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特許6626584ドライヤ装置およびエアサスペンションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626584
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】ドライヤ装置およびエアサスペンションシステム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20191216BHJP
   B60G 17/015 20060101ALI20191216BHJP
   F04B 39/16 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   B01D53/26 230
   B60G17/015 C
   F04B39/16 G
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-546192(P2018-546192)
(86)(22)【出願日】2017年9月13日
(86)【国際出願番号】JP2017032956
(87)【国際公開番号】WO2018074107
(87)【国際公開日】20180426
【審査請求日】2019年2月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-207056(P2016-207056)
(32)【優先日】2016年10月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002457
【氏名又は名称】特許業務法人広和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 義則
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 勉
(72)【発明者】
【氏名】小林 寛
【審査官】 ▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−250507(JP,A)
【文献】 特表2009−530087(JP,A)
【文献】 特開2015−105020(JP,A)
【文献】 米国特許第5300138(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26
B60G 17/015
B60G 17/052
F04B 39/16
F04B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縮空気が流入する第1の流入口と、
前記第1の流入口から流入した圧縮空気を乾燥する第1の乾燥剤が充填された第1の乾燥筒と、
前記第1の乾燥筒から圧縮空気が流出する第1の流出口と、
前記第1の流出口から流出した圧縮空気が流入する第2の流入口と、
前記第2の流出口から流入した圧縮空気を乾燥する第2の乾燥剤が充填された第2の乾燥筒と、
前記第2の乾燥筒から圧縮空気が流出する第2の流出口と、が収容されるドライヤケースを備えるドライヤ装置であって
前記第1の乾燥剤は、前記第2の乾燥剤と比較して圧縮空気が高温のときの水分吸着性能が高いことを特徴とするドライヤ装置。
【請求項2】
請求項に記載のドライヤ装置において、
前記第2の乾燥筒は、前記ドライヤケースの一部を成して、前記第1の乾燥筒の外周側を全周覆うように設けられ、
前記第2の流入口と前記第2の流出口との間には、前記第1の乾燥剤と前記第2の乾燥剤とを区画する仕切り部材が設けられていることを特徴とするドライヤ装置。
【請求項3】
請求項またはに記載のドライヤ装置において、
前記第1の乾燥筒の容積と比較して、前記第2の乾燥筒の容積のほうが大きいことを特徴とするドライヤ装置。
【請求項4】
請求項ないしのいずれか1記載のドライヤ装置において、
前記第1の流出口と比較して前記第2の流出口は小さいことを特徴とするドライヤ装置。
【請求項5】
請求項ないしのいずれか1項に記載のドライヤ装置において、
前記第1の乾燥筒と前記第2の乾燥筒とは、並んで配置され、
前記第1の流入口と前記第2の流出口とは、軸方向一端に位置し、
前記第1の流出口と前記第2の流入口とは、軸方向他端に位置することを特徴とするドライヤ装置。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれか1項に記載のドライヤ装置を備えたエアサスペンションシステムであって、
車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと、
空気を圧縮するコンプレッサと、
前記コンプレッサの吐出側に設けられる前記ドライヤ装置と、を有するエアサスペンションシステム。
【請求項7】
請求項に記載のエアサスペンションシステムにおいて、
前記エアサスペンションから排出された空気を貯留するタンクを設けることを特徴とするエアサスペンションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載されるドライヤ装置およびエアサスペンションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
4輪自動車等の車両には、車高調整を行うためのエアサスペンションシステムが搭載されているものがある。この種の従来技術によるエアサスペンションシステムは、空気を圧縮するコンプレッサと、圧縮空気中に含まれる水分を除去するためのドライヤ装置と、を備えている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許第1233183号明細書
