(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3の繊維は、前記力伝達部材の周囲に第1の巻き付け方向で巻き付けられている繊維と、前記力伝達部材の周囲に前記第1の巻き付け方向とは反対方向となる第2の巻き付け方向で巻き付けられている繊維とを含む
請求項4に記載の力伝達部材の支持構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、リンク本体部210の端部は、
図19(b)に示されるようなリンク本体部210が延びる方向となる第1の方向DR1に延びる第1の繊維241と、第1の方向DR1と直交する第2の方向DR2に延びる第2の繊維242とからなる。しかし、一対の平板部211に貫通孔212が設けられることにより、
図19(b)の網掛けにより示された領域の第1の繊維241、すなわちリンク本体部210における貫通孔212により途切れた第1の繊維241がブッシュ220に加えられる引張荷重(
図19(b)の白抜き矢印の方向の荷重)を支持することができない。このため、ブッシュ220に加えられる引張荷重は、リンク本体部210の端部における貫通孔212よりも先端側の第2の繊維242で主に支持される。
【0007】
このような問題に対して、従来の航空機用リアクションリンクでは、ブッシュ220の支持力を高めるため、リンク本体部210の端部における貫通孔212よりも先端部の第2の繊維242をさらに複数層重ねるようにしたり、貫通孔212よりも先端部の面積を拡大したりする。しかし、従来の航空機用リアクションリンクでは、リンク本体部210の端部が大型化してしまい、リアクションリンクの重量の増大を招いてしまう。なお、このような課題は、航空機用リアクションリンクに限られず、力を伝達するブッシュ等の力伝達部材を繊維強化プラスチックで支持する力伝達部材の支持構造であれば、同様に生じる。
【0008】
本発明の目的は、必要な強度を確保しつつ軽量化することができる力伝達部材の支持構造、航空機用リアクションリンク、動翼駆動装置、力伝達部材の取付方法、および、航空機用リアクションリンクの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔1〕本発明に従う力伝達部材の支持構造の一形態は、繊維強化プラスチックからなる構造体である構造部材に、力を伝達する力伝達部材を支持させる構造であって、繊維強化プラスチックを構成する連続した繊維が、前記力に対抗して前記力伝達部材を支持する。
【0010】
力伝達部材周りの特に構造部材を引っ張る方向の荷重である引張荷重がかかる方向に延びる繊維が途切れている場合、引張荷重が力伝達部材に加えられたとき、力伝達部材周りの繊維がその荷重を受けることができない。その点、本力伝達部材の支持構造では、構造部材を引っ張る方向の荷重である引張荷重がかかる方向に延びる繊維が連続しているため、力伝達部材に引張荷重が加えられたとき、その荷重を受けることができる繊維が多くなる。したがって、構造部材における力伝達部材を支持する部分を過度に補強する必要がなくなるため、構造部材における力伝達部材を支持する部分に必要な強度を確保しつつ軽量化することができる。なお、支持とは、力がかかる方向に対抗する力を発生可能な状態で保持する状態をいう。ここで、力がかかる方向とは、繊維の方向ベクトルの総和のベクトルの方向に相当する。
【0011】
〔2〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記力伝達部材を支持する繊維は、前記力伝達部材の周囲に巻き付けられている。
この構成によれば、構造部材を引っ張る方向の荷重である引張荷重が力伝達部材に加えられたとき、構造部材から延びて力伝達部材に巻き付けられた繊維が力伝達部材の引張荷重を受けることができる。これにより、力伝達部材が受ける引張荷重に対して、力伝達部材を支持する繊維はその繊維が延びる方向に引っ張られる力を受ける。繊維は延びる方向に引っ張られる力に対して最も強く、しかも繊維が巻きつけられているので、より効率的に力を受けることができる。したがって、力伝達部材をより少ない繊維で安定して支持することができ、さらに効果的に力伝達部材の支持構造に必要な強度を確保しつつ軽量化することができる。
【0012】
〔3〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材に含まれる繊維は、第1の方向に延びる第1の繊維と前記第1の方向とは異なる方向である第2の方向に延びる第2の繊維とを有し、前記第1の繊維および前記第2の繊維は、互いに編み込まれている。
【0013】
この構成によれば、第1の繊維と第2の繊維とが編み込まれていない構成、すなわち第1の繊維および第2の繊維の一方の上層に第1の繊維および第2の繊維の他方が形成される構成と比較して、各繊維が延びる方向に力を受けたときに、第1の繊維と第2の繊維との間に働く摩擦力等が各繊維間の結合力を高める。したがって、構造部材の強度が高められる。
【0014】
〔4〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材において前記力伝達部材に近い部分における前記構造部材の長手方向に対する前記第1の方向および前記第2の方向により規定される繊維の角度は、前記構造部材において前記力伝達部材から遠い部分における前記繊維の角度よりも小さい。
【0015】
この構成によれば、構造部材において力伝達部材に近い部分の繊維の角度が小さくなる(構造部材の長手方向に沿う方向になる)ことにより、力伝達部材を支持する繊維が力伝達部材に巻き付けられる際に第1の繊維および第2の繊維が折り曲げられたり、ねじれたりすることが抑制される。したがって、引張荷重による構造部材の変形が抑えられ、力伝達部材をより強固に支持することができる。
【0016】
〔5〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材における前記繊維の角度は、前記力伝達部材に向かうにつれて連続的に小さくなる。
この構成によれば、構造部材において力伝達部材に近づくにつれて繊維の角度が非連続的に変化する場合に比べ、構造部材を製造しやすい。特に、力伝達部材に近い部分において急激に繊維の角度を小さくさせる場合に比べ、第1の繊維および第2の繊維が折り曲げられたり、ねじれたりすることが抑制される。
【0017】
〔6〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記第1の繊維および第2の繊維は、前記力伝達部材の周囲に巻き付けられ、前記第1の繊維が前記力伝達部材に巻き付けられる方向と、前記第2の繊維が前記力伝達部材に巻き付けられる方向とが互いに反対方向である。
【0018】
この構成によれば、第1の繊維の方向および第2の繊維の方向を互いに反対方向にすることにより、各繊維が過度に曲げられたり、ねじられたりすることがないため、引張荷重を構造部材の長手方向にバランスよく支持することができる。
【0019】
〔7〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記第1の方向および前記第2の方向は、前記構造部材の長手方向とは異なる方向であり、前記構造部材に含まれる繊維は、前記長手方向に沿って延びて前記力伝達部材に巻き付けられる第3の繊維をさらに含む。
【0020】
この構成によれば、第3の繊維は長手方向に沿って延びているので、少なくとも第3の繊維の一部は、力伝達部材に巻き付けられる際に過度に折り曲げられたり、ねじれたりすることを回避することができる。このため、力伝達部材が構造部材から離間する方向の荷重である引張荷重が力伝達部材に加えられたとき、第3の繊維が延びる方向に引張荷重を効率よく受けることができる。したがって、第3の繊維によりさらに力伝達部材を強固に支持することができる。
【0021】
〔8〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記第3の繊維は、前記力伝達部材の周囲に第1の巻き付け方向で巻き付けられている繊維と、前記力伝達部材の周囲に前記第1の巻き付け方向とは反対方向となる第2の巻き付け方向で巻き付けられている繊維とを含む。
【0022】
この構成によれば、第3の繊維を力伝達部材に対して一方向に巻き付ける場合と比較して、第3の繊維において力伝達部材に巻き始められる部分が過度に折り曲げられたり、ねじれたりすることがないため、引張荷重を構造部材の長手方向にバランスよく支持することができる。
【0023】
〔9〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記第3の繊維のみが前記力伝達部材に巻き付けられている。
この構成によれば、第1の繊維や第2の繊維を巻き付けずに、第3の繊維のみが力伝達部材に巻き付けられるため、巻き付ける手間が減り、力伝達部材の支持構造の生産性を高めることができる。
【0024】
〔10〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記力伝達部材に巻き付けられる繊維は、積層されている。
この構成によれば、力伝達部材に巻き付けられる繊維が積層されることにより、力伝達部材において繊維が巻き付けられる部分の面積が大きくなることが抑制される。したがって、力伝達部材の支持構造に必要な強度を確保しつつ軽量化することができる。
【0025】
〔11〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材に含まれる繊維の全てが前記力伝達部材に巻き付けられている。
この構成によれば、構造部材に含まれる繊維の全てが力伝達部材を支持することにより、構造部材と力伝達部材との間に生じる引張荷重を全ての繊維で受けるため、より少ない繊維で力伝達部材をより強固に支持することができるので、さらに効果的に力伝達部材の支持構造に必要な強度を確保しつつ軽量化することができる。
【0026】
〔12〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材に含まれる繊維の一部のみが前記力伝達部材に巻き付けられている。
