(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6626552
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】マルチ画像プロジェクタ及びマルチ画像プロジェクタを有する電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G01C 3/06 20060101AFI20191216BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
G01C3/06 120P
H04N5/74 Z
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-189897(P2018-189897)
(22)【出願日】2018年10月5日
【審査請求日】2018年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】502429109
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 炳昇
(72)【発明者】
【氏名】郭 漢▲いー▼
(72)【発明者】
【氏名】呂 柏翰
(72)【発明者】
【氏名】呂 引棟
(72)【発明者】
【氏名】陳 冠銘
(72)【発明者】
【氏名】蔡 孟珂
【審査官】
仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−166811(JP,A)
【文献】
国際公開第2018/056199(WO,A1)
【文献】
特表2015−537228(JP,A)
【文献】
特開2013−29795(JP,A)
【文献】
特開2015−81953(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0377414(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
G01C 3/06
G02B 27/00−27/64
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのレーザー・ビームを生成するレーザー・モジュール;及び
レンズ・モジュール;
を有するプロジェクタであって、前記レンズ・モジュールは:
複数のレンズであって、各レンズは、コリメートされたレーザー・ビームを生成するために、前記少なくとも1つのレーザー・ビームのうちの何れかを受けるように構成され、前記複数のレンズのうちの少なくとも2つは異なる焦点距離を有する、複数のレンズ;及び
前記複数のレンズにそれぞれ対応する複数の回折光学要素であって、各々の回折光学要素は、画像を生成するために、対応するレンズから、コリメートされたレーザー・ビームを受けるように構成され、生成される複数の画像は少なくとも部分的にオーバーラップしている、複数の回折光学要素;
を有、プロジェクタ。
【請求項2】
前記レーザー・モジュールは、前記複数のレンズへの複数のレーザー・ビームをそれぞれが生成するように構成される複数のレーザー・ダイオードを含む、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記レーザー・ダイオードの個数、レンズの個数、及び前記回折光学要素の個数は同じである、請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記レーザー・ダイオードは、前記画像を生成するために、前記レンズ及び前記回折光学要素への前記レーザー・ビームを生成するように同時に又は順々にターン・オンされ、請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記複数の画像の各々は複数のライト・スポットを含み、前記画像は前記プロジェクタの投影画像を形成し、前記投影画像のライト・スポット密度は、複数の画像の各々についてのものより高い、請求項4に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記画像を生成するために、対応するレンズ及び回折光学要素への前記レーザー・ビームを生成するように、唯1つのレーザー・ダイオードがターン・オンされる、請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記複数の回折光学要素のうちの少なくとも2つは異なるパターンを有する、請求項6に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記レーザー・モジュールは少なくとも1つのレーザー・ダイオードを有し、前記少なくとも1つのレーザー・ダイオードは、前記レンズへの複数のレーザー・ビームを生成するように構成される、請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記レーザー・ダイオードの個数は、レンズの個数又は前記回折光学要素の個数より少ない、請求項8に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのレーザー・ダイオードは、少なくとも1つのプリズムを利用することにより、前記レンズへの前記レーザー・ビームを生成するように構成される、請求項8に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