【特許文献2】特許第3061609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ドライヤ装置は、コンプレッサからの圧縮空気が流入する部分は圧縮空気の温度が高く、ドライヤ装置から圧縮空気が流出する部分は圧縮空気の温度が低いという特性を有している。この場合、従来技術によるドライヤ装置は、圧縮空気中に含まれる水分を除去するために、ドライヤ装置内に1種類の乾燥剤を有している。しかしながら、ドライヤ装置内を通過する圧縮空気の温度範囲は広く、1種類の乾燥剤では効果的に水分を除去するのは難しいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、広い温度範囲でも、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができるドライヤ装置およびエアサスペンションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るドライヤ装置は、圧縮空気を乾燥させる乾燥剤が複数種類充填して設けられている。
【0007】
また、本発明の一実施形態に係るエアサスペンションシステムは、車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと、空気を圧縮するコンプレッサと、前記コンプレッサの吐出側に設けられる前記ドライヤ装置と、を有する。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、複数種類の乾燥剤を用いることにより、温度範囲が広い場合でも圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態によるエアサスペンションシステムの全体構成を示す回路図である。
図2図1中のドライヤ装置を拡大して示す断面図である。
図3】第1〜第3の乾燥剤の温度特性を示す特性線図である。
図4】コンプレッサからエアサスペンションに向けて圧縮空気を給気するときの、ドライヤ装置内の圧縮空気の流れを示す断面図である。
図5】エアサスペンションからコンプレッサに向けて圧縮空気を排出するときの、ドライヤ装置内の圧縮空気の流れを示す断面図である。
図6】第2の実施の形態のドライヤ装置を示す断面図である。
図7】第1の変形例によるドライヤ装置の内部を示す構成図である。
図8】第2の変形例によるドライヤ装置の内部を示す構成図である。
図9】第3の変形例によるドライヤ装置の内部を示す構成図である。
図10】第4の変形例によるクローズド式のエアサスペンションシステムの全体構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態によるドライヤ装置を備えたエアサスペンションシステムを、4輪自動車等の車両に搭載する場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0011】
図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、車載用のエアサスペンションシステム1は、エアサスペンション2、コンプレッサ9、ドライヤ装置12等を備えている。この場合、エアサスペンションシステム1は、圧縮した空気を貯留するタンクを有さないオープン式のエアサスペンションシステムとして構成されている。
【0012】
エアサスペンション2は、車両の前輪側および後輪側に位置して、車両の車体側と車軸側(いずれも図示せず)との間に介装して設けられている。具体的には、エアサスペンション2は、前側の左前輪(FL),右前輪(FR)および後側の左後輪(RL),右後輪(RR)にそれぞれ対応するように、4つ設けられている。エアサスペンション2は、圧縮空気が供給または排出されると、このときの空気の給排量(圧縮空気量)に応じて上,下に拡張または縮小して車両の車高調整を行うものである。エアサスペンション2は、給排管路3、各分岐管路4を介して後述のドライヤ装置12に接続されている。
【0013】
給排管路3は、その上流側に位置する一端側がコンプレッサ9の吐出側に接続され、その下流側に位置する他端側が各分岐管路4に接続されている。一方、各分岐管路4は、その上流側に位置する一端側が給排管路3に接続され、その下流側に位置する他端側が各エアサスペンション2に接続されている。この給排管路3および各分岐管路4は、各エアサスペンション2に対する圧縮空気の給排を行うものである。
【0014】
給排気バルブ5は、各エアサスペンション2とドライヤ装置12との間に位置して、各分岐管路4の途中に設けられている。この給排気バルブ5は、ON/OFF式の電磁弁により構成され、各分岐管路4を開いて各エアサスペンション2に対する圧縮空気の給排を許す開位置(a)と、各分岐管路4を閉じて各エアサスペンション2に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(b)とに選択的に切換えられる。
【0015】
吸込管路6は、コンプレッサ9の吸込側に接続して設けられている。この吸込管路6は、常時大気と連通し、吸気フィルタ6Aから吸込んだ空気をコンプレッサ9に対して流入させるものである。
【0016】
排気管路7は、コンプレッサ9とドライヤ装置12との間に位置して、給排管路3に接続して設けられている。この排気管路7は、排気バルブ8が開弁した場合に排気口7Aを介して、排気管路7内の圧縮空気を大気中に排出(放出)する。
【0017】
排気バルブ8は、排気管路7の途中に設けられている。この排気バルブ8は、給排管路3に接続された排気管路7を大気に対して連通、遮断させる弁である。排気バルブ8は、ON/OFF式の電磁弁により構成され、排気管路7を開いて排気口7Aからの圧縮空気の排出を許す開位置(c)と、排気管路7を閉じて排気口7Aからの圧縮空気の排出を遮断する閉位置(d)とに選択的に切換えられる。
