(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記シフト部材は、シートを保持部材に略筒形状に保持する互いに離間する第1の位置と、この略筒形状のシートを略扁平状とするように上記外周面を押圧する第1の位置よりも互いに間隔の狭い第2の位置とに往復移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のシート折り装置。
上記シフト部材は、このシフト部材を挟んだ上記折りローラの反対側端部にシートと係合して前記折りローラ側に移動する後端押出し部を備えていることを特徴とする請求項3に記載のシート折り装置。
上記シフト部材は、略筒形状シート外周面の両側から押圧する押圧部と上記折りローラと反対側のシート縁部に係合して前記折りローラ側に押出す後端押出し部とが互いに向き合うL字形状からなり、このL形状の前記シフト部材が近接離間することを特徴とする請求項3に記載のシート折り装置。
上記シフト部材は、互いに向き合う平面L字状部材からなり、このL字状部材を互いに近接離反するように動作させるリンク部材に支持されていることを特徴とする請求項7に記載のシート折り装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係わるシート折り装置としての折りユニット31を含むシート処理装置B及びこれを取り付ける画像形成装置Aについて図を参照して説明する。
図1は本発明に係わる折りユニット31を含むシート処理装置Bと画像形成装置Aと全体構成を示した説明図である。
図2は本発明に係わる折りユニット31を有し、集積トレイ90の昇降範囲を拡張したシート処理装置Bと画像形成装置Aとを組み合わせた全体構成を示した説明図である。
【0012】
[画像形成装置A]
図1及び
図2に示す画像形成装置Aは、電子写真方式を用いたもので画像形成部2の下方にシートを収納する3段の給紙カセット1a、1b、1cからなる給紙部と、シート処理装置Bを装着しないときは画像形成部2の上方を排紙空間としてその上方に画像読取装置20を配置してある。したがって、シート処理装置Bを配置する場合には、上記排紙空間を利用する所謂胴内タイプの装置となっている。
【0013】
上記の画像形成部2は中間転写ベルトを用いたタンデム方式を採用している。すなわち、4色の色成分(イエロー2Y、マゼンダ2M、シアン2C、ブラック2BK)を用いており、例えばイエロー2Yにおいては、像担持体としての感光ドラム3aと、この感光ドラム3aを帯電する帯電ローラからなる帯電装置4aと、画像読取装置20で読み取った画像信号を潜像とする露光装置5aを有している。さらに、感光ドラム3aに形成された潜像をトナー像として形成する現像装置6aと、この現像装置6aで形成された感光ドラム3a上の像を中間転写ベルト9に1次転写する一次転写ローラ7aを備えている。この構成が色成分ごとに中間転写ベルト9に1次転写される。感光ドラム3aに残った色成分は感光クリーナ8aによって回収され次の画像形成に備えられる。これらは
図1及び
図2に示す様に他の色成分についても同様になっている。
【0014】
ところで、中間転写ベルト9の画像は、二次転写ローラ10によって給紙部1から給紙されるシートに転写され、この画像はシートに定着装置12により加圧力と熱量により溶解定着される。この中間転写ベルト9に残った重ね合わされた色成分は中間ベルトクリーナ11により、除去され次の転写に備えられる。
【0015】
この様に画像形成されたシートは、本体排出ローラ14で本体排出口16に向けられるが、シートの両面に画像形成する場合は、切替ゲート15により一旦シート処理装置B側に搬送したシートをスイッチバックさせて、循環経路17に搬送して再び画像形成部2に送りシートの裏面側に画像形成する。
この様にシートの片面あるいは両面に画像形成されたシートは、本体排出ローラ14を通じて折りユニット31を含むシート処理装置Bに搬送される。
【0016】
なお、画像形成部2上方の排紙空間の上方には、画像読取装置20が配置されている。ここでは原稿スタッカ25に載置した原稿を原稿送り装置24でプラテン21に送り、この送られた原稿をスキャンユニット22照射することにより光電変換素子(たとえは、CCD)で順次読み取り、図示していないデータ貯蔵部に画像を蓄積していく。この蓄積された画像を画像形成部でシートに画像形成することは上述の通りである。
【0017】
[シート処理装置B]
次に、
図1及び
図2の画像形成部2の上方で画像読取装置20の下方の排紙空間に配置されているシート処理装置Bについて説明する。このシート処理装置Bの一部としてこの発明に係わるシートを折るシート折り装置としての折りユニット31が備えられている。
このシート処理装置Bは、本体排出口16から排出されるシートを下流側の装置に送るか、あるいは両面に画像形成を形成するためにスイッチバックするシートを案内するガイドユニット30と、シートを例えば三つ折りにする折りユニット31と、順次搬送される画像形成済みシートを処理トレイ76に一時載置して束としてステープラ80で綴じる綴じユニット32と、この綴じユニット32で綴じられたシート束や綴じられることなく排出されるシートを集積して昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33が配置されている。
なお、このシート処理装置Bを構成するガイドユニット30、折りユニット31、トレイユニット33を有する綴じユニット32は、選択的に配置可能で、例えば、綴じユニット32や折りユニットのみを載置したり、省いたりすることが可能となっている。
【0018】
ところで、昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33は、
図1にあっては、綴じユニット32が画像形成装置Aの装置フレーム29のステープルからL1a分内の位置で集積トレイ90が昇降ラック100に対して昇降するようになっている。したがって、このシート処理装置Bは排紙空間に配置しているので、画像形成装置A全体がコンパクトになり、例えば、綴じユニット32のみを排紙空間に載置すると昇降する集積トレイ90も排紙空間に位置してよりコンパクトにできる。
【0019】
一方で、この場合の
図1に示す装置にあっては、集積トレイ90の昇降する移動範囲は装置フレーム29の上面までのL1t範囲の範囲になっている。一般にこのL1t範囲は、シートの集積量として500枚から1000枚程度に設定されており、これよりも増える場合には、画像形成装置Aを停止して集積トレイ90に載置されたシートを取り出すか、全く別の装置フレーム29に外付けできるシート処理装置Bを交換することとになる。
【0020】
