【実施例】
【0090】
(試験手順)
シェル(及びカプセル)の崩壊性を試験する適切な試験手順は次の通りである。米国薬局方(USP)装置のバスケット−ラックの組み合わせは、6個の開放端を有する透明チューブから成り、各チューブは、ディスクを備えている;崩壊媒体:NaClと一緒にpH1.2の疑似胃液で2時間、次いで、KH
2PO
4+NaOHでpH6.8の疑似腸液;試験条件:流体を37℃に保持し;振動周波数は30/min;溶解媒体の容積800ml;試験サンプル数6個。試験用シェル#0に、ラクトース+0.1%B2(インジゴブルー)の混合物(450mg)をプレフィルドする。カプセルをチューブ内に置かき、ディスクをその上に押し付けた(imposed)。バスケットを次いで、疑似胃液内に2時間置き、次いで、疑似腸液内に移した。
【0091】
シェル(及びカプセル)の溶解性についての適切な試験手順は、以下の通りである:米国薬局方(USP)の溶解装置2(パドル)、溶解媒体:0.1NのHClと一緒にpH1.2の疑似胃液で2時間、次いで、Na
3PO
4と一緒にpH6.8の疑似腸液;試験条件:流体を37℃に保持し、球状端を備えた円筒形のパドルベッセル(USP/NF);回転スピードを50rpmにし、溶解液体の容積を750mlとし、サンプル数6とした。試験シェル#0に、アセトアミノフェン(380mg)を充填する。カプセルを次いでベッセル内に置き、それを疑似胃液内に2時間置いた。次いで、0.20Mの三塩基性のリン酸ナトリウム(250ml)を疑似腸液に加えpH6.8にした。UV(λ=300nm)を使用して溶解媒体中の溶解アセトアミノフェン(充填量%として)を定量した。測定は、疑似胃液内のときは15分毎、及び疑似腸液内で3分毎行った。
【0092】
遅延放出剤形に対して、USP32−NF27モノグラフ<701>及び<711>に従って試験するとき、それぞれ、アセトアミノフェンを一度充填したカプセルシェルは、少なくとも以下のプロフィールを示した:
崩壊:pH1.2で2時間後、全てのカプセル化されたアセトアミノフェンの10%未満を放出する。及び
溶解:pH1.2で2時間後、全てのカプセル化されたアセトアミノフェンの10%未満を放出し、ここで、80%のアセトアミノフェンは、pH6.8で45分後に放出した。
【0093】
(試験プロトコルの記述)
水性分散液が連続フィルムを形成する能力の決定:調製した水性分散液を、Capsugelフィルムキャスト装置(CAMAG製の改良型の電動式薄層クロマトグラフィーのプレートコータユニット)又はいかなるその他の従来のドローダウンコーティング装置を用いて、ホット(60℃)ガラスプレート上にキャストし、約100μmの乾燥厚さを有する均一な薄膜を作る。ガラスプレート上にキャストされたフィルムは、60℃、1時間オーブン内に保持し、そして次いで、室温及び50%RHで少なくとも2時間保存し、完全乾燥させた。一旦乾燥すると、得られたフィルムをガラスプレートから取り外し、そして視覚的、物理的及び熱的性質(フィルム及びコーティング評価用の標準的操作手順に従って、DSC及び最低のフィルム形成温度(MFFT)を含む)を評価した。
【0094】
水性分散液の硬化性の評価:カプセルディッピングプロセスを再現するために、ピンラボジッパー(Pin Lab Dipper)と呼ばれる簡略化したラボスケールの装置を開発し、溶液中へのピンの浸漬を模倣した。このデバイスは電子的に支援されたモジュールで装備されていて、ピン浸漬プロフィール及び引き出しプロフィールを制御した。それは、また、直立位置へのピンの回転を確実にし、そしてピン温度を調節した。浸漬工程に続いて、適切な熱風による乾燥シーケンスを行った。この試験は、浸漬成形プロセスによりステンレス鋼のピン上に連続した均一なフィルムを形成することが可能か否かを、試験する溶液の潜在的な硬化性を評価した。
【0095】
下記実施例1の硬化条件:21℃で皿容器を浸漬し、70℃でピンを予熱し、室内相対湿度で60℃で乾燥した。可能性のある欠陥についてのカプセルシェルの視覚調節、質量及び厚さ測定(上壁、側壁及び/又はショルダー)。
【0096】
組成物のフィルム形成能力の評価:ベンチピックアップ(BPU)試験は、製剤に加熱されたピンを浸漬するとき、製剤のフィルム形成能力の評価を可能にする。ピンはオーブン内で所望の温度に加熱され、次いで、所定の温度にある製剤内に浸漬した。ピックアップと硬化性を評価した。ピンは、次いで、所望の温度でオーブン内において乾燥させられ、そして乾燥フィルムを観察した。
【0097】
〔実施例1〕
リアクター(300mL)内で、ポロキサマー(60g:Lutrol L44:BASF社製)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(140mL)と混合した。得られた溶液を、FMC社のAquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含有する2リットルのリアクター内に室温で注ぎ、そして完全に均質化するために、21℃で12時間一晩撹拌した。通常、製剤の粘度は、この熟成段階の間、ミルクから液体クリームに僅かに上昇した。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、そして上記のプロトコルに従って評価した。
【0098】
〔実施例2〕
リアクター(200mL)内で、ポロキサマー124(45g:Lutrol L44:BASF社製)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(105mL)と混合した。得られた溶液を、Aquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含有する2リットルのリアクター内に室温で注ぎ、そして完全に均質化するために21℃で12時間一晩撹拌した(実施例2)。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、そして上記のプロトコルに従って評価した。
