特許第6626357号(P6626357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626357
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】車載充電器冷却構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/06 20060101AFI20191216BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20191216BHJP
   B60K 1/00 20060101ALI20191216BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20191216BHJP
   F01P 3/12 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   B60K11/06
   B60K11/02
   B60K1/00
   H05K7/20 H
   H05K7/20 P
   F01P3/12
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-18535(P2016-18535)
(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-136934(P2017-136934A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2018年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】中曽 善朗
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−105426(JP,A)
【文献】 特開平7−304338(JP,A)
【文献】 特開平7−312805(JP,A)
【文献】 特開2014−79152(JP,A)
【文献】 特開2014−73802(JP,A)
【文献】 特開2014−139057(JP,A)
【文献】 特開2012−235670(JP,A)
【文献】 特開2011−98632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 11/06
B60K 1/00
B60K 11/02
F01P 3/12
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたバッテリを充電する車載充電器を冷却するための車載充電器冷却構造であって、
前記車両は、冷却機構を有するとともに前記バッテリの充電時には動作しない車両搭載機器を備え、
前記車載充電器は、一端が当該車載充電器の内部に連通されるとともに他端に吸気口を有する吸込ダクトと、当該車載充電器の内部に向けて前記吸込ダクトから空気を吸入させる冷却ファンとを備え、
前記吸込ダクトの吸気口が、前記車両搭載機器のうち前記冷却機構による冷却部分の近傍に開口しており、
前記車載充電器による前記バッテリの充電時であって前記車両搭載機器が動作していないときに、前記冷却ファンを駆動して前記車載充電器を冷却させることを特徴とする車載充電器冷却構造。
【請求項2】
前記車両搭載機器は、前記車両の走行時に前記バッテリの出力を制御する電装機器であることを特徴とする請求項1に記載の車載充電器冷却構造。
【請求項3】
前記冷却機構は、冷却水ポンプによって前記車両搭載機器内部の冷却水ジャケットに冷却水が循環される水冷機構であることを特徴とする請求項1または2に記載の車載充電器冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された車載充電器を冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やプラグインハイブリッド自動車には、蓄電池であるバッテリを充電するための車載充電器が搭載されている。この車載充電器は、バッテリの充電中には温度上昇による部品焼損等を防ぐために冷却する必要があるが、単純な空冷では温度上昇を抑え切れないおそれがある。
車載充電器の温度上昇を抑え切れない場合には、出力の制限により発熱量が抑制されるが、この場合には充電時間が延びたり充電効率が低下したりといったデメリットが生じてしまう。
また、空冷でなく水冷機構を採用すれば冷却能力を向上させることはできる。しかし、水冷機構は搭載条件が厳しいうえに構造が大幅に複雑化するため、簡単に採用することはできない。
【0003】
そこで、例えば特許文献1に記載の技術では、空調用圧縮機を駆動するためのインバータと一体的に構成された車載充電器に対し、当該車載充電器でバッテリを充電するときに、空調用の冷媒を利用して効果的に冷却を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5353974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、そもそもインバータ一体型の車載充電器とする必要があるうえに、空調用の冷媒を利用するには水冷機構と同様に大幅な構造の複雑化を招来してしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡便な構成で効果的に車載充電器を冷却することができる車載充電器冷却構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両に搭載されたバッテリを充電する車載充電器を冷却するための車載充電器冷却構造であって、
前記車両は、冷却機構を有するとともに前記バッテリの充電時には動作しない車両搭載機器を備え、
前記車載充電器は、一端が当該車載充電器の内部に連通されるとともに他端に吸気口を有する吸込ダクトと、当該車載充電器の内部に向けて前記吸込ダクトから空気を吸入させる冷却ファンとを備え、
前記吸込ダクトの吸気口が、前記車両搭載機器のうち前記冷却機構による冷却部分の近傍に開口しており、
前記車載充電器による前記バッテリの充電時であって前記車両搭載機器が動作していないときに、前記冷却ファンを駆動して前記車載充電器を冷却させることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載充電器冷却構造において、
前記車両搭載機器は、前記車両の走行時に前記バッテリの出力を制御する電装機器であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車載充電器冷却構造において、
前記冷却機構は、冷却水ポンプによって前記車両搭載機器内部の冷却水ジャケットに冷却水が循環される水冷機構であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車載充電器の吸込ダクトの吸気口が、車両搭載機器のうち冷却機構による冷却部分の近傍に開口しているので、車載充電器によるバッテリの充電時に、車載充電器の冷却ファンとともに車両搭載機器の冷却機構を機能させることにより、当該冷却機構によって冷却された冷却部分の近傍の空気が吸込ダクトの吸気口から車載充電器内に吸入される。