そこで、この発明に係わる集積トレイ90は簡単に昇降範囲を拡張できる延長ラック102をこれまでの昇降ラック100(昇降レール99)に追加して集積トレイ90へのシート集積量を増やしたシート処理装置Bと画像形成装置と
図2に示している。この延長する機構については追って説明するが、延長ラック102(延長レール101)を追加することによりシートの集積量を500枚から1000枚程度増やすことができる。
【0021】
ここで、上記の延長ラック102を追加し、集積トレイ90がこの延長ラック102まで下降移動するようにするには、まず
図1におけるL1yの搬送法方向長さを有するガイドユニット30を、
図2におけるL2yの搬送方向長さを有するガイドユニット30に置き換える。ここにおけるL2yの長さは
図1の綴じ装置側面と装置フレーム29の側面との距離L1aをなくして、昇降ラック100と延長レール101が連通する位置になるようになっている。
以下では、シート処理装置Bの一部をなす折りユニット31、綴じユニット32、これに装着されるトレイユニット33、このトレイユニット33の集積トレイ90の昇降機構について説明し、その後に延長ラック102を含む延長レールについて説明する。
なお、上記のガイドユニット30は、シート処理装置Bの搬送方向長さを調節するシートの搬送をガイドするユニットして示したが、このユニット内にシートに穿孔するパンチユニット、スタンプを付すスタンプユニットあるいはシートに凹凸を付すエンボスユニットを単独であるいは組み合わせて配置しても良い。
【0022】
[折りユニット31]
ここで、本発明に係わるシート折り装置である折りユニット31について説明する。なお、ここでは折りユニット31が概要を説明し、詳しくは
図4以降で説明する。
図3は
図1のシート処理装置Bの一部をなす折りユニット31と綴じユニット32とこれに装着されたトレイユニット33の拡大説明図である。
図2のシート処理装置Bも集積トレイ90の移動範囲の拡張以外は
図3と同様になっている。
まず、本体排出口16からガイドユニット30のスイッチバック路35と搬送路37に連なる経路のうち、下段の折り搬送路43には、入口ローラ45と出口ローラ47が配置されている。この入口ローラ45出口ローラ47との間には切り替えフラッパ49が設けられ、この切り替えフラッパ49によりシートを後続の綴じユニット32に搬送することなく筒状折り部50で折り処理を施すようになっている。
なお、上段には
図1及び
図2に示すガイドユニット30に連通する折りスイッチバック路41が設けられている。
【0023】
この筒状折り部50は、この筒状折り部50シートを搬入する本発明の搬送ローラである搬入ローラ51とこの筒状折り部へのシートの巻付け方向を決定する第1ゲート53と第2ゲート55が選択可能に作動位置に移動するようになっている。例えば、第1ゲート53により図示反時計方向に筒状形成部57に略筒形状に巻き付けられる。この筒状形成部57は、変形可能なシート部材からなりシートを例えば3面が重なる状態で略略筒形状に巻付蹴られる。そしてこの筒状形成部に巻き付けられた状態で両側に位置するシフト部材60、61で互いに近づく方向にシフトすると巻き付けられたシートもタテ型の断面楕円状の扁平形状になる。この状態で図示しない円柱状のローラで巻き付けられたシートを引き出すことにより折りシートが得られる。詳しくは
図4以降で説明する。
ここで、この発明で言う「略筒形状」とは後述する
図12(a)、
図16あるいは
図17(a)に示す形状の略筒形状をいい、「略扁平状」とは
図12(a)と
図12(b)または
図17(a)と
図17(b)との中間のほぼ断面楕円条で略筒形状シートを両側から押圧して横方向が狭くタテ方向に延びた略筒形状より狭い間隔となった形状のシートをいうことにする。また「外周面」とは略筒形状の円弧表面をいい、外周縁とは巻付け方向と交差するシート幅方向の縁をいう。
【0024】
[綴じユニット32]
引き続き、
図3において折りユニット31で折り処理を行わず、この折りユニット31から搬送されてくるシートを綴じる綴じユニット32について説明する。
この綴じユニット32も上段には、折りスイッチバック路41に連通する綴じスイッチバック路65が設けられ、入り口側に搬送ローラ69と出口側に排出ローラ70が配置されている。この綴じスイッチバック路65は画像形成部2に裏面に像形成するためスイッチバックする通路として機能し、必要に応じて厚いシート等両面や綴じ処理に適さないシートをトレイユニット33の上方に位置するエスケープトレイ34に排出ローラ70で排出することも可能となっている。なお、折りスイッチバック路41や綴じスイッチバック路65は、各ユニットの上面カバーをスイッチバックの通路として使用しても良い。
【0025】
上記の綴じスイッチバック路65の下方には、折りユニット31の折り搬送路43に連通する綴じ搬送路67が設けられている。この綴じ搬送路67の入り口側には綴じ搬入ローラ72とシートを処理トレイ76あるいは集積トレイ90に排出する搬出ローラ74が設けられている。この搬出ローラ74から排出されるシートを処理トレイ76に一時載置して束にする場合は、束の排出としても機能する束排出ローラ86で排出されたシートをニップした状態で反時計方向(基準面79方向)に回転させ、これと協同して反時計方向に回転するかき込みローラ78を回転してシートを基準面79に当接するまで搬送する。これとともに処理トレイ76のシート幅方向に位置する一対の整合板84をシート側縁に当接してシートの揃えを行う。
【0026】
これを綴じ枚数に達するまで繰り返し、綴じ枚数に達したところで、今度はステープラ80を移動台82の所定位置に移動して綴じ処理を行う。指定個所にステープラ80により綴じ処理されたシート束は、図示しない基準面79の集積トレイ90側への移動と処理トレイ76の排出側に固定された下束排出ローラ86bに昇降束排出ローラ86aを圧接して集積トレイ90にシート束を排出する。
【0027】
[トレイユニット33]
上記の束排出ローラ86で排出されるシート束あるいは1枚後のシートは昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33で集積される。集積トレイ90は後述する移動レールである昇降レール99の一部をなす昇降ラック100に集積トレイ90の昇降ピニオン98が係合回転して昇降するようになっている。この昇降ピニオン98は、伝達ギア97等を介して集積トレイ90下部の昇降モータ設置部94に位置する昇降モータ95によって駆動される。
既に説明したように、
図3に示す集積トレイ90の昇降の範囲は、綴じユニット32を含むシート処理装置Bが装置フレーム29の側部からL1a分胴内に位置しているので、L1t範囲となっている。そして、この集積トレイ90の昇降範囲を拡張するには
図2に示す延長レール101を設けることによって可能となり、シートの集積量を多くすることができる。