【0099】
〔実施例3〕
リアクター(150mL)内で、ポロキサマー124(30g:Lutrol L44)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(70mL)と混合した。得られた溶液を、Aquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含む2リットルのリアクター内に室温で注ぎ、そして完全に均質化するために、21℃で12時間一晩撹拌した(実施例3)。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、そして上記のプロトコルに従って評価した。
【0100】
結果:
【表1】
【0101】
〔実施例4〕〜〔実施例10〕
実施例4〜10の水性分散液を、実施例1に記述されたプロトコルに従って様々なグレードのポロキサマー(プルロニク(Pluronic):BASF社製)を、同一の割合:1/5(w/w)=ポロキサマー(30%溶液)/CAP(30%分散液)比率で、Lutrol L44の代わりにそれぞれ、プルロニク F108、プルロニク F127、プルロニク F68、プルロニク F87、プルロニク L35、プルロニク L43、プルロニク L62を比較するために調製した。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、そして上記のプロトコルに従って評価した。
【0102】
結果:
【表2】
【0103】
〔実施例11〕
リアクター(300mL)内で、ポロキサマー124(60g:Lutrol L44)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(140mL)と混合した。得られた溶液を、Aquacoat CPD 30の分散液(1000g)及び20%のHPMC溶液(600g)を含有する2リットルのリアクター内に室温で注ぎ、そして完全に均質化するために、21℃で12時間一晩撹拌した。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、そして上記のプロトコルに従って評価した。
【0104】
〔実施例12〕
リアクター(300mL)内で、ポロキサマー124(60g:Lutrol L44)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(140mL)と混合した。得られた溶液を、Aquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含有する2リットルのリアクター内に室温で注ぎ、そして完全に均質化するために、21℃で12時間一晩撹拌した。熟成後、二酸化チタンスラリーを、21℃で完全に均質化するまで、5/95の比率(W/W:スラリー/分散液)で穏やかに撹拌しながら得られた分散液に加えた。二酸化チタンスラリーは、TiO
2(21.8%)、20%HPMC溶液(19.4%)、pH4の水(58.1%)、キトサンなどのカチオン性化合物(0.7%)を含む。キトサンを、先ず、pH4の水中で予備分散し、溶液の脱泡を一晩行った。次いで、TiO
2を加え、そしてUltra−Turraxなどの高速のホモジナイザーを用いて、3×2分間、Vmaxで分散させた。次いで、HPMC溶液を加え、高速のホモジナイザーで1200RPM、3分間撹拌した。また、最少の水に分散した2%の顔料パテントブルー(Patent4d Blue)を、場合により、穏やかに撹拌しながら最終の調製物に混和し(incorporate)、不透明の青色フィルム及びカプセルシェルを得た。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、上記で記述したプロトコルに従って評価した。
【0105】
〔実施例13〕
リアクター(200mL)内で、ポロキサマー124(45g:Lutrol L44:BASF社製)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(105mL)と混合した。別のビーカー(100mL)において、真空下で30分間の脱泡段階の前に、例えば、Ultra−Turraxホモジナイザーを用いて20分間、カルボキシメチルセルロース(3g:Blanose 7MF−PH:Ashland社製)を高速均質化で精製水(72mL)に加えた。得られたポロキサマー及びBlanose溶液の両方を、室温で、Aquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含有する2リットルのリアクターに注ぎ、そして完全に均質化するために、21℃で、12時間一晩撹拌した。フィルム及びカプセルシェルは、この分散液から製造し、そしてa)&b)の元で、上記に記述のプロトコルに従って評価した。
【0106】
〔実施例14〕
リアクター(300mL)で、ポリオキシエチレン(60g、Polyox N10:Dow社製)を、一晩、80℃で、穏やかな撹拌(150RPM)下で精製水(140mL)と混合した。得られた溶液を、水で、室温に冷却し、そして非塩化CAP(23%)及びポロキサマー(約7%)を含むAquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含有する2リットルのリアクター内に注ぎ;混合物を21℃で完全に均質化するために、一晩200RPMで撹拌した。フィルム及びカプセルシェルを、この分散液から製造し、そして、上記に記述のプロトコルに従って評価した。
