特許第6626791号(P6626791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6626791
(24)【登録日】2019年12月6日
(45)【発行日】2019年12月25日
(54)【発明の名称】設備管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20191216BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20191216BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G06Q10/04
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-129302(P2016-129302)
(22)【出願日】2016年6月29日
(65)【公開番号】特開2018-5417(P2018-5417A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2018年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】399040405
【氏名又は名称】東日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】君島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】上村 英俊
(72)【発明者】
【氏名】島田 広司
(72)【発明者】
【氏名】宮本 正明
【審査官】 山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−224657(JP,A)
【文献】 特開2003−058234(JP,A)
【文献】 特開2003−226433(JP,A)
【文献】 特開2015−200931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール使用数履歴を記憶する装置管理記憶部と、
前記モジュール使用数履歴に基づき将来のモジュール使用数予測処理を実行する使用数予測処理部と、
モジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報を記憶する移設情報記憶部と、
前記将来のモジュール使用数予測処理の結果と前記移設評価情報に基づきモジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する移設候補決定部と、を備え、
前記移設候補決定部は、モジュール未使用数、未使用数が0となる最短の月、施工業者及び都道府県の情報に基づいて、移設評価情報を決定する
設備管理装置。
【請求項2】
モジュール使用数履歴を記憶する装置管理記憶部と、
前記モジュール使用数履歴に基づき将来のモジュール使用数予測処理を実行する使用数予測処理部と、
モジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報を記憶する移設情報記憶部と、
前記将来のモジュール使用数予測処理の結果と前記移設評価情報に基づきモジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する移設候補決定部と、を備え、
前記移設候補決定部は、モジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する場合、移設又は購入するモジュール数が筐体の空スロット数よりも大きければ、筐体の移設処理又は購入処理を実行する
設備管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備管理装置及び設備管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
専用線などの通信サービスでは、各ビルの申込み需要を予測し、予測した数のモジュールをあらかじめ設置しておくことが多い。しかし、専用線等の通信サービスでは利用ユーザがどのビルを利用するかの予測が難しく、モジュールが不足するビルとモジュールが余るビルが出てくる。そこで、モジュールが不足する場合には、モジュールを購入し増設する以外に他のビルの未利用モジュールを不足するビルへ移設していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−215699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、どのビルからモジュールを移設すべきかを定量的に判断する仕組みがないという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、モジュールを移設する候補ビルを容易に発見できるようにする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、モジュール使用数履歴を記憶する装置管理記憶部と、前記モジュール使用数履歴に基づき将来のモジュール使用数予測処理を実行する使用数予測処理部と、モジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報を記憶する移設情報記憶部と、前記将来のモジュール使用数予測処理の結果と前記移設評価情報に基づきモジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する移設候補決定部と、を備える設備管理装置である。
【0007】
本発明の一態様は、上記の設備管理装置であって、前記移設候補決定部は、モジュール未使用数、未使用数が0となる最短の月、施工業者及び都道府県の情報に基づいて、移設評価情報を決定する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の設備管理装置であって、前記移設候補決定部は、モジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する場合、移設又は購入するモジュール数が筐体の空スロット数よりも大きければ、筐体の移設処理又は購入処理を実行する。
【0009】
