特許第6626356号(P6626356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6626356二次電池劣化検出システム、二次電池劣化検出方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626356
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】二次電池劣化検出システム、二次電池劣化検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/392 20190101AFI20191216BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20191216BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20191216BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20191216BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G01R31/392
   H01M10/48 P
   H01M10/42 P
   H01M10/44 P
   H02J7/00 Q
【請求項の数】11
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2016-16719(P2016-16719)
(22)【出願日】2016年1月29日
(65)【公開番号】特開2016-176924(P2016-176924A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2018年10月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-55119(P2015-55119)
(32)【優先日】2015年3月18日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】安宅 元晴
(72)【発明者】
【氏名】判谷 弘嗣
(72)【発明者】
【氏名】上西 章太
【審査官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−006189(JP,A)
【文献】 特開2007−187533(JP,A)
【文献】 特開2011−112453(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0342212(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0061687(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36−31/96
H01M 10/42
H01M 10/44
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する際、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定する判定部と
前記電池の初期状態において充電時における充電処理あるいは放電時における放電処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_0を測定し、所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_0を測定し、また、前記電池の実使用状態において初期状態と同一の処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_nを測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_nを測定する測定部と、
前記端子間電圧V2_0と前記端子間電圧V1_0との差分を前記初期電圧応答とし、前記端子間電圧V2_nと前記端子間電圧V1_nとの差分を前記使用後電圧応答とする電圧応答算出部と
を備えることを特徴とする二次電池劣化検出システム。
【請求項2】
前記判定部が前記使用後電圧応答と前記初期電圧応答との差分を、予め設定された閾値電圧と比較することで前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池劣化検出システム。
【請求項3】
前記測定部が、充電時において前記電池に対する劣化判定を行う場合、前記端子間電圧V1_0、前記端子間電圧V2_0、前記端子間電圧V1_n及び前記端子間電圧V2_nの各々を、SOC50%あるいはSOC100%の近傍の所定のSOCで測定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池劣化検出システム。
【請求項4】
前記測定部が、放電時において前記電池に対する劣化判定を行う場合、前記端子間電圧V1_0、前記端子間電圧V2_0、前記端子間電圧V1_n及び前記端子間電圧V2_nの各々を、SOC0%あるいはSOC50%の近傍の所定のSOCで測定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池劣化検出システム。
【請求項5】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部
を備え
前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記測定電圧微分値と予め設定された微分値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する際、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、所定の時間範囲における前記微分値差分の最大値及び最小値を抽出し、前記最大値と前記最小値との差である微分値差分差を求め、当該微分値差分差と予め設定された差分差閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
とを特徴とする二次電池劣化検出システム。
【請求項6】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部
を備え
前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
とを特徴とする二次電池劣化検出システム。
【請求項7】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部
を備え
前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
とを特徴とする二次電池劣化検出システム。
【請求項8】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する際、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定する判定過程と、
前記電池の初期状態において充電時における充電処理あるいは放電時における放電処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_0を測定し、所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_0を測定し、また、前記電池の実使用状態において初期状態と同一の処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_nを測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_nを測定する測定過程と、
前記端子間電圧V2_0と前記端子間電圧V1_0との差分を前記初期電圧応答とし、前記端子間電圧V2_nと前記端子間電圧V1_nとの差分を前記使用後電圧応答とする電圧応答算出過程と
を含むことを特徴とする二次電池劣化検出方法。
【請求項9】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程
を含み、
前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記測定電圧微分値と予め設定された微分値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する際、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、所定の時間範囲における前記微分値差分の最大値及び最小値を抽出し、前記最大値と前記最小値との差である微分値差分差を求め、当該微分値差分差と予め設定された差分差閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
とを特徴とする二次電池劣化検出方法。
【請求項10】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程
を含み、
前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする二次電池劣化検出方法。
【請求項11】
充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程
を含み、
前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する
ことを特徴とする二次電池劣化検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の充放電の繰り返しによる劣化を検出する二次電池劣化検出システム、二次電池劣化検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然エネルギーである太陽電池による発電電力や料金の安い夜間電力の効率的な運用のため、蓄電池が多用されるようになってきた。
この蓄電池としては、例えば、非水電解質二次電池が用いられており、発電電力が消費電力を超えた場合に充電が行われ、発電電力が消費電力未満の場合放電が行われる。
このように、蓄電池の実使用においては、充電と放電とが繰り返し行われ、内部短絡などを原因とした、蓄電池の放電容量が充放電の繰り返し回数に応じて徐々に低下していく劣化が発生する。内部短絡に関しては、例えば蓄電池がリチウムイオン電池の場合、充電及び放電の繰り返しが進み、Li(リチウム)の析出が進行すると、後述する先行技術文献にあるように、電圧応答が初期の電圧値に比較して低下することになる。
【0003】
放電容量の変化を測定するためには、予め設定したSOC(state of charge)の範囲内で充放電を行い蓄電池の寿命を判定するために、手間がかかることから簡易な劣化の判定が行われている。
蓄電池に対する充電中に、所定の時間間隔における端子間電圧の増加量が予め設定された電圧値より少ない場合、内部短絡を原因とする劣化が蓄電池に発生しているとする検出方法がある(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、非通電の際における蓄電池の端子間電圧の降下電圧が、予め設定された閾値電圧を上回るとき、内部短絡を原因とする劣化が発生しているとする検出方法がある(例えば、特許文献2)。
また、電池の端子間に対して電気エネルギーを与えた後、電池の端子を開放し、開放状態の端子間電圧を測定し、所定の電圧と比較して電池の劣化状態を検出する方法がある(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2009/013898号
【特許文献2】特開2012−95411号公報
【特許文献3】特許第4073650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した先行技術文献の各々においては、電圧応答が所定の値に対してどの程度低下すれば、蓄電池が劣化しているかの確認を予め実験により検証しておく必要がある。
このため、先行技術文献の検出方法は、対象となる蓄電池の劣化判定を行う電圧応答に対する閾値を決定するための実験に多くの時間が必要となる。また、閾値を決定する際に、電池の劣化と電圧応答との関係を、理論的な考察により把握するための労力も必要となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、閾値を決定するための実験に多くの時間を必要とせず、また、閾値を決定する際に、電池の劣化と電圧応答との関係を、理論的な考察により把握するための労力も不必要な二次電池劣化検出システム、二次電池劣化検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する際、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定する判定部と、前記電池の初期状態において充電時における充電処理あるいは放電時における放電処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_0を測定し、所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_0を測定し、また、前記電池の実使用状態において初期状態と同一の処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_nを測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_nを測定する測定部と、前記端子間電圧V2_0と前記端子間電圧V1_0との差分を前記初期電圧応答とし、前記端子間電圧V2_nと前記端子間電圧V1_nとの差分を前記使用後電圧応答とする電圧応答算出部とを備えることを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部を備え、前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記測定電圧微分値と予め設定された微分値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する際、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、所定の時間範囲における前記微分値差分の最大値及び最小値を抽出し、前記最大値と前記最小値との差である微分値差分差を求め、当該微分値差分差と予め設定された差分差閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部を備え、前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定部を備え、前記判定部が、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
【0009】
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記判定部が前記使用後電圧応答と前記初期電圧応答との差分を、予め設定された閾値電圧と比較することで前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
【0010】
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、前記電池の初期状態において充電時における充電処理あるいは放電時における放電処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_0を測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_0を測定し、また、前記電池の実使用状態において初期状態と同一の処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_nを測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_nを測定する測定部と、前記端子間電圧V2_0と前記端子間電圧V1_0との差分を前記初期電圧応答とし、前記端子間電圧V2_nと前記端子間電圧V1_nとの差分を前記使用後電圧応答とする電圧応答算出部とをさらに備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、充電時において前記電池に対する劣化判定を行う場合、前記端子間電圧V1_0、前記端子間電圧V2_0、前記端子間電圧V1_n及び前記端子間電圧V2_nの各々を、SOC50%あるいはSOC100%の近傍の所定のSOCで測定することを特徴とする。
【0012】
本発明の二次電池劣化検出システムの一態様は、放電時において前記電池に対する劣化判定を行う場合、前記端子間電圧V1_0、前記端子間電圧V2_0、前記端子間電圧V1_n及び前記端子間電圧V2_nの各々を、SOC0%あるいはSOC50%の近傍の所定のSOCで測定することを特徴とする
【0013】
