(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626455
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】毛切断装置のドライブトレインのための結合機構
(51)【国際特許分類】
B26B 19/28 20060101AFI20191216BHJP
【FI】
B26B19/28 B
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-562507(P2016-562507)
(86)(22)【出願日】2015年4月14日
(65)【公表番号】特表2017-511196(P2017-511196A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2015058009
(87)【国際公開番号】WO2015158681
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2017年12月20日
【審判番号】不服2018-11154(P2018-11154/J1)
【審判請求日】2018年8月16日
(31)【優先権主張番号】14165280.0
(32)【優先日】2014年4月18日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】フォーン,キン ファット
(72)【発明者】
【氏名】エイケルカンプ,マルキュス フランシスキュス
(72)【発明者】
【氏名】デ ホーエイ,ヘールト ウィレム
(72)【発明者】
【氏名】アイティンク,アルベルト ヤン
【合議体】
【審判長】
刈間 宏信
【審判官】
中川 隆司
【審判官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
実公昭48−18910(JP,Y1)
【文献】
特開平9−68235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B19/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動シャフトと該駆動シャフトに対して位置合わせされていない出力シャフトとを含む毛切断装置のドライブトレインのための自動位置合わせ式の結合リンクであって、
前記駆動シャフトによって駆動されるように配置された第1駆動結合要素と、
第1端に第1駆動可能結合要素を含み且つ第2端に第2駆動結合要素を含む伝達シャフトとを含み、
前記第1駆動結合要素は、前記伝達シャフトを回転駆動するために前記第1駆動可能結合要素と係合し、それによって、第1旋回ジョイントを形成し、
前記第2駆動結合要素は、前記出力シャフトの第2駆動可能結合要素と係合するように配置され、
前記第1駆動結合要素と第1駆動可能結合要素は、長手軸に垂直な断面で見たときに外側多角形輪郭を含むオス型コネクタと、内側多角形輪郭を含むメス型コネクタとを定め、
前記オス型コネクタの前記外側多角形輪郭は、長手軸方向の断面で見たときに、少なくとも部分的に、凸状の側面を備えている、
結合リンク。
【請求項2】
前記伝達シャフトの前記第1端にある前記第1駆動可能結合要素は、前記内側多角形輪郭を含む、軸方向に延びる凹部として配置され、
前記第1駆動結合要素は、ほぼ軸方向に延びる前記外側多角形輪郭として配置されている、
請求項1に記載の結合リンク。
【請求項3】
前記第2駆動結合要素と前記第2駆動可能結合要素は、係合されたときに第2旋回ジョイントを形成し、
前記伝達シャフトの前記第2端にある前記第2駆動結合要素は、外側多角形輪郭を含むオス型コネクタとして配置され、
前記出力シャフトの前記第2駆動可能結合要素は、内側多角形輪郭を含む軸方向に延びる凹部を含むメス型コネクタとして配置されている、
請求項1又は2に記載の結合リンク。
【請求項4】
付勢要素を更に含み、
前記付勢要素は、前記第1駆動可能結合要素と前記第1駆動結合要素との間に置かれる、
請求項1乃至3のうちの何れかに記載の結合リンク。
【請求項5】
前記付勢要素は、前記伝達シャフトのところにある軸方向に延びる凹部に配置され、
前記付勢要素は、実質的に前記伝達シャフトの長手軸方向に、前記第1駆動可能結合要素及び前記第1駆動結合要素を付勢している、
請求項4に記載の結合リンク。
【請求項6】
前記付勢要素は、伝達シャフトのところに摺動可能に配置されたプッシュロッドに結合され、且つ、
前記プッシュロッドは、前記第1駆動結合要素と接触するように配置されている、
請求項4又は5に記載の結合リンク。
【請求項7】
各オス型コネクタにおける前記外側多角形輪郭は、少なくとも部分的に、球状の側面を備えている、
請求項1乃至6のうちの何れかに記載の結合リンク。
【請求項8】
各メス型コネクタにおける前記内側多角形輪郭は、円状に配置された複数の突起を含み、
複数の前記突起は、それらの間に配置された凹みと交互に置かれ、
複数の前記突起と複数の前記凹みは、各オス型コネクタの前記外側多角形輪郭の前記側面と接触するように配置された接触側面を定める、
請求項1乃至7のうちの何れかに記載の結合リンク。
【請求項9】
前記メス型コネクタの前記接触側面の数は、前記オス型コネクタの前記側面の数に合わせられている、
請求項8に記載の結合リンク。
【請求項10】
前記第1旋回ジョイント及び第2旋回ジョイントのうちの少なくとも1つの旋回ジョイントにおける前記メス型コネクタ及び前記オス型コネクタは、該旋回ジョイントが規定の周方向バックラッシュを示すように構成されている、
請求項1乃至9のうちの何れかに記載の結合リンク。
【請求項11】
毛切断装置の切断ヘッドのためのドライブトレインであって、
駆動シャフト、出力シャフト、及び、請求項1乃至10のうちの何れかに記載の結合リンクを含み、
前記駆動シャフト及び前記出力シャフトは、角度的にオフセットされて配置され、
前記結合リンクは、前記駆動シャフトと前記出力シャフトとを接続し、且つ、
前記出力シャフトは、往復動の方法で刃セットの可動切断刃を駆動するため、前記刃セットの伝達部材と係合するように配置された偏心部を含む、
ドライブトレイン。
【請求項12】
毛切断装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられる切断ヘッドと、
駆動シャフト、出力シャフト、及び、請求項1乃至10のうちの何れかに記載の結合リンクを含む、ドライブトレインとを含み、
前記切断ヘッドは、可動切断刃及び静止刃を含む刃セットを含み、
前記可動切断刃は、前記静止刃に関して可動であり、且つ、
