特許第6626354号(P6626354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特許6626354-雨水貯留システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626354
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】雨水貯留システム
(51)【国際特許分類】
   E03F 1/00 20060101AFI20191216BHJP
   E03F 3/04 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   E03F1/00 A
   E03F3/04 A
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-12812(P2016-12812)
(22)【出願日】2016年1月26日
(65)【公開番号】特開2017-133207(P2017-133207A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】清水 道浩
(72)【発明者】
【氏名】牧野 耕三
【審査官】 富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−270395(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3012118(JP,U)
【文献】 特開2008−127870(JP,A)
【文献】 特開平10−195936(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103774736(CN,A)
【文献】 特開平10−140628(JP,A)
【文献】 特開平09−137479(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/111324(WO,A1)
【文献】 特開2008−267023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D29/00
29/045−37/00
E03F1/00−11/00
F16L41/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水が流入する雨水流入部、前記雨水が流出する雨水流出部及び貯留可能量を超えた場合に前記雨水を排出させるオーバーフロー部を有し、両端部が閉塞された大口径の直管により構成される貯留管と、
前記雨水流入部に一方の端部が接続された雨水流入管と、
前記オーバーフロー部に一方の端部が接続されたオーバーフロー管と、
前記雨水流出部に一方の端部が挿入された雨水流出管を備える雨水貯留システムであって、
前記貯留管は、該貯留管の上部に地上と連通した点検口を有し、前記点検口の直下に前記雨水流出管の前記一方の端部が配置されていることを特徴とする雨水貯留システム。
【請求項2】
前記大口径の直管は、呼び径500mm以上の直管であることを特徴とする請求項1記載の雨水貯留システム。
【請求項3】
前記貯留管は、前記雨水流入部が設けられている貯留管上流部と前記雨水流出部が設けられている貯留管下流部とを有し、前記貯留管上流部と前記貯留管下流部の間に、少なくとも1つの前記大口径の直管を連結可能であることを特徴とする請求項1または2記載の雨水貯留システム。
【請求項4】
前記点検口に地上と連通した立ち上り管が接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の雨水貯留システム。
【請求項5】
前記雨水流出部は、前記貯留管の下流側の端部の最下部に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の雨水貯留システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を貯留する雨水貯留システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ゲリラ豪雨等による大量の雨水を貯留する設備として、複数のマンホールを配管により接続し、複数のマンホールと配管に雨水を貯留する設備が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、宅地内の建物の周囲に配設された個別雨水合流部及び個別雨水合流部に配管により接続された宅地内最終雨水合流部により雨水を貯留する雨水貯留システムが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−248424号公報
【特許文献2】特開2005−188060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている設備においては、マンホールの底部にマンホールから雨水を流出させる配管が接続されるため、配管の施工のために地面を深く開削する必要があり施工費用が増大するという問題がある。
【0005】
また特許文献2に開示されている雨水貯留システムにおいては、雨水の貯留量を稼ぐために卵形断面形状を有する卵形配管を用いており、施工に複雑な作業が必要になると共に部材コストが高いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、低コストで大量の雨水を貯留することができる雨水貯留システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の雨水貯留システムは、雨水が流入する雨水流入部、前記雨水が流出する雨水流出部及び貯留可能量を超えた場合に前記雨水を排出させるオーバーフロー部を有し、両端部が閉塞された大口径の直管により構成される貯留管と、前記雨水流入部に一方の端部が接続された雨水流入管と、前記オーバーフロー部に一方の端部が接続されたオーバーフロー管と、前記雨水流出部に一方の端部が挿入された雨水流出管を備える雨水貯留システムであって、前記貯留管は、該貯留管の上部に地上と連通した点検口を有し、前記点検口の直下に前記雨水流出管の前記一方の端部が配置されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明の雨水貯留システムは、前記大口径の直管が呼び径500mm以上の直管であることを特徴とする。
【0009】
また本発明の雨水貯留システムは、前記貯留管は、前記雨水流入部が設けられている貯留管上流部と前記雨水流出部が設けられている貯留管下流部とを有し、前記貯留管上流部と前記貯留管下流部との間に、少なくとも1つの前記大口径の直管を連結可能であることを特徴とする。
【0010】
また本発明の雨水貯留システムは、前記点検口に地上と連通した立ち上り管が接続されていることを特徴とする。
