特許第6626707号(P6626707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6626707タイヤFEMモデルの修正する方法、装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626707
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】タイヤFEMモデルの修正する方法、装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20191216BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20191216BHJP
【FI】
   G06F17/50 612J
   B60C19/00 Z
   G06F17/50 680Z
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-246105(P2015-246105)
(22)【出願日】2015年12月17日
(65)【公開番号】特開2017-111652(P2017-111652A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2018年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大段 冬子
【審査官】 堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−056392(JP,A)
【文献】 特開2012−045975(JP,A)
【文献】 特開平07−164815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F17/50
B60C19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤFEMモデルデータをコンピュータが修正する方法であって、
前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定されている異方性要素群を有し、前記異方性要素群に属する要素は、前記節点の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されており、
前記異方性要素群に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素を特定するステップと、
タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道を始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸をS座標とし、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸をT座標とした場合に、前記特定した両端の要素のうち1番要素を、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定するステップと、
前記異方性要素群を構成する全ての要素について、前記1番要素から他端である終端要素まで順に、各4つの節点の定義順序が同一になるように修正するステップと、
を含む、タイヤFEMモデルデータを修正する方法。
【請求項2】
ビードコアの中心のS座標を特定するステップと、
前記異方性要素群の両端要素のS座標が前記ビードコアの中心のS座標よりも小さく、且つ、前記異方性要素群を構成するいずれかの要素に、前記ビードコアの中心のS座標よりも大きいS座標が存在するという条件に合致する場合には、前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていると判定し、前記条件に合致しない場合には前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていないと判定するステップと、
を含み、
前記1番要素を特定するステップは、前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていると判定された場合に、T座標が小さい方が1番要素であると特定し、前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていないと判定された場合に、S座標が小さい方が1番要素であると特定する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タイヤFEMモデルデータは、1列に配置された前記異方性要素群を複数有し、
1番要素から終端要素まで修正が完了し、前記終端要素の隣接要素が他の異方性要素群に属する場合には、前記隣接要素を1番要素として当該他の異方性要素群について節点の定義順序を修正するステップを含み、前記他の異方性要素群の修正は、前記終端要素の隣接要素が他の異方性要素群に属さなくなるまで繰り返し実行される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
タイヤFEMモデルデータを修正する装置であって、
前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定される異方性要素群を有し、前記異方性要素群に属する要素は、前記節点の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されており、
前記異方性要素群に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素を特定する両端要素特定部と、
タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道を始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸をS座標とし、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸をT座標とした場合に、前記特定した両端の要素のうち1番要素を、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定する1番要素特定部と、
前記異方性要素群を構成する全ての要素について、前記1番要素から他端である終端要素まで順に、各4つの節点の定義順序が同一になるように修正する修正部と、
を備える、タイヤFEMモデルデータを修正する装置。
【請求項5】
ビードコアの中心のS座標を特定するビードコア中心特定部と、
前記異方性要素群の両端要素のS座標が前記ビードコアの中心のS座標よりも小さく、且つ、前記異方性要素群を構成するいずれかの要素に、前記ビードコアの中心のS座標よりも大きいS座標が存在するという条件に合致する場合には、前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていると判定し、前記条件に合致しない場合には前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていないと判定する巻き上げ判定部と、
を備え、
前記1番要素特定部は、前記巻き上げ判定部によって前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていると判定された場合に、T座標が小さい方が1番要素であると特定し、前記異方性要素群がビードコアに巻き上げられていないと判定された場合に、S座標が小さい方が1番要素であると特定する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記タイヤFEMモデルデータは、1列に配置された前記異方性要素群を複数有し、
前記修正部は、1番要素から終端要素まで修正が完了し、前記終端要素の隣接要素が他の異方性要素群に属する場合には、前記隣接要素を1番要素として当該他の異方性要素群について節点の定義順序を修正し、前記他の異方性要素群の修正を、前記終端要素の隣接要素が他の異方性要素群に属さなくなるまで繰り返し実行する、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
タイヤFEMモデルデータをコンピュータが修正する方法であって、
前記タイヤFEMモデルデータは、複数節点で定義される要素を有し、前記節点の定義順序に応じて節点間の面の識別子が定義されており、内圧をかける面、路面と接地し得る接地候補面を形成する接地候補節点、及び、リムと接触し得る接触候補面を形成する接触候補節点の少なくともいずれか境界条件が設定されており、
前記境界条件が設定された要素群を特定するステップと、
前記特定した要素群を構成する全ての要素について、前記境界条件が設定される節点間の面の識別子が境界条件に対応する所定の識別子になるように、節点の定義順序を修正するステップと、
を含む、タイヤFEMモデルデータを修正する方法。
【請求項8】
タイヤFEMモデルデータを修正する装置であって、
前記タイヤFEMモデルデータは、複数節点で定義される要素を有し、前記節点の定義順序に応じて節点間の面の識別子が定義されており、内圧をかける面、路面と接地し得る接地候補面を形成する接地候補節点、及び、リムとの接触し得る接触候補面を形成する接触候補節点の少なくともいずれか境界条件が設定されており、
前記境界条件が設定された要素群を特定する要素群特定部と、
前記要素群特定部が特定した要素群を構成する全ての要素について、前記境界条件が設定される節点間の面の識別子が境界条件に対応する所定の識別子になるように、節点の定義順序を修正する識別子修正部と、
を備える、タイヤFEMモデルデータを修正する装置。
【請求項9】
請求項1〜3、7のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気入りタイヤをFEM(Finite Element Method;有限要素法)解析するために用いる、タイヤFEMモデルの修正する方法、装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤFEMモデルデータは、解析対象となる空気入りタイヤを複数の要素に分割したメッシュモデルであり、要素に対してグループが設定され、グループに対して部材の物理的性質を含むプロパティが設定されている。一つの部材は、1又は複数のグループで構成される。
【0003】
タイヤの主要部品として、ベルト、カーカスプライ、チェーハーなど、繊維をゴムでトッピングした部材がある。このような繊維部材は、特許文献2に示すように、膜要素として定義することができる。しかし、膜要素は厚みがなく面方向のみに力が作用する要素であるので、解析精度が良いとは言えない。
【0004】
解析精度の向上のため、昨今は、特許文献3に示すように、繊維部材を、異方性を有するソリッド要素として定義することが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−56392号公報
【特許文献2】特開2003−94916号公報
【特許文献3】特開2013−23146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
第1の課題として、異方性を有するソリッド要素として定義するにあたり、グループに設定するプロパティとして、向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティを設定する。向きに応じて異なる物性値が定義されるので、繊維部材の全ての要素の面の向き(要素コネクティビティ)が揃っていることが重要になる。節点間の面の向きは、節点の定義順序に応じて設定される。特許文献1では、タイヤモデルを作成する際に、繊維部材の要素の接続性には言及していないが、節点の定義順序を統一することが記載されているようである。