前記ドライブトレインは、前記切断ヘッドが前記ハウジングに取り付けられているときに、前記可動切断刃を作動させるように配置されている、
毛切断装置。
【請求項13】
前記可動切断刃は、ガイドスロット内に配置され、且つ、前記静止刃に関して横方向に可動であり、且つ、
第2旋回ジョイントは、解放可能な結合インタフェースを定め、
前記出力シャフト及び前記第2駆動可能結合要素は、前記切断ヘッドが前記ハウジングから解放されるときに、前記第2駆動結合要素及び前記伝達シャフトから取り外し可能であり、従って、前記第2駆動結合要素との係合から前記第2駆動可能結合要素を解放可能である、
請求項12に記載の毛切断装置。
【請求項14】
前記ハウジングによって形成される主部、及び、首部を更に含み、
前記主部は、モータを収容し、
前記刃セットは、前記首部に取り付けられ、且つ、
前記首部は、前記主部の主姿勢に関して角度的にオフセットされて方向付けられている、
請求項12又は13に記載の毛切断装置。
【請求項15】
前記主部は、前記駆動シャフトを収容し、
前記首部は、前記出力シャフトを収容し、
前記駆動シャフト及び前記出力シャフトは、全体オフセット角で配置され、
前記結合リンクの前記伝達シャフトは、前記駆動シャフトと前記出力シャフトとを結合し、
前記伝達シャフトは、前記出力シャフトに関して部分的オフセット角で配置され、
前記部分的オフセット角は、前記全体オフセット角の角度寸法のほぼ半分のサイズの角度寸法を含む、
請求項14に記載の毛切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、毛切断装置、具体的には、電動式毛切断装置に関し、より具体的には、毛切断装置のドライブトレイン(drive train)のための結合リンク機構に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2013/150412号は、毛切断装置及び毛切断装置における対応する刃セットを開示している。その刃セットは、静止刃及び可動刃を有する。可動刃は、ヘア(毛)を切るために静止刃に関して往復駆動され得る。その刃セットは、トリミング動作及びシェービング動作の双方を可能にするのに特に適している。
【0003】
体毛を切るために、基本的には、かみそりとヘアトリマー又はクリッパーという、習慣的に区別される2つのタイプの電動装置が存在する。通常、かみそりはシェービング(すなわち、そり痕のない滑らかな皮膚を得るために皮膚のレベルで体毛をスライスすること)のために用いられる。ヘアトリマーは、通常、皮膚からある選ばれた距離のところで毛を切るために、すなわち所望の長さに毛を切るために用いられる。用途の違いは、各装置に組み入れられる切断刃構成の異なる構造及びアーキテクチャに反映されている。
【0004】
電動かみそりは、通常、フォイル(すなわち極薄の有孔スクリーン)と、フォイルの内側に沿って且つフォイルに関して移動可能な切断刃とを含む。使用中、フォイルの外側は皮膚に置かれ且つ皮膚に対して押し付けられ、フォイルを通る全ての毛が、その内側に関して動く切断刃によって切り取られ、且つ、そのかみそりの内側にある凹んだヘア回収部内に入るようにする。
【0005】
一方、電動ヘアトリマーは、通常、歯付き縁を有する大抵2つの切断刃を含む。2つの切断刃は、歯付き縁のそれぞれが重なるように他方の上に一方が置かれている。動作時に、それらの切断刃は互いに関して往復動し、それらの歯の間に捕捉された全ての毛をはさみ作用で切り取る。毛が切り取られるところである皮膚の上の正確なレベル(高さ)は、通常、(スペーサ)ガード又はくし状部と呼ばれる追加の取付可能な部品を用いて決定される。
【0006】
更に、基本的にシェービング目的及びトリミング目的の双方に適応する複合装置が知られている。しかしながら、これらの装置は、単に2つの別々の異なる切断セクション、すなわち、上述したような電動かみそりのコンセプトに合致する構成を有するシェービングセクションと、その一方でヘアトリマーのコンセプトに合致する構成を有するトリミングセクションとを含むのみである。
【0007】
一般的な電動かみそりは、皮膚の上の所望の可変長さで毛を切ること、すなわち正確なトリミング動作に特に適しているというわけではない。これは、少なくとも部分的には、皮膚から距離を空けてフォイル(そしてその結果として切断刃)を位置付けるための機構をそれらが含んでいないという事実によって説明され得る。しかし、例えば間隔形成用くし状部等の付属のスペーサ部品を追加することで、たとえそれらがそのような機構を含むようにしたとしても、通常は多数の小さい孔を含むそのフォイルの構成は、最も短く且つ硬い毛を除く全ての毛の効率的な捕捉を損なってしまう。
【0008】
同様に、一般的なヘアトリマーは、シェービングに特に適しているというわけではない。主に、個々の切断刃が、変形することなくはさみ作用を実現するために、一定の剛性、ひいては厚みを必要とするという理由による。皮膚の近くにある毛が切り取られるのを妨げるのは、その皮膚に向き合う刃の最低限必要な刃厚である。その結果、自身の体毛をシェービングすること及びトリミングすることの双方を望むユーザは、2つの別々の装置を購入して利用する必要があり得る。
【0009】
さらに、複合シェービング・トリミング装置はいくつかの欠点を示す。それらは、基本的に、2つの切断刃セットと個別の駆動機構とを必要とするためである。その結果、それらの装置は、標準的なタイプの単一目的の毛切断装置よりも重く且つ摩耗の影響を受け易く、また、費用のかかる製造プロセス及び組立プロセスも必要とする。同様に、それらの複合装置を動作させることは、しばしば、かなりの不快さと複雑さを感じさせる。2つの別々の切断セクションを有する従来の複合シェービング・トリミング装置が利用される場合でさえ、その装置の取り扱い、及び、異なる動作モード間の切り替えは、時間が掛かるもので、且つ、あまりユーザフレンドリではないと見なされ得る。切断セクションは、通常、装置の異なる場所に備えられているため、誘導精度(及びその結果としての切断精度)は低減され得る。ユーザは、動作の際に2つの全く異なる主要な保持位置に慣れる必要があるためである。
【0010】
上記の国際公開第2013/150412号は、シェービングのために使用されるときに皮膚と向き合う可動刃の側に静止刃の第1部分が配置されるように、且つ、使用の際に皮膚に背を向ける可動刃の側に静止刃の第2部分が配置されるように可動刃を収容する静止刃を有する刃セットを提供することによって、これらの問題のいくつかに取り組んでいる。さらに、歯付きの刃先のところで、静止刃の第1部分と第2部分が接続され、それによって、可動刃の個々の歯をカバーする複数の静止歯を形成している。その結果、可動刃は、静止刃によって保護される。