【0011】
また本発明の雨水貯留システムは、前記雨水流出部が前記貯留管の前記下流側の端部の最下部に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低コストで大量の雨水を貯留することができる雨水貯留システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る雨水貯留システムの構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施の形態に係る雨水貯留システムについて説明する。図1は実施の形態に係る雨水貯留システムの構成を示す側面図である。この図においては、後述する雨水流出管の一方の端部の貯留管内における配置位置が明らかになるように、貯留管の壁部の一部を切り欠いた状態を示している。
【0015】
雨水貯留システム2は、両端部が閉塞部材4aにより閉塞された大口径(例えば呼び径500mm〜600mm又はそれ以上)の直管により構成される貯留管4を備えている。ここで貯留管4は、雨水が流入する雨水流入部6aが形成され貯留管4の上流側に設けられた貯留管上流部6と、雨水が流出する雨水流出部8a及び貯留可能量を超えた場合に雨水を排出させるオーバーフロー部8bが形成され貯留管4の下流側に設けられた貯留管下流部8と、貯留管上流部6と貯留管下流部8との間に位置する貯留管中央部10を有している。
なお、貯留管4は流入する雨水を貯留管下流部8に流下させるために、貯留管4全体として雨水流出部8aへ向かって低くなるよう傾斜していることが好ましい。
【0016】
雨水流入部6aは、貯留管上流部6の上部に設けられ雨水流入管12の一方の端部が接続されている。オーバーフロー部8bは後述する立ち上がり管20の側部に設けられ、オーバーフロー管14の一方の端部が接続されている。また、オーバーフロー部8bは雨水流入管12の雨水流入部6aよりも高い位置であって、雨水流入管12の他方の端部よりも低い位置に設けられる。そして、オーバーフロー管14の他方の端部は、下水本管(図示せず)に雨水を流入させる合流部16に接続されている。
雨水流出部8aは、貯留管4の下流側の端部を閉塞する閉塞部材4aの最下部に設けられており、雨水流出部8aには雨水流出管18の一方の端部が挿入されている。雨水流出管18の他方の端部は、下水本管(図示せず)に雨水を流入させる合流部16に接続されている。雨水流出管18の一方の端部にはごみを捕捉するスクリーン18aが装着されている。なお、雨水流入管12及び雨水流出管18は、雨水流入管12から流入する雨水の量よりも雨水流出管18から流出する雨水の量が少なくなるように構成されている。
貯留管4内に貯められた雨水を排水するため、雨水流出管18は貯留管4の底面近傍となるよう設置され、貯留管4の底面に接する様に設けることが好ましい。また、雨水流出管18は下水本管(図示せず)へ雨水を流下させるため、合流部16へ向かって低くなるよう傾斜していることが好ましい。
【0017】
貯留管下流部8の上部には点検口8cが形成されており、点検口8cは、該点検口8cに接続された立ち上り管20により地上と連通されている。ここで雨水流出部8aに挿入された雨水流出管18の一方の端部は、点検口8cの直下に配置されている。従って、スクリーン18aにより捕捉されたごみの除去等の維持管理は、点検口8cを介して地上から行うことができる。点検口8cは貯留管4の側部に設けられた開口部であり、該開口部に貯留管4の側面と接続可能なサドル部を有する公知の分岐継手(例えば実開平2−84094号公報など)を接続した構造や、貯留管4自体が点検口8cとしての分岐部を有するものなどが用いられる。
【0018】
貯留管4の貯留管上流部6と貯留管下流部8との間に設けられている貯留管中央部10は、両端部が開放された大口径(例えば呼び径500〜600mm又はそれ以上)の直管により構成されている。貯留管中央部10の一方の端部(上流側に位置させる端部)には、内周部にパッキンを有する管接続部10aが設けられている。貯留管中央部10は、他方の端部(下流側に位置させる端部)が貯留管下流部8の上流側に位置させる端部に設けられた、内周部にパッキンを有する管接続部8d内に挿入されることにより貯留管下流部8と連結される。また貯留管中央部10は、管接続部10aに貯留管上流部6の下流側に位置させる端部が挿入されることにより貯留管上流部6と連結される。
貯留管4としては、繊維強化プラスチック管(いわゆるFRP管)、硬質塩化ビニル管、コンクリート管、鋳鉄管、ボックスカルバートを連続して接続した管などを用いても良く、貯留管4には、円形の管に限らず、四角形、長方形などの管を用いても良いが、施工性やコストの面から軽量で安価な硬質塩化ビニル管がもっとも好ましい。
【0019】
この雨水貯留システム2においては、雨水流入管12から流入する雨水の量が雨水流出管18から流出可能な雨水の量よりも少ない場合には、貯留管4内に雨水が貯留されることなく雨水が雨水流出管18を介して合流部16に流出する。これに対して雨水流入管12から流入する雨水の量が雨水流出管18から流出可能な雨水の量よりも多い場合には、貯留管4内に雨水が貯留され、貯留管4内に貯留可能な量を超えると、オーバーフロー管14から雨水が合流部16に排出される。
なお、雨水流出管18から流出可能な雨水の量を調整するために、貯留管4に挿入されている雨水流出管18の一方の端部にオリフィス(図示せず)を設けても良い。このオリフィスは雨水流出管18の一方の端部の開口部よりも小さい通水孔を有し、雨水流出管18の一方の端部の開口部からの雨水の流出量を規制するものである。
【0020】
この実施の形態に係る雨水貯留システムは、貯留管が大口径の直管により構成されており、地面の浅い位置、例えば貯留管4の呼び径以上1.5m以下などに埋設できることから施工のために地面を深く開削する必要がなく施工費用を低減させることができる。また施工作業も簡単なものとなり部材コストも安く抑えられるため施工費の低減を図ることができる。また立ち上がり管の直下に雨水流出管の一方の端部が配置されているため、雨水貯留システムの維持管理を容易に行うことができる。
【0021】
なお上述の実施の形態において貯留管中央部10を複数の大口径の直管により構成するようにしてもよい。この場合には、貯留管中央部10を構成する大口径の直管の一方の端部(上流側に位置させる端部)に設けられた管接続部10a内に大口径の直管の他方の端部(下流側に位置させる端部)を挿入することにより順次大口径の直管を連結する。このようにして大口径の直管を連続して連結することにより貯留量を簡単に増大させることができる。
【符号の説明】
【0022】
2…雨水貯留システム、4…貯留管、4a…閉塞部材、6…貯留管上流部、6a…雨水流入部、8…貯留管下流部、8a…雨水流出部、8b…オーバーフロー部、8c…点検口、10…貯留管中央部、12…雨水流入管、14…オーバーフロー管、16…合流部、18…雨水流出管、18a…スクリーン、20…立ち上り管
図1