プロジェクタと、カメラ・モジュールと、プロセッサとを有する電子デバイスであって、前記プロジェクタは、少なくとも1つのレーザー・ビームを生成するレーザー・モジュールと、レンズ・モジュールとを有し、前記レンズ・モジュールは:
複数のレンズであって、各レンズは、コリメートされたレーザー・ビームを生成するために、前記少なくとも1つのレーザー・ビームのうちの何れかを受けるように構成され、前記複数のレンズのうちの少なくとも2つは異なる焦点距離を有する、複数のレンズ;及び
前記複数のレンズにそれぞれ対応する複数の回折光学要素であって、各々の回折光学要素は、周辺環境への画像を生成するために、対応するレンズから、コリメートされたレーザー・ビームを受けるように構成され、生成される複数の画像は少なくとも部分的にオーバーラップしている、複数の回折光学要素;
を有し、前記カメラ・モジュールは、画像データを生成するために前記周辺環境の領域をキャプチャーし;
前記プロセッサは、前記画像データの深度情報を取得するために前記画像データを分析する、電子デバイス。
【請求項12】
前記レーザー・モジュールは、前記複数のレンズへの複数のレーザー・ビームをそれぞれが生成するように構成される複数のレーザー・ダイオードを含む、請求項11に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記レーザー・ダイオードは、前記画像を生成するために、前記レンズ及び前記回折光学要素への前記レーザー・ビームを生成するように同時に又は順々にターン・オンされる、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記複数の画像の各々は複数のライト・スポットを含み、前記画像は前記プロジェクタの投影画像を形成し、前記投影画像のライト・スポット密度は、前記複数の画像の各々についてのものより高い、請求項13に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記画像を生成するために、対応するレンズ及び回折光学要素への前記レーザー・ビームを生成するように、唯1つのレーザー・ダイオードがターン・オンされる、請求項12に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記プロセッサは、別のレーザー・ダイオード、対応するレンズ及び回折光学要素を利用することにより、前記周辺環境への別の画像を生成するように前記レーザー・ダイオードを切り替えるか否かを判断するために、前記画像データを分析し;前記レーザー・ダイオードが切り替えられ、前記プロジェクタが前記別の画像を生成する場合、前記カメラ・モジュールは前記別の画像の画像データを生成するために前記周辺環境のうちの領域をキャプチャーし、前記プロセッサは、前記画像データの深度情報を取得するために、前記別の画像の画像データを分析する、請求項15に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の技術分野
本発明はプロジェクタに関連し、特に、3Dセンシング・システムに適用されるマルチ画像プロジェクタに関連する。
【背景技術】
【0002】
2.従来技術の説明
3D画像を取得するために、電子デバイスは、プロジェクタを利用して特定のパターンを周辺領域に投影し、カメラを利用して特定のパターンを有する画像をキャプチャーしてもよく、キャプチャーされた画像は、画像の深度情報を取得するためにプロセッサにより分析される。従来のプロジェクタは固定された焦点距離及び固定された視野(a fixed field of view:FOV)を有し、従って、プロジェクタから遠く離れた又はプロジェクタに近すぎるオブジェクトに、特定のパターンが投影される場合、特定のパターンの解像度は劣化し、深度情報は正確には決定されないかもしれない。
【発明の概要】
【0003】
従って、本発明の課題は、上記の問題を解決するために、プロジェクタのワーキング距離(the working distance)に基づいて、周辺領域に対する適切な投影画像を生成することが可能なプロジェクタを提供することである。
【0004】
本発明の一実施形態によれば、レーザー・モジュールとレンズ・モジュールとを含むプロジェクタが提供され、その場合において、レンズ・モジュールは複数のレンズと複数の回折光学要素(a plurality of diffractive optical elements)とを含む。プロジェクタのオペレーションにおいて、レーザー・モジュールは少なくとも1つのレーザー・ビームを生成するように構成されており;各レンズは、コリメートされたレーザー・ビーム(a collimated laser beam)を生成するために、少なくとも1つのレーザー・ビームのうちの何れかを受けるように構成され;回折光学要素はそれぞれレンズに対応し、各々の回折光学要素は、画像を生成するために、対応するレンズから、コリメートされたレーザー・ビームを受けるように構成されている。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、電子デバイスが提供され、その場合において、電子デバイスは、プロジェクタと、カメラ・モジュールと、プロセッサとを含む。