【0011】
この配置は、皮膚に背を向ける可動刃の側にも静止刃が存在するため、静止刃が刃セットにより大きな強度及び剛性をもたらす限りにおいて有利である。これは、ほとんどの場合、可動刃の皮膚に向き合う側にある静止刃の第1部分の厚みの低減を可能にし得る。その結果、このようにして動作中に可動刃が皮膚により近づき得るため、上記の刃セットは、ヘアシェービング動作によく適している。それに加えて、刃セットは、ヘアトリミング動作にも特に適している。スロットと交互になっている個々の歯を含め、刃先の構成は、より長い毛がそのスロットに入るのを可能にし、その結果、可動刃と静止刃との間の相対的な切り取り動作によって切断されるのを可能にするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2013/150412号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、毛切断装置では、それでもなお、改善の必要性が存在する。これは、具体的には、ユーザの快適さに関する側面と、性能に関する側面とを含み得る。特に、ハウジングに旋回可能に取り付けられている刃セットを有する毛切断装置では、モータと刃セットの間のドライブトレイン及び具体的には動力伝達構成は、旋回可能な構成に適合される必要がある。さらに、ユーザの皮膚に関する装置の適切な人間工学的位置決め及び姿勢を可能にすべくハウジング部は適切に形成され得るため、刃セットは、ハウジングに関してある角度で配置され得る。これは、更なる課題をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の目的は、毛切断装置の動作性能を高め且つ快適なユーザ体験に貢献し得る毛切断装置のドライブトレイン(具体的にはドライブトレインのための結合リンク)を提供することである。さらに、個別のドライブトレインが取り付けられた毛切断装置を提供することが望ましい。毛切断装置がシェービング動作及びトリミング動作の双方を可能にすることが特に望ましい。更に具体的には、切断装置が高度な輪郭追従能力(contour following capability)を示すことが望ましい。好ましくは、本開示は、通常、例えば上述のような既知の従来技術に属する毛切断装置につきものの欠点のうちの少なくともいくつかに対処し得る。角度オフセット補償に特に適したドライブトレインを提供することが更に望ましいものとなり得る。例えば作動中の騒音及び振動といった、ドライブトレインから出てくる不快な放出物を減らすことが更に好ましいであろう。
【0015】
本発明の第1態様では、駆動シャフト及び未調整(non-aligning)の出力シャフトを有する毛切断装置のドライブトレインのための結合リンクが提示される。結合リンクは、
・駆動シャフト(具体的にはモータシャフト)によって駆動されるように配置された第1駆動結合要素
・第1端に第1駆動可能結合要素を有し且つ第2端に第2駆動結合要素を有する伝達シャフト(具体的には剛性伝達シャフト)、を有し、
第1駆動結合要素は、伝達シャフトを回転駆動するために、第1駆動可能結合要素と係合し、それによって第1旋回ジョイントを形成し、
第2駆動結合要素は、出力シャフトの第2駆動可能結合要素と係合するように配置され、
第1駆動結合要素と第1駆動可能結合要素は、長手軸に垂直な切断面で見たときに外側多角形輪郭(external polygonal profile)を有するオス型コネクタ、及び、内側多角形輪郭(internal polygonal profile)を有するメス型コネクタを定め、
オス形コネクタの外側多角形輪郭は、縦軸方向断面で見たときに、少なくとも部分的に、凸状の側面(flank)を備えている。
【0016】
この態様は、駆動シャフトと出力シャフトとの間の角度に関するオフセット及び/又は平行なオフセットを橋渡しする能力を結合リンクがドライブトレインに提供し得るという見識に基づく。より具体的には、結合リンクが取り付けられた毛切断装置は、首部を含むハウジングを利用するように構成され得る。首部は、ハウジングの基部すなわち把持部に関して傾けられている。これは、作動の際(具体的にはシェービングの際)の装置の視認性を顕著に改善し得る。その結果、装置の取り扱いは、改善され得る。さらに、結合リンクは、角度ずれを補償する能力を備え得る。角度ずれは、一定のずれを含み得るが、可変のずれも含み得る。このようにして駆動シャフトと出力シャフトの間の角度ずれに対してかなりの耐性を持つようになり得るため、これは有益となり得る。これは、毛切断装置のドライブトレイン及びハウジングのために高精度の部品を提供する必要性を低減させ得る。その結果、ドライブトレイン及び毛切断装置の製造が簡素化され得る。
【0017】
結合リンクは、通常、結合リンク機構と呼ばれ得る。好ましくは、自動位置合わせ式(self-aligning)結合リンク機構と呼ばれ得る。結合リンクは、従来型のユニバーサルジョイントを置き換えるために配置され得る。少なくともいくつかの実施例では、結合リンクは、駆動シャフトと出力シャフトとの間の平行オフセットのずれを補償するために利用され得る。
【0018】
一実施例では、伝達シャフトの第1端にある第1駆動可能結合要素は、内側多角形輪郭を有する軸方向に延びる凹部として配置される。第1駆動結合要素は、実質的に軸方向に延びる外側多角形輪郭として配置される。その結果、駆動結合要素及び駆動可能結合要素は、基本的に、顕著な(周方向の)バックラッシュ(遊び)無しで、或いは、バックラッシュフリーで係合され得る。
【0019】
一実施例では、第2駆動結合要素及び第2駆動可能結合要素は、係合したときに、第2旋回ジョイントを形成する。伝達シャフトの第2端にある第2駆動結合要素は、外側多角形輪郭を有するオス型コネクタとして配置される。出力シャフトにおける第2駆動可能結合要素は、内側多角形輪郭を有する軸方向に延びる凹部を有するメス型コネクタとして配置される。
【0020】
一実施例では、結合リンクは、付勢要素(具体的にはバネ要素)を更に有する。付勢要素は、第1駆動可能結合要素と第1駆動結合要素との間に置かれる。付勢要素は、ドライブトレインにおける長さに関するずれを補償するように構成され得る。含まれる構成要素は、少なくとも僅かだけプレロード(具体的には軸方向にプレロード)され得るため、作動中の騒音は、更に低減され得る。
【0021】
