【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記した様に、環境試験装置100では、試験室2と、空調装置3が別体であり、空調装置3内の空調機器18で空気の加熱、冷却、加湿、除湿が行われ、その空気が試験室2に送られる。
また従来技術においては、試験室2内の温度センサー30と湿度センサー31の検知信号が空調装置3内の空調機器18にフィードバックされている。そのため試験室2の温度が設定温度よりも高ければ、空調機器18で冷却された空気が試験室2に送風される。試験室2の温度が設定温度よりも低ければ、空調機器18から送られる空気の温度が上げられる。
さらに試験室2の湿度が設定湿度よりも高ければ、空調機器18内で空気を除湿して試験室2に送風し、試験室2の湿度が設定湿度よりも低ければ、空調機器18内で空気を加湿して空調機器18から離れた位置にある試験室2に送風する。
【0012】
前記した様に、環境試験装置100では、試験室2と空調装置3が別体であり、両者は別の位置に設置されるが、研究所等のレイアウトによっては、両者の間が相当に離れ、両者を結ぶ往き側送風路22と戻り側送風路25の長さが10mを超える様な場合もある。そして往き側送風路22と戻り側送風路25の長さが長いと、空調装置3で施される空気の加熱や加湿に対して試験室2内の環境変化が遅れる場合がある。試験室2の容積が空調装置3の容積に比べて大きすぎる場合にも同様の問題が発生することがあり、空調装置3で施される空気の加熱や加湿に対して試験室2内の環境変化が遅れる場合がある。
【0013】
例えば、試験室2の湿度が設定湿度よりも低い場合、環境試験装置100では、試験室2の湿度が空調装置3にフィードバックされ、空調装置3を通過する空気が加湿される。そして加湿された空気が、試験室2に送られるが、試験室2と空調装置3間の距離が離れている場合には、空調装置3から送風された加湿後の空気が試験室2に届くのに時間が掛かる場合がある。また試験室2の空気が完全に置換されるには、試験室2と空調装置3との間で空気が数十回循環する必要がある場合があり、この理由からも空調装置3で施される空気の加熱や加湿に対して試験室2内の環境変化が遅れる場合がある。
【0014】
空調装置3と試験室2との間を空気が循環する内に、試験室2の環境がしだいに目標環境に近づいて行くが、試験室2内の環境が目標環境に至るまでの間、空気を加熱、加湿する側の空調装置3内は、本来の設定環境から大きく外れた環境となる場合がある。
そして特に試験室3内を大気中よりも高湿度の環境とする場合に、以下で説明する事態が生じる場合がある。
【0015】
図6は、従来技術の環境試験装置100の試験室2内の湿度変化と空調装置3内の湿度変化を示すグラフである。
環境試験装置100が置かれた部屋の湿度(相対湿度)は例えば40パーセントである。これに対して設定湿度は例えば70パーセントであり、外気の湿度よりも高い。
この条件下で、環境試験装置100を起動すると、試験開始時の試験室2内の湿度と、空調装置3内の湿度は、外気と同じ40パーセントである。
従来技術の環境試験装置100では、試験室2内の湿度が空調装置3にフィードバックされ、設定湿度(70パーセント)と現状の試験室2内の湿度(40パーセント)の偏差に応じた出力で加湿装置13が運転され、空調装置3内の湿度が急激に上昇する。
【0016】
これに対して試験室2内における湿度の上昇は緩慢であり、試験室2内においては湿度はゆっくりと上昇する。
そのため試験室2は設定湿度になかなか至らず、設定湿度に対して現実の試験室2の湿度が低い状態が続き、逆に空調装置3内の湿度は設定湿度を大きく超えてしまう。
そして遂には、空調装置3内の湿度が100パーセントを超え、空調装置3内の空気中の水蒸気が過飽和状態となる。その結果、空調装置3内に大量の結露が発生してしまう場合がある。
図6のグラフで説明すると、運転開始からt1時間が経過すると、空調装置3内の湿度が100パーセントに達し、それ以降、空調装置3内に大量の結露が発生する可能性がある。
そのため空調装置3では、空調装置3内を除湿する必要が生じ、冷却装置32を運転して蒸発器12の表面温度を低下させ、除湿した空気を試験室2に送りだすこととなる。
【0017】
一方、試験室2内の湿度変化は、空調装置3内の湿度変化に遅れて現れる。そのため
図6の様に時間の経過と共に試験室2内の湿度は上昇し、時間t2の時に設定湿度に達し、さらに上昇が続く。試験室2の湿度が大幅にオーバーシュートし、設定湿度を大きく超えてしまう可能性がある。
【0018】
上記のように、従来技術の環境試験装置100では、運転開始から試験室2内の湿度が設定湿度に落ちつくまでの間に大量の結露水が発生してしまう場合がある。また環境試験装置100は、離れた位置にある試験室2に空気を送る必要から、空調装置3に発生圧力が高い大型の送風機を搭載している場合がある。そのため空調装置3内の負圧傾向が強くなり、空調装置3から結露水を排出することが困難となる場合もある。
さらに従来技術の環境試験装置100では、試験室2の湿度が大幅にオーバーシュートし、試験室2内の湿度が時間t3に至ってやっと安定する場合がある。そのため従来技術の環境試験装置100は、運転開始から試験室2内の湿度が設定湿度に落ちつくまでに長い時間を要する場合がある。またその間の消費電力も高いという不満がある。
【0019】
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、試験室内の湿度が設定湿度に落ちつくまでの間に発生する結露が少ない環境試験装置を開発することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記した課題を解決するための