本発明の一態様は、装置管理記憶部と、使用数予測処理部と、移設情報記憶部と、移設候補決定部とを備える設備管理装置が行う設備管理方法であって、前記装置管理記憶部の記憶するモジュール使用数履歴に基づき将来のモジュール使用数予測処理を実行する使用数予測処理ステップと、前記将来のモジュール使用数予測処理の結果と前記移設情報記憶部の記憶するモジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報とに基づきモジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する移設候補決定ステップと、を有する設備管理方法である。
【0010】
本発明の一態様は、装置管理記憶部と、使用数予測処理部と、移設情報記憶部と、移設候補決定部とを備えるコンピュータが実行するコンピュータプログラムであって、前記装置管理記憶部の記憶するモジュール使用数履歴に基づき将来のモジュール使用数予測処理を実行する使用数予測処理ステップと、前記将来のモジュール使用数予測処理の結果と前記移設情報記憶部の記憶するモジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報とに基づきモジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する移設候補決定ステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0011】
本発明の一態様は、設備管理装置と端末とを備える設備管理システムであって、前記設備管理装置は、モジュール使用数履歴を記憶する装置管理記憶部と、モジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報を記憶する移設情報記憶部と、を備え、前記端末は、前記モジュール使用数履歴に基づき将来のモジュール使用数予測処理を実行する使用数予測処理部と、前記将来のモジュール使用数予測処理の結果と前記移設評価情報に基づきモジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する移設候補決定部と、を備える設備管理システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、モジュールを移設する候補ビルを容易に発見できるようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】設備管理システム1のシステム構成を表すシステム構成図。
図2】モジュールテーブルの具体例を示す図。
図3】線形近似処理を実行することで予測を行ったグラフの一例。
図4】装置管理テーブルの具体例を示す図。
図5】移設管理テーブルの具体例を示す図。
図6】ビル管理テーブルの具体例を示す図。
図7】移設判定テーブルの具体例を示す図。
図8】設備管理システム1の処理の流れを示すフローチャート。
図9】移設候補決定処理の流れを示すフローチャート。
図10】従来の専用線などのネットワーク構成を示す図。
図11】従来技術の課題を示す図。
図12】第2実施形態における設備管理システム2のシステム構成を表すシステム構成図。
図13】設備管理システム2の処理の流れを示すフローチャート。
図14】移設候補決定処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(システム構成)
図1は、設備管理システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。設備管理システムは、設備管理装置100及び1つ以上の端末200を備える。設備管理装置100及び端末200は、ネットワーク300を介して互いに通信可能に接続される。ネットワーク300は、どのようなネットワークで構築されてもよい。例えば、ネットワーク300は、データセンターネットワークで構成されてもよい。
【0015】
設備管理装置100は、ネットワーク機器やメインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。設備管理装置100には、ユーザが触れることを前提とした装置も、ユーザが触れることを前提としていない装置も含まれる。設備管理装置100には、以下に示す機能を備えることが可能な装置であればどのような装置もなり得る。設備管理装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備える。設備管理装置100は、設備管理プログラムを実行することによって、通信部101、機能制御部102、装置情報記憶部103、使用数予測処理部104、装置管理記憶部105、一時記憶部106、ビル情報記憶部107、移設候補決定部108、移設情報記憶部109、モジュール移設部110、モジュール購入部111、入出力制御部112、入力部113及び出力部114を備える装置として機能する。なお、設備管理装置100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。設備管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。設備管理プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。設備管理装置100は、複数台の情報処理装置を用いて構成されてもよい。
【0016】
通信部101は、ネットワークインタフェースである。通信部101はネットワーク300を介して端末200と通信する。
【0017】
機能制御部102は、端末200から受信した指示情報(例えば、設備管理プログラムの実行)に基づいて、使用数予測処理部104にモジュール使用数予測処理の実行を指示する。機能制御部102は、端末200から受信した指示情報(例えば、モジュール移設処理の許可等)に基づいて、モジュール移設部110にモジュール移設処理の実行を指示する。機能制御部102は、端末200から受信した指示情報(例えば、モジュール購入処理の許可等)に基づいて、モジュール購入部111にモジュール購入処理の実行を指示する。なお、端末200から受信した指示情報は、入出力制御部112から受信してもよい。
【0018】
装置情報記憶部103は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。装置情報記憶部103は、モジュールテーブルを記憶する。モジュールテーブルは、モジュールレコードを有する。モジュールとは、専用線等のネットワークを構成するネットワーク機器に組み込む部品である。例えば、専用線装置には、機能や用途に合わせて複数のモジュールが用いられる。
【0019】