一実施例では、付勢要素は、伝達シャフトのところで縦方向に延びる凹部内に配置される。付勢要素は、第1駆動可能結合要素と第1駆動結合要素を実質的に伝達シャフトの縦軸方向に付勢する。その結果、付勢要素は、伝達シャフトによってカバーされ且つ保護される。
【0022】
一実施例では、付勢要素は、伝達シャフトのところで摺動可能に配置されるプッシュロッドに結合される。プッシュロッドは、第1駆動結合要素と接触するように配置される。
【0023】
一実施例では、各オス型コネクタの外側多角形輪郭は、少なくとも部分的に球状側面を備える。その結果、各シャフトは、互いに関して旋回し得る。それによって、それらの相対的な角度姿勢を変えることができる。球状側面は、回転を伝達するために個別の駆動結合要素と駆動可能結合要素とが緊密に接触するのを確かなものとし得る球状(spherical)或いは球形(globular)の表面を有し得る。これは、作動中の騒音を更に低減し得る。球状側面は、隣接シャフト間の相対角度運動の際にその相手方(counterpart)に関して転がり得る。
【0024】
一実施例では、各メス型コネクタの内側多角形輪郭は、円状に配置された複数の突起を有し、それらの突起の間には凹みが交互に配置されている。それらの突起及び凹みは、各オス型コネクタの多角形輪郭の側面と接触するように配置された接触側面を定める。接触側面は、基本的に、平面形状を有し得る。その結果、内側多角形輪郭を製造することは簡素化され得る。
【0025】
一実施例では、メス型コネクタの接触側面の数は、オス型コネクタの側面の数に合わせられる。一実施例では、第1旋回ジョイント及び第2旋回ジョイントのうちの少なくとも1つにおけるメス型コネクタ及びオス型コネクタは、旋回ジョイントが規定の周方向バックラッシュを示すような方法で構成される。これは、外側多角形輪郭を内側多角形輪郭に挿入するのを簡素化し得る。しかしながら、最小限に抑えられた周方向バックラッシュが旋回ジョイントに提供されることが好ましい場合もある。
【0026】
本発明の更なる態様では、毛切断装置の切断ヘッドのためのドライブトレインが提示される。ドライブトレインは、本開示の少なくともいくつかの実施例に従って、駆動シャフト、出力シャフト、及び、結合リンクを有する。駆動シャフト及び出力シャフトは、角度的にオフセットされて配置されている。結合リンクは、駆動シャフトと出力シャフトを接続する。出力シャフトは、往復動の方法で刃セットの可動刃を駆動するために、刃セットの伝達部材と係合するように配置された偏心部を有する。
【0027】
本発明の更なる態様では、毛切断装置(具体的には電動式毛切断装置)が提示される。毛切断装置は、ハウジング、そのハウジングに取り付けられた切断ヘッド、及び、ドライブトレインを有する。ドライブトレインは、本開示の少なくともいくつかの実施例に従って、駆動シャフト、出力シャフト、及び、結合リンクを有する。切断ヘッドは、可動切断刃及び静止刃を有するブレードセットを有する。可動切断刃は、静止刃に関して移動可能である。ドライブトレインは、切断ヘッドがハウジングに取り付けられたときに、可動切断刃を作動させるように配置されている。
【0028】
毛切断装置がシェービングモード及びトリミングモードで選択的に動作可能であることが更に好ましい。この文脈において、特にシェービングの場合に、輪郭追従モードで切断ヘッドが動作可能であることが更に好ましい。輪郭追従モードは、刃セットが実際の皮膚の表面に適合され得るように、刃セットを旋回可能に取り付けることを含み得る。さらに、切断ヘッドがトリミングモードで動作可能であることが好ましいこととなり得る。トリミングモードは、ハウジングに関する刃セットの固定角度の旋回姿勢を伴い得る。
【0029】
望ましくは、切断ヘッドは、そのハウジングに取り外し可能に取り付けられる。その結果、ドライブトレインは、切断ヘッドが取り外されたときに複数の構成要素が係合解除され且つ分離されるところのインタフェースを有し得る。
【0030】
毛切断装置の一実施例では、可動切断刃は、ガイドスロット内に配置され、且つ、静止刃に関して横方向に移動可能である。第2旋回ジョイントは、取り外し可能な結合インタフェースを定める。出力シャフト及び第2駆動可能結合要素は、切断ヘッドがハウジングから解放されるときに、第2駆動結合要素及び伝達シャフトから取り外し可能であり、それによって、第2駆動結合要素との係合から第2駆動可能結合要素を解放できる。
【0031】
一実施例では、毛切断装置は、ハウジングによって形成される主部と首部とを更に有し得る。主部は、モータを収容している。刃セットは、首部に取り付けられている。首部は、主部の主姿勢に関して角度的にオフセットされて方向付けられている。言い換えれば、首部は、ハウジングの主部に関して傾けられ得る。
【0032】
毛切断装置の一実施例では、主部は駆動シャフトを収容している。首部は出力シャフトを収容している。駆動シャフト及び出力シャフトは、全体オフセット角δで配置されている。結合リンクの伝達シャフトは、駆動シャフトと出力シャフトを結合している。伝達シャフトは、出力シャフトに関して部分的オフセット角αで配置されている。部分的オフセット角αは、全体オフセット角δの角度寸法のほぼ半分のサイズの角度寸法を有する。
【0033】
本開示のこれらの及び他の態様は、以下で説明される実施例から明らかとなり、且つ、それらの実施例を参照して明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】取り外された状態で示されている切断ヘッドを有する典型的な電動毛切断装置の概略斜視図を示す。
【
図2】毛切断装置のための、結合リンク機構を有するドライブトレインの背面斜視図である。
【
図3】
図2に示された実施例に従った結合リンク機構の分解背面斜視図を示す。
【
図4】
図2に示されたドライブトレインの横断面図である。
【
図5】
図4のV−V線に沿った、
図4に示されたドライブトレインの結合リンク機構の断面図である。
【
図6】
図4のVI−VI線に沿った、
図4に示されたドライブトレインの結合リンク機構の別の断面図である。
【
図7】
図4のVII−VII線に沿った、
図4に示されたドライブトレインの結合リンク機構の更に別の断面図である。
【
図8】
図4のVIII−VIII線に沿った、
図4に示されたドライブトレインの結合リンク機構の更に別の断面図である。
【
図9】
図4のIX−IX線に沿った、
図4に示されたドライブトレインの結合リンク機構の更に別の断面図である。
【