【0107】
〔実施例15〕
リアクター(300mL)で、カラギーナン(1.4g:Satiagum UTC 10:グレードラムダ:Cargill社製)を30分間穏やかな撹拌下で精製水(140mL)と混合した。次いで、ポロキサマー124(60g:Lutrol L44)を30分間穏やかな撹拌下でこの溶液に加えた。得られた溶液を、室温で、Aquacoat CPD 30の分散液(1000g)を含有する2リットルのリアクター内に注ぎ、21℃で完全な均質化のために、12時間一晩撹拌した。フィルム及びカプセルシェルは、この分散液から調製し、そして、上記に記述のプロトコルに従って評価した。
【0108】
結果:
【表3】
【0109】
〔実施例16〕〜〔実施例18〕
PLD−分散温度に関する様々なプロセス条件の評価:CAP及びポロキサマーの水性分散液を実施例1に従って調製した。それを次いで、電子的に支援されたピンラボジッパー(Pin Lab Dipper)の浸漬皿容器内に注ぎ、ここで、予め決められたシーケンスに従って、70℃の自動化された(robotized)ホットピンを浸漬しそして60℃で乾燥する前に引き出した。浸漬皿容器の温度を、それぞれ、実施例16、17及び18に対して、14℃、18℃及び24℃に設定した。
【0110】
〔実施例19〕及び〔実施例20〕
PLD−ピン温度に関する様々なプロセス条件の評価:CAP及びポロキサマーの水性分散液を実施例1に従って調製した。次いで、それを電子的に支援されたピンラボジッパーの21℃の浸漬皿容器内に注ぎ、ここで、予め決められたシーケンスに従って、自動化したホットピンをそして60℃で乾燥する前に引き出した。ピン温度を、それぞれ、実施例19及び20に対して、67℃及び73℃に設定した。
結果:
【表4】
【0111】
〔実施例21〕
パイロットカプセル機に対する水性分散液の評価:1Lのリアクターで、ポロキサマー(240g:Lutrol L44:BASF社製)を30分間穏やかな撹拌下で精製水(560ml)と混合した。得られた溶液を、Aquacoat CPD 30の分散液(4000g)を含有する5リットルのリアクター内に室温で注ぎ、21℃、完全な均質化のために、12時間一晩撹拌した。通常、製剤の粘度は、この熟成方法の間、ミルクから液体クリームに僅かに上昇した。
【0112】
パイロット機によるカプセルの製造:定義した水性分散液を、従来のハードカプセル製造装置のパイロット機の浸漬皿内へ移した。浸漬溶液を21℃に保持しながら、70℃のサイズ0のホットステンレス鋼(ピン本体又はキャップを、パイロット機の対応するセクションにおいて70℃で予熱した)を、従来のハードカプセルと同一の寸法規格を備えたカプセル(本体又はキャップ)を製造しようとして、十分に定義された浸漬プロフィールに従って水性分散液中に浸漬した。引き出した後、浸漬したピンを乾燥セクションに移し、そこでそれらを、定義されたスピード、温度、及び湿度で熱風にかけた。乾燥すると、得られた本体又はキャップカプセル部品をピンから取り外し、視覚的制御並びに質量、寸法評価、及び溶解/崩壊試験を含む及び物理的性質の測定のために切断し組立てた。
【0113】
〔実施例22〕及び〔実施例23〕
水性分散液は実施例21に従って調製した。次いで、それを従来のハードカプセル製造装置のパイロット機の浸漬皿内に移し、実施例21に対して記述のものと同一のプロトコルに従ってカプセルを製造した。ホットステンレス鋼ピンを70℃で加熱した。浸漬溶液及び浸漬皿容器は、それぞれの実施例22及び23に対して19℃及び23℃に保持した。
【0114】
〔実施例24〕及び〔実施例25〕
水性分散液を実施例21に従って調製した。次いで、それを従来のハードカプセル製造装置のパイロット機の浸漬皿内に移し、実施例21に記述のものと同一プロトコルに従ってカプセルを製造した。浸漬溶液及び浸漬皿容器は、21℃に保持した。ホットステンレス鋼ピンは、実施例24及び25に対して60℃及び65℃に加熱した。
【0115】
〔実施例26〕
リアクター(1L)で、ポロキサマー124(240g、Lutrol L44)を30分間穏やかな撹拌下で精製水(560ml)と混合した。得られた溶液を、室温で、Aquacoat CPD 30の分散液(4000g)を含有する5リットルのリアクター内に注ぎ、そして21℃で完全な均質化のために、12時間一晩撹拌した。熟成した後、二酸化チタンスラリーを21℃で完全な均質化まで、穏やかな撹拌下で、5/95(w/w;スラリー/分散液)の比率で加えた。二酸化チタンスラリーは、TiO
2(21.8%)、20%のHPMC溶液(19.4%)、pH4の水(58.1%)及びキトサンなどのカチオン性化合物(0.7%)を含む。キトサンは先ず、pH4の水で予備分散させ、そして溶液を、一晩脱泡した。次いで、TiO
2を加え、Ultra−Turraxなどの高速ホモジナイザーを用いてVmaxで3×2分間、分散させた。次いで、HPMC溶液を加え、そして高速ホモジナイザーを用いて1200RPMで3分間撹拌した。また、最少量の水に分散したピグメントイエロー6(0.25%)を、場合により、21℃で穏やかな撹拌下で、最終調製物に混和し、不透明なオレンジ色のカプセルシェルを得た。
【0116】
定義された水性分散液を、従来のハードカプセル製造装置のパイロット機の浸漬皿内に移した。浸漬容器を21℃に保持している間、70℃のホットステンレス鋼ピンサイズ0(ピン本体又はキャップを、パイロット機の対応するセクションにおいて70℃で予熱する)を、従来のハードカプセルと同じ寸法規格を備えたカプセル(本体又はキャップ)を製造しようとして十分に定義された浸漬プロフィールに従って、水性分散液内に浸漬した。引き出した後、浸漬したピンを乾燥セクションに移し、そこでそれらを、定義されたスピード、温度、及び湿度で熱風にかけた。乾燥すると、得られた本体又はキャップカプセルを、ピンから取り外し、視覚的調整並びに質量、寸法評価、及び溶解/崩壊試験を含む物理的性質の測定のため切断し、組み立てた。