【0018】
コンプレッサ9は、給排管路3と吸込管路6との間に位置して、例えば往復動圧縮機またはスクロール式圧縮機等により構成されている。コンプレッサ9は、例えばリニアモータ、直流モータまたは交流モータ等の駆動源としての電動モータ10により駆動され、吸込管路6側から吸込んだ空気を圧縮して圧縮空気を発生させる。そして、コンプレッサ9は、圧縮空気をドライヤ装置12に向けて吐出し、供給する。この場合、コンプレッサ9からの圧縮空気は、例えば100℃程度の高温状態で吐出されることもある。
【0019】
オリフィス11は、ドライヤ装置12と各分岐管路4との間に位置して、給排管路3の途中に設けられている。このオリフィス11は、給排管路3を流れる圧縮空気の流量を制限する絞りを構成し、これにより、圧縮空気は給排管路3内を遅い速度で流通し、ドライヤ装置12による水分吸着(乾燥)性能を高めることができる。
【0020】
ドライヤ装置12は、コンプレッサ9の吐出側とオリフィス11との間に位置して、給排管路3の途中に設けられている。このドライヤ装置12は、そのケーシングを構成するドライヤケース12Aを有し、このドライヤケース12A内には、後述する第1のフィルタ16A,16B、第1の乾燥室17、第1の乾燥剤18、第1のスプリング19、第2のフィルタ24A,24B、第2の乾燥室25、第2の乾燥剤26および第2のスプリング27等が設けられている。
【0021】
ここで、ドライヤケース12Aは、内筒13、第1の流入口14、第1の流出口15、外筒20、第2の流入口21、蓋体22および第2の流出口23を含んで構成されている。
【0022】
内筒13は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる中空容器として、円筒状に形成されている。この内筒13は、圧縮空気を乾燥させる第1の乾燥剤18が充填された第1の乾燥筒を構成している。内筒13の一端側にはコンプレッサ9から圧縮空気が流入する第1の流入口14が形成され、第1の流入口14は、給排管路3と内筒13内の第1の乾燥室17との間を連通させている。一方、内筒13の他端側には、内筒13内から外筒20内に向けて圧縮空気が流出する第1の流出口15が形成されている。
【0023】
内筒13内の軸方向一側には第1の一側フィルタ16Aが設けられ、内筒13内の軸方向他側には第1の他側フィルタ16Bが設けられている。これらのフィルタ16A,16Bは、第1の乾燥剤18の一部が外部に流出するのを防止するものである。この場合、内筒13内の第1の一側フィルタ16Aと第1の他側フィルタ16Bとの間には、第1の一側フィルタ16Aおよび第1の他側フィルタ16Bによって第1の乾燥室17が画成され、該第1の乾燥室17内には第1の乾燥剤18が充填されている。また、第1の他側フィルタ16Bと外筒20の他端側内周面(底部20B)との間には、第1の他側フィルタ16Bを常時第1の一側フィルタ16A側に向けて付勢する第1のスプリング19が設けられている。
【0024】
第1の乾燥剤18は、第1の一側フィルタ16Aと第1の他側フィルタ16Bとの間の第1の乾燥室17内に充填されている。この第1の乾燥剤18は、圧縮空気中の水分を吸着するものである。第1の乾燥剤18は、図3中に実線で示す特性線Aのように高温時の水分吸着性能が高く、例えばモレキュラーシーブ(ゼオライトの一種)により構成されている。
【0025】
外筒20は、ドライヤ装置12の外殻をなし、内筒13に同軸をなして内筒13の外周側全周を覆うように設けられている。外筒20は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる中空容器として、一端側が開口端20Aとなって開口し、他端側が底部20Bとなって閉塞した有底円筒状に形成されている。この場合、ドライヤ装置12のドライヤケース12Aは、内筒13と外筒20とにより、二重筒構造に構成されている。
【0026】
外筒20の底部20B側には、内筒13と外筒20との間を連通させ、第1の流出口15から流出した圧縮空気が流入する第2の流入口21が形成されている。一方、外筒20の開口端20A側には、環状板として形成された蓋体22が設けられ、該蓋体22により外筒20の開口端20Aは閉塞されている。この蓋体22には、外筒20内からオリフィス11(給排管路3)に向けて圧縮空気が流出する第2の流出口23が形成され、第2の流出口23は、オリフィス11(給排管路3)と外筒20内の第2の乾燥室25との間を連通させている。この外筒20は、圧縮空気を乾燥させる第2の乾燥剤26が充填された第2の乾燥筒を構成している。また、外筒20と蓋体22とは、ドライヤケース12Aの一部を構成している。
【0027】
外筒20内の一側には、内筒13の径方向外側に位置して第2の一側フィルタ24Aが設けられ、外筒20内の他側には、内筒13の径方向外側に位置して第2の他側フィルタ24Bが設けられている。これらのフィルタ24A,24Bは、第2の乾燥剤26の一部が外部に流出するのを防止するものである。第2の他側フィルタ24Bは、第2の流入口21と第2の流出口23との間に位置して、第1の乾燥剤18と第2の乾燥剤26とを区画する仕切り部材を構成している。
【0028】
この場合、外筒20内の第2の一側フィルタ24Aと第2の他側フィルタ24Bとの間には、これらのフィルタ24A,24Bによって第2の乾燥室25が内筒13の径方向外側に画成され、該第2の乾燥室25内には第2の乾燥剤26(第1の乾燥剤18とは種類が異なる)が充填されている。また、第2の一側フィルタ24Aと蓋体22との間には、第2の一側フィルタ24Aを常時第2の他側フィルタ24B側に向けて付勢する第2のスプリング27が設けられている。