図10】ヒンジ式旋回機構を含む輪郭追従機構に取り付けられ、且つ、駆動シャフトによって駆動されるように配置されている、毛切断装置のための刃セットの上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、毛切断装置10、具体的には電動毛切断装置10を概略的に示す。毛切断装置10は、毛切断装置10を駆動するためのモータを収容し得るハウジング12を含み得る。ハウジング12は、例えば再充電可能バッテリ、取り外し可能バッテリ等のようなバッテリを更に収容し得る。しかしながら、いくつかの実施例では、毛切断装置10は、電源を接続するための電源ケーブルを備え得る。電源コネクタは、(内部)電気バッテリに加えて或いはその代わりに備えられてもよい。ハウジング12は、操作用スイッチ34を更に有し得る。
【0036】
毛切断装置10のハウジング12は、通常、主部14及び首部16を有し得る。取り外された状態で
図1に示されるように、首部16は、切断ヘッド18に関連付けられていてもよく、また、少なくともいくつかの実施例では、ハウジング12のところで切断ヘッド18のための受け部28に関連付けられていてもよい。
【0037】
切断ヘッド18は、刃セット20を有し得る。刃セット20は、静止刃22及び可動刃24を有し得る。静止刃22及び可動刃24は、それらの間で相対運動を発生させるために作動させられ得る。例として、可動刃24は、静止刃22に関して往復駆動され得る。その結果、静止刃22及び可動刃24は、毛を切るために協働し得る。刃セット20の具体的な実施例を含む切断ヘッド18の典型的な実施例は、
図10及び
図11で更に示され、且つ、以下で説明される。
【0038】
図1に示されるように、切断ヘッド18が毛切断装置10のハウジング12から解放可能又は取り外し可能であることが望ましい場合がある。言い換えれば、切断ヘッド18は、ハウジング12に解放可能に取り付けられ得る。その結果、個別のインタフェースが切断ヘッド18及びハウジング12に備えられる必要がある。例として、切断ヘッド18は、受け部28と係合するように、或いは、ハウジング12のところで受け部28によって受け入れられるように構成された取付部26を有し得る。基本的に駆動モータはハウジング12に備えられ且つその結果として主部14に関連付けられ得るため、また、駆動可能な刃セット20が切断ヘッド18に備えられ且つその結果として首部16に関連付けられるため、個々のドライブトレインも、個々のインタフェースを有する必要がある。言い換えれば、ユーザが切断ヘッド18をハウジング12に取り付け或いは取り外す場合、ドライブトレインも個別に結合され或いは切り離される必要がある。
【0039】
図1に示された刃セット20は、特に説明目的で、少なくともいくつかの隠された縁が見えている、隠された縁の様式(hidden edge mode)で示されている。
図1から更に見て取れるように、ハウジング12は、切断ヘッド18のところで伝達部材32と係合し且つ協働するように構成されている突出する駆動部材30を有し得る。例として、駆動部材30は駆動シャフトを有し得る。駆動シャフトは、駆動シャフトの軸の回りを回転し得る偏心結合部材を含む。その結果、偏心部材は、伝達部材32ひいては刃セット20の可動刃24を往復駆動させるために伝達部材32のところで個別の駆動可能なスロットと係合し得る。毛切断装置10の切断性能を向上させるために、ハウジング12の主姿勢(man orientation)に関して特定の姿勢で刃セット20を配置することが賢明であり得る。これは、ハウジング12に関してある角度で刃セット20を配置することを含み得る。そのような角度が付けられたすなわち傾けられた配置は、毛を切るために毛切断装置10が使用されたときに、刃セットの視認性を高め得る。さらに、所望の方法で毛を通して毛切断装置10を動かすことを含み得る、手動で装置を把持し且つ取り扱うことは、ハウジング12(具体的にはその操作部)に関して予め定められた姿勢をとるように刃セット20が配置されたとき、単純化され得る。
【0040】
本書で用いられるように、主部14及び首部16は、必ずしも、
図1に示されるように毛切断装置10の個々の構成要素に厳密に関連付けられる必要はない。ハウジング12と切断ヘッド18の間の“インタフェース”の位置に関して変更され得る毛切断装置10の代替的な実施例が存在し得る。
図1に典型的に示されているように、主部14は、ハウジング12の少なくともかなりの部分を含み得る。首部16は、切断ヘッド18(具体的にはそのハウジング)と、装置のベースハウジング12の少なくともごく一部とを含み得る。
【0041】
通常、毛切断装置10の首部16が、主部14の主姿勢に関して、少なくとも僅かに湾曲し或いは傾斜していることが望ましい場合がある。主部14の主姿勢は、
図1の参照数字44で示される矢印によって例示されている。首部16というよりはむしろ切断ヘッド18の姿勢は、
図1の参照数字42で示される矢印によって例示されている。その結果、主部14及び首部16は、互いに対してある傾斜角度で配置され得る(
図2に示されている角度δ(デルタ)も参照。)。
【0042】
通常、駆動モータは、ハウジングの主姿勢44に基本的に平行である主姿勢を有してハウジング内に配置され得る。その結果、モータシャフトも、基本的に主姿勢44に合わせられ得る。それ故に、主部14の姿勢と首部16の姿勢との間の角度オフセットを“橋渡し”する必要があり得る。角度オフセット補償は、毛切断装置10のコストを増大させ得る複雑な機構を必要とし得る。さらに、所望のユーザ感覚及び切断性能を妨げる得る振動及び騒音を従来の角度オフセット補償用ドライブトレインが引き起こすという悪影響があり得る。
【0043】
図2〜
図9を参照し、毛切断装置のためのドライブトレインの典型的な実施例が示され且つ更に説明される。ドライブトレイン構成すなわちドライブトレイン50は、入力部材と出力部材との間のかなりの角度オフセットを補償するように配置され得る。ドライブトレイン50は、通常、自動位置合わせ式ドライブトレイン50と呼ばれ得る。
【0044】
特に
図2及び
図3の斜視図を参照し、ドライブトレイン50の全体的なレイアウトが明らかにされる。ドライブトレイン50は、モータ52(具体的には電動モータ52)を有していてもよく、或いは、それに結合されていてもよい。モータ52は、基本的に主姿勢44と一致し得る典型的な姿勢で毛切断装置10のハウジング12のところに配置され得る。モータ52は、モータ52によって回転させられ得る駆動シャフト54を有し得る。駆動シャフト54ひいてはモータ52の姿勢は、
図2の軸58で示されている。その出力端では、ドライブトレイン50は、出力シャフト56を更に有し得る。出力シャフト56の主姿勢は、
図2の軸60で示されている。軸58と軸60は、全体オフセット角δ(デルタ)で配置され得る。出力シャフト56の出力端では、偏心部62が提供され得る。偏心部62は、出力シャフト56の中心軸の回りを回転するように配置され得る。その結果、