【0007】
要素の接続性を担保するために自動要素生成ロジックが望まれるが、タイヤモデルの部材の形状及びその配置位置が種々異なるため、全てのタイヤモデルに対応する自動要素生成ロジックを提供することが難しい。
【0008】
また、タイヤモデルが一旦作成されたとしても、ユーザがタイヤモデルを手作業で変更する場合がある。この場合、繊維部材について、節点の定義順序を他の要素と同じ順序で定義するということを意識して変更しなければならないが、ユーザが定義を誤って設定してしまうおそれがある。この場合、節点間の面の向きが統一されず、異方性プロパティのために意図しない物理的特性が設定されることになり、結果、解析精度が低下してしまう。
【0009】
第2の課題として、繊維部材を構成する異方性要素群以外に、節点間の面の統一性が求められるものとしては、内圧が加わるタイヤ内面、接地候補面、又は、リムとの接触面を形成する要素群が挙げられる。
【0010】
本開示は、第1の課題及び第2の課題の少なくともいずれかに課題に着目してなされたものであって、その目的は、異方性要素群の接続性を担保可能又は節点間の面の統一性を担保可能なタイヤFEMモデルデータを修正する方法、装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
【0012】
すなわち、本開示のタイヤFEMモデルデータを修正する方法は、
前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定される異方性要素群を有し、前記異方性要素群に属する要素は、前記節点の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されており、
前記異方性要素群に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素を特定するステップと、
タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道を始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸をS座標とし、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸をT座標とした場合に、前記特定した両端の要素のうち1番要素を、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定するステップと、
前記異方性要素群を構成する全ての要素について、前記1番要素から他端である終端要素まで順に、各4つの節点の定義順序が同一になるように修正するステップと、
を含む。
【0013】
本開示のタイヤFEMモデルデータを修正する装置は、
前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定される異方性要素群を有し、前記異方性要素群に属する要素は、前記節点の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されており、
前記異方性要素群に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素を特定する両端要素特定部と、
タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道を始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸をS座標とし、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸をT座標とした場合に、前記特定した両端の要素のうち1番要素を、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定する1番要素特定部と、
前記異方性要素群を構成する全ての要素について、前記1番要素から他端である終端要素まで順に、各4つの節点の定義順序が同一になるように修正する修正部と、
を備える。
【0014】
「1番要素」は、グループを構成する要素群がビード部にて巻き上げられている場合には、タイヤ赤道からビード部へ進み、ビード部で折り返して、タイヤ外表面側をタイヤ赤道まで進む順番で見た場合に、グループ内にて最も上流にある要素を意味し、グループを構成する要素群がビード部にて巻き上げられていない場合には、タイヤ赤道側からビード部側まで進む順番で見た場合に、グループ内にて最も上流にある要素を意味する。
タイヤモデルの部材の形状及びその配置位置が種々異なるため、XYZ座標では全てのタイヤモデルに対応する修正ロジックを提供することが難しいものの、このようにST座標を用いることで、異方性要素群に対してタイヤ内面側から外表面側に向けて節点の定義順序を同一順序となるように修正する自動修正ロジックを提供でき、その結果、異方性要素群の接続性を担保可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1実施形態のタイヤFEMモデルデータを修正する装置を示すブロック図。
図2】タイヤFEMモデルデータの一例を示す図。
図3】異方性プロパティが設定される異方性要素群に関する説明図。
図4】異方性プロパティが設定される異方性要素群に生じる課題に関する説明図。
図5】第1実施形態のモデル修正処理を示すフローチャート。
図6】第2実施形態のタイヤFEMモデルデータを修正する装置を示すブロック図。
図7】タイヤFEMモデルデータに設定される境界条件に関する説明図。
図8】第2実施形態のモデル修正処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、本開示の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
[タイヤFEMモデルデータを修正する装置]
本開示に係る装置1は、既存のタイヤFEMモデルデータを修正する装置である。