【0117】
〔実施例27〕
リアクター(1L)で、ポロキサマー124(240g、Lutrol(登録商標)L44)を、30分間穏やかな撹拌下で精製水(560ml)と混合した。得られた溶液を、室温で、Aquacoat CPD 30の分散液(4000g)及びHPMC20%溶液(2400g)を含有する5リットルのリアクター内に注ぎ、そして、21℃で完全な均質化のために、12時間一晩撹拌した
【0118】
定義された水性分散液を、従来のハードカプセル製造装置のパイロット機の浸漬皿内に移した。21℃に浸漬容器を保持している間、70℃のホットステンレス鋼ピンサイズ0(ピン本体又はキャップを、パイロット機の対応する部分で、70℃に予熱する)を、従来のハードカプセルと同じ寸法規格でカプセル(本体又はキャップ)を製造しようとして十分に定義された浸漬プロフィールに従って、水性分散液内に浸漬した。引き出した後、浸漬したピンを乾燥セクションに移し、そこでそれらを、定義されたスピード、温度、及び湿度で熱風にかけた。乾燥すると、得られた本体又はキャップカプセルをピンから取り外し、視覚的調整並びに質量、寸法評価、及び溶解/崩壊試験を含む物理的性質の測定のために切断し、組み立てた。
【0119】
結果:
【表5】
アセトアミノフェンを含有するカプセルシェルの溶解プロフィール。UV−滴定(300nm)
【表6】
【0120】
〔実施例28〕
ポロキサマー144(プルロニク L44、BASF社製)の30%分散液を調製した:脱塩水(demi-water)(70g)を80℃に加熱し、ポロキサマーのフレーク(30g)を分散させ、完全溶解まで激しく撹拌した。溶液を適度な撹拌下で(350rpm)室温に戻した。CAPの水分散液(100g、30%:固形分、Aquacoat CPD−30、FMC社製)を、250μmのシーブで濾過し、350rpmで適度に撹拌した。ポロキサマー溶液(10g)を10分内の穏やかな撹拌下で滴下しながら加えた。更なる撹拌を30分間続けた。
【0121】
得られた分散液を、浸漬成形が起こるベッセル中に注いだ。ピンを50℃で1時間加熱し、周囲の環境と安定化させ、離型剤で潤滑した。加熱されたピンを、室温で分散液に浸漬し、そして正確なスピードで引き出し、フィルムのプロフィール及びピックアップされた物質の量を調整した。フィルムを15分間50℃で、ピン上で乾燥し、それを引きはがし、製造された部分に依存して適切な長さに切断した。キャップ及び本体を製造するとき、二片のカプセルを組み立てた。フィルムの厚さを、上部、ショルダー、サイドで測定し、そしてハードゼラチンカプセルの技術参照ファイル(technical reference file)と比較した。目標とした厚さは約100μmであった。得られたカプセルをAPAPで充填し、閉じ、エタノール/水の混合物でシールした。フィルム及びカプセルシェルをこの分散液から調製し、そして上記の溶解プロトコルに従って評価した。
【0122】
〔実施例29〕及び〔実施例30〕
実施例28と同一プロトコルを、ポロキサマー144をPEG6000及びPolyoxN10(100000g/mol)にそれぞれ置き替えた組成物に適用した。フィルム及びカプセルシェルをこれらの分散液から調製し、そして上記の溶解プロトコルに従って評価した。
【0123】
〔実施例31〕
HPMCAS(Aquoat:信越化学工業社製)の分散液(100g)を、固形分14%で分散を行うために信越化学工業社のプロトコルに従って製造した。TEC(20%)を分散液に滴下しながら加え、そして使用する前に、室温で2時間撹拌した。ピンを50℃に加熱したとき、それをベッセル内に浸漬し、ポリマーが凝集するが、フィルムが急速に崩壊し、流動する。
【0124】
14%の固形分を備えた分散液を得るために、Colorcon社によって提供されるポリビニルアセテートフタレート(Opadry)(100g)を、供給者プロトコルに従って調製し、TEC(20%)を分散液に滴下しながら加え、そして室温で2時間撹拌した。
【0125】
〔実施例33〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた;P124(3.37g)を室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、二酸化チタンスラリー(4.20g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら加えた。二酸化チタンスラリーは、pH4の水(56.85質量%)、TiO
2(21.75%)、オイドラギット E PO(2.0質量%)及び20%のHPMC溶液(19.4質量%)を含んでいた。TiO
2及びオイドラギット E POを、先ず、pH4の水に予備分散し、そして少なくとも30分間、700rpmで磁気撹拌した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて3×2分、13000rpmで分散を実施した。20%のHPMC溶液を加え、そして1200rpm(磁気撹拌子)で3分間撹拌した。製剤は、室温、80rpmの磁気撹拌で一晩熟成させた。
【0126】
〔実施例34〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた;P124(16.05g)を、室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、二酸化チタンスラリー(6.70g)を、室温、150rpmで磁気撹拌して加えた。二酸化チタンスラリーは、pH4の水(56.85質量%)、TiO