図2の64で示される湾曲矢印を参照すると、出力シャフト56の回転は、刃セット20の可動刃24を駆動するために用いられ得る往復運動に変換され得る。
【0045】
旋回可能な方法で切断ヘッド18(具体的にはその刃セット20)を毛切断装置10のハウジング12のところに取り付けることが有利となり得ることはこの文脈において言及する価値がある。これは、毛切断装置10の輪郭追従能力が顕著に増大され得るという利点を有し得る。これは、毛切断装置10の切断性能(具体的にはシェービング性能)を大きく改善し得る。この点に関しては
図10が参照される。
【0046】
少なくともいくつかの実施例では、刃セット20を旋回可能に配置することは、出力シャフト56を旋回可能に配置することも必要とし得る。その結果として、これらの実施例では、全体オフセット角δが可変角度と見なされ得る。しかしながら、少なくともいくつかの代替的な実施例では、駆動シャフト54に関する出力シャフト56の角度姿勢は、実質的に固定されていてもよい。その結果、比較的一定である角度オフセットが存在し得る。ドライブトレイン50が可変の(不安定な)全体オフセット角δを“橋渡し”できることが特に望ましい。この目的のため、ドライブトレイン50は、回転を伝えるときに角度オフセットを補償できる結合リンク機構66を有し得る。
【0047】
結合リンク機構66は、駆動シャフト54と出力シャフト56との間に置かれた伝達シャフト70を更に有し得る。伝達シャフト70の全体的な姿勢は、
図2の参照数字72によって表された軸によって示されている。伝達シャフト70は、その第1端で、駆動シャフト54に結合され得る。伝達シャフト70は、その第2端で、出力シャフト56に更に結合され得る。通常、伝達シャフト70は、トルク又は回転運動を伝達するように構成され得る。その結果、伝達シャフト70は、駆動シャフト54によって駆動されるように配置され得る。さらに、伝達シャフト70は、出力シャフト56を駆動するように配置され得る。伝達シャフト70は、駆動シャフト54に関して角度αで配置され得る。伝達シャフト70は、更に、出力シャフト56に関して角度βで配置され得る。角度α及びβは、部分的オフセット角と見なされ得る。言うまでもなく、角度αとβの合計は、基本的に、全体オフセット角δに対応し得る。さらに、部分的オフセット角α及びβのそれぞれは、全体オフセット角δの半分のサイズを構成し得る。主に説明のために、
図2では、軸58、60及び72がシャフト54、56及び70のそれぞれに関してオフセットされた状態で示されていることはこの文脈において言及する価値がある。
【0048】
駆動シャフト54及び伝達シャフト70は、第1旋回ジョイント76を定め得る。第1旋回ジョイント76は、第1駆動結合要素78及び第1駆動可能結合要素80を有し得る。伝達シャフト70及び出力シャフト56は、第2旋回ジョイント84を定め得る。第2旋回ジョイント84は、第2駆動結合要素86及び第2駆動可能結合要素88を有し得る。
【0049】
図2及び
図3で最も良く見て取れるように、少なくともいくつかの実施例では、第1駆動結合要素78は、オス型駆動結合要素とも呼ばれ得る係合用駆動結合要素として配置され得る。その結果、第1駆動可能結合要素80は、メス型駆動可能結合要素とも呼ばれ得る受け用駆動可能結合要素として配置され得る。
【0050】
さらに、第2駆動結合要素86は、オス型結合要素とも呼ばれ得る係合用駆動結合要素として配置され得る。第2駆動可能結合要素88は、メス型駆動可能結合要素とも呼ばれ得る受け用駆動可能結合要素として配置され得る。しかしながら、代替例では、オス型及びメス型の結合要素は、少なくともいくつかの実施例では、置き換えられてもよい。
【0051】
通常、第1駆動結合要素78は、駆動シャフト54のところに配置され得る。第1駆動結合要素78は、駆動シャフト54のところに固定的に取り付けられ或いは固定され得る。第1駆動可能結合要素80は、伝達シャフト70のところに配置され得る。第2駆動結合要素86は、伝達シャフト70のところに配置され得る。第2駆動可能結合要素88は、出力シャフト56のところに配置され得る。
【0052】
第1旋回ジョイント76及び第2旋回ジョイント84は、基本的に回転式結合ジョイントとして配置され得る。その結果、結合リンク機構66は、回転運動を伝達し得る。回転伝達に関し、第1旋回ジョイント76及び第2旋回ジョイント84の少なくとも1つが、低バックラッシュで、或いはより望ましくは、基本的にバックラッシュなしで配置されることが特に望ましい。これは、基本的に、結合リンク機構66の滑らかな作動を可能にし得る。作動中の騒音、衝撃、揺れ及び振動は防止され、或いは、少なくとも顕著に低減され得る。これは、毛切断装置10が作動させられたときに駆動シャフト54ひいては出力シャフト56が高速で回転させられ得るために有利である。第1旋回ジョイント76及び第2旋回ジョイント84は、旋回動作(具体的には結合された各要素間(具体的には第1旋回ジョイント76での駆動シャフト54と伝達シャフト70との間、及び、第2旋回ジョイント84での伝達シャフト70と出力シャフト56との間)の角度オフセット補償動作)を可能にするように配置され得る。
【0053】
図3の結合リンク機構の分解図表現を特に参照し、更に
図4〜
図9の断面図を参照すると、結合リンク機構66(具体的にはその旋回ジョイント76、84)の典型的な実施例が更に示され且つ説明されている。
図5に示される断面図(
図4のV−V線を参照。)は、駆動シャフト54の中心軸に基本的に垂直である。
図6、
図7及び
図8に示される断面図(
図4のVI−VI線、VII−VII線、及び、VIII−VIII線のそれぞれを参照。)は、伝達シャフト70の中心軸に基本的に垂直である。
図9に示される断面図(
図4のIX−IX線を参照。)は、出力シャフト56の中心軸に基本的に垂直である。
【0054】
図3及び
図5で最も良く見て取れるように、第1駆動結合要素78は、外側多角形輪郭90を有し得る。同様に、
図3及び
図8で最も良く見て取れるように、第2駆動結合要素86は、外側多角形輪郭190を有し得る。多角形輪郭90、190はそれぞれ、駆動側面92、192を有し得る。例として、外側多角形輪郭90は、基本的に三角形の輪郭を有し得る。多角形輪郭90の各縁が丸められ或いは面取りされ得ることは言うまでもない。外側多角形輪郭90の側面92は、基本的に、多角形輪郭90の各縁の間に延び得る。いくつかの実施例では、多角形輪郭90が、4つ、5つ、又はそれ以上の側面92を備え得ることは言うまでもない。多角形輪郭90が少なくとも部分的には、球状の多角形輪郭として配置されることが特に望ましい。駆動側面92が凸状に形成されていることが特に望ましい。