尚、延長レール101は、画像形成装置Aの装置フレーム29とシート処理装置Bに固定する延長レール取り付け部141で固定しているが、この取り付けはシート処理装置Bのみに行っても良い。
【0028】
ここからは、シート処理装置Bの一部を構成するシート折り装置としての折りユニット31について詳述する。
図4は、折りユニット31の筒状折り部(折り処理部)50の斜視図であり、
図5はこの折りユニット31の断面説明図である。
[筒状折り部(折り処理部)50]
筒状折り部(折り処理部)50は、
図4及び
図5に示されるようにガイドユニットの折り搬送路43に連通する折り搬入口104から入口ローラ45より折り搬送路43を搬送する。この折り搬送路43の出口側には出口ローラ47が位置し、後続する綴じユニット32にシートを送るようになっている。搬入するシートはシート搬入センサSen1によって検知される。
この綴じユニット32にシートを送ることなくシートを筒状に形成する筒状折り部である折り処理部50に搬送する場合は、図示しないソレノイドによって移動する切り替えフラッパ49を
図5に示す位置に移動する。これにより入口ローラ45により搬送されるシートは、折り導入路108に導かれ筒状形成部57に搬入される。
図4は、この筒状折り部50を構成する筒状形成部57が折りユニット31の入口ローラ45と出口ローラ47の下方に位置し、その中央付近に搬入ローラ51によって搬入されてくシートを略筒形状に形成することを斜視図として示したものである。
【0029】
[筒状形成部57]
この筒状形成部57は、シートを筒状に形成保持する例えば
図12(a)または
図17(a)に示すような略円柱状の筒状状態にする。
図5のものは搬入ローラ51と筒状形成部57との間に案内ゲートとして
図5左側の第1ゲート53が位置しており、これによりシートは図示反時計方向(左まわり/CP(L))に搬送される。
筒状形成部57は、折りユニット31のフレームにその端部が取り付けられた可撓性のシート材料(例えば、ポリエステルフィルムシート)からなる外ガイド57aとこれに間隔を持って後に説明するシフト部材60、61夫々の後端押出し部材118、119にその一部が取り付けられた内ガイド57bで構成されている。この内ガイド57bも外ガイド57aと同様の材料でつくられており、外ガイド57a、内ガイド57bに外力が加わると変形するようになっている。
尚、
図4においては便宜上外ガイドのみが示されているが、シートによってはこの外ガイドのみでよく、要は搬入ローラ51によって搬送されてくるシートが略筒形状に形成され、この形状が力を加えることによって変形可能な材料と形状であれば良い。
【0030】
[シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)]
次に、上記の筒状形成部57で略筒形状なったシートをシート幅方向と交差する方向(略筒形状を横切る方向)に押圧してシートを略扁平状に変形させるシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)について説明する。
まず、左シフト部60は平板プレス部材からなる左シフト板114がシート幅方向に延びている。この形状は右シフト部61も同様に平板プレス部材からなる右シフト板116が配置されている。
【0031】
これらは、
図5に示す様に筒状形成部57に略筒形状なったシートを受け入れるシフト板解放位置SOと相互に近接して略筒形状を断面楕円状の略扁平状に変形するシフト板押圧位置SC位置とに近接離反するように構成されている。
この構成は、
図4によく示されるように前後の2箇所で折りユニット31のフレームに一端を左リンク軸110Jで軸支し、他端が左シフト板114に左シフト板支持軸114Jで支持する左リンク部110で近接離反するようになっている。また、右シフト板116も右リンク軸112Jで軸支され他端が右シフト板116を右シフト板支持軸116Jで支持する右リンク部112で移動するようになっている。
このリンク機構により、左シフト部60の左シフト板114と右シフト部61の右シフト板116は互いにシフト板解放位置SOとシフト板押圧位置SCに近接離反する。
【0032】
また、このシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)には夫々L状の部材から構成され、略筒形状のシートを略扁平状とし、このシートを排出方向に移動する際にシートの排出方向の後端縁と係合して押出す後端押出し部材(左後端押出し部118、右後端押出し部120)を有している。
また、このシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)で押したす排出側には、互いに離接可能な折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)が折りシート出口145を挟んでこの手前側に配置されている。この左折りローラ132と右折りローラ136は互いに圧接して略扁平状となったシートを
図12(b)及び
図17(b)に示される折りシートにする。また、この左折りローラ132と右折りローラ136は、折りユニット31から折りシートを排出する排出ローとしても機能している。
なお、左折りローラ132と右折りローラ136はこの実施の形態にあっては、互いに略筒形状の際に1/3程度の重なり合いを持っているので、シート長さの1/3より多少長く設定されている。これはこれまでの折り装置の様にシート幅方向全域より長く設定するものに比べコンパクト化が図れる。
【0033】
上記のシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)と折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)の構成やその駆動機構については
図6から
図8により説明する。
図6は折りユニット31のシフト部(左シフト部60、右シフト部61)の平面説明図であり、
図7はこの図の左シフト部60、右シフト部61の斜視図であり、
図8は左折りローラ132、右折りローラ136を含む駆動説明図である。
【0034】
[シフト部材の後端押出し部]
図6には、先ほど説明したようにシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)には夫々L状の部材から構成され、略筒形状のシートを略扁平状とし、このシートを排出方向に移動する際にシートの排出方向の後端縁と係合して押出す後端押出し部材(左後端押出し部118、右後端押出し部120)を有していることが、平面図として示されている。また、
図7にはシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)のみの斜視図が示されている。