【0029】
第2の乾燥剤26は、第2の乾燥室25内に充填されている。この第2の乾燥剤26は、圧縮空気中の水分を吸着するものである。第2の乾燥剤26は、図3中に破線で示す特性線Bのように低温時の水分吸着性能が高く、例えばシリカゲルにより構成されている。この場合、第1の乾燥剤18は、第2の乾燥剤26と比較して、圧縮空気が高温のときの水分吸着性能が高くなっている。また、第1の乾燥剤18と第2の乾燥剤26とは、圧縮空気の流れ方向に対して直列に充填されている。即ち、第1の乾燥室17と第2の乾燥室25とは、ドライヤケース12A内で直列に配設されている。
【0030】
ここで、図3に示すように、吸着温度が100℃程度である高温域では、特性線Aの第1の乾燥剤18は、特性線Bの第2の乾燥剤26よりも水分吸着量が高くなっている。一方、吸着温度が20℃程度である低温域では、第2の乾燥剤26は、第1の乾燥剤18よりも水分吸着量が高くなっている。これにより、ドライヤ装置12は、圧縮空気の温度状態に合わせて、圧縮空気内の水分を吸着する。なお、図3に一点鎖線で示す特性線Cの第3の乾燥剤は、例えば活性アルミナで構成されている。第3の乾燥剤は、第1の乾燥剤18と第2の乾燥剤26との中間の特性を有している。
【0031】
また、この場合、外筒20の容積(具体的には、第2の乾燥室25の容積)は、内筒13の容積(具体的には、第1の乾燥室17の容積)と比較して大きく形成されている。これにより、第2の乾燥室25内の第2の乾燥剤26は、第1の乾燥室17内の第1の乾燥剤18よりも、充填量が多くなっている。また、第2の流出口23の面積は、第1の流出口15の面積よりも小さく形成されている。これにより、ドライヤ装置12内を通過する圧縮空気は、第1の乾燥剤18よりも第2の乾燥剤26において、圧縮空気中の水分が吸着され易くなっている。
【0032】
第1の実施の形態によるエアサスペンションシステム1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0033】
まず、各エアサスペンション2により車高を上げる場合には、給排気バルブ5を閉位置(b)から開位置(a)に切換え、排気バルブ8を閉位置(d)に保持する。この状態でコンプレッサ9を作動することにより、コンプレッサ9は、吸気フィルタ6A、吸込管路6を通じてコンプレッサ9内に外気を吸込み、この空気を加圧(圧縮)して圧縮空気をドライヤ装置12に向けて吐出する。
【0034】
コンプレッサ9から吐出された圧縮空気は、ドライヤ装置12の内筒13内において、第1の流入口14、第1の一側フィルタ16A、第1の乾燥室17、第1の他側フィルタ16B、第1の流出口15を順方向に流通する(図4参照)。そして、圧縮空気は、外筒20内において、第2の流入口21、第2の他側フィルタ24B、第2の乾燥室25、第2の一側フィルタ24A、第2の流出口23を介して、オリフィス11に向けて順方向に流通する。
【0035】
この場合、コンプレッサ9の吐出側に近接している第1の乾燥室17内には、コンプレッサ9による高温状態(例えば、100℃程度)の圧縮空気が第1の流入口14から流入する。そして、第1の乾燥室17内には高温時の水分吸着性能が高い第1の乾燥剤18が含まれているので、コンプレッサ9による高温状態の圧縮空気中の水分を吸着する。また、コンプレッサ9から離間している第2の乾燥室25内には、第1の乾燥室17内の圧縮空気よりも冷却した低温状態(例えば、20℃程度)の圧縮空気が供給される。そして、第2の乾燥室25内には、低温時の水分吸着性能が高い第2の乾燥剤26が含まれているので、低温状態の圧縮空気中の水分を吸着する。ドライヤ装置12によって乾燥した圧縮空気は、オリフィス11、給排管路3、分岐管路4を介して、各エアサスペンション2に供給される。
【0036】
車高の上げ動作が完了した後には、給排気バルブ5を開位置(a)から閉位置(b)に切換えて分岐管路4を閉じる。これにより、各エアサスペンション2に対する圧縮空気の流通を遮断して、各エアサスペンション2は伸長状態を保ち、車高を上げた状態に保つことができる。
【0037】
一方、車高を下げる場合には、給排気バルブ5を閉位置(b)から開位置(a)に切換え、排気バルブ8を閉位置(d)から開位置(c)に切換える。これにより、各エアサスペンション2内の圧縮空気は、分岐管路4、給排管路3、オリフィス11を通じて、ドライヤ装置12に吐出される。
【0038】
各エアサスペンション2から吐出された圧縮空気は、ドライヤ装置12の外筒20内において、第2の流出口23、第2の一側フィルタ24A、第2の乾燥室25、第2の他側フィルタ24B、第2の流入口21を逆方向に流通する(図5参照)。そして、圧縮空気は、内筒13内において、第1の流出口15、第1の他側フィルタ16B、第1の乾燥室17、第1の一側フィルタ16A、第1の流入口14を逆方向に流通する。
【0039】
この場合、乾燥した空気がドライヤ装置12内を逆流するので、ドライヤ装置12内の第1,第2の乾燥剤18,26は、この乾燥空気により水分が脱着される。これにより、第1,第2の乾燥剤18,26は再生され、再び水分を吸着可能な状態に戻される。
【0040】
そして、ドライヤ装置12を通過した圧縮空気は、排気管路7、排気バルブ8、排気口7Aを介して外部に直接的に排出される。この結果、各エアサスペンション2から圧縮空気が排出され、各エアサスペンション2が縮小状態に移行することにより、車高を下げることができる。
【0041】