本発明の二次電池劣化検出方法の一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する際、前記電圧応答として、電池の初期における初期電圧応答と、実使用後の使用後電圧応答とを検出し、前記初期電圧応答と前記使用後電圧応答とを比較し、前記電池の劣化を判定する判定過程と、前記電池の初期状態において充電時における充電処理あるいは放電時における放電処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_0を測定し、所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_0を測定し、また、前記電池の実使用状態において初期状態と同一の処理を瞬断して、瞬断したタイミングでの前記電池の端子間電圧V1_nを測定し、前記所定の時間が経過した後に端子間電圧V2_nを測定する測定過程と、前記端子間電圧V2_0と前記端子間電圧V1_0との差分を前記初期電圧応答とし、前記端子間電圧V2_nと前記端子間電圧V1_nとの差分を前記使用後電圧応答とする電圧応答算出過程とを含むことを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出方法の一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程を含み、前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記測定電圧微分値と予め設定された微分値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定する際、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、所定の時間範囲における前記微分値差分の最大値及び最小値を抽出し、前記最大値と前記最小値との差である微分値差分差を求め、当該微分値差分差と予め設定された差分差閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出方法の一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程を含み、前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値閾値とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
本発明の二次電池劣化検出方法の一態様は、充電時あるいは放電時の瞬断時において、電池の電圧応答を検出し、当該電圧応答の使用経過における変化により、前記電池の劣化を判定する判定過程を含み、前記判定過程において、前記電圧応答が時間微分された測定電圧微分値の使用経過における変化に基づいて、前記電池の使用後における前記測定電圧微分値である使用後測定電圧微分値と、初期における前記測定電圧微分値である初期測定電圧微分値との差分である微分値差分を求め、前記微分値差分の所定の時間範囲における平均値である微分値平均値を求め、前記微分値平均値が予め設定された平均値範囲とを比較し、比較結果により前記電池の劣化を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、閾値を決定するための実験に多くの時間を必要とせず、また、閾値を決定する際に、電池の劣化と電圧応答との関係を、理論的な考察により把握するための労力も不必要な二次電池劣化検出システム、二次電池劣化検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。
図2】蓄電池100に対する充電及び放電を繰り返したサイクル数と蓄電池100の放電容量維持率との対応を示す図である。
図3】充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。
図4】充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。
図5】放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。
図6】放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。
図7】SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC50%で測定した充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算した検出応答電圧Vcn−Vc0の時間変化を示す図である。
図8】SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC100%で測定した充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算した検出応答電圧Vcn−Vc0の時間変化を示す図である。
図9】SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC0%で測定した放電時電圧応答電圧Vdnから放電時電圧応答電圧Vd0を減算した検出応答電圧Vdn−Vd0の時間変化を示す図である。
図10】SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC50%で測定した放電時電圧応答電圧Vdnから放電時電圧応答電圧Vd0を減算した検出応答電圧Vdn−Vd0の時間変化を示す図である。
図11】本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の初期品の充電時電圧応答電圧Vc0の測定処理動作の一例を示すフローチャートである。
図12】本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の劣化の判定処理動作の一例を示すフローチャートである。
図13】本発明の第2の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。
図14】本発明の第3の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。
図15】充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値との対応を示す図である。
図16】充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値との対応を示す図である。
図17】放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値との対応を示す図である。
図18】放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値との対応を示す図である。
図19】充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の充電時微分値差分との対応を示す図である。
図20】充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の充電時微分値差分との対応を示す図である。
図21】充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の放電時微分値差分との対応を示す図である。
図22】充電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の放電時微分値差分との対応を示す図である。
図23図19から図20におけるサイクル数毎の微分値差分を示す微分曲線の各々における最大値と最小値との差である微分値差分値を示す図である。
図24図19から図22の各々におけるサイクル数毎の微分値差分を示す微分曲線の各々における平均値を示す図である。
図25】第3の実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の初期品の充電時電圧応答電圧Vc0の測定処理動作の一例を示すフローチャートである。
図26】本発明の第4の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図1に示す二次電池劣化検出システムは、製造時出荷前の品質検査、あるいは中古品の劣化状態やメンテナンス時における劣化状態などの際に使用する構成となっている。
図1において、二次電池劣化検出システムは、劣化検出器1と、シャント抵抗2と、充放電装置3と、接続スイッチ4とを備えている。
【0017】
劣化検出器1は、充放電装置3を制御して、蓄電池100に対して充電及び放電を行い、蓄電池100の端子100A(+側端子)及び端子100B電圧(−側端子)の端子間の端子間電圧の電圧応答に基づいて蓄電池100の内部短絡が原因で生じる劣化の程度を判定する。
劣化検出器1は、測定部11、電圧応答算出部12、判定部13、SOC推定部14、記憶部15の各々を備えている。
【0018】
測定部11は、蓄電池100の検査を行う場合、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々に対して、二次電池劣化検出システムの検出端子1A(+側端子)、検出端子1B(−側端子)それぞれを、接続スイッチ4をオン状態に制御して接続させる。
また、測定部11は、全ての出力端子をオープンさせたOCV(open circuit voltage)として測定を行う際、蓄電池100から放電電流が流させる放電状態に充放電装置3を制御する。
【0019】
また、測定部11は、蓄電池100の初期状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する放電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、放電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vd1_0と、所定の時間td経過後の端子間電圧Vd2_0とを測定する。
また、測定部11は、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する放電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、放電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vd1_nと、所定の時間td経過後の端子間電圧Vd2_nとを測定する。ここで、充電状態あるいは放電状態において、瞬断した時点で計測される蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の各々は、電圧変化が急激であったり、ノイズを含む場合がある。したがって、瞬断した時点から所定時間が経過した時点において、蓄電池100の端子間電圧を測定するようにしても良い。
【0020】
本実施形態においては、時間tdを10minとしているが、蓄電池の種類により適宜決定する。本実施形態においては、所定のSOCをSOC0%、SOC50%、SOC100%としているが、蓄電池の種類により適宜決定する。
【0021】
電圧応答算出部12は、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vd1_0から、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vd2_0を減算し、初期状態の放電時における電圧応答である放電時電圧応答電圧Vd0(初期電圧応答)を求める。
電圧応答算出部12は、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vd1_nから、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において測定部11の測定した端子間電圧Vd2_nを減算し、初期状態以降の実使用状態の放電時における電圧応答である放電時電圧応答電圧Vdn(実使用後電圧応答)を求める。
【0022】
判定部13は、電圧応答算出部12が求めた検出応答電圧Vdn−Vd0が予め設定した閾値電圧以下か否かの判定を行う。判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧以下である場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0023】
判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0の判定に対して設けられた複数のレベルの閾値電圧と、検出応答電圧Vdn−Vd0とを比較し、対応するレベルの閾値電圧を検出するように構成しても良い。この場合、判定部13は、閾値電圧のレベルに対応して設定されている劣化程度を、評価対象の蓄電池100の劣化程度として出力する。ここで、劣化程度と閾値電圧のレベルとの対応関係は、本実施形態における測定結果を集計、あるいは予め複数の同一種類の蓄電池100により劣化状態と閾値電圧とのレベルとを実験結果から求めることにより得る。
【0024】
また、以下に示すように、放電処理において瞬断した際の端子間電圧を測定するのでは無く、充電時において瞬断した際の端子間電圧を測定するように測定部11を構成しても良い。
測定部11は、蓄電池100の初期状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する充電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、充電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vc1_0と、所定の時間td経過後の端子間電圧Vc2_0とを測定する。
また、測定部11は、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において、充放電装置3を用いた蓄電池100に対する充電状態の際、所定のSOCの数値で充放電装置3の出力端子をオープンとして、充電処理を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100BをOCV状態として、瞬断させた時点の端子間電圧Vc1_nと、所定の時間td経過後の端子間電圧Vc2_nとを測定する。
【0025】
また、本実施形態においては、放電時における測定と同様に、時間tdを10minとしているが、蓄電池の種類により適宜決定する。本実施形態においては、所定のSOCをSOC0%、SOC50%、SOC100%としているが、蓄電池の種類により適宜決定する。
【0026】
電圧応答算出部12は、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vc2_0から、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vc1_0を減算し、初期状態の充電時における電圧応答である充電時電圧応答電圧Vc0(初期電圧応答)を求める。
電圧応答算出部12は、蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧Vc2_nから、蓄電池100の初期状態以降の実使用状態において測定部11の測定した端子間電圧Vc1_nを減算し、初期状態以降の実使用状態の充電時における電圧応答である充電時電圧応答電圧Vcn(実使用後電圧応答)を求める。
【0027】
判定部13は、電圧応答算出部12が求めた検出応答電圧Vcn−Vc0が予め設定した閾値電圧以下か否かの判定を行う。判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以下である場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を超えている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0028】
また、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0の判定に対して設けられた複数のレベルの閾値電圧と、検出応答電圧Vcn−Vc0とを比較し、対応するレベルの閾値電圧を検出するように構成しても良い。この場合、判定部13は、閾値電圧のレベルに対応して設定されている劣化程度を、評価対象の蓄電池100の劣化程度として出力する。ここで、劣化程度と閾値電圧のレベルとの対応関係は、本実施形態における測定結果を集計、あるいは予め複数の同一種類の蓄電池100により劣化状態と閾値電圧とのレベルとを実験結果から求めることにより得る。
【0029】
SOC推定部14は、測定部11が蓄電池100の端子間電圧を測定する際に用いる、蓄電池100のSOCを測定して出力する。また、本実施形態においては、二次電池劣化検出システムの構成要素とせずに、他の装置内に設けられて、SOCの情報のみを供給するように構成してもよい。SOC推定部14は、すでに一般的に知られているいずれの方法により、SOCを推定するように構成されていても良い。劣化検出器1あるいはその構成の一部は充放電装置と一体化されても良い。
【0030】
記憶部15には、判定部13で用いられる閾値電圧、所定のSOC、所定の時間td(本実施形態においては10分間、これは劣化判定の対象の蓄電池の特性に合わせて適時設定される)の各々が予め書き込まれて記憶されている。
【0031】
次に、上述した判定部13における閾値電圧の求め方について説明する。
図2は、蓄電池100に対する充電及び放電を繰り返したサイクル数と蓄電池100の容量維持率(放電容量維持率)との対応を示す図である。容量維持率とは、初期容量に対する再測定時の放電容量比を示している。したがって、容量維持率は、初期の放電容量を100とした規格化された放電容量の割合を示している。
【0032】
以下、充電及び放電を繰り返したサイクルを、充放電サイクルとし、充放電サイクルの数をサイクル数として説明する。
本実施形態において使用した蓄電池はリチウムイオン電池であり、定格容量31.2Ahで充電電圧4.2V 放電終止電圧2.5Vとして、放電の電流レートを0.5C(クーロン)により、充放電サイクル試験を行った。
【0033】