2(21.75%)、オイドラギット E PO(2.00質量%)及び20%のHPMC溶液(19.4質量%)を含んでいた。TiO
2及びオイドラギット E POを、先ず、pH4の水に予備分散させ、少なくとも30分間、700rpmで磁気撹拌した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて3×2分、13000rpmで分散を実施した。20%のHPMC溶液を加え、そして1200rpm(磁気撹拌子)で3分間撹拌した。製剤は、室温、80rpmの磁気撹拌で一晩熟成させた。
【0127】
結果:
BPU試験条件:60℃;製剤温度:28℃、BPU試験の前に1時間加熱し;オーブン内で60℃、30分間乾燥した。
【表7】
〔実施例35〕
【0128】
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた;20%のHPMC(9g)溶液を室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、P124(1.80g)を、室温、150rpmで撹拌して加えた。2時間経過して磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0129】
〔実施例36〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた;次いで、酢酸カルシウム溶液(0.95ml)を、1.8mol/lで加えた。30分後、20%のHPMC溶液(9g)を、室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、P124(1.80g)を室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間経過して磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0130】
〔実施例37〕
ビーカ(400ml)内に、P124(9g)を、200rpmの磁気回転しながら脱塩水(21g)に導入して30%溶液を得た。ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(120g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた;次いで、酢酸カルシウム溶液(1.90ml)を、1.8mol/lで加えた。30分後、20%のHPMC溶液(18g)を、室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、P124(12g)を室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0131】
結果:
BPU試験条件:ピン温度:60℃;製剤温度:28℃;BPU試験の前に1時間加熱する;オーブン内で60℃、30分乾燥する。
【表8】
【0132】
〔実施例38〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた;30分後、P124(1.80g)を、室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、HPMCASスラリー(8.67g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.42%)、HPMCAS(20.76%)及びオイドラギット E PO(0.82%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、次いで、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水中に予備分散させ、少なくとも30分間、これらの条件で放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーは使用するまで、400rpm、磁気撹拌下で脱泡させた。製剤にHPMCASスラリーを加えた2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0133】
結果
【表9】
【0134】
〔実施例39〕
ビーカ(1L)内に、Aquacoat CPD 30(500g)を、190rpmで30分間撹拌(アンカー撹拌子)しながら入れた。次いで、P124(15g)を加え、全体を2時間、190rpmで撹拌させた。次いで、HPMCASスラリー(75.55g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(74.99%)、HPMCAS(19.85%)、オイドラギット E PO(0.79%)、及び20%のHPMC溶液(4.37%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、そして次いで、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、そして少なくとも30分間これらの条件で放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーは、400rpm、30分間磁気撹拌下で脱泡させた。20%のHPMC溶液を加え、そして1200rpmで3分間、磁気撹拌子で混合した。スラリーを使用するまで400rpm、撹拌下で保持した。製剤にHPMCASスラリーを加えた2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0135】