この構成によれば、構造部材に含まれる繊維の一部のみが力伝達部材に巻き付けられることにより、構造部材に含まれる繊維の全てを力伝達部材に巻き付ける場合に比べ、巻き付ける手間が減るため、力伝達部材の支持構造の強度と重量のバランスを保ちつつ、力伝達部材の支持構造の生産性を高めることができる。
【0027】
〔13〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記力伝達部材は、前記構造部材の先端部に形成された開口部に挿入可能な凸部を有し、前記凸部は、その先端に向けて先細りとなるテーパー形状である。
【0028】
この構成によれば、構造部材の開口部を圧縮する方向の荷重である圧縮荷重が力伝達部材に加えられたとき、凸部のテーパーと構造部材の開口部とが互いに接触することにより、構造部材が力伝達部材を支持することができる。
【0029】
〔14〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材と前記力伝達部材との固定を補強する補強部材は、前記開口部と前記凸部とが重なる部分に設けられる。
【0030】
この構成によれば、補強部材により構造部材と力伝達部材とが固定されるため、力伝達部材が構造部材に対して移動することを抑制することができる。加えて、力伝達部材が構造部材側に押される方向の荷重である圧縮荷重が力伝達部材に加えられたとき、構造部材が力伝達部材をより一層強固に支持することができる。
【0031】
〔15〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記補強部材は、前記繊維強化プラスチックを構成する連続した繊維であって、前記力伝達部材を支持する繊維の外側に巻き付けられている。ここで、繊維の外側とは、外表面に近い側をいう。
【0032】
この構成によれば、構造部材の開口部を圧縮する方向の荷重である圧縮荷重が力伝達部材に加えられたとき、構造部材の開口部が広がるのを補強部材が阻止することができる。その結果、構造部材と力伝達部材とを強固に支持することができ、力伝達部材の支持構造の大型化を抑制することができる。
【0033】
〔16〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記補強部材の繊維は、整列巻されている。
この構成によれば、補強部材を設けた部分が構造部材から過度に膨らむことが抑制される。このため、力伝達部材の支持構造の大型化を抑制することができる。
【0034】
〔17〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記補強部材は、前記力伝達部材を支持する繊維の端部を固定する。
この構成によれば、補強部材により力伝達部材を支持する繊維が構造部材から剥がれることを抑制することができる。つまり、一般的に繊維強化プラスチックは剥離に弱いが、繊維の端部を補強することで、剥離を効果的に防止することができる。
【0035】
〔18〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記構造部材の先端部に形成された開口部は、前記開口部の先端に向けて開口面積が拡大するテーパー形状である。
【0036】
この構成によれば、構造部材の開口部を圧縮する方向の荷重である圧縮荷重が力伝達部材に加えられたとき、構造部材の開口部のテーパーと力伝達部材の凸部とが互いに接触することにより、構造部材が力伝達部材を支持することができる。加えて、凸部にテーパーが設けられる場合、凸部のテーパーと構造部材の開口部のテーパーとが面接触する。このため、力伝達部材に圧縮荷重が加えられたとき、構造部材が力伝達部材をより強固に支持することができる。
【0037】
〔19〕上記力伝達部材の支持構造に従属する一形態によれば、前記力伝達部材は、前記繊維が巻き付けられる外周面を有し、前記力伝達部材の前記外周面における軸方向の両端部には、前記力伝達部材の前記外周面から径方向に延びるリブが設けられる。
【0038】
この構成によれば、力伝達部材を支持する繊維が力伝達部材に巻き付けられるとき、その繊維が力伝達部材から外れてしまうことが抑制される。このため、繊維を力伝達部材に巻き付けやすくなる。
【0039】
〔20〕本発明に従う航空機用リアクションリンクの一形態は、航空機の動翼に直接的または間接的に取り付けられ、前記動翼を駆動させるアクチュエータに連結される航空機用リアクションリンクであって、前記アクチュエータを摺動可能に支持する力伝達部材としてのブッシュと、前記ブッシュを支持する構造部材を含むリンク本体部とを備え、前記リンク本体部により前記ブッシュを支持する支持構造として、上記〔1〕〜〔19〕のいずれか1つの力伝達部材の支持構造が用いられる。
【0040】
この構成によれば、上記力伝達部材の支持構造と同様の効果を得ることができるので、航空機用リアクションリンクとして必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0041】
〔21〕本発明に従う動翼駆動装置の一形態は、上記航空機用リアクションリンクと、前記アクチュエータとを備える。
この構成によれば、上記航空機用リアクションリンクと同様の効果を得ることができるので、動翼駆動装置として必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0042】
〔22〕本発明に従う力伝達部材の取付方法の一形態は、力を伝達する力伝達部材を、繊維強化プラスチックからなり、前記力伝達部材を支持する構造部材に取り付ける方法であって、繊維を芯材に巻き付けて前記構造部材を形成する巻き付け工程と、前記繊維が連続した状態で前記力伝達部材の周囲に巻き付ける仮固定工程と、樹脂を前記繊維に含浸させる樹脂含浸工程と、前記繊維に含浸した前記樹脂を硬化させることにより前記構造部材と前記力伝達部材とを固定する本固定工程とを備える。
【0043】
この構成によれば、力伝達部材を構造部材に容易に取り付けることができる。その結果、必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることができる力伝達部材の支持構造を低コストで得ることができる。
【0044】
〔23〕本発明に従う航空機用リアクションリンクの製造方法の一形態は、航空機の動翼に直接的または間接的に取り付けられ、前記動翼を駆動させるアクチュエータに連結される航空機用リアクションリンクの製造方法であって、当該航空機用リアクションリンクは、繊維強化プラスチックにより形成されたリンク本体部と前記リンク本体部に固定されるブッシュとを備え、繊維を芯材に巻き付けて前記リンク本体部の一部を形成する巻き付け工程と、前記繊維が連続した状態で前記ブッシュの周囲に巻き付けるブッシュ仮固定工程と、樹脂を前記繊維に含浸させる樹脂含浸工程と、前記繊維に含浸した前記樹脂を硬化させることにより前記リンク本体部に前記ブッシュを固定するブッシュ本固定工程とを備える。
【0045】
この構成によれば、ブッシュをリンク本体部に容易に取り付けることができる。その結果、必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることができる航空機用リアクションリンクを低コストで製造することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明にかかる力伝達部材の支持構造、航空機用リアクションリンク、動翼駆動装置、力伝達部材の取付方法、および、航空機用リアクションリンクの製造方法によれば、必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本実施形態の動翼駆動装置について図面を参照して説明する。なお、
図1では、便宜上、動翼駆動装置と動翼との接続構造の一部を省略して示している。
図1に示されるように、動翼駆動装置1は、航空機に設けられ、航空機の翼100の動翼101を駆動させる。動翼101を構成する航空機の操縦翼面としては、補助翼(エルロン)、方向舵(ラダー)、昇降舵(エレベータ)等が挙げられる。また動翼駆動装置1は、フラップやスポイラー等として構成される動翼を駆動させてもよい。
【0049】
動翼駆動装置1は、動翼101を駆動させるためのアクチュエータ10、および、アクチュエータ10により動翼101を駆動させたときの動翼101からの反力を支持するリアクションリンク20を備える。なお、リアクションリンク20は、航空機用リアクションリンクの一例である。
【0050】
図2に示されるように、アクチュエータ10は、翼100に設けられた支持部102と、動翼101の連結軸103とのそれぞれに連結されている。アクチュエータ10は、動翼101を翼100に対して回転可能に支持する支点軸104を中心として動翼101を回転させる。アクチュエータ10は、作動油がシリンダ部11に給排されることによりロッド部12がその軸方向に往復移動する油圧駆動式のリニアアクチュエータである。なお、アクチュエータ10は、電動モータ、ボールねじ機構等から構成される電気機械式のリニアアクチュエータであってもよい。ロッド部12の先端部は、連結軸103に回転可能に連結されている。すなわちアクチュエータ10は動翼101に直接的に連結されている。なお、ロッド部12の先端部は、動翼101に連結されたホーンアーム(図示略)に連結されてもよい。すなわちアクチュエータ10は、動翼101に間接的に連結されてもよい。
【0051】
図1に示されるように、アクチュエータ10は、リアクションリンク20および支持部102と連結するための連結部13を備える。連結部13は、シリンダ部11においてロッド部12が突出する側とは反対側に設けられている。連結部13は、ロッド部12の軸方向と直交する方向に延びる軸13Aを備える。
【0052】
リアクションリンク20は、支点軸104と、連結部13の軸13Aとのそれぞれに回転可能に連結されている。リアクションリンク20は、アクチュエータ10により動翼101を駆動させたとき、可動側の動翼101が受ける負荷を固定側の翼100に直接的に影響を与えることを抑制する。
【0053】
このように構成された動翼駆動装置1は次のように動作する。すなわち、フライトコントローラ(図示略)の指令に基づいて、アクチュエータ10に作動油を供給する油圧装置(図示略)が作動することにより、アクチュエータ10のシリンダ部11に対して作動油の給排が行われる。これにより、