図2は、モジュールテーブルの具体例を示す図である。モジュールレコードは、モジュール名、納期(月)、価格(円)及び用途の各値を有する。モジュール名は、モジュールレコードに登録されているモジュールの名称を示す。納期(月)は、モジュールを購入した場合の納品時期を示す。価格(円)は、モジュールの販売価格を示す。用途とは、「低速・長距離用」、「低速・短距離用」、「高速・長距離用」等のように、モジュールがどのような使いみちを有するか説明する情報を示す。
【0020】
図2に示される例では、モジュールテーブルの最上段のレコードは、モジュール名の値が“モジュールA”、納期(月)の値が“2”、価格(円)の値が“98,000”、用途の値が“低速・長距離用”である。したがって、このモジュールレコードによると、モジュールAが購入された場合、2か月後に納品される。また、モジュールAの価格は98,000円である。モジュールAは、速度が低くビル間距離が長い場合に用いられるモジュールであることを示す。なお、図2に示されるモジュールテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図2とは異なる態様でモジュールテーブルが構成されてもよい。例えば、モジュールテーブルは、“納期(月)”の代わりに、“納期(週)”を有してもよい。
【0021】
図1に戻って、設備管理装置100の説明を続ける。使用数予測処理部104は、装置管理記憶部105に記憶されている装置管理テーブルを取得する。使用数予測処理部104は、モジュール使用数の予測処理を実行する。具体的には、使用数予測処理部104は、装置管理テーブルに登録される情報(例えば、モジュール使用数履歴等)を用いて線形近似や多項式近似等を実行することで将来のモジュール使用数を算出する。図3は、線形近似処理を実行することで予測を行ったグラフの一例である。また、使用数予測処理部104は、一時記憶部106が記憶する移設管理テーブルに移設管理レコードを作成し、予測処理の結果を登録する。
【0022】
装置管理記憶部105は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。装置管理記憶部105は、装置管理テーブルを記憶する。装置管理テーブルは、装置管理レコードを有する。
【0023】
図4は、装置管理テーブルの具体例を示す図である。装置管理レコードは、モジュール名、ビル名、筐体番号、モジュール使用数、モジュール未使用数、空スロット数及びモジュール使用数履歴の各値を有する。モジュール名は、モジュールの名称を示す。ビル名は、モジュールが設置されているビルの名称を示す。筐体番号は、ビルに設置されている筐体の識別番号を示す。筐体は、モジュールを組み込むために用いられる。モジュール使用数は、現在使用されているモジュールの数を示す。モジュール未使用数は、筐体に組み込まれているモジュールのうち、使われていないモジュールの数を示す。空スロット数は、筐体に新しく組み込むことができるモジュールの数を示す。モジュール使用数履歴は、現在まで使用されてきたモジュール使用数の実績を示す。
【0024】
図4に示される例では、装置管理テーブルの最上段のレコードは、モジュール名の値が“モジュールA”、ビル名の値が“ビルA”、筐体番号の値が“2015004”、モジュール使用数の値が“3”、モジュール未使用数の値が“4”、空スロット数の値が“3”、モジュール使用数履歴の値が、1か月前は“2”、2か月前は“1”…である。したがって、装置管理レコードによると、モジュールAは、ビルAの筐体番号が2015004の筐体に7つ組み込まれている。モジュールAは、7つのうち3つが使用中であり4つが未使用中である。空スロット数が3であるため、この筐体にはモジュールAを新しく3つ組み込むことができる。モジュールAは、1か月前には2つ使用されており、2か月前には1つ使用されていたことを示す。なお、図3に示される装置管理テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図4とは異なる態様で装置管理テーブルが構成されてもよい。例えば、装置管理テーブルは、モジュール毎に分割されてもよい。
【0025】
図1に戻って、設備管理装置100の説明を続ける。一時記憶部106は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。一時記憶部106は、移設管理テーブルを記憶する。移設管理テーブルは、移設管理レコードを有する。
【0026】
図5は、移設管理テーブルの具体例を示す図である。移設管理レコードは、モジュール名、ビル名、筐体番号、モジュール未使用数、最短の月、移設可否を有する。モジュール名は、モジュールの名称を示す。ビル名は、モジュールが設置されているビルの名称を示す。筐体番号は、ビルに設置されている筐体の識別番号を示す。モジュール未使用数は、筐体に組み込まれているものの使われていないモジュールの数を示す。最短の月は、使用数予測処理部104によって算出された、将来のモジュール使用数がモジュール使用数とモジュール未使用数との和以上となる最短の月を示す。移設可否は、ビルから、モジュールを他のビルへ移設可能か否かを示す。具体的には、最短の月の値が納期(月)の値よりも大きい場合、モジュールを他のビルへ移設することができる。一方、最短の月の値が納期(月)の値以下である場合、モジュールを他のビルへ移設することができない。さらに、この場合、モジュールを他のビルから移設することができる。例えば、移設可否の値が“可”の場合、このビルのモジュールは、他のビルへ移設可能である。一方、移設可否の値が“不可”の場合、このビルのモジュールは、他のビルへ移設不可能である。移設可否の値が“不可”の場合、さらに、モジュールを設置する際には、このビルのモジュールは他のビルから移設される必要がある。なお、移設可否の値は、他の表現を用いて示される値(例えば、○や×等)であってもよい。
【0027】
図5に示される例では、移設管理テーブルの最上段のレコードは、モジュール名の値が“モジュールA”、ビル名の値が“ビルA”、筐体番号の値が“2015004”、モジュール未使用数の値が“4”、最短の月の値が“4”、移設可否の値が“可”である。したがって、この移設管理レコードによると、モジュールAはビルAにおいて、筐体番号が2015004の筐体に未使用の状態で4つ組み込まれている。ビルAにおいては、全てのモジュールAを4か月後に使用することを示す。モジュールAはビルAから他のビルに移設可であることを示す。なお、図5に示される移設管理テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図4とは異なる態様で装置管理テーブルが構成されてもよい。例えば、移設管理テーブルは、移設可能なモジュール数の値を有していてもよい。
【0028】
