されていた場合、対応のシャドウも同様に変更した態様で表示することができる。
【0079】
また、本実施形態では、自身のプロジェクト管理者のプロジェクト内に既にシャドウを生成する際、シャドウのオリジナルを含む、他のプロジェクト管理者のプロジェクトのガントチャートも表示し、オリジナルを選択することで、対象のシャドウを生成することについて説明した。しかし、シャドウのオリジナルを含む、他のプロジェクト管理者のプロジェクトのガントチャートも表示せずに、対象のシャドウを生成するための手順を定めたWeb API(Application Programming Interface)を導入することもできる。これにより、自身のプロジェクト管理者は、シャドウを生成する場合であっても、シャドウを含む自分のプロジェクトのガントチャートを画面上最大限に見易く表示することができる。
【0080】
また、本実施形態のガントチャート生成装置1のシャドウ生成部15は、あるオリジナルのオブジェクトをコピーして生成したシャドウをオリジナルとしてコピーした2次的なシャドウを生成することができる。
【0081】
また、ガントチャートの表示機能として、表示されるアクティビティおよびマイルストーンは、それぞれの形状(または色)を所望の形状(または色)に変更することができる。例えば、マイルストーンは、丸(
図11参照)だけでなく、用途に応じて三角や星にすることもできる。オリジナルの形状が変更された場合、本実施形態のシャドウ生成部15は、シャドウの形状をオリジナルと同じにするように画像情報を生成することができる。ユーザのなかには、オリジナルの形状や色に特定の意味を持たせてガントチャートを作成するユーザがおり、このようなユーザのニーズに即したシャドウを生成することができる。
例えば、ガントチャートにて、オリジナルの工程を色で区別して表示することができ、シャドウについても工程を色で区別して表示することができる。ソフトウェアの開発でウォーターフォールモデルによる開発を採用した場合、工程を、要件定義、設計、実装、単体テスト、組合せテスト、総合テストに分類することができ、要件定義を例えば赤で表示し、他の工程を他の色で表示することが多い。この場合、要件定義のシャドウは赤の透過表示にし、他の工程のシャドウは、オリジナルの工程それぞれの色の透過表示にすることができる。
【0082】
なお、本実施形態において、ハードウェアで実現した構成要素をソフトウェアで実現することができ、ソフトウェアで実現した構成要素をハードウェアで実現することができる。
また、本実施形態に記載した技術的事項を適宜組み合わせて新たな技術を実現することができる。
その他ハードウェア、ソフトウェア、データベース等の具体的な構成について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。