図2に示されるように、ロッド部12がシリンダ部11に対して突出または縮退するため、連結軸103を介してロッド部12に連結された動翼101が支点軸104を中心として回転する。この動翼101の回転にともない、リアクションリンク20は、支点軸104を中心に揺動するとともに、軸13Aを回転可能に支持することにより、アクチュエータ10により動翼101を駆動させたときの動翼101からの反力を受ける。
【0054】
次に、
図2〜
図9を参照して、リアクションリンク20の構成について説明する。
図2および
図3に示されるように、リアクションリンク20は、支点軸104とアクチュエータ10の軸13Aとを連結するためのリンク本体部30と、リンク本体部30において支点軸104側の端部において支点軸104と連結されるヘッド部40と、リンク本体部30に固定され、軸13Aを摺動可能に支持する一対のブッシュ50とを備える。このため、一対のブッシュ50は、アクチュエータ10を摺動可能に支持している。なお、ブッシュ50は、アクチュエータ10からの力を受ける力伝達部材に相当する。
【0055】
リンク本体部30の形状は、平面視で略U字状である。リンク本体部30は、リンク本体部30の長手方向を示す長手軸Cに沿って直線状に延び、互いに間隔を置いて平行する一対の脚部31A,31Bを備える。脚部31Aおよび脚部31Bは、断面視で略四角形となるように形成されている。一対の脚部31A,31Bの一端部は、連結部32により互いに接続されている。連結部32は、長手軸Cと直交する方向に延びる直線部33と、直線部33の両端部に設けられた屈曲部34とを備える。一対の脚部31A,31Bおよび連結部32は、一体的に形成されている。なお、リンク本体部30の形状は、略U字状に代えて、直線状、または、J字状であってもよい。リンク本体部30の形状が直線状またはJ字状の場合、リンク本体部30に連結されるブッシュ50は1個または2個となる。リンク本体部30の形状が直線状またはJ字状、かつ、ブッシュ50が2個の場合、リンク本体部30の長手方向の両端部に連結される。
【0056】
リンク本体部30は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)により形成されている。好ましくは、リンク本体部30は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)により形成されている。炭素繊維としてはPAN系炭素繊維のほか、ピッチ系炭素繊維を用いることができる。なお、リンク本体部30は、例えば、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、ガラス長繊維強化プラスチック(GMT)、ボロン繊維強化プラスチック(BFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP、KFRP)、ポリエチレン繊維強化プラスチック(DFRP)、ザイロン強化プラスチック(ZFRP)等により形成されてもよい。なお、リンク本体部30は、一対の脚部31A,31Bのみを繊維強化プラスチックにより形成され、連結部32を繊維強化プラスチック以外の例えば金属材料により形成されてもよい。また、リンク本体部30は、一対の脚部31A,31Bの先端側の一部のみを繊維強化プラスチックにより形成されてもよい。さらに複数の種類の繊維が組み合された繊維強化プラスチックでもよく、複数の種類の繊維強化プラスチックを組み合わせて構成してもよい。
【0057】
ヘッド部40は、連結部32の直線部33の中央に連結されている。ヘッド部40は、2つに分割された第1のヘッド本体41および第2のヘッド本体42を有する。第1のヘッド本体41および第2のヘッド本体42は、略U字状に形成され、互いに組み付けられることにより連結部32が挟み込まれる取付孔43が形成されている。第1のヘッド本体41は、連結部32よりも一対の脚部31A,31Bの先端側に延びている。第2のヘッド本体42は、連結部32よりも一対の脚部31A,31Bの先端側とは反対側に延びている。第2のヘッド本体42には、連結部32が延びる方向に第2のヘッド本体42を貫通する軸受孔42Aが形成されている。軸受孔42Aには、軸受44が取り付けられている。軸受44の一例は転がり軸受である。軸受44には、支点軸104(
図2参照)が嵌合されている。これにより、ヘッド部40は、支点軸104に回転可能に連結されている。取付孔43と連結部32との間には、隙間が形成されている。この隙間には、楔45が圧入されている。
【0058】
第1のヘッド本体41および第2のヘッド本体42の外周部分には、繊維46が巻き付けられている。繊維46は、1本の繊維から構成されてもよいし、複数本の繊維から構成されてもよい。これにより、第1のヘッド本体41および第2のヘッド本体42が互いに固定される。
【0059】
ブッシュ50は、脚部31Aの先端部および脚部31Bの先端部のそれぞれに接続されている。これにより、ブッシュ50は、リンク本体部30により支持されている。なお、以降の説明では、リンク本体部30によりブッシュ50を支持する構造をブッシュ支持構造BSと称する場合がある。この場合、リンク本体部30は、ブッシュ50を支持する構造部材に相当する。また、リンク本体部30の脚部31A,31Bのみが繊維強化プラスチックにより形成された場合、脚部31A,31Bが構造部材に相当する。また、脚部31A,31Bの先端側の一部のみが繊維強化プラスチックにより形成された場合、繊維強化プラスチックにより形成された脚部31A,31Bの先端側の一部が構造部材に相当する。また、ブッシュ支持構造BSは、力伝達部材の支持構造に相当する。
【0060】
図4は、脚部31Aの先端部と、脚部31Aに接続されるブッシュ50とが分解された様子を示し、
図5は、脚部31Aの先端部にブッシュ50が接続された様子を示している。なお、
図4および
図5ではブッシュ支持構造BSの一部を省略して示している。また脚部31Bの先端部と、脚部31Bに接続されるブッシュ50についても
図4および
図5と同様の構成を有する。
【0061】
図4に示されるように、ブッシュ50は、アクチュエータ10の軸13A(ともに
図2参照)を摺動可能に支持するブッシュ本体51と、脚部31Aの先端部に形成された開口部35に挿入される挿入凸部52とを備える。この挿入凸部52が凸部に相当する。
【0062】
ブッシュ本体51には、軸13Aの軸方向(以下、「軸方向J1」)にブッシュ本体51を貫通する貫通孔51Aが形成されている。貫通孔51Aには、軸13Aが挿入されている。ブッシュ本体51の外周において軸方向J1の両端部には、円弧状のリブ51Bがブッシュ本体51と一体的に形成されている。リブ51Bは、ブッシュ本体51の外周面51Cから径方向の外側に向けて延びている。なお、リブ51Bは、周方向に短い円弧状の突起がブッシュ本体51の外周の周方向に間隔を置いて複数設けられる構成であってもよい。またリブ51Bは、ブッシュ本体51とは個別に形成されてもよい。またリブ51Bが省略されてもよい。
【0063】
挿入凸部52は、リンク本体部30(脚部31A)に向けて延びている。
図4に示されるとおり、挿入凸部52は、一対の平面52Xおよび一対の側面52Yを有する四角形の凸部が先細りとなるテーパー形状に形成されている。具体的には、一対の平面52Xは、挿入凸部52の先端に向かうにつれて互いに接近する方向に同じように傾斜するテーパー52Aを構成している。つまり、テーパー52Aの形状は対称である。一対の側面52Yは、挿入凸部52の先端に向かうにつれて互いに接近する方向に同じように傾斜するテーパー52Bを構成している。つまり、テーパー52Bの形状は対称である。各テーパー52A,52Bは対称であるため、荷重をバランスよく受けることができる。また、挿入凸部52の先端部には、長手方向CDに向けて延びるねじ穴52Cが形成されている。なお、テーパー52Aおよびテーパー52Bのうちの一方を省略してもよい。さらに平面52Xを構成する各平面は対称に構成されている必要はなく、同様に側面52Yを構成する各平面は対称に構成されている必要もない。各一対の面でテーパーが構成されていればよい。
【0064】
図4に示されるように、脚部31Aの開口部35を構成する内面のうち平面52Xに対向する一対の内面35Xは、開口部35の先端に向かうにつれて互いに離間する方向に同じように傾斜するテーパー35Aを構成している。つまり、テーパー35Aの形状は対称である。開口部35を構成する内面のうち側面52Yに対向する一対の内面35Yは、開口部35の先端に向かうにつれて互いに離間する方向に同じように傾斜するテーパー35Bを構成している。つまり、テーパー35Bの形状は対称である。このため、開口部35の開口面積は、脚部31A(開口部35)の先端に向かうにつれて拡大する。なお、テーパー35Aおよびテーパー35Bのうちの一方を省略してもよい。さらに内面35Xを構成する各平面は対称に構成されている必要はなく、同様に内面35Yを構成する各平面は対称に構成されている必要もない。各一対の面でテーパーが構成されていればよい。
【0065】
図5(a)に示されるように、一対の平面52Xは、一対の内面35Xと平行している。このため、挿入凸部52が開口部35に挿入された状態において、一対の内面35Xと一対の平面52Xとは面接触している。
図5(b)に示されるように、一対の側面52Yは、一対の内面35Yと平行している。このため、挿入凸部52が開口部35に挿入された状態において、一対の内面35Yと一対の側面52Yとは面接触している。
【0066】
このように構成することで、平面52Xと内面35Xとの接触面積および側面52Yと内面35Yとの接触面積が多くなるため、応力集中が緩和され、肉厚を過度に厚くする必要が無くなるので、ブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0067】
図4〜
図9を参照して、脚部31Aおよびブッシュ支持構造BSの詳細な構成について説明する。なお、脚部31Bの構成も同様の構成であるため、その説明を省略する。また、
図6〜
図9は、脚部31Aの一部を示している。
【0068】