図4で最も良く見て取れるように、多角形輪郭90の側面92は、凸状軸方向延長部も有し得る。駆動シャフト54と伝達シャフト70との間にかなりの角度オフセット(
図2の角度αを参照。)が存在する場合であっても、第1駆動可能結合要素80との規定の接触が実現されるように、多角形輪郭90が、少なくとも側面92のところで、球状に湾曲していることが特に望ましい。これは、第1旋回ジョイント76の円滑な作動を可能にし得る。
【0055】
図3及び
図4で最も良く見て取れるように、結合リンク機構66は、駆動シャフト54及び伝達シャフト70に規定の接触力(具体的には実質的に軸方向の接触力)を加えるように構成され得るプッシュロッド96を更に有し得る。例として、プッシュロッド96は、付勢要素94(具体的にはバネ、より明確には螺旋バネ)に結合され得る。プッシュロッド96は、伝達シャフト70のところで凹部98のところに配置され得る。言い換えれば、伝達シャフト70は、プッシュロッド96を収容し得る。また、付勢要素94も、凹部98のところに配置され得る。凹部98は、伝達シャフト70のところで軸方向に延びる凹部98として配置され得る。付勢要素94は、凹部98内でプッシュロッド96と伝達シャフト70の間に配置され得る。その結果、付勢要素94は、第1駆動結合要素78の接触前面100と接触するようにプッシュロッド96を促し得る。さらに、付勢要素94は、第2駆動可能結合要素88と接触するように伝達シャフト70(具体的にはその第2駆動結合要素86)を促し得る。その結果、ドライブトレイン50、具体的には、その結合リンク機構66は、軸方向にプレロードされ得る。それは、ドライブトレイン50の円滑作動能力に更に貢献し得る。本書で用いられている用語“軸方向にプレロードされる”は、シャフト54、56及び70のそれぞれの完璧な軸方向の位置合わせを要求するものとして解釈されてはならない。通常、付勢要素94及びプッシュロッド96は、結合リンク機構66における長さに関するずれを補償し得る。
【0056】
少なくともいくつかの実施例では、プッシュロッド96及び付勢要素94が駆動シャフト54のところにも或いは出力シャフト56のところにも配置され得ることは言うまでもない。さらに、プッシュロッド96は、伝達シャフト70の外側に取り付けられる外側プッシュロッド96として配置される場合もある。
【0057】
第1駆動結合要素78の外側多角形輪郭90は、第1駆動可能結合要素80における対応する内側多角形輪郭102と係合し得る。同じように、第2駆動結合要素86のところにある外側多角形輪郭190は、第2駆動可能結合要素88における対応する内側多角形輪郭202と係合するように配置され得る。内側多角形輪郭102は、回転同調(rotational entrainment)のために、外側多角形輪郭90に適合され得る。内側多角形輪郭102は、外側多角形輪郭90の駆動側面92の数に適合し得る複数の駆動可能側面104を有し得る。しかしながら、
図7で最も良く見て取れるように、内側多角形輪郭102は、駆動可能側面104として配置されるものではない更なる側面を有し得る。通常、内側多角形輪郭102は、(内側)凹み108と交互になっている(内側)突起106を有し得る。駆動可能側面104は、突起106のところに配置され得る。
図5、
図6及び
図7で例示的に示されるように、内側多角形輪郭102は、三角形状の外側多角形輪郭90を受け入れるように配置され得る。しかしながら、代替例では、内側多角形輪郭102は、4つ、5つ又はそれ以上の駆動側面92を有する外側多角形輪郭90のそれぞれを受け入れるように変形されてもよい。また、第2駆動可能結合要素88の内側多角形輪郭202は、個別の駆動可能側面204を有し得る。内側多角形輪郭202は、(内側)凹み208と交互になっている(内側)突起206を備え得る。駆動可能側面204は、第2駆動結合要素86の外側多角形輪郭190の駆動側面192のそれぞれによって接触されるように突起206のところに備えられる。この点に関しては、
図8及び
図9が参照される。
【0058】
第2旋回ジョイント84、具体的には外側多角形輪郭190及び内側多角形輪郭202は、第1旋回ジョイント76、具体的にはその外側多角形輪郭90及び内側多角形輪郭102とそっくりに形成され且つ配置され得る。これは、必ずしも第1旋回ジョイント76及び第2旋回ジョイント84が同様の或いは同じ長円形の寸法を有する必要があることを要求するものではない。
図2〜
図9から見て取れるように、第1旋回ジョイント76及び第2旋回ジョイント84はサイズが異なっていてもよい。しかしながら、基本的に同じサイズを有する2つの旋回ジョイント76、84に個別の結合リンク機構66を提供することも想定され得る。
【0059】
少なくもと部分的に球状の外側多角形輪郭90、190のために、具体的には、その駆動側面92、192の湾曲した(或いは凸状に湾曲した)軸方向延長部のために、結合されたシャフト54、56、70のそれぞれがそれぞれの相対的な角度姿勢を変えるときに、外側多角形輪郭90、190は、基本的に、内側多角形輪郭102、202の駆動可能側面104、204に関して旋回する(或いは駆動可能側面104、204のところで転動する)。その結果として、ドライブトレイン50は、自動位置合わせドライブトレイン50と見なされ得る。
【0060】
図10及び
図11を更に参照し、切断ヘッド18のための刃セット20の例示的で有益な実施例が更に示され且つ説明される。有利的に、本開示の少なくともいくつかの態様に従ったドライブトレイン50は、静止刃22に関する可動刃24の往復駆動のために、刃セット20に動作可能に結合され得る。
図10は、切断ヘッド18の構成の上面斜視図を示す。刃セット20は、輪郭追従機構150に取り付けられている。
図11は、刃セット20の底面分解斜視図を示す。
【0061】
静止刃22は、少なくとも1つの歯付き前縁110(具体的には第1歯付き前縁110と第1歯付き前縁110の反対側にある第2歯付き前縁110)を有し得る。少なくとも1つの歯付き縁110のところで、複数の歯112が提供され得る。複数の歯112の各歯の間には、歯スロットが配置され得る。毛は、静止刃22及び可動刃24による協働動作で切断されるように、歯スロットを通って刃セット20に入り得る。刃セット20と刃セット20が取り付けられた毛切断装置10とは、毛を切るために、移動方向118に毛を通って動かされ得る。刃セット20は、具体的には、シェービング動作及びトリミング動作を可能にするように構成される。シェービングは、ユーザの皮膚のレベルに極めて近いところで毛を切ることと見なされ得る。トリミングは、皮膚のレベルに関して予め定められた所望の長さのところで毛を切ることと見なされ得る。