ビル情報記憶部107は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。ビル情報記憶部107は、ビル管理テーブルを記憶する。ビル管理テーブルは、ビル管理レコードを有する。
【0029】
図6は、ビル管理テーブルの具体例を示す図である。ビル管理レコードは、ビル名、都道府県、施工業者の各値を有する。ビル名は、ビル管理レコードの管理対象となるビルの名称を示す。都道府県は、ビルの住所である都道府県名を示す。施工業者は、ビルの工事を担当する業者名を示す。工事とは、モジュールの移設や組み込み等の作業である。
【0030】
図6に示される例では、ビル管理テーブルの最上段のレコードは、ビル名の値が“ビルA”、都道府県の値が“東京都”、施工業者の値が“業者A”である。したがって、このビル管理レコードによると、ビルAは東京都にあり、施工業者Aが工事を実行していることを示す。なお、図6に示されるビル管理テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図6とは異なる態様でビル管理テーブルが構成されてもよい。例えば、ビル管理テーブルは、ビルの連絡先電話番号の値を有していてもよい。
【0031】
移設候補決定部108は、モジュール移設不可であるビルに対し、他のビルからモジュールを移設するか又はモジュールを購入するか判断する処理を実行する。移設候補決定部108は、モジュール移設可能であると判断した場合、モジュール移設部110にモジュール移設処理を実行させる。移設候補決定部108は、モジュール移設可能ではないと判断した場合、モジュール購入部111にモジュール購入処理を実行させる。
【0032】
移設情報記憶部109は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。移設情報記憶部109は、移設判定テーブルを記憶する。移設判定テーブルは、モジュール移設条件に基づいて移設候補となるビルを評価した移設評価情報を登録する移設判定レコードを有する。モジュール移設条件とは、モジュール未使用数、未使用数が0となる最短の月、施工業者及び都道府県等のモジュールを移設する否か判断を行う際に用いる1つ以上の情報である。
【0033】
図7は、移設判定テーブルの具体例を示す図である。移設判定レコードは、移設元、移設先、未使用数点数、予測月数点数、施工業者点数、都道府県点数及び総得点を有する。移設先は、モジュールを移設する先のビル名を示す。ビル名は、モジュールが設置されているビルの名称を示す。未使用数点数は、モジュール未使用数に基づいて決定される点数である。予測月数点数は、未使用数が0となる最短の月及び納期(月)に基づいて決定される点数である。施工業者点数は、このビルの施工業者に基づいて決定される点数である。都道府県点数は、このビルの住所である都道府県に基づいて決定される点数である。
【0034】
図7に示される例では、移設判定テーブルの最上段のレコードは、移設元の値が“ビルA”、移設先が“ビルB”、未使用数点数の値が“4”、予測月数点数の値が“2”、施工業者点数の値が“1”、都道府県点数の値が“1”、総得点の値が“8”である。したがって、この移設判定レコードによると、モジュールをビルAからビルBまで移設するにあたり、未使用数、予測月数、施工業者、都道府県などの条件を点数化すると合計で8点であること示す。なお、図7に示される移設管理テーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図7とは異なる態様で移設判定テーブルが構成されてもよい。例えば、移設判定テーブルは、移設に最低限必要とする得点の閾値を有していてもよい。
【0035】
モジュール移設部110は、移設候補決定部108によってモジュール移設可能であると判断された場合、モジュール移設処理を実行する。具体的には、移設元となるビル情報(例えば、ビル名、モジュール未使用数、最短の月等)を、通信部101を介して端末200へ送信する。モジュール移設部110は、端末200から受信した指示情報(例えば、モジュール移設処理の許可等)に基づいて、施工業者への注文書送付や装置管理テーブルの装置管理レコードの更新処理等を実行する。なお、モジュール移設部110は、移設元となるビル情報を入出力制御部112へ通知してもよい。この場合、モジュール移設部110は、入出力制御部112から指示情報を受信する。
【0036】
モジュール購入部111は、移設候補決定部108によってモジュール移設可能でないと判断された場合、モジュール購入処理を実行する。具体的には、モジュール情報(例えば、納期(月)、価格など)を、通信部101を介して端末200へ送信する。モジュール購入部111は、前記端末200から、受信した指示情報(例えば、モジュール購入処理の許可等)に基づいて、販売業者への注文書送付や装置管理テーブルの装置管理レコードの更新処理の実行等を実行する。なお、モジュール購入部111は、モジュール情報を入出力制御部112へ通知してもよい。この場合、モジュール購入部111は、入出力制御部112から指示情報を受信する。
【0037】
入出力制御部112は、入力部113から入力された入力信号から入力データを生成し、機能制御部102に通知する。入出力制御部112は、モジュール移設部110及びモジュール購入部111から通知されたデータから出力信号を生成し、出力部114へ通知する。
【0038】
入力部113は、タッチパネル、ボタン、マウス、スイッチ及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部113は、入力装置を設備管理装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部113は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、設備管理装置100に対する指示を示す指示情報)を生成し、設備管理装置100に入力する。
【0039】
出力部114は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。出力部114は、出力装置を設備管理装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、出力部114は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。なお、出力部114は、スピーカー、イヤホン、ヘッドフォン等の音声出力装置を用いて構成されてもよい。なお、この場合、出力部114は、音声出力装置を設備管理装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。