具体的に、図1に示すように、装置1は、モデル取得部10と、両端要素特定部11と、1番要素特定部12と、ビードコア中心特定部13と、巻き上げ判定部14と、修正部15と、を有する。これら各部10〜15は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置においてCPUが予め記憶されている図示しない処理ルーチンを実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
【0018】
図1に示すモデル取得部10は、図2に示すようなタイヤFEMモデルデータを取得する。予め作成されたモデルデータをユーザが変更し、保存操作をしたときに、本装置による修正処理をするために、変更後のモデルデータを取得するようにすることが考えられる。勿論、モデル取得部10が所定の手順に従って図面データからFEMモデルを自動生成するようにしてもよい。
【0019】
タイヤFEMモデルのうち修正対象となる要素群は、異方性要素群である。異方性要素群が複数組ある場合には、全ての異方性要素群を順次修正する。図3に示すように、本実施形態では、修正対象は、繊維部材を表す異方性要素群SS1,SS2,SS3,SS4,SS5であり、具体的には、ベルトを表す異方性要素群SS1,カーカスプライを表す異方性要素群SS2,チェーハーを表す異方性要素群SS3,SS4,SS5等が挙げられる。勿論、この3つに限定されるわけではなく、タイヤFEMモデルに応じて異なる。異方性要素となる部材の他の例としては、キャッププライ、エッジプライ、サイドプライ、チッパーなどが挙げられる。タイヤFEMモデルデータは、図2及び図3に示すように、要素に対してグループが設定されており、グループに対してプロパティが設定されている。異方性要素群は、タイヤ子午線断面において、帯状に配置されたもので、具体的には、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一のグループに属する要素群である。異方性要素群のグループには、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定されている。図3の例では、ベルトは、1つのグループ(group#1)で構成され、異方性要素群SS1で表現されている。カーカスプライは、1つのグループ(group#2)で構成され、異方性要素群SS2で表現されている。チェーハーは、複数(本実施形態では3つ)のグループ(group#3,group#4,group#5)で構成され、3組の異方性要素群SS3,SS4,SS5で表現されている。なお、図3の例では、説明の便宜上、チェーハーを複数グループで構成しているが、他の繊維部材を複数グループで構成してもよい。
【0020】
図3に示すように、異方性要素群に属する要素は、4つの節点の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されている。好ましい順番としては、第1節点n1,第2節点n2,第3節点n3,第4節点n4の順に設定される。第1節点n1と第2節点n2の間には面(face#1)が矢印向きに定義されている。第2節点n2と第3節点n3の間には面(face#2)が矢印向きに定義されている。第3節点n3と第4節点n4の間には面(face#3)が矢印向きに定義されている。第4節点n4と第1節点n1の間には面(face#4)が矢印向きに定義されている。例えば、face#1はタイヤ内面側、face#2はビード側、face#3はタイヤ外表面側、face#4はタイヤ赤道側に設定するのが好ましい。但し、タイヤ内面側から連続した要素群で、ビードコアで巻き上げられている部分はこの限りではない。
【0021】
図1に示す両端要素特定部11は、異方性要素群(例えばSS2)に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素S,Sを特定する。Nは異方性要素群を構成する要素数(同一グループに属する要素数)である。具体的には、異方性要素群SS2を構成する全要素S(i=1〜N)に対して判定を行う。注目要素Sに隣接する4つの隣接要素のグループを参照し、3つの隣接要素のグループが異なるグループである場合には、注目要素Sが両端の要素であると判定する。それ以外の場合は、注目要素Sが両端の要素でないと判定する。
【0022】
図1に示す1番要素特定部12は、両端要素特定部11が特定した両端の要素S,Sのうち1番要素Sを、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定する。本明細書において「1番要素」は、グループを構成する要素群がビード部にて巻き上げられている場合には、タイヤ赤道からビード部へ進み、ビード部で折り返して、タイヤ外表面側をタイヤ赤道まで進む順番で見た場合に、グループ内にて最も上流にある要素を意味し、グループを構成する要素群がビード部にて巻き上げられていない場合には、タイヤ赤道側からビード部側まで進む順番で見た場合に、グループ内にて最も上流にある要素を意味する。図2に示すように、S座標は、タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道CLを始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸である。T座標は、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸である。例えば、タイヤ内面におけるタイヤ赤道CLの部位は、(S,T)=(0,0)で表現できる。
【0023】
1番要素特定部12は、異方性要素群がビードコア2に巻き上げられているかに応じて異なる処理を実行する。そのために、ビードコア中心特定部13及び巻き上げ判定部14が設けられている。
【0024】