結果:
【表10】
【0136】
PLD上での種々のプロセス条件の評価。製剤を実施例39に従って調製し,そして電子的に支援されたピンラボジッパーの浸漬皿容器内に注いだ、ここで、自動化したホットピンを60℃で乾燥する前に、事前に確立した順序に従って浸漬し、引き出した。パラメータを以下の表で詳述する。
【0137】
結果:
【表11】
【0138】
〔実施例40〕
21℃に維持した5Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(4500g)を2時間、190rpm(アンカパドルを用いて)で撹拌しながら入れた。次いで、P124(135g)を加え、全体を2時間、190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASの分散液(613.14g)を加えた。HPMCASの分散液は、脱塩水(76.7%)、Tween80(1.3質量%)及びHPMCAS(22%)を含んでいた。脱塩水を、200rpmで二重撹拌(三つのブレードプロペラ及び磁気撹拌子)しながら入れた、そしてTween80を加えた。HPMCASを、Tween80を含有する脱塩水中に、60分間加えた。HPMCAS分散液を、使用前、少なくとも30分間200rpmで撹拌しながら保持した。HPMCAS分散液を加え、2時間経過して室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0139】
〔実施例41〕
実施例40と同一の製剤を調製した。二酸化チタンスラリーを加え、白色不透明のカプセルを得た。二酸化チタンスラリー(165.84g)を、実施例E6からの製剤(4075g)に加え、スパチュラで混合した。二酸化チタンスラリーは、pH4の水(42、7%)、TiO
2(16.3%)、オイドラギット E PO(1.5%)、20%のHPMC溶液(14.5%)、脱塩水(25.0%)を含んでいた。TiO
2及びオイドラギット E POを混合し、解凝集器を用いて700rpmの撹拌速度で、pH4の水に加えた。次いで、ultra−turraxのような高速ホモジナイザーを用いて16000rpmで3×2分の分散を実施した。少なくとも30分間、撹拌下でスラリーを保持して泡を取り除いた。20%のHPMC溶液を加え、スパチュラで混合した。スラリーを、使用するまで、200rpmで磁気撹拌しながら保持した。一旦二酸化チタンを製剤に加えて、撹拌を70rpmで45分間させ、そして次いで、撹拌を21℃で一晩熟成するために、50rpmに下げた。
【0140】
〔実施例42〕
21℃に維持した5Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(4500g)を、1時間190rpm(アンカパドルを用いて)で撹拌しながらいれた。次いで、P124(135g)を加え、全体を2時間、190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASのスラリー(680g)を加えた。HPMCASのスラリーは、pH4の水(74.99%)、HPMCAS(19.85%)、オイドラギット E PO(0.79%)、及び20%HPMC溶液(4.37%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、そして次いで、三つのブレードのプロペラを用いて700rpmで撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、少なくとも30分間、これらの条件下で放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを30分間、撹拌下で脱泡させた。20%のHPMC溶液を加えて、1200rpmで3分間、Silversonを用いて混合した。スラリーを、使用前、400rpmの撹拌下で保持した。HPMCASスラリーを加えた2時間後、磁気撹拌を、21℃で一晩熟成するために、70rpmに下げた。
【0141】
実施例40及び41からの水性分散液を、以前に開示した通り、カプセルを製造するために、従来のハードカプセル製造装置(NMD)のパイロット機の浸漬皿内に移した。皿温度及びピン温度を、結果の表に示した。
【0142】
結果:
【表12】
【0143】
〔実施例43〕
21℃に維持した2Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(500g)を、190rpmで撹拌(アンカパドル)しながら入れた。次いで、TEC(15g)を加え、そして全体を2時間、190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASスラリー(72.25g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.42%)、HPMCAS(20.76g)、及びオイドラギット E PO(0.82%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、そしてこれらの条件下で少なくとも30分間放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて、13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを少なくとも1時間、250〜300rpmでの磁気撹拌下で、脱泡させた。製剤にHPMCASスラリーを添加2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩成熟させるために80rpmに下げた。