【0040】
端末200は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。端末200には、ユーザが触れることを前提とした装置も、ユーザが触れることを前提としていない装置も含まれる。端末200は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備える。端末200は、モジュール移設候補算出プログラムを実行することによって、通信部201、入出力制御部202、入力部203、出力部204を備える装置として機能する。なお、端末200の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。設備管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。端末200は、複数台の情報処理装置を用いて構成されてもよい。
【0041】
通信部201は、ネットワークインタフェースである。通信部201はネットワーク300を介して設備管理装置100と通信する。
【0042】
入出力制御部202は、入力部203から入力された入力信号から入力データを生成し、通信部201を介して設備管理装置100に通知する。入出力制御部202は、設備管理装置100から通知を受けたデータから出力信号を生成し、出力部204へ通知する。
【0043】
入力部203は、タッチパネル、ボタン、マウス、スイッチ及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部203は、入力装置を端末200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部203は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、設備管理装置100に対する指示を示す指示情報)を生成し、端末200に入力する。
【0044】
出力部204は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置である。出力部204は、出力装置を端末200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、出力部204は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。なお、出力部204は、スピーカー、イヤホン、ヘッドフォン等の音声出力装置を用いて構成されてもよい。なお、この場合、出力部204は、音声出力装置を端末200に接続するためのインタフェースであってもよい。
【0045】
図8は、設備管理システム1の処理の流れを示すフローチャートである。まず、機能制御部102は、端末200から受信した指示情報に基づいて、設備管理プログラムを実行する。具体的には、機能制御部102は、使用数予測処理部104に、設備管理プログラムの実行を指示する(ステップS101)。使用数予測処理部104は、装置情報記憶部103に記憶されているモジュールテーブルの全てのモジュールレコードに対してステップS102〜ステップS112までの処理を実行する。使用数予測処理部104は、モジュールレコードから納期(月)を取得する(以後、本フローチャート内では、納期(月)を「X」とする。)(ステップS102)。
【0046】
使用数予測処理部104は、装置管理テーブルから選択したモジュールレコードに登録されているモジュール名と一致する全ての装置管理レコードを選択して、ステップS103〜ステップS108までの処理を実行する。
【0047】
使用数予測処理部104は、装置管理レコードから、モジュール使用数、モジュール未使用数及びモジュール使用数履歴を取得する(以後、本フローチャート内では、モジュール使用数をA、モジュール未使用数をB、モジュール使用数履歴をCとする)(ステップS103)。使用数予測処理部104は、Cを用いてモジュール使用数予測処理を実行する。具体的には、Cを用いて線形近似や多項式近似等を実行することで、将来のモジュール使用数を算出する(ステップS104)。使用数予測処理部104は、算出した将来のモジュール使用数がAとBとの和以上となる最短の月を特定する(ステップS105)。使用数予測処理部104は、特定した月とXとを比較する(ステップS106)。特定した月が、Xよりも大きい場合(ステップS106‐YES)、使用数予測処理部104は、移設可処理を実行する。具体的には、使用数予測処理部104は、一時記憶部106に登録されている移設管理テーブルに移設管理レコードを作成する。使用数予測処理部104は、移設管理レコードのモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値として、装置管理レコードに登録されているモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値を登録する。使用数予測処理部104は、移設管理レコードの最短の月の値として、将来のモジュール使用数がAとBとの和以上となる最短の月を登録する。使用数予測処理部104は、移設管理レコードの移設可否の値として、“可”を登録する(ステップS107)。特定した月が、X以下である場合(ステップS106−NO)、使用数予測処理部104は、移設不可処理を実行する。具体的には、使用数予測処理部104は、一時記憶部106に登録されている移設管理テーブルに移設管理レコードを作成する。使用数予測処理部104は、移設管理レコードのモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値として、装置管理レコードのモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値を登録する。使用数予測処理部104は、移設管理レコードの最短の月の値として、将来のモジュール使用数がAとBとの和以上となる最短の月を登録する。使用数予測処理部104は、移設管理レコードの移設可否の値として、“不可”を登録する(ステップS108)。
【0048】
移設候補決定部108は、移設可否の値として不可が登録されている全ての移設管理レコードに対して、ステップS109〜ステップS112までの処理を実行する。具体的には、移設候補決定部108は、移設候補決定処理を実行する(ステップS109)。移設候補決定部108は、移設候補決定処理の結果が移設可であるか否か判定する(ステップS110)。移設可である場合(ステップS110‐YES)、モジュール移設部110は、モジュール移設処理を実行する。