図6に示されるように、リンク本体部30は、断面視で四角形の芯材36と、芯材36に巻き付けられた複数の繊維60と、脚部31Aの一部を覆うように設けられた補強部材70とを備える。芯材36は、例えば発泡プラスチック保温材が用いられ、好ましくは、押出法発泡ポリスチレン保温材が用いられる。芯材36は、リンク本体部30の形状に概ね沿った形状である。
図4および
図5に示されるように、芯材36には、脚部31Aの長手軸C(
図3参照)に沿う方向(以下、「長手方向CD」)に沿って延びる凹部36Aが設けられている。凹部36Aの端壁36Bには、長手方向CDにおいて端壁36Bを貫通する貫通孔36Cが形成されている。芯材36の端壁36Bには、貫通孔36Cを通じてボルトBが挿入されている。ボルトBは、ブッシュ50の挿入凸部52のねじ穴52Cに締結される。これにより、芯材36とブッシュ50とが接続される。なお、この接続は製造時に芯材36とブッシュ50とを接続した状態に維持するためのものであるため、接着剤等、他の方法であってもよい。また、芯材36は、断面視で丸形等の四角形以外の形状であってもよい。また芯材36は、樹脂材料または金属材料等の発泡プラスチック保温材以外の材料を用いてもよい。
【0069】
図6に示されるように、繊維60は、第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63を含む。第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63のそれぞれは、多数の単繊維で構成された繊維束(フィラメント)の束であるトウであり、同じ材質である。なお、これに限られず、第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63のそれぞれは、単繊維でも、フィラメントでも、ステープル紡績により得られる糸であるステープルヤーンでも、フィラメント、トウにより構成される編紐であるブレードでもよい。さらに第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63のそれぞれは、異なる材質であってもよい。補強部材70は、リンク本体部30とブッシュ50との固定を補強する。
【0070】
図7では、説明の便宜上、
図6のリンク本体部30から補強部材70を省略している。
図7に示されるように、第1の繊維61は、長手方向CDとは異なる方向である第1の方向D1に延びている。第2の繊維62は、長手方向CDおよび第1の方向D1とは異なる方向である第2の方向D2に延びている。第3の繊維63は、長手方向CDに沿って延びている。第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63は、互いに編み込まれた状態で芯材36(
図6参照)に巻き付けられている。第1の方向D1は長手方向CDに対して成す鋭角が「45°」となり、第2の方向D2は長手方向CDに対して成す鋭角が第1の方向D1とは反対方向に「45°」となる。このため、第1の繊維61および第2の繊維62は、互いに直交している。脚部31Aは、互いに編み込まれた各繊維61〜63の層が複数層(本実施形態では2層)にわたり積層されて構成されている。なお、長手方向CDに対して第1の方向D1が成す鋭角が「45°」とは異なる角度であってもよく、例えば「30°」であってもよい。また長手方向CDに対して第2の方向D2が成す鋭角が「45°」とは異なる角度であってもよく、例えば「30°」であってもよい。このため、第1の方向D1および第2の方向D2が互いに直交しなくてもよい。さらに、長手方向CDに対して第1の方向D1が成す鋭角と長手方向CDに対して第2の方向D2が成す鋭角とは同じである必要はなく、一方が「15°」で他方が「30°」であってもよい。それぞれの角度が小さくなるほど長手方向CD方向に引っ張る力に対し強くなるが、長手方向CDに直交する方向に広がろうとする力には逆に弱くなる。そのため、実際の負荷に応じて適切な角度を設定すればよい。また、各繊維61〜63は、互いに編み込まれずに、例えば第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63の順に積層されてもよい。この場合、第1の繊維61が芯材36に巻き付けられた後、第2の繊維62が第1の繊維61に積層するように芯材36に巻き付けられる。そして第3の繊維63が第2の繊維62に積層するように芯材36に巻き付けられる。ここで、第1の繊維61、第2の繊維62、および、第3の繊維63の積層の順序は、任意に変更可能である。
【0071】
ブッシュ支持構造BSは、脚部31Aの開口部35から延びる各繊維61〜63がブッシュ50を取り囲むことによりブッシュ50を支持可能な支持部37を含む。支持部37に含まれる各繊維61〜63は連続している。支持部37に含まれる各繊維61〜63は、以下のようにブッシュ50の周囲に巻き付けられている。なお、本実施形態では、ブッシュ50の周囲の一例としてブッシュ本体51の外周面51Cに、脚部31Aの開口部35から延びる各繊維61〜63が巻き付けられている。
【0072】
すなわち、支持部37に含まれる第1の繊維61のうち、脚部31Aの一方の側面31Yにおいて開口部35から延びる第1の繊維61は、脚部31Aの一方の平面31X側であるブッシュ本体51の一方の側面51Xに向けて延びている。そして一方の側面51Xにおける第1の繊維61は、ブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、ブッシュ本体51の他方の側面51Yを経て脚部31Aの他方の平面31Xの基端側に向けて延びている。
【0073】
支持部37に含まれる第2の繊維62のうち、脚部31Aの一方の側面31Yにおいて開口部35から延びる第2の繊維62は、ブッシュ本体51の他方の側面51Yに向けて延びている。そして他方の側面51Yにおける第2の繊維62は、ブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、一方の側面51Xを経て脚部31Aの他方の平面31Xの基端側に向けて延びている。すなわち、脚部31Aの一方の側面31Yから延びる第1の繊維61がブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられる方向と、脚部31Aの一方の側面31Yから第2の繊維62がブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられる方向とが互いに反対方向となる。
【0074】
図7では図示していないが、支持部37に含まれる第1の繊維61のうち、脚部31Aの他方の側面31Y(紙面裏側)における開口部35から延びる第1の繊維61は、ブッシュ本体51の他方の側面51Yに向けて延びている。そして他方の側面51Yにおける第1の繊維61は、ブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、ブッシュ本体51の一方の側面51Xを経て脚部31Aの一方の平面31Xの基端側に向けて延びている。また、支持部37に含まれる第2の繊維62のうち、脚部31Aの他方の側面31Yにおける開口部35から延びる第2の繊維62は、ブッシュ本体51の一方の側面51Xに向けて延びている。そして一方の側面51Xの第2の繊維は、ブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、他方の側面51Yを経て脚部31Aの一方の平面31Xの基端側に向けて延びている。このように、脚部31Aの他方の側面31Yから延びる第1の繊維61がブッシュ本体51に巻き付けられる方向と脚部31Aの他方の側面31Yから延びる第2の繊維62がブッシュ本体51に巻き付けられる方向とが互いに反対方向となる。よって同じ方向に巻き付ける場合に比べ、過度に繊維が折り曲げられることがなく、また長手方向CDに直交する方向にバランスよく繊維が配置されるため、引っ張られる方向の力に対し、全体としてバランスよく対応することができる。なお、負荷の状況に応じて側面51Yに向けて延びている繊維の量と側面51Xに向けて延びている繊維の量とを異ならせてもよい。
【0075】
また、脚部31Aの一方の側面31Yから延びる第1の繊維61がブッシュ本体51に巻き付けられる方向と、脚部31Aの他方の側面31Yから延びる第1の繊維61がブッシュ本体51に巻き付けられる方向とが互いに反対方向となる。同様に、脚部31Aの一方の側面31Yから延びる第2の繊維62がブッシュ本体51に巻き付けられる方向と脚部31Aの他方の側面31Yから延びる第2の繊維62とがブッシュ本体51に巻き付けられる方向とが互いに反対方向となる。よって同じ方向に巻き付ける場合に比べ、過度に繊維が折り曲げられることがなく、また長手方向CDに直交する方向にバランスよく繊維が配置されるため、引っ張られる方向の力に対し、全体としてバランスよく対応することができる。なお、負荷の状況に応じて側面51Yに向けて延びている繊維の量と側面51Xに向けて延びている繊維の量とを異ならせてもよい。
【0076】
支持部37に含まれる第3の繊維63のうち、脚部31Aの開口部35における両側面31Yに含まれる第3の繊維63は、ブッシュ本体51の両側面51X,51Yに向けて2方向に分かれてブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、脚部31Aの両平面31Xの基端側に向けて延びている。また、支持部37に含まれる第3の繊維63のうち、開口部35の一方の平面31Xに含まれる第3の繊維63は、長手方向CDに沿って延びるとともにブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、他方の平面31Xの基端側に向けて延びている。一方、支持部37に含まれる第3の繊維63のうち、開口部35の他方の平面31Xに含まれる第3の繊維63は、長手方向CDに沿って延びるとともにブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、一方の平面31Xの基端側に向けて延びている。このように、第3の繊維63は、ブッシュ本体51の外周面51Cに対して第1の巻き付け方向(例えば