かくして、第1の実施の形態のエアサスペンションシステム1によれば、エアサスペンションシステム1は、空気を圧縮するコンプレッサ9とコンプレッサ9の吐出側に設けられるドライヤ装置12とを有している。また、ドライヤ装置12は、圧縮空気を乾燥させる、第1の乾燥剤18が充填された内筒13および第2の乾燥剤26が充填された外筒20を有している。これにより、1種類の乾燥剤しか用いないドライヤ装置と比べて、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0042】
即ち、ドライヤ装置12は、温度特性がそれぞれ異なる第1,第2の乾燥剤18,26を有している。これにより、ドライヤ装置12は、圧縮空気の温度状態に合わせた乾燥剤を用いることができるので、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。言い換えれば、圧縮空気の温度に依存せずにドライヤ装置12の水分吸着性能を確保することができる。また、乾燥剤の使用量を少なくした場合でも、充分に圧縮空気を乾燥させることができる。
【0043】
また、エアサスペンションシステム1は、圧縮空気が流入する第1の流入口14と、第1の流入口14から流入した圧縮空気を乾燥する第1の乾燥剤18が充填された内筒13と、内筒13から圧縮空気が流出する第1の流出口15と、第1の流出口15から流出した圧縮空気が流入する第2の流入口21と、第2の流入口21から流入した圧縮空気を乾燥する第2の乾燥剤26が充填された外筒20と、外筒20から圧縮空気が流出する第2の流出口23と、を有し、第1の乾燥剤18は、第2の乾燥剤26と比較して圧縮空気が高温のときの水分吸着性能が高い構成としている。
【0044】
これにより、ドライヤ装置12は、温度特性がそれぞれ異なる第1,第2の乾燥剤18,26を内筒13と外筒20とにそれぞれ有しているので、圧縮空気の温度状態に合わせた箇所に第1,第2の乾燥剤18,26を配置することができる。この結果、高温の圧縮空気が流通する箇所に高温時の水分吸着性能が高い第1の乾燥剤18を配置して、低温の圧縮空気が流通する箇所に低温時の水分吸着性能が高い第2の乾燥剤26を配置することができる。したがって、ドライヤ装置12は、圧縮空気の温度状態に合わせて圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0045】
また、ドライヤ装置12は、第1の乾燥剤18と第2の乾燥剤26とを、圧縮空気の流れ方向に対して直列に充填している。これにより、コンプレッサ9の吐出側に近接している箇所に第1の乾燥剤18を配置でき、コンプレッサ9から離間している箇所に第2の乾燥剤26を配置できる。
【0046】
また、ドライヤ装置12の外筒20は、ドライヤケースの一部を成して、内筒13の外周側全周を覆うように設けられている。これにより、ドライヤ装置12を二重筒構造にすることができる。この結果、内筒13の外周面と外筒20の内周面との間に、第2の乾燥剤26を充填する第2の乾燥室25を配置することができる。
【0047】
また、ドライヤ装置12は、第2の流入口21と第2の流出口23との間には、第1の乾燥剤18と第2の乾燥剤26とを区画する第2の他側フィルタ24Bを設けている。これにより、第1の乾燥剤18と第2の乾燥剤26とが混ざるのを抑制することができる。
【0048】
また、ドライヤ装置12は、内筒13の容積と比較して、外筒20の容積が大きい構成としている。これにより、第2の乾燥剤26が充填される第2の乾燥室25の容積を大きくすることができるので、第1の乾燥剤18と比べて第2の乾燥剤26の充填量を多くすることができる。この結果、圧縮空気中の水分を、第1の乾燥剤18に比べて第2の乾燥剤26により多く吸着させることができる。
【0049】
また、ドライヤ装置12は、第1の流出口15と比較して、第2の流出口23は小さい構成としている。これにより、圧縮空気を、第1の乾燥室17に比べて第2の乾燥室25に長く滞留させることができる。この結果、圧縮空気中の水分を、第1の乾燥剤18に比べて第2の乾燥剤26により多く吸着させることができる。
【0050】
次に、図6は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、ドライヤ装置を単筒構造にして、複数種類の乾燥剤を混合して設けたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0051】
図6において、ドライヤ装置31は、ドライヤケース32、蓋体33、フィルタ34A,34B、乾燥室35、第1,第2の乾燥剤36,37、スプリング38、排気パイプ39、流出口40等を含んで構成されている。
【0052】
ドライヤ装置31は、コンプレッサ9から供給される圧縮空気がオリフィス11に向けて順方向に流通するときに、第1,第2の乾燥剤36,37で圧縮空気中の水分を吸着する。そして、ドライヤ装置31は、乾燥した圧縮空気(ドライエア)を各エアサスペンション2に向けて供給する。一方、各エアサスペンション2から排気管路7に向けて逆方向に流通する圧縮空気(排気)は、ドライヤ装置31内を逆流することにより、第1,第2の乾燥剤36,37に吸着された水分を奪い取り、第1,第2の乾燥剤36,37を再生する。
【0053】
ドライヤケース32は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる中空容器として、一端側が開口端32Aとなって開口し、他端側が底部32Bとなって閉塞した有底円筒状に形成されている。ドライヤケース32の開口端32Aは蓋体33と係合され、これにより、蓋体33はドライヤケース32の開口端32Aを閉塞している。蓋体33には、コンプレッサ9から圧縮空気が流入する流入口33Aが形成され、給排管路3とドライヤケース32内の乾燥室35との間を連通させている。
【0054】