電子デバイスのオペレーションにおいて、プロジェクタは、周辺環境(a surrounding environment)に対する投影画像を生成するように構成され、カメラ・モジュールは、画像データを生成するために周辺環境の領域をキャプチャーするように構成され、プロセッサは、画像データの深度情報を取得するために画像データを分析するように構成される。一実施形態において、プロジェクタはレーザー・モジュールとレンズ・モジュールとを含み、その場合において、レンズ・モジュールは複数のレンズと複数の回折光学要素とを含む。プロジェクタのオペレーションにおいて、レンズ・モジュールは少なくとも1つのレーザー・ビームを生成するように構成され;各々のレンズは、コリメートされたレーザー・ビームを生成するために、少なくとも1つのレーザー・ビームのうちの何れかを受けるように構成され;回折光学要素はレンズにそれぞれ対応し、各々の回折光学要素は、画像を生成するために、対応するレンズから、コリメートされたレーザー・ビームを受けるように構成される。回折光学要素により生成される画像は、プロジェクタの投影画像を形成する。
【0006】
本発明のこれら及び他の課題は、様々な図形及び図面に示される好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を参照した当業者にとって紛れもなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態による電子デバイスを示す図である。
【0008】
【
図2】
図2は本発明の一実施形態によるプロジェクタを示す図である。
【0009】
【
図3】
図3は本発明の実施形態によるレーザー・モジュールを示す。
【0010】
【
図4】
図4は本発明の別の実施形態によるレーザー・モジュールを示す。
【0011】
【
図5】
図5は本発明の一実施形態により投影画像を生成する様子を示す。
【0012】
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に従って、異なる焦点距離を有するように複数のレンズが設計される場合にプロジェクタを利用する様子を示す。
【0013】
【
図7】
図7は本発明の別の実施形態によるレーザー・モジュール及びレンズ・モジュールを示す。
【0014】
【
図8】
図8は本発明の一実施形態による
図7に示されるレーザー・モジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の一実施形態による電子デバイス100を示す図である。
図1に示されるように、電子デバイス100は、プロジェクタ110と、カメラ・モジュール120と、プロセッサ130と、コントローラ140とを有する。この実施形態において、電子デバイス100は、スマート・フォン又はパッドであってもよく、或いは3D画像を生成することが可能な他の任意の携帯デバイスであってもよい。
【0016】
電子デバイス100の動作の際に、電子デバイス100がオブジェクト102の3D画像をキャプチャーする準備を行う場合、先ず、プロセッサ130はコントローラ140に通知を行い、コントローラ140は、オブジェクト102への投影画像104を生成するようにプロジェクタ110を制御する。その後、カメラ・モジュール120は、画像データを生成するために、オブジェクト102とともに投影画像104をキャプチャーする。プロセッサ130は、画像データの深度情報を取得して3D画像を生成するために画像データを分析する。発明の背景で言及したように、オブジェクト102がプロジェクタ110から遠く離れている場合、或いはオブジェクト102がプロジェクタに近すぎる場合、投影される画像104の解像度は劣化してしまうかもしれない。そこで、本発明の実施形態は、オブジェクト102に投影される画像104がより良い解像度又はFOVを有するようなプロジェクタ110のデザインをいくつか提供する。
【0017】
図2は本発明の一実施形態によるプロジェクタ110を示す図である。
図2に示されるように、プロジェクタ110はレーザー・モジュール210とレンズ・モジュール220とを有し、レンズ・モジュール220は、基板221と、基板221の表面に刻印された2つのレンズ221_1及び222_2と、基板225と、基板225の表面に刻印された2つの回折光学要素(two diffractive optical elements:DOE)224_1及び224_2と、スペーサ223とを有する。この実施形態では、レーザー・モジュール210は、1つ又は2つの赤外レーザー・ビームを放出する少なくとも1つの赤外レーザー・ダイオードを有するパッケージであってもよく(
図2は、2つのレーザー・ビームを示しているが、本発明の限定ではない)、一方のレーザー・ビームは、基板221と、レンズ222_1と、DOE224_1と、基板225とを経由して、DOE224_1のパターンを有する第1画像を形成し、及び他方のレーザー・ビームは、基板221と、レンズ222_2と、DOE224_2と、基板225とを経由して、DOE224_2のパターンを有する第2画像を形成する。設計者の考えに応じて、第1画像や第2画像は同時に或いは順々に生成されることが可能であり、或いは第1画像及び第2画像のうち一方のみが生成されてもよいことに、留意を要する。例えば、第1画像及び第2画像が同時に或いは順々に生成される場合に、第1画像及び第2画像はプロジェクタ110の投影画像104を形成する。