また、蓄電池100のような二次電池に対しては、CC(constant current)充電及びCV(constant voltage))充電で充電処理が行われる。本実施形態において、充電時におけるSOC100%における測定は、CV充電中ではなく、CC充電が行われている際に、充電処理を瞬断して後述する蓄電池100の端子100A及び端子100Bの端子間電圧(すなわち、端子間電圧応答)の測定を行う。
【0034】
図2における結果は、周囲が温度25℃の環境に配置し、蓄電池100をSOC0%からSOC100%の間で、充放電サイクルを繰り返したサイクル数と放電容量維持率との対応が示している。
ここで、蓄電池100をSOC0%からSOC100%の間の充電及び放電をサイクル毎に行い、容量維持率の測定を150サイクル毎に行っている。この測定時において、周囲が25℃の環境に蓄電池100を配置し、一端SOC0%まで放電させて、SOC0%からSOC100%まで充電した後に、蓄電池100のSOC100%からSOC0%までの容量維持率をプロットしている。
【0035】
図2からは、放電容量維持率と充放電サイクルのサイクル数との関係において、蓄電池100の放電容量維持率の減少率が徐々に低下するカーブ(傾きの大きいカーブ)であることが判る。また、充放電サイクルのサイクル数が1000サイクルまでと、1000サイクル以降とにおける放電容量維持率の変化は、充放電サイクルのサイクル数が増加するとともに、蓄電池100の放電容量の減少率が徐々に減少するカーブ(傾きの小さいカーブ)であることが判る。
【0036】
図3は、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。図3において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)を示している。また、図3において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を長破線で示している。
図3から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、充電時電圧応答電圧の電圧レベルが低下していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電時電圧応答電圧Vcnが低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
【0037】
図4は、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。図4において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)を示している。また、図4において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を長破線で示している。
【0038】
図4から判るように、図3と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、充電時電圧応答電圧の電圧レベルが低下していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電時電圧応答電圧Vcnが低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
しかしながら、図4に示す充電時のSOC100%は、図3に示す充電時のSOC50%の場合に比較して、より明確に充電時電圧応答電圧Vcnが低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
【0039】
図5は、放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。図5において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)を示している。また、図5において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を長破線で示している。
図5から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、放電時電圧応答電圧が変化するのが判る。
しかしながら、サイクル数の増加に対して、放電時電圧応答電圧が上下変動し、明確に蓄電池100の劣化を認識することはできない。
【0040】
図6は、放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧との対応を示す図である。図6において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)を示している。また、図6において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を長破線で示している。
【0041】
図3と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、放電時電圧応答電圧の変化が増加していくのが判る。すなわち、図5においては、図3及び図4と充電時における充電時電圧応答電圧が充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて減少するのと異なり、放電時電圧応答電圧は充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて増加していく。
【0042】
図7は、SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC50%で測定した充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算した検出応答電圧Vcn−Vc0の時間変化を示す図である。図7において、横軸は時間(s:秒)を示し、縦軸は検出応答電圧Vcn−Vc0(ΔV−ΔV、単位V)を示している。
【0043】
また、図7において、充放電のサイクル数nがn=150の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を実線で示している。また、充放電のサイクル数nがn=600の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を点線で示している。充放電のサイクル数nがn=1200の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を破線で示している。充放電のサイクル数nがn=1800の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を一点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=2400の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を二点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=3000の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を長破線で示している。
【0044】
図7から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、蓄電池の内部短絡等により容量維持率が低下し、蓄電池の劣化が進む(図2を参照)。また、図7においては、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、検出応答電圧Vcn−Vc0が低下、すなわち負の電圧値として大きくなっていく。すなわち、蓄電池100が内部短絡により劣化することで、初期品における充電時の電圧応答に比較し、充放電サイクルのサイクル数n回目における充電時の電圧応答が大きくなる。
【0045】
図8は、SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC100%で測定した充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算した検出応答電圧Vcn−Vc0の時間変化を示す図である。図8において、横軸は時間(s:秒)を示し、縦軸は検出応答電圧Vcn−Vc0(ΔV−ΔV、単位V)を示している。
【0046】
また、図8において、図7と同様に、充放電のサイクル数nがn=150の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を実線で示している。また、充放電のサイクル数nがn=600の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を点線で示している。充放電のサイクル数nがn=1200の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を破線で示している。充放電のサイクル数nがn=1800の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を一点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=2400の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を二点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=3000の充電時電圧応答電圧Vcnと充電時電圧応答電圧Vc0とから求めた検出応答電圧Vcn−Vc0を長破線で示している。
【0047】
図8から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、蓄電池の内部短絡等により容量維持率が低下し、蓄電池の劣化が進む(図2を参照)。また、図8においては、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、検出応答電圧Vcn−Vc0が低下、すなわち負の電圧値として大きくなっていく。すなわち、蓄電池100が内部短絡により劣化することで、初期品における充電時の電圧応答に比較し、充放電サイクルのサイクル数n回目における充電時の電圧応答が大きくなる。
【0048】
上述した結果から、内部短絡を原因とした容量維持率の劣化を、上記検出応答電圧Vcn−Vc0の変化により推定できることが判る。サイクル数が1800サイクルにおいては、容量維持率が初期品(蓄電池100の初期状態)に比較して70%以上(74%)あり、蓄電池100が内部短絡の劣化により使用不可となったとは、本実施形態では考えない。容量維持率自体は蓄電池の運用にもよるため、任意に設定される必要がある。
本実施形態においては、充電時の電圧応答から求めた検出応答電圧Vcn−Vcoにより、内部短絡における容量維持率の劣化を推定することが明確となった。
【0049】
図9は、SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC0%で測定した放電時電圧応答電圧Vdnから放電時電圧応答電圧Vd0を減算した検出応答電圧Vdn−Vd0の時間変化を示す図である。図9において、横軸は時間(s:秒)を示し、縦軸は検出応答電圧Vdn−Vd0(ΔV−ΔV、単位V)を示している。
【0050】
また、図9において、充放電のサイクル数nがn=150の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を実線で示している。また、充放電のサイクル数nがn=600の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を点線で示している。充放電のサイクル数nがn=1200の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を破線で示している。充放電のサイクル数nがn=1800の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を一点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=2400の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を二点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=3000の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を長破線で示している。
【0051】
図9から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、蓄電池の内部短絡等により容量維持率が低下し、蓄電池の劣化が進む(図2を参照)。また、図9においては、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、検出応答電圧Vdn−Vd0が上昇、すなわち正の電圧値として大きくなっていく。すなわち、蓄電池100が内部短絡により劣化することで、初期品における放電時の電圧応答に比較し、充放電サイクルのサイクル数n回目における放電時の電圧応答が大きくなる。
【0052】
図10は、SOC0%及びSOC100%間の充放電サイクルを25℃環境で行い、SOC0%で測定した放電時電圧応答電圧Vdnから放電時電圧応答電圧Vd0を減算した検出応答電圧Vdn−Vd0の時間変化を示す図である。図10において、横軸は時間(s:秒)を示し、縦軸は検出応答電圧Vdn−Vd0(ΔV−ΔV、単位V)を示している。
【0053】
また、図10において、図9と同様に、充放電のサイクル数nがn=150の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を実線で示している。また、充放電のサイクル数nがn=600の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を点線で示している。充放電のサイクル数nがn=1200の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を破線で示している。充放電のサイクル数nがn=1800の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を一点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=2400の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を二点鎖線で示している。充放電のサイクル数nがn=3000の放電時電圧応答電圧Vdnと放電時電圧応答電圧Vd0とから求めた検出応答電圧Vdn−Vd0を長破線で示している。
【0054】
図10においては、時間と共に検出応答電圧Vdn−Vd0が減少する変化を示す傾向が、サイクル数の増加に伴って観察される。
上述した結果から、図9のSOC0%の放電時における電圧応答に基づき、内部短絡を原因とした容量維持率の劣化を、上記検出応答電圧Vcn−Vc0の変化により推定できることが判る。サイクル数が1800サイクルにおいては、容量維持率が初期品(蓄電池100の初期状態)に比較して70%以上(74%)あり、蓄電池100が内部短絡の劣化により使用不可となったとは、本実施形態では考えない。容量維持率自体は蓄電池の運用にもよるため、任意に設定される必要がある。
本実施形態においては、図9のSOC0%の放電応答から求めた検出応答電圧Vcn−Vcoにより、内部短絡における容量維持率の劣化を推定することが明確となった。
【0055】
一方、図9のSOC50%の放電時における電圧応答に基づいた検出応答電圧Vcn−Vc0の変化は、所定の時間tdを10秒としたときにおいては正及び負の数値として変動し、劣化の程度の指標としては用いることができない。しかしながら、所定の時間tdを5秒としたときにおいては、図9の所定の時間tdを10秒としたときと同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するに従い、検出応答電圧Vdn−Vd0が上昇、すなわち正の電圧値として大きくなっていく。すなわち、蓄電池100が内部短絡により劣化することで、初期品における放電時の電圧応答に比較し、充放電サイクルのサイクル数n回目における放電時の電圧応答が大きくなる。
これにより、本実施形態においては、図10のSOC50%の放電応答から求めた検出応答電圧Vcn−Vcoにより、内部短絡における容量維持率の劣化を推定することが明確となった。
【0056】
上述した図7から図10に示した結果から、内部短絡を原因とした容量維持率の劣化を、上記検出応答電圧Vcn−Vc0あるいは検出応答電圧Vdn−Vd0の変化により推定できることが判る。すなわち、上述した本実施形態においては、蓄電池の初期状態における電圧応答電圧に比較し、蓄電池の初期状態以降における実使用されている状態の電圧応答電圧(絶対値)が増加する現象が確認されていることから、図2のサイクル数及び容量維持率との結果と合わせて、この電圧応答電圧の増加が蓄電池の劣化の指標として用いている。本実施形態においては、実使用されている状態の電圧応答電圧から、蓄電池の初期状態における電圧応答電圧を減算するため、蓄電池毎の蓄電池の初期状態における電圧応答電圧がばらついていても、上記検出応答電圧を算出することにより、蓄電池100が内部短絡による劣化の発生を検出することができる。
【0057】
また、各種電圧の測定値において、サイクル数が増加するにつれ、電圧の初期値が大きく変化する傾向が見られる。充電時電圧応答電圧Vcn(図3及び図4参照)、蓄電池の端子間電圧(図5参照)、検出応答電圧Vcn−Vc0(図7及び図8参照)、検出応答電圧Vdn−Vd0(図10参照)などである。