【0049】
具体的には、モジュール移設部110は、端末200に対して、移設元となるビル情報(例えば、ビル名、モジュール未使用数、最短の月等)を、端末200へ送信する。機能制御部102は、端末200から指示情報を受信すると、モジュール移設部110にモジュール移設処理の実行を指示する。モジュール移設部110は、指示情報に基づいて、施工業者への注文書送付や装置管理テーブルの装置管理レコードの更新処理等のモジュールの移設に必要な処理を実行する(ステップS111)。移設可ではない場合(ステップS110−NO)、モジュール購入部111は、モジュール購入処理を実行する。具体的には、モジュール購入部111は、端末200に対して、モジュール情報(例えば、納期(月)、価格など)を、端末200へ送信する。機能制御部102は、端末200から指示情報を受信すると、モジュール購入部111にモジュール購入処理の実行を指示する。モジュール購入部111は、指示情報に基づいて、販売業者への注文書送付、装置管理テーブルの装置管理レコードの更新等のモジュールの購入に必要な処理を実行する。(ステップS112)。
【0050】
図9は、移設候補決定処理(ステップS109)の流れを示すフローチャートである。移設候補決定部108は、移設可否の値として可が登録されている全ての移設管理レコードに対して、ステップS201〜ステップS206までの処理を実行する。具体的には、まず、移設候補決定部108は、移設管理レコードのモジュール未使用数の値が2未満か否か判定する(ステップS201)。モジュール未使用数が2未満である場合(ステップS201−YES)、当該移設管理レコードに対して何らの処理も実行しない。一方、モジュール未使用数が2未満ではない場合(ステップS201−NO)、移設候補決定部108は、移設情報記憶部109が記憶する移設判定テーブルに移設判定レコードを生成する(ステップS202)。移設候補決定部108は、移設管理レコードのモジュール未使用数の値に基づいて、未使用数点数を算出する(例えば、モジュール未使用数1つにつき、1点など)。移設候補決定部108は、未使用数点数を移設判定レコードの未使用数点数に登録する(ステップS203)。移設候補決定部108は、移設管理レコードの最短の月の値に基づいて、予測月数点数を算出する(例えば、最短の月が1か月につき、1点など)。移設候補決定部108は、予測月数点数を移設判定レコードの予測月数点数に登録する(ステップS204)。移設候補決定部108は、ビル情報記憶部107が記憶しているビル管理テーブルのビル管理レコードの値に基づいて、施工業者点数を算出する(例えば、移設元ビルと移設先ビルの施工業者が一致していれば、1点など)。移設候補決定部108は、未使用数点数を移設判定レコードの施工業者点数に登録する(ステップS205)。移設候補決定部108は、ビル情報記憶部107が記憶しているビル管理テーブルのビル管理レコードの値に基づいて、都道府県点数を算出する(例えば、移設元ビルと移設先ビルの都道府県が一致していれば、1点など)。移設候補決定部108は、未使用数点数を移設判定レコードの都道府県点数に登録する(ステップS206)。
【0051】
移設候補決定部108は、移設判定テーブルに移設判定レコードが有るか否か判定する(ステップS207)。移設判定レコードが有る場合(ステップS207−YES)、移設候補決定部108は、移設判定レコード毎の総得点を算出し、移設判定レコードの総得点に登録する。総得点とは、移設判定レコードの未使用点数、予測月数点数、施工業者点数及び都道府県点数の値の総合計値である。移設候補決定部108は、総得点が最も大きい移設判定レコードを決定する(ステップS208)。移設候補決定部108は、移設判定レコードの移設元の値を取得する。移設候補決定部108は、移設候補決定処理の結果は、移設可であるとする(ステップS209)。移設判定レコードがない場合(ステップS207−NO)、移設候補決定部108は、移設候補決定処理の結果は、移設可ではないとする(ステップS210)。移設候補決定部108は、移設候補決定処理を終了する。
【0052】
(効果)
図10は、従来の専用線などのネットワーク構成を示す図である。図11は、従来技術の課題を示す図である。従来の設備管理システムでは、モジュールが不足するビルに対して、どのビルからモジュールを移設すべきか定量的に判断する仕組みがなかった。このような従来技術に対して、上述した設備管理システム1では、モジュール使用数予測処理を実行するため、モジュール移設する候補ビルを容易に発見できるようになる。
【0053】
(変形例)
設備管理装置100は、モジュール移設処理又はモジュール購入処理を実行する場合、移設又は購入するモジュール数が筐体の空スロット数よりも大きければ、筐体の移設処理又は購入処理を実行してもよい。このように構成することで、筐体の空きスロット数が不足する場合でも、筐体の移設又は購入処理を個別に実行する必要がなくなる。
【0054】
(第2の実施形態)
図12は、第2実施形態における設備管理システム2のシステム構成を表すシステム構成図である。第2実施形態における設備管理システム2は、設備管理装置100に代えて設備管理装置100aを備える点と端末200に代えて端末200aを備える点で第1実施形態における設備管理システム1と異なり、そのほかの点では設備管理システム1と同じ構成である。
【0055】
設備管理装置100aは、機能制御部102に代えて機能制御部102aを備える点と、使用数予測処理部104、移設候補決定部108、モジュール移設部110及びモジュール購入部111を有さない点とで、第1実施形態における設備管理装置100と異なり、そのほかの点では設備管理装置100と同じ構成である。
【0056】
機能制御部102aは、端末200aから受信した指示情報(例えば、モジュールレコードの取得等)に基づいて、装置情報記憶部103、装置管理記憶部105、一時記憶部106、ビル情報記憶部107及び移設情報記憶部109から所定の情報を取得し、端末200aへ送信する。機能制御部102aは、端末200aから受信した情報(例えば、移設可否の値等)を、装置情報記憶部103、装置管理記憶部105、一時記憶部106、ビル情報記憶部107及び移設情報記憶部109の所定の記憶部へ登録する。
【0057】
端末200aは、入出力制御部202に代えて入出力制御部202aを備える点と、機能制御部205a、使用数予測処理部206a、移設候補決定部207a、モジュール移設部208a及びモジュール購入部209aを更に備える点とで第1実施形態における端末200と異なり、そのほかの点では端末200と同じ構成である。