【0018】
一実施形態において、赤外レーザー・ダイオードは、縦型空洞面発光レーザー(a vertical-cavity surface-emitting laser:VCSEL)のような面発光型、プラズマ・レーザー・ダイオード、端面放出型であってもよい。更に、レンズ222_1及び222_2は、同一の焦点距離又は異なる焦点距離を有していてもよい。
【0019】
図2に示される層の配置は例示目的でしかなく、レンズ・モジュール220が第1画像及び第2画像を生成することが可能である限り、レンズ・モジュール220は異なるデザインを有し得る。例えば、レンズ222_1又は222_2は両凸レンズであってもよく、或いは他のレンズがレンズ222_1又は222_2の上に配置されていてもよく、或いはDOEs224_及び224_2が基板225の上位表面に刻み付けられていてもよい。更に、基板225は単層DOEを有していてもよく、DOE224_1がDOE層の左側部分であり、DOE224_2がDOE層の右側部分であってもよい。代替的なデザインは本発明の範囲内に属する。
【0020】
図3は本発明の実施形態によるレーザー・モジュール210を示す。
図3(a)に示されるように、レーザー・モジュール210は、サブマウント(a submount)310と、2つのレーザー・ダイオード312及び314とを有し、この場合において、レーザー・ダイオード312及び314はサブマウント310の同じ側の面に結合されている。この実施形態では、レーザー・ダイオード312により生成されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_1を通過して第1画像を生成し、及びレーザー・ダイオード314により生成されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_2を通過して第2画像を生成する。
図3(b)に示される実施形態では、レーザー・モジュール210はサブマウント320と、2つのレーザー・ダイオード322及び324とを有し、この場合において、レーザー・ダイオード322及び324はサブマウント320の異なる側の面に結合されている。レーザー・ダイオード322により生成されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_1を通過して第1画像を生成し、及びレーザー・ダイオード324により生成されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_2を通過して第2画像を生成する。
図3に示される実施形態では、第1画像及び第2画像は、それらがオブジェクト102に投影される場合にオーバーラップさせられる。
【0021】
図4は本発明の別の実施形態によるレーザー・モジュール210を示す。
図4(a)に示されるように、レーザー・モジュール210は、サブマウント410と、レーザー・ダイオード412と、2つのプリズム414及び416とを有し、この場合において、レーザー・ダイオード412により生成されるレーザー・ビームの一部分はプリズム414により反射され、レーザー・ビームのうち別の部分はプリズム414を通過し、プリズム416により反射される。プリズム416により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_1を通過して第1画像を生成し、及びプリズム414により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_2を通過して第2画像を生成する。
図4(b)に示される実施形態では、レーザー・モジュール210は、サブマウント420と、レーザー・ダイオード422と、2つのプリズム424及び426と、レンズ428とを有し、この場合において、レーザー・ダイオード422により生成されるレーザー・ビームの一部分は、レンズ428を通過してプリズム424により反射され、レーザー・ビームのうちの別の部分は、レンズ428及びプリズム424を通過してプリズム426により反射される。プリズム426により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_1を通過して第1画像を生成し、及びプリズム424により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュール220のDOE224_2を通過して第2画像を生成する。
図4に示される実施形態では、第1画像及び第2画像は、それらがオブジェクト102に投影される場合にオーバーラップさせられる。
【0022】
図5は本発明の一実施形態により投影画像104を生成する様子を示す。
図5に示されるように、一方のレーザー・ビームはレンズ・モジュール220のDOE224_1を通過してオブジェクト102に対する第1画像502を生成し、及び他方のレーザー・ビームはレンズ・モジュール220のDOE224_2を通過してオブジェクト102に対する第2画像502を生成し、この場合において、第1画像502及び第2画像504の各々は複数のライト・スポット(又は光点)を有する。第1画像502及び第2画像504の位置は、