図1に示すビードコア中心特定部13は、ビードコア2の中心2cのS座標を特定する。ビードコア2は四角形、六角形などの多角形、円形又は楕円形などの特徴を有する。部材形状の特徴によってビードコア2を特定する。また、タイヤサイズに関するデータによってもビード部の大まかな位置が分かり、形状特徴によりマッチング可能である。
【0025】
図1に示す巻き上げ判定部14は、異方性要素群がビードコアに巻き上げられているか否かを判定する。具体的には、異様性要素群の両端要素S,SのS座標がビードコア2の中心2cのS座標よりも小さく、且つ、異方性要素群を構成する全要素S(i=1〜N)に、ビードコア2の中心2cのS座標よりも大きいS座標が存在するという条件に合致するかを判定する。条件に合致する場合には、当該異方性要素群がビードコアに巻き上げられていると判定し、条件に合致しない場合には、当該異方性要素群がビードコアに巻き上げられていないと判定する。本実施形態では、要素を構成する第1節点のS座標のみを比較対象にしているが、第1〜4のいずれの節点のS座標を比較対象にしてもよい。
【0026】
1番要素特定部12は、巻き上げ判定部14にて修正対象の異方性要素群がビードコアに巻き上げられていないと判定された場合には、S座標が小さい方が1番要素Sであると特定する。ビードコアに巻き上げられてない場合には、S座標の大小のみで判定できるからである。これは、通常のXYZ座標系では判定が難しい。
【0027】
一方、1番要素特定部12は、巻き上げ判定部14にて修正対象の異方性要素群がビードコアに巻き上げられていると判定された場合には、T座標が小さい方が1番要素であると特定する。ビードコアに巻き上げられている場合には、巻き上げ端のT座標がタイヤ内面よりも必ず大きくなるため、T座標の大小のみで判定できるからである。これは、通常のXYZ座標系では判定が難しい。
【0028】
図1に示す修正部15は、修正対象の異方性要素群を構成する全ての要素S(i=1〜N)について、1番要素Sから他端である終端要素Sまで順に、各々の4つの節点n1,n2,n3,n4の定義順序が同一になるように修正する。このようにすれば、図3に示すように、異方性要素群の要素の節点間の面の向きが揃うことになる。
【0029】
また、図3に示すように、タイヤFEMモデルデータに、1つの繊維部材(図中ではチェーハ)が、複数の異方性要素群SS3,SS4,SS5で表現され、これら異方性要素群SS3,SS4,SS5が1列に連続して配置されている場合がある。このような場合、修正部15は、1番要素Sから終端要素Sまで修正が完了し、終端要素Sの隣接要素が他の異方性要素群に属する場合には、前記隣接要素を1番要素として当該他の異方性要素群について節点の定義順序を修正し、前記他の異方性要素群の修正を、終端要素Sの隣接要素が他の異方性要素群に属さなくなるまで繰り返し実行する。
【0030】
図3の例で説明すると、異方性要素群SS3の1番要素Sから終端要素Sまで修正が完了した場合、異方性要素群SS3の終端要素Sの隣接要素には、他の異方性要素群SS4に属する要素が存在する。よって、これを検知し、検知した隣接要素を1番要素Sとして他の異方性要素群SS4について節点の定義順序を修正する。異方性要素群SS4の1番要素Sから終端要素Sまで修正が完了した場合、異方性要素群SS4の終端要素Sの隣接要素には、他の異方性要素群SS5に属する要素が存在する。よって、これを検知し、検知した隣接要素を1番要素Sとして他の異方性要素群SS5について節点の定義順序を修正する。異方性要素群SS5の1番要素Sから終端要素Sまで修正が完了した場合、異方性要素群SS5の終端要素Sの隣接要素には、他の異方性要素群に属する要素が存在しないので、処理を終了する。隣接方向としては、第2節点と第3節点との間の面(face#2)側というように検知方向を設定しておくことが挙げられる。
【0031】
例えば、モデル取得部10が、S座標が小さい値から大きな値へ、且つ、T座標が小さい値から大きな値へ四角形要素を積み上げるように生成し、節点の定義をS座標が小さい方から大きい方に向けて行うことが考えられる。そうすれば、図4に示すように、ビードコア2への巻き上げ端部分において、面の向きが逆となる場合がある。このように生成されたタイヤFEMモデルデータに対して、上記修正が特に有効である。
【0032】
[タイヤFEMモデルデータを修正する方法]
上記装置1を用いて、タイヤFEMモデルデータを修正する方法を、図5を用いて説明する。カーカスプライを表す異方性要素群SS2を修正する場合について説明する。
【0033】
まず、ステップS100において、モデル取得部10は、修正対象となるタイヤFEMモデルデータを取得する。前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定されている異方性要素群SS2を有する。異方性要素群SS2に属する要素は、節点の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されている。
【0034】
ステップS101〜S109について、異方性要素群毎に実行する。
【0035】
次のステップS101において、両端要素特定部11は、対象の異方性要素群SS2に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素S,Sを特定する。
【0036】
次のステップS102において、ビードコア中心特定部13は、ビードコア2の中心2cのS座標を特定する。
【0037】
次のステップS103において、巻き上げ判定部14は、異方性要素群SS2の両端要素S,SのS座標がビードコア2の中心2cのS座標よりも小さく、且つ、異方性要素群SS2を構成するいずれかの要素に、ビードコア2の中心2cのS座標よりも大きいS座標が存在するという条件に合致する場合には、異方性要素群SS2がビードコアに巻き上げられていると判定し、条件に合致しない場合には異方性要素群SS2がビードコアに巻き上げられていないと判定する。
【0038】