例えば、図10においては、2200サイクルから2400サイクルにかけて、検出応答電圧Vdn−Vd0の初期値の急激な上昇が観察される。このように、検出応答電圧Vdn−Vd0の初期の値が、著しく変化していることは、蓄電池において劣化等の何らかの変化が生じていると推定される。
上述した見地から、検出応答電圧Vdn−Vd0の初期の電圧値などの変化の程度を、蓄電池の劣化の指標の一つとして採用してもよい。
【0058】
蓄電池は、同一の種類の間においても製造バラツキがあり、充電あるいは放電におけるいずれか一方を電圧応答の判定パラメータとして使用する際、かなりの数の蓄電池の電圧応答を測定して統計的に処理して閾値を決定する必要があるため、電圧応答と蓄電池の劣化との対応を予め実験で確認するために膨大な作業となる。また、製造バラツキによる電圧応答のバラツキが大きい場合、正確に劣化を判定する閾値を設定することができず、理論的に考察する労力も大きくなる。
【0059】
一方、本実施形態によれば、充電あるいは放電における初期状態と使用状態とにおける電圧応答の差分により劣化程度を判定しているため、同一の種類の正品の間における製造バラツキの影響を受けることがない。蓄電池の充放電サイクルのサイクル数に伴う劣化程度を任意に設定したSOC近傍で測定し、運用上において使用できない容量維持率となるサイクル数を抽出し、このサイクル数における検出応答電圧(Vcn−Vc0あるいはVdn−Vdn)を求めるのみのため、従来に比較して簡易に蓄電池の劣化を判定することができる。また、すでに述べたように、製造バラツキの影響を受けることがないため、従来に比較して高い精度で劣化の程度を判定することができる。
【0060】
以下、充電時におけるSOC50%となった時点において、充電電流を瞬断した後、蓄電池100の端子100A及び端子100B間における充電時電圧応答電圧を測定し、このから劣化を判定する処理を例として説明する。
図11は、本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の初期品の充電時電圧応答電圧Vc0の測定処理動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS11:
作業者は、劣化判定を行う対象の蓄電池100の端子100A及び端子100Bを、二次電池劣化検出システムの接続スイッチ4の対応する電極に接続させる。
【0061】
ステップS12:
作業者は、評価対象の蓄電池100を二次電池劣化検出システムにセットした後、例えば、劣化検出器1の測定開始ボタン(不図示)を押下する。
これにより、劣化検出器1における測定部11は、接続スイッチ4をオン状態とし、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続する。
測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続してから所定の時間過後に、蓄電池100に対する劣化判定の処理を開始する。
【0062】
測定部11は、蓄電池100から充放電装置3により放電電流を流す放電処理を行わせる。そしてSOC推定部14は、蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となると、測定部11に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となったことを通知する。これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々に充電電圧を印加し、蓄電池100対する充電処理を、充放電装置3に対して開始させる。
【0063】
SOC推定部14は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧(充電電圧)と、シャント抵抗2の端子間電圧から測定される充電電流とからSOCを測定し、SOC50%となると、測定部11に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC50%となったことを示す制御信号を出力する。
【0064】
ステップS13:
測定部11は、SOC推定部14からSOC50%となったことが通知されると、充放電装置3に対して充電で出力している電圧を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープン状態とさせ、充電処理を停止させる。
そして、測定部11は、充電を瞬断したタイミングにおいて、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_0を測定する。
次に、測定部11は、端子間電圧Vc1_0を測定した後、所定の時間tdが経過するまで待機する。
【0065】
そして、測定部11は、所定の時間tdが経過したタイミングにおいて、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc2_0を測定する。
これにより、電圧応答算出部12は、端子間電圧Vc1_0から端子間電圧Vc2_0を減算し、充電時電圧応答電圧Vc0を求める。
また、電圧応答算出部12は、求めた充電時電圧応答電圧Vc0を、記憶部15に対して蓄電池100を識別する蓄電池識別情報とともに書き込んで、一旦記憶させる。
【0066】
図12は、本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の劣化の判定処理動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS21:
作業者は、劣化判定を行う対象の蓄電池100の端子100A及び端子100Bを、二次電池劣化検出システムの接続スイッチ4の対応する電極に接続させる。
【0067】
ステップS22:
作業者は、評価対象の蓄電池100を二次電池劣化検出システムにセットした後、例えば、劣化検出器1の測定開始ボタン(不図示)を押下する。
これにより、劣化検出器1における測定部11は、接続スイッチ4をオン状態とし、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続する。
測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、検出端子1A、検出端子1Bそれぞれを電気的に接続してから所定の時間過後に、蓄電池100に対する劣化判定の処理を開始する。
【0068】
測定部11は、蓄電池100から充放電装置3により放電電流を流す放電処理を行わせる。そしてSOC推定部14は、蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となると、測定部11に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となったことを通知する。これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々に充電電圧を印加し、蓄電池100対する充電処理を、充放電装置3に対して開始させる。
【0069】
SOC推定部14は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧(充電電圧)と、シャント抵抗2の端子間電圧から測定される充電電流とからSOCを測定し、SOC50%となると、測定部11に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC50%となったことを示す制御信号を出力する。
【0070】
ステップS23:
測定部11は、SOC推定部14からSOC50%となったことが通知されると、充放電装置3に対して充電で出力している電圧を瞬断させ、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープン状態とさせ、充電処理を停止させる。
そして、測定部11は、充電を瞬断したタイミングにおいて、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_nを測定する。
また、測定部11は、端子間電圧Vc1_nを測定した後、所定の時間tdが経過するまで待機する。
【0071】
そして、電圧応答算出部12は、所定の時間tdが経過したタイミングにおいて、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc2_nを測定する。
これにより、測定部11は、端子間電圧Vc1_nから端子間電圧Vc2_nを減算し、充電時電圧応答電圧Vcnを求める。
また、電圧応答算出部12は、求めた充電時電圧応答電圧Vcnを、記憶部15に対して蓄電池100を識別する蓄電池識別情報とともに書き込んで、一旦記憶させる。
【0072】
ステップS24:
次に、電圧応答算出部12は、評価対象の蓄電池100の蓄電池識別情報に対応し、充電時電圧応答電圧Vc0及び充電時電圧応答電圧Vcnの各々を、記憶部15から読み出す。
そして、電圧応答算出部12は、充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算し、検出応答電圧Vcn−Vc0を算出する。
また、電圧応答算出部12は、算出した検出応答電圧Vcn−Vc0を、判定部13に対して出力する。
【0073】
ステップS25:
判定部13は、電圧応答算出部12から検出応答電圧Vcn−Vc0が供給されると、記憶部15から閾値電圧を読み出す。
そして、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0と閾値電圧とを比較し、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っているか否かの判定を行う。
このとき、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以上である場合に、処理をステップS26へ進める。一方、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っている場合に、処理をステップS27へ進める。
【0074】
ステップS26:
判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以下であるため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器1に設けられた表示部(不図示)に対して行う。
【0075】
ステップS27:
判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以下であるため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器1に設けられた上記表示部に対して行う。
【0076】
また、本実施形態においては、検出応答電圧Vcn−Vc0を求めているが、充電時電圧応答電圧Vcn及び充電時電圧応答電圧Vc0の各々を絶対値とし、絶対値充電時電圧応答電圧|Vcn|、絶対値充電時電圧応答電圧|Vc0|それぞれを求める構成としても良い。この場合、絶対値充電時電圧応答電圧|Vcn|から絶対値充電時電圧応答電圧|Vc0|を減算し、検出応答電圧|Vcn|−|Vc0|として、すでに説明した閾値電圧と比較して、劣化の判定を行う。
【0077】
上述した例は、充電時におけるSOC50%での測定であるが、充電時におけるSOC100として、蓄電池100の劣化判定を行っても良い。この場合、充電時におけるSOC100%で充電電流を瞬断した後に、端子間電圧Vc1_0、端子間電圧Vc2_0、端子間電圧Vc1_n、端子間電圧Vc2_nを測定する。
【0078】
一方、放電時におけるSOC0%及びSOC50%の各々の場合、放電時におけるSOC100%で放電電流を瞬断した後に、端子間電圧Vd1_0、端子間電圧Vd2_0、端子間電圧Vd1_n、端子間電圧Vd2_nを測定する。
このとき、電圧応答算出部12は、放電時電圧応答電圧Vd0及び放電時電圧応答電圧Vdnの各々を算出し、検出応答電圧Vdn−Vd0を算出する。
そして、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0を閾値電圧と比較する。このとき、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えているか否かの判定を行う。ここで、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧以下である場合に、劣化が進んでいないと判定する。一方、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えている場合に、劣化が進んでいると判定する。
【0079】
また、絶対値放電時電圧応答電圧|Vdn|から絶対値放電時電圧応答電圧|Vd0|を減算し、検出応答電圧|Vdn|−|Vd0|として、すでに説明した閾値電圧と比較して、劣化の判定を行ってもよい。この場合には、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧以上である場合に、劣化が進んでいないと判定する。一方、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を下回っている場合に、劣化が進んでいると判定する。
【0080】
本実施形態によれば、充電(あるいは放電)における異なる時間に測定した電圧応答の差分(電圧)により劣化程度を判定しているため、同一の種類の間における製造バラツキの影響を受けることがない。蓄電池の充放電サイクルのサイクル数に伴う劣化程度を任意のSOCで測定し、運用上において使用できない容量維持率となるサイクル数を抽出し、このサイクル数における検出応答電圧Vcn−Vc0(あるいは検出応答電圧Vdn−Vd0)の測定可能な電圧値及びその電圧値を超える所定の時間tdを求めるのみのため、従来に比較して簡易に蓄電池の劣化を判定することができる。また、製造バラツキの影響を受けることがないため、従来に比較して高い精度で劣化の程度を判定することができる。
【0081】
<第2の実施形態>
図13を参照して、本発明の第2の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図13は、本発明の第2の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図13に示す二次電池劣化検出システムは、電力の需要家施設において実使用されている蓄電池を制御するEMS(energy management system)などに設けられ、実使用の蓄電池100の劣化状態を判定する構成となっている。
【0082】
図13において、二次電池劣化検出システムは、劣化検出器1’を備えて構成されている。図13に示すEMSは、シャント抵抗2と、切り替えスイッチ5、制御部7、SOC検出部6の各々と、上記劣化検出器1’を含む二次電池劣化検出システムとを備えている。劣化検出器1’の構成部の各々は、SOC推定部14が除去された構成であり、他の構成は第1の実施形態における劣化検出器1と同様のため、同一の符号を付してある。
【0083】
SOC検出部6は、蓄電池100の充放電制御を行うため、蓄電池100の蓄電容量を推定するため、EMSにおいて一般的に設けられている。本実施形態においては、EMSにおけるSOC推定機能を用いて、蓄電池100の蓄電容量がSOC50%であることを検出する。すなわち、SOC検出部6は、蓄電池100の蓄電容量がSOC50%であることを検出した場合、劣化検出器1’に対して、SOC50%となったことを通知する。
【0084】
切り替えスイッチ5は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bの各々を、負荷8に接続するか、あるいは発電機9に接続するかを切り替える。ここで、発電機9は、自然エネルギーを用いた太陽電池、あるいは自家発電機などいずれでも良い。
制御部7は、SOC検出部6の推定するSOC及びデマンド要求などに応じて、切り替えスイッチ5により、蓄電池100を負荷8に接続して放電状態とするか、蓄電池を発電機9(あるいは系統電源)に接続して充電状態とするかの制御を行う。
【0085】
以下、劣化検出器1’の蓄電池100の劣化判定の処理で、第1実施形態の劣化検出器1と異なる動作を説明する。
劣化検出器1’はユーザが蓄電池100の劣化判定を行う制御を行った場合、あるいは所定の期間が経過する毎に起動し、以下の劣化判定を行う。このとき、蓄電池100があまり使用されていない時間を、蓄電池100の設定時間としておき、劣化検出器1’は、この設定時間となると蓄電池100の劣化判定を行う。
劣化判定を行う際、測定部11は、SOC検出部6に対して蓄電池100の現在のSOCを確認する。
【0086】
<蓄電池100の充電処理における劣化判定の処理>
蓄電池100の充電処理におけるSOC50%において、蓄電池100の劣化判定の処理を行う際、蓄電池100の初期状態、及び蓄電池100の初期状態以降の実使用状態の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の測定結果から、以下の判定処理が行われる。
蓄電池100の使用を開始する時点において、以下に示すように、蓄電池100の初期状態における充電時電圧応答電圧Vc0を求める。
【0087】
測定部11は、蓄電池100の劣化判定を行う場合、制御部7に対して蓄電池100がSOC0%となるように、蓄電池100の放電を行わせる。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
【0088】