図5に示されるように、第1画像502及び第2画像504を含む投影画像104がより高いライト・スポット密度(即ち、高い解像度)を有するように、注意深くデザインされることが可能である。
【0023】
図5に示されるパターンは例示目的でしかなく、それらは本発明の限定ではないことに留意を要する。例えば、第1画像502及び第2画像504のパターン(即ち、DOE224_1及び224_2のパターン)は同一であってもよいし或いは異なっていてもよく、第1画像502及び第2画像504の密度/解像度は同一であってもよいし或いは異なっていてもよい。更に、
図5に示される実施形態では、第1画像502及び第2画像504の領域全体がほぼオーバーラップしている様子を示しているが、第1画像502及び第2画像504のオーバーラップの比率は、エンジニアの考えに応じて設定されてよい。例えば、第1画像502の左側部分及び第2画像504の右側部分のみがオーバーラップさせられるように、プロジェクタ110はデザインされることが可能である。これらの代替的なデザインは本発明の範囲内に属する。
【0024】
図6は、本発明の一実施形態に従って、異なる焦点距離を有するように複数のレンズ222_1及び222_2が設計される場合にプロジェクタ110を利用する様子を示す。
図6に示されるように、レンズ222_1は焦点距離f1を有し、レンズ222_2は焦点距離f2を有し、例えばf1は0.2メートルである一方、f2は0.5メートルに等しくてもよい。この実施形態では、オブジェクト102がプロジェクタ110に近い場合(例えば、0.15メートルの位置にある場合)、DOE224_1により出力される第1画像が鮮明であり、オブジェクト102がプロジェクタ110から遠い場合(例えば、0.75メートルの位置にある場合)、DOE224_1により出力される第1画像は不鮮明であるかもしれない。一方、オブジェクト102がプロジェクタ110に近い場合、DOE224_2により出力される第2画像は不鮮明であり、オブジェクト102がプロジェクタ110から遠い場合、DOE224_2により出力される第2画像は鮮明であるかもしれない。レンズ222_1及び222_2の各々は各自の対応する実用距離(working distance)を有するので、電子デバイス100は、第1画像及び第2画像のうち鮮明なパターンを有するものを選択し、選択したものを分析して投影画像104の深度情報を取得することが可能である。
【0025】
図6に示されるプロジェクタの制御に関し、第1画像及び第2画像はオブジェクト102に対して順々に生成されてもよく、カメラ・モジュール120は第1画像及び第2画像にそれぞれ対応する画像データをキャプチャーし、プロセッサ130は第1画像及び第2画像のうち何れがより鮮明であるかを判断し、プロセッサ130は、鮮明な方を選択し、投影画像の深度情報を取得する。別の実施形態において、電子デバイス100は、電子デバイス100とオブジェクト102との間の距離を測定することが可能な他のエレメント又は方法を利用してもよく、コントローラ140は、レンズの焦点距離が測定された距離に近い方のレンズに対応する画像を生成するように、プロジェクタ110を制御する。
図3(a)及び
図6を例に取ると、電子デバイス100とオブジェクト102との間の距離は短いと電子デバイス100が判断した場合、コントローラ140は、レーザー・ダイオード312をターン・オンし、レンズ222_1及びDOE224_1へレーザー・ビームを生成して第1画像を生成し、その間レーザー・ダイオード314はターン・オフされるように、プロジェクタ110を制御してもよい。電子デバイス100とオブジェクト102との間の距離は長いと電子デバイス100が判断した場合、コントローラ140は、レーザー・ダイオード314をターン・オンし、レンズ222_2及びDOE224_2へレーザー・ビームを生成して第2画像を生成し、その間レーザー・ダイオード312はターン・オフされるように、プロジェクタ110を制御してもよい。
【0026】
図2-6に示される実施形態110は2つのレンズ222_1,222_2及び2つのDOEs224_1,224_2のみを示しているが、レンズ及びDOEsの個数は2より多くてもよい(例えば、1×Nのアレイ、M×1のアレイ、M×Nのアレイが存在してよい。ここで、M及びNは適切な任意の整数である)。
図7は、4つのレーザー・ダイオード712,714,716,718が取り付けられているサブマウント710と、4つのDOEs724_1-724_4を有するレンズ・モジュールとを有するレーザー・モジュールを示す。
図7に示される実施形態では、レーザー・ダイオード712は第1画像を生成するようにDOE724_1へレーザー・ビームを生成するように構成され、レーザー・ダイオード714は第2画像を生成するようにDOE724_2へレーザー・ビームを生成するように構成され、レーザー・ダイオード716は第3画像を生成するようにDOE724_3へレーザー・ビームを生成するように構成され、レーザー・ダイオード718は第1画像を生成するようにDOE724_4へレーザー・ビームを生成するように構成される。