これら図から理解されるように、左シフト部60の左シフト板114と右シフト部61の右シフト板116は夫々シートを筒状形成部57で略筒形状に支持する様に位置するシフト板解放位置SOと、略筒形状のシートを幅方向と交差する方向から押圧して略扁平状とするシフト板押圧押圧位置SCとに位置することも示されている。
【0035】
上記のシフト板解放位置SOでは、左後端押出し部118と右後端押出し部120は略直線状に位置している。シートの筒状形成部57部への侵入が完了し、略筒形状になるとこれを変形してシフト板押圧位置SCに移動することになるがこの位置では、左後端押出し部118と右後端押出し部120は互いにオーバラップするように相互に櫛歯状に形成されている(
図7参照)。これはシフト板押圧位置SCでは互いに衝突しないようにするためと、略扁平状にするために互いに十分に近接できるようにするためにこの形状としている。
【0036】
また、シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)のシフト板解放位置SOからシフト板押圧位置SCへの移動の際に、左後端押出し部118と右後端押出し部120が左折りローラ132と右折りローラ136の折りシート出口145側に移動するようになっている。これは、先にも説明したフレームに左リンク軸110Jを中心に回動する左リンク部110に左シフト板114が、右リンク軸112Jを中心に回動する右リンク部112に右シフト板116が回動可能に取り付けられていることから生ずる。
したがって、シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)がシフト板解放位置SOからシフト板押圧位置SCに移動すると、このシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)の折りシート出口145側の端部も、出口離間位置AOから出口近接位置ACに移動することになる。この動作により、筒状形成部57に略筒形状に支持されたシートは略扁平状に変形するとともに、左折りローラ132と右折りローラ136との間に略扁平状に変形されながら移動することになる。
【0037】
[折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)]
前述したように、折りシート出口145付近の上記の左後端押出し部118と反対側に左折りローラ132が配置され、右後端押出し部120と反対側には右折りローラ136が配置されている。この左折りローラ132と右折りローラ136も相互に離間して略扁平状となったシートを受け入れる折りローラ離間位置RRと相互に圧接して折り合せる折りローラ圧接位置RAの位置間を移動するように構成されている。したがって、この左折りローラ132と右折りローラ136間にシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)によって略扁平状となりつつあるシートが挟まれる位置に移動してきてから、左折りローラ132と右折りローラ136が圧接して駆動回転するようになっている。
【0038】
ここで、
図8により左シフト部60、右シフト部61及び左折りローラ132、右折りローラ136を含む駆動機構について説明する。
まず、搬入ローラ51は折りユニット31の図示しないリア側フレームとフロント側(折りシート排出側)で支持する左ローラ支持アーム124とで左ローラ軸130が、右ローラ支持アーム126との間で右ローラ軸128が支持されている。これより搬入ローラ51は
図5で示した入口ローラ45と出口ローラ47とともに搬送駆動モータ170によって駆動される。
【0039】
[シフト部材の構成と駆動機構]
シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)は、左シフト板114を移動する左リンク部110に一体に個設された扇形ギア183を回動することによって移動する。
図8では図都合上左シフト部60の左シフト板114の駆動機構を示している。
すなわち、シフト板の近接離反モータ174の駆動は伝達ギア181を介して伝達ウォームギア182に伝達される。この伝達ウォームギア182の駆動回転により上述の扇形ギア183が回動し、左リンク部110をシフト板解放位置SOとシフト板押圧位置SCとの間で移動することができる。
このシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)と重なり合う下方の位置で駆動伝達され右シフト部61も同様の構成で同期して移動するようになっている。
【0040】
[折りローラの構成と駆動機構]
次に、折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)の離接と略扁平状のシートを折り合せる駆動回転の機構について説明する。
まず折りローラ離接は、左折りローラ132の左折りローラ軸133と右折りローラ136の右折りローラ軸が、上下の軸方向で対向する位置で上プーリの193、195に張設された上移動ベルト191と、下プーリ194、196に張設した下移動ベルト192の夫々の軸支持部197に個設されている。
したがって、折りローラ離接モータ178を駆動すると、一方の回転で左折りローラ132と右折りローラ136とが圧接する方向に移動し、他方の回転で互いに離間する方向に移動させることができる。
図8の上プーリ193と下プーリ194との間の回転矢印では互いに圧接する方向に移動する。
【0041】
さらに、この左折りローラ132と右折りローラ136とはシートのおり合せのため所定の圧接力が得られるように、折りローラ離接モータ178と上プーリ193と下プーリ194を駆動する軸に取り付けせれた伝達ギア198との間には、2点鎖線の拡大した図で示した中間ギア199の構成を備えている。
この中間ギア199は、折りローラ離接モータ178の駆動が直接伝達される外側の駆動側ギア199aとこのギアと同軸で伝達ギア198に係合するバネ受けギア199eの2つのギアにより構成される。この駆動側ギア199aとバネ受けギア199eとの間には、駆動側ギア199aに切り欠かれたバネ受け部199bに介在するバネ199cが配置されている。このバネ199cの一端はバネ受け199bで駆動側ギア199aの内壁に当接し、他端はバネ受けギア199eと一体に構成されたバネ受け部に当接している。
【0042】
この構成により、左折りローラ132と右折りローラ136とが当接していないときは、バネ199cは圧縮されずに回転する。そして左折りローラ132と右折りローラ136とが当接すると駆動側ギア199aがバネ199cを圧縮して駆動する。このバネ199cの圧縮は左折りローラ132と右折りローラ136を圧接する力として作用して、シートを折る圧接力が生じる。
なお、
図8における折りローラ離接モータ178は排出側に示されているが、装置としては折りローラ下方に配置されている。