したがって、バッテリの充電時には動作しない車両搭載機器の冷却機構を利用することにより、新設の水冷機構などを必要としない簡便な構成で、効果的に車載充電器を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車載充電器冷却構造を備える車両の概略構成を示す図である。
図2図1の車両が備えるPCUの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る車載充電器冷却構造の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態における車載充電器冷却構造を備える車両10の概略構成を示す図であり、図2は、車両10が備える後述のPCU5の斜視図である。
【0014】
図1に示すように、車両10は、バッテリ3の電気エネルギーによって走行可能な電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド自動車(PHV、PHEV)であり、車載充電器2と、バッテリ3と、冷却水ポンプ4と、PCU(Power Control Unit)5とを備えている。
【0015】
車載充電器2は、バッテリ3を充電するためのものであり、例えば車両10後部の荷室内に配置されている。この車載充電器2は、車両10の停車時に図示しない外部充電設備に接続されることで、バッテリ3を充電する。
【0016】
また、車載充電器2は、一端が当該車載充電器2の内部に連通されるとともに他端に吸気口21aを有する吸込ダクト21と、この吸込ダクト21内に設けられた冷却ファン22とを備えている。そして、車載充電器2によるバッテリ3の充電時に、冷却ファン22が駆動されて吸込ダクト21から吸い込まれた周辺の空気が内部に送風されることで、当該車載充電器2が空冷されるようになっている。吸込ダクト21は、後述するように、外部に開口した吸気口21aが、PCU5の上面近傍に開口している。
【0017】
バッテリ3は、例えばリチウムイオン電池であり、車両10を走行等させるための電気エネルギーを蓄電する。
【0018】
冷却水ポンプ4は、本実施形態ではPCU5に冷却水を循環させて当該PCU5を冷却するためのものであり、車両10前部のエンジン室11内に配置されている。この冷却水ポンプ4は、冷却水供給管41及び冷却水戻り管42を介してPCU5と接続されており、冷却水戻り管42から還流してきた冷却水を冷却水供給管41から圧送することで冷却水を循環させるようになっている。冷却水戻り管42は、PCU5の熱を奪って温度が上昇した冷却水を冷却するための図示しないラジエータに連通されている。
【0019】
PCU5は、図示しないモータを駆動させるためにバッテリ3の出力を制御する電装機器であり、車載充電器2によるバッテリ3の充電時には動作しない機器である。このPCU5は、図2に示すように、バッテリ3の電圧を昇圧させる昇圧コンバータ51と、この昇圧コンバータ51の上側に設けられ、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ52とを備えて構成されている。
【0020】
このPCU5は、動作時には大電流が流れて熱が発生するため、この熱を除去する冷却機構を備えている。この冷却機構は、本実施形態では水冷機構であり、昇圧コンバータ51とインバータ52とに個別に設けられた図示しない冷却水ジャケットを備えている。
インバータ52に設けられた冷却水ジャケットは、図中に矢印で示すように、冷却水供給管41と接続される冷却水入口521から、略水平面内でその周縁を周回するように金属製の筐体520内に形成されて、冷却水出口522に至っている。この冷却水出口522は、中継管53を介して昇圧コンバータ51の冷却水入口511と接続されている。
昇圧コンバータ51に設けられた冷却水ジャケットは、冷却水入口511から、その周縁を周回するように金属製の筐体510内に形成されて、インバータ52の冷却水入口521の下方に位置する冷却水出口512に至っている。そして、この冷却水出口522が冷却水戻り管42に接続されている。
このような構成により、PCU5では、冷却水供給管41からの冷却水が、インバータ52の筐体520内の冷却水ジャケットを流れた後に、中継管53を介して昇圧コンバータ51の筐体510内の冷却水ジャケットを流れる。そして、冷却水戻り管42から冷却水ポンプ4に還流するようになっている。
【0021】
PCU5のうち、インバータ52の筐体520の上面近傍には、車載充電器2の吸込ダクト21の吸気口21aが開口している。より詳しくは、吸込ダクト21が、吸気口21aを筐体520の上面にやや対向させるように傾斜した状態で、この吸気口21aを筐体520の上面近傍に開口させている。
そのため、車載充電器2によるバッテリ3の充電時には、車載充電器2の冷却ファン22とともに冷却水ポンプ4が駆動されることにより、インバータ52の筐体520近傍の空気が冷却水ポンプ4からの冷却水によって冷却され、この冷たい空気が吸込ダクト21の吸気口21aから車載充電器2の内部に吸い込まれる。これにより、車載充電器2を効果的に冷却することができる。
【0022】
以上のように、本実施形態によれば、車載充電器2の吸込ダクト21の吸気口21aが、PCU5のインバータ52のうち冷却水ジャケットに冷却される筐体520の近傍に開口している。これにより、車載充電器2によるバッテリの充電時に、冷却ファン22とともに冷却水ポンプ4を駆動してPCU5の冷却機構を機能させることで、冷却された筐体520近傍の空気が吸込ダクト21の吸気口21aから車載充電器2内に吸入される。
したがって、バッテリ3の充電時には動作しないPCU5の冷却機構を利用することにより、新設の水冷機構などを必要としない簡便な構成で、効果的に車載充電器2を冷却することができる。
【0023】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0024】
例えば、上記実施形態では、PCU5(インバータ52)の冷却機構を利用して車載充電器2の冷却を行うこととしたが、冷却機構が利用される車両搭載機器は、PCU5に限定されず、冷却機構を有するとともにバッテリ3の充電時には動作しないものであればよい。
【0025】
また、吸込ダクト21は、インバータ52のうち冷却機構による冷却部分の近傍に吸気口21aが開口していればよく、例えば、インバータ52の筐体520上面に対し平行に設けられていてもよいし、当該筐体520に接触していてもよい。
【符号の説明】
【0026】
10 車両
2 車載充電器
21 吸込ダクト
21a 吸気口
22 冷却ファン
3 バッテリ
4 冷却水ポンプ
5 PCU
52 インバータ
520 筐体
図1
図2