【0058】
入出力制御部202aは、入力部203から入力された入力信号から入力データを生成し、機能制御部205aに通知する。入出力制御部202aは、モジュール移設部208a及びモジュール購入部209aから通知を受けた出力データから出力信号を生成し、出力部204へ通知する。
【0059】
機能制御部205aは、入出力制御部202aから受信した指示情報(例えば、設備管理プログラムの実行)に基づいて、使用数予測処理部206aにモジュール使用数予測処理の実行を指示する。機能制御部205aは、入出力制御部202aから受信した指示情報(例えば、モジュール移設処理の許可等)に基づいて、モジュール移設部208aにモジュール移設処理の実行を指示する。機能制御部205aは、入出力制御部202aから受信した指示情報(例えば、モジュール購入処理の許可等)に基づいて、モジュール購入部209aにモジュール購入処理の実行を指示する。
【0060】
使用数予測処理部206aは、装置管理記憶部105に記憶されている装置管理テーブルを取得する。使用数予測処理部206aは、モジュール使用数の予測処理を実行する。具体的には、使用数予測処理部206aは、装置管理テーブルに登録される情報(例えば、モジュール使用数履歴等)を用いて線形近似や多項式近似等を実行することで将来のモジュール使用数を算出する。例えば、図3は、線形近似処理を実行することで予測を行ったグラフの一例である。また、使用数予測処理部206aは、一時記憶部106が記憶する移設管理テーブルに移設管理レコードを作成し、予測処理の結果を登録する。
【0061】
移設候補決定部207aは、モジュール移設不可であるビルに対し、他のビルからモジュールを移設するか又はモジュールを購入するか判断する処理を実行する。移設候補決定部207aは、モジュール移設可能であると判断した場合、モジュール移設部208aにモジュール移設処理を実行させる。移設候補決定部207aは、モジュール移設可能ではないと判断した場合、モジュール購入部209aにモジュール購入処理を実行させる。
【0062】
モジュール移設部208aは、移設候補決定部207aによってモジュール移設可能であると判断された場合、モジュール移設処理を実行する。具体的には、移設元となるビル情報(例えば、ビル名、モジュール未使用数、最短の月等)を、入出力制御部202aへ通知する。
モジュール移設部208aは、入出力制御部202aから通知を受けた指示情報(例えば、モジュール移設処理の許可等)に基づいて、施工業者への注文書送付や装置管理テーブルの装置管理レコードの更新処理等を実行する。
【0063】
モジュール購入部209aは、移設候補決定部207aによってモジュール移設可能でないと判断された場合、モジュール購入処理を実行する。具体的には、モジュール情報(例えば、納期(月)、価格など)を、入出力制御部202aへ通知する。
モジュール購入部209aは、入出力制御部202aから通知を受けた指示情報(例えば、モジュール購入処理の許可等)に基づいて、販売業者への注文書送付や装置管理テーブルの装置管理レコードの更新処理の実行等を実行する。
【0064】
図13は、設備管理システム2の処理の流れを示すフローチャートである。まず、入出力制御部202aは、入力部203から入力された指示情報(具体的には、設備管理プログラムの実行)を機能制御部205aに通知する。機能制御部205aは、入出力制御部202aから受信した指示情報に基づいて、設備管理プログラムを実行する。具体的には、機能制御部205aは、使用数予測処理部206aに、設備管理プログラムの実行を指示する(ステップS301)。使用数予測処理部206aは、装置情報記憶部103に記憶されているモジュールテーブルの全てのモジュールレコードに対してステップS302〜ステップS312までの処理を実行する。使用数予測処理部206aは、モジュールレコードから納期(月)を取得する(以後、本フローチャート内では、納期(月)を「X」とする。)(ステップS302)。
【0065】
使用数予測処理部206aは、装置管理テーブルから選択したモジュールレコードに登録されているモジュール名と一致する全ての装置管理レコードを選択して、ステップS303〜ステップS308までの処理を実行する。使用数予測処理部206aは、装置管理レコードから、モジュール使用数、モジュール未使用数及びモジュール使用数履歴を取得する(以後、本フローチャート内では、モジュール使用数をA、モジュール未使用数をB、モジュール使用数履歴をCとする)(ステップS303)。使用数予測処理部206aは、Cを用いてモジュール使用数予測処理を実行する。具体的には、Cを用いて線形近似や多項式近似等を実行することで、将来のモジュール使用数を算出する(ステップS304)。使用数予測処理部206aは、算出した将来のモジュール使用数がAとBとの和以上となる最短の月を特定する(ステップS305)。使用数予測処理部206aは、特定した月とXとを比較する(ステップS308)。特定した月が、Xより大きい場合(ステップS306‐YES)、使用数予測処理部206aは、移設可処理を実行する。具体的には、使用数予測処理部206aは、一時記憶部106に登録されている移設管理テーブルに移設管理レコードを作成する。使用数予測処理部206aは、移設管理レコードのモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値として、装置管理レコードに登録されているモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値を登録する。使用数予測処理部206aは、移設管理レコードの最短の月の値として、将来のモジュール使用数がAとBとの和以上となる最短の月を登録する。使用数予測処理部206aは、移設管理レコードの移設可否の値として、“可”を登録する(ステップS307)。特定した月が、X以下である場合(ステップS306−NO)、使用数予測処理部206aは、移設不可処理を実行する。具体的には、使用数予測処理部206aは、一時記憶部106に登録されている移設管理テーブルに移設管理レコードを作成する。使用数予測処理部206aは、移設管理レコードのモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値として、装置管理レコードのモジュール名、ビル名、筐体番号及びモジュール未使用数の値を登録する。使用数予測処理部206aは、移設管理レコードの最短の月の値として、将来のモジュール使用数がAとBとの和以上となる最短の月を登録する。使用数予測処理部206aは、移設管理レコードの移設可否の値として、“不可”を登録する(ステップS308)。