【0043】
次に、左折りローラ132と右折りローラ136とを排出方向に回転駆動する構成について、引き続き
図8を用いて説明する。
左折りローラ132と右折りローラ136とは折りローラ駆動モータ176によって駆動される。この折りローラ駆動モータ176の駆動は伝達ギアギアを介して上記の下移動ベルト192と同方向に延びる角シャフト185を回転駆動する。この角シャフト185の回転により左摺動ウォームギア187と右摺動ウォームギア188を回転する。これにより左摺動ウォームギア187は左折りローラ132の左折りローラギア134を駆動し、右摺動ウォームギア188は右折りローラ136の右折りローラギア138を駆動する。
この場合、左折りローラ132と右折りローラ136とが互いに圧接するローラ圧接位置RAと離間したローラ離間位置RRとの間で移動しても、駆動伝達が角シャフト185によって形成するためこの角シャフトを摺動して駆動伝達することができる。
【0044】
[筒状シートの扁平状への押圧]
ここから、
図4及び
図5で略筒形状に保持したシートを7シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)により略扁平状に押圧した状態を
図9及び
図10で説明する。
図9に示す様に、筒状形成部57で略筒形状に形成されたシートを上述したシフト板の近接離反モータ174を駆動することにより左シフト部60の左シフト板114と右シフト部61の右シフト板116はシフト板解放位置SOから互いに近接するシフト板押圧位置SCに移動する。このシフト板押圧位置SCへの移動により筒状形成部57の外ガイド57aと内ガイド57bは可撓性のシートフィルム材であるため図に示す様に下方に延びた略扁平状に形状が変わる。これにより保持されてシートも略筒形状から略扁平状になる。この変化の際、略筒形状に保持されたシートの後端は搬入ローラ51によって規制されているので、シートは下方側へ延びた楕円状に変化して略扁平状になる。
なお、この図では筒状形成部57の内ガイド57bを省略しているが、この内ガイド57bも同様に変形する。また、前にも述べたようにこの内ガイド57bは省略しても良い。
【0045】
図10は、
図9のシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)の斜視図である。この図は
図7の左リンク部110と右リンク部112が移動して左シフト板114と右シフト板116をシフト板解放位置SOからシフト板押圧位置SCに移動した状態で、シートを略筒形状から略扁平状に変化した状態を示している。このことは既に説明した
図6の左リンク部110と右リンク部112が破線位置から実線位置に移動した図と同じ状態を示している。
また、このシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)の移動は略筒形状のシートを略扁平状に変形させるととともにローラ離間位置RRにある折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)との間に移動する。略扁平状のシートが左折りローラ132と右折りローラ136に位置した後、今度はこれらをローラ圧接位置RAに折りローラ離接モータを駆動して移動する。この様にシートは搬入ローラ51で搬送され筒状形成部57で略筒形状される。次にシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)で略筒形状から略扁平状に変形されるとともに左折りローラ132と右折りローラ136間に移動することになる。
また、略筒形状の排出方向のシート後端縁と係合する左後端押出し部118と右後端押出し部120は互いにオーバラップするように櫛歯状に形成され、
図10に示す様に、左シフト板114端側から右シフト板116と一体に形成された右後端押出し部120が示されている。
【0046】
次に、
図11で
図10の略扁平状としたシートを折りながら排出する状態を説明する。上述したように、左折りローラ132と右折りローラ136との間に位置する略扁平状になった略筒形状のシートを、今度は左折りローラ132と右折りローラ136を折りローラ離接モータ178を駆動して
図10のローラ圧接位置SCに移動し、
図8で説明した中間ギアの機構により折り合せる圧接力を付与する。その後この左折りローラ132と右折りローラ136とを折りローラ駆動モータ176を回転駆動し略扁平状となったシートを折り合せて、排出する。この状態を
図11では、2点鎖線の左巻き折りシートFP(L)で示してある。
この左折りローラ132と右折りローラ136の圧接回転より、折り処理を行いながら排出する段階になると、今度は左リンク部110と右リンク部112を復帰させる。すると、シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)がシフト板解放位置SOに移動し、筒状形成部57を略筒形状に戻し、次のシートの搬入に備える。なお、シート巻き方向については、
図16で追って説明する。
【0047】
[略筒形状シートと折りシート]
ここで、これまで説明した筒状折り部(折り処理部)50で作成される折りシートの状態について
図12で説明する。
図12(a)は、これまで
図4、
図5及び
図7で説明したようにシートが略筒形状に保持された状態を示し、この図では搬入ローラ51で搬送されるシートが筒状形成部57で回転しながら搬送されて互いに一部が重ねあわれた略筒形状に形成される。このシートは左巻き折りシートCP(L)が形成される。この重ね合わせた状態で折り処理すると、一般に知られている内三つ折りとなる。
図12(b)は、
図10で示す左折りローラ132と右折りローラ136とが圧接状態で折り合せ処理をした状態を示す説明図である。
図12(a)で示した略筒形状の左巻き筒状シートCP(L)を略扁平状としその後に折り合せた左巻き折りシートFP(L)を示している。
【0048】
なお、繰り返しになるが、この発明における「略筒形状」とは上述の
図12(a)に示す形状の略筒形状をいい、「略扁平状」とは
図12(a)と
図12(b)との中間の形状であるほぼ断面楕円条で略筒形状シートを両側から押圧して横方向が狭くタテ方向に延びた略筒形状より狭い間隔となった形状のシートをいうことにする。この中間の形状の意味は、略筒形状より径を狭くして、ローラ離間位置RRに位置する左折りローラ132と右折りローラ136折りローラとの間にこの狭くした略筒形状形状のシートが侵入することを許せば足りることにある。
【0049】
[折りシート収納トレイ]
次に、