図8(a)の矢印Y1)で巻き付けられている繊維と、第1の巻き付け方向とは反対方向となる第2の巻き付け方向(例えば
図8(b)の矢印Y2)で巻き付けられている繊維とを含む。よって同じ方向に巻き付ける場合に比べ、過度に繊維が折り曲げられることがなく、また長手方向CDに直交する方向にバランスよく繊維が配置されるため、引っ張られる方向の力に対し、全体としてバランスよく対応することができる。なお、負荷の状況に応じて第1の巻き付け方向の繊維の量と第2の巻き付け方向繊維の量とを異ならせてもよい。なお、支持部37に含まれる各繊維61〜63においてブッシュ50に巻き付けられた後、脚部31Aの基端側に延びる端部を「巻き終わりの端部」と称する場合がある。
【0077】
図8(a)に示されるように、支持部37に含まれる各繊維61〜63がブッシュ本体51の外周面51Cにおいて矢印Y1の方向で巻き付けられた後、
図8(b)に示されるように、ブッシュ本体51の外周面51Cにおいて矢印Y1とは反対方向である矢印Y2の方向で巻き付けられている。すなわち、支持部37に含まれる各繊維61〜63は、ブッシュ本体51の外周面51Cにおいて積層した状態で巻き付けられている。
【0078】
また、
図8(c)に示されるように、支持部37に含まれる各繊維61〜63のそれぞれのブッシュ50の巻き終わりの端部は、開口部35を構成する各繊維61〜63の外側に位置している。なお、
図8(c)では支持部37に含まれる第3の繊維63の巻き終わりの端部のみが長手方向CDに延びているが、支持部37に含まれる第1の繊維61の巻き終わりの端部および第2の繊維62の巻き終わりの端部も同様に長手方向CDに延びている。
【0079】
このような各繊維61〜63の巻き終わりの端部には、
図6に示されるように、外側から補強部材70が設けられている。このため、補強部材70は、支持部37によるブッシュ50の固定を補強している。補強部材70は、繊維60と同様の繊維71を含む。繊維71は、長手方向CDと直交する方向において脚部31Aに複数回にわたり巻き付けられている。繊維71は、脚部31Aに整列巻されている。なお、繊維71は繊維60と異なる材質や構成であってもよい。
【0080】
図6および
図9に示されるように、繊維71は、長手方向CDにおいて、リンク本体部30の開口部35とブッシュ50の挿入凸部52とが重なる部分から各繊維61〜63の巻き終わりの端部の先端までの範囲にわたり脚部31Aに巻き付けられている。繊維71は、支持部37に含まれる各繊維61〜63よりも外側、すなわち最外層となるように脚部31Aに巻き付けられている。これにより、補強部材70は、支持部37の端部を固定している。このため、各繊維61〜63の巻き終わりの端部の先端から剥離する可能性が抑えられ、その結果、必要な強度を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
【0081】
このようなリアクションリンク20の製造方法について
図10を用いて説明する。ここでは、特にリンク本体部30とブッシュ50との固定方法について詳細に説明する。なお、
図10を用いる以下の説明において、符号が付されたリアクションリンク20の各構成要素は、
図3〜
図9のリアクションリンク20の各構成要素を示す。
【0082】
この製造方法では、リンク製造工程(ステップS10)およびヘッド取り付け工程(ステップS20)を含む。リンク製造工程は、樹脂含浸工程(ステップS11)、巻き付け工程(ステップS12)、ブッシュ仮固定工程(ステップS13)、および、ブッシュ本固定工程(ステップS14)をさらに含む。なお、樹脂含浸工程、巻き付け工程、ブッシュ仮固定工程、および、ブッシュ本固定工程は、力伝達部材の固定方法における樹脂含浸工程、巻き付け工程、仮固定工程、および、本固定工程にそれぞれ相当する。
【0083】
まず、樹脂含浸工程においては、含浸液として熱硬化性樹脂(例えば不飽和ポリエステル)が貯留された含浸液槽が用意される。そして、各繊維61〜63を芯材36に巻き付けるための巻き付け機(図示略)から延びる各繊維61〜63が含浸液槽に含浸される。なお、樹脂含浸工程においては、不飽和ポリエステルに代えて、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂を用いてもよい。さらに熱硬化型樹脂に代えて、例えば紫外線硬化型樹脂、光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂(例えばメチルメタアクリレート)等を用いてもよい。
【0084】
次に、巻き付け工程においては、予め芯材36とブッシュ50とがボルトBにより接続されたユニットが用意される。そして、樹脂含浸工程において熱硬化型樹脂が含浸された各繊維61〜63が巻き付け機により編み込みされながらユニットに巻き付けられる。例えば、各繊維61〜63は、脚部31Aの開口部35から脚部31Bの開口部35に向けて芯材36およびブッシュ50の挿入凸部52に巻き付けられる。また、編み込まれた各繊維61〜63が2層となるように各繊維61〜63が芯材36および挿入凸部52に巻き付けられる。このとき、支持部37に含まれる各繊維61〜63は、脚部31A,31Bの開口部35のそれぞれから延びた状態となる。すなわち、巻き付け工程においては、リンク本体部30の一部として、支持部37以外のリンク本体部30が形成される。
【0085】
次に、ブッシュ仮固定工程においては、脚部31A,31Bの開口部35のそれぞれから延びた各繊維61〜63がブッシュ50の周方向においてブッシュ50を取り囲むようにブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられる。詳細には、
図8(a)および(b)に示されるように、脚部31Aの開口部35から延びた各繊維61〜63がブッシュ50の径方向に積層するように順に巻き付けられる。このため、支持部37に含まれる各繊維61〜63の全部がブッシュ50に巻き付けられる。各繊維61〜63の巻き終わりの端部は、脚部31Aの開口部35における両平面31Xに沿って脚部31Aの基端側に向けて延びるように配置される。なお、脚部31Bの開口部35から延びた各繊維61〜63についても同様にブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられ、脚部31Bの両平面31Xに沿ってリンク本体部30の基端側に向けて延びるように配置される。これにより、支持部37が形成される。
【0086】
そして、巻き付け機により、補強部材70の繊維71が脚部31Aにおける開口部35の開口端部から各繊維61〜63の巻き終わりの端部の先端までの範囲にわたり外側から巻き付けられる。繊維71は、巻き付け機から含浸液槽に含浸された後、リンク本体部30に巻き付けられる。なお、脚部31Bについても同様に繊維71が巻き付けられる。本実施形態においては、繊維60と繊維71とは同じ材質および構造であるため、リンク本体部30を製造する製造機と同じ製造機で補強部材70を製造することができる。
【0087】
次に、ブッシュ本固定工程においては、ブッシュ仮固定工程において製造されたリンク本体部を加熱する。これにより、各繊維61〜63に含浸された樹脂が硬化し、リンク本体部30が完成する。なお、樹脂含浸工程において、熱硬化型樹脂に代えて、例えば紫外線硬化型樹脂が用いられた場合、ブッシュ本固定工程において、リンク本体部に紫外線を照射することにより、各繊維61〜63に含浸された樹脂を硬化させる。
【0088】
また、巻き付け工程およびブッシュ仮固定工程において、各繊維61〜63が芯材36に巻き付けられ、繊維71が脚部31A,31Bに巻き付けられた後に、樹脂含浸工程において各繊維61〜63,71が含浸液槽に含浸されてもよい。また、樹脂含浸工程は、液槽に各繊維61〜63を漬け込む方法以外にも、各繊維61〜63に熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、光硬化型樹脂、熱可塑性樹脂等の樹脂を吹き付けてもよい。また、芯材36とブッシュ50とがボルトBにより接続されたユニットは、樹脂含浸工程よりも前に用意されてもよい。
【0089】
最後に、ヘッド取り付け工程においては、ヘッド部40がリンク本体部30に取り付けられる。詳細には、
図3に示されるように、第1のヘッド本体41および第2のヘッド本体42がリンク本体部30の直線部33において互いに組み付けられる。そして各ヘッド本体41,42が互いに組み付けられることにより形成された取付孔43に楔45が圧入され、各ヘッド本体41,42の外周部分に繊維46が巻き付けられる。
【0090】
図2および
図11を参照して、リアクションリンク20の作用について説明する。なお、脚部31Bにおけるリアクションリンク20の作用は、脚部31Aにおけるリアクションリンク20の作用と同様であるため、その説明を省略する。また、
図11では、説明の便宜上、各繊維61〜63を簡略化して示している。また
図11(a)では、第3の繊維63のみを示し、
図11(b)では、第1の繊維61および第2の繊維62のみを示している。
【0091】
図2に示されるように、アクチュエータ10が駆動して動翼101を動作させたときの反力がアクチュエータ10に加えられたとき、アクチュエータ10とリアクションリンク20とを連結する軸13Aを介してブッシュ50には、引張荷重、圧縮荷重、または、ねじり荷重が加えられる。ここで、ブッシュ50に加えられる引張荷重は、
図11(a)および
図11(b)の白抜き矢印により示されるように、ブッシュ50が脚部31Aの先端部から離間する方向の荷重である。またブッシュ50に加えられる圧縮荷重は、
図11(c)の白抜き矢印により示されるように、ブッシュ50が脚部31A側に押される方向の荷重である。またブッシュ50に加えられるねじり荷重は、
図11(c)の網掛け矢印により示されるように、軸13Aとブッシュ50との摩擦力等に起因して、軸13Aを中心としたねじり方向の荷重や長手方向CDを回転軸としたねじり荷重である。
【0092】