そして、測定部11は、SOC検出部6が蓄電池100がSOC0%となったことを検出すると、制御部7に対して蓄電池100に対する充電処理を行わせる。蓄電池100に対する充電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC0%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となったことを示す情報を通知する。
これにより、制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
【0089】
上述のように、蓄電池100に対する充電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC50%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC50%となったことを示す情報を通知する。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、発電機9による蓄電池100に対する充電処理を瞬断させる。
【0090】
次に、制御部7は、切り替えスイッチ5をオフ状態としたため、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープンとしたことを、測定部11に対して通知する。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち充電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_0を測定する。
【0091】
また、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態となってから、所定の時間tdが経過するまで待機し、所定の時間tdが経過した時点における蓄電池100の端子100A及び端子100Bにおける端子間電圧Vc2_0を測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vc1_0及び端子間電圧Vc2_0の各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0092】
次に、電圧応答算出部12は、記憶部15から端子間電圧Vc1_0及び端子間電圧Vc2_0の各々を読み出す。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vc1_0から端子間電圧Vc2_0を減算し、充電時電圧応答電圧Vc0を算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vc0を、端子間電圧Vc1_0及び端子間電圧Vc2_0に対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0093】
制御部7は、所定の期間経過後、測定部11に対して、蓄電池100の実使用における劣化判定の指示を出力する。
測定部11は、蓄電池100の劣化判定を行う場合、制御部7に対して蓄電池100がSOC0%となるように、蓄電池100の放電を行わせる。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
【0094】
そして、測定部11は、SOC検出部6が蓄電池100がSOC0%となったことを検出すると、制御部7に対して蓄電池100に対する充電処理を行わせる。蓄電池100に対する充電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC0%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となったことを示す情報を通知する。
これにより、制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
【0095】
上述のように、蓄電池100に対する充電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC50%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC50%となったことを示す情報を通知する。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、発電機9による蓄電池100に対する充電処理を瞬断させる。
【0096】
次に、制御部7は、切り替えスイッチ5をオフ状態としたため、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープンとしたことを、測定部11に対して通知する。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち充電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vc1_nを測定する。
【0097】
また、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態となってから、所定の時間tdが経過するまで待機し、所定の時間tdが経過した時点における蓄電池100の端子100A及び端子100Bにおける端子間電圧Vc2_nを測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vc1_n及び端子間電圧Vc2_nの各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0098】
次に、電圧応答算出部12は、記憶部15から端子間電圧Vc1_n及び端子間電圧Vc2_nの各々を読み出す。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vc1_nから端子間電圧Vc2_nを減算し、充電時電圧応答電圧Vcnを算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vcnを、端子間電圧Vc1_n及び端子間電圧Vc2_nに対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0099】
次に、判定部13は、記憶部15に記憶されている充電時電圧応答電圧Vc0と、充電時電圧応答電圧Vcnと、閾値電圧とを読み出す。
そして、判定部13は、充電時電圧応答電圧Vcnから充電時電圧応答電圧Vc0を減算し、検出応答電圧Vcn−Vc0を算出する。
判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0と閾値電圧とを比較し、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っているか否かの判定を行う。
このとき、判定部13は、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧以上であれば、劣化していないと判定し、一方、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を下回っていれば、劣化していると判定する。判定部13は、劣化検出器1’の表示部(不図示)に対し、蓄電池100の判定結果を表示する。
【0100】
また、充電時におけるSOC100%においても、蓄電池100の劣化判定の処理を行う際、蓄電池100の初期状態、及び蓄電池100の初期状態以降の実使用状態の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の測定結果から、以下の判定処理が行われる。この際、蓄電池100をSOC0%とし、SOC100%の時点で充電を瞬断し、上述と同様の判定処理が行われる。
【0101】
<蓄電池100の放電処理における劣化判定の処理>
蓄電池100の放電処理におけるSOC0%において、蓄電池100の劣化判定の処理を行う際、蓄電池100の初期状態、及び蓄電池100の初期状態以降の実使用状態の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の測定結果から、以下の判定処理が行われる。
蓄電池100の使用を開始する時点において、以下に示すように、蓄電池100の初期状態における充電時電圧応答電圧Vc0を求める。
【0102】
測定部11は、蓄電池100の劣化判定を行う場合、制御部7に対して蓄電池100がSOC100%となるように、蓄電池100に対して充電を行う。
これにより、制御部7は、制御部7に対して蓄電池100に対する充電処理を行わせる。
制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
【0103】
そして、測定部11は、SOC検出部6が蓄電池100がSOC100%となったことを検出すると、制御部7に対して蓄電池100がSOC0%となるように放電処理を行わせる。蓄電池100に対する放電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC100%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC100%となったことを示す情報を通知する。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
【0104】
上述のように、蓄電池100に対する放電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC0%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となったことを示す情報を通知する。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、負荷8に対して放電電流を流させる、蓄電池100に対する放電処理を瞬断させる。
【0105】
次に、制御部7は、切り替えスイッチ5をオフ状態としたため、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープンとしたことを、測定部11に対して通知する。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち放電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vd1_0を測定する。
【0106】
また、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態となってから、所定の時間tdが経過するまで待機し、所定の時間tdが経過した時点における蓄電池100の端子100A及び端子100Bにおける端子間電圧Vd2_0を測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vd1_0及び端子間電圧Vd2_0の各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0107】
次に、電圧応答算出部12は、記憶部15から端子間電圧Vd1_0及び端子間電圧Vd2_0の各々を読み出す。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vd1_0から端子間電圧Vd2_0を減算し、充電時電圧応答電圧Vd0を算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vd0を、端子間電圧Vcd_0及び端子間電圧Vcd_0に対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0108】
制御部7は、所定の期間経過後、測定部11に対して、蓄電池100の実使用における劣化判定の指示を出力する。
測定部11は、蓄電池100の劣化判定を行う場合、制御部7に対して蓄電池100がSOC100%となるように、蓄電池100に対して充電を行う。
これにより、制御部7は、制御部7に対して蓄電池100に対する充電処理を行わせる。
これにより、制御部7は、発電機9に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、発電機9から充電電圧(充電電流)を蓄電池100に供給するようにし、蓄電池100に対して充電が行われるようにする。
【0109】
そして、測定部11は、SOC検出部6が蓄電池100がSOC100%となったことを検出すると、制御部7に対して蓄電池100がSOC0%となるように放電処理を行わせる。
これにより、制御部7は、負荷8に対して蓄電池100の端子100A及び端子100Bが接続されるように、切り替えスイッチ5を切り替える。また、制御部7は、切り替えスイッチ5の切り替え後に、負荷8に対して放電電流を流させるようにし、蓄電池100に対して放電が行われるようにする。
【0110】
上述のように、蓄電池100に対する放電が開始された後、SOC検出部6は、蓄電池100がSOC0%となったことと検出すると、劣化検出器1’に対して蓄電池100の蓄電容量がSOC0%となったことを示す情報を通知する。
このとき、測定部11は、切り替えスイッチ5を制御し、負荷8及び発電機9の双方から、蓄電池100の端子100A及び端子100B切り離す処理を行う指示を制御部7に対して出力する。そして、制御部7は、蓄電池100から負荷8及び発電機9の双方を切り離すよう切り替えスイッチ5を制御する。
これにより、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧を測定するため、負荷8に対して放電電流を流させる、蓄電池100に対する放電処理を瞬断させる。
【0111】
次に、制御部7は、切り替えスイッチ5をオフ状態としたため、蓄電池100の端子100A及び端子100Bをオープンとしたことを、測定部11に対して通知する。
そして、測定部11は、制御部7から蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態とされたことが通知されると、そのオープン状態となった時点、すなわち放電が瞬断されたタイミングにおける蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧Vd1_nを測定する。
【0112】
また、測定部11は、蓄電池100の端子100A及び端子100Bがオープン状態となってから、所定の時間tdが経過するまで待機し、所定の時間tdが経過した時点における蓄電池100の端子100A及び端子100Bにおける端子間電圧Vd2_nを測定する。
そして、測定部11は、測定した端子間電圧Vd1_n及び端子間電圧Vd2_nの各々を、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0113】
次に、電圧応答算出部12は、記憶部15から端子間電圧Vd1_n及び端子間電圧Vd2_0の各々を読み出す。
電圧応答算出部12は、端子間電圧Vd1_nから端子間電圧Vd2_nを減算し、充電時電圧応答電圧Vd0を算出する。
そして、電圧応答算出部12は、算出した充電時電圧応答電圧Vdnを、端子間電圧Vcd_n及び端子間電圧Vcd_nに対応させ、記憶部15に対して書き込んで記憶させる。
【0114】
次に、判定部13は、記憶部15に記憶されている放電時電圧応答電圧Vd0と、放電時電圧応答電圧Vdnと、閾値電圧とを読み出す。
そして、判定部13は、放電時電圧応答電圧Vdnから放電時電圧応答電圧Vd0を減算し、検出応答電圧Vdn−Vd0を算出する。
判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0と閾値電圧とを比較し、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧を超えているか否かの判定を行う。
このとき、判定部13は、検出応答電圧Vdn−Vd0が閾値電圧以下であれば、劣化していないと判定し、一方、検出応答電圧Vcn−Vc0が閾値電圧を超えていれば、劣化していると判定する。判定部13は、劣化検出器1’の表示部(不図示)に対し、蓄電池100の判定結果を表示する。
【0115】
また、放電時におけるSOC50%においても、蓄電池100の劣化判定の処理を行う際、蓄電池100の初期状態、及び蓄電池100の初期状態以降の実使用状態の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子間電圧の測定結果から、以下の判定処理が行われる。この際、蓄電池100をSOC100%とし、SOC0%の時点で放電を瞬断し、上述と同様の判定処理が行われる。
【0116】
上述した本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、充電(あるいは放電)における異なる時間に測定した電圧応答の差分(電圧)により劣化程度を判定しているため、同一の種類の間における製造バラツキの影響を受けることがない。蓄電池の充放電サイクルのサイクル数に伴う劣化程度を任意のSOCで測定し、運用上において使用できない容量維持率となるサイクル数を抽出し、このサイクル数における検出応答電圧Vcn−Vc0(あるいは検出応答電圧Vdn−Vd0)の測定可能な電圧値及びその電圧値を超える所定の時間tdを求めるのみのため、従来に比較して簡易に蓄電池の劣化を判定することができる。また、製造バラツキの影響を受けることがないため、従来に比較して高い精度で劣化の程度を判定することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、実使用している際に、蓄電池100の劣化判定が行えるため、蓄電池100を使用しつつ、使用可能か否かの判定を行えるため、メンテナンスの頻度を低下させ、ランニングコストを低下させることができる。
【0118】