次に、1番要素特定部12は、異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていると判定された場合に(S104:YES)、T座標が小さい方が1番要素Sであると特定する(S105)。一方、1番要素特定部12は、異方性要素群SS2がビードコアに巻き上げられていないと判定された場合に(S104:NO)、S座標が小さい方が1番要素Sであると特定する(S106)。
【0039】
次のステップS107において、修正部15は、修正対象の異方性要素群SS2を構成する全ての要素S(i=1〜N)について、1番要素Sから他端である終端要素Sまで順に、各4つの節点n1,n2,n3,n4の定義順序が同一になるように修正する。注目要素Sについて節点の定義順をチェックし、定義順が所定の順序でなければ修正し、定義順が所定の順序であれば、注目要素Sを次の要素Si+1にすればよい。
【0040】
上記にて処理対象は、異方性要素群SS2であるが、以下は説明の便宜のために異方性要素群SS3であるとする。ステップS107において、異方性要素群SS3の1番要素Sから終端要素Sまで修正が完了すると、次のステップS108において、終端要素Sの隣接要素が他の異方性要素群に属するかを判定する。属する場合(S108:YES)には、当該隣接要素を1番要素として当該他の異方性要素群SS4について節点の定義順序を修正する(ステップS109)。ステップS109にて行う他の異方性要素群SS4,SS5は、終端要素Sの隣接要素が他の異方性要素群に属さなくなるまで(S108:NO)繰り返し実行する。
【0041】
以上のように、本実施形態のタイヤFEMモデルデータを修正する方法は、
前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定されている異方性要素群SS2を有し、異方性要素群SS2に属する要素は、節点n1,n2,n3,n4の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されており、
異方性要素群SS2に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素S,Sを特定するステップ(S101)と、
タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道CLを始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸をS座標とし、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸をT座標とした場合に、特定した両端の要素S,Sのうち1番要素Sを、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定するステップ(S104,S105,S106)と、
異方性要素群SS2を構成する全ての要素S(i=1〜N)について、1番要素Sから他端である終端要素Sまで順に、各4つの節点n1,n2,n3,n4の定義順序が同一になるように修正するステップ(S107)と、
を含む。
【0042】
本実施形態のタイヤFEMモデルデータを修正する装置1は、
前記タイヤFEMモデルデータは、要素に対してグループが設定され、グループに対してプロパティが設定されており、4つの節点で定義される要素が1列に配置され且つ同一グループに属し、節点間の面の向きに応じて物理的性質が異なる異方性プロパティが設定されている異方性要素群SS2を有し、異方性要素群SS2に属する要素は、節点n1,n2,n3,n4の定義順序に応じて節点間の面の向きが設定されており、
異方性要素群SS2に対し、隣接要素のグループに基づき両端の要素S,Sを特定する両端要素特定部11と、
タイヤ子午線断面において、タイヤ赤道CLを始点としてトウまでのタイヤ内面に沿った軸をS座標とし、タイヤ内面を始点としてタイヤ外表面までのタイヤ厚み方向に沿った軸をT座標とした場合に、特定した両端の要素S,Sのうち1番要素Sを、S座標が小さいこと又はT座標が小さいことの少なくともいずれかの条件に基づき特定する1番要素特定部12と、
異方性要素群SS2を構成する全ての要素S(i=1〜N)について、1番要素Sから他端である終端要素Sまで順に、各4つの節点n1,n2,n3,n4の定義順序が同一になるように修正する修正部15と、
を備える。
【0043】
タイヤモデルの部材の形状及びその配置位置が種々異なるため、XYZ座標では全てのタイヤモデルに対応する修正ロジックを提供することが難しいものの、このようにST座標を用いることで、異方性要素群SS2に対してタイヤ内面側から外表面側に向けて節点の定義順序を同一順序となるように修正する自動修正ロジックを提供でき、その結果、異方性要素群の接続性を担保可能となる。
【0044】
本実施形態の方法において、
ビードコア2の中心2cのS座標を特定するステップ(S102)と、
異方性要素群SS2の両端要素S,SのS座標がビードコア2の中心2cのS座標よりも小さく、且つ、異方性要素群SS2を構成するいずれかの要素に、ビードコア2の中心2cのS座標よりも大きいS座標が存在するという条件に合致する場合には、異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていると判定し、条件に合致しない場合には異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていないと判定するステップ(S103)と、
を含み、
1番要素Sを特定するステップ(S104,S105,S106)は、異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていると判定された場合(S104:YES)に、T座標が小さい方が1番要素Sであると特定し(S105)、異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていないと判定された場合(S104:NO)に、S座標が小さい方が1番要素Sであると特定する(S106)。
【0045】