態様は、被試験物を設置する試験室と、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風する空調装置と、前記試験室と空調装置との間を環状に繋いで空調装置と試験室の間で空気を循環させる循環流路と、試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有し、試験室側湿度センサーで検知された試験室内の湿度を空調装置にフィードバックして試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる環境試験装置において、空調装置内又は空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられることを特徴の
一つとする環境試験装置である。
【0021】
本発明の環境試験装置は、制御方式として「一般空調制御」と「空調部優先制御」を実施することができる。一般空調制御は従来と同様の制御方式であり、試験室側湿度センサーで検知された試験室内の湿度を空調装置にフィードバックして試験室内の湿度を設定湿度に調節する制御方式である。
これに対して空調部優先制御は、空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて空調装置を制御する制御方式である。
本発明の環境試験装置では、空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、一般空調制御から空調部優先制御に切り替えられる。そのため空調装置内の空気が水蒸気過飽和状態に至ることが防止され、空調装置内の結露が少なくなる。
【0022】
空調装置内の湿度が降下して一定の下降側閾値湿度以下となった場合に、前記空調部優先制御から前記一般空調制御に戻されること
が望ましい。
【0023】
本発明によると、空調装置内が水蒸気過飽和状態になる懸念がなくなった場合に通常の一般空調制御に戻る。
【0024】
試験室内の風速を設定することが可能であり、設定風速に応じて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が変更され、前記設定風速が遅い場合は、設定風速が
速い場合に比べて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であること
が望ましい。
【0025】
試験室内の環境変化の遅れは、試験室内の風速と相関関係があり、試験室内の風速が遅い場合には環境変化の遅れが大きく、試験室内の風速が
速い場合には環境変化の遅れが小さい。
即ち試験室内の環境変化の遅れは、試験室内の空気が置換される時間と相関関係がある。また試験室内の空気が置換される時間は、空調装置から試験室に導入される空気量と相関し、さらに空気量は試験室内の風速と相関する。
本発明はこの相関関係に注目したものであり、試験室内の環境変化の遅れが大きくなる可能性が高い場合には上昇側閾値湿度等が低い湿度に設定される。
【0026】
試験室の送風環境に関する情報を検知する送風情報検知手段を有し、試験室内の送風環境が試験室内の空気が置換されにくい環境である場合は、置換され易い場合に比べて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であること
が望ましい。
【0027】
本発明においても、試験室内の環境変化の遅れが大きくなる可能性が高い場合には上昇側閾値湿度等が低い湿度に設定される。
【0028】
空調装置から試験室に送られる送風量及び/又は試験室に導入される送風量に応じて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が変更され、前記送風量が少ない場合は、送風量が多い場合に比べて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であること
が望ましい。
【0029】
本発明においても、試験室内の環境変化の遅れが大きくなる可能性が高い場合には上昇側閾値湿度等が低い湿度に設定される。
【0030】
試験室内の湿度変化の空調装置から吐出される空気の湿度変化に対するレスポンス遅れに応じて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が変更され、レスポンス遅れが大きい場合にはレスポンス遅れが小さい場合に比べて上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であること
が望ましい。
【0031】
本発明においても、試験室内の環境変化の遅れが大きくなる可能性が高い場合には上昇側閾値湿度等が低い湿度に設定される。
【0032】
また同様の課題を解決する空調装置の
態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風する空調装置であって、湿度を調節すべき空間に接続され、前記空間内の湿度をフィードバックして前記空間内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる空調装置において、空調装置内又は空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられることを特徴
の一つとする。
【0033】
本発明で採用する空調装置は、試験室等の空間に接続して当該空間の湿度を調節するものである。そして空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、一般空調制御から空調部優先制御に切り替えられる。そのため空調装置内の空気が水蒸気過飽和状態に至ることが防止され、空調装置内の結露が少なくなる。