図13により左折りローラ132と右折りローラ136とにより折られながら折りユニット31から排出される折りシートを収納する状態を説明する。この図のように、折りユニット31の折りシート排出側にはこのユニットのフレームに切り欠いた折りシート出口145が設けられている。この折りシート出口145には、折りユニット31のフレーム対してこれを覆う位置と図示の解放位置に移動する折りユニットカバー147が設けられている。
この折りユニットカバー147は、二点鎖線の拡大図に示す様に折りユニット31のフレームに取り付けるフレーム取り付け部147aとこのフレーム取り付け部147aを回動支持するフレーム側の回動軸147bが設けられている。 この回動軸147bには、折りユニットカバー147を常に解放方向に付勢する解放バネ147cが折りユニット31のフレーム側ストッパ147dと折りユニットカバー147のストッパピン147fとの間に架け渡されている。この構成は折りユニット31の反対画も同様になっていている。
また、折りユニットカバー147はその折りシート出口145に対向する面がこの折りシート出口145から排出する折りシートを収納する折りシートトレイ部148となるようになっている。したがって、排出トレイを別に設けなくても、
図13に示す様に折りユニットカバー147の裏面側の折りシートトレイ部148に自重落下して収納される。
【0050】
さらに、このフレーム取り付け部147aの反対側の折りユニットカバー147には、フレーム側の係止孔149に侵入する係止爪147eが設けてある。この係止爪147eは係止孔149内に設けられた図示しないソレノイド等によって移動するロック機構によりこの折りユニット31を使用しないときは係止されている。
したがって、後述する折り制御部211(制御部)に折り処理をすると上記のロック機構を作動して係止を解除して折りユニットカバー147を解放するように構成すれば折りユニット31が動作することの表示と折りシートトレイとして機能し利便性が増す。
【0051】
また、上記の係止孔149には、折りユニットカバー147の係止爪147eを検出する折りユニットカバーセンサSen3が設けられている。このやりユニットカバーセンサSen3は、係止爪147eを検出フラグとして検出し、折りユニット31の動作指示された際、係止爪147eを検出した場合は、上記のロック機構を解除するようにする。
一方、他の場合として、使用者が折りユニットカバー147を解放した場合は折り処理の実行指示があったと折り制御部211(制御部)が判断して、
図3や
図5に示す筒状折り部50にシートを導くように切り替えフラッパソレノイド172を作動して切り替えフラッパ49を折り折り搬送路43に侵入させるようにすれば、折りユニットカバー147の解放により折り処理を実行するようにすることもできる。
【0052】
[筒状形成部57巻付け方向切り替え]
次に、
図14から
図17により筒状折り部50で略筒形状とするシートの筒状形成部57の巻付け方向の切り替えについて説明する。この巻付け方向の切り替えにより、折り合せ処理を行ったシートの表裏の何れを折りシートの表紙とするかの簡単に変更でより便利になる。
図14は筒状形成部57のシートの巻付け方向を
図5と反対方向に巻き付けて略筒形状シートを構成する断面の説明図である。ここでは説明の都合上
図5との相違点を主に述べ、その他については
図5によりここでの説明を省略する。
図5では、搬入ローラ51によって搬送されてくるシートを案内ゲートとして第1ゲート53によって筒状形成部57にガイドしている。この為シートは反時計方向の左巻き筒状シートCP(L)として示されている。
【0053】
これに対して
図14のものは、上記の第1ゲート53と対向する位置に設けられた第2ゲート55によって筒状形成部57に巻付けている。これにより搬送されてくるシートは
図14に示す様に筒状形成部57に時計方向と同じ右巻筒状シートCP(R)になる。
上記の相違は
図16に示すように、画像形成した表裏の面を折りシートの表裏何れにするかを選択することができることになる。
図1または
図2に示す画像形成装置Aは表面を下側にして排紙し、これを後続の折りユニット31や綴じユニット32を含むシート処理装置Bに引き渡す。これにより
図16も搬入ローラ51からのシートも同様の表裏順で搬入される。これをこの発明では、搬入ローラ51と筒状折り部50(筒状形成部57)との間に位置する第1ゲート53あるいは第2ゲート55の何れかにより案内することにより、筒状形成部57へのシート巻付け方向が変更されることを利用している。
【0054】
まず、
図16(a)は、
図5に示す第1ゲート53により、筒状形成部57にシートを搬送ガイドするようにしている。これによるとシートは反時計方向の左巻き筒状シートCP(L)が作成される。これによれば、シートは画像形成の表面を内側にして巻付けられ、折りシートとした場合は、
図12に示す様に左巻き折りシートFP(L)が作成される。この折りシートは内三つ折りであり、折り線FLが表れている。
一方、
図16(b)は、
図14に示す第2ゲート55により、筒状形成部57にシートを搬送ガイドしている。これによると今度は逆に時計方向の右巻筒状シートCP(R)が作成される。これによればシートは画像形成の表面を外側にして巻付けられ、折りシートとした場合は、
図17に示す様に右巻折りシートFP(R)が作成される。この折りシートも内三つ折りであり、折り線FLが同様に表れている。
【0055】
この様に、筒状形成部57の巻付け方向を決める案内ゲートを第1ゲート53とするか第2ゲート55とするかによって、折りシートの表側を選択できる。
なお、以上の説明では画像形成装置Aは画像形成の表面を下にして排出する例を示したが、逆に画像形成の表面を上にして排出する装置であっても適用できる。要は、筒状形成部57への巻付け方向を選択する様にすれば、表裏の入れ替えができる。
【0056】
[案内ゲート(第1ゲート53、第2ゲート55)の切り替え機構]
ここで、これまで説明した筒状折り部50の筒状形成部57への巻付け方向を切り替える案内ゲートの切り替え機構について、
図15に戻って説明する。
この図に示されるように第1ゲート53と第2ゲート55はユニット化されて案内ゲートユニット150に支持されている。これまで説明しているように、第1ゲート53と第2ゲート55とは搬入ローラ51と図示しない筒状形成部57との間に位置し、搬入ローラ51の搬送方向と交差する方向から何れかが進退するようになっている。
【0057】
この選択的進退は次の構成からなる。まず、第1ゲート53は、これをゲート支持板157の第1ゲート取り付け部154に角シャフトからなる第1ゲート支持軸153によって支持されている。まず第2ゲート55は、これをゲート支持板157の第2ゲート取り付け部156に角シャフトからなる第2ゲート支持軸155によって支持されている。したがって、第1ゲート53と第2ゲート55とは同一のゲート支持板157に取り付けられていることになる。
【0058】