図11(b)に示されるように、支持部37に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62は、脚部31Aの開口部35から途切れることなく、ブッシュ本体51に巻き付けられている。すなわち、支持部37に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62は連続している。このため、
図11(a)および(b)の白抜き矢印により示されるように、ブッシュ50に引張荷重が加えられたとき、支持部37に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62のうちのブッシュ本体51に巻き付けられた部分に加えられた力は、脚部31Aを構成する第1の繊維61および第2の繊維62の全てにより受けられる。なお、
図11(b)では図示しないが、第3の繊維63についても同様である。このため、脚部31Aは、ブッシュ50を支持することができる。ここで、ブッシュ50を支持するとは、ブッシュ50を介して脚部31Aの各繊維61〜63に力がかかる方向に対抗する力を各繊維61〜63が発生可能な状態でブッシュ50を保持することをいう。各繊維61〜63に力がかかる方向とは、力がかかる各繊維61〜63の方向ベクトルの総和のベクトルの方向に相当する。
【0093】
具体的には、
図11(a)の白抜き矢印により示されるように、ブッシュ50に引張荷重が加えられたとき、すなわち支持部37に含まれる各繊維61〜63のうちのブッシュ本体51に巻き付けられた部分が白抜き矢印の方向に引っ張られたとき、各繊維61〜63の巻き終わりの端部は、各繊維61〜63の方向(長手方向CD)に引っ張られるような力を受ける。このため、各繊維61〜63には、この力に対抗するように太線により示される矢印の方向に抗力が働く。加えて、支持部37に含まれる各繊維61〜63のうちのブッシュ本体51に巻き付けられる前の部分(以下、「巻き始めの端部」)も各繊維61〜63の巻き終わりの端部と同様に長手方向CDに延びているため、同様に各繊維61〜63が太線により示される矢印の方向に抗力が働く。特に、第3の繊維63は、リンク本体部30の平面において長手方向CDに沿って延びた状態でブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられるため、第3の繊維63の延びる方向に効率よく引張荷重が加えられやすくなる。したがって、第3の繊維63によりブッシュ50を効率よく強固に支持することができる。
【0094】
図11(c)の白抜き矢印により示されるように、ブッシュ50に圧縮荷重が加えられたとき、リンク本体部30を構成する第1の繊維61および第2の繊維62が力を受ける。加えて、
図11(c)に示すとおり、リンク本体部30の開口部35の内面35Yと、ブッシュ50の挿入凸部52の側面52Yとが面接触することにより、内面35Yが力を受ける。なお、
図11(c)には図示していないが、開口部35の内面35Xと、挿入凸部52の平面52Xとが面接触することにより、内面35Xが力を受ける。また、補強部材70により開口部35の内面35X,35Yと、挿入凸部52の平面52Xおよび側面52Yとの接触面の圧力が大きいため、開口部35に対して挿入凸部52が脚部31Aの基端側に移動しにくい。なお、面接触しているので応力集中が起きにくく、点接触や線接触している場合に比べて過度に強度を上げる必要がないため、ブッシュ支持構造BSに必要な強度を保持しながら軽量化することができる。
【0095】
また
図11(c)の網掛け矢印により示されるように、ブッシュ50にねじり荷重が加えられたとき、ブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられた各繊維61〜63(
図11(c)では第3の繊維63は図示略)を介してリンク本体部30(脚部31A)に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62に力が加えられる。このとき、リンク本体部30(脚部31A)に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62がその第1の方向D1および第2の方向D2にそれぞれ引っ張られる。このため、リンク本体部30(脚部31A)に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62がブッシュ50に加えられたねじり荷重を受ける。このため、脚部31A,31Bは、ブッシュ50に加えられたねじり荷重に対して、ブッシュ50を支持することができる。
【0096】
本実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)第1の繊維61および第2の繊維62は互いに編み込まれている。このため、第1の繊維61および第2の繊維62が編み込まれていない構成、すなわち第1の繊維61および第2の繊維62の一方の上層に第1の繊維61および第2の繊維62の他方が形成される構成と比較して、第1の繊維61と第2の繊維62との間に働く摩擦力等が各繊維61,62間の結合力を高める。このため、リンク本体部30の強度が高められる。加えて、第3の繊維63も第1の繊維61および第2の繊維62に編み込まれているため、リンク本体部30の強度が一層高められる。
【0097】
(2)第3の繊維63は、ブッシュ本体51の外周面51Cに対して第1の巻き付け方向(例えば
図8(a)の矢印Y1)で巻き付けられている繊維と、第1の巻き付け方向とは反対方向となる第2の巻き付け方向(例えば
図8(b)の矢印Y2)で巻き付けられている繊維とを含む。このため、第3の繊維63がブッシュ50の周方向の一方向に巻き付けられる場合に比べ、支持部37に含まれる第3の繊維63においてブッシュ50に巻き始められる部分が折り曲げられたり、ねじれたりすることがないため、引張荷重を長手方向CDにバランスよく支持することができる。
【0098】
(3)リンク本体部30に含まれる各繊維61〜63の全てがブッシュ50に巻き付けられていることにより、リンク本体部30とブッシュ50との間に生じる引張荷重を全ての繊維61〜63で受ける。このため、より少ない繊維でブッシュ50をより強固に支持することができるので、さらに効果的にブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しつつ軽量化することができる。
【0099】
(4)リンク本体部30は、各繊維61〜63が編み込まれた層が積層されて構成されるため、リンク本体部30が単層で構成された場合と比較して、リンク本体部30の強度が高くなる。
【0100】
(5)脚部31A,31Bの側面31Yにおいて開口部35から延びる第1の繊維61および第2の繊維62は、互いに反対方向に向けてブッシュ50に巻き付けられることにより、第1の繊維61および第2の繊維62の少なくとも一方が過度に折り曲げられたり、ねじられたりすることがないため、引張荷重を長手方向CDにバランスよく支持することができる。
【0101】
(6)脚部31A,31Bの側面31Yにおいて開口部35から延びる第3の繊維63は、2方向に分かれて互いに反対方向に向けてブッシュ50に巻き付けられる。このため、脚部31A,31Bの側面31Yにおいて開口部35から延びる第3の繊維63が一方向でブッシュ50に巻き付けられる場合に比べ、第3の繊維63が過度に折り曲げられたり、ねじられたりすることがない。したがって、引張荷重を長手方向CDにバランスよく支持することができる。
【0102】
(7)支持部37に含まれる各繊維61〜63がブッシュ50のブッシュ本体51の外周面51Cに積層された状態で巻き付けられるため、各繊維61〜63がブッシュ本体51の外周面51Cに積層されない状態で巻き付けられた場合に比べ、ブッシュ50の外周面51Cの面積が大きくなることが抑制される。したがって、ブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しつつ軽量化することができる。
【0103】
(8)ブッシュ50の挿入凸部52は、先端に向けて先細りとなるテーパー52A,52Bを有する。このため、ブッシュ50に圧縮荷重が加えられたとき、テーパー52A,52Bが脚部31A,31Bの開口部35に接触することにより、リンク本体部30がブッシュ50を支持することができる。
【0104】
(9)各脚部31A,31Bの開口部35は、先端に向けて開口面積が大きくなるテーパー35A,35Bを有する。このため、ブッシュ50に圧縮荷重が加えられたとき、テーパー35A,35Bがブッシュ50の挿入凸部52に接触することにより、リンク本体部30がブッシュ50を支持することができる。加えて、挿入凸部52のテーパー52Aと開口部35のテーパー35Aとが面接触し、挿入凸部52のテーパー52Bと開口部35のテーパー35Bとが面接触する。したがって、リンク本体部30がブッシュ50をより強固に支持することができる。
【0105】
(10)リアクションリンク20は、支持部37によるブッシュ50の固定を補強する補強部材70を備える。このため、支持部37とブッシュ50とをより強固に固定することができる。
【0106】
(11)補強部材70は、ブッシュ50の挿入凸部52と開口部35とが重なる部分に設けられるため、開口部35が挿入凸部52に押し付けられる。このため、ブッシュ50に圧縮荷重が加えられたとき、ブッシュ50がリンク本体部30に対して移動しにくくなる。
【0107】
(12)補強部材70は、支持部37に含まれる各繊維61〜63の巻き終わりの端部を固定するため、各繊維61〜63の巻き終わりの端部が各脚部31A,31Bから剥がれることを抑制することができる。
【0108】
(13)補強部材70は、ブッシュ50の挿入凸部52と開口部35とが重なる部分において支持部37に含まれる各繊維61〜63の巻き終わりの端部の外側に位置する。このため、ブッシュ50に圧縮荷重が加えられたとき、開口部35が広がるのを補強部材70が阻止することができる。その結果、リンク本体部30とブッシュ50とを強固に支持することができ、ブッシュ支持構造BSの大型化を抑制することができる。
【0109】
(14)補強部材70は、繊維71により構成されているため、リンク本体部30を製造する巻き付け機と同じ巻き付け機で補強部材70を製造することができる。このため、ブッシュ支持構造BSを製造しやすい。
【0110】