【0144】
〔実施例44〕
21℃に維持した2Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(500g)を、190rpmで撹拌(アンカパドル)しながら入れた。次いで、TEC(7.5g)を加え、そして全体を2時間、190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASスラリー(72.25g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.42%)、HPMCAS(20.76g)、及びオイドラギット E PO(0.82%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、そしてこれらの条件下で少なくとも30分間放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて、13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを少なくとも1時間、250〜300rpmで磁気撹拌しながら脱泡させた。製剤にHPMCASスラリーを添加2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩成熟させるために80rpmに下げた。
【0145】
〔実施例45〕
21℃に維持した2Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(500g)を、190rpmで撹拌(アンカパドル)しながら入れた。次いで、TEC(1.5g)を加え、そして全体を2時間190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASスラリー(72.25g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.42%)、HPMCAS(20.76g)、及びオイドラギット E PO(0.82%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、そしてこれらの条件下で少なくとも30分間放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて、13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを少なくとも1時間、250〜300rpmで磁気撹拌しながら脱泡させた。製剤にHPMCASスラリーを添加2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩成熟させるために80rpmに下げた。
【0146】
結果:
【表13】
【0147】
PLD上での様々なプロセス条件の評価。実施例44に従って調製された製剤を、電子的に支援されたピンラボジッパーの浸漬皿容器内に注いだ、ここで、自動化したホットピンを、60℃で乾燥する前に、事前に確立したシーケンスに従って浸漬し、引き出した。パラメータは、以下の表に詳述する。
【表14】
【0148】
〔実施例46〕
21℃に維持した2Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(500g)を、190rpmで撹拌(アンカパドル)しながら入れた。次いで、ATEC(1.5g)を加え、そして全体を2時間190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASスラリー(72.25g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.42%)、HPMCAS(20.76g)、及びオイドラギット E PO(0.82%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、そしてこれらの条件下で少なくとも30分間放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて、13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを少なくとも1時間、250〜300rpmで磁気撹拌下で脱泡させた。製剤にHPMCASスラリーを添加2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩成熟させるために80rpmに下げた。
【0149】
〔実施例47〕
21℃に維持した2Lのリアクター内に、Aquacoat CPD 30(500g)を、190rpmで撹拌(アンカパドルを用いて)しながら入れた。次いで、ATEC(7.5g)を加え、そして全体を2時間、190rpmで撹拌しながら放置した。次いで、HPMCASスラリー(72.25g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.42%)、HPMCAS(20.76g)、及びオイドラギット E PO(0.82%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、そしてこれらの条件下で少なくとも30分間放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて、13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを少なくとも1時間、250〜300rpmで磁気撹拌下で、脱泡させた。製剤にHPMCASスラリーを添加2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩成熟させるために80rpmに下げた。