このゲート支持板157は、下方に支持板ラック166が一体的に取り付けられ、この支持板ラック166は、ゲート切り替えモータ160の駆動軸162を介して駆動モータピニオン164に歯合している。ゲート切り替えモータ160は折りユニット31のリア側のフレームに取り付けられて正逆駆動可能なモータであり、一方回転でゲート支持板157を移動して第1ゲート53を侵入させる。
また、このゲート切り替えモータ160の他方回転でゲート支持板157を上記と反対方向に移動して、第1ゲート53を退避させて第2ゲート55を侵入させることができる。ゲート支持板157に設けられた二つの移動ガイド孔は、特に図示していないが折りユニット31のリア側フレームに突出したピンに係合して、このゲート支持板を図示左右方向に移動案内するようになっている。
なお、第1ゲート53と第2ゲート55共に図示の様に片持ち支持としたのは、折りシートを排紙する際に排出の障害としないためである。この様に、第1ゲート53と第2ゲート55は折りユニット31のリア側に配置されたゲート支持板157で支持されて案内ゲートユニット150として構成さて切り替え容易になっている。
【0059】
[制御構成の説明]
上述したシート折り装置としての折りユニット31を含むシート処理装置Bを備える画像形成装置Aのシステム制御構成を
図18のブロック図に従って説明する。
図1及び
図2に示す画像形成装置システムは画像形成装置Aの画像形成制御部200とガイドユニット30、折りユニット31、綴じユニット32、トレイユニット33を含むシート処理装置Bのシート処理制御部205(制御CPU)を備えている。画像形成制御部200は、給紙制御部202と入力部203を備えている。そしてこの入力部203に設けられたコントロールパネル204から後述する「プリントモード」「シート折りモード(折りシート表面設定を含む)」「シート綴じモード」等のシート処理モードの設定を行う。
【0060】
シート処理制御部205は、前述の指定されたシート処理モードに応じてシート処理装置Bを動作させる制御CPUである。このシート処理制御部205は、動作プログラムを記憶したROM206と、制御データを記憶するRAM207とを備えている。また、このシート処理制御部205には、例えば本発明に係わる折りユニット31について、入口ローラ45付近で搬送されるシートを検出するシート搬入センサSen1、折りシート出口145付近で折りシートの排出を検出する折りシート搬出センサSen2、折りユニットカバー147が解放されているか否かを検出する折りユニットカバーセンサSen3、そして集積トレイ90上のシート積載量を検出するために紙面レベルを検出する紙面レベルセンサなどの各種センサ入力部208からの信号が入力される。
【0061】
次に、シート処理制御部205は、ガイドユニット30、折りユニット31、綴じユニット32、トレイユニット33の各ユニットのシート搬送を制御するシート搬送制御部210を備えている。また、シート処理制御部205は、折りユニット31でシート折り処理を行う折り制御部211、綴じユニット32で綴じを行うために処理トレイ76に載置する際の整合板84などを制御する処理トレイ制御部212と、この処理トレイ76に載置されたシート束に綴じ処理を行うステープラ80を制御するステープラ制御部213を備えている。
【0062】
特に本発明に係わる折りユニット31をコントロールする折り制御部211(制御部)は、案内ゲートである第1ゲート53と第2ゲート55のどちらにより筒状折り部50の筒状形成部57に案内するかにより巻付け方向を決めるためにゲート支持板を選択移動するゲート切り替えモータ160を制御する。またこの折り制御部211(制御部)は、入口ローラ45と出口ローラ47及び搬入ローラ51を駆動する搬送駆動モータ170、折り搬送路43から折り導入路108にシートを導き搬入ローラ51に導くか否かを選択する切り替えフラッパ49を移動する切り替えフラッパソレノイド172を制御する。さらにこの折り制御部211(制御部)は、筒状折り部50の筒状形成部57を変形させて略筒形状から略扁平状にするためにシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)を移動する(シフト板)近接離反モータ174と、略扁平状となったシートをさらに折り合せるために折りローラ(左折りローラ132と右折りローラ136)を離間または圧接する折りローラ離接モータ178及びこの折りローラを駆動回転する折りローラ駆動モータ176を制御している。
【0063】
また、
図18に図示していないが、
図13で説明した折りユニットカバー147をソレノイド等によってロック機構を作動させて折りユニットカバー147を解放するように折り制御部211(制御部)に制御させれば、折りユニット31が動作することの表示と折りシートトレイとして機能し利便性が増す。
また、折りユニット31の作動指示された際に、ユニットカバーセンサSen3が係合爪197eを検出している場合は、上記のロック機構を解除するようにすることも可能である。
【0064】
また、他の場合の制御として、使用者が折りユニットカバー147を解放した場合、上記のユニットカバーセンサSen3で係合爪197eが外れたことにより折り処理の実行指示があったと折り制御部211(制御部)が判断して、
図3や
図5に示す筒状折り部50にシートを導くように切り替えフラッパソレノイド172を作動して切り替えフラッパ49を折り折り搬送路43に侵入させるようにすれば、折りユニットカバー147の解放により折り処理を実行するようにすることもできることは既に述べた通りである。
また、シート処理制御部205は、集積トレイ90の昇降を紙面レベルセンサからの検出信号をもとに昇降モータ95を制御する集積トレイ昇降制御部214を備えている。
【0065】
[シート処理モード]
上述のように構成された本実施態様のシート処理制御部205はシート処理装置Bに、例えば「プリントモード」「シート折りモード(折りシート表面設定を含む)」「シート綴じモード」等を実行させる。以下、この処理モードについて述べる。
(1)「プリントアウトモード」
画像形成装置Aの本体排出口16から画像形成されたシートを受け入れ、このシートを綴じ搬入ローラ72、搬出ローラ74を経由して束排出ローラ86で集積トレイ90に1枚ずつ収容する。
(2)「シート折りモード」
ガイドユニット30の搬送路37からのシートを折りユニット31の筒状折り部に搬送して、簡易のシート折りを行い、搬送路37のシート搬送方向と交差する装置手前側に折りシートを排出する。
なお、このシート折りモード設定と合わせ、
図16に示す画像形成したシートの何れの面を折りシートの表側とするかを設定する。設定のない場合は、
図16(a)の状態を初期設定とする。
(3)「シート綴じモード」