ドライヤケース32内の一側には一側フィルタ34Aが設けられ、ドライヤケース32内の他側には他側フィルタ34Bが設けられている。これらのフィルタ34A,34Bは、第1,第2の乾燥剤36,37の一部が外部に流出するのを防止するものである。ドライヤケース32内の一側フィルタ34Aと他側フィルタ34Bとの間には、フィルタ34A,34Bによって乾燥室35が画成され、該乾燥室35内には第1,第2の乾燥剤36,37が充填されている。また、他側フィルタ34Bと蓋体33との間には、他側フィルタ34Bを常時一側フィルタ34A側に向けて付勢するスプリング38が設けられている。
【0055】
第1,第2の乾燥剤36,37は、乾燥室35内に均一に混合して充填されている。これらの第1,第2の乾燥剤36,37は、圧縮空気中の水分を吸着し、圧縮空気を乾燥するものである。第1の乾燥剤36は、高温時の水分吸着性能が高い、例えばモレキュラーシーブにより構成されている。一方、第2の乾燥剤37は、低温時の水分吸着性能が高い、例えばシリカゲルにより構成されている。即ち、第1の乾燥剤36は、第2の乾燥剤37と比較して、圧縮空気が高温のときの水分吸着性能が高くなっている。
【0056】
排気パイプ39は、フィルタ34A,34B間でフィルタ34A,34Bを貫通し、ドライヤ装置12の一端側と他端側とを連通して設けられている。この排気パイプ39の一端側は一側フィルタ34Aと蓋体33との間の空間に連通し、排気パイプ39の他端側は排気バルブ8を介して排気口7Aと連通している。
【0057】
流出口40は、ドライヤ装置12の他端側に位置して、ドライヤケース32の底部32Bに設けられている。この流出口40は、給排管路3を介して各エアサスペンション2と接続され、ドライヤ装置31で乾燥された圧縮空気を各エアサスペンション2に向けて流出させるものである。
【0058】
第2の実施の形態によるドライヤ装置31は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0059】
まず、各エアサスペンション2により車高を上げる場合には、給排気バルブ5を閉位置(b)から開位置(a)に切換え、排気バルブ8を閉位置(d)に保持する。この状態でコンプレッサ9を作動することにより、コンプレッサ9は、吸気フィルタ6A、吸込管路6を通じてコンプレッサ9内に外気を吸込み、この空気を加圧(圧縮)して圧縮空気をドライヤ装置31に向けて吐出する。
【0060】
コンプレッサ9から吐出された圧縮空気は、ドライヤ装置31の流入口33A、一側フィルタ34A、乾燥室35、他側フィルタ34B、流出口40を順方向に流通する。この場合、乾燥室35内には、高温時の水分吸着性能が高い第1の乾燥剤36と低温時の水分吸着性能が高い第2の乾燥剤37とが含まれているので、ドライヤ装置31は、圧縮空気の温度に拘わらず圧縮空気中の水分を吸着する。そして、ドライヤ装置31によって乾燥した圧縮空気は、オリフィス11、給排管路3、分岐管路4を介して、各エアサスペンション2に供給される。
【0061】
車高の上げ動作が完了した後には、給排気バルブ5を開位置(a)から閉位置(b)に切換えて分岐管路4を閉じる。これにより、各エアサスペンション2に対する圧縮空気の流通を遮断して、各エアサスペンション2は伸長状態を保ち、車高を上げた状態に保つことができる。
【0062】
一方、車高を下げる場合には、給排気バルブ5を閉位置(b)から開位置(a)に切換え、排気バルブ8を閉位置(d)から開位置(c)に切換える。これにより、各エアサスペンション2内の圧縮空気は、分岐管路4、給排管路3、オリフィス11を通じて、ドライヤ装置31に吐出される。
【0063】
各エアサスペンション2から吐出された圧縮空気は、ドライヤ装置31の流出口40、他側フィルタ34B、乾燥室35、一側フィルタ34A、排気パイプ39を逆方向に流通する。この場合、乾燥した空気がドライヤ装置31内を逆流するので、ドライヤ装置31内の第1,第2の乾燥剤36,37は、この乾燥空気により水分が脱着される。これにより、第1,第2の乾燥剤36,37は再生され、再び水分を吸着可能な状態に戻される。
【0064】
そして、ドライヤ装置31を通過した圧縮空気は、排気バルブ8、排気口7A等を介して外部に直接的に排出される。この結果、各エアサスペンション2から圧縮空気が排出され、各エアサスペンション2が縮小状態に移行することにより、車高を下げることができる。
【0065】
かくして、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様な作用効果を得ることができる。第2の実施の形態によれば、ドライヤ装置31は、ドライヤケース32を用いて単筒構造として、第1,第2の乾燥剤36,37を混合して乾燥室35内に設けている。これにより、1種類の乾燥剤しか用いないドライヤ装置と比べて、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0066】
なお、前記第2の実施の形態では、第1,第2の乾燥剤36,37は、乾燥室35内に均一に混合して充填される構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図7に示す第1の変形例のように構成してもよい。即ち、ドライヤ装置51は、ドライヤケース51A内に、第1の乾燥剤53が充填された第1の乾燥筒52と、第2の乾燥剤55が充填された第2の乾燥筒54とを備えている。この場合、第1の乾燥剤53と第2の乾燥剤55とは、それぞれ分離されて、圧縮空気の流れ方向に対して直列に充填されている。
【0067】
また、前記第2の実施の形態では、第1,第2の乾燥剤36,37は、乾燥室35内に均一に混合して充填される構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図8に示す第2の変形例のように構成してもよい。即ち、ドライヤ装置61は、ドライヤケース61A内に、第1の乾燥剤63が充填された第1の乾燥筒62と、第2の乾燥剤65が充填された第2の乾燥筒64とを備えている。この場合、第1の乾燥剤63と第2の乾燥剤65とは、それぞれ分離されて、圧縮空気の流れ方向に対して並列に充填されている。