(15)繊維71は、整列巻されているため、支持部37を含む脚部31Aの開口部35が過度に膨らむことが抑制される。このため、ブッシュ支持構造BSの大型化を抑制することができる。
【0111】
(16)ブッシュ50のブッシュ本体51には一対のリブ51Bが設けられているため、支持部37に含まれる各繊維61〜63がブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられるとき、各繊維61〜63の軸方向J1の移動がリブ51Bにより規制される。このため、各繊維61〜63がブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けられるときに各繊維61〜63が外周面51Cから外れることが抑制される。このため、各繊維61〜63をブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付けやすくなる。
【0112】
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明に従う力伝達部材の支持構造、航空機用リアクションリンク、動翼駆動装置、力伝達部材の取付方法、および、航空機用リアクションリンクの製造方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う力伝達部材の支持構造、航空機用リアクションリンク、動翼駆動装置、力伝達部材の取付方法、および、航空機用リアクションリンクの製造方法は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。なお、
図12では、説明の便宜上、第3の繊維63のみを図示し、第1の繊維61および第2の繊維62を図示していない。
【0113】
(変形例1)
上記実施形態において、脚部31Aの開口部35から延びる各繊維61〜63は、各繊維61〜63のうちの任意の2つの繊維の全てをブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付け、残りの1つ繊維の一部または全部を開口部35の先端において切断して、その一部または全部を外周面51Cに巻き付けないことにより支持部37を構成してもよい。また、任意の1つの繊維の全てをブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付け、残りの2つ繊維の一部または全部を開口部35の先端において切断して、その一部または全部を外周面51Cに巻き付けないことにより支持部37を構成してもよい。
リンク本体部30に必要な強度がブッシュ本体51を支持するための強度よりも大きい場合、各繊維61〜63の一部または全部を切断して繊維の重量を減らすことにより、ブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しつつ、更なる軽量化を図ることができる。
また、各繊維61〜63の一部または全部がブッシュ本体51に巻き付けられないことにより、各繊維61〜63の全てがブッシュ本体51に巻き付けられる構成と比較して、生産時間が短くなり、ブッシュ支持構造BSの生産性を高めることができる。なお、ブッシュ本体51に巻き付ける繊維が少なくなるにつれて、ブッシュ支持構造BSの生産性は高くなる。
また、脚部31Bの開口部35から延びる各繊維61〜63についても同様に変更することができ、同様の効果が得られる。
【0114】
(変形例2)
上記実施形態において、支持部37に含まれる各繊維61〜63は、次の(a)〜(c)のようにブッシュ本体51の外周面51Cに巻き付ける方法を変更してもよい。このようにすることで巻き付け作業を一度に行うことができ、二方向から巻き付ける場合に比べ製造設備や製造の手間が簡素になる。
(a)支持部37に含まれる各繊維61〜63のうちの第1の繊維61および第2の繊維62がブッシュ本体51の外周面51Cの周方向の一方向からのみ巻き付けられる。
(b)支持部37に含まれる各繊維61〜63のうちの第3の繊維63がブッシュ本体51の外周面51Cの周方向の一方向からのみ巻き付けられる。
(c)支持部37に含まれる各繊維61〜63の全てがブッシュ本体51の外周面51Cの周方向の一方向からのみ巻き付けられる。
【0115】
(変形例3)
上記実施形態において、長手方向CDに対する第1の方向D1および第2の方向D2の成す角度(鋭角)である繊維の角度は、例えば次の(a)および(b)のように変更してもよい。
(a)
図13に示されるように、リンク本体部30において支持部37に近い部分である開口部35における繊維の角度が、リンク本体部30の開口部35よりも支持部37から遠い部分における繊維の角度よりも小さい。
この構成によれば、支持部37に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62がブッシュ本体51に巻き付けられる際に、第1の繊維61および第2の繊維62が急激に折り曲げられたり、ねじれたりすることが抑制される。したがって、引張荷重によるリンク本体部30の変形が抑えられ、第1の繊維61および第2の繊維62によりブッシュ50をより強固に支持することができる。同時に第1の繊維61および第2の繊維62はより効率的に引張荷重を受けることができる。
(b)
図14に示されるように、リンク本体部30の支持部37に向かうにつれて繊維の角度が小さくなる。
この構成によれば、支持部37に含まれる第1の繊維61および第2の繊維62がブッシュ本体51に巻き付けられる際に、第1の繊維61および第2の繊維62が非連続的に変化する場合に比べ、リンク本体部30を製造しやすい。特にリンク本体部30に近い部分において急激に繊維の角度を小さくさせる場合に比べ、第1の繊維61および第2の繊維62が急激に折り曲げられたり、ねじれたりすることが抑制される。
【0116】
(変形例4)
上記実施形態において、第3の繊維63は、次の(a)および(b)のように変更してもよい。また上記実施形態において、第3の繊維63を省略してもよい。
(a)第3の繊維63は、脚部31A,31Bの4つの側面のうち1面以上かつ3面以下において配置されていない。
(b)長手方向CDと平行でない方向に第3の繊維63が延びていてもよい。例えば、第3の繊維63は、長手方向CDと交差してもよい。
【0117】
(変形例5)
上記実施形態において、補強部材70の繊維71は、例えば次の(a)〜(h)のように脚部31Aに巻き付けられてもよい。なお、脚部31Bに取り付けられる補強部材70についても同様に変更できる。
(a)
図15に示されるように、繊維71は、脚部31Aの開口部35のテーパー35A,35Bよりも基端側に延びる各繊維61〜63の巻き終わりの端部のみを巻き付ける。このようにすることで、ブッシュ本体51に引張荷重が働いてもこれによって生じるせん断力により各繊維61〜63の巻き終わりの端部が剥離するのを防止しつつ、重量をより軽くすることができる。
(b)
図16に示されるように、繊維71は、脚部31Aの開口部35のテーパー35A,35Bの部分のみを巻き付ける。このようにすることで、ブッシュ本体51が開口部35に押し込まれるように圧縮荷重が働いても、開口部35が拡大しようとして各繊維61〜63間が剥離してしまうのを有効に防止することができる。よって圧縮荷重に対してブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しながら、軽量化を図ることができる。
(c)
図17に示されるように、繊維71は、脚部31Aの開口部35のテーパー35A,35Bよりも基端側に延びる各繊維61〜63の巻き終わりの端部と、脚部31Aの開口部35のテーパー35A,35Bの先端側とのそれぞれを巻き付ける。このように、繊維71は、脚部31Aにおいて間隔を置いて複数設けてもよい。このようにすることで、ブッシュ本体51に引張荷重が働いてもこれによって生じるせん断力により各繊維61〜63の巻き終わりの端部が剥離するのを防止しつつ、重量をより軽くすることができる。さらにブッシュ本体51が開口部35に押し込まれるように圧縮荷重が働いても、開口部35が拡大しようとして各繊維61〜63間が剥離してしまうのを有効に防止することができる。よって圧縮荷重に対してブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しながら、軽量化を図ることができる。
さらに間隔を置いて複数設けることで、全面に設ける場合に比べ、ブッシュ支持構造BSに必要な強度を確保しながら、より軽量化を図ることができる。
(d)繊維71は、各繊維61〜63の巻き終わりの端部よりも脚部31Aの基端側にわたり脚部31Aに巻き付けられる。
(e)繊維71は、脚部31Aにおける開口部35のテーパー35A,35Bの先端側の一部のみに巻き付けられていても、基端側の一部のみに巻き付けられていてもよい。
(f)繊維71は、脚部31A,31Bが延びる方向と平行および直交しない方向に延びるように脚部31A,31Bに巻き付けられる。
(g)繊維71は、第1の繊維61および第2の繊維62のような複数の紐状繊維が互いに編み込まれて脚部31A,31Bに巻き付けられる。
(h)繊維71は、脚部31A,31Bに積層して巻き付けられる。このように構成することで圧縮荷重に対してブッシュ支持構造BSの強度を高めることができる。
【0118】
(変形例6)
上記実施形態において、補強部材70として、繊維71に代えて、接着剤、熱収縮チューブ、テープ、または複数分割された環状部材が用いられてもよい。
【0119】
(変形例7)
上記実施形態において、補強部材70を省略してもよい。この場合、支持部37に含まれる各繊維61〜63の巻き終わりの端部は、例えば脚部31A,31Bの開口部35の両側面31Yに含まれる各繊維61〜63に再び編み込まれる。
【0120】
(変形例8)
上記実施形態において、巻き付け工程において各繊維61〜63により形成されたリンク本体部30に対して、各繊維61〜63により形成される編み込みの隙間を拡大し、その拡大した隙間にブッシュ50を挿入し、ブッシュ本固定工程において、各繊維61〜63に含浸された樹脂を硬化してもよい。これにより、リンク本体部30の先端部においてブッシュ50が固定される。この場合、リンク本体部30の脚部31A,31Bから開口部35が省略され、ブッシュ50から挿入凸部52が省略される。またブッシュ本体51からリブ51Bを省略してもよい。このように、各繊維61〜63がブッシュ50を巻き付ける構成以外の構成であってもよい。