【0034】
上記した課題を解決するための具体的な態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記
試験室内の設定風速に応じて前記上昇側閾値湿度が変更され、前記設定風速が遅い場合は、前記設定風速が速い場合に比べて前記上昇側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0035】
同様の課題を解決するためのもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、
試験室の送風環境に関する情報を検知する送風情報検知手段を有し、前記
試験室内の送風環境が前記
試験室内の空気が置換されにくい環境である場合は、置換され易い場合に比べて前記上昇側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0036】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記空調装置から前記
試験室に送られる送風量及び/又は前記
試験室に導入される送風量に応じて前記上昇側閾値湿度が変更され、前記送風量が少ない場合は、前記送風量が多い場合に比べて前記上昇側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0037】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記
試験室内の湿度変化の前記空調装置から吐出される空気の湿度変化に対するレスポンス遅れに応じて前記上昇側閾値湿度が変更され、前記レスポンス遅れが大きい場合には前記レスポンス遅れが小さい場合に比べて前記上昇側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0038】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記空調装置内の湿度が降下して一定の下降側閾値湿度以下となった場合に、前記空調部優先制御から前記一般空調制御に戻され、前記
試験室内の設定風速に応じて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が変更され、前記設定風速が遅い場合は、前記設定風速が速い場合に比べて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0039】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記空調装置内の湿度が降下して一定の下降側閾値湿度以下となった場合に、前記空調部優先制御から前記一般空調制御に戻され、
試験室の送風環境に関する情報を検知する送風情報検知手段を有し、前記
試験室内の送風環境が前記
試験室内の空気が置換されにくい環境である場合は、置換され易い場合に比べて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0040】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記空調装置内の湿度が降下して一定の下降側閾値湿度以下となった場合に、前記空調部優先制御から前記一般空調制御に戻され、前記空調装置から前記
試験室に送られる送風量及び/又は前記試験室に導入される送風量に応じて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が変更され、前記送風量が少ない場合は、前記送風量が多い場合に比べて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0041】
同様の課題を解決するためのさらにもう一つの態様は、湿度調整機能を有し湿度が調整された空気を送風
し、試験室に接続されることにより環境試験装置を構成する空調装置であり、前記環境試験装置は、被試験物を設置する前記試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路を備え、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有するものであり、前記試験室側湿度センサーで検知された湿度をフィードバックして前記
試験室内の湿度を設定湿度に調節する一般空調制御が行われる
前記空調装置において、前記空調装置内又は前記空調装置から吐出された空気の湿度を検知する空調部側湿度センサーを有し、前記空調装置内の湿度が上昇して一定の上昇側閾値湿度以上となった場合に、前記一般空調制御から前記空調部側湿度センサーの検知湿度に基づいて前記空調装置を制御する空調部優先制御に切り替えられるものであって、前記空調装置内の湿度が降下して一定の下降側閾値湿度以下となった場合に、前記空調部優先制御から前記一般空調制御に戻され、前記
試験室内の湿度変化の前記空調装置から吐出される空気の湿度変化に対するレスポンス遅れに応じて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が変更され、前記レスポンス遅れが大きい場合には前記レスポンス遅れが小さい場合に比べて前記上昇側閾値湿度及び/又は下降側閾値湿度が低い湿度であることを特徴とする空調装置である。
【0042】
環境試験装置の態様は、上記したいずれかに記載の空調装置を備えた環境試験装置であって、
被試験物を設置する試験室を有し、前記試験室と前記空調装置との間を環状に繋いで前記空調装置と前記試験室の間で空気を循環させる循環流路と、前記試験室内の湿度を検知する試験室側湿度センサーを有
することを特徴とする環境試験装置である。