本実施形態の装置において、
ビードコア2の中心2cのS座標を特定するビードコア中心特定部13と、
異方性要素群SS2の両端要素S,SのS座標がビードコア2の中心2cのS座標よりも小さく、且つ、異方性要素群SS2を構成するいずれかの要素に、ビードコア2の中心2cのS座標よりも大きいS座標が存在するという条件に合致する場合には、異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていると判定し、条件に合致しない場合には異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていないと判定する巻き上げ判定部14と、
を備え、
1番要素特定部12は、巻き上げ判定部14によって異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていると判定された場合に、T座標が小さい方が1番要素Sであると特定し、異方性要素群SS2がビードコア2に巻き上げられていないと判定された場合に、S座標が小さい方が1番要素Sであると特定する。
【0046】
特にビードコアへ巻き上げられている部材(チェーハ)は、必ずタイヤ赤道CLを通るとは限らないので処理が難しい。しかし、本実施形態の方法及び装置によれば、ビードコア2への巻き上げの有無を判定し、巻き上げの有無に応じた部材配置パターンの特性を利用しているので、適切な認識が可能となる。例えば、図3に示すチェーハーのように、1番要素Sよりも他端である終端要素SのS座標が小さい場合であっても、適切に1番要素Sを認識できる。
【0047】
本実施形態のプログラムは、上記方法を構成する各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
【0048】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0049】
<第2実施形態>
以下、本開示の第2実施形態を、図面を参照して説明する。第1実施形態と同じ部分は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0050】
[タイヤFEMモデルデータを修正する装置]
本開示に係る装置2は、既存のタイヤFEMモデルデータを修正する装置である。
具体的に、図6に示すように、装置2は、モデル取得部10と、要素群特定部21と、識別子修正部22と、を有する。これら各部10,21,22は、CPU、メモリ、各種インターフェイス等を備えたパソコン等の情報処理装置においてCPUが予め記憶されている図示しない処理ルーチンを実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。
【0051】
モデル取得部10は第1実施形態と同一である。図7に示すように、タイヤFEMモデルデータは、複数節点で定義される要素を有する。節点の定義順序に応じて節点間の面の識別子が定義されている。定義順序で設定される識別子は、第1実施形態と同一である。図7に示すように、タイヤFEMモデルデータには、内圧をかける面(一点鎖線で示す)、路面と接地し得る接地候補面を形成する接地候補節点(矢印で示す)、及び、リムと接触し得る接触候補面を形成する接触候補節点(○印で示す)が境界条件として設定されている。勿論、少なくともいずれかの境界条件が設定されていればよい。内圧がかかる面の識別子は、第1節点と第2節点の間に定義されるface#1とし、接地候補節点間の面の識別子及び接触候補節点間の面の識別子は、第3節点と第4節点の間に定義されるface#3とすることが挙げられる。なお、本実施形態では、識別子は面番号であり、図7の例にも限定されなくてもよい。
【0052】
図6に示す要素群特定部21は、上記境界条件が設定された要素群を特定する。
【0053】
図6に示す識別子修正部22は、要素群特定部21が特定した要素群を構成する全ての要素について、境界条件が設定される節点間の面の識別子が境界条件に対応する所定の識別子になるように、節点の定義順序を修正する。例えば、内圧がかかる面の識別子がface#1となるように、節点の定義順序を修正する。接地候補節点間の面の識別子及び接触候補節点間の面の識別子は、face#3となるように、節点の定義順序を修正する。
【0054】
[タイヤFEMモデルデータを修正する方法]
上記装置2を用いて、タイヤFEMモデルデータを修正する方法を、図8を用いて説明する。まず、ステップS201において、モデル取得部10は、修正対象となるタイヤFEMモデルデータを取得する。ステップS202〜S203について、境界条件毎に実行する。ステップS202において、要素群特定部21は、上記境界条件が設定された要素群を特定する。次のステップS203において、識別子修正部22は、要素群特定部21が特定した要素群を構成する全ての要素について、境界条件が設定される節点間の面の識別子が境界条件に対応する所定の識別子になるように、節点の定義順序を修正する。
【0055】
このようにすれば、内圧が加わるタイヤ内面、接地候補面、又は、リムとの接触候補面の識別子が境界条件に対応する識別子に統一される。このように統一性があると、要素の向きを要素毎に確認することなく、面の識別子でシミュレーション結果の値を取り出せばよく、事後処理が容易となる。特に内圧がかかる面などのタイヤ内面側の面の識別子(face#1)とし、接地又は接触するタイヤ外表面側の面の識別子(face#3)と統一するように修正するので、モデル全体として要素の接続性が統一され、接地分布などの算出結果を取り扱いやすくなる。
【0056】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0057】
11…両端要素特定部
12…1番要素特定部
13…ビードコア中心特定部
14…巻き上げ判定部
15…修正部
21…要素群特定部
22…識別子修正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8