<第3の実施形態>
図14を参照して、本発明の第3の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図14に示す二次電池劣化検出システムは、第1の実施形態と同様に、製造時出荷前の品質検査、あるいは中古品の劣化状態やメンテナンス時における劣化状態などの際に使用する構成となっている。図14において、二次電池劣化検出システムは、劣化検出器10と、シャント抵抗2と、充放電装置3と、接続スイッチ4とを備えている。また、図14において、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付してある。
【0119】
第3の実施形態が第1の実施形態と異なる構成は、劣化検出器1と入れ替えられた劣化検出器10である。劣化検出器10は、充放電装置3を制御して、蓄電池100に対して充電及び放電を行い、蓄電池100の端子100A(+側端子)及び端子100B電圧(−側端子)の端子間の端子間電圧の電圧応答に基づいて蓄電池100の内部短絡が原因で生じる劣化の程度を判定する。
劣化検出器10は、測定部11、電圧応答微分値算出部16、判定部13A、SOC推定部14、記憶部15の各々を備えている。
【0120】
電圧応答微分値算出部16は、蓄電池100の放電時において、測定部11が放電開始時に測定した端子間電圧から、所定の測定時間範囲の蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧までの測定点(測定時刻)からなる放電時測定電圧曲線を微分し、放電時測定電圧微分曲線を求める。
判定部13Aは、電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線において、放電開始時から所定の時間経過した時刻である比較対象時刻の放電時測定電圧微分曲線における放電時測定電圧微分値(以下、放電電圧微分値Vdif_dとする)の絶対値が、予め設定した放電時微分値閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記比較対象時刻の放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が、放電時微分値閾値以下である場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値を超えている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0121】
また、判定部13Aは、電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線において、放電開始時から所定の時間経過した時刻である比較対象時刻の放電時測定電圧微分曲線における放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が、予め設定した放電時微分値範囲内に含まれるか否かの判定を行うように構成しても良い。この場合、判定部13Aは、上記比較対象時刻の放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が、放電時微分値範囲に含まれていない場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値範囲に含まれている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0122】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の放電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の放電電圧微分値Vdif_dの差分である放電時微分値差分Vdif_d_difを求める。そして、判定部13Aは、求めた放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が予め設定した放電時差分閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が放電時差分閾値以下の場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が放電時差分閾値を超える場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0123】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の放電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の放電電圧微分値Vdif_dの差分である放電時微分値差分Vdif_d_difを求める。そして、判定部13Aは、放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が、予め設定した放電時微分値差分範囲内に含まれるか否かの判定を行うように構成しても良い。この場合、判定部13Aは、上記比較対象時刻の放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が、放電時微分値差分範囲に含まれていない場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が放電時微分値差分範囲に含まれている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0124】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の放電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の放電電圧微分値Vdif_dの差分である放電時微分値差分Vdif_d_difを求める。ここで、判定部13Aは、各測定時刻の放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値の最大値と最小値とを抽出し、これら最大値と最小値との差分を放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difを求め、予め設定した放電時差分差閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値が放電時差分差閾値を超える場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値が放電時差分差閾値以下である場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0125】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の放電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の放電電圧微分値Vdif_dの差分である放電時微分値差分Vdif_d_difを求める。そして、判定部13Aは、上記微分値差分の絶対値を全測定時刻において加算し、この加算値を全測定時刻の数により除算することにより、放電時微分値差分Vdif_d_difの全測定時刻における平均値である放電時微分値平均値Vave_dif_dを求める。ここで、判定部13Aは、上記放電時微分値平均値Vave_dif_dが予め設定した放電時平均値閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、放電時微分値平均値Vave_dif_dが放電時平均値閾値を超える場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、放電時微分値平均値Vave_dif_dが放電時平均値閾値以下である場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0126】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた放電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の放電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の放電電圧微分値Vdif_dの差分である微分値差分を求める。そして、判定部13Aは、上記微分値差分の絶対値を全測定時刻において加算し、この加算値を全測定時刻の数により除算することにより、放電時微分値差分Vdif_d_difの全測定時刻における平均値である放電時微分値平均値Vave_dif_dを求める。ここで、判定部13Aは、上記放電時微分値平均値Vave_dif_dが予め設定した放電時平均値範囲に含まれるか否かの判定を行う。判定部13Aは、放電時微分値平均値Vave_dif_dが放電時平均値範囲に含まれない場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、放電時微分値平均値Vave_dif_dが放電時平均値範囲に含まれる場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0127】
また、以下に示すように、放電処理において瞬断した際の端子間電圧を測定するのでは無く、充電時において瞬断した際の端子間電圧を測定するように測定部11を構成しても良い。
電圧応答微分値算出部16は、蓄電池100の充電時において、測定部11が充電開始時に測定した端子間電圧から、所定の測定時間範囲の蓄電池100の初期状態において測定部11の測定した端子間電圧までの測定点からなる充電時測定電圧曲線を微分し、充電時測定電圧微分曲線を求める。
判定部13Aは、電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線において、充電開始時から所定の時間経過した時刻である比較対象時刻の充電時測定電圧微分曲線における充電時測定電圧微分値(以下、充電電圧微分値Vdif_cとする)の絶対値が、予め設定した充電時微分値閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記比較対象時刻の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が、微分値閾値以下である場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値を超えている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0128】
また、判定部13Aは、電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線において、充電開始時から所定の時間経過した時刻である比較対象時刻の充電時測定電圧微分曲線における充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が、予め設定した充電時微分値範囲内に含まれるか否かの判定を行うように構成しても良い。この場合、判定部13Aは、上記比較対象時刻の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が、充電時微分値範囲に含まれていない場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値範囲に含まれている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0129】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の充電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の充電電圧微分値Vdif_cの差分である充電時微分値差分Vdif_c_difを求める。そして、判定部13Aは、求めた充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が予め設定した充電時差分閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が充電時差分閾値を超える場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が充電時差分閾値以下の場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0130】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の充電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の充電電圧微分値Vdif_cの差分である充電時微分値差分Vdif_c_difを求める。そして、判定部13Aは、充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が、予め設定した充電時微分値差分Vdif_c_dif範囲内に含まれるか否かの判定を行うように構成しても良い。この場合、判定部13Aは、上記比較対象時刻の充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が、充電時微分値差分Vdif_c_dif範囲に含まれていない場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、比較対象時刻の充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が充電時微分値差分Vdif_c_dif範囲に含まれている場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0131】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の充電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の充電電圧微分値Vdif_cの差分である充電時微分値差分Vdif_c_difを求める。ここで、判定部13Aは、各測定時刻の充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値の最大値と最小値とを抽出し、これら最大値と最小値との差分を充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値を求め、予め設定した充電時差分差閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、上記充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値が充電時差分差閾値を超える場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値が充電時差分差閾値以下である場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0132】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の充電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の充電電圧微分値Vdif_cの差分である充電時微分値差分Vdif_c_difを求める。そして、判定部13Aは、上記微分値差分の絶対値を全測定時刻において加算し、この加算値を全測定時刻の数により除算することにより、充電時微分値差分Vdif_c_difの全測定時刻における平均値である充電時微分値平均値Vave_dif_cを求める。ここで、判定部13Aは、上記充電時微分値平均値Vave_dif_cが予め設定した充電時平均値閾値以下か否かの判定を行う。判定部13Aは、充電時微分値平均値Vave_dif_cが充電時平均値閾値を超える場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、充電時微分値平均値Vave_dif_cが充電時平均値閾値以下である場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0133】
また、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々において電圧応答微分値算出部16が求めた充電時測定電圧微分曲線の変化を比較することで、蓄電池100の劣化のレベルの判定を行う構成としてもよい。すなわち、判定部13Aは、蓄電池100の初期状態及び実使用後の各々の充電時測定電圧微分曲線における各測定時刻(蓄電池100の端子間電圧を測定した時刻)の充電電圧微分値Vdif_cの差分である充電時微分値差分Vdif_c_difを求める。そして、判定部13Aは、上記微分値差分の絶対値を全測定時刻において加算し、この加算値を全測定時刻の数により除算することにより、充電時微分値差分Vdif_c_difの全測定時刻における平均値である充電時微分値平均値Vave_dif_cを求める。ここで、判定部13Aは、上記充電時微分値平均値Vave_dif_cが予め設定した充電時平均値範囲に含まれるか否かの判定を行う。判定部13Aは、充電時微分値平均値Vave_dif_cが充電時平均値範囲に含まれない場合、蓄電池100の劣化が実使用に問題が生じるレベルの程度であると判定する。一方、判定部13は、充電時微分値平均値Vave_dif_cが充電時平均値閾範囲に含まれる場合、蓄電池100が実使用に問題が生じるレベルまでは劣化していないと判定する。
【0134】