【0068】
また、前記第2の実施の形態では、第1,第2の乾燥剤36,37は、乾燥室35内に均一に混合して充填される構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1,第2の乾燥剤は、乾燥室内で均一に混合されずに、偏って混合されていてもよい。また、予めネット等を用いて分離した第1,第2の乾燥剤を、乾燥室内に充填する構成としてもよい。
【0069】
また、前記第2の実施の形態では、第2の乾燥筒を構成する外筒20を第1の乾燥筒を構成する内筒13の外周側全周を覆うように配置し、ドライヤ装置31は二重筒構造である構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図9に示す第3の変形例のように構成してもよい。即ち、ドライヤ装置71は、ドライヤケース71A内において、第1の乾燥剤75を充填する第1の乾燥筒72と第2の乾燥剤79を充填する第2の乾燥筒76とは並んで配置され、第1の流入口73と第2の流出口78とは軸方向一端に位置し、第1の流出口74と第2の流入口77とは軸方向他端に位置している。
【0070】
また、前記第1の実施の形態では、エアサスペンションシステム1は、オープン式のエアサスペンションシステムとして構成した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図10に示す第4の変形例のように構成してもよい。即ち、エアサスペンションシステム81は、各エアサスペンション2から排出された空気を貯留するタンク82を有するクローズド式のエアサスペンションシステムとして構成してもよい。このことは、第2の実施の形態についても同様である。
【0071】
具体的には、タンク82は、コンプレッサ9により圧縮された圧縮空気を貯留するものである。タンク82とコンプレッサ9とは給排管路3、補給管路83を介して接続され、コンプレッサ9から吐出した圧縮空気は、給排管路3、補給管路83を通じてタンク82内に蓄えられる。
【0072】
補給管路83は、後述の給排切換バルブ88とドライヤ装置12との間で給排管路3から分岐し、圧縮空気をタンク82に補給するための管路である。
【0073】
タンクバルブ84と貯留切換バルブ85とは、例えば補給管路83とタンク82との間に設けられている。このうちタンクバルブ84は、2ポート2位置の電磁弁により構成されている。ここで、タンクバルブ84は、補給管路83を開いてタンク82に対する気体の給排を許す開位置(e)と、補給管路83を閉じてタンク82に対する気体の給排を遮断する閉位置(f)とに選択的に切換えられる。
【0074】
貯留切換バルブ85は、コンプレッサ9の吸込側または吐出側をタンク82に対して選択的に接続するため、例えば、3ポート2位置の電磁方向切換弁により構成されている。ここで、貯留切換バルブ85は、補給管路83を通じて圧縮空気をタンク82に給排する給排位置(g)と、タンク82内の圧縮空気を第1バイパス管路86を通じてコンプレッサ9の吸込側に供給する切換位置(h)とに選択的に切換えられる。
【0075】
第1バイパス管路86は、吸込管路6と貯留切換バルブ85との間に配置され、貯留切換バルブ85が切換位置(h)に切換えられたときに、タンク82内の圧縮空気をコンプレッサ9の吸込側に向けて流通させるものである。
【0076】
第2バイパス管路87は、吸込管路6と給排切換バルブ88との間に配置され、給排切換バルブ88が切換位置(j)に切換えられたときに、各エアサスペンション2内の圧縮空気をコンプレッサ9の吸込側に向けて流通させるものである。
【0077】
給排切換バルブ88は、給排気バルブ5とコンプレッサ9との間に位置して給排管路3の途中に設けられている。この給排切換バルブ88は、貯留切換バルブ85とほぼ同様に、3ポート2位置の電磁方向切換弁により構成されている。ここで、給排切換バルブ88は、給排管路3、各分岐管路4を通じて各エアサスペンション2に圧縮空気を給排する給排位置(i)と、各エアサスペンション2内の圧縮空気を第2バイパス管路87を通じてコンプレッサ9の吸込側に供給する切換位置(j)とに選択的に切換えられる。
【0078】
吸気バルブ89は、コンプレッサ9の吸込側に接続された吸込管路6を大気に対して連通、遮断させる弁である。この吸気バルブ89は、タンクバルブ84とほぼ同様に、2ポート2位置の電磁弁により構成され、吸込管路6を開いてコンプレッサ9による気体の吸込みを許す開位置(k)と、吸込管路6を閉じてコンプレッサ9による気体の吸込みを遮断する閉位置(l)とに選択的に切換えられる。
【0079】
圧力センサ90は、貯留切換バルブ85とコンプレッサ9との間に位置して補給管路83の途中に設けられている。この圧力センサ90は、補給管路83の圧力を検出することにより、タンク82内の圧縮空気の圧力を検出する。
【0080】
このように、第4の変形例では、タンク82を備えたクローズド式のエアサスペンションシステム81とすることにより、コンプレッサ9で圧縮した圧縮空気をタンク82内に貯めることができ、排気バルブ8から圧縮空気が無駄に排出されるのを抑えることができる。
【0081】
また、前記第1の実施の形態では、ドライヤ装置12は、2種類の第1,第2の乾燥剤36,37を充填する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、ドライヤ装置は、3種類以上の乾燥剤を充填する構成とし、例えば、図3に示す特性線Cの第3の乾燥剤を充填させてもよい。このことは、第2の実施の形態についても同様である。