図7に示される実施形態では、レーザー・ダイオード712,714,716,718は同時にターン・オンされることが可能であり或いは順々にターン・オンされることも可能であり、或いはワーキング距離に応じて、レーザー・ダイオード712,714,716,718のうちの一部分のみがターン・オンされてもよい。上記の実施形態を理解した後では、当業者は
図7に示される実施形態のオペレーション及びアプリケーションを理解するはずであるので、ここでの更なる説明は省略される。
【0027】
図8は本発明の一実施形態による
図7に示されるレーザー・モジュールを示す。
図8(a)に示されるように、レーザー・モジュールは、サブマウント810と、2つのレーザー・ダイオード812,814と、2つのプリズム816,818とを有し、この場合において、レーザー・ダイオード812により生成されるレーザー・ビームの一部分はプリズム816により反射され、レーザー・ビームのうち別の部分はプリズム816を通過し、プリズム818により反射される;レーザー・ダイオード814により生成されるレーザー・ビームの一部分はプリズム816により反射され、レーザー・ビームのうち別の部分はプリズム816を通過し、プリズム818により反射される。レーザー・ダイオード812により生成され、プリズム816により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_1を通過して第1画像を生成し、レーザー・ダイオード814により生成され、プリズム816により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_2を通過して第2画像を生成し、レーザー・ダイオード812により生成され、プリズム818により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_3を通過して第3画像を生成し、レーザー・ダイオード814により生成され、プリズム818により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_4を通過して第4画像を生成する。
図8(b)に示される実施形態では、レーザー・モジュールは、サブマウント830と、2つのレーザー・ダイオード832,834と、2つのプリズム836,838と、2つのレンズ839_1,839_2とを有し、この場合において、レーザー・ダイオード832により生成されるレーザー・ビームの一部分はレンズ839_1を通過し、プリズム836により反射され、レーザー・ビームのうち別の部分はレンズ839_1及びプリズム836を通過し、プリズム838により反射される;レーザー・ダイオード834により生成されるレーザー・ビームの一部分はレンズ839_2を通過し、プリズム836により反射され、レーザー・ビームのうち別の部分はレンズ839_2及びプリズム836を通過し、プリズム838により反射される。レーザー・ダイオード832により生成され、プリズム836により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_1を通過して第1画像を生成し、レーザー・ダイオード834により生成され、プリズム836により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_2を通過して第2画像を生成し、レーザー・ダイオード832により生成され、プリズム838により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_3を通過して第3画像を生成し、及びレーザー・ダイオード834により生成され、プリズム838により反射されるレーザー・ビームは、レンズ・モジュールのDOE824_4を通過して第4画像を生成する。
【0028】
要するに、本発明のプロジェクタにおいては、プロジェクタは複数の画像を生成することが可能であり、それら複数の画像はより高い密度/解像度及び/又はFOVを有する投影画像を取得するように、同時に又は順々に生成されてもよく、或いはより鮮明な投影画像を取得するために、プロジェクタ及びオブジェクト間の距離に基づいて、複数の画像のうちの一部分のみが生成されてもよい。
【0029】
当業者は、デバイス及び方法についての多くの修正及び代替が本発明の教示を維持しながら行われ得ることに容易に気付くであろう。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲による境界及び限界によってのみ制限されるように解釈されるべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】パターンの解像度が劣化しないマルチ画像プロジェクタ及びマルチ画像プロジェクタを有する電子デバイスを提供する。
【解決手段】レーザー・モジュールとレンズ・モジュールとを含むプロジェクタ110で、レンズ・モジュールは複数のレンズと複数の回折光学要素とを含む。レーザー・モジュールは少なくとも1つのレーザー・ビームを生成するように構成されており;各レンズは、コリメートされたレーザー・ビームを生成するために、少なくとも1つのレーザー・ビームのうちの何れかを受けるように構成され;回折光学要素はそれぞれレンズに対応し、各々の回折光学要素は、画像を生成するために、対応するレンズから、コリメートされたレーザー・ビームを受けるように構成される。回折光学要素により生成される画像は、プロジェクタの投影画像を形成する。
【選択図】
図1