【0121】
(変形例9)
上記実施形態において、ブッシュ50が芯材36の長手方向CDの端部に対して長手方向CDにおいて間隔を置いて複数配置されてもよい。この場合、ブッシュ50は、支持部37により脚部31A,31Bに支持される。
【0122】
(変形例10)
上記実施形態において、繊維60が芯材36に巻き付けられた後、脚部31A,31Bの開口部35にブッシュ50の挿入凸部52を挿入することにより芯材36とブッシュ50とを接続してもよい。
【0123】
(変形例11)
上記実施形態において、リアクションリンク20は、動翼101またはアクチュエータ10と間接的に接続されてもよい。この場合、例えば、リアクションリンク20のヘッド部40には、軸受孔42Aおよび軸受44に代えて、ねじ部または穴等の接続部が設けられる。この接続部には、動翼101と連結するためのリンクが接続される。また、リンク本体部30が直線状またはJ字状の場合、リンク本体部30の一方の端部に、ブッシュ50が接続され、他方の端部に、ねじ部または穴等の接続部が設けられる。この接続部には、動翼101またはアクチュエータ10と連結するためのリンクが接続される。
【0124】
(変形例12)
上記実施形態において、ブッシュ50以外の力伝達部材を用いてもよい。力伝達部材は、例えば軸やボルトであってもよい。要するに、力伝達部材は、リンク本体部30等の構造部材に力を伝達する部材であれば、ブッシュ50以外のものであってもよい。また力伝達部材は、金属材料に限られず、セラミック材料、CFRP等の繊維強化プラスチック、または、樹脂材料であってもよい。要するに、力伝達部材は、構造部材に力を伝達可能であれば、材料は限定されない。
【0125】
(変形例13)
上記実施形態では、支持部37に含まれる各繊維61〜63がブッシュ50に巻き付けられることによりブッシュ50を支持するブッシュ支持構造BSを航空機用リアクションリンクに適用した例を説明したが、力伝達部材の支持構造は、航空機用リアクションリンク以外にも適用することができる。
例えば、
図18に示されるように、力伝達部材の支持構造は、繊維強化プラスチックからなる構造部材110に力伝達部材としてのブッシュ120を支持させる構造である。構造部材110を構成する繊維111は、連続した状態でブッシュ120を支持している。なお、
図18に示される力伝達部材の一例としてブッシュ120を用いたが、上記変形例13のように力伝達部材はブッシュ120に限定されない。例えば力伝達部材としてベアリングのように穴を持つものの他、穴の代わりに軸があるものでもよく、また穴や軸は円形断面だけでなく、矩形断面や多角形の断面をもつものであってもよい。また繊維111は、上記実施形態の各繊維61〜63のような互いに編み込まれたものであってもよい。
課題を解決するための手段、発明を実施するための形態、および図面には、次の技術が開示される。
[付記1]
繊維強化プラスチックからなる構造体である構造部材に、力を伝達する力伝達部材を支持させる構造であって、前記繊維強化プラスチックを構成する連続した繊維が、前記力に対抗して前記力伝達部材を支持する力伝達部材の支持構造。
[付記2]
前記力伝達部材を支持する繊維は、前記力伝達部材の周囲に巻き付けられている、付記1に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記3]
前記構造部材に含まれる繊維は、第1の方向に延びる第1の繊維と前記第1の方向とは異なる方向である第2の方向に延びる第2の繊維とを有し、前記第1の繊維および前記第2の繊維は、互いに編み込まれている、付記1または2に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記4]
前記構造部材において前記力伝達部材に近い部分における前記構造部材の長手方向に対する前記第1の方向および前記第2の方向により規定される繊維の角度は、前記構造部材において前記力伝達部材から遠い部分における前記繊維の角度よりも小さい、付記3に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記5]
前記構造部材における前記繊維の角度は、前記力伝達部材に向かうにつれて連続的に小さくなる、付記4に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記6]
前記第1の繊維および第2の繊維は、前記力伝達部材の周囲に巻き付けられ、前記第1の繊維が前記力伝達部材に巻き付けられる方向と、前記第2の繊維が前記力伝達部材に巻き付けられる方向とが互いに反対方向である、付記3〜5のいずれか一項に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記7]
前記第1の方向および前記第2の方向は、前記構造部材の長手方向とは異なる方向であり、前記構造部材に含まれる繊維は、前記長手方向に沿って延びて前記力伝達部材に巻き付けられる第3の繊維をさらに含む、付記3〜6のいずれか一項に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記8]
前記第3の繊維は、前記力伝達部材の周囲に第1の巻き付け方向で巻き付けられている繊維と、前記力伝達部材の周囲に前記第1の巻き付け方向とは反対方向となる第2の巻き付け方向で巻き付けられている繊維とを含む、付記7に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記9]
前記第3の繊維のみが前記力伝達部材に巻き付けられている、付記7または8に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記10]
前記力伝達部材に巻き付けられる繊維は、積層されている、付記2〜9のいずれか一項に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記11]
前記構造部材に含まれる繊維の全てが前記力伝達部材に巻き付けられている、付記2〜10のいずれか一項に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記12]
前記構造部材に含まれる繊維の一部のみが前記力伝達部材に巻き付けられている、付記2〜10のいずれか一項に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記13]
前記力伝達部材は、前記構造部材の先端部に形成された開口部に挿入可能な凸部を有し、前記凸部は、その先端に向けて先細りとなるテーパー形状である、付記2〜12のいずれか一項に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記14]
前記構造部材と前記力伝達部材との固定を補強する補強部材は、前記開口部と前記凸部とが重なる部分に設けられる、付記13に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記15]
前記補強部材は、前記繊維強化プラスチックを構成する連続した繊維であって、前記力伝達部材を支持する繊維の外側に巻き付けられている、付記14に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記16]
前記補強部材の繊維は、整列巻されている、付記15に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記17]
前記補強部材は、前記力伝達部材を支持する繊維の端部を固定する、付記15または16に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記18]
前記構造部材の先端部に形成された開口部は、前記開口部の先端に向けて開口面積が拡大するテーパー形状である、付記13に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記19]
前記力伝達部材は、前記繊維が巻き付けられる外周面を有し、前記力伝達部材の前記外周面における軸方向の両端部には、前記力伝達部材の前記外周面から径方向に延びるリブが設けられる、付記2に記載の力伝達部材の支持構造。
[付記20]
航空機の動翼に直接的または間接的に取り付けられ、前記動翼を駆動させるアクチュエータに連結される航空機用リアクションリンクであって、前記アクチュエータを摺動可能に支持する力伝達部材としてのブッシュと、前記ブッシュを支持する構造部材を含むリンク本体部と、を備え、前記リンク本体部により前記ブッシュを支持する支持構造として、付記1〜19のいずれか一項の力伝達部材の支持構造が用いられる、航空機用リアクションリンク。
[付記21]
付記20に記載の航空機用リアクションリンクと、前記アクチュエータと、を備える動翼駆動装置。
[付記22]
力を伝達する力伝達部材を、繊維強化プラスチックからなり、前記力伝達部材を支持する構造部材に取り付ける方法であって、繊維を芯材に巻き付けて前記構造部材を形成する巻き付け工程と、前記繊維が連続した状態で前記力伝達部材の周囲に巻き付ける仮固定工程と、樹脂を前記繊維に含浸させる樹脂含浸工程と、前記繊維に含浸した前記樹脂を硬化させることにより前記構造部材と前記力伝達部材とを固定する本固定工程と、を備える力伝達部材の取付方法。
[付記23]
航空機の動翼に直接的または間接的に取り付けられ、前記動翼を駆動させるアクチュエータに連結される航空機用リアクションリンクの製造方法であって、当該航空機用リアクションリンクは、繊維強化プラスチックにより形成されたリンク本体部と前記リンク本体部に固定されるブッシュとを備え、繊維を芯材に巻き付けて前記リンク本体部の一部を形成する巻き付け工程と、前記繊維が連続した状態で前記ブッシュの周囲に巻き付けるブッシュ仮固定工程と、樹脂を前記繊維に含浸させる樹脂含浸工程と、前記繊維に含浸した前記樹脂を硬化させることにより前記リンク本体部に前記ブッシュを固定するブッシュ本固定工程と、を備える航空機用リアクションリンクの製造方法。