本体排出口16から画像形成されたシートをガイドユニット30、折りユニット31を経由して、綴じユニット32の処理トレイ76にシートを一時載置して束とし、この束をステープラ80で綴じた後に集積トレイ90に集積する。
【0066】
以上説明した、この発明を実施するための形態によれば、下記のような効果を奏する。
1.シートを折り合せるシート折り装置(折りユニット31)であって、搬送されるシートを略筒形状に保持する保持部材(筒状形成部57)と、この保持部材の一端に設けられシートを折り合せる互いに離接可能な折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)と、この折りローラに対して保持部材に保持された略筒形状のシートの外周面を押圧するとともに上記折りローラ側に移動するシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)とからなるシート折り装置である。
これによれば、シートを略筒形状に保持したシートを略扁平状にして押圧しながら排出する折り機構により、シート長さに沿う搬送路や圧接する3つの折りローラを用いることなく折り処理することができる比較的コンパクトな折り装置が提供できる。
【0067】
2.上記シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)は、シートを保持部材(筒状形成部57)に略筒形状に保持する互いに離間する第1の位置(シフト板解放位置SO)と、この略筒形状のシートを扁平状とするように押圧する第1の位置よりも互いに間隔の狭い第2の位置(シフト板押圧位置SC)とに往復移動可能である上記1に記載のシート折り装置である。
これによれば、簡単な構成でシート折りが実行できる。
【0068】
3.上記シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)の第1の位置と第2の位置との間の往復移動は、リンク部材(左リンク部110、右リンク部112)よってなされる上記2に記載のシート折り装置である。
これによれば、シフト部材の往復移動を簡単に、かつ確実に行うことができる。
【0069】
4.上記シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)は、このシフト部材を挟んだ上記折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)の反対側端部にシートと係合して折りローラ側に移動する後端押出し部(左後端押出し部118、右後端押出し部120)を備えている上記3に記載のシート折り装置である。
これによれば、リンク移動するシフト部にシートに係合する後端押出し部を設けたので、シートの折りローラ側への移動が容易に行うことができる。
【0070】
5.上記シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)は、略筒形状シートの両側から押圧する押圧部(左シフト板114、右シフト板116)と上記折りローラと反対側の縁部に係合して折りローラ側に押出す後端押出し部(左後端押出し部118、右後端押出し部120)とが互いに向き合うL字形状からなり、このL形状のシフト部材が近接離間する上記3に記載のシート折り装置ある。
これによれば、シフト部材は互いに向き合うL字形状からなっているので、略筒形状としたシートの両側からの押圧と折りローラ側への移動が容易に行える。
【0071】
6.上記保持部材(筒状形成部57)は、保持するシートの一部が互いに重なり合う長さ(巻付け方向に重なる長さ)に設定されている前記5に記載のシート折り装置である。
これによれば、この重なり合いの程度により内三つ折りの折りシートも作成することができる。
【0072】
7.シートを折り合せるシート折り装置(折りユニット31)であって、シートを搬送する搬送ローラ(搬入ローラ51)と、この搬送ローラによって搬送されたシートの先端と後端とを互いに重ね合わせて略筒形状に保持する変形可能な可撓性シートからなる保持部材(筒状形成部57)と、この保持部材のシート端部に位置し、保持部材により略筒形状に保持されたシートに圧接して回転するするとともに相互に離間可能な折りローラ(左折りローラ132、右折りローラ136)と、上記保持部材に保持された略筒形状のシートを、保持部材とともに略扁平状にシート外周面の両側から押圧して変形させるとともに、上記折りローラ側に移動するシフト部材(左シフト部60、右シフト部61)とからなるシート折り装置である。
これによれば、シートを略筒形状に保持したシートを略扁平状にして押圧しながら排出する折り機構により、シート長さに沿う搬送路や圧接する3つの折りローラを用いることなく折り処理することができる比較的コンパクトな折り装置が提供できる。
【0073】
8.上記シフト部材(左シフト部60、右シフト部61)は、互いに向き合う平面L字状部材からなり、このL字状部材を互いに近接離反するように動作させるリンク部材(左リンク部110、右リンク部112)に支持されている
上記7に記載のシート折り装置である。
これによれば、シフト部材は互いに向き合うL字形状からなっているので、略筒形状としたシートの両側からの押圧と折りローラ側への移動が容易に行える。
【0074】
9.上記リンク部材(左リンク部110、右リンク部112)は、保持部材(筒状形成部57)に重なって配置された対となる扇形ギア183とこれを駆動する駆動機構(近接離反モータ174、伝達ギア181、伝達ウォームギア182)からなる上記8に記載のシート折り装置である。
これによれば、シフト部材を確実に移動することができる。
【0075】
10.シートに画像形成を行う画像形成部2と、この画像形成部からのシートを折り合せるシート折り装置(折りユニット31)と、上記シート折り装置は上記1ないし9の何れかに記載の構成を備えてなる画像形成装置Aである。
これによれば、上記各項に記載の効果を有する画像形成装置が提供できる。
【0076】
11.上記画像形成部2の上方に原稿の画像を読み取る読み取り部(画像読取装置20)と、この読み取り部と上記画像形成部との間に
シート排紙空間を有し、
このシート排紙空間に上記シート折り装置(折りユニット31)を配置したことを上記10に記載の画像形成装置である。
これによれば、所謂胴内タイプにも適用する上記1から9までの効果を奏するシート折り装置を装着した画像形成装置が提供できる。
【0077】
なお、前記の実施の形態における効果の説明では、本実施の形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素の対応する部材をかっこ書きで示すか、あるいは参照符号を付して両者の関係を明確にした。
【0078】
さらに、本発明は前述した実施の形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。