図15は、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値(時間微分における微分値)との対応を示す図である。この図15は、図3の端子間電圧の変化を示す曲線を時間微分して生成した充電時測定電圧微分曲線を示している。図15において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の時間微分値を示している。また、図15において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を長破線で示している。
図15から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて(使用経過によって)、充電時電圧応答電圧の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が低下していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。図15(以降の図においても同様)において、初期品の充電電圧微分値が初期測定電圧微分値であり、充放電サイクルを経た充電電圧微分値が使用度測定電圧微分値である。
【0135】
図16は、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値(時間微分における微分値)との対応を示す図である。この図16は、図4の端子間電圧の変化を示す曲線を時間微分して生成した充電時測定電圧微分曲線を示している。図16において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の時間微分値を示している。また、図16において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電電圧微分値Vdif_cからなる充電時測定電圧微分曲線を長破線で示している。
【0136】
図16から判るように、図15と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、充電時電圧応答電圧の充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が増加していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が増加し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
しかしながら、図16に示す充電時のSOC100%は、図15に示す充電時のSOC50%の場合とは逆に、サイクル数の増加とともに充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が増加し(150サイクルを除く)、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、図16において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の充電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の充電電圧微分値Vdif_cの差分の絶対値の平均値(充電時微分値平均値Vave_dif_c)が大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
【0137】
図17は、放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値(時間微分における微分値)との対応を示す図である。この図17は、図5の端子間電圧の変化を示す曲線を時間微分して生成した放電時測定電圧微分曲線を示している。図17において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の時間微分値を示している。また、図17において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の変化を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を長破線で示している。
【0138】
図17から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、放電時電圧応答電圧の放電時測定電圧微分曲線が変化するのが判る。
ここで、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分(放電時微分値差分)の絶対値が大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
また、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電時測定電圧微分値の差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値が大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
【0139】
図18は、放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値(時間微分における微分値)との対応を示す図である。この図18は、図6の端子間電圧の変化を示す曲線を時間微分して生成した放電時測定電圧微分曲線を示している。図18において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の時間微分値を示している。また、図6において、実線は、初期品(充放電サイクルを開始する前)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を実線で示している。また、点線は、150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を示している。破線は、600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を破線で示している。一点鎖線は、1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を一点鎖線で示している。二点鎖線は、1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を二点鎖線で示している。長破線は、2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電電圧微分値Vdif_dからなる放電時測定電圧微分曲線を長破線で示している。
【0140】
図18は、図15と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、放電時電圧応答電圧の放電時測定電圧微分曲線における放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が増加していくのが判る。
【0141】
図19は、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の充電時微分値差分Vdif_c_difとの対応を示す図である。この図19は、図15における初期状態(初期品)の充電時測定電圧微分曲線と、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線とにおける測定時刻毎の充電時微分値差分Vdif_c_difの時間変化を示している。図19において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の充電時微分値差分Vdif_c_difを示している。また、図19において、点線は、初期品と150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。破線は、初期品と600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。一点鎖線は、初期品と1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。二点鎖線は、初期品と1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。長破線は、初期品と2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。
【0142】
図19から判るように、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、所定の時刻までの時間範囲において、充電時電圧応答電圧の充電電圧微分値Vdif_cにおける充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が低下していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が低下し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、図19において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の充電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の充電電圧微分値Vdif_cの差分の平均値(充電時微分値平均値Vave_dif_c)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、小さくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
【0143】
図20は、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の充電時微分値差分Vdif_c_difとの対応を示す図である。この図20は、図16における初期状態(初期品)の充電時測定電圧微分曲線と、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線とにおける測定時刻毎の充電時微分値差分Vdif_c_difの時間変化を示している。図20において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の充電時微分値差分Vdif_c_difを示している。また、図20において、点線は、初期品と150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。破線は、初期品と600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。一点鎖線は、初期品と1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。二点鎖線は、初期品と1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。長破線は、初期品と2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の充電時微分値差分Vdif_c_difの微分曲線を示している。
【0144】
図20から判るように、図19と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、所定の時刻までの時間範囲において、充電時電圧応答電圧の充電電圧微分値Vdif_cにおける充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が増加していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が増加し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、図20において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の充電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の充電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の充電電圧微分値Vdif_cの差分の平均値(充電時微分値平均値Vave_dif_c)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、大きくなり、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
【0145】
図21は、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の放電時微分値差分Vdif_d_difとの対応を示す図である。この図21は、図17における初期状態(初期品)の放電時測定電圧微分曲線と、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線とにおける測定時刻毎の放電時微分値差分Vdif_d_difの時間変化を示している。図21において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の放電時微分値差分Vdif_d_difを示している。また、図21において、点線は、初期品と150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。破線は、初期品と600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。一点鎖線は、初期品と1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。二点鎖線は、初期品と1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。長破線は、初期品と2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。
【0146】
図21から判るように、図19と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、所定の時刻までの時間範囲において、放電時電圧応答電圧の放電電圧微分値Vdif_dにおける放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が増加していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が増加し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。一方、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、上記所定の時刻以降の時間範囲において、放電時電圧応答電圧の放電電圧微分値Vdif_dにおける充電時微分値差分Vdif_c_difの絶対値が低下していくのが判る。
また、図21において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、増加しており、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。一方、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値も所定の時刻以降の時間範囲において、低下しており、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
【0147】
図22は、充電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎における時間tdと蓄電池100の端子間電圧の微分値の放電時微分値差分Vdif_d_difとの対応を示す図である。この図22は、図18における初期状態(初期品)の放電時測定電圧微分曲線と、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線とにおける測定時刻毎の放電時微分値差分Vdif_d_difの時間変化を示している。図22において、横軸が時間(単位√t)を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の放電時微分値差分Vdif_d_difを示している。また、図22において、点線は、初期品と150cyc(充放電サイクルを150回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。破線は、初期品と600cyc(充放電サイクルを600回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。一点鎖線は、初期品と1200cyc(充放電サイクルを1200回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。二点鎖線は、初期品と1800cyc(充放電サイクルを1800回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。長破線は、初期品と2400cyc(充放電サイクルを2400回のサイクル数で行った後)の実使用状態との蓄電池100の端子100A及び端子100B間の端子電圧の放電時微分値差分Vdif_d_difの微分曲線を示している。
【0148】