【0062】
刃セット20の静止刃22は、第1壁部122(
図10参照。)及び第2壁部124(
図11参照。)を有し得る。第1壁部122及び第2壁部124は、それらの間にガイド用スロットを定めるために、互いから少なくとも部分的にオフセットされ得る。ガイド用スロットでは、可動刃24は、摺動可能に配置され得る。第1壁部122は、皮膚に対向する壁部と見なされ得る。第1壁部122のところには、頂面126が提供され得る。具体的には、刃セット20が取り付けられた毛切断装置10がシェービングのために使用される場合、頂面126は、シェービング対象の皮膚と接触し得る。
【0063】
第1壁部122及び第2壁部124は、少なくとも1つの歯付き前縁110のところで複数の歯112を定めるために、少なくとも1つの歯付き前縁110のところで相互に接続され得る。その結果、歯112は、基本的にU字形状の断面を有し得る。第1脚は第1壁部122によって形成され、第2脚は第2壁部124によって形成される。U字形状部の第1脚と第2脚との間の接続部は、歯112の先端を定め得る。第1脚と第2脚との間には、可動刃24における個々の歯134が配置され得る。その結果、静止刃22は、可動刃24の歯134を保護し或いはカバーし得る。より具体的には、静止刃22は、皮膚に対向する側(第1壁部122)のところで、且つ、皮膚に背を向ける側(第2壁部124)のところで、可動刃24の歯134をカバーし得る。
【0064】
いくつかの実施例では、静止刃22は、金属とプラスチックの複合の静止刃として形成され得る。その結果、静止刃22は、プラスチックの構成要素130と金属の構成要素132を有し得る(
図11参照。)。プラスチックの構成要素130と金属の構成要素132は、静止刃22の形状を合同で定め得る。一実施例では、第1壁部122の少なくともかなりの部分が金属の構成要素132によって形成される。さらに、第2壁部124の少なくともかなりの部分がプラスチックの構成要素130によって形成され得る。プラスチックの構成要素130及び金属の構成要素132は、少なくとも1つの前縁110のところで相互に接続され得る。しかしながら、第1壁部122が完全に金属の構成要素132によって形成されること、及び、第2壁部124が完全にプラスチックの構成要素130によって形成されることは要求されていない。一方、プラスチックの構成要素130が第2壁部124の全体を形成し、さらに、第1壁部122の少なくとも僅かな部分を形成してもよい。
【0065】
金属の構成要素132がインサート(具体的にはシートメタル・インサート)として配置されることが特に望ましい。その結果、静止刃22は、インサート成形プロセスで取得され得る。これは、プラスチックの構成要素130が射出成形可能なプラスチック材料で形成されることを含み得る。プラスチックの構成要素130を成形することは、プラスチックの構成要素130を金属の構成要素132に接合することを含み得る。可動刃24は、往復動可能な方法で、静止刃22の第1壁部122と第2壁部124によって定められるガイド用スロット内に配置され得る。この点に関しては、可動切断刃24の往復運動を示す、
図11の参照数字136で示される双方向矢印が参照される。通常、往復動作136の方向は、想定された移動方向118に対して基本的に垂直となり得る。
【0066】
可動刃24を駆動するために、伝達部材138が提供され得る。伝達部材138は、往復動部材140及び接触ブリッジ142を有し得る。通常、
図10に示されるように、伝達部材138は、本開示の少なくともいくつかの態様に従って、出力シャフト56の偏心部62によって(具体的には偏心駆動ピン62によって)係合され得る。出力シャフト56の回転(
図10の湾曲矢印64を参照。)は、偏心部62及び伝達部材138を介して可動刃24の往復運動136(具体的には直線往復運動)に変換され得る。
【0067】
いくつかの実施例では、偏心部62は、偏心部62のためのガイドスロットを定め得る往復動部材140のところで係合し得る。伝達部材138は、往復動部材140と可動刃24との間に配置され得る接触ブリッジ142を更に備え得る。より具体的には、接触ブリッジ142は、可動刃24を駆動するために、可動刃24と接触するように構成され得る。例として、接触ブリッジ142は、可動刃24に接合(具体的にはレーザ接合)され得る。
【0068】
図10で最も良く見て取れるように、刃セット20は、輪郭追従機構150に取り付けられ得る。この目的のため、静止刃22のところに(具体的にはその第2壁部124のところに)接続部148が提供され得る(
図11参照。)。接続部148は、少なくとも1つのスナップオン式要素を有し得る。刃セット20は、輪郭追従機構150に取り外し可能に取り付けられ得る。輪郭追従機構150は、少なくとも1つのヒンジ式旋回機構152を有し得る。少なくとも1つのヒンジ式旋回機構152は、4バー・リンク機構のところに配置され得る。ヒンジ式旋回機構152は、改善された輪郭追従能力を刃セット20に提供し得る。言い換えれば、刃セット20は、輪郭追従機構150のベースに関して回動し或いは旋回し得る。旋回動作は、
図10において、参照数字154で示される湾曲した双方向矢印によって図解されている。回動或いは旋回する能力を備えることで、刃セット20は、その実際の姿勢を皮膚形状に適合させ得る。それは、毛切断装置10の切断性能(具体的にはシェービング性能)を更に改善する。
【0069】
本発明は図に示され且つ前述の説明で詳細に説明されたが、そのような図及び説明は、例示的或いは典型的なものとされ制限的なものとはされない。本発明は、開示された実施例に限定されない。開示された実施例に対する他の変形例は、クレームされた発明を実施するときの、図、開示内容、及び添付の請求項の検討から、当業者に理解され且つ実現され得る。
【0070】
請求項では、“有する”という語は、他の要素又はステップを排除しない。不定冠詞“a”又は“an”は複数を排除しない。単一の要素又は他のユニットは、請求項に記載された複数のアイテムの機能を果たし得る。複数の手段が互いに別々の従属項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが利益を得るために利用できないということを意味することはない。
【0071】
請求項における何れの参照符号もその範囲を限定するものとして解釈されることはない。