【0150】
結果:
BPU試験条件:
ピン温度:60℃;製剤温度:21℃:オーブン内で60℃30分間乾燥;
【表15】
【0151】
〔実施例48〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた。30分後、ATBC(1.40g)を、室温、150rpmで加えた。2時間後、HPMCASスラリー(8.67g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.43%)、HPMCAS(16.15%)及びオイドラギット E PO(0.81%)及び20%のHPMC(4.61%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水中に予備分散させ、少なくとも30分間、これらの条件で放置した。高速ホモジナイザーを用いて13000rpmで、3×2分の分散を実施した。30分間、400rpmで磁気撹拌下で脱泡させた。次いで、20%のHPMC溶液を加え、3分間、1200rpmで磁気撹拌子で混合した。製剤にHPMCASスラリーを加えた2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0152】
結果
【表16】
【0153】
〔実施例49〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた。30分後、DEP(1.40g)を、室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、HPMCASスラリー(8.67g)を加えた。HPMCASスラリーは、pH4の水(78.43%)、HPMCAS(16.15%)及びオイドラギット E PO(0.81%)及び20%のHPMC(4.61%)を含んでいた。HPMCAS及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、少なくとも30分間、これらの条件で放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを、400rpmで、30分間磁気撹拌下で、脱泡させた。次いで、20%のHPMC溶液を加え、3分間1200rpmで、磁気撹拌子を用いて混合した。製剤にHPMCASスラリーを加えた2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0154】
〔実施例50〕
ビーカ(400ml)内に、Aquacoat CPD 30(60g)を、室温、150rpmで磁気撹拌しながら入れた。30分後、DEP(1.40g)を、室温、150rpmで撹拌しながら加えた。2時間後、HPMCAS/TiO
2スラリー(9.11g)を加えた。HPMCAS/TiO
2スラリーは、pH4の水(74.64%)、HPMCAS(15.37%)及びオイドラギット E PO(0.77%)及び20%のHPMC溶液(4.39%)を含んでいた。HPMCAS、TiO
2及びオイドラギット E POを混合し、700rpmで磁気撹拌しながら、pH4の水に予備分散させ、少なくとも30分間、これらの条件下に放置した。次いで、高速ホモジナイザーを用いて13000rpmで、3×2分の分散を実施した。スラリーを30分間、400rpmで磁気撹拌下で、脱泡させた。次いで、20%のHPMC溶液を加え、3分間1200rpmで磁気撹拌子を用いて混合した。製剤にHPMCASスラリーを加えた2時間後、磁気撹拌を、室温で一晩熟成させるために、80rpmに下げた。
【0155】
結果:
BPU試験条件:ピン温度:60℃;製剤温度:21℃:オーブン内で60℃、30分間乾燥;
【表17】
【0156】
上記で議論した通り、放出制御性を備えたハードカプセルを得るための既存のプロセス、例えば、ダブル浸漬技術及び製造後技術は、本開示と相容れない、多重工程の使用を必要とする。理論に束縛されるものではないが、本明細書で記述されるプロセスは、高温で熱的に可逆なゲルを形成することができる加工助剤の使用の故に、熱ゲル化現象で支援される、従来のピンの表面上での水性組成物の融合を伴うと信じられている。それ故、ポリマーの分散した粒子間の境界が消え、粒子が最密充填し、均一な相ドメインにつながる(lead to)間、水の蒸発が起こる。継続する蒸発と粒子の圧密で、ポリマーフィルムは、圧密された放出制御ポリマー粒子を形成し始め、等方性ポリマーフィルムを生成する放出制御ポリマーの粒子間拡散につながる。それ故、本開示は、例えば、バルク腸溶性を示すか、又は繰り返し(例えば、ダブルに)ピンを浸漬するか又は、更に、既に製造されたシェルに対して、外部からの腸溶性のコーティングを適用する必要なく、他の放出制御を示すハードカプセルシェルを得ることができる、プロセスを提供する。
【0157】
さらにその上、本開示は、また、部分的に、放出制御ポリマーの水性分散液を含む水性組成物の使用;加工助剤と一緒に、非水性(又は溶媒ベースの)ポリマー溶液とは対照的に水性組成物の使用;ポリマーのゲル化と対照的に放出制御ポリマー分散粒子の融合を誘導することによる成形ピン表面でのフィルムの形成;高含量の放出制御ポリマーを使用する能力;及び本開示の範囲外である異なった方法ではさもないと達成不可能である本明細書に記述の水性組成物の粘度上昇を含む。
【0158】
更なる利点及び改変は、当業者には容易に思い浮かぶであろう。従って、その広い態様における本開示は、本開示で示され及び記述された特定の細目、及び代表的な実施態様に制限されない。それ故、様々な改変は、添付の特許請求範囲及び同等物で定義される一般的な発明概念の精神又は範囲から離れることなくなされ得る。