図22から判るように、図19と同様に、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、所定の時刻までの時間範囲において、放電時電圧応答電圧の放電電圧微分値Vdif_dにおける放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が増加していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、放電時微分値差分Vdif_d_difの絶対値が増加し、内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、図22において、サイクル数の増加に伴い、初期状態の放電時測定電圧微分曲線に対する、実使用状態の放電時測定電圧微分曲線における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの差分の平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_d)の絶対値も所定の時刻までの時間範囲において、増加しており、明確に蓄電池100の劣化を認識することができる。
【0149】
図23は、図19から図22の各々におけるサイクル数毎の微分値差分を示す微分曲線の各々における最大値と最小値との差である微分値差分差(放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difあるいは充電時微分値差分差Vdif_c_dif_dif)を示す図である。図23において、横軸がサイクル数を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の微分値差分差(放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difあるいは充電時微分値差分差Vdif_c_dif_dif)を示している。
図23において、◆のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図19)における充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difとの対応を示している。□(図では黒四角)のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図20)における充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difとの対応を示している。▲のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図21)における放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difとの対応を示している。×のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図22)における放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difとの対応を示している。
【0150】
図23からは、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、単調増加していく傾向が読み取れる。所定の時刻までの時間範囲において、放電時電圧応答電圧(SOC50%、SOC0%)の放電電圧微分値Vdif_dにおける放電時微分値差分差の絶対値と、充電電圧微分値Vdif_c(SOC100%、SOC50%)における充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値との各々が増加していくのが判る。すなわち、充放電のサイクル数(劣化の程度)が増加するに従い、放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値及び充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値の各々が増加し、蓄電池100の内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
【0151】
図24は、図19から図22の各々におけるサイクル数毎の微分値差分を示す微分曲線の各々における平均値を示す図である。図24において、横軸がサイクル数を示し、縦軸が蓄電池100の端子間電圧(単位V)の微分値平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_dあるいは充電時微分値平均値Vave_dif_c)を示している。
図24において、◆のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図19)における充電時微分値平均値Vave_dif_cとの対応を示している。□(図では黒四角)のプロットの線分は、サイクル数と、充電時にSOC100%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図20)における充電時微分値平均値Vave_dif_cとの対応を示している。▲のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC50%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図21)における放電時微分値平均値Vave_dif_dとの対応を示している。×のプロットの線分は、サイクル数と、放電時にSOC0%で測定した蓄電池100のサイクル数毎の微分曲線(図22)における放電時微分値平均値Vave_dif_dとの対応を示している。
【0152】
図24からは、充放電サイクルのサイクル数が増加するにつれて、単調増加していく傾向が読み取れる。所定の時刻までの時間範囲において、放電時電圧応答電圧(SOC50%)における放電電圧微分値Vdif_dの放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値と、充電時電圧応答電圧(SOC50%)における充電電圧微分値Vdif_cの充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値とが収束していくことが判る。このため、放電時電圧応答電圧(SOC50%)の放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difと、充電時電圧応答電圧(SOC50%)の充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difとからは、蓄電池100の内部短絡の変化を読み取ることが難しい。
しかしながら、サイクル数の増加とともに、放電時電圧応答電圧(SOC0%)における放電電圧微分値Vdif_dの放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値が増加(単調増加)していくことが判る。このサイクル数の増加に伴う放電時電圧応答電圧(SOC0%)における放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値の変化により、蓄電池100の内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
また、サイクル数の増加とともに、充電時電圧応答電圧(SOC100%)における充電電圧微分値Vdif_cの充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値が減少(単調減少)していくことが判る。このサイクル数の増加に伴う充電時電圧応答電圧(SOC100%)における充電時微分値差分Vdif_c_dif差の絶対値の変化により、蓄電池100の内部短絡による応答電圧の変化が見て取れる。
【0153】
上述した図15から図24までの端子間電圧における応答電圧の微分曲線の変化の見地から、微分値(放電時微分値及び充電時微分値)の絶対値と、微分値差分(放電時微分値差分及び充電時)微分値差分の絶対値と、微分値平均値(放電時微分値平均値Vave_dif_dあるいは充電時微分値平均値Vave_dif_c)と、微分値差分差(放電時微分値差分差Vdif_d_dif_dif及び充電時微分値差分差Vdif_c_dif_dif)の絶対値との各々を、蓄電池の劣化の指標として採用してもよい。
【0154】
本実施形態によれば、充電あるいは放電における初期状態と使用状態とにおける電圧応答の微分値の絶対値により劣化程度を判定しているため、同一の種類の正品の間における製造バラツキの影響を受けることがない。蓄電池の充放電サイクルのサイクル数に伴う劣化程度を任意に設定したSOC近傍で測定し、運用上において使用できない容量維持率となるサイクル数を抽出し、このサイクル数における検出応答電圧の測定電圧微分値の絶対値、放電時微分値平均値Vave_dif_dの絶対値及び放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値のいずれかにより劣化を判定するため、従来に比較して簡易に蓄電池の劣化を判定することができる。また、すでに述べたように、製造バラツキの影響を受けることがないため、従来に比較して高い精度で劣化の程度を判定することができる。
【0155】
以下、充電時におけるSOC50%となった時点において、充電電流を瞬断した後、蓄電池100の端子100A及び端子100B間における充電時電圧応答電圧を所定の時間範囲において測定時刻毎に測定し、この測定した充電時電圧応答電圧の微分値である充電電圧微分値Vdif_cの絶対値から劣化を判定する処理を例として説明する。
図25は、本実施形態による二次電池劣化検出システムにおける蓄電池の初期品の充電時電圧応答電圧Vc0の測定処理動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態のフローチャートにおいて、ステップS31からステップS33の各々は、第1の実施形態における図11のフローチャートにおけるステップS11からステップS13それぞれと同様のため、処理の説明を省略する。
【0156】
ステップS34:
電圧応答微分値算出部16は、記憶部15から所定の時間範囲の測定電圧である充電時電圧応答電圧を順次読み込む。
そして、電圧応答微分値算出部16は、測定時刻に対応して微分処理を行い、充電電圧微分値Vdif_cを求め、蓄電池100の充電時測定電圧微分曲線を生成し、記憶部15に書き込んで記憶させる。
【0157】
ステップS35:
判定部13Aは、記憶部15から蓄電池100の充電時測定電圧微分曲線を読み出し、読み出した充電時測定電圧微分曲線から、所定の測定時刻の充電電圧微分値Vdif_cを抽出する。
そして、判定部13Aは、抽出した充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧を超えているか否かの判定を行う。このとき、判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧を超えている場合、処理をステップS36へ進める。一方、判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧以下の場合、処理をステップS37へ進める。
【0158】
ステップS36:
判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cが充電時微分値閾値電圧を超えているため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器10(あるいは後述する第4の実施形態における劣化検出器20)に設けられた表示部(不図示)に対して行う。
【0159】
ステップS37:
判定部13Aは、充電電圧微分値Vdif_cの絶対値が充電時微分値閾値電圧以下であるため、蓄電池100が劣化の程度が使用に影響を与える程に劣化していないことを作業者に対して通知する画像を、劣化検出器10(あるいは後述する第4の実施形態における劣化検出器20)に設けられた上記表示部に対して行う。
【0160】
上述した例は、充電時におけるSOC50%での測定であるが、充電時におけるSOC100として、蓄電池100の劣化判定を行っても良い。この場合、充電時におけるSOC100%で充電電流を瞬断した後に、所定の時間範囲における測定時刻毎に充電時電圧応答電圧を測定し、蓄電池100の充電時測定電圧微分曲線を生成する。
また、蓄電池100の予め測定した特性により、劣化判定が可能となる充電時測定電圧微分曲線を生成し、充電時微分値平均値Vave_dif_cの絶対値と、充電時微分値差分差Vdif_c_dif_difの絶対値との各々を求め、蓄電池の劣化を判定してもよい。
【0161】
一方、放電時におけるSOC0%及びSOC50%の各々の場合、放電時におけるSOC100%で放電電流を瞬断した後に、所定の時間範囲における測定時刻毎に放電時電圧応答電圧を測定し、蓄電池100の放電時測定電圧微分曲線を生成する。
このとき、電圧応答微分値算出部16は、所定の時間範囲における測定時刻毎の放電電圧微分値Vdif_dの微分処理を行い、蓄電池100の放電時測定電圧微分曲線を生成する。
そして、判定部13Aは、抽出した放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値電圧を超えているか否かの判定を行い、放電電圧微分値Vdif_dの絶対値に対してと同様の判定処理を行う。
例えば、放電時におけるSOC0%の場合、判定部13Aは、放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値電圧を超えている場合、蓄電池100の劣化が進んでいると判定する。一方、判定部13Aは、放電電圧微分値Vdif_dの絶対値が放電時微分値閾値電圧以下の場合、劣化が進んでいないと判定する。
また、蓄電池100の予め測定した特性により、劣化判定が可能となる放電時測定電圧微分曲線を生成し、放電時微分値平均値Vave_dif_dの絶対値と、放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値との各々を求め、蓄電池の劣化を判定してもよい。
【0162】
<第4の実施形態>
図26を参照して、本発明の第4の実施形態による二次電池、例えば非水電解質二次電池(特にリチウムイオン電池)の内部短絡を原因とする劣化の判定を行う二次電池劣化検出システムを説明する。
図26は、本発明の第4の実施形態による二次電池劣化検出システムの構成例を示す図である。図26に示す二次電池劣化検出システムは、第2の実施形態と同様に、電力の需要家施設において実使用されている蓄電池を制御するEMSなどに設けられ、実使用の蓄電池100の劣化状態を判定する構成となっている。
【0163】
図26において、二次電池劣化検出システムは、劣化検出器20を備えて構成されている。図26に示すEMSは、シャント抵抗2と、切り替えスイッチ5、制御部7、SOC検出部6の各々と、上記劣化検出器20を含む二次電池劣化検出システムとを備えている。劣化検出器20の構成部の各々は、劣化検出器10からSOC推定部14が除去された構成であり、他の構成は第3の実施形態における劣化検出器10と同様のため、同一の符号を付してある。
【0164】
本実施形態は、第2の実施形態における劣化検出器1’に換え、劣化検出器20を用いている。このため、測定電圧の測定処理については第2の実施形態と同様であり、また蓄電池100の測定電圧微分値の絶対値を用いる劣化判定における処理は第3の実施形態と同様であるため、詳細な動作の説明は省略する。
【0165】
上述した本実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、充電(あるいは放電)における異なる時間に測定した電圧応答の測定電圧の微分値である測定電圧微分値(放電電圧微分値Vdif_d及び充電電圧微分値Vdif_c)の絶対値により劣化程度を判定しているため、同一の種類の間における製造バラツキの影響を受けることがない。蓄電池の充放電サイクルのサイクル数に伴う劣化程度を任意のSOCで測定し、運用上において使用できない容量維持率となるサイクル数を抽出し、このサイクル数における測定電圧微分値の絶対値、放電時微分値平均値Vave_dif_dの絶対値及び放電時微分値差分差Vdif_d_dif_difの絶対値のいずれかにより劣化を判定するため、従来に比較して簡易に蓄電池の劣化を判定することができる。また、製造バラツキの影響を受けることがないため、従来に比較して高い精度で劣化の程度を判定することができる。
【0166】
また、本実施形態によれば、実使用している際に、蓄電池100の劣化判定が行えるため、蓄電池100を使用しつつ、使用可能か否かの判定を行えるため、メンテナンスの頻度を低下させ、ランニングコストを低下させることができる。
【0167】
また、図1の劣化検出器1、図13の劣化検出器1’、図14の劣化検出器10及び図26の劣化検出器20の各々の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、蓄電池の劣化判定処理を行わせてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0168】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0169】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0170】
1,1’,10,20…劣化検出器 1A,1B…検出端子 2…シャント抵抗 3…充放電装置 4…接続スイッチ 5…切り替えスイッチ 6…SOC検出部 7…制御部 8…負荷 9…発電機 11…測定部 12…電圧応答算出部 13,13A…判定部 14…SOC推定部 15…記憶部 16…電圧応答微分値算出部 100…蓄電池 100A,100B…端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図26