【0066】
移設候補決定部207aは、移設可否の値として不可が登録されている全ての移設管理レコードに対して、ステップS309〜ステップS312までの処理を実行する。具体的には、移設候補決定部207aは、移設候補決定処理を実行する(ステップS309)。移設候補決定部207aは、移設候補決定処理の結果が移設可であるか否か判定する(ステップS310)。移設可である場合(ステップS310‐YES)、モジュール移設部208aは、モジュール移設処理を実行する。具体的には、モジュール移設部208aは、入出力制御部202aに対して、移設元となるビル情報(例えば、ビル名、モジュール未使用数、最短の月等)を、入出力制御部202aへ通知する。入出力制御部202aは、モジュール移設部208aから通知を受けた情報から出力データを生成し、出力部204に通知する。入出力制御部202aは、入力部203から通知を受けた入力情報(具体的には、モジュール移設処理の実行等の指示情報)から入力データを生成し、機能制御部205aへ通知する。機能制御部205aは、入出力制御部202aから指示情報の通知を受けると、モジュール移設部110にモジュール移設処理の実行を指示する。モジュール移設部208aは、指示情報に基づいて、施工業者への注文書送付や装置管理テーブルの装置管理レコードの更新処理等のモジュールの移設に必要な処理を実行する(ステップS311)。移設可ではない場合(ステップS310−NO)、モジュール購入部209aは、モジュール購入処理を実行する。具体的には、モジュール購入部209aは、入出力制御部202aに対して、モジュール情報(例えば、納期(月)、価格など)を、入出力制御部202aへ通知する。入出力制御部202aは、モジュール購入部209aから通知を受けた情報から出力データを生成し、出力部204に通知する。入出力制御部202aは、入力部203から通知を受けた入力情報(具体的には、モジュール購入処理の実行などの指示情報)から入力データを生成し、機能制御部205aへ通知する。機能制御部205aは、入出力制御部202aから指示情報を受けると、モジュール購入部209aにモジュール購入処理の実行を指示する。モジュール購入部209aは、指示情報に基づいて、販売業者への注文書送付、装置管理テーブルの装置管理レコードの更新等のモジュールの購入に必要な処理を実行する。(ステップS312)。
【0067】
図14は、移設候補決定処理(ステップS309)の流れを示すフローチャートである。移設候補決定部207aは、移設可否の値として可が登録されている全ての移設管理レコードに対して、ステップS401〜ステップS407までの処理を実行する。具体的には、まず、移設候補決定部207aは、移設管理レコードのモジュール未使用数の値が2未満か否か判定する(ステップS401)。モジュール未使用数が2未満である場合(ステップS401−YES)、当該移設管理レコードに対して何らの処理も実行しない。一方、モジュール未使用数が2未満ではない場合(ステップS401−NO)、移設候補決定部207aは、移設情報記憶部109が記憶する移設判定テーブルに移設判定レコードを生成する(ステップS402)。移設候補決定部207aは、移設管理レコードのモジュール未使用数の値に基づいて、未使用数点数を算出する(例えば、モジュール未使用数1つにつき、1点など)。移設候補決定部207aは、未使用数点数を移設判定レコードの未使用数点数に登録する(ステップS403)。移設候補決定部207aは、移設管理レコードの最短の月の値に基づいて、予測月数点数を算出する(例えば、最短の月が1か月につき、1点など)。移設候補決定部207aは、予測月数点数を移設判定レコードの予測月数点数に登録する(ステップS404)。移設候補決定部207aは、ビル情報記憶部107が記憶しているビル管理テーブルのビル管理レコードの値に基づいて、施工業者点数を算出する(例えば、移設元ビルと移設先ビルの施工業者が一致していれば、1点など)。移設候補決定部207aは、未使用数点数を移設判定レコードの施工業者点数に登録する(ステップS405)。移設候補決定部207aは、ビル情報記憶部107が記憶しているビル管理テーブルのビル管理レコードの値に基づいて、都道府県点数を算出する(例えば、移設元ビルと移設先ビルの都道府県が一致していれば、1点など)。移設候補決定部207aは、未使用数点数を移設判定レコードの都道府県点数に登録する(ステップS406)。
【0068】
移設候補決定部207aは、移設判定テーブルに移設判定レコードが有るか否か判定する(ステップS407)。移設判定レコードが有る場合(ステップS407−YES)、移設候補決定部207aは、移設判定レコード毎の総得点を算出し、移設判定レコードの総得点に登録する。総得点とは、移設判定レコードの未使用点数、予測月数点数、施工業者点数及び都道府県点数の値の総合計値である。移設候補決定部207aは、総得点が最も大きい移設判定レコードを決定する(ステップS408)。移設候補決定部207aは、移設判定レコードの移設元の値を取得する。移設候補決定部207aは、移設候補決定処理の結果は、移設可であるとする(ステップS409)。移設判定レコードがない場合(ステップS407−NO)、移設候補決定部207aは、移設候補決定処理の結果は、移設可ではないとする(ステップS410)。移設候補決定部207aは、移設候補決定処理を終了する。
【0069】
(効果)
このように構成された設備管理システム2では、端末200aが設備管理プログラムを実行する。一方で設備管理装置100aは、データの管理のみを実行する。そのため、設備管理装置100aの負荷が軽減される。
【符号の説明】
【0070】
1…設備管理システム1, 2…設備管理システム2, 100…設備管理装置, 101…通信部, 102…機能制御部, 103…装置情報記憶部, 104…使用数予測処理部, 105…装置管理記憶部, 106…一時記憶部, 107…ビル情報記憶部, 108…移設候補決定部, 109…移設情報記憶部, 110…モジュール移設部, 111…モジュール購入部, 112…入出力制御部, 113…入力部, 114…出力部, 200…端末, 201…通信部, 202…入出力制御部, 203…入力部, 204…出力部, 300…ネットワーク, 100a…設備管理装置, 102a…機能制御部, 200a…端末, 205a…機能制御部, 206a…使用数予測処理部, 207a…移設候補決定部, 208a…モジュール移設部, 209a…モジュール購入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14