【0082】
また、前記各実施の形態では、エアサスペンション2は、車両の前輪側および後輪側に位置して4つ設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、エアサスペンションは、車両の前輪側および後輪側のいずれか一方に設ける構成としてもよい。また、本発明は、4輪自動車に限らず、例えば2輪車等のような他の車両に適用してもよい。
【0083】
さらに、前記各実施の形態は例示であり、異なる実施の形態で示した構成の部分的な置換または組合わせが可能であることは言うまでもない。
【0084】
次に、上記の実施の形態に含まれる発明について記載する。
【0085】
本発明によれば、圧縮空気を乾燥させる乾燥剤が、複数種類充填して設けられている構成とした。これにより、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0086】
第2の態様としては、第1の態様において、前記複数種類の乾燥剤は、それぞれ別々に分離されて設けられている構成とした。これにより、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0087】
第3の態様としては、第2の態様において、前記複数種類の乾燥剤は、圧縮空気の流れ方向に対して直列または並列に充填されている構成とした。これにより、圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0088】
第4の態様としては、第1ないし第3の態様のいずれかにおいて、前記ドライヤ装置は、圧縮空気が流入する第1の流入口と、前記第1の流入口から流入した圧縮空気を乾燥する第1の乾燥剤が充填された第1の乾燥筒と、前記第1の乾燥筒から圧縮空気が流出する第1の流出口と、前記第1の流出口から流出した圧縮空気が流入する第2の流入口と、前記第2の流出口から流入した圧縮空気を乾燥する第2の乾燥剤が充填された第2の乾燥筒と、前記第2の乾燥筒から圧縮空気が流出する第2の流出口と、が収容されるドライヤケースを有し、前記第1の乾燥剤は、前記第2の乾燥剤と比較して圧縮空気が高温のときの水分吸着性能が高い構成とした。これにより、圧縮空気の温度状態に合わせて圧縮空気中の水分を効果的に除去することができる。
【0089】
第5の態様としては、第4の態様において、前記第2の乾燥筒は前記ドライヤケースの一部を成して、前記第1の乾燥筒の外周側を全周覆うように設けられ、前記第2の流入口と前記第2の流出口との間には、前記第1の乾燥剤と前記第2の乾燥剤とを区画する仕切り部材を設ける構成とした。これにより、ドライヤ装置を二重筒構造として、第1の乾燥剤と第2の乾燥剤とが混ざるのを抑制することができる。
【0090】
第6の態様としては、第4または第5の態様において、前記第1の乾燥筒の容積と比較して、前記第2の乾燥筒の容積のほうが大きい構成とした。これにより、第2の乾燥筒に充填される第2の乾燥剤の充填量を多くすることができる。
【0091】
第7の態様としては、第4ないし第6の態様のいずれかにおいて、前記第1の流出口と比較して前記第2の流出口は小さい構成とした。これにより、圧縮空気を、第1の乾燥室に比べて第2の乾燥室に長く滞留させることができる。
【0092】
第8の態様としては、第4ないし第7の態様のいずれかにおいて、前記第1の乾燥筒と前記第2の乾燥筒とは、並んで配置され、前記第1の流入口と前記第2の流出口とは、軸方向一端に位置し、前記第1の流出口と前記第2の流入口とは、軸方向他端に位置する構成とした。これにより、ドライヤ装置を二重筒構造にすることなく、第1の乾燥筒と第2の乾燥筒とを直列に配置することができる。
【0093】
第9の態様としては、第1ないし第8の態様のいずれかに記載のドライヤ装置を備えたエアサスペンションシステムであって、車体と車軸との間に介装され空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンションと、空気を圧縮するコンプレッサと、前記コンプレッサの吐出側に設けられる前記ドライヤ装置と、を有する構成とした。これにより、水分を効果的に除去した圧縮空気をエアサスペンションに供給することができる。
【0094】
第10の態様としては、第9の態様において、前記エアサスペンションから排出された空気を貯留するタンクを設ける構成とした。これにより、クローズド式のエアサスペンションシステムとすることができる。
【0095】
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0096】
本願は、2016年10月21日付出願の日本国特許出願第2016−207056号に基づく優先権を主張する。2016年10月21日付出願の日本国特許出願第2016−207056号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
【符号の説明】
【0097】
1,81 エアサスペンションシステム 2 エアサスペンション 9 コンプレッサ 12,31,51,61,71 ドライヤ装置 12A,32,51A,61A,71A ドライヤケース 13 内筒(第1の乾燥筒) 14,73 第1の流入口 15,74 第1の流出口 18,36,53,63,75 第1の乾燥剤 20 外筒(第2の乾燥筒) 21,77 第2の流入口 23,78 第2の流出口 24B 第2の他側フィルタ(仕切り部材) 26,37,55,65,79 第2の乾燥剤 52,62,72 第1の乾燥筒 54,64,76 第2の乾燥筒 82 